JPH03294456A - 成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法Info
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- JPH03294456A JPH03294456A JP9887290A JP9887290A JPH03294456A JP H03294456 A JPH03294456 A JP H03294456A JP 9887290 A JP9887290 A JP 9887290A JP 9887290 A JP9887290 A JP 9887290A JP H03294456 A JPH03294456 A JP H03294456A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明は成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合
金板の製造方法に係り、更に詳しくは、プレス等の成形
加工性に優れ、かつ成形加工後の塗装焼付時の加熱によ
る焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法に
関する。 (従来の技術) 従来、自動車用部品等及び他の用途に使用されるアルミ
ニウム合金板は、プレスや曲げ等の成形加工が行われ、
塗装工程において、塗装した塗膜に強度を保持させるた
めに加熱する処理(焼付、ベーキング)が行われ、併せ
てこの加熱を利用してアルミニウム合金板の強度を向上
させることが行われている。 近時、省エネルギー及びコストダウンの観点がら、焼付
温度が低く、焼付時間が短くなる傾向にあり、この低温
短時間の焼付で強度が向上するアルミニウム合金板が強
く要望されている。 このような要請に応える技術として、例えば、特開平1
−111851号による提案がある。これは、Mg:0
.3〜1.5%及びSi:0.2〜2.0%を含むAl
−Mg−8i系アルミニウム合金につき、溶体化処理後
、60〜130℃までを100’C/win以上の冷却
速度で冷却し、そのまま60〜130℃の範囲の温度に
0.5〜48時間保持することを特徴とする焼付硬化性
及び成形性に優れたアルミニウム合金の製造法である。 この方法により得られるアルミニウム合金板は。 170℃程度の比較的低い温度での短時間の焼付におい
ても、著しく強度が向上するという効果があるとされて
いる。 (発明が解決しようとする課題) 一方、自動車用部品等の用途に使用される板材料には、
優れた成形加工性が要求される。 しかしながら、上記提案に係るAl−Mg−8i系(6
000系)アルミニウム合金板は、製品としての十分な
強度を持たせるために素材強度を一定以上に設定した場
合には、成形加工性が、−船釣に鋼板或いは高成形性構
造用アルミニウム合金のAl−Mg系(5000系)よ
りも劣ると云われている。 そのため、焼付硬化性に優れたAl −Mg−8i系合
金板の成形性の更なる改善が求められているのが現状で
ある。 本発明は、か)る要請に応えるべくなされたものであっ
て、先の提案に係る方法において更に成形加工性の向上
が可能であり、しかし低温短時間の焼付けによる焼付硬
化性を向上し得る方法を提供することを目的とするもの
である。 (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するために、本発明者は、先の提案に係
る方法を改良するべく鋭意研究を重ねた。 その結果、必須含有成分であるMg、Siに成形性の向
上に寄与する適正な含有量があることを知見した。すな
わち、Mg2Siの組成比よりもSi量を過剰にするこ
とにより、成形加工性が改善されるという知見を得た。 その理由としては、過剰なSi粒子が分散することによ
り、加工中に均一変形を起こし易くさせ、成形加工性を
向上させるためであると考えられる。 本発明は、か)る知見に基づき、更に他含有成分や製造
条件について詳細に研究を重ねて完成したものである。 すなわち、本発明は、必須成分として、Mg: 0 。 2〜0.6%及びSi:0.9〜1.6%を含有し、か
つ、その含有量の比がSi>0.58×Mg+0゜8で
あり、更にCu: 0 、3%以下、Ti: 0 、1
%以下、B:0.06%以下、Be:0.2%以下、M
n:0.3%以下、Cr: 0 、4%以下、Fe:0
.5%以下、Zr:0.2%以下及びV:0.2%以下
のうちの1種又は2種以上を含有し、残部が実質的にA
lからなるアルミニウム合金鋳塊につき、均質化処理を
施した後、熱間圧延を行い、次いで冷間圧延を行って所
望の板厚とした後、溶体化処理として100℃/分以上
の加熱速度で480〜560℃の温度に急速加熱し、こ
の温度域に3秒以上保持した後、冷却速度を300℃/
分以上で50〜130℃の温度に焼入れする熱処理を施
し、そのまま50〜130℃の温度で1〜48時間の保
持を行うことを特徴とする成形性及び焼付硬化性に優れ
たアルミニウム合金板の製造方法を要旨とするものであ
る。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学成分の限定理由について説明
する。 Mg: MgはSiと共同して強度を付与する元素であるが、0
.2%未満では強度(以下、強度とは素材及び175℃
の焼付後の強度を云う)が低く、ミクロ割れが発生し易
い。また0、6%を超えて含有すると、素材強度が高く
なりすぎて成形性が低下する。したがって、Mg含有量
は0.2〜0.6%の範囲とする。 Si: SiはMgと共同して強度を付与する元素であり、且つ
Mg、Siの組成比よりも過剰に添加した場合には、S
i粒子が分散することにより成形加工中に均一変形を起
こし易くなり、成形性が向上する。 しかし、0.9%未満では成形性改善の効果は殆どなく
、また1、6%を超えると素材強度が高くなりすぎて成
形性が低下し、且つミクロ割れも発生し易くなる。した
がって、Si含有量は0.9〜1.6%の範囲とする。 但し、上述のように、SiをMg2Siの組成比よりも
過剰に含有させることにより成形性が向上するが、その
SiとMgの含有量の比は、以下の式を満足する必要が
ある。 Si>0.58×Mg+0.8 本発明は、これらのMg及びSiを必須成分とするが、
更に、以下に説明する元素Cu、Ti、B、Be、Mn
、Cr、Fe、Zr及びVのうちの1種又は2種以上を
含有するものである。 Cu: Cuは強度向上に付与する元素であるが、0.3%を超
えると耐食性及び成形性が低下する。したかって、Cu
含有量は0.3%以下とする。 Ti: Tiは鋳塊の結晶粒を微細にし、且つ成形性を向上させ
る元素であるが、0.1%を超えて含有すると、粗大な
晶出物を生成し、成形性を低下させる。したがって、T
i含有量は0.1%以下とする。 B: BはTiと同様に鋳塊の結晶粒を微細にし、成形性を向
上させる元素であるが、0.06%を超えて含有すると
、粗大な晶出物を生成し、成形性を低下させる。したが
って、B含有量は0.06%以下とする。 Be: Beは熱間圧延性の向上及び製品の成形性の向上に効果
がある元素であるが、0.2%を超えて含有するとその
効果は飽和する。したがって。 Be含有量は0.2%以下とする。 Mn、Cr+Zr、V、Fe: Mn、Cr、Zr、Vはそれぞれ強度を向上させる効果
がある元素であるが、含有量が増加すると粗大な晶出物
を生成して、成形性を低下させることになり、また、F
eは強度向上効果は小さいが、同様の理由で成形性を低
下させる。したがって、Mn含有量は0.3%以下、C
r含有量は0.4%以下、Zr含有量は0.2%以下、
■含有量は0.2%以下、Fe含有量は0.5%以下と
する。 次に、本発明の製造条件について説明する。 まず、上記化学成分を有するアルミニウム合金鋳塊に均
質化処理を施す。均質化処理は、バー二ン、グ温度以下
の温度で行うのがよく、特に成形性及び焼付硬化性を有
する組成の場合の均質化処理は、目的の温度までの加熱
速度を200℃/hr以下とするか、又は2段以上の多
段均質化処理を行うのが望ましい。 続いて熱間圧延を行うが、この条件は、焼付硬化性に及
ぼす効果は小さいので、特に限定する必要はない。 熱間圧延後、冷間圧延を行うが、熱間圧延後に荒焼鈍を
入れ、或いは冷間圧延開始後に中間焼鈍をそれぞれ入れ
てもよい。製品の加工状況によって高い成形性が要求さ
れる場合には、このような焼鈍工程を入れると成形性が
向上する。焼鈍の温度は300〜580℃の範囲とする
のが望まし、1゜300℃未満では成形性の向上の効果
が少なく、また580℃を超えるとバーニングを起こし
、成形性が低下するので好ましくない。 冷間圧延後は溶体化処理を施すが、この溶体化処理は、
急速加熱で高温短時間の加熱、続いて急速冷却を行うこ
とによって、素材強度の向上、高い成形性及び焼付は後
の強度を向上させるための処理であ、そのためには、ま
ず、100℃/分以上の加熱速度で480〜560℃の
高温に急速加熱し、この温度に3秒以上保持する。加熱
温度が480℃未満の温度では強度の向上が少なく、ま
た560℃を超える温度ではバーニングを発生して成形
性が低下するので望ましくない、また、加熱速度が10
0℃/分未満或いは保持時間が3秒未満では上記効果が
得られない。 次いで、急冷するが、冷却速度が300℃/分未満では
焼付後の強度向上が少なく、成形性も低下するので、冷
却速度は300℃/分以上とする。 本発明では、この冷却速度により、50〜130℃の温
度に焼入れし、この温度(焼入温度)にて1〜48時間
の温度保持を行う。この焼入温度並びに焼入後保持する
温度は、50℃未満では焼付後の強度向上の効果は少な
く、また130℃を超えると強度向上の効果は大きいが
、成形性が低下するので好ましくない。また、温度保持
時間は、1時間未満では強度向上の効果は少なく、また
48時間を超えると成形性が低下するので好ましくない
、したがって、焼入温度は50〜130℃の範囲とし、
そのまま50〜130℃の温度で1〜48時間の温度保
持を行う。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 大ム孤よ 第1表に示す化学成分を有するアルミニウム合金を通常
の方法で溶解、鋳造し、得られた鋳塊について、加熱速
度40℃/hrで510℃の温度に4時間保持する均質
化処理を施した後、熱間圧延及び冷間圧延(冷間圧延率
30%)を行って、1゜0−一厚の板とした。 この板を加熱速度300℃/分で530℃の温度に急速
加熱して30秒間保持し、700℃/分の冷却速度で6
0℃の温度に焼入れし、そのまま60℃の温度に24時
間保持した。 得られた素材の特性並びに焼付(175℃×30分)後
の焼付硬化性(耐力)を第2表に示す。 第2表から明らかなように、本発明例Nnl〜&13は
、比較例Nα14〜Nα26に比べて、強度と成形性の
優れたバランスのよい材料であることがわかる。 一方、比較例は、いずれも強度と成形性を同時に満足し
ていない。
金板の製造方法に係り、更に詳しくは、プレス等の成形
加工性に優れ、かつ成形加工後の塗装焼付時の加熱によ
る焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法に
関する。 (従来の技術) 従来、自動車用部品等及び他の用途に使用されるアルミ
ニウム合金板は、プレスや曲げ等の成形加工が行われ、
塗装工程において、塗装した塗膜に強度を保持させるた
めに加熱する処理(焼付、ベーキング)が行われ、併せ
てこの加熱を利用してアルミニウム合金板の強度を向上
させることが行われている。 近時、省エネルギー及びコストダウンの観点がら、焼付
温度が低く、焼付時間が短くなる傾向にあり、この低温
短時間の焼付で強度が向上するアルミニウム合金板が強
く要望されている。 このような要請に応える技術として、例えば、特開平1
−111851号による提案がある。これは、Mg:0
.3〜1.5%及びSi:0.2〜2.0%を含むAl
−Mg−8i系アルミニウム合金につき、溶体化処理後
、60〜130℃までを100’C/win以上の冷却
速度で冷却し、そのまま60〜130℃の範囲の温度に
0.5〜48時間保持することを特徴とする焼付硬化性
及び成形性に優れたアルミニウム合金の製造法である。 この方法により得られるアルミニウム合金板は。 170℃程度の比較的低い温度での短時間の焼付におい
ても、著しく強度が向上するという効果があるとされて
いる。 (発明が解決しようとする課題) 一方、自動車用部品等の用途に使用される板材料には、
優れた成形加工性が要求される。 しかしながら、上記提案に係るAl−Mg−8i系(6
000系)アルミニウム合金板は、製品としての十分な
強度を持たせるために素材強度を一定以上に設定した場
合には、成形加工性が、−船釣に鋼板或いは高成形性構
造用アルミニウム合金のAl−Mg系(5000系)よ
りも劣ると云われている。 そのため、焼付硬化性に優れたAl −Mg−8i系合
金板の成形性の更なる改善が求められているのが現状で
ある。 本発明は、か)る要請に応えるべくなされたものであっ
て、先の提案に係る方法において更に成形加工性の向上
が可能であり、しかし低温短時間の焼付けによる焼付硬
化性を向上し得る方法を提供することを目的とするもの
である。 (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するために、本発明者は、先の提案に係
る方法を改良するべく鋭意研究を重ねた。 その結果、必須含有成分であるMg、Siに成形性の向
上に寄与する適正な含有量があることを知見した。すな
わち、Mg2Siの組成比よりもSi量を過剰にするこ
とにより、成形加工性が改善されるという知見を得た。 その理由としては、過剰なSi粒子が分散することによ
り、加工中に均一変形を起こし易くさせ、成形加工性を
向上させるためであると考えられる。 本発明は、か)る知見に基づき、更に他含有成分や製造
条件について詳細に研究を重ねて完成したものである。 すなわち、本発明は、必須成分として、Mg: 0 。 2〜0.6%及びSi:0.9〜1.6%を含有し、か
つ、その含有量の比がSi>0.58×Mg+0゜8で
あり、更にCu: 0 、3%以下、Ti: 0 、1
%以下、B:0.06%以下、Be:0.2%以下、M
n:0.3%以下、Cr: 0 、4%以下、Fe:0
.5%以下、Zr:0.2%以下及びV:0.2%以下
のうちの1種又は2種以上を含有し、残部が実質的にA
lからなるアルミニウム合金鋳塊につき、均質化処理を
施した後、熱間圧延を行い、次いで冷間圧延を行って所
望の板厚とした後、溶体化処理として100℃/分以上
の加熱速度で480〜560℃の温度に急速加熱し、こ
の温度域に3秒以上保持した後、冷却速度を300℃/
分以上で50〜130℃の温度に焼入れする熱処理を施
し、そのまま50〜130℃の温度で1〜48時間の保
持を行うことを特徴とする成形性及び焼付硬化性に優れ
たアルミニウム合金板の製造方法を要旨とするものであ
る。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学成分の限定理由について説明
する。 Mg: MgはSiと共同して強度を付与する元素であるが、0
.2%未満では強度(以下、強度とは素材及び175℃
の焼付後の強度を云う)が低く、ミクロ割れが発生し易
い。また0、6%を超えて含有すると、素材強度が高く
なりすぎて成形性が低下する。したがって、Mg含有量
は0.2〜0.6%の範囲とする。 Si: SiはMgと共同して強度を付与する元素であり、且つ
Mg、Siの組成比よりも過剰に添加した場合には、S
i粒子が分散することにより成形加工中に均一変形を起
こし易くなり、成形性が向上する。 しかし、0.9%未満では成形性改善の効果は殆どなく
、また1、6%を超えると素材強度が高くなりすぎて成
形性が低下し、且つミクロ割れも発生し易くなる。した
がって、Si含有量は0.9〜1.6%の範囲とする。 但し、上述のように、SiをMg2Siの組成比よりも
過剰に含有させることにより成形性が向上するが、その
SiとMgの含有量の比は、以下の式を満足する必要が
ある。 Si>0.58×Mg+0.8 本発明は、これらのMg及びSiを必須成分とするが、
更に、以下に説明する元素Cu、Ti、B、Be、Mn
、Cr、Fe、Zr及びVのうちの1種又は2種以上を
含有するものである。 Cu: Cuは強度向上に付与する元素であるが、0.3%を超
えると耐食性及び成形性が低下する。したかって、Cu
含有量は0.3%以下とする。 Ti: Tiは鋳塊の結晶粒を微細にし、且つ成形性を向上させ
る元素であるが、0.1%を超えて含有すると、粗大な
晶出物を生成し、成形性を低下させる。したがって、T
i含有量は0.1%以下とする。 B: BはTiと同様に鋳塊の結晶粒を微細にし、成形性を向
上させる元素であるが、0.06%を超えて含有すると
、粗大な晶出物を生成し、成形性を低下させる。したが
って、B含有量は0.06%以下とする。 Be: Beは熱間圧延性の向上及び製品の成形性の向上に効果
がある元素であるが、0.2%を超えて含有するとその
効果は飽和する。したがって。 Be含有量は0.2%以下とする。 Mn、Cr+Zr、V、Fe: Mn、Cr、Zr、Vはそれぞれ強度を向上させる効果
がある元素であるが、含有量が増加すると粗大な晶出物
を生成して、成形性を低下させることになり、また、F
eは強度向上効果は小さいが、同様の理由で成形性を低
下させる。したがって、Mn含有量は0.3%以下、C
r含有量は0.4%以下、Zr含有量は0.2%以下、
■含有量は0.2%以下、Fe含有量は0.5%以下と
する。 次に、本発明の製造条件について説明する。 まず、上記化学成分を有するアルミニウム合金鋳塊に均
質化処理を施す。均質化処理は、バー二ン、グ温度以下
の温度で行うのがよく、特に成形性及び焼付硬化性を有
する組成の場合の均質化処理は、目的の温度までの加熱
速度を200℃/hr以下とするか、又は2段以上の多
段均質化処理を行うのが望ましい。 続いて熱間圧延を行うが、この条件は、焼付硬化性に及
ぼす効果は小さいので、特に限定する必要はない。 熱間圧延後、冷間圧延を行うが、熱間圧延後に荒焼鈍を
入れ、或いは冷間圧延開始後に中間焼鈍をそれぞれ入れ
てもよい。製品の加工状況によって高い成形性が要求さ
れる場合には、このような焼鈍工程を入れると成形性が
向上する。焼鈍の温度は300〜580℃の範囲とする
のが望まし、1゜300℃未満では成形性の向上の効果
が少なく、また580℃を超えるとバーニングを起こし
、成形性が低下するので好ましくない。 冷間圧延後は溶体化処理を施すが、この溶体化処理は、
急速加熱で高温短時間の加熱、続いて急速冷却を行うこ
とによって、素材強度の向上、高い成形性及び焼付は後
の強度を向上させるための処理であ、そのためには、ま
ず、100℃/分以上の加熱速度で480〜560℃の
高温に急速加熱し、この温度に3秒以上保持する。加熱
温度が480℃未満の温度では強度の向上が少なく、ま
た560℃を超える温度ではバーニングを発生して成形
性が低下するので望ましくない、また、加熱速度が10
0℃/分未満或いは保持時間が3秒未満では上記効果が
得られない。 次いで、急冷するが、冷却速度が300℃/分未満では
焼付後の強度向上が少なく、成形性も低下するので、冷
却速度は300℃/分以上とする。 本発明では、この冷却速度により、50〜130℃の温
度に焼入れし、この温度(焼入温度)にて1〜48時間
の温度保持を行う。この焼入温度並びに焼入後保持する
温度は、50℃未満では焼付後の強度向上の効果は少な
く、また130℃を超えると強度向上の効果は大きいが
、成形性が低下するので好ましくない。また、温度保持
時間は、1時間未満では強度向上の効果は少なく、また
48時間を超えると成形性が低下するので好ましくない
、したがって、焼入温度は50〜130℃の範囲とし、
そのまま50〜130℃の温度で1〜48時間の温度保
持を行う。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 大ム孤よ 第1表に示す化学成分を有するアルミニウム合金を通常
の方法で溶解、鋳造し、得られた鋳塊について、加熱速
度40℃/hrで510℃の温度に4時間保持する均質
化処理を施した後、熱間圧延及び冷間圧延(冷間圧延率
30%)を行って、1゜0−一厚の板とした。 この板を加熱速度300℃/分で530℃の温度に急速
加熱して30秒間保持し、700℃/分の冷却速度で6
0℃の温度に焼入れし、そのまま60℃の温度に24時
間保持した。 得られた素材の特性並びに焼付(175℃×30分)後
の焼付硬化性(耐力)を第2表に示す。 第2表から明らかなように、本発明例Nnl〜&13は
、比較例Nα14〜Nα26に比べて、強度と成形性の
優れたバランスのよい材料であることがわかる。 一方、比較例は、いずれも強度と成形性を同時に満足し
ていない。
去】1」λ
実施例1の第1表に示したNα8のアルミニウム合金(
本発明範囲内)を通常の方法により溶解、鋳造して得ら
れた鋳塊について、加熱速度40℃/hrで510℃の
温度に6時間保持する均質化処理を施した後、熱間圧延
及び冷間圧延を行って1゜0m11厚の板とした。 次いで、この板を、第3表に示すように、加熱速度30
0℃/分で460〜580℃の温度に急速加熱して1〜
60秒間保持し、700℃/分の冷却速度で40〜14
0℃の温度に焼入れし、そのまま40〜140℃の温度
に0.5〜60時間保持した。 得られた素材の特性並びに焼付(175℃×30分)後
の焼付硬化性(耐力)を第3表に併記する。 第3表から明らかなように、本発明例N112〜&4、
&7〜&8、Nα10−&11.Nα14は、いずれも
強度と成形性の優れたバランスのよい材料であることが
わかる。 一方、比較例は、いずれも強度と成形性を同時に満足し
ていない。
本発明範囲内)を通常の方法により溶解、鋳造して得ら
れた鋳塊について、加熱速度40℃/hrで510℃の
温度に6時間保持する均質化処理を施した後、熱間圧延
及び冷間圧延を行って1゜0m11厚の板とした。 次いで、この板を、第3表に示すように、加熱速度30
0℃/分で460〜580℃の温度に急速加熱して1〜
60秒間保持し、700℃/分の冷却速度で40〜14
0℃の温度に焼入れし、そのまま40〜140℃の温度
に0.5〜60時間保持した。 得られた素材の特性並びに焼付(175℃×30分)後
の焼付硬化性(耐力)を第3表に併記する。 第3表から明らかなように、本発明例N112〜&4、
&7〜&8、Nα10−&11.Nα14は、いずれも
強度と成形性の優れたバランスのよい材料であることが
わかる。 一方、比較例は、いずれも強度と成形性を同時に満足し
ていない。
(発明の効果)
以上詳述したように、本発明によれば、成形性に優九、
且つ低温短時間の塗装焼付においても優れた強度向上性
を有するアルミニウム合金板を得ることができる。
且つ低温短時間の塗装焼付においても優れた強度向上性
を有するアルミニウム合金板を得ることができる。
Claims (1)
- 重量%で(以下、同じ)、必須成分として、Mg:0
.2〜0.6%及びSi:0.9〜1.6%を含有し、
且つその含有量の比がSi>0.58×Mg+0.8で
あり、更にCu:0.3%以下、Ti:0.1%以下、
B:0.06%以下、Be:0.2%以下、Mn:0.
3%以下、Cr:0.4%以下、Fe:0.5%以下、
Zr:0.2%以下及びV:0.2%以下のうちの1種
又は2種以上を含有し、残部が実質的にAlからなるア
ルミニウム合金鋳塊につき、均質化処理を施した後、熱
間圧延を行い、次いで冷間圧延を行って所望の板厚とし
た後、溶体化処理として100℃/分以上の加熱速度で
480〜560℃の温度に急速加熱し、この温度域に3
秒以上保持した後、冷却速度を300℃/分以上で50
〜130℃の温度に焼入れする熱処理を施し、そのまま
50〜130℃の温度で1〜48時間の保持を行うこと
を特徴とする成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウ
ム合金板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9887290A JPH0788558B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP9887290A JPH0788558B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03294456A true JPH03294456A (ja) | 1991-12-25 |
JPH0788558B2 JPH0788558B2 (ja) | 1995-09-27 |
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ID=14231273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9887290A Expired - Fee Related JPH0788558B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 成形性及び焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JPH0788558B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH05295475A (ja) * | 1992-04-17 | 1993-11-09 | Kobe Steel Ltd | 成形加工性及び焼付け塗装硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金材 |
JPH06136478A (ja) * | 1992-10-23 | 1994-05-17 | Kobe Steel Ltd | 成形加工性に優れた焼付硬化型Al合金板及びその製造方法 |
WO1995022634A1 (fr) * | 1994-02-16 | 1995-08-24 | Sumitomo Light Metal Industries, Ltd. | Procede de production d'une plaque d'alliage d'aluminium destinee au moulage |
JP2000273567A (ja) * | 1999-03-18 | 2000-10-03 | Nippon Steel Corp | 成形性および耐食性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法 |
JP2001152302A (ja) * | 1999-11-29 | 2001-06-05 | Nippon Steel Corp | プレス成形性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法 |
CN105369072A (zh) * | 2015-09-23 | 2016-03-02 | 广州市美伦建材有限公司 | 一种轻质金属板材成型方法 |
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CN111910138A (zh) * | 2020-09-02 | 2020-11-10 | 西北工业大学 | 一种铸造铝硅合金的分步热机械处理工艺 |
-
1990
- 1990-04-13 JP JP9887290A patent/JPH0788558B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05295475A (ja) * | 1992-04-17 | 1993-11-09 | Kobe Steel Ltd | 成形加工性及び焼付け塗装硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金材 |
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WO1995022634A1 (fr) * | 1994-02-16 | 1995-08-24 | Sumitomo Light Metal Industries, Ltd. | Procede de production d'une plaque d'alliage d'aluminium destinee au moulage |
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