JP2000271176A - 車椅子のブレーキ装置 - Google Patents

車椅子のブレーキ装置

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JP2000271176A
JP2000271176A JP11119661A JP11966199A JP2000271176A JP 2000271176 A JP2000271176 A JP 2000271176A JP 11119661 A JP11119661 A JP 11119661A JP 11966199 A JP11966199 A JP 11966199A JP 2000271176 A JP2000271176 A JP 2000271176A
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brake
operation lever
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Motoshige Kato
源重 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制動力を任意に調整することができ、また、操
作レバーから手を離しても、制動力を維持可能で、さら
に、安定した制動解除を行なうことができる車椅子のブ
レーキ装置を提供すること。 【解決手段】制動時、操作レバー45を押下げ操作し、
トグル機構Tの操作レバー45とリンク43とを略直線
状にして、ブレーキ部材25を後退させてタイヤ8aに
制動を掛ける。ガイドロッド22に外装されるストッパ
部材53は、ばね64により、掛止部54の挿通孔内周
縁の上縁54bをガイドロッド外周面にかじらせ、ブレ
ーキ部材25の後退を許容して前進を防止する。制動解
除時、操作レバー45の引上げ操作により、ばね64の
付勢力に抗し、係合面47bを利用して、掛止部54
を、上下方向に揺動可能な支持杆68との軸支部位74
を中心として、前方へ回転させ、上縁54bのガイドロ
ッド22へのかじりを解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子のブレーキ
装置に関し、特に、トグル機構を利用したブレーキ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来の車椅子のブレーキ装置
は、主輪のタイヤ外周面に、ブレーキ片を押圧する駐車
用のパーキングタイプや、主輪のハブにブレーキ片を押
圧するドラムブレーキタイプ等があった。
【0003】しかし、パーキングタイプのブレーキ装置
では、操作レバーを操作した際、一定の制動力しか作用
せず、制動力を調整することができなかった。そのた
め、例えば、傾斜した走行路を下る際、制動力を調整し
つつ、車椅子を前進させることはできなかった。
【0004】また、ドラムブレーキタイプのブレーキ装
置では、ブレーキ片にワイヤ等で連結された操作レバー
を把持して、制動力を加える構成であり、主に、介助者
が操作するものであった。そして、このタイプでは、操
作レバーの把持する力を調整すれば、制動力を調整する
ことができた。しかし、操作レバーの把持を解除すれ
ば、制動力が維持できず、走行路が傾斜していれば、車
椅子が下方へ移動してしまう。
【0005】この対処として、特開平10−21713
7号公報に記載した押圧装置の押圧部材にブレーキシュ
ーを取り付けて対処することが考えられる。このような
構成では、制動力を操作レバーの揺動操作で調整可能と
なるが、制動力を大きくするため、操作レバーを何回も
揺動させる場合が生ずる。そしてこの時、操作レバーを
引上げ過ぎれば、制動解除となる虞れがあって、坂道の
停車時に改善の余地があった。
【0006】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、制動力を任意に調整することができ、また、操作レ
バーから手を離しても、制動力を維持可能で、さらに、
安定した制動解除を行なうことができる車椅子のブレー
キ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るブレーキ装
置は、主輪のタイヤの前部側に対して、ブレーキ部材を
押し付けて、制動を掛けるように使用し、フレームに連
結固定されるケースに対して、前後方向に移動可能に、
前記ブレーキ部材が支持され、該ブレーキ部材の前端側
に、トグル機構が連結され、該トグル機構が、前記ブレ
ーキ部材の前端側に後端側を軸支させるとともに前端側
を操作把持部とする操作レバーと、該操作レバーの前後
方向の略中間部位に後端側を軸支させるリンクと、から
構成され、前記操作把持部を把持して行なう前記ブレー
キ部材前端側との軸支部位を回動中心とする前記操作レ
バーの押下げ揺動操作により、前記リンクの前端側を停
止させた状態で、前記操作レバーと前記リンクとを略直
線状とするようにして、前記ブレーキ部材を後退させて
前記タイヤに圧接可能な車椅子のブレーキ装置であっ
て、前記ケースに、軸方向を前後方向に沿わせて、前記
操作レバーの下方に配置されるガイドロッドが固定さ
れ、前記ブレーキ部材には、前端側に、前記ガイドロッ
ドに摺動可能に連結されるスライダ部と、前記操作レバ
ーの後端側を軸支する軸支部と、が形成され、後端側
に、前記スライダ部の後端側に連結されて、前記タイヤ
に圧接可能なブレーキシューを保持したブレーキ片部が
形成され、前記操作レバーの後端側を軸支した軸支部
に、略前後方向に配置された支持杆の後端側が上下方向
に揺動可能に軸支され、前記軸支部の前方側における前
記ガイドロッドに、前記ガイドロッドに対して摺動可能
な、ストッパ部材とベースブロックとが、後方から順に
外装され、前記ストッパ部材が、前記ガイドロッドを挿
通可能な挿通孔を備えた掛止部と該掛止部から前記操作
レバー側の上方へ延びるアーム部と、を備えるととも
に、前記掛止部と前記アーム部との交差部を、前記支持
杆の前端側に対して、前記ストッパ部材を前後方向に揺
動可能に、軸支させ、前記ベースブロックが、前記ガイ
ドロッドを挿通可能な挿通孔を備えた摺動部と、該摺動
部から前記操作レバー側の上方へ延びて前記リンクの前
端側を軸支させるブラケット部と、を備え、前記ストッ
パ部材の掛止部の前端面側における前記操作レバー側の
挿通孔内周縁を、前記ガイドロッドの外周面にかじらせ
るように、前記ストッパ部材に、ストッパ用ばねが連結
され、前記操作レバーが、前記ブレーキ部材前端側との
軸支部位を回動中心とする前記操作レバーの引上げ揺動
操作時に、前記ストッパ用ばねの付勢力に抗して、前記
支持杆との軸支部位を中心として前記ストッパ部材の掛
止部を前方へ回転させるように、前記アーム部先端側を
押圧する係合面を備え、前記リンクが、前記操作レバー
の押下げ揺動操作時に、前記ベースブロックの摺動部を
前記ケースに設けられた前板部に当接支持させる長さと
していることを特徴とする。
【0008】そして、前記ブレーキ片部は、後方へ最も
突出する位置より上方に回転しないように規制されて、
前記スライダ部の後端側に対して、上下方向に揺動可能
に連結支持させることが望ましい。さらに、この場合に
は、前記ブレーキ片部は、上方へ付勢されて、前記スラ
イダ部に連結支持させることが望ましい。
【0009】また、前記ブレーキシューは、高分子弾性
体から形成するとともに、前記タイヤの軸方向と平行な
軸方向を有する略円筒状として、前記ブレーキ片部の後
端側に、位置止め可能でかつ周方向に回転可能に保持さ
せることが望ましい。さらに、この場合には、前記ブレ
ーキシューは、軸方向に延びる複数の突条を周方向に鋸
歯状に突設させるとともに、前記各突条の頂部を、前記
タイヤの後転時の外周面に食い込み易いように、前記タ
イヤの後転時の外周面に接近するように偏位して形成す
ることが望ましい。
【0010】さらに、前記ブレーキ部材には、前記ガイ
ドロッドに沿って前進可能に付勢するリターン用ばねを
連結させることが望ましい。
【0011】さらにまた、前記操作レバーを、本体部と
操作把持部とを備えて構成し、前記本体部を、後端側を
前記ブレーキ部材の軸支部に軸支させるとともに、前後
方向の略中間部位に前記リンクの後端側を軸支させ、さ
らに、後端側に、前記アーム部先端側を押圧する前記係
合面を備えるように、構成し、前記操作把持部を、前記
本体部の上面側から上方へ延び、さらに、前方側へ延び
るように構成されて、前記本体部に連結固定されるグリ
ップ部と、該グリップ部に対して、前方へ付勢されて前
後方向に摺動可能に保持される操作ロッドと、を備えて
構成し、該操作ロッドを、前端部と後端部とを前記グリ
ップ部の前後から突出させるとともに、前記後端部を前
記グリップ部の後面に当接させて、前方への移動を停止
させるように、前記グリップ部に保持させ、前記操作ロ
ッドの前記後端部と前記ストッパ部材におけるアーム部
の先端部との配置位置を、前記操作ロッドの前端部を押
圧して、前記操作ロッドの後端部を前記グリップ部から
後方へ突出させた状態で、前記操作レバーを押下げ揺動
操作した際、前記ブレーキ部材を最後退位置に配置させ
る前段階で、前記操作ロッド後端部が前記アーム部先端
部に当接して、前記操作レバーの押下げ揺動操作を停止
させ、かつ、前記操作ロッドの前端部の非押圧状態で、
前記操作レバーを押下げ揺動操作した際、前記操作ロッ
ド後端部が前記アーム部先端部と干渉せずに、前記ブレ
ーキ部材を最後退位置に配置可能に、前記操作レバーの
押下げ揺動操作を行なえるように、設定しても良い。
【0012】
【発明の効果】本発明に係る車椅子のブレーキ装置で
は、非制動時には、操作レバーを引き上げておき、ブレ
ーキ部材のブレーキシューを主輪のタイヤから前方側へ
離すとともに、ベースブロックの摺動部をケースの前板
部に当接支持させておく。
【0013】そして、制動時には、操作把持部を把持し
て、操作レバーを押し下げる。この操作時、操作レバー
と1つのリンクとからなるトグル機構では、操作レバー
とブレーキ部材軸支部との軸支部位(後軸支部位)と、
リンクとベースブロックのブラケット部との軸支部位
(前軸支部位)と、の前後方向の距離が、離れるような
態様となる。
【0014】しかし、本発明では、ベースブロック摺動
部が、ケースの前板部に当接支持されて、ベースブロッ
クが、前方への移動を防止されているため、トグル機構
を構成するリンクが、その前端側を位置止めさせた状態
で回動して、操作レバーとリンクとが略直線状に近付く
態様となり、ストッパ部材とともにブレーキ部材が、ガ
イドロッドに案内されて後退し、ブレーキ部材の後端側
におけるブレーキ片部のブレーキシューが、主輪のタイ
ヤに圧接されて、主輪に制動を掛けることができる。
【0015】そしてこの時、操作レバーの操作把持部か
ら手を離しても、ストッパ用ばねの付勢力により、スト
ッパ部材の掛止部が、前端面側における操作レバー側の
挿通孔内周縁を、ガイドロッドの外周面にかじらせた状
態としているため、ストッパ部材が前方へ移動せず、そ
の結果、支持杆を介し、操作レバーとともにブレーキ部
材の前進が防止された状態となって、そのブレーキ部材
の後退した移動量、すなわち、ブレーキシューのタイヤ
への圧接量に応じた制動力を維持することができること
となる。
【0016】さらに、制動力を大きくする場合には、操
作レバーとリンクとが略直線状になるように、操作レバ
ーを押下げ揺動操作すれば、ブレーキ部材がさらに後退
して、ブレーキシューをタイヤに強く圧接させ、制動力
を大きくすることができる。ちなみに、この時、ストッ
パ部材の掛止部が、かじりによって前方への移動を防止
されているものの、後退を許容されている。また、ベー
スブロック摺動部が、ケースの前板部に当接支持され
て、ベースブロックの前方への移動が防止されている。
そのため、トグル機構を構成するリンクが、その前端側
を位置止めさせた状態で回動して、操作レバーとリンク
とが略直線状に配置されて、ブレーキ部材がさらに後退
することとなる。
【0017】以上のように、本発明に係るブレーキ装置
では、操作レバーを押下げ揺動操作した量に応じて、制
動力を任意に増大させるように調整でき、そして、操作
レバーから手を離しても、その制動力を維持することが
できる。
【0018】そして、制動力を解除する場合には、ブレ
ーキ部材前端側との軸支部位を回動中心とし、操作把持
部を把持してガイドロッドから離れるように、操作レバ
ーを引上げ揺動操作する。
【0019】すると、リンクに引っ張られて、ベースブ
ロックの摺動部がガイドロッドに沿って後方に摺動し
て、操作レバーが、ブレーキ部材の軸支部との軸支部位
を回動中心として、上方へ回動し、操作レバーの係合面
がストッパ部材アーム部の先端に当接してアーム部の先
端側を後方側へ押すことから、ストッパ部材は、ストッ
パ用ばねの付勢力に抗して、支持杆との軸支部位を回動
中心として、掛止部を前方側に回動させることとなり、
ストッパ部材掛止部の前端面における操作レバー側の挿
通孔内周縁が、ガイドロッド外周面へのかじりを解除す
ることとなる。
【0020】なお、この時、支持杆との軸支部位を中心
とするストッパ部材の回動は、ガイドロッドに対するか
じりを強くする方向の回転であるが、支持杆自体が、ブ
レーキ部材軸支部との軸支部位を中心として、上下方向
に揺動可能であり、かつ、ストッパ部材が、支持杆との
軸支部位を揺動中心として前後方向に揺動可能であるこ
とから、支持杆の前端側を僅かに上方へ回転させつつ、
かじりを強くすることなく、ストッパ部材が、掛止部を
前方側に回転させて、ガイドロッドへのかじりを解除す
ることとなる。
【0021】その後、ベースブロックの摺動部をケース
の前板部に当接するまで、操作レバーとともにブレーキ
部材を、ガイドロッドに沿って前進させれば、ブレーキ
部材のブレーキシューをタイヤから離脱させることがで
きるため、制動を解除することができる。
【0022】したがって、本発明に係る車椅子のブレー
キ装置では、操作レバーの押下げ揺動操作の範囲内で、
制動力を任意に調整することができ、また、操作レバー
から手を離しても、制動力を維持可能で、さらに、操作
レバーの引上げ揺動操作で、安定した制動解除を行なう
ことができる。
【0023】そして、ブレーキ片部を、後方へ最も突出
する位置より上方に回転しないように規制させて、スラ
イダ部の後端側に対して、上下方向に揺動可能に連結支
持させれば、ブレーキシューをタイヤに圧接させている
際、主輪が後転しようとしても、タイヤとの摩擦力で、
ブレーキ片部が、上方へ回転して一層タイヤに食い込
み、主輪の後転を防止し、車椅子の後退を防止する。一
方、主輪が前転する場合には、ブレーキ片部が、タイヤ
から離脱する方向の下方へ回転することから、比較的、
容易に、主輪が前転して、車椅子の前進を可能にする。
そのため、車椅子で、登坂の坂道を前進する際、好適と
なり、介助者の助けが無くとも、簡単に坂道を登ること
ができる。
【0024】そして、この場合に、ブレーキ片部を、上
方へ付勢させて、スライダ部に連結支持させておけば、
ブレーキシューが、タイヤに僅かに接触するように、後
退していれば、主輪の前転時、付勢力に抗して、ブレー
キ片部が下方へ容易に回転するため、車椅子の後退を防
止した状態を維持したまま、車椅子の前進が容易とな
り、一層、車椅子で、坂道を登る際、好適となる。
【0025】また、ブレーキシューを、高分子弾性体か
ら形成するとともに、タイヤの軸方向と平行な軸方向を
有する略円筒状として、ブレーキ片部の後端側に、位置
止め可能でかつ周方向に回転可能に保持させれば、ブレ
ーキシューを回転させて所定位置で固定させることによ
り、タイヤと接触して摩耗した部位を、ずらすことが可
能となり、ブレーキシューの耐久性を向上させることが
できる。
【0026】さらに、この場合に、ブレーキシューを、
軸方向に延びる複数の突条を周方向に鋸歯状に突設させ
るとともに、各突条の頂部を、タイヤの後転時の外周面
に食い込み易いように、タイヤの後転時の外周面に接近
するように偏位して形成しておけば、タイヤの後転時
に、ブレーキシューの突条頂部が、タイヤに食い込み易
く、主輪の後転を防止し易くなって、一層、車椅子で、
坂道を登る際、好適となる。
【0027】そしてまた、ブレーキ部材に、ガイドロッ
ドに沿って前進可能に付勢するリターン用ばねを連結さ
せれば、操作レバーの引上げ揺動操作による制動力の解
除時において、ストッパ部材掛止部の前端面における操
作レバー側の挿通孔内周縁が、ガイドロッド外周面への
かじりを解除した際、リターン用ばねの付勢力で、ブレ
ーキ部材が、操作レバーとともに、ガイドロッドに沿っ
て前進することとなって、ブレーキ部材のブレーキシュ
ーをタイヤから自動的に離脱させることができるため、
制動を容易に解除することができる。さらにまた、請求
項7に記載したように構成する場合には、つぎのような
作用・効果を得ることができる。
【0028】すなわち、操作ロッドの前端部を押圧し
て、操作ロッドの後端部をグリップ部から後方へ突出さ
せた状態で、操作レバーを押下げ揺動操作した際、ブレ
ーキ部材を最後退位置に配置させる前段階で、操作ロッ
ド後端部がアーム部先端部に当接して、前記操作レバー
の押下げ揺動操作を停止させることができる。そしてこ
の時のブレーキ部材の配置位置を、主輪にある程度制動
を掛ける得るような位置に配置させて、ブレーキ装置を
フレームに取り付けておけば、操作ロッドの前端部を押
圧して、操作ロッドの後端部をグリップ部から後方へ突
出させた状態で、操作レバーを押下げ揺動操作すれば、
常に、毎回、最大制動力を発揮する前段階の一定の制動
力を確保して、ブレーキ装置を安定して作動させること
ができる。そのため、特に、登坂を前進する際、主輪の
後転を防止して、前進することが可能となる。
【0029】そして、勿論、操作ロッドの前端部の非押
圧状態で、操作レバーを押下げ揺動操作した際には、操
作ロッド後端部がアーム部先端部と干渉せずに、ブレー
キ部材を最後退位置に配置できるため、容易に、最大制
動力を確保することもできる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0031】実施形態のブレーキ装置10は、図1・2
に示すように、前輪6と主輪8とを備えた車椅子1にお
ける主輪8のタイヤ8aの前方側に配置されている。実
施形態の場合、ブレーキ装置10は、車椅子1の左右に
一対配置されている。
【0032】各ブレーキ装置10は、シートパイプ3a
とレッグパイプ3bとに固着された取付プレート4に取
付固定されている。なお、左右のブレーキ装置10は、
左右対称形であり、車椅子1の右方側のブレーキ装置1
0を説明して、左方側のブレーキ装置10の説明を省略
する。
【0033】図1〜6に示す実施形態のブレーキ装置1
0は、フレーム3の取付プレート4に取付固定されるケ
ース11に対して、前後方向に移動可能に、ブレーキ部
材25が支持されて、ブレーキ部材25の前端側には、
トグル機構Tが接続されて構成されている。実施形態の
トグル機構Tは、制動時に、ブレーキ部材25の軸方向
と略平行な略直線状となるリンク43と、操作レバー4
5と、から構成されている。
【0034】ケース11は、鋼板から四角筒形状に形成
され、前後に対向するように配置される後板部12・前
板部13と、相互に間を開けて後・前板部12・13に
連結される側板部14・15と、を備えて構成されてい
る。車内側の側板部15には、ねじ孔16aを備えた2
つの取付ボス部16が設けられており(図4参照)、取
付プレート4を貫通して各ねじ孔16aに螺合する2本
の取付ボルト18により、各取付ボス部16が取付プレ
ート4に取り付けられ、ブレーキ装置10が、フレーム
3に連結固定されている。図4に示す符号19・20
は、ボルト18止め時に使用するワッシャである。ま
た、後板部12には、ブレーキ部材25を挿通させて前
後方向に摺動可能な摺動孔12aが形成され(図5参
照)、前板部13には、前述するガイドロッド22を取
り付ける取付孔13aが形成され(図6参照)、さら
に、下縁付近には、後述するリターン用ばね66を係止
する係止孔13bが形成されている。
【0035】なお、ブレーキ装置10は、ブレーキシュ
ー30の後述する本体30aと操作レバー45の後述す
る操作把持部のグリップ部51aとを除いて、鋼板・鋼
管等の金属製の板材・管材・ばね材等から形成されてい
る。
【0036】そして、ケース11には、前後方向に延び
るガイドロッド22が配設されている。ガイドロッド2
2は、円柱状として、後端側を、ケース後板部12の摺
動孔12aの内周部位まで延ばし、前端側を、前板部1
3の取付孔13aを挿通する止めねじ23を螺合させ
て、前板部13に固定されている。なお、実施形態の場
合、ブレーキ部材25は、フレーム後板部12における
摺動孔12aの内周面と、ガイドロッド22の後部側外
周面と、で案内されて、前後移動することとなる。
【0037】ブレーキ部材25は、図3〜5に示すよう
に、タイヤ8aに近い後端側に、ブレーキ片部26を配
置させ、タイヤ8aから離れた前端側に、ガイドロッド
22に摺動可能に連結されるスライダ部36と、操作レ
バー45の後端側を軸支する軸支部41と、を配置させ
て、構成されている。
【0038】ブレーキ片部26は、保持枠27と、保持
枠27の後端側に保持されるブレーキシュー30と、を
備えて構成されている。ブレーキシュー30は、硬質ゴ
ム等の高分子弾性体からなる略円筒状の本体30aと、
本体30aの内周側に固着された金属管からなるスリー
ブ30dと、を備えて構成され、スリーブ30dの内周
面には、ねじ孔30eが形成されている。そして、ブレ
ーキシュー30は、タイヤ8aの軸方向と平行として、
保持枠27の後述する側壁27a・27aに、位置止め
可能でかつ周方向に回動可能に保持されている。すなわ
ち、ねじ孔30eが、スリーブ30dの全長にわたっ
て、同一方向のねじ条(実施形態では右ねじ)で螺刻さ
れており、側壁27a・27aを挿通させて左右からね
じ31・31をねじ孔30eに螺合させれば、ブレーキ
シュー30が保持枠27に挟持されて固定され、ねじ3
1・31を緩めれば、ねじ31・31ごと、ブレーキシ
ュー30を周方向に回動可能としている。さらに、本体
30aの外周面には、軸方向に延びる複数の突条30b
が、周方向に鋸歯状に突設されている。各突条30b
は、タイヤ8aの後転時の外周面に食い込み易いよう
に、それぞれの頂部30cを、タイヤ8aの後転時の外
周面に接近させるように、偏位して形成されている。
【0039】保持枠27は、スライダ部36の後述する
連結枠37の側壁37a・37aを間にして、左右で対
向する2枚の側壁27a・27aと、側壁27a・27
aの上部相互を連結する連結壁27bと、側壁27a・
27aの下部相互を連結する連結杆27cと、を備えて
構成されている。この保持枠27は、ブレーキ片部26
をスライダ部36の後端部に対して上下方向に揺動可能
とするように、側壁27a・27aの前端側に、連結枠
37の側壁37a・37aに支持されるピン33を、左
右方向に挿通させている。
【0040】そして、ブレーキ片部26は、後転するタ
イヤ8aへのブレーキシュ−30の圧接時、保持枠27
の連結杆27cを、連結枠37における側壁37a・3
7aの下面に当接させる下ストッパ29として作用させ
て(図10参照)、ブレーキ片部26が後方へ最も突出
する位置より上方に移動しないように、スライダ部36
の後端側に揺動可能に連結されている。なお、保持枠2
7の連結壁27bは、連結枠37の後述する連結壁37
bの上面に当接させて、ブレーキ片部26が下方へ回動
し過ぎて、ブレーキシュー30のタイヤ8aへの接触不
能となる状態を、回避するための上ストッパ28を構成
している(図11参照)。
【0041】スライダ部36には、ブレーキ片部26を
揺動可能に保持する連結枠37と、止輪38と、スリー
ブ部39と、を備えて構成されている。連結枠37は、
既述したように、左右方向に対向する2枚の側壁37a
・37aと、側壁37a・37aの上部相互を連結する
連結壁37bと、側壁37a・37aの後端側相互を連
結する前壁37cと、を備えて構成され、側壁37a・
37aには、ブレーキ片部26を揺動可能に保持するた
めのピン33が、左右方向に貫通して支持されている。
そして、このピン33の周囲には、ブレーキ片部26を
上方へ付勢するように、前端34aを前壁37cの後面
に当接させ、後端34bをブレーキ片部保持枠27の連
結壁27bにおける後縁付近に当接させたねじりコイル
ばね34が、外装されている。
【0042】なお、ねじりコイルばね34は、実施形態
の場合、ブレーキ片部26自体の重量で、上下ストッパ
28・29で規制されるブレーキ片部26の揺動範囲の
内の略中間位置で、停止されるような付勢力とされてい
る。
【0043】スリーブ部39は、連結枠37の前壁37
cに固着されて、ガイドロッド22の後端側に摺動可能
に外装される円筒状としている。止輪38は、スリーブ
部39の後端側に、連結枠37の前壁37cに当接する
ように外装されて固着され、非制動時のブレーキ部材2
5の前進時、ケース11の後板部12に当接して、ブレ
ーキ部材25の前進位置を規制することとなる。
【0044】軸支部41は、図3・6に示すように、ス
ライダ部36におけるスリーブ部39の前端側に固着さ
れるベース41aと、ベース41aの左右両側から操作
レバー45側の上方へ延びる2つの側壁41b・41b
と、を備えて構成されている。ベース41aには、スリ
ーブ部39の下方からさらに下方へ突出して、リターン
用ばね66と後述するストッパ用ばね64との後端側を
係止する係止フック41cが突設されている。側壁41
b・41b(図8参照)には、操作レバー45の後端側
を軸支するピン70が左右方向に挿通されている。な
お、ピン33・70や後述するピン71・72・74
は、それぞれ、ナット(図符号省略)止めされて配置さ
れるボルトから構成されている。
【0045】リターン用ばね66は、制動解除時に、ブ
レーキシュー30をタイヤ8aから離すように、ブレー
キ部材25をガイドロッド22に沿わせて前方側に移動
させるものであり、引張コイルばねから構成され、前端
側をケース前板部13の係止孔13bに係止させ、後端
側を係止フック41cに係止させている。
【0046】そして、操作レバー45は、図3・4・6
〜8に示すように、断面略逆U字形の本体部46と、本
体部46の上面から前方に延びる操作把持部51と、を
備えて構成されて、本体部46の後端側を、ブレーキ部
材25の軸支部41に対して、ピン70を使用して、上
下方向に揺動可能に軸支させている。本体部46は、左
右方向で対向してピン70を支持する側壁48・48
と、側壁48・48間の上部側を覆う天井壁47と、を
備えて構成されている。天井壁47の後端側には、前方
へ延びる凹溝47aが形成され、凹溝47aの底面とな
る部位が、制動解除を行なう操作レバー45の引上げ揺
動操作時において、後述するストッパ部材53のアーム
部55の先端部55aに当接する係合面47bとしてい
る。また、天井壁47の中央付近の上面側には、取付ボ
ス部49が形成され、取付ボス部49には、上方へ延び
た後、前方へ延びるL字状の操作把持部51が固着され
ている。操作把持部51の前端側には、硬質ゴム等を外
装させて形成したグリップ部51aが形成されている。
【0047】なお、操作レバー45の後端側を軸支して
いるピン70には、後述するストッパ部材53の交差部
56を支持するように前後方向に配置される支持杆68
が、上下方向に回動可能に、後端側を支持させている。
支持杆68は、ストッパ部材53のアーム部55を挟む
ような2枚の板材68a・68aと、板材68a・68
a間の後端側におけるピン70の周囲に配置されるスペ
ーサ68bと、から構成されている(図6・8参照)。
【0048】また、トグル機構Tを操作レバー45とで
構成するリンク43は、操作レバー45の本体部46に
おける前後方向の略中間部位に、左右方向に配置される
ピン71を利用して、後端側を軸支させている。リンク
43は、実施形態の場合、後述するベースブロック58
のブラケット部60を挟むような2枚の板材43a・4
3aと、板材43a・43a間の後端側におけるピン7
1の周囲に配置されるスペーサ43bと、から構成され
ている(図6・7参照)。リンク43の前端側は、ピン
72を利用して、ベースブロック58におけるブラケッ
ト部60に軸支されている。
【0049】そして、既述のガイドロッド22には、ガ
イドロッド22に対して摺動可能に、後方から順に、ス
トッパ部材53、スペーサ62、ベースブロック58、
が外装されている。
【0050】ストッパ部材53は、ガイドロッド22を
挿通可能な挿通孔54aを備えた掛止部54と、掛止部
54から操作レバー45側の上方へ延びるアーム部55
と、を備えて構成されている。掛止部54におけるガイ
ドロッド22の下方へ突出した部位には、ストッパ用ば
ね64の前端側を係止する係止孔54cが形成されてい
る。アーム部55は、掛止部54側から湾曲させて上方
に延び、既述したように、先端部55aを、操作レバー
本体部46における天井壁47の凹溝47aを経て、さ
らに、上方へ突出させるように、構成されている。ま
た、ストッパ部材53の略中間部位における掛止部54
とアーム部55との交差部56には、左右方向に配置さ
れるピン74を利用して、支持杆68の前端側が軸支さ
れ、ストッパ部材53が、ピン74を回動中心として、
前後方向に揺動可能となるように、構成されている。
【0051】ストッパ用ばね64は、引張コイルばねか
ら構成され、後端側をブレーキ部材軸支部41の係止フ
ック41cに係止させ、前端側をストッパ部材掛止部5
4の係止孔54cに係止させて、ストッパ部材53の掛
止部54側を、軸支部位74を中心として、後方側に回
動するように、付勢している。
【0052】そして、ストッパ部材53は、ストッパ用
ばね64の付勢力により、掛止部54の前端面側におけ
る操作レバー45側となる挿通孔54a周縁の上縁54
bを、ガイドロッド22の外周面にかじらせることとな
る(図13参照)。この上縁54bのガイドロッド22
へのかじりにより、ブレーキ部材25の前進移動が防止
される。
【0053】ベースブロック58は、ガイドロッド22
を摺動可能な摺動部59と、摺動部59から操作レバー
45側の上方へ延びてリンク43の前端側を軸支させる
ブラケット部60と、を備えて構成されている。摺動部
59は、横板59aと横板59aの前後の縁から下方へ
延びる後・前縦板59b・59dと、を備えた断面逆U
字形として、横板59aの上面側にブラケット部60が
上方へ突設され、さらに、後・前縦板に、ガイドロッド
22を挿通させる挿通孔59c・59eが設けられて、
構成されている。ブラケット部60には、左右方向に配
設されるピン72を利用して、リンク43を上下方向に
回動可能に、リンク43の前端側が軸支されている。
【0054】スペーサ62は、ガイドロッド22に摺動
可能な円筒状として、ストッパ部材53とベースブロッ
ク58との間のガイドロッド22に外装されている。こ
のスペーサ62は、制動解除時に、アーム部55の先端
部55aが操作レバー45の係止面47bに押圧され
て、ストッパ部材55の掛止部54が、前方へ回動する
際、掛止部54が下死点を過ぎるように前方側へ回動し
過ぎて、上縁54bがガイドロッド22の外周面をかじ
り可能な位置に復帰できなくなる事態を防止するため
に、掛止部54の前方側への回動を規制できるように、
配設されている。なお、このスペーサ62は、ベースブ
ロック58の摺動部59における後縦板59bに一体的
に設けても良い。
【0055】実施形態のブレーキ装置10では、非制動
時には、図1〜6に示すように、操作レバー45を引き
上げておき、ブレーキ部材25のブレーキシュー30を
主輪8のタイヤ8aから前方側へ離すとともに、ベース
ブロック58の摺動部59をケース11の前板部13に
当接支持させておく。
【0056】そして、制動時には、図3に示す状態から
図9に示す状態となるように、操作把持部51のグリッ
プ部51aを把持し、軸支部位70を回動中心として、
操作レバー45を押し下げる。この操作時、操作レバー
45と1つのリンク43とからなるトグル機構Tでは、
操作レバー45とブレーキ部材軸支部41との軸支部位
(後軸支部位)70と、リンク43とベースブロック5
8のブラケット部60との軸支部位(前軸支部位)72
と、の前後方向の距離が、離れるような態様となる。
【0057】しかし、実施形態のブレーキ装置10で
は、ベースブロック摺動部59が、ケース11の前板部
13に当接支持されて、ベースブロック58が、前方へ
の移動を防止されているため、トグル機構Tを構成する
リンク43が、その前端側を位置止めさせた状態で回動
して、操作レバー45とリンク43とが略直線状に近付
く態様となり、図9に示すように、ストッパ部材53と
ともにブレーキ部材25が、ガイドロッド22に案内さ
れて後退し、ブレーキ部材25の後端側におけるブレー
キ片部26のブレーキシュー30が、主輪8のタイヤ8
aに圧接されて、主輪8に制動を掛けることができる。
【0058】そしてこの時、操作レバー45の操作把持
部51から手を離しても、図9・13に示すように、ス
トッパ用ばね64の付勢力により、ストッパ部材53の
掛止部54が、前端面側における挿通孔54aの上縁5
4bを、ガイドロッド22の外周面にかじらせた状態と
しているため、ストッパ部材53が前方へ移動せず、そ
の結果、支持杆68を介し、操作レバー45とともにブ
レーキ部材25の前進が防止された状態となって、その
ブレーキ部材25の後退した移動量、すなわち、ブレー
キシュー30のタイヤ8aへの圧接量に応じた制動力を
維持することができることとなる。
【0059】さらに、制動力を大きくする場合には、操
作レバー45とリンク43とが略直線状になるように、
操作レバー45を押下げ揺動操作すれば、ブレーキ部材
25が後退して、ブレーキシュー30をタイヤ8aに強
く圧接させ、制動力を大きくすることができる。ちなみ
に、この時、ストッパ部材53の掛止部54が、かじり
によって前方への移動を防止されているものの、後退を
許容されている。また、ベースブロック摺動部59が、
ケース11の前板部13に当接支持されて、ベースブロ
ック59が前方への移動を防止されている。そのため、
トグル機構Tを構成するリンク43が、その前端側を位
置止めさせた状態で回動して、操作レバー45とリンク
43とが略直線状に配置されて、ブレーキ部材25が後
退することとなる。なお、図11に示す状態が、操作レ
バー45を最も押下げ揺動操作して、最大制動力を発揮
した状態である。ちなみに、実施形態の場合には、この
時、操作レバー45の本体部46における側壁48・4
8の前部48aが、ケース11の側板部14・15の上
端面に当接して、操作レバー45の押下げ揺動操作が、
位置規制されている。
【0060】以上のように、実施形態のブレーキ装置1
0では、操作レバー45を押下げ揺動操作した量に応じ
て、制動力を任意に増大させるように調整でき、そし
て、操作レバー45から手を離しても、その制動力を維
持することができる。
【0061】そして、制動力を解除する場合には、図1
2に示すように、ブレーキ部材25の前端側の後軸支部
位70を回動中心とし、操作把持部51のグリップ部5
1aを把持してガイドロッド22から離れるように、操
作レバー45を引上げ揺動操作する。
【0062】すると、リンク43に引っ張られて、ベー
スブロック58の摺動部59がガイドロッド22に沿っ
て後方に摺動して、操作レバー45が、後軸支部位70
を回動中心として、上方へ回動し、操作レバー45の係
合面47bがストッパ部材53におけるアーム部55の
先端部55aに当接してアーム部先端部55a側を後方
側へ押すことから、ストッパ部材53は、ストッパ用ば
ね64の付勢力に抗して、支持杆63との軸支部位74
を回動中心として、掛止部54を前方側に回転させる。
そして、図12・14に示すように、掛止部54の挿通
孔54aの軸方向とガイドロッド22との軸方向が略平
行となって、ストッパ部材掛止部54の前端面における
操作レバー45側の挿通孔内周縁54bが、ガイドロッ
ド22の外周面へのかじりを解除することとなる。
【0063】なお、この時、軸支部位74を中心とする
ストッパ部材53の回転は、ガイドロッド22に対する
かじりを強くする方向の回転であるが、支持杆68自体
が、ブレーキ部材軸支部41との軸支部位70を中心と
して、上下方向に揺動可能であり、かつ、ストッパ部材
53が、支持杆68との軸支部位74を揺動中心として
前後方向に揺動可能であることから、支持杆68の前端
側を僅かに上方へ回転させつつ、かじりを強くすること
なく、ストッパ部材53が、掛止部54を前方側に回転
させて、ガイドロッド22へのかじりを解除することと
なる。
【0064】その後、ベースブロック58の摺動部59
をケース11の前板部13に当接するまで、図3に示す
ように、操作レバー45とともにブレーキ部材25を、
ガイドロッド22に沿って前進させれば、ブレーキ部材
25のブレーキシュー30をタイヤ8aから離脱させる
ことができるため、制動を解除することができる。
【0065】したがって、実施形態のブレーキ装置10
では、操作レバー45の押下げ揺動操作の範囲内で、制
動力を任意に調整することができ、また、操作レバー4
5から手を離しても、制動力を維持可能で、さらに、操
作レバー45の引上げ揺動操作で、安定した制動解除を
行なうことができる。
【0066】そして、実施形態では、ブレーキ部材25
に、ガイドロッド22に沿って前進可能に付勢するリタ
ーン用ばね66を連結させている。そのため、操作レバ
ー45の引上げ揺動操作による制動力の解除時におい
て、ストッパ部材掛止部54の挿通孔54aの上縁54
bが、ガイドロッド20の外周面へのかじりを解除した
際、リターン用ばね66の付勢力で、ブレーキ部材25
が、操作レバー45とともに、ガイドロッド22に沿っ
て前進することとなって、ブレーキ部材25のブレーキ
シュー30をタイヤ8aから自動的に離脱させることが
できるため、制動を容易に解除することができる。
【0067】また、実施形態では、ブレーキ片部26
が、下ストッパ29を利用して、後方へ最も突出する位
置より上方に移動しないように規制されて、スライダ部
36の後端側における連結枠37に対して、上下方向に
揺動可能に連結支持されている。そのため、ブレーキシ
ュー30をタイヤ8aに圧接させている際、主輪8が後
転Bしようとしても、図10に示すように、タイヤ8a
との摩擦力で、ブレーキ片部26が、上方へ回転してタ
イヤ8aに食い込み、主輪8の後転Bを防止し、車椅子
1の後退を防止することができる。一方、主輪8が前転
Fする場合には、図9の二点鎖線で示すように、ブレー
キ片部26が、タイヤ8aから離脱する方向の下方へ回
転することから、比較的、容易に、主輪8が前転Fし
て、車椅子1の前進を可能にする。そのため、この構成
では、車椅子1で、登坂の坂道を前進する際、好適とな
り、介助者の助けが無くとも、簡単に坂道を登ることが
できる。そして、この場合に、実施形態では、ブレーキ
片部26が、ねじりコイルばね34を利用して、上方へ
付勢されて、スライダ部36の連結枠37に連結支持さ
れている。そのため、ブレーキシュー30が、タイヤ8
aに僅かに接触するように、後退していれば、主輪8の
前転時、ばね34の付勢力に抗して、ブレーキ片部26
が下方へ容易に回転するため、車椅子1の後退を防止し
た状態を維持したまま、車椅子1の前進が容易となり、
一層、車椅子1で、坂道を登る際、好適となる。
【0068】また、実施形態では、ブレーキシュー30
が、本体30aを硬質ゴム等の高分子弾性体から形成す
るとともに、タイヤ8の軸方向と平行な軸方向を有する
略円筒状として、ブレーキ片部26における保持枠27
の後端側に、位置止め可能でかつ周方向に回転可能に保
持さている。そのため、止めねじ31・31を緩めて、
止めねじ31・31ごと、ブレーキシュー30を回転さ
せて所定位置で固定させることにより、タイヤ8aと接
触して摩耗した部位を、ずらすことが可能となり、ブレ
ーキシュー30の耐久性を向上させることができる。
【0069】さらに、この場合に、実施形態では、ブレ
ーキシュー30が、軸方向に延びる複数の突条30bを
周方向に鋸歯状に突設させるとともに、各突条30bの
頂部30cを、タイヤ8aの後転B時の外周面に食い込
み易いように、タイヤ8aの後転B時の外周面に接近す
るように偏位して形成されている。そのため、タイヤ8
aの後転時に、ブレーキシュー30の突条30bにおけ
る頂部30cが、タイヤ8aに食い込み易く、主輪8の
後転Bを防止し易くなって、一層、車椅子1で、坂道を
登る際、好適となる。
【0070】さらにまた、実施形態のように、車椅子1
の左右の各主輪8に対して、それぞれ、ブレーキ装置1
0を配設させれば、一方側のブレーキ装置10の制動力
を強くし、他方のブレーキ装置10の制動力を弱くすれ
ば、坂道であっても、下方へ移動することなく、容易
に、車椅子1をUターンさせることができる。
【0071】なお、実施形態のブレーキ装置10では、
支持杆68の後端側を、操作レバー45とブレーキ部材
25の軸支部41とを軸支するピン70を利用して、ブ
レーキ部材25の前端側に軸支させたが、別のピンを利
用して、支持杆68の後端側を、ブレーキ部材軸支部4
1に対して、上下方向に揺動可能に、軸支させても良
い。ただし、実施形態のように、ピン70を、操作レバ
ー45と支持杆68とが共に揺動可能とするように、共
用して使用すれば、スペースを有効利用することがで
き、ブレーキ装置10をコンパクトにすることができ
る。
【0072】また、実施形態では、ストッパ部材53に
おける掛止部54の上縁54bをガイドロッド22にか
じらせるためのストッパ用ばね64を、掛止部54の下
縁とブレーキ部材25の軸支部41における下方へ突出
した係止フック41cとに係止させたものを示したが、
掛止部前端面側の挿通孔54aの内周縁における操作レ
バー45側の上縁54bをガイドロッド22にかじらせ
ることができるように、すなわち、ストッパ部材53の
掛止部54を若干下方へ引っ張りつつ後方側に回動する
ように、付勢できれば、実施形態のものに限定されず、
例えば、掛止部54におけるガイドロッド22の上方側
部位と軸支部41とに引張ばねを配設させたり等して、
ストッパ用ばねを配設しても良い。
【0073】さらに、実施形態では、ブレーキ部材25
を前進させるリターン用ばね66を、引張ばねとして、
ブレーキ部材25の軸支部41とケース11の前板部1
3とに係止した場合を示したが、ブレーキ部材25をガ
イドロッド22に沿って前進可能であれば、実施形態の
ものに限定されず、ブレーキ部材25の軸支部41とケ
ース後板部12との間に圧縮ばねを配設させたり等し
て、リターン用ばねを配設しても良い。
【0074】さらにまた、実施形態では、ブレーキ部材
25のブレーキ片部26を上方へ付勢する付勢手段とし
て、ピン33の周囲に配置させたねじりコイルばね34
を利用した場合を示したが、ブレーキ片部26を上方へ
付勢できれば、付勢手段として、板ばねを利用したり、
ゴム等の弾性体を利用しても良い。
【0075】さらに、実施形態では、操作レバー45の
押下げ揺動操作する量を適宜増大させて、ブレーキ部材
25による制動力を適宜調整できるように構成したが、
図15に示すブレーキ装置80のように、一定の制動力
を安定して確保できるように構成しても良い。このブレ
ーキ装置80は、ブレーキ装置10と比べて、ストッパ
部材53におけるアーム部55の先端部55aが上方に
延び、また、操作レバー85の構成が変更されている。
そして、その他の部材は、ブレーキ装置10と同一であ
るため、説明を省略する。
【0076】ブレーキ装置80の操作レバー85は、本
体部86と操作把持部91とを備えて構成されている。
【0077】本体部86は、ブレーキ装置10の本体部
46と同様に、天井壁87と天井壁87の左右から対向
するように下方に延びる2つの側壁88と備えた断面略
逆U字形状として、後端側が、ピン70によって、ブレ
ーキ部材25の軸支部41に軸支され、前後方向の略中
間部位が、リンク43の後端側を軸支するピン71を保
持している。天井壁87の後端側には、前方に延びる凹
溝87aが形成され、凹溝87aの底面となる部位が、
制動解除を行なう操作レバー85の引上げ揺動操作時に
おいて、ストッパ部材53におけるアーム部55の先端
部55aの前面側に当接する係合面87bとしている。
また、天井壁87の中央付近の上面側には、操作把持部
91を連結固定する取付ボス部89が形成されている。
取付ボス部89には、操作把持部91をねじ90止めす
るためのねじ孔89aが形成されている。なお、この本
体部86では、車椅子1側の側壁88Aが、操作レバー
85を最も押下げ揺動操作した際、その前部88aをケ
ース11の側板部15の上端面に当接させて、操作レバ
ー85の押下げ揺動操作を位置規制することとなる。ま
た、本体部86の車外側の側壁88Bには、図18・1
9・20に示すように、リンク43付近に指等が入り込
まないように、ケース11の側板部14付近まで覆うよ
うに延びるカバー部88bが形成されている。
【0078】操作把持部91は、グリップ部92と操作
ロッド96とを備えて構成されている。グリップ部92
は、金属製の芯材93と、ゴム若しくは合成樹脂等から
形成されるカバー94と、を備えて構成されている。芯
材93は、本体部86の取付ボス部89に嵌め込まれて
ねじ90止めされる連結軸93aと、連結軸93aの上
部で前方側へ延びる円筒状のスリーブ部93bと、を備
えて構成されている。カバー94は、スリーブ部93b
の前方側に延びる部位を被覆して固着されている。
【0079】操作ロッド96は、グリップ部92のスリ
ーブ部93b内で、前方へ付勢されて前後方向に摺動可
能に、保持されている。さらに、操作ロッド96は、前
端部96aと後端部96bとをグリップ部92の前後か
ら突出させるとともに、後端部96bをグリップ部92
におけるスリーブ部93bの後面93cに当接させて、
前方への移動を停止させるように、グリップ部92に保
持されている。操作ロッド96は、スリーブ部93bの
後面93cに当接可能に膨出させた膨出部97aを備え
た軸部97と、軸部97の前端面にねじ99止めされた
ボタン98と、を備えて構成されている。ボタン98と
スリーブ部93bの前面93dとの間には、操作ロッド
96を前方へ付勢するコイルばね101が配設されてい
る。
【0080】そして、軸部97の膨出部97aによって
構成される操作ロッド96の後端部96bと、ストッパ
部材53のアーム部55における先端部55aと、の配
置位置は、つぎのように設定されている。
【0081】すなわち、まず、図16に示すように、ボ
タン98によって構成される操作ロッド96の前端部9
6aを押圧して、操作ロッド96の後端部96bをグリ
ップ部92から後方へ突出させた状態で、図17に示す
ように、操作レバー85を押下げ揺動操作した際、ブレ
ーキ部材25を最後退位置に配置させる前段階で、操作
ロッド後端部96bがアーム部先端部55aに当接し
て、操作レバー85の押下げ揺動操作を停止させるよう
に、設定されている。そしてさらに、図17の二点鎖線
で示すように、操作ロッド96の前端部96aの非押圧
状態で、操作レバー85を押下げ揺動操作した際には、
操作ロッド後端部96bがアーム部先端部55aと干渉
せずに、ブレーキ部材25を最後退位置に配置可能に、
操作レバー85の押下げ揺動操作を行なえるように、設
定されている。
【0082】すなわち、このブレーキ装置80では、図
16に示すように、操作ロッド96の前端部96aを押
圧して、操作ロッド96の後端部96bをグリップ部9
2から後方へ突出させた状態で、図17に示すように、
操作レバー85を押下げ揺動操作すると、ブレーキ部材
25を最後退位置に配置させる前段階で、操作ロッド後
端部96bがアーム部先端部55aに当接して、操作レ
バー85の押下げ揺動操作を停止させることができる。
そしてこの時のブレーキ部材25のブレーキシュー30
の配置位置を、主輪8のタイヤ8aにある程度制動を掛
ける得るような位置に配置させて、図19に示すよう
に、取付ボルト18、ワッシャ19・20を利用して、
ブレーキ装置80をフレーム3側の取付プレート4に取
り付けておけば、操作ロッド96の前端部96aを押圧
して、操作ロッド96の後端部96bをグリップ部92
から後方へ突出させた状態で、操作レバー85を押下げ
揺動操作すれば、常に、毎回、最大制動力を発揮する前
段階の一定の制動力を確保して、ブレーキ装置80を安
定して作動させることができる。そのため、特に、登坂
を前進する際、主輪8の後転Bを防止して、前進するこ
とが可能となる。
【0083】そして、勿論、操作ロッド96の前端部9
6aの非押圧状態で、操作レバー85を押下げ揺動操作
した際には、操作ロッド後端部96bがアーム部先端部
55aと干渉せずに、ブレーキ部材25を最後退位置に
配置できるため、容易に、最大制動力を確保することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のブレーキ装置が装着され
た車椅子の正面図である。
【図2】同実施形態のブレーキ装置が装着された車椅子
の平面図である。
【図3】同実施形態のブレーキ装置の断面図である。
【図4】同実施形態のブレーキ装置の平面図である。
【図5】同実施形態のブレーキ装置の後部側の拡大部分
断面図である。
【図6】同実施形態のブレーキ装置の前部側の拡大部分
断面図である。
【図7】図6の VII方向から見た概略部分断面図であ
る。
【図8】図6のVIII方向から見た概略部分断面図であ
る。
【図9】同実施形態のブレーキ装置の使用態様を示す断
面図であり、操作レバーを押下げ揺動操作して、主輪に
対して制動力を掛けた状態を示す断面図である。
【図10】同実施形態のブレーキ装置の使用態様を示す
断面図であり、ブレーキ片部が上方へ回動した状態を示
す。
【図11】同実施形態のブレーキ装置の使用態様を示す
断面図であり、主輪に対して最大制動力を掛けた状態を
示す断面図である。
【図12】同実施形態のブレーキ装置の使用態様を示す
断面図であり、制動を解除するために、操作レバーを引
上げ揺動操作した状態を示す断面図である。
【図13】同実施形態のブレーキ装置における制動時の
ストッパ部材の状態を示す説明図である。
【図14】同実施形態のブレーキ装置における制動解除
時のストッパ部材の状態を示す説明図である。
【図15】他の実施形態のブレーキ装置の断面図であ
る。
【図16】同実施形態のブレーキ装置における操作ロッ
ドを後退させた状態を示す断面図である。
【図17】同実施形態のブレーキ装置における操作ロッ
ドを後退させた状態で、操作レバーを押下げ揺動操作し
た状態を示す断面図である。
【図18】同実施形態のブレーキ装置を配置させた車椅
子の正面図である。
【図19】同実施形態のブレーキ装置の平面図である。
【図20】同実施形態のブレーキ装置における操作レバ
ー本体部を構成する車外側の側壁のカバー部を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…車椅子、 3…フレーム、 8…主輪、 8a…タイヤ、 10・80…ブレーキ装置、 11…ケース、 13…前板部、 22…ガイドロッド、 25…ブレーキ部材、 26…ブレーキ片部、 30…ブレーキシュー、 30b…突条、 30c…頂部、 33…ピン、 36…スライダ部、 41…軸支部、 43…リンク、 45…操作レバー、 47b…係合面、 51…操作把持部、 53…ストッパ部材、 54…掛止部、 54a…挿通孔、 54b…上縁、 55…アーム部、 55a…先端部、 56…交差部、 58…ベースブロック、 59…摺動部、 64…ストッパ用ばね、 66…リターン用ばね、 68…支持杆、 70・71・72・74…(軸支部位)ピン、 85…操作レバー、 86…本体部、 91…操作把持部、 92…グリップ部、 96…操作ロッド、 96a…前端部、 96b…後端部、 101…コイルばね、 T…トグル機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 源重 愛知県額田郡額田町大字牧平コタラゲ13番 地89

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主輪のタイヤの前部側に対して、ブレー
    キ部材を押し付けて、制動を掛けるように使用し、 フレームに連結固定されるケースに対して、前後方向に
    移動可能に、前記ブレーキ部材が支持され、 該ブレーキ部材の前端側に、トグル機構が連結され、 該トグル機構が、前記ブレーキ部材の前端側に後端側を
    軸支させるとともに前端側を操作把持部とする操作レバ
    ーと、該操作レバーの前後方向の略中間部位に後端側を
    軸支させるリンクと、から構成され、 前記操作把持部を把持して行なう前記ブレーキ部材前端
    側との軸支部位を回動中心とする前記操作レバーの押下
    げ揺動操作により、前記リンクの前端側を停止させた状
    態で、前記操作レバーと前記リンクとを略直線状とする
    ようにして、前記ブレーキ部材を後退させて前記タイヤ
    に圧接可能な車椅子のブレーキ装置であって、 前記ケースに、軸方向を前後方向に沿わせて、前記操作
    レバーの下方に配置されるガイドロッドが固定され、 前記ブレーキ部材には、 前端側に、前記ガイドロッドに摺動可能に連結されるス
    ライダ部と、前記操作レバーの後端側を軸支する軸支部
    と、が形成され、 後端側に、前記スライダ部の後端側に連結されて、前記
    タイヤに圧接可能なブレーキシューを保持したブレーキ
    片部が形成され、 前記操作レバーの後端側を軸支した軸支部に、略前後方
    向に配置された支持杆の後端側が上下方向に揺動可能に
    軸支され、 前記軸支部の前方側における前記ガイドロッドに、前記
    ガイドロッドに対して摺動可能な、ストッパ部材とベー
    スブロックとが、後方から順に外装され、 前記ストッパ部材が、前記ガイドロッドを挿通可能な挿
    通孔を備えた掛止部と該掛止部から前記操作レバー側の
    上方へ延びるアーム部と、を備えるとともに、 前記掛止部と前記アーム部との交差部を、前記支持杆の
    前端側に対して、前記ストッパ部材を前後方向に揺動可
    能に、軸支させ、 前記ベースブロックが、前記ガイドロッドを挿通可能な
    挿通孔を備えた摺動部と、該摺動部から前記操作レバー
    側の上方へ延びて前記リンクの前端側を軸支させるブラ
    ケット部と、を備え、 前記ストッパ部材の掛止部の前端面側における前記操作
    レバー側の挿通孔内周縁を、前記ガイドロッドの外周面
    にかじらせるように、前記ストッパ部材に、ストッパ用
    ばねが連結され、 前記操作レバーが、前記ブレーキ部材前端側との軸支部
    位を回動中心とする前記操作レバーの引上げ揺動操作時
    に、前記ストッパ用ばねの付勢力に抗して、前記支持杆
    との軸支部位を中心として前記ストッパ部材の掛止部を
    前方へ回転させるように、前記アーム部先端側を押圧す
    る係合面を備え、 前記リンクが、前記操作レバーの押下げ揺動操作時に、
    前記ベースブロックの摺動部を前記ケースに設けられた
    前板部に当接支持させる長さとしていることを特徴とす
    る車椅子のブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキ片部が、後方へ最も突出す
    る位置より上方に回転しないように規制されて、前記ス
    ライダ部の後端側に対して、上下方向に揺動可能に連結
    支持されていることを特徴とする請求項1に記載の車椅
    子のブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキ片部が、上方へ付勢され
    て、前記スライダ部に連結支持されていることを特徴と
    する請求項1若しくは請求項2に記載の車椅子のブレー
    キ装置。
  4. 【請求項4】 前記ブレーキシューが、高分子弾性体か
    らなり、前記タイヤの軸方向と平行な軸方向を有する略
    円筒状として、前記ブレーキ片部の後端側に、位置止め
    可能でかつ周方向に回転可能に保持されていることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車椅
    子のブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記ブレーキシューが、軸方向に延びる
    複数の突条を周方向に鋸歯状に突設させるとともに、前
    記各突条の頂部が、前記タイヤの後転時の外周面に食い
    込み易いように、前記タイヤの後転時の外周面に接近す
    るように偏位して形成されていることを特徴とする請求
    項4に記載の車椅子のブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 前記ブレーキ部材に、前記ガイドロッド
    に沿って前進可能に付勢するリターン用ばねが連結され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれ
    かに記載の車椅子のブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 前記操作レバーが、本体部と操作把持部
    とを備えて構成され、 前記本体部が、後端側を前記ブレーキ部材の軸支部に軸
    支させるとともに、前後方向の略中間部位に前記リンク
    の後端側を軸支させ、さらに、後端側に、前記アーム部
    先端側を押圧する前記係合面を備えるように、構成さ
    れ、 前記操作把持部が、前記本体部の上面側から上方へ延
    び、さらに、前方側へ延びるように構成されて、前記本
    体部に連結固定されるグリップ部と、該グリップ部に対
    して、前方へ付勢されて前後方向に摺動可能に保持され
    る操作ロッドと、を備えて構成され、 該操作ロッドが、前端部と後端部とを前記グリップ部の
    前後から突出させるとともに、前記後端部を前記グリッ
    プ部の後面に当接させて、前方への移動を停止させるよ
    うに、前記グリップ部に保持され、 前記操作ロッドの前記後端部と前記ストッパ部材におけ
    るアーム部の先端部との配置位置が、 前記操作ロッドの前端部を押圧して、前記操作ロッドの
    後端部を前記グリップ部から後方へ突出させた状態で、
    前記操作レバーを押下げ揺動操作した際、前記ブレーキ
    部材を最後退位置に配置させる前段階で、前記操作ロッ
    ド後端部が前記アーム部先端部に当接して、前記操作レ
    バーの押下げ揺動操作を停止させ、かつ、 前記操作ロッドの前端部の非押圧状態で、前記操作レバ
    ーを押下げ揺動操作した際、前記操作ロッド後端部が前
    記アーム部先端部と干渉せずに、前記ブレーキ部材を最
    後退位置に配置可能に、前記操作レバーの押下げ揺動操
    作を行なえるように、 設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6
    のいずれかに記載の車椅子のブレーキ装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002211409A (ja) * 2001-01-19 2002-07-31 Satsuki:Kk 手押し車用制動装置
JP2004057401A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Kaneso Co Ltd 車椅子の後退防止装置
WO2004052704A1 (ja) * 2002-12-11 2004-06-24 Osamu Watanabe 回転物に対する制動装置及びそれを用いた自動車補助ブレーキ装置
JP2010254070A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Yazaki Ind Chem Co Ltd 被牽引台車
CN106427938A (zh) * 2016-11-09 2017-02-22 烟台南山学院 一种可使汽车在最短距离内驻车并防止倾覆的装置

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