JP2000268751A - 陰極線管および画像補正方法 - Google Patents

陰極線管および画像補正方法

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JP2000268751A
JP2000268751A JP11072658A JP7265899A JP2000268751A JP 2000268751 A JP2000268751 A JP 2000268751A JP 11072658 A JP11072658 A JP 11072658A JP 7265899 A JP7265899 A JP 7265899A JP 2000268751 A JP2000268751 A JP 2000268751A
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cathode ray
ray tube
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signal
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Hiroshi Hosokawa
弘 細川
Masamichi Okada
正道 岡田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビームの走査位置を容易に検出できるよ
うにすると共に、検出した走査位置に基づいて画像表示
の補正を行うことを可能にする。 【解決手段】 電子ビームeBが、有効画面領域SWの
外側の過走査領域OSを走査し、インデックス電極25
に入射して衝突すると、インデックス電極25において
電圧降下が生じ、この電圧降下に応じた信号が、検出信
号としてファンネル部20に設けられたキャパシタCf
を経由して管外に導かれ、アンプを経由してインデック
ス信号が出力される。このインデックス信号に基づい
て、コンバーゼンスヨーク32および偏向ヨーク21が
制御され、電子ビームeBの走査位置の自動制御が行わ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームの走査
によって画像を形成する陰極線管およびこの陰極線管に
おける画像補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機やコンピュータ用の
モニタ装置等の画像表示装置においては、陰極線管(C
RT)が広く使用されている。この陰極線管の技術分野
では、従来より、陰極線管自身に内部での電子ビームの
位置を検出できる手段を持たせた、いわゆるインデック
ス型CRTが提案され、実用化がなされている。例え
ば、USP4,456,853号公報(Robinder et al.)には、蛍
光面に対向配置された色選別機構の裏面に短残光蛍光体
を塗布することにより蛍光体のパターンを形成すると共
に、電子ビームが蛍光体を通過することにより生じた発
光をファンネル部に設けられた検出窓を介して光検出器
で検出するようにした陰極線管についての技術が開示さ
れている。この技術によれば、電子ビームの通過位置に
応じて生じた蛍光体の発光を光検出器で検出することに
より電子ビームの位置を検出することが可能であると共
に、この検出結果に基づいて、ミスコンバーゼンスや画
歪み等の画像補正を自動的に行うことが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この蛍
光体の発光を利用した検出方式では、色選別機構に蛍光
体を塗布する場合に、色選別機構に設けられている電子
ビームの通過孔を塞がないようにしなければならないた
め、特殊な蛍光体の塗布工程が必要になるという問題が
ある。また、この方式では、陰極線管外部(以下、単に
管外ともいう。)に光検出のための複雑で高性能な集光
装置やアンプ等が必要とされるため、装置が高価になる
等の問題もある。
【0004】ところで、陰極線管の製造工程には、陰極
線管内部(以下、単に管内ともいう。)においてゲッタ
とよばれる活性的な金属等からなる物質を飛散させ、管
内の不要なガスをゲッタに吸着させることにより、内部
を高真空状態に維持する工程がある。しかしながら、上
述の蛍光体の発光を利用した検出方式を採用する場合に
は、このゲッタを飛散させる工程において、ゲッタが蛍
光体や光の検出窓に飛散しないようにしなければならな
いため、製造工程が複雑化する等の問題がある。このよ
うに、蛍光体の発光を利用した検出方式では、生産性、
信頼性および品質等に問題が多い。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、電子ビームの走査位置を容易に検出
することができると共に、検出した走査位置に基づいて
画像表示の補正を行うことを可能にした陰極線管および
画像補正方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による陰極線管
は、管内における電子ビームの過走査領域に設けられる
と共に、電子ビームの入射に応じた検出信号を出力する
検出手段を備えたものである。また、本発明による陰極
線管は、更に、検出手段から出力された検出信号に基づ
いて、画像が適正に表示されるように、電子ビームの走
査位置の制御を行う制御手段を備えるようにしてもよ
い。
【0007】また、本発明による画像補正方法は、陰極
線管の管内における電子ビームの過走査領域に設けられ
た検出手段から電子ビームの入射に応じた検出信号を出
力し、この検出信号に基づいて、画像が適正に表示され
るように、電子ビームの走査位置の制御を行うようにし
たものである。
【0008】本発明による陰極線管および画像補正方法
では、管内における電子ビームの過走査領域に設けられ
た検出手段から電子ビームの入射に応じた検出信号が出
力され、この検出信号に基づいて、電子ビームの走査位
置の制御が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0010】[第1の実施の形態]図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る陰極線管の概略を示す構成図であ
る。この図において、(B)は、陰極線管の正面図であ
り、(A)は、(B)におけるA−A′線断面図であ
る。この図に示したように、本実施の形態に係る陰極線
管は、内側に蛍光面11が形成されたパネル部10と、
このパネル部10に一体化されたファンネル部20とを
備えている。ファンネル部20の後端部には電子銃31
を内蔵した細長い形状のネック部30が形成されてい
る。この陰極線管は、パネル部10、ファンネル部20
およびネック部30により全体的に漏斗形状の外観が形
成される。以下では、この陰極線管を形作る全体的な形
状部分を外囲器ともいう。パネル部10およびファンネ
ル部20は各々の開口部同士が互いに融着されており、
内部は高真空状態を維持することが可能になっている。
蛍光面11には、蛍光体よりなる図示しない縞状のパタ
ーンが形成されている。
【0011】この陰極線管の管内には、蛍光面11に対
向するように配置された金属製の薄板よりなる色選別機
構12が配置されている。色選別機構12は、方式の違
いによりアパーチャグリルまたはシャドウマスク等とも
呼ばれるものであり、その外周がフレーム13によって
支持されていると共に、支持ばね14を介してパネル部
10の内面に取り付けられている。ファンネル部20に
は、アノード電圧HVを加えるためのアノード部24が
設けられている。ファンネル部20からネック部30に
かけての外周部分には、電子銃31から照射された電子
ビームeBを偏向させるための偏向ヨーク21と、電子
銃31から照射された各色用の電子ビームeBのコンバ
ーゼンス(集中)を行うためのコンバーゼンスヨーク3
2とが取り付けられている。ネック部30からパネル部
10の蛍光面11に至る内周面は、導電性の内部導電膜
22によって覆われている。内部導電膜22は、アノー
ド部24に電気的に接続されており、アノード電圧HV
に保たれている。また、ファンネル部20の外周面は、
導電性の外部導電膜23によって覆われている。
【0012】電子銃31は、図示しないが、赤(Red=
R),緑(Green=G)および青(Blue=B)用の3本
のカソード(熱陰極)を備えた熱陰極構体の前部に複数
の電極(グリッド)を配列した構成となっており、各電
極においてカソードから放射される電子ビームeBの制
御や加速等を行うようになっている。電子銃31から放
射された各色用の電子ビームeBは、それぞれ色選別機
構12等を通過して蛍光面11の対応する色の蛍光体に
照射される。
【0013】陰極線管の管内の両側部には、それぞれ長
方形の平板状の右側インデックス電極25Rおよび左側
インデックス電極25L(以下、2つの電極25R,2
5Lをインデックス電極25と総称する。)が設けられ
ている。このインデックス電極25は、管内の電子ビー
ムeBの水平方向の過走査(オーバ・スキャン)領域に
おいて蛍光面11に対向する位置に設けられていると共
に、電子ビームeBの入射に応じた電気的な検出信号を
出力するようになっている。このインデックス電極25
から出力された検出信号は、管外の画像補正用の処理回
路に入力され、主として、電子ビームeBの走査位置の
制御に利用される。なお、本実施の形態において、過走
査領域とは、電子ビームeBの走査領域において、有効
画面を形成する領域の外側の領域のことをいう。図1に
おいては、領域SWが水平方向の蛍光面11上の有効画
面であり、領域OSが水平方向の過走査領域である。な
お、インデックス電極25R,25Lが、本発明におけ
る「検出手段」の一具体例に対応する。
【0014】図2は、インデックス電極25Rの周辺部
を拡大して示した断面図である。インデックス電極25
は、金属等の導電性の物質からなるものであり、例え
ば、色選別機構12を支持するフレーム13を基台にし
て図示しない絶縁物を介して架設される。また、インデ
ックス電極25は、フレーム13に接続された抵抗R1
に電気的に接続されており、内部導電膜22、フレーム
13および抵抗R1等を介してアノード電圧HVが供給
されるようになっている。また、インデックス電極25
は、ファンネル部20の一部を利用して形成したキャパ
シタCfの管内側の電極42にリード線26を介して電
気的に接続されている。キャパシタCfは、ファンネル
部20において、部分的に(例えば、円形状に)内部導
電膜22および外部導電膜23を被覆しない領域を設
け、この領域の更に内部領域に、例えば、円形状の電極
41,42をファンネル部20を介して対向配置して形
成したものである。キャパシタCfの管外側の電極41
は、信号増幅用のアンプAMP1に接続されている。キ
ャパシタCfの電極41と、アンプAMP1との間に
は、アンプAMP1の入力抵抗Riおよび入力容量Ci
が接続されている。入力抵抗Riおよび入力容量Ciの
一端は、接地されている。なお、インデックス電極25
とアノード部24につながる内部導電膜22との間に
は、浮遊容量Csが発生している。
【0015】インデックス電極25において、過走査し
た電子ビームeBが射突(入射して衝突)すると、その
電位が、アノード電圧HV(V)からIb×R(V)だ
け電圧降下するようになっている。本実施の形態では、
この電圧降下した信号が、検出信号としてキャパシタC
fを経由して管外に導かれる。なお、Ibは、電子ビー
ムeBの流れによって生ずる電流値である。ところで、
陰極線管は、電子ビームeBを走査して機能させるもの
であり、本実施の形態においては、管内の特定部位に設
置したインデックス電極25に射突して発生する信号は
間欠的な信号となる。従って、インデックス電極25か
らの検出信号については、直流結合で信号の伝送を行う
必要はなく、キャパシタCf経由の交流結合による伝送
路で信号を導出し、管外の画像補正用の処理回路に供給
することができる。
【0016】ここで、キャパシタCfの静電容量につい
て検討してみる。キャパシタCfは、その誘電体とし
て、陰極線管を形作る外囲器の1つであるファンネル部
20を構成するガラス材料を用いている。ファンネル部
20に用いられているガラス材料の比誘電率χは、6前
後が普通である。キャパシタCfを構成する誘電体とし
てのガラスの厚さを5mm、電極41,42の各々の面
積を4cm2とすると、真空の誘電率ε0は8.85×1
-12[C/Vm]であるから、C=χε0S/dより、
キャパシタCfの静電容量C=4.25pFになる。後
述するようにこの程度の小容量でも、管外の画像補正用
の処理回路で処理するのには充分である。
【0017】次に、インデックス電極25からの検出信
号の信号経路における回路の特性について説明する。図
3は、インデックス電極25の周辺の回路素子によって
形成される回路の等価回路を示す回路図である。この回
路図においては、インデックス電極25に射突する電子
ビームeBを、完全な電流源IBとして表している。こ
の図に示した等価回路では、電流源IB、抵抗R1、浮
遊容量Cs、入力抵抗Riおよび入力容量Ciがこの順
番で並列接続されると共に、浮遊容量Csと入力抵抗R
iとの間にキャパシタCfが接続されている。キャパシ
タCfのプラス側の電極は、電流源IB、抵抗R1、お
よび浮遊容量Csのプラス側に接続されている。キャパ
シタCfのマイナス側の電極は、入力抵抗Riおよび入
力容量Ciのプラス側に接続されていると共に、アンプ
AMP1に接続されている。
【0018】図4は、この等価回路の周波数特性を示す
特性図である。この図において、縦軸はゲイン(dB)
を示し、横軸は周波数(Hz)を示している。この特性
図は、図3に示した等価回路における各回路素子におい
て、具体的な特性値として、抵抗R1の抵抗値を1k
Ω、浮遊容量Csの容量値を10pF、キャパシタCf
の容量値を5pF、入力抵抗Riの抵抗値を10MΩ、
入力容量Ciの容量値を1pFとした場合に得られたも
のである。この特性図から、以下のことが明らかであ
る。まず、インデックス電極25に発生する信号電圧V
INは、数MHz以上の高周波数帯域で減衰し始める
が、これは容量Csによるシャント効果によるものであ
る。次に、アンプAMP1に入力される出力電圧VOU
Tの低域特性は、キャパシタCfと入力抵抗Riで横成
されるハイパスフィルタの遮断周波数に支配されてい
る。また中域(10kHz)以上では、出力電圧VOU
Tとインデックス電極25に発生する信号電圧VINの
比は、キャパシタCfと入力容量Ciによる分圧比に支
配されている。この具体例では、数kHzから10MH
z位までは、ほぼ平坦な周波数特性で信号検出が可能で
あることがいえる。通常の陰極線管における走査周波数
は、数kHzから数100kHzの範囲にあるので、信
号検出用の回路としてはこの周波数特性で充分ある。
【0019】ところで、本実施の形態においては、図1
に示したようにインデックス電極25L,25Rが管内
の左右に配置されている。これらの電極25L,25R
を各々電気的に独立にすると共に、キャパシタCfも同
様に電気的に独立にし、左右で別々の信号経路で検出信
号を導出するようにしてもよいが、左右のインデックス
電極25L,25Rを管内で電気的に接続し、単一のキ
ャパシタCfで信号を導出するようにしてもよい。陰極
線管においては、ラスター走査している電子ビームeB
が、左右の2つのインデックス電極25L,25Rに同
時に射突することは無く、管外の処理回路においてどち
らの電極に射突したかを識別可能だからである。左右の
インデックス電極25を管内で電気的に接続した場合に
は、浮遊容量Csが増加して高周波特性が低下するが、
この特性が許容できる範囲であれば、左右のインデック
ス電極25L,25Rを電気的に接続する方法の方が簡
単な構成になる。
【0020】なお、陰極線管では、従来から、過走査し
た電子ビームeBが管内で反射して蛍光面11に到達し
不用意に発光しないように、インデックス電極25に類
似した形状のビームシールドとよばれる遮蔽部材を配置
し、過走査領域の電子ビームeBを遮蔽するようにして
いることが多い。本実施の形態におけるインデックス電
極25を、このビームシールドとして兼用してもよい。
ただし、インデックス電極25と、ビームシールドとを
別々に設けることももちろん可能である。この場合、ビ
ームシールドは、例えば、インデックス電極25とフレ
ーム13との間に配置するとよい。
【0021】図5は、本実施の形態に係る陰極線管の信
号処理回路を示すブロック図である。本実施の形態に係
る陰極線管は、同期信号SSが入力されると共に、イン
デックスドライブ信号S1を生成するインデックスドラ
イブ信号生成部51と、このインデックスドライブ信号
生成部51によって生成されたインデックスドライブ信
号S1および入力された映像信号SVを混合して出力す
る混合器52と、混合器52からの出力を増幅するビデ
オアンプVAMPと、アンプAMP1から出力されたイ
ンデックス信号S2および同期信号SSが入力されると
共に、コンバーゼンス補正信号S3および偏向補正信号
S4を出力するインデックス信号処理回路53と、イン
デックス信号処理回路53からのコンバーゼンス補正信
号S3に基づいてコンバーゼンスヨーク32を制御する
コンバーゼンス回路54と、インデックス信号処理回路
53からの偏向補正信号S4に基づいて偏向ヨーク21
を制御する偏向回路55とを備えている。
【0022】なお、偏向ヨーク21、コンバーゼンスヨ
ーク32、インデックスドライブ信号生成部51、イン
デックス信号処理回路53、コンバーゼンス回路54お
よび偏向回路55が、本発明における「制御手段」の一
具体例に対応する。
【0023】インデックスドライブ信号S1は、インデ
ックス電極25が配置された過走査領域における電子ビ
ームeBの走査用の信号である。インデックス信号S2
は、インデックス電極25からの検出信号に対応する信
号である。これらの信号を用いた本実施の形態に係る画
像補正方法については後に詳述する。
【0024】次に、上記のような構成の陰極線管の動作
について説明する。
【0025】図1に示した陰極線管では、電子銃31の
内部に配置された図示しないR,G,Bの各色用のカソ
ードからそれぞれ各色用の電子ビームが発射される。電
子銃31から発射された各色用の電子ビームeBは、コ
ンバーゼンスヨーク32の電磁的な作用によりコンバー
ゼンスが行われると共に、偏向ヨーク21の電磁的な作
用により偏向されることにより、蛍光面11の全面を走
査し、パネル部10の表面では有効画面領域SW内に所
望の画像が表示される。
【0026】電子ビームeBが、有効画面領域SWの外
側の過走査領域OSを走査し、インデックス電極25に
射突すると、インデックス電極25において電圧降下が
生じ、この電圧降下に応じた信号が、検出信号としてフ
ァンネル部20に設けられたキャパシタCfを経由して
管外に導かれ、アンプAMP1からインデックス信号S
2が出力される。インデックス信号処理回路53(図
5)は、インデックス信号S2に基づいてコンバーゼン
ス補正信号S3および偏向補正信号S4を出力する。コ
ンバーゼンス回路54は、コンバーゼンス補正信号S3
に基づいてコンバーゼンスヨーク32を制御する。偏向
回路55は、偏向補正信号S4に基づいて偏向ヨーク2
1を制御する。これにより、電子ビームeBの走査位置
の制御が行われ、画歪み等が補正される。
【0027】次に、図6ないし図9を参照してインデッ
クス信号S2に基づいた画像補正方法についてより詳細
に説明する。
【0028】以下では、図7に示したように、電子ビー
ムeBのライン走査を水平方向に左から右(図のX方
向)に向けて行い、フィールド走査を垂直方向に上から
下に向けて行う場合について説明する。図7において、
水平走査している電子ビームeBの左端をeLで示し、
右端をeRで示す。また、以下では、図8に示したよう
に、水平方向の中央部が縮められると共に、水平方向の
上下部が引き延ばされているような糸巻き型(ピンクッ
ション型)の走査画面81を、長方形の適正な走査画面
82に戻すように画像補正を行う場合を例に説明する。
【0029】図6は、図5に示した各処理回路に入力さ
れる各種の信号の波形を表す図である。この図の(A)
は、混合器52に入力される映像信号SVの波形を表し
ている。陰極線管では、映像信号SVのディスプレイ期
間TH1において、電子ビームeBによる有効画面領域
SWの走査が行われる。期間TH2は、実質的に映像信
号のない映像のブランキング期間である。同図(B)
は、陰極線管における水平偏向電流の波形を表してい
る。同図(C)は、偏向ブランキング信号の波形を表し
ている。期間tbは、水平偏向走査におけるいわゆる帰
線期間に相当する。
【0030】同図(D)は、同図(A)に示した映像信
号SVに、インデックスドライブ信号生成部51(図
5)からのインデックスドライブ信号S1を混合した信
号の波形を表しており、混合器52(図5)から出力さ
れる信号に相当する。インデックスドライブ信号S1
は、上述のように、インデックス電極25が配置された
過走査領域における電子ビームeBの走査用の信号であ
る。このインデックスドライブ信号S1は、同図(A)
に示した映像ブランキング期間TH2内で、この期間T
H2より若干短いパルス期間(例えば、2×tmの期
間)の信号を、同図(C)に示した偏向ブランキング信
号でゲーティングすることにより生成されたパルス信号
である。同図(D)において、パルス信号S1Lが左側
の過走査領域を走査するための信号であり、パルス信号
S1Rが右側の過走査領域を走査するための信号に相当
する。パルス信号S1L,S1Rのパルス期間はtiで
ある。ここで、期間tmは、実際には電子ビームeBの
放射が行われない期間であり、過走査領域OSを走査し
ている電子ビームeBによる発光が、有効画面領域SW
に及ぼす影響を低減するために設けられたブランキング
期間である。
【0031】同図(E)〜(G)は、同図(D)に示し
たインデックスドライブ信号S1を含む映像信号SVに
基づいて電子ビームeBを走査したときに、インデック
ス電極25において検出された信号に基づいてアンプA
MP1から出力されるインデックス信号S2の波形を表
している。同図(E)で示した波形は、適正な偏向走査
が行われているときに出力されるべきインデックス信号
S2の波形であり、目標とされる信号波形である。同図
(F)で示した波形は、例えば、図8に示した糸巻き型
の走査画面81の上下部分のように適正な画面に比べて
水平方向の画面サイズが大きくなる方向に偏向されてい
るときに出力されるインデックス信号S2の波形であ
る。同図(G)で示した波形は、同図(F)とは逆に、
例えば、図8に示した糸巻き型の走査画面81の中央部
分のように適正な画面に比べて水平方向の画面サイズが
小さくなる方向に偏向されているときに出力されるイン
デックス信号S2の波形である。
【0032】本実施の形態では、同図(F),(G)で
示したような波形のインデックス信号S2を同図(E)
で示したような波形となるように、電子ビームeBの偏
向制御を行う。より具体的には、左側のインデックス電
極25Lによるインデックス信号S2の内側エッジ61
および右側のインデックス電極25Rによるインデック
ス信号S2の内側エッジ62の各々が、ビデオブランキ
ング信号のエッジから所定期間tg(tg>tm)にな
るように、インデックス信号処理回路53から偏向補正
信号S4を送出し、偏向回路55の水平方向の振幅と位
相を自動制御する。この自動制御の動作は、図7および
図9で示したように、電子ビームeBが、有効画面領域
SWの外側の過走査領域OSに設けられたインデックス
電極25L,25Rの内側のエッジ部分25L1,25
R1に到達してから映像のディスプレイ期間TH1に相
当する領域に到達するまでの時間が、所定期間tgに制
御されることであり、この結果、偏向回路55における
水平振幅と位相が自動的に安定化されることになる。な
お、本実施の形態の陰極線管は、カラー表示可能なもの
であり、調整すべき電子ビームeBは、R,G,Bの各
色用のものがあるが、コンバーゼンス回路54と偏向回
路55との制御を併せて行い、R,G,Bの各色毎に調
整を行えば、コンバーセンスの補正をも自動化できる。
以上のような自動制御を、水平偏向走査毎に繰り返しつ
つ垂直偏向走査と共に行うことで、例えば、図8で示し
た走査画面81のような糸巻き型の画歪みの補正を全画
面領域において自動的に行うことができる。
【0033】なお、上述したインデックス信号S2に基
づく電子ビームeBの制御を行う時期については任意に
設定することが可能であり、例えば、陰極線管の起動時
に行ったり、または、定期的な期間を置いて間欠的に行
ったり、更には、常時行うようにすることが選択可能で
ある。また、電子ビームeBの補正結果を、電子ビーム
eBの次回のフィールド走査時において反映させるよう
な、いわゆるフイードバックループの構成とすれば、陰
極線管の動作中にその設置位置や向きが変えられたとし
ても、地磁気等の外部環境の変化による画歪み等を自動
的に補正することができる。更に、各処理回路が経時変
化することにより走査画面が変動するような場合にも、
自動的に変動を吸収して適正な画像が表示されるように
することが可能である。なお、各処理回路の動作が安定
しており、設置位置も不変であるならば、陰極線管の起
動時にのみ補正を行うだけでも充分である。このよう
に、本実施の形態では、地磁気等の外部環境の変化や各
処理回路の経時変動が表示画像に及ぼす影響が、自動的
に補正される。
【0034】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、管内における電子ビームeBの左右の過走査領域
に、電子ビームeBの入射に応じた検出信号を出力する
インデックス電極25を設けるようにしたので、簡単な
構造、構成でありながら、管内の電極に電子ビームeB
が入射するタイミングを検出でき、電子ビームeBの走
査位置を容易に検出することができる。また、インデッ
クス電極25から出力された検出信号に基づいて、電子
ビームeBの走査位置の制御を行うようにしたので、検
出した走査位置に基づいて、画面走査の振幅、画歪およ
びミスコンバーゼンス等の画像表示の補正を自動的に行
うことが可能になる。
【0035】また、本実施の形態によれば、電子的に電
子ビームeBの走査位置を検出する方式であるから、従
来の蛍光体の発光を利用した光方式のように特殊な蛍光
体を塗布する工程が不要になる。更に、従来の光方式で
は、管内の真空度を維持し陰極線管の長寿命を保つのに
不可欠なゲッタを飛散させる工程において、ゲッタが蛍
光体や光の検出窓に飛散しないようにしなければなら
ず、製造工程が複雑化する等の問題があったが、本実施
の形態では、光方式に比べてゲッタを飛散させる部位の
制約が軽減される。また更に、従来の光方式のような光
検出のための複雑で高性能な集光装置やアンプ等が必要
とされず、信号検出用のアンプも簡素化される。これに
より、従来より、生産性、信頼性および品質に優れた陰
極線管を実現できる。
【0036】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1の実施の形態における構成要素と同一の部
分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0037】図10は、本発明の第2の実施の形態に係
る陰極線管におけるインデックス電極の構造およびこの
インデックス電極から出力される検出信号の波形の一例
を示す図である。本実施の形態の陰極線管は、画面の左
右の過走査領域に、同図(A)に示したような逆三角形
状の切り欠き孔71が等間隔に複数設けられたインデッ
クス電極70を備えている。上述の第1の実施の形態で
は、切り欠き孔71が設けられていない長方形状のイン
デックス電極25を用いて、過走査領域における電子ビ
ームeBの一方向(水平方向)の位置を検出可能にした
が、本実施の形態では、導電性の電極に切り欠き孔71
を設けることで、水平方向と共に垂直方向における電子
ビームeBの走査位置の検出を可能にしている。
【0038】次に、インデックス電極70を用いた電子
ビームeBの走査位置の検出動作および画像補正方法に
ついて説明する。なお、以下では、電子ビームeBの水
平走査が、上記第1の実施の形態と同様に、画面の左か
ら右に行われると共に、垂直走査が上から下(図のY方
向)に行われる場合について説明する。また、以下で
は、画面の左側に設けられたインデックス電極70につ
いてのみ説明するが、右側に設けられた電極についても
同様である。
【0039】同図(A)において、軌跡BYは、画像補
正前の電子ビームeBの水平方向の走査開始点の軌跡で
ある。この図の例では、画像補正前の電子ビームeBの
軌跡は、糸巻き型のものである。また、軌跡BY0は、
適正な画像補正がなされているときの電子ビームeBの
水平方向の走査開始点の軌跡である。本実施の形態で
は、電子ビームeBの位置を検出するために、インデッ
クス電極70が設けられた過走査領域において、水平方
向に位置検出用の複数の電子ビームB1〜B5を、少な
くとも切り欠き孔71の数に対応した数だけ通過させる
ようになっている。以下では、適正な画像補正がなされ
ているときには、例えば、図示した電子ビームB10〜
B50のように、複数の切り欠き孔71のほぼ真ん中に
電子ビームが通過するものとして説明する。なお、位置
検出用としてインデックス電極70を通過させる電子ビ
ームの本数は、切り欠き孔71の数と同数に限定される
ものではない。
【0040】位置検出用の電子ビームB1〜B5がイン
デックス電極70を通過すると、同図(B)で示したよ
うに、2つのパルス信号を有する検出信号が出力され
る。2つのパルス信号は、切り欠き孔71の両端部の電
極部分を電子ビームB1〜B5が通過することにより出
力される信号である。電子ビームB1〜B5の走査開始
点(時間t=0)から、最初のパルス信号のエッジ部分
までの時間(th1〜th5)は、水平偏向の振幅と画
歪みの状況を表わしており、これらの時間が予め決めら
れた一定時間th0になるように、電子ビームeBの偏
向制御を行うことで、水平偏向は完全に補正される。
【0041】同図(C)は、水平偏向が補正された後に
出力される検出信号を示している。上述のように、イン
デックス電極70において、切り欠き孔71が設けられ
た部分を電子ビームB1〜B5が通過すると、2つのパ
ルス信号が出力されるが、このとき出力されるパルス信
号のパルス間隔(tv1〜tv5)は、切り欠き孔71
に対する上下方向(垂直方向)の位置に対応する。従っ
て、このパルス間隔(tv1〜tv5)が所定の時間t
v0になるように、電子ビームeBの偏向制御を行い、
垂直振幅と直線性を調整することで、垂直偏向も完全に
補正することができる。水平偏向および垂直偏向の双方
とも補正されると、同図(D)で示したように、走査開
始点(t=0)から、最初のパルス信号のエッジ部分ま
での時間が一定時間th0で、2つのパルス間隔が所定
の時間tv0である検出信号が出力される。このとき、
(E)で示したように、インデックス電極70におい
て、複数の切り欠き孔71のほぼ真ん中部分を、理想状
態の電子ビームB1′〜B5′が通過することになる。
【0042】上述のインデックス電極70から出力され
る検出信号のパルス間隔の解析は、実際には、インデッ
クス信号処理回路53(図5)が、アンプAMP1を介
して取得したインデックス電極70からの検出信号に相
当するインデックス信号S2を解析することにより行わ
れる。インデックス信号処理回路53は、インデックス
信号S2の解析に基づいて、コンバーゼンス補正信号S
3および偏向補正信号S4を出力する。偏向回路55
は、偏向補正信号S4に基づいて偏向ヨーク21を制御
する。これにより、電子ビームeBの走査位置の制御が
行われ、画歪み等が補正されるように画像補正がなされ
る。
【0043】なお、インデックス電極70に設ける切り
欠き孔71の形状は、上述の逆三角形状のものに限定さ
れず、図11に示したように、種々の形状の切り欠き孔
を用いることが可能である。この図の(A)に示した例
では、水平方向の形状が下方に向かうにつれて小さくな
る略直角三角形状の切り欠き孔91を有している。この
(A)に示した例の電極を用いたときの電子ビームeB
の走査位置の検出は、基本的に、図10に示したインデ
ックス電極70を用いたときと同様である。同図
(B),(C),(D)は、それぞれ、菱形、円形およ
び楕円形状の切り欠き孔92,93,94が設けられた
電極の例である。同図(B),(C),(D)の例で
は、個々の切り欠き孔の形状が上下に対称な形状となっ
ているため、垂直方向の位置情報を得るためには、1つ
の切り欠き孔に対して中心部に複数本(例えば、3本)
の電子ビームeBを通過させる必要がある。同図(E)
は、位置検出用の切り欠き孔95を設けると共に、管内
に発生する浮遊容量を低減するための容量低減用の切り
欠き孔96を設けた例である。この(E)の例は、電極
上において、位置検出に使用しない領域を切り欠き孔9
6として切り欠いたもので、電極がアノード電圧HVが
保たれている内部導電膜22等に対して持つ浮遊容量を
減少させ、検出信号の高周波特性を改善させる利点を持
っている。
【0044】なお、図10および図11では、1つのイ
ンデックス電極に5個の切り欠き孔を設けた例について
示したが、インデックス電極に設ける切り欠き孔の個数
は、5個に限定されるものではなく、これよりも多いま
たは少ない構成であってもよい。但し、画像の歪みがよ
り複雑で高次の成分を含むときには、切り欠き孔の個数
を増やして検出精度を高めることが必要になると考えら
れる。また、複数の切り欠き孔同士の間隔は、必ずしも
等間隔でなくともよい。
【0045】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、インデックス電極70に切り欠き孔71を設けるよ
うにしたので、水平方向と共に垂直方向における電子ビ
ームeBの走査位置の検出ができ、水平方向と共に垂直
方向における画像補正を行うことが可能になる。
【0046】なお、本実施の形態におけるその他の構
成、作用および効果は、上記第1の実施の形態と同様で
ある。
【0047】[第3の実施の形態]次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1の実施の形態における構成要素と同一の部
分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0048】図12は、本発明の第3の実施の形態に係
る陰極線管の概略を示す構成図である。この図におい
て、(A)は、陰極線管の正面図であり、(B)は、
(A)におけるB−B′線断面図である。図において、
領域SHは、垂直方向の有効画面領域である。図1に示
した陰極線管では、管内の左右の過走査領域に2つのイ
ンデックス電極25L,25Rが設けられていたが、本
実施の形態では、更に、管内の上下の過走査領域に2つ
のインデックス電極25A,25Bが設けられている。
なお、この図12においては、電極25L,25R,2
5A,25Bからインデックス信号を導出するための構
造部分については、図1および図2に示したものと同様
であるため、図示を省略している。ここで、電極25
L,25R,25A,25Bを、各々電気的に独立にす
ると共に、キャパシタCf(図12では図示せず)も同
様に電気的に独立にし、左右および上下で別々の信号経
路で検出信号を導出するようにしてもよいが、全ての電
極を管内で電気的に接続し、単一のキャパシタCfで信
号を導出するようにしてもよい。また、各電極25L,
25R,25A,25Bを構造的に一体化し、単一の部
材で構成するようにしてもよい。陰極線管においては、
通常、ラスター走査している電子ビームeBが、左右お
よび上下の各25L,25R,25A,25Bに同時に
射突することは無く、管外の処理回路においていずれの
部分の電極に射突したかを識別可能だからである。
【0049】図13は、インデックス電極25A,25
Bの構造およびこのインデックス電極25A,25Bか
ら出力される検出信号の波形の一例を示す図である。イ
ンデックス電極25A,25Bは、その長手方向が電子
ビームeBの水平走査方向に対して垂直になるように設
けられた長方形状の切り欠き孔131と、電子ビームe
Bの水平走査方向に対して斜めになるように設けられた
細長形状の切り欠き孔132とを有している。切り欠き
孔131と切り欠き孔132は、それぞれ交互に複数配
置されている。この図の例では、結果としてインデック
ス電極25A,25Bの両端部が切り欠き孔131とな
るような配置となっている。隣り合う切り欠き孔131
同士は、等間隔で配置されている。切り欠き孔132に
ついても、隣り合うもの同士が、等間隔で配置されてい
る。
【0050】インデックス電極25A,25Bにおい
て、図13(A)に示したように、水平方向に位置検出
用の2つの電子ビームeB1,eB2が通過したとする
と、それぞれ同図(B),(C)で示したような検出信
号が出力される。同図(B),(C)において、両端部
に示した期間TT,TBより電子ビームeB1,eB2の
水平走査の振幅と位置を検出することができる。また、
電子ビームeB1,eB2が、隣り合う切り欠き孔13
1を通過している期間T13,T35,T57,T79の不揃い
は、水平走査の直線性の良否を表わしている。また、電
子ビームeB1,eB2が、斜めの切り欠き孔132を
通過するときに発生するパルス信号((C)において
は、パルスP1〜P4)の位置は、垂直走査の振幅の情
報を表わしている。
【0051】同図(E)は、同図(D)に示したよう
に、糸巻き型の画歪みがある電子ビームeB3が通過し
たときにインデックス電極25A,25Bから出力され
る検出信号を示している。同図(F)は、同図(D)に
示したように、樽型の画歪みがある電子ビームeB4が
通過したときにインデックス電極25A,25Bから出
力される検出信号を示している。同図(G)は、同図
(D)に示したように、インデックス電極25A,25
Bのほぼ中心部分を通過する電子ビームeB5があった
ときに出力される検出信号を示している。これらの図か
ら分かるように、インデックス電極25A,25Bから
は、通過する電子ビームeBの違いに応じて異なる波形
の検出信号が出力される。従って、例えば、電子ビーム
eBが各切り欠き孔131,132を通過するときのパ
ルス信号列の位相を観測・解析すれば、インデックス電
極25A,25B上の電子ビームeBの軌道を推定する
ことができる。
【0052】パルス信号列の位相の解析は、実際には、
インデックス信号処理回路53(図5)が、アンプAM
P1を介して取得したインデックス電極25A,25B
からの検出信号に相当するインデックス信号S2を解析
することにより行われる。インデックス信号処理回路5
3は、インデックス信号S2の解析に基づいて、コンバ
ーゼンス補正信号S3および偏向補正信号S4を出力す
る。偏向回路55は、偏向補正信号S4に基づいて偏向
ヨーク21を制御する。これにより、電子ビームeBの
走査位置の制御が行われ、画歪み等が補正されるように
画像補正がなされる。
【0053】なお、図13では、インデックス電極25
A,25Bにそれぞれ9個の切り欠き孔を設けた例につ
いて示したが、これらに設ける切り欠き孔の個数は、9
個に限定されるものではなく、これよりも多いまたは少
ない構成であってもよい。但し、画像の歪みがより複雑
で高次の成分を含むときには、切り欠き孔の個数を増や
して検出精度を高めることが必要になると考えられる。
また、上記では、各切り欠き孔131,132を等間隔
に設けた例について説明したが、各切り欠き孔131,
132の間隔は、必ずしも等間隔でなくともよい。更
に、本実施の形態における左右のインデックス電極25
L,25Rとして、図10および図11に示したような
切り欠き孔を有する電極を利用してもよい。
【0054】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、管内の左右の過走査領域のみならず、管内の上下の
過走査領域にインデックス電極25A,25Bを設ける
ようにしたので、走査画面の左右のみならず、走査画面
の上下部における電子ビームeBの位置、振幅、直線
性、曲がりを検出することができ、画像表示がより適正
になるように補正することが可能になる。
【0055】なお、本実施の形態におけるその他の構
成、作用および効果は、上記第1の実施の形態と同様で
ある。
【0056】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実
施の形態では、カラー表示可能な陰極線管について説明
したが、本発明は、モノクロ表示を行う陰極線管にも適
用することが可能である。この場合、上述のコンバーゼ
ンス回路54(図5)等を構成から省くことができる。
また、上記各実施の形態では、管内の左右の過走査領域
にのみインデックス電極を設けた例(第1および第2の
実施の形態)と、管内の左右および上下の双方の過走査
領域にインデックス電極を設けた例(第3の実施の形
態)とについて説明したが、管内の上下の過走査領域に
のみインデックス電極を設けるようにすることも可能で
ある。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし8
のいずれか1に記載の陰極線管または請求項9記載の画
像補正方法によれば、管内における電子ビームの過走査
領域に設けられた検出手段から電子ビームの入射に応じ
た検出信号を出力するようにしたので、電子ビームの走
査位置を容易に検出することができると共に、検出信号
に基づいて、電子ビームの走査位置の制御を行うことに
より、検出した走査位置に基づいて、画像が適正に表示
されるように、画像表示の補正を行うことが可能になる
という効果を奏する。
【0058】また、請求項7記載の陰極線管によれば、
検出手段が、部分的に切り欠き孔が設けられた導電性の
電極を有するようにしたので、例えば、水平方向と共に
垂直方向における電子ビームの走査位置の検出が可能と
なり、水平方向と共に垂直方向における画像表示の補正
を行うことが可能になるという効果を奏する。
【0059】更に、請求項8記載の陰極線管によれば、
請求項7記載の陰極線管において、導電性の電極に、管
内に発生する浮遊容量を低減するための容量低減用の切
り欠き孔を設けるようにしたので、電極が管内の内部導
電膜等に対して持つ浮遊容量を減少させることができ、
検出信号の高周波特性を改善させることができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る陰極線管の概
略を示す構成図である。
【図2】図1に示した陰極線管におけるインデックス電
極の周辺部を拡大して示した断面図である。
【図3】図1に示した陰極線管におけるインデックス電
極の周辺の回路素子によって形成される回路の等価回路
を示す回路図である。
【図4】図3に示した回路の周波数特性を示す特性図で
ある。
【図5】図1に示した陰極線管における信号処理回路の
構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示した陰極線管における各処理回路に入
力される各種の信号の波形を表す説明図である。
【図7】図1に示した陰極線管における画像補正方法に
ついて説明するための説明図である。
【図8】図1に示した陰極線管において、補正される走
査画面について示す説明図である。
【図9】図1に示した陰極線管のインデックス電極の周
辺における電子ビームの走査期間について説明するため
の説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る陰極線管に
おけるインデックス電極の構造およびこのインデックス
電極を用いた位置検出動作を説明するための説明図であ
る。
【図11】図12に示したインデックス電極の他の構成
例を示す外観図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る陰極線管の
構成を示す構成図である。
【図13】図12に示した陰極線管におけるインデック
ス電極の構造およびこのインデックス電極を用いた位置
検出動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
eB…電子ビーム、OS…過走査領域、S1…インデッ
クスドライブ信号、S2…インデックス信号、10…パ
ネル部、11…蛍光面、12…色選別機構、13…フレ
ーム、14…支持ばね、20…ファンネル部、21…偏
向ヨーク、22…内部導電膜、23…外部導電膜、24
…アノード部、25,25L,25R,70…インデッ
クス電極、26…リード線、30…ネック部、31…電
子銃、32…コンバーゼンスヨーク、51…インデック
スドライブ信号生成部、52…混合器、53…インデッ
クス信号処理回路、54…コンバーゼンス回路。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームによって有効画面およびこの
    有効画面外の過走査領域の走査を行い、前記有効画面内
    に所望の画像を形成する陰極線管において、 管内における電子ビームの前記過走査領域に設けられる
    と共に、前記電子ビームの入射に応じた検出信号を出力
    する検出手段を備えたことを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】 更に、前記検出手段から出力された検出
    信号に基づいて、画像が適正に表示されるように、前記
    電子ビームの走査位置の制御を行う制御手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、抵抗素子を介して電気
    的にアノードに接続された導電性の電極を有することを
    特徴とする請求項1記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】 前記電極は、電子ビームの水平走査方向
    または垂直走査方向の少なくとも一方に設けられている
    ことを特徴とする請求項3記載の陰極線管。
  5. 【請求項5】 外囲器を備え、 前記検出手段は、前記外囲器の一部を誘電体として利用
    したキャパシタに電気的に接続され、このキャパシタを
    介して前記検出信号を前記外囲器外に出力可能であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の陰極線管。
  6. 【請求項6】 更に、前記過走査領域において、前記検
    出手段と前記電子ビームによって走査される蛍光面との
    間に、前記電子ビームが前記蛍光面に到達するのを防止
    する遮蔽部材が設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の陰極線管。
  7. 【請求項7】 前記検出手段は、部分的に切り欠き孔が
    設けられた導電性の電極を有することを特徴とする請求
    項1記載の陰極線管。
  8. 【請求項8】 前記電極に設けられた切り欠き孔は、管
    内に発生する浮遊容量を低減するための容量低減用の切
    り欠き孔を含むことを特徴とする請求項7記載の陰極線
    管。
  9. 【請求項9】 電子ビームによって有効画面およびこの
    有効画面外の過走査領域の走査を行い、前記有効画面内
    に所望の画像を形成する陰極線管における画像補正方法
    であって、 前記陰極線管の管内における電子ビームの過走査領域に
    設けられた検出手段から前記電子ビームの入射に応じた
    検出信号を出力し、 この検出信号に基づいて、画像が適正に表示されるよう
    に、前記電子ビームの走査位置の制御を行うことを特徴
    とする画像補正方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103702181A (zh) * 2013-12-13 2014-04-02 乐视网信息技术(北京)股份有限公司 一种视频图像的处理方法和装置

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CN103702181A (zh) * 2013-12-13 2014-04-02 乐视网信息技术(北京)股份有限公司 一种视频图像的处理方法和装置

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