JP2001042848A - 画像制御装置および方法並びに画像表示装置 - Google Patents

画像制御装置および方法並びに画像表示装置

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JP2001042848A
JP2001042848A JP2000151388A JP2000151388A JP2001042848A JP 2001042848 A JP2001042848 A JP 2001042848A JP 2000151388 A JP2000151388 A JP 2000151388A JP 2000151388 A JP2000151388 A JP 2000151388A JP 2001042848 A JP2001042848 A JP 2001042848A
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JP2000151388A
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Osamu Nakanishi
理 中西
Yasunobu Kato
泰信 加藤
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繋ぎ目部分が目立たないように複数の分割画
面を繋ぎ合わせて良好に画像表示を行う。 【解決手段】 管内において、隣接する左右の分割画面
の繋ぎ目側における電子ビームeBL,eBRの過走査
領域OSに、電子ビームeBL,eBRの入射に応じて
電気的な検出信号を出力するインデックス電極70を設
ける。インデックス電極70から出力された検出信号に
基づいて、左右の分割画面が位置的に適正に繋ぎ合わさ
れるように画像データの制御を行う。また、インデック
ス電極70から出力された検出信号に基づいて、繋ぎ目
部分の輝度の変調制御を行い、繋ぎ目部分における輝度
の変化が目立たなくなるように画像データの変調制御を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の分割画面を
繋ぎ合わせることにより単一の画面を形成して画像表示
を行うようにした画像表示装置、並びに、この画像表示
装置に表示される画像の補正を行うための画像制御装置
および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機やコンピュータ用の
モニタ装置等の画像表示装置においては、例えば、陰極
線管(Cathode ray tube;CRT)が広く使用されてい
る。陰極線管は、陰極線管内部(以下、単に管内ともい
う。)に備えられた電子銃から蛍光面に向けて電子ビー
ムを照射し、電子ビームの走査に応じた走査画面を形成
するものである。陰極線管の構成としては、単一の電子
銃を備えたものが一般的であるが、近年では、複数の電
子銃を備えた複電子銃方式のものが開発されている。こ
のような陰極線管では、複数の電子銃から放射された複
数の電子ビームによって、複数の分割画面を形成すると
共に、これらの複数の分割画面を繋ぎ合わせることによ
り単一の画面を形成して画像表示を行うようにしてい
る。この複数の電子銃を備えた陰極線管に関連する技術
については、例えば、実公昭39−25641号公報、
特公昭42−4928号公報および特開昭50−171
67号公報等において開示されている。このような複数
の電子銃を備えた陰極線管によれば、単一の電子銃を用
いた陰極線管よりも、奥行きの短縮化を図りつつ大画面
化を図ることができる等の利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の複電
子銃方式の陰極線管においては、複数の分割画面を繋ぎ
合わせて単一の画面を表示させるときに、できるだけ分
割画面同士の繋ぎ目を目立たないようにすることが望ま
しい。しかしながら、従来では、この複数の分割画面同
士の繋ぎ目を目立たないようにするための技術が不充分
であり、かならずしも画面全体で良好な画像を得ること
ができないという問題点があった。
【0004】また、カラー画像を表示する陰極線管にお
いては、カラー表示の基本となる複数の色用の電子ビー
ムを用いるが、各色用の電子ビームの飛跡は、各色毎に
異なる磁界の影響を受けて、一致しなくなる場合があ
る。しかしながら、本来、入力信号を管面上に正確に再
現するには、各色用の電子ビームが管面上で一致しなけ
ればならない。このような管面上における各色用の電子
ビームの位置がずれる現象は、ミスコンバージェンスと
呼ばれている。また、一般に、陰極線管の画面は長方形
状であるため、管面に到達する電子ビームの飛距離は画
面の4隅で最も長くなる。そのため、管面に表示される
画像は、通常、糸巻き状に歪んで見えることになる。こ
の画像の歪みは、通常「画歪み」呼ばれている。
【0005】従来では、上述の画歪みの発生を、偏向ヨ
ークが発生する偏向磁場を最適化することにより最小限
に抑えていた。ところが、近年では、画像表示装置の広
角度化や管面のフラット化および市場から要求される画
歪みの許容レベルの変化等に伴い、偏向ヨークの発生す
る偏向磁場のみでは、十分な性能で画歪みを補正できな
くなってきている。この画歪みの残り分を補正する方法
としては、例えば、偏向ヨークに与える偏向電流を変調
して補正する方法等が用いられている。しかしながら、
偏向電流を変調する方法では、新たに変調を行うための
回路を追加しなければならず、コストが掛かるという問
題点がある。このとき、コストを下げるために、安価な
回路を用いることもできるが、安価な回路では精密な補
正が困難であるという問題点がある。
【0006】また、ミスコンバージェンスの補正に関し
ても、基本的には画歪みと同様に、偏向ヨークそのもの
が発生する偏向磁界分布により、各色用の電子ビームが
画面全面で一致するように設計を行う。しかしながら、
画歪みと同様に、ミスコンバージェンスを、偏向ヨーク
の磁界分布のみで完全に補正することは困難である。従
来では、このミスコンバージェンスの補正の残り分を補
正するために、本来の偏向ヨークとは独立した補正用の
サブヨークを追加して、各色用の電子ビームを個々に動
かし、正しく電子ビームを一致させる方法も採られてい
る。しかしながら、この方法によると、サブヨークの
他、このサブヨークを駆動するための回路も新たに必要
となり、製造コストを引き上げる要因となってしまう。
【0007】このように、従来では、画歪みやミスコン
バージェンスを、偏向磁場によって補正する方法が一般
的である。しかしながら、この偏向磁場による補正の調
整作業は、水平および垂直方向に分けて繰り返し画面全
体に広げながら調整する必要があるため、作業性が悪い
と同時に調整者によってばらつきが生じ、常に最適な画
歪みの調整を行うことが困難であるという問題点があ
る。また、複雑な偏向コイルや調整機構を付加する必要
があるため、装置としてコスト高を招く原因となってい
る。
【0008】また、偏向ヨークで画歪みやミスコンバー
ジェンスを無くそうとすると、偏向磁界を無理に歪ませ
る必要があり斉一磁界ではなくなる。従来では、この歪
んだ磁界により、電子ビームのフォーカス特性(スポッ
トサイズ等)が悪化してしまい、解像度の劣化が生じる
という問題点がある。さらに、偏向ヨークで画歪みやミ
スコンバージェンスを補正するためには、偏向ヨークの
開発設計期間が必要であり、これによるコストが掛かっ
てしまうという問題点もある。
【0009】以上で説明したような画歪みやミスコンバ
ージェンスの補正に関する問題点は、上述の複電子銃方
式の陰極線管においては、さらに、複数の分割画面の繋
ぎ合わせの精度に影響する。従って、上述の複電子銃方
式の陰極線管においては、画歪みやミスコンバージェン
スが適正に補正されていると共に、分割画面同士の繋ぎ
目が目立たないように複数の分割画面が適正に繋ぎ合わ
されていることが望ましい。またさらに、陰極線管で
は、使用環境の違いにより地磁気等の影響の受け方が異
なり、画歪み等が生じるため、上述の繋ぎ目部分の表示
に関しても悪影響を受けるが、従来の複電子銃方式の陰
極線管においては、この使用環境を考慮した繋ぎ目部分
の表示制御が充分なされていない。また、陰極線管で
は、偏向回路等の処理回路が経時変動することによって
も画像の表示性能が劣化するが、従来の複電子銃方式の
陰極線管においては、この経時変動を考慮した繋ぎ目部
分の表示制御についても充分なされていない。このよう
に、従来では、使用環境や経時変動等を考慮して、複数
の分割画面をどのように表示制御して適切に繋ぎ合わせ
るかについての技術が不充分であり、画面の繋ぎ目を常
時鑑賞に耐え得る程度に見えなくするような保証が無
い。
【0010】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、輝度的にも位置的にも繋ぎ目部分が
目立たなくなるように、複数の分割画面を繋ぎ合わせて
良好に画像表示を行うことができる画像制御装置および
方法並びに画像表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による画像制御装
置は、複数の分割画面を繋ぎ合わせることにより単一の
画面を形成し、1次元的に入力された映像信号に基づく
画像表示を行うようにした画像表示装置に表示される画
像の補正を行うための画像制御装置であって、入力され
た1次元的な映像信号を、離散化された2次元の画像デ
ータに変換する制御を行うと共に、画像表示を行ったと
きに、複数の分割画面が位置的に適正に繋ぎ合わされて
表示されるように、2次元の画像データにおける画素の
配列状態を、時間的且つ空間的に変化させて補正する制
御を行う位置制御手段と、画像データの位置的な補正に
よって及ぼされる輝度補正への影響を減少させ、複数の
分割画面が、輝度的に適正に繋ぎ合わされて表示される
よう、画像データの位置的な補正が行われた後に、位置
的な補正とは独立して、画像データを輝度的に補正する
制御を行った後、その補正後の画像データを、再び1次
元的な映像信号に変換して出力する制御を行う輝度制御
手段とを備えたものである。
【0012】また、本発明による画像表示装置は、入力
された1次元的な映像信号を、離散化された2次元の画
像データに変換する制御を行うと共に、画像表示を行っ
たときに、複数の分割画面が位置的に適正に繋ぎ合わさ
れて表示されるように、2次元の画像データにおける画
素の配列状態を、時間的且つ空間的に変化させて補正す
る制御を行う位置制御手段と、画像データの位置的な補
正によって及ぼされる輝度補正への影響を減少させ、複
数の分割画面が、輝度的に適正に繋ぎ合わされて表示さ
れるよう、画像データの位置的な補正が行われた後に、
位置的な補正とは独立して、画像データを輝度的に補正
する制御を行った後、その補正後の画像データを、再び
1次元的な映像信号に変換して出力する制御を行う輝度
制御手段と、輝度制御手段から出力された映像信号に基
づいて画像を表示する画像表示手段とを備えたものであ
る。
【0013】さらに、本発明による画像制御方法は、複
数の分割画面を繋ぎ合わせることにより単一の画面を形
成し、1次元的に入力された映像信号に基づく画像表示
を行うようにした画像表示装置に表示される画像の補正
を行うための画像制御方法であって、入力された1次元
的な映像信号を、離散化された2次元の画像データに変
換する制御を行うと共に、画像表示を行ったときに、複
数の分割画面が位置的に適正に繋ぎ合わされて表示され
るように、2次元の画像データにおける画素の配列状態
を、時間的且つ空間的に変化させて補正する制御を行
い、画像データの位置的な補正によって及ぼされる輝度
補正への影響を減少させ、複数の分割画面が、輝度的に
適正に繋ぎ合わされて表示されるよう、画像データの位
置的な補正が行われた後に、位置的な補正とは独立し
て、画像データを輝度的に補正する制御を行った後、そ
の補正後の画像データを、再び1次元的な映像信号に変
換して出力する制御を行うようにしたものである。
【0014】本発明による画像制御装置および方法並び
に画像表示装置では、入力された1次元的な映像信号に
対して、離散化された2次元の画像データに変換する制
御が行われると共に、画像表示を行ったときに、複数の
分割画面が位置的に適正に繋ぎ合わされて表示されるよ
うに、2次元の画像データにおける画素の配列状態を、
時間的且つ空間的に変化させて補正する制御が行われ
る。さらに、画像データの位置的な補正によって及ぼさ
れる輝度補正への影響を減少させ、複数の分割画面が、
輝度的に適正に繋ぎ合わされて表示されるよう、画像デ
ータの位置的な補正が行われた後に、位置的な補正とは
独立して、画像データを輝度的に補正する制御が行われ
た後、その補正後の画像データを、再び1次元的な映像
信号に変換して出力する制御が行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0016】[第1の実施の形態]図1(A),(B)
に示したように、本実施の形態に係る陰極線管は、内側
に蛍光面11が形成されたパネル部10と、このパネル
部10に一体化されたファンネル部20とを備えてい
る。ファンネル部20の後端部の左右にはそれぞれ電子
銃31L,31Rを内蔵した細長い形状の2つのネック
部30L,30Rが形成されている。この陰極線管は、
パネル部10、ファンネル部20およびネック部30
L,30Rにより全体的に2つの漏斗形状の外観が形成
される。以下では、この陰極線管を形作る全体的な形状
部分を「外囲器」ともいう。パネル部10およびファン
ネル部20は各々の開口部同士が互いに融着されてお
り、内部は高真空状態を維持することが可能になってい
る。蛍光面11には、蛍光体よりなる図示しない縞状の
パターンが形成されている。なお、主として蛍光面11
が、本発明における「画像表示手段」の一具体例に対応
する。
【0017】この陰極線管の内部には、蛍光面11に対
向するように配置された金属製の薄板よりなる色選別機
構(color selection mechanism)12が配置されてい
る。色選別機構12は、その方式の違いによりアパーチ
ャグリルまたはシャドウマスク等とも呼ばれるものであ
り、その外周がフレーム13によって支持されていると
共に、支持ばね14を介してパネル部10の内面に取り
付けられている。ファンネル部20には、アノード電圧
HVを加えるための図示しないアノード部が設けられて
いる。ファンネル部20から各ネック部30L,30R
にかけての外周部分には、それぞれ電子銃31L,31
Rから照射された各電子ビームeBL,eBRを偏向さ
せるための偏向ヨーク21L,21Rと、各電子銃31
L,31Rから照射された各色用の電子ビームのコンバ
ーゼンス(集中)を行うためのコンバーゼンスヨーク3
2L,32Rとが取り付けられている。ネック部30か
らパネル部10の蛍光面11に至る内周面は、導電性の
内部導電膜22によって覆われている。内部導電膜22
は、図示しないアノード部に電気的に接続されており、
アノード電圧HVに保たれている。また、ファンネル部
20の外周面は、導電性の外部導電膜23によって覆わ
れている。
【0018】電子銃31L,31Rは、図示しないが、
それぞれR(Red),G(Green)およびB(Blue)用の
3本のカソード(熱陰極)を備えた熱陰極構体の前部に
複数の電極(グリッド)を配列した構成となっている。
電子銃31L,31R内の各電極は、カソードから放射
される電子ビームeBL,eBRの制御や加速等を行う
ようになっている。電子銃31L,31Rから放射され
た各色用の電子ビームは、それぞれ色選別機構12等を
通過して蛍光面11の対応する色の蛍光体に照射され
る。
【0019】なお、本実施の形態の陰極線管において
は、左側に配置された電子銃31Lからの電子ビームe
BLによって、画面の約左半分を描画すると共に、右側
に配置された電子銃31Rからの電子ビームeBRによ
って、画面の約右半分を描画する。そして、これによっ
て形成される左右の分割画面の端部を部分的に重ねて繋
ぎ合わせることにより、全体として単一の画面SAを形
成して画像表示を行うようになっている。従って、全体
として形成された画面SAの中央部分が、左右の分割画
面がオーバラップする(重複する)領域OLとなる。重
複領域OLにおける蛍光面11は、各電子ビームeB
L,eBRに共有されることになる。ここで、本実施の
形態においては、電子銃31Lからの電子ビームeBL
のライン走査を水平偏向方向に右から左(図のX2方
向)に向けて行い、フィールド走査を垂直偏向方向に上
から下に向けて行うものとする。また、電子銃31Rか
らの電子ビームeBRのライン走査を水平偏向方向に左
から右(図のX1方向)に向けて行い、フィールド走査
を垂直偏向方向に上から下に向けて行うものとする。従
って、本実施の形態では、全体として、各電子ビームe
BL,eBRによるライン走査が、水平方向に画面中央
部分から外側に向けてお互いに反対方向に行われ、フィ
ールド走査が、一般的な陰極線管のように、上から下に
行われることになる。
【0020】この陰極線管の管内において、隣接する左
右の分割画面の繋ぎ目側(本実施の形態においては、画
面全体の中央側)における電子ビームeBL,eBRの
過走査(オーバ・スキャン)領域OSには、長方形の平
板状のインデックス電極70が、蛍光面11に対向する
位置に設けられている。さらに、この陰極線管の管内に
おいて、インデックス電極70と蛍光面11との間に
は、過走査領域OSを過走査した電子ビームeBL,e
BRが蛍光面11に到達して不用意に発光しないよう
に、電子ビームeBL,eBRに対する遮蔽部材となる
V字形のビームシールド27が配置されている。ビーム
シールド27は、例えば、色選別機構12を支持するフ
レーム13を基台にして架設される。ビームシールド2
7は、フレーム13を介して内部導電膜22に電気的に
接続されることにより、アノード電圧HVとなってい
る。
【0021】インデックス電極70には、図22(A)
に示したように、長手方向に逆三角形状の切り欠き孔7
1が等間隔に複数設けられている。このインデックス電
極70は、各電子ビームeBL,eBRの入射に応じた
電気的な検出信号を出力するようになっている。このイ
ンデックス電極70から出力された検出信号は、陰極線
管外部(以下、単に管外ともいう。)の画像補正用の処
理回路に入力され、主として、各電子ビームeBL,e
BRの繋ぎ目部分に相当する画像データの制御に利用さ
れる。なお、インデックス電極70を用いた電子ビーム
eBL,eBRの走査位置の検出動作および画像データ
の制御については、後に図22等を参照して詳述する。
【0022】ここで、インデックス電極70が、本発明
における「電子ビーム検出手段」の一具体例に対応す
る。
【0023】なお、本実施の形態において、過走査領域
とは、電子ビームeBL,eBRの各々の走査領域にお
いて、有効画面を形成する電子ビームeBL,eBRの
各々の走査領域の外側の領域のことをいう。図1におい
ては、領域SW1が、電子ビームeBRの水平方向にお
ける蛍光面11上の有効画面であり、領域SW2が、電
子ビームeBLの水平方向における蛍光面11上の有効
画面である。
【0024】インデックス電極70は、金属等の導電性
の物質からなるものであり、例えば、フレーム13を基
台にして図示しない絶縁物を介して架設される。また、
インデックス電極70は、ファンネル部20の内面に接
続された抵抗R1に電気的に接続されており、内部導電
膜22および抵抗R1等を介してアノード電圧HVが供
給されるようになっている。また、インデックス電極7
0は、ファンネル部20の一部を利用して形成したキャ
パシタCfの管内側の電極42にリード線26を介して
電気的に接続されている。キャパシタCfは、ファンネ
ル部20において、部分的に(例えば、円形状に)内部
導電膜22および外部導電膜23を被覆しない領域を設
け、この領域のさらに内部領域に、例えば、円形状の電
極41,42をファンネル部20を介して対向配置して
形成したものである。
【0025】図2は、インデックス電極70の周辺の回
路素子によって形成される回路の等価回路を示す回路図
である。キャパシタCfの管外側の電極41は、信号増
幅用のアンプAMP1に接続されている。キャパシタC
fの電極41と、アンプAMP1との間には、アンプA
MP1の入力抵抗Riおよび入力容量Ciが接続されて
いる。入力抵抗Riおよび入力容量Ciの一端は、接地
されている。なお、管内において、インデックス電極7
0とアノード電圧HVに保たれたビームシールド27お
よび内部導電膜22等との間には、浮遊容量Csが発生
している。この回路図においては、インデックス電極7
0に入射する電子ビームeBL,eBRを、完全な電流
源IBとして表している。この図に示した等価回路で
は、電流源IB、抵抗R1、浮遊容量Cs、入力抵抗R
iおよび入力容量Ciがこの順番で並列接続されると共
に、浮遊容量Csと入力抵抗Riとの間にキャパシタC
fが接続された構成となっている。キャパシタCfのプ
ラス側の電極は、電流源IB、抵抗R1、および浮遊容
量Csのプラス側に接続されている。キャパシタCfの
マイナス側の電極は、入力抵抗Riおよび入力容量Ci
のプラス側に接続されていると共に、アンプAMP1に
接続されている。
【0026】インデックス電極70において、過走査し
た電子ビームeBL,eBRが射突(入射して衝突)す
ると、その電位が、アノード電圧HV(V)からIb×
R(V)だけ電圧降下するようになっている。本実施の
形態では、この電圧降下した信号が、検出信号としてキ
ャパシタCfを経由して管外に導かれる。なお、Ib
は、電子ビームeBL,eBRの流れによって生ずる電
流値である。ところで、陰極線管は、電子ビームeB
L,eBRを走査して機能させるものであり、本実施の
形態においては、管内の特定部位に設置したインデック
ス電極70に射突して発生する信号は間欠的な信号とな
る。従って、インデックス電極70からの検出信号につ
いては、直流結合で信号の伝送を行う必要はなく、キャ
パシタCf経由の交流結合による伝送路で信号を導出
し、管外の画像補正用の処理回路に供給することができ
る。
【0027】ここで、キャパシタCfの静電容量につい
て検討してみる。キャパシタCfは、その誘電体とし
て、陰極線管を形作る外囲器の1つであるファンネル部
20を構成するガラス材料を用いている。ファンネル部
20に用いられているガラス材料の比誘電率χは、6前
後が普通である。キャパシタCfを構成する誘電体とし
てのガラスの厚さを5mm、電極41,42の各々の面
積を4cm2とすると、真空の誘電率ε0は8.85×1
-12[C/Vm]であるから、C=χε0S/dより、
キャパシタCfの静電容量C=4.25pFになる。後
述するようにこの程度の小容量でも、管外の画像補正用
の処理回路で処理するのには充分である。
【0028】次に、図3を参照して、インデックス電極
70からの検出信号の信号経路における回路の特性につ
いて説明する。図3は、図2に示した等価回路の周波数
特性を示す特性図である。この図において、縦軸はゲイ
ン(dB)を示し、横軸は周波数(Hz)を示してい
る。この特性図は、図2に示した等価回路における各回
路素子において、具体的な特性値として、抵抗R1の抵
抗値を1kΩ、浮遊容量Csの容量値を10pF、キャ
パシタCfの容量値を5pF、入力抵抗Riの抵抗値を
10MΩ、入力容量Ciの容量値を1pFとした場合に
得られたものである。この特性図から、以下のことが明
らかである。まず、インデックス電極70に発生する信
号電圧VINは、数MHz以上の高周波数帯域で減衰し
始めるが、これは容量Csによるシャント効果によるも
のである。次に、アンプAMP1に入力される出力電圧
VOUTの低域特性は、キャパシタCfと入力抵抗Ri
で構成されるハイパスフィルタの遮断周波数に支配され
ている。また中域(10kHz)以上では、出力電圧V
OUTとインデックス電極70に発生する信号電圧VI
Nの比は、キャパシタCfと入力容量Ciによる分圧比
に支配されている。この具体例では、数kHzから10
MHz位までは、ほぼ平坦な周波数特性で信号検出が可
能であることがいえる。通常の陰極線管における走査周
波数は、数kHzから数100kHzの範囲にあるの
で、信号検出用の回路としてはこの周波数特性で充分で
ある。
【0029】図4は、画像信号(映像信号)DINとして
NTSC(National Television System Committee)方
式のアナログコンポジット信号を1次元的に入力し、こ
の信号に応じた動画像を表示するための回路例を示して
いる。ここで、図4に示した信号処理回路が、本発明に
おける「画像制御装置」の一具体例に対応する。なお、
この図では、本発明に関わる回路部分についてのみ示
し、他の処理回路については図示を省略する。
【0030】本実施の形態に係る陰極線管は、画像信号
INとして入力されたアナログコンポジット信号をR,
G,Bの各色用信号に変換して出力するコンポジット/
RGB変換器51と、このコンポジット/RGB変換器
51から出力されたアナログの各色用信号をデジタル信
号に変換して出力するアナログ/デジタル信号(以下、
「A/D」と記す。)変換器52(52r,52g,5
2b)と、このA/D変換器52から出力されたデジタ
ル信号を各色毎に2次元的にフレーム単位で格納するフ
レームメモリ53(53r,53g,53b)と、フレ
ームメモリ53に対する画像データの書き込みアドレス
および読み出しアドレスを生成するメモリコントローラ
54とを備えている。フレームメモリ53は、例えば、
SDRAM(シンクロナス・ダイナミック・ランダムア
クセスメモリ)等が用いられる。
【0031】本実施の形態に係る陰極線管は、さらに、
フレームメモリ53に格納された各色毎の画像データの
うち左側の分割画面用の画像データに対する制御を行う
DSP(デジタルシグナルプロセッサ)回路50L、D
SP回路55L1、フレームメモリ56L(56Lr,
56Lg,56Lb)、DSP回路55L2およびデジ
タル/アナログ信号(以下、「D/A」と記す。)変換
器57L(57Lr,57Lg,57Lb)と、フレー
ムメモリ53に格納された各色毎の画像データのうち右
側の分割画面用の画像データに対する制御を行うDSP
回路50R、DSP回路55R1、フレームメモリ56
R(56Rr,56Rg,56Rb)、DSP回路55
R2およびD/A変換器57R(57Rr,57Rg,
57Rb)とを備えている。なお、DSP回路50L、
50Rは、主として輝度補正のために設けられた輝度補
正用の回路である。一方、その他のDSP回路55L
1,55L2,55R1,55R2(以下、これら4つ
のDSP回路を総称して単に「DSP回路55」ともい
う。)は、主として位置補正のために設けられた位置補
正用の回路である。これらのDSP回路の機能の詳細に
ついては、後に詳述する。
【0032】ここで、DSP回路55L1,DSP回路
55R1が、本発明における「第1の演算手段」の一具
体例に対応し、DSP回路55L2,DSP回路55R
2が、本発明における「第2の演算手段」の一具体例に
対応する。また、フレームメモリ56L,56Rが、本
発明における「画像データ記憶手段」の一具体例に対応
する。
【0033】また、本実施の形態に係る陰極線管は、さ
らに、画像の表示状態を補正するための各色毎の補正用
データを格納する補正用データメモリ60と、アンプA
MP1から出力されたインデックス信号S2が入力され
ると共に、入力されたインデックス信号S2から電子ビ
ームeBL,eBRの走査位置等の解析を行いその解析
結果を示すデータS3を出力するインデックス信号処理
回路61と、インデックス信号処理回路61からの解析
結果を示すデータS3および補正用データメモリ60か
らの補正用データが入力されると共に、輝度補正用のD
SP回路50L,50Rおよび位置補正用のDSP回路
55に対して演算方法の指示等を行うコントロール部6
2と、フレームメモリ56L,56Rに対する画像デー
タの書き込みアドレスおよび読み出しアドレスを生成す
るメモリコントローラ63とを備えている。
【0034】ここで、本実施の形態においては、主とし
て、A/D変換器52、フレームメモリ53,56L,
56R、メモリコントローラ54,63、位置補正用の
DSP回路55L1,55L2,55R1,55R2、
インデックス信号処理回路61およびコントロール部6
2が、本発明における「位置制御手段」の一具体例に対
応する。また、メモリコントローラ63が、本発明にお
ける「アドレス生成手段」の一具体例に対応する。
【0035】インデックス信号S2は、インデックス電
極70からの検出信号に対応する信号である。インデッ
クス信号S2を用いた電子ビームeBL,eBRの走査
位置等の解析方法については後に詳述する。
【0036】補正用データメモリ60は、各色毎のメモ
リ領域を有し、各メモリ領域に各色毎の補正用データを
格納するようになっている。補正用データメモリ60に
格納される補正用データは、例えば、陰極線管の製造時
において、陰極線管の初期状態の画歪み等を補正するた
めに作成されるものである。この補正用データは、陰極
線管に表示された画像の画歪み量やミスコンバーゼンス
量等を測定することによって作成される。補正用データ
を作成するための装置は、例えば、陰極線管に表示され
た画像を撮像する撮像装置64と、この撮像装置64に
よって撮像された画像に基づいて、補正用データを作成
する図示しない補正用データ作成手段とを備えて構成さ
れる。撮像装置64は、例えば、CCD(電荷結合素
子)等の撮像素子を含んで構成され、陰極線管の管面に
表示された表示画面をR,G,Bの各色毎に撮像し、そ
の撮像画面を画像データとして各色毎に出力するように
なっている。補正用データ作成手段は、マイクロ・コン
ピュータ等によって構成されるものであり、撮像装置6
4によって撮像された画像を表す、離散化された2次元
の画像データにおける各画素の適正な表示位置からの移
動量に関するデータを、補正用データとして作成するよ
うになっている。なお、補正用データを作成するための
装置および補正用データを用いた画像の補正処理につい
ては、本出願人が先に出願した発明(特願平11−17
572号)を利用することが可能である。また、補正用
データを用いた画像を補正するための演算処理について
は、後に詳細に説明する。
【0037】輝度補正用のDSP回路50L,50Rお
よび位置補正用のDSP回路55(55L1,55L
2,55R1,55R2)は、それぞれ、例えば、1チ
ップ化された汎用のLSI(大規模集積回路)等で構成
されるものである。DSP回路50L,50RおよびD
SP回路55は、重複領域OLにおける輝度の補正およ
び陰極線管が有する画歪みやミスコンバーゼンス等を補
正するために、コントロール部62の指示に従い、入力
された画像データに対して各種の演算処理を行うように
なっている。コントロール部62は、補正用データメモ
リ60に格納された補正用データと、インデックス電極
70からの検出信号を解析して得られた補正用のデータ
とに基づいて、DSP回路50L,50RおよびDSP
回路55のそれぞれに対して演算方法の指示を行うよう
になっている。
【0038】ここで、DSP回路50Lは、フレームメ
モリ53に格納された各色毎の画像データのうち左側の
分割画面用の画像データに対して、主として輝度の補正
処理を行い、その補正後の画像データを各色毎にDSP
回路55L1に出力するものである。また、DSP回路
55L1は、DSP回路50Lから出力された各色毎の
画像データに対して、主として横方向の位置的な補正処
理を行い、その補正結果を各色毎にフレームメモリ56
Lに出力するものである。DSP回路55L2は、フレ
ームメモリ56Lに格納された各色毎の画像データに対
して、主として縦方向の位置的な補正処理を行い、その
補正結果を各色毎にD/A変換器57Lに出力するもの
である。
【0039】DSP回路50Rは、フレームメモリ53
に格納された各色毎の画像データのうち右側の分割画面
用の画像データに対して、主として輝度の補正処理を行
い、その補正後の画像データを各色毎にDSP回路55
R1に出力するものである。また、DSP回路55R1
は、DSP回路50Rから出力された各色毎の画像デー
タに対して、主として横方向の位置的な補正処理を行
い、その補正結果を各色毎にフレームメモリ56Rに出
力するものである。DSP回路55R2は、フレームメ
モリ56Rに格納された各色毎の画像データに対して、
主として縦方向の位置的な補正処理を行い、その補正結
果を各色毎にD/A変換器57Rに出力するものであ
る。
【0040】各D/A変換器57L,57Rは、それぞ
れ各DSP回路55L2,55R2から出力された演算
後の画像データをアナログ信号に変換して各電子銃31
L,31R側に出力するようになっている。なお、各D
SP回路55L1,55L2,55R1,55R2にお
いて行われる演算処理のより具体的な例については、後
に図面を参照して詳述する。
【0041】各フレームメモリ56L,56Rは、それ
ぞれ各DSP回路55L1,55R1から出力された演
算後の画像データを各色毎に2次元的にフレーム単位で
格納すると共に、格納した画像データを各色毎に出力す
るようになっている。フレームメモリ56L,56R
は、高速にランダムアクセスが可能なメモリであり、例
えば、SRAM(スタティックRAM)等が用いられ
る。なお、フレームメモリ56L,56Rを、高速にラ
ンダムアクセスが可能な単一のメモリで構成すると、画
像データの書き込みと読み出し動作とを行う際に、フレ
ームの追い越し動作が発生して画像の乱れが発生するの
で、フレームメモリ56L,56Rの構成としては、そ
れぞれ2つのメモリ(ダブルバッファ)を用いている。
なお、フレームメモリ56L,56Rは、メモリコント
ローラ63において生成された書き込みアドレスの順序
に従って画像データの書き込み動作を行うと共に、メモ
リコントローラ63において生成された読み出しアドレ
スの順序に従って画像データの読み出し動作を行うよう
になっている。
【0042】メモリコントローラ63は、フレームメモ
リ56L,56Rに対する画像データの書き込みアドレ
スを生成すると共に、フレームメモリ56L,56Rに
記憶された画像データの読み出しアドレスを書き込みア
ドレスの順序とは異なる順序で生成可能となっている。
本実施の形態においては、このように読み出しアドレス
と書き込みアドレスの順序を別々に生成可能にしたの
で、フレームメモリ56L,56Rへの書き込み時の画
像データに対して、例えば、画像の回転や反転を伴うよ
うにして画像データを読み出すことができるようになっ
ている。これにより、本実施の形態においては、DSP
回路55L1,55R1から出力された画像データに対
して、DSP回路55L2,55R2において行う縦方
向の補正演算を行うのに適した画像状態になるように、
適宜画像変換を行うことが可能となる。
【0043】次に、上記のような構成の陰極線管の動作
について説明する。なお、以下の説明は、本実施の形態
における画像制御方法の説明を兼ねている。
【0044】画像信号DINとして1次元的に入力された
アナログコンポジット信号は、コンポジット/RGB変
換器51(図4)によって、R,G,Bの各色毎の画像
信号に変換されると共に、A/D変換器52によって、
各色毎にデジタルの画像信号に変換される。なお、この
とき、IP(インターレース・プログレッシブ)変換を
行うと、後の処理が容易となるので好ましい。A/D変
換器52から出力されたデジタルの画像信号は、メモリ
コントローラ54において生成された書き込みアドレス
を示す制御信号Sa1に従って、各色毎にフレーム単位
でフレームメモリ53に格納される。フレームメモリ5
3に格納されたフレーム単位の画像データは、メモリコ
ントローラ54において生成された読み出しアドレスを
示す制御信号Sa2に従って読み出され、輝度補正用の
DSP回路50L、50Rに出力される。
【0045】フレームメモリ53に格納された各色毎の
画像データのうち、左側の分割画面用の画像データは、
DSP回路50L、DSP回路55L1、フレームメモ
リ56LおよびDSP回路55L2において、補正用デ
ータメモリ60に格納された補正用データと、インデッ
クス電極70からの検出信号を解析して得られた補正用
のデータとに基づいて、画像を補正するための演算処理
が行われる。演算処理後の左側の分割画面用の画像デー
タは、D/A変換器57Lを介してアナログ信号に変換
され、左側の電子銃31Lの内部に配置された図示しな
いカソードに対して、カソード駆動電圧として与えられ
る。
【0046】フレームメモリ53に格納された各色毎の
画像データのうち、右側の分割画面用の画像データは、
DSP回路50R、DSP回路55R1、フレームメモ
リ56RおよびDSP回路55R2において、補正用デ
ータメモリ60に格納された補正用データと、インデッ
クス電極70からの検出信号を解析して得られた補正用
のデータとに基づいて、画像を補正するための演算処理
が行われる。演算処理後の右側の分割画面用の画像デー
タは、D/A変換器57Rを介してアナログ信号に変換
され、右側の電子銃31Rの内部に配置された図示しな
いカソードに対して、カソード駆動電圧として与えられ
る。
【0047】各電子銃31L,31Rは、与えられたカ
ソード駆動電圧に応じて各電子ビームeBL,eBRを
発射する。なお、本実施の形態における陰極線管は、カ
ラー表示可能なものであり、実際には、各電子銃31
L,31Rには、R,G,Bの各色用のカソードが設け
られ、各電子銃31L,31Rからは、それぞれ各色用
の電子ビームが発射される。
【0048】電子銃31L,31Rから発射された各色
用の電子ビームeBL,eBRは、それぞれコンバーゼ
ンスヨーク32L,32Rの電磁的な作用によりコンバ
ーゼンスが行われると共に、偏向ヨーク21L,21R
の電磁的な作用により偏向されることにより、蛍光面1
1の全面を走査し、パネル部10の表面では画面SA
(図1)内に所望の画像が表示される。このとき、電子
ビームeBLによって、画面の約左半分が描画されると
共に、電子ビームeBRによって、画面の約右半分が描
画され、これによって形成される左右の分割画面の端部
が部分的に重なるように繋ぎ合わされることにより、全
体として単一の画面SAが形成される。
【0049】電子ビームeBL,eBRが、過走査領域
OSを走査し、インデックス電極70に射突すると、イ
ンデックス電極70において電圧降下が生じ、この電圧
降下に応じた信号が、検出信号としてファンネル部20
に設けられたキャパシタCfを経由して管外に導かれ、
アンプAMP1からインデックス信号S2が出力され
る。インデックス信号処理回路61は、インデックス信
号S2に基づいて、電子ビームeBL,eBRの走査位
置等の解析を行いその解析結果を示すデータS3をコン
トロール部62に出力する。コントロール部62は、補
正用データメモリ60に格納された補正用データと、イ
ンデックス信号処理回路61からの解析結果を示すデー
タS3とに基づいて、輝度補正用のDSP回路50L,
50Rおよび位置補正用のDSP回路55に対して演算
方法の指示を行う。なお、インデックス信号処理回路6
1からの解析結果を示すデータS3は、主として左右の
分割画面が適正に繋ぎ合わされて表示されるような制御
を行うために利用される。
【0050】次に、本実施の形態の陰極線管において、
入力された映像信号DINに対して輝度的な補正を行うた
めの信号処理および位置的な補正を行うための演算処理
の具体例を説明する。
【0051】まず、図5(A)〜図5(E)を参照し
て、図4に示した処理回路において、左側の分割画面用
の画像データに対して行われる演算処理の具体例を説明
する。図5(A)は、フレームメモリ53から読み出さ
れてDSP回路50Lに入力される画像データを示して
いる。DSP回路50Lには、図5(A)に示したよう
に、例えば、横640画素×縦480画素の画像データ
が入力される。横640画素×縦480画素の画像デー
タのうち、例えば、中央部分の横62画素(左側32画
素+右側32画素)×縦480画素の領域が左右の分割
画面の重複領域OLとなる。従って、DSP回路50L
に入力された画像データのうち、図の斜線領域で示した
左側の横352画素×縦480画素のデータが左側の分
割画面用のデータとなる。
【0052】図5(B)は、DSP回路50LおよびD
SP回路55L1によって画像の補正処理が行われた後
に、フレームメモリ56Lに書き込まれる画像データを
示している。DSP回路50Lは、DSP回路55L1
による補正処理を行う前に、図5(A)の斜線領域で示
した横352画素×縦480画素のデータに対して、位
置的な補正とは独立して、重複領域OLにおける輝度を
補正するための演算処理を行う。同5Bでは、左側の分
割画面における輝度の補正を表す変調波形80Lを画像
データに対応させて示している。なお、輝度の補正処理
の詳細については後に図25〜図28を参照して説明す
る。
【0053】一方、DSP回路55L1は、DSP回路
50Lによる輝度の補正処理が行われた後に、図5
(A)の斜線領域で示した横352画素×縦480画素
のデータに対して、横方向の補正を伴う演算処理を行
う。この演算処理によって、図5(B)に示したよう
に、例えば、画像の横方向が352画素から480画素
にまで拡大され、横480画素×縦480画素の画像デ
ータが作成される。DSP回路55L1は、この画像の
拡大を行うときに、同時に、補正用データメモリ60に
格納された補正用データと、インデックス電極70から
の検出信号を解析して得られた補正用のデータとに基づ
いて、横方向の画歪み等を補正するための演算処理を行
う。なお、画素数を拡大するためには、原画像には存在
しない画素に関するデータを補間する必要があるが、こ
の画素数の変換を行う方法については後に図17〜図2
1を参照して詳述する。
【0054】なお、DSP回路50Lを構成要素から省
き、DSP回路50Lにおける輝度の補正処理を、DS
P回路55L1において、画像の拡大および画歪み等を
補正するための演算処理と同時に行うようにしてもよ
い。
【0055】フレームメモリ56Lには、DSP回路5
0LおよびDSP回路55L1において演算処理された
画像データが、メモリコントローラ63において生成さ
れた書き込みアドレスを示す制御信号Sa3Lに従っ
て、各色毎に格納される。図5(B)の例では、画像デ
ータが、左上を始点として右方向に順次書き込まれてい
る。フレームメモリ56Lに格納された画像データは、
メモリコントローラ63において生成された読み出しア
ドレスを示す制御信号Sa4Lに従って、各色毎に読み
出され、DSP回路55L2に入力される。ここで、本
実施の形態では、メモリコントローラ63において生成
されたフレームメモリ56Lに対する書き込みアドレス
の順序と読み出しアドレスの順序とが異なっている。図
5(B)の例では、読み出しアドレスの順序が書き込み
アドレスに対して逆方向になっており、画像データが、
右上を始点として左方向に順次読み出されている。
【0056】図5(C)は、フレームメモリ56Lから
読み出されてDSP回路55L2に入力される画像デー
タを示している。上述のように、本実施の形態では、フ
レームメモリ56Lに対する読み出しアドレスの順序が
書き込みアドレスに対して逆方向になっているため、D
SP回路55L2に入力される画像は、図5(B)で示
した画像の状態に対して画像が鏡像反転するように画像
変換された形となっている。
【0057】DSP回路55L2は、フレームメモリ5
6Lから読み出された横480画素×縦480画素のデ
ータ(図5(C))に対して、縦方向の補正を伴う演算
処理を行う。この演算処理によって、図5(D)に示し
たように、例えば、画像の横方向が480画素から64
0画素にまで拡大され、横640画素×縦480画素の
画像データが作成される。DSP回路55L2は、この
画像の拡大を行うときに、同時に、補正用データメモリ
60に格納された補正用データと、インデックス電極7
0からの検出信号を解析して得られた補正用のデータと
に基づいて、縦方向の画歪み等を補正するための演算処
理を行う。
【0058】以上のような演算処理を経て得られた画像
データ(図5(D))に基づいて、電子ビームeBLの
走査を右から左に向けて行うことにより、蛍光面11上
の左側では、図5(E)の斜線領域に示したような画面
表示がなされる。本実施の形態では、上述のように、画
像データに対して画歪み等を考慮した補正処理がなされ
ているため、蛍光面11上に表示された左側の画像は画
歪み等のない適正な画像表示がなされる。
【0059】次に、図6(A)〜図6(E)を参照し
て、右側の分割画面用の画像データに対して行われる演
算処理の具体例を説明する。図6(A)は、フレームメ
モリ53から読み出されてDSP回路50Rに入力され
る画像データを示している。DSP回路50Rには、D
SP回路50Lと同様に、例えば、横640画素×縦4
80画素の画像データが入力される。横640画素×縦
480画素の画像データのうち、例えば、中央部分の横
62画素(左側32画素+右側32画素)×縦480画
素の領域が左右の分割画面の重複領域OLとなる。従っ
て、DSP回路50Rに入力された画像データのうち、
図の斜線領域で示した右側の横352画素×縦480画
素のデータが右側の分割画面用のデータとなる。
【0060】図6(B)は、DSP回路50RおよびD
SP回路55R1によって画像の補正処理が行われた後
に、フレームメモリ56Rに書き込まれる画像データを
示している。DSP回路50Rは、DSP回路55R1
による補正処理を行う前に、図6(A)の斜線領域で示
した横352画素×縦480画素のデータに対して、位
置的な補正とは独立して、重複領域OLにおける輝度を
補正するための演算処理を行う。図6(B)では、右側
の分割画面における輝度の補正を表す変調波形80Rを
画像データに対応させて示している。
【0061】一方、DSP回路55R1は、DSP回路
50Rによる輝度の補正処理が行われた後に、図6
(A)の斜線領域で示した横352画素×縦480画素
のデータに対して、横方向の補正を伴う演算処理を行
う。この演算処理によって、図6(B)に示したよう
に、例えば、画像の横方向が352画素から480画素
にまで拡大され、横480画素×縦480画素の画像デ
ータが作成される。DSP回路55R1は、この画像の
拡大を行うときに、同時に、補正用データメモリ60に
格納された補正用データと、インデックス電極70から
の検出信号を解析して得られた補正用のデータとに基づ
いて、横方向の画歪み等を補正するための演算処理を行
う。
【0062】なお、DSP回路50Rを構成要素から省
き、DSP回路50Rにおける輝度の補正処理を、DS
P回路55R1において、画像の拡大および画歪み等を
補正するための演算処理と同時に行うようにしてもよ
い。
【0063】フレームメモリ56Rには、DSP回路5
0RおよびDSP回路55R1において演算処理された
画像データが、メモリコントローラ63において生成さ
れた書き込みアドレスを示す制御信号Sa3Rに従っ
て、各色毎に格納される。図6(B)の例では、画像デ
ータが、左上を始点として右方向に順次書き込まれてい
る。フレームメモリ56Rに格納された画像データは、
メモリコントローラ63において生成された読み出しア
ドレスを示す制御信号Sa4Rに従って、各色毎に読み
出され、DSP回路55R2に入力される。右側の分割
画面の処理では、フレームメモリ56Rに対する書き込
みアドレスの順序と読み出しアドレスの順序とが同じに
なっている。すなわち、図6(B)の例では、画像デー
タが右上を始点として右方向に順次読み出されている。
【0064】図6(C)は、フレームメモリ56Rから
読み出されてDSP回路55R2に入力される画像デー
タを示している。上述のように、本実施の形態では、フ
レームメモリ56Rに対する読み出しアドレスの順序が
書き込みアドレスに対して同方向になっているため、D
SP回路55R2に入力される画像は、図6(B)で示
した画像の状態と同様の形となっている。
【0065】DSP回路55R2は、フレームメモリ5
6Rから読み出された横480画素×縦480画素のデ
ータ(図6(C))に対して、縦方向の補正を伴う演算
処理を行う。この演算処理によって、図6(D)に示し
たように、例えば、画像の横方向が480画素から64
0画素にまで拡大され、横640画素×縦480画素の
画像データが作成される。DSP回路55R2は、この
画像の拡大を行うときに、同時に、補正用データメモリ
60に格納された補正用データと、インデックス電極7
0からの検出信号を解析して得られた補正用のデータと
に基づいて、縦方向の画歪み等を補正するための演算処
理を行う。
【0066】以上のような演算処理を経て得られた画像
データ(図6(D))に基づいて、電子ビームeBRの
走査を左から右に向けて行うことにより、蛍光面11上
の右側では、図6(E)の斜線領域に示したような画面
表示がなされる。本実施の形態では、上述のように、画
像データに対して画歪み等を考慮した補正処理がなされ
ているため、蛍光面11上に表示された右側の画像は画
歪み等のない適正な画像表示がなされる。図5(E),
図6(E)で示した左右の分割画面は、各々の画歪み等
が補正されているので、左右の画面を繋ぎ合わせると繋
ぎ目部分が目立たない適正な画像表示を行うことが可能
となる。
【0067】次に、図7〜図16を参照して、補正用デ
ータを用いて画像を補正するための演算処理について詳
細に説明する。なお、以下の図7〜図16を用いた説明
では、画像データに対して主として位置的な補正を行う
ための演算処理について説明する。
【0068】まず、図9を参照して、補正用データメモ
リ60(図4)に格納される補正用データの概略を説明
する。補正用データは、例えば、格子状に配置された基
準となる点に対する移動量で表される。ここで、例え
ば、図9(A)に示した格子点(i,j)を基準点と
し、R色に対するX方向の移動量をFr(i,j)、Y
方向の移動量をGr(i,j)、G色に対するX方向の
移動量をFg(i,j)、Y方向の移動量をGg(i,
j)、B色に対するX方向の移動量をFb(i,j)、
Y方向の移動量をGb(i,j)とすると、格子点
(i,j)にあった各色の画素は、これらの各移動量だ
け移動させることにより、それぞれ図9(B)に示した
ようになる。図9(B)に示した各画像を合わせて、図
9(C)に示したような画像が得られる。このようにし
て得られた画像を蛍光面11上に表示すると、陰極線管
自身が持つ画歪みの特性や地磁気等の影響により、結果
的にミスコンバーゼンス等が補正され、蛍光面11上で
は、R,G,Bの画素が同一点上に表示されることにな
る。図4に示した処理回路では、例えば、DSP回路5
5L1,55R1において、X方向の移動量に基づく補
正を行い、DSP回路55L2,55R2において、例
えば、Y方向の移動量に基づく補正を行う。
【0069】次に、補正用データを用いた演算処理につ
いて説明する。なお、補正演算はR,G,Bの各色毎に
それぞれ行われるのであるが、演算に用いる補正用デー
タが違うのみでその演算方法は各色で同じである。従っ
て、以下では、R色の補正演算を代表して説明し、G色
およびB色についての説明は特に断らない限り省略す
る。また、以下では、説明をし易くするため、画像の補
正を縦方向と横方向について同時にまとめて説明する場
合があるが、上述したように、図4に示した信号処理回
路では、画像の補正は縦方向と横方向とで別々に行われ
る。
【0070】図10(A)〜図10(C)は、図4に示
した処理回路において、補正用データを用いた補正演算
が行われなかった場合における格子状の入力画像の変形
状態を示している。補正演算が行われない場合には、フ
レームメモリ53上の画像160(図10(A))とD
SP回路55L2またはDSP回路55R2から出力さ
れる画像161(図10(B))は、入力画像と同じ形
状である。その後、陰極線管自身が持っている特性によ
り画像は歪められ、例えば、図10(C)で示したよう
な変形を受けた画像162が蛍光面11に表示される。
なお、図10(C)において、点線で示した画像は、本
来表示されるべき画像に相当する。このように画像が表
示される過程において、R,G,Bの各色の画像が全く
同じ変形をする現象が画歪みであり、各色で異なる変形
が起こる場合はミスコンバーゼンスとなる。ここで、図
10(C)のような画像の歪みを補正するには、陰極線
管に画像信号を入力する前の段階で陰極線管の持ってい
る特性とは逆方向の変形を施してやればよい。
【0071】図11(A)〜図11(C)は、図4に示
した処理回路において、補正演算を行った場合における
入力画像の変化を示している。補正演算を行う場合にお
いても、フレームメモリ53上の画像160(図11
(A))は、入力画像と同じ形状である。フレームメモ
リ53に格納された画像は、各DSP回路55L1,5
5L2,55R1,55R2によって、補正用データに
基づいて、入力画像に対して陰極線管で受ける画像の変
形(陰極線管の持っている特性による変形。図10
(C)参照)とは逆方向に変形されるような補正演算が
行われる。図11(B)に、この演算後の画像163を
示す。なお、図11(B)において、点線で示した画像
は、フレームメモリ53上の画像160であり、補正演
算が行われる前の画像に相当する。このように、陰極線
管の持っている特性とは逆方向の変形が施された画像1
63の信号は、陰極線管の持っている特性により、さら
に歪められることにより、結果的に入力画像と同様の形
状となり理想的な画像164(図11(C))が蛍光面
11に表示される。なお、図11(C)において、点線
で示した画像は、図11(B)に示した画像163に相
当する。
【0072】次に、DSP回路55(DSP回路55L
1,55L2,55R1,55R2)で行う補正演算処
理について、詳細に説明する。図12は、DSP回路5
5で行う補正演算処理の第1の方法について示す説明図
である。この図においては、画素170がXY座標の整
数位置上に格子状に配列されている。この図は、1画素
のみに注目した場合の演算例を示したもので、DSP回
路55による補正演算前に座標(1,1)にあった画素
の画素値であるR信号の値(以下、「R値」と記す。)
Hdが、演算後に座標(3,4)に移動している様子を
表わしている。なお、図において、点線で示した部分
が、補正演算前のR値(画素値)を示している。ここ
で、このR値の移動量をベクトル(Fd,Gd)で表わ
すとすると、(Fd,Gd)=(2,3)ということに
なる。これを演算後の画素から見ると、その画素が座標
(Xd,Yd)であるとき、座標(Xd−Fd,Yd−
Gd)のR値Hdを複写しているとの解釈もできる。こ
のような複写する操作を演算後の各画素について全て行
えば、表示画像として出力されるべき画像が完成する。
従って、補正用データメモリ60に格納される補正用デ
ータは、演算後の各画素に対応した移動量(Fd,G
d)であればよい。
【0073】ここで、以上で説明した画素値の移動の関
係を、陰極線管における画面走査に対応付けて説明す
る。通常、陰極線管では、水平方向については、画面の
左から右方向(図12においてはX方向)に電子ビーム
eBによる走査を行い、垂直方向については、画面の上
から下方向(図12においては−Y方向)に走査を行
う。従って、図12に示したような画素の配列であれ
ば、元の映像信号に基づく走査を行った場合には、座標
(1,1)の画素の走査が、座標(3,4)の画素の走
査よりも“後”に行われることになる。しかしながら、
本実施の形態のDSP回路55による補正演算処理を行
った後の映像信号に基づく走査を行った場合には、元の
映像信号における座標(1,1)の画素の走査が、元の
映像信号における座標(3,4)の画素の走査よりも
“先”に行われることになる。このように、本実施の形
態では、2次元的な画像データにおける画素の配列状態
を補正用データ等に基づいて再配列し、結果的に、元の
1次元的な映像信号を画素単位で時間的且つ空間的に変
化させるような補正演算処理が行われる。
【0074】ところで、上述の補正演算に用いる補正用
データとしての移動量(Fd,Gd)の値を整数値に限
定する場合には、上述したような画素値の移動という単
純な操作を補正演算として施すだけでよい。しかし、整
数値という限定の元に演算を行って補正した画像は、直
線の画像がギザギザ状となるいわゆるジャギーが発生し
たり、文字画像の太さが不均一になって不自然に見える
というような不具合が生じる場合が多い。この問題を解
決するためには、移動量(Fd,Gd)の値を実数にま
で拡張し、架空の画素におけるR値を推定してから使用
する方法が考えられる。
【0075】次に、図13を参照して、補正演算の第2
の方法について説明する。これは、移動量(Fd,G
d)が実数であるとしたときの補正演算の方法である。
図13は、座標(Xd,Yd)における補正用データ、
すなわち移動量(Fd,Gd)がそれぞれ実数で与えら
れたとき、演算後の画素のR値Hdを求める様子を示し
たものである。演算前の参照すべき画素の座標(Ud,
Vd)は、以下の式(1)により表される。
【0076】 (Ud,Vd)=(Xd−Fd,Yd−Gd) ……(1)
【0077】ここで、(Fd,Gd)=(1.5,2.
2)であるとすると、画素は整数の座標位置にしかない
ので、座標(Ud,Vd)における画素は存在しない。
そこで、第2の方法では、座標(Ud,Vd)における
画素のR値を、座標(Ud,Vd)の近傍の4つの画素
から線形補間で推定する演算を行う。図13では、点線
で示した部分が、この4つの画素を示している。ここ
で、座標値Ud,Vdのそれぞれの小数部をそれぞれ切
り下げて得られた整数をそれぞれ、値U0,V0とし、
U1=U0+1,V1=V0+1とすると、座標(U
0,V0),(U1,V0),(U0,V1),(U
1,V1)における画素が座標(Ud,Vd)の近傍の
4画素ということになる。ここで、座標(U0,V
0),(U1,V0),(U0,V1),(U1,V
1)におけるそれぞれの画素のR値を順番にH00,H
10,H01,H11とすると、求めるべき座標(U
d,Vd)における画素のR値Hdは以下の式(2)で
表される。
【0078】 Hd=(U1−Ud)×(V1−Vd)×H00+ (Ud−U0)×(V1−Vd)×H10+ (U1−Ud)×(Vd−V0)×H01+ (Ud−U0)×(Vd−V0)×H11 ……(2)
【0079】ここで、上述の補正方法について詳細に考
察すると、補正用データとしての移動量(Fd,Gd)
の各値の整数部(第1の成分)によりR値の推定に使用
される画素値(H00,H10,H01,H11)が選
択決定され、移動量の小数部(第2の成分)により式
(2)で各画素値にかかっている係数(例えば、H00
の係数は、(U1−Ud)×(V1−Vd))が決定さ
れている。
【0080】なお、上述の例では座標(Ud,Vd)に
おける画素のR値を、近傍の4点における画素値から線
形補間という方法により推定したが、この推定方法は、
これに限定されるものではなく、その他の演算方法を用
いて行っても構わない。また、上記では補正用データを
演算前の画素値を参照するための相対的な座標の差と解
釈し、架空の座標(Ud,Vd)における画素値Hdを
推定してから補正後の座標(Xd,Yd)へ移動を実行
する例について示した。しかしながら、逆に、補正用デ
ータを演算前の画素値Hdが移動する量であると解釈
し、移動量(Fd,Gd)による移動を実行した後に演
算後の画素値Hdを、その移動後の座標位置における近
傍の4点における画素値に割り振るような計算方法も考
えられる。この方法は演算を実行させるためのプログラ
ムがやや複雑にはなるが、もちろんこのような方法を行
っても構わない。
【0081】ところで、補正用データとしての移動量
(Fd,Gd)は、各画素のRGB3色に対して別々に
定義される。従って、全画素分に対して補正用データを
設定すると、その総データ量は無視できない程大きなも
のとなり、補正用データを格納するための大容量のメモ
リが必要となるので装置のコストアップの要因となる。
また、撮像装置64を含む図示しない補正用データ作成
装置側で、陰極線管の画歪み量やミスコンバーゼンス量
を全画素について測定し、その補正用データを計算して
陰極線管側に与えるのに掛かる作業時間もかなり長くな
ってしまう。一方、陰極線管の画歪み量やミスコンバー
ゼンス量は、互いに距離が近い場所に位置する画素では
画素間でそれほど大きな変動はない。そこで、そのこと
を利用して、全画面領域をいくつかの領域に分割し、各
分割領域の代表的な画素にのみ補正用データを与え、そ
れ以外の画素における補正用データは代表的な画素の補
正用データから推測するという方法が考えられる。この
方法は補正用データの総量を削減すると共に、作業時間
を短縮するのに有効である。
【0082】次に、補正演算の第3の方法として、この
代表的な画素のみに補正用データを与えて補正演算を行
う方法について説明する。なお、分割領域内の画素移動
は、代表的な画素の移動量により決まるので、以下で
は、それら代表的な画素がある場所を「制御点」と呼ぶ
ことにする。
【0083】図7は、補正演算の第3の方法に用いられ
る補正用の基準画像の一例を示している。図7では、横
640画素×縦480画素を横20ブロック、縦16ブ
ロックに分割した格子状の画像の例を示している。1ブ
ロックは、横32画素×縦30画素からなる。図中、斜
線領域で示した部分が左右の分割画面が繋ぎ合わされる
重複領域OLである。上述の制御点は、例えば、このよ
うな画像の各格子点に設定される。
【0084】図8は、図7に示した格子状の基準画像を
図4に示した処理回路によって画像の補正を行った後に
蛍光面11上に表示される画像の表示例を表している。
この図において、左側の分割画面は、図5(E)に示し
た画面に相当し、画素数が横640画素×縦480画素
であり、横11ブロック×縦16ブロックに分割されて
いる。また、この図において、右側の分割画面は、図6
(E)に示した画面に相当し、ブロック数は、左側と同
様である。
【0085】図14は、DSP回路55上の全画面領域
を複数の四角形領域に分割し、制御点を2次元格子状に
設定した例について示している。テレビジョン画像等の
場合には、陰極線管の管面に実際に表示される画面サイ
ズよりも大きなサイズの画像情報が供給されており、オ
ーバスキャンと呼ばれる領域が存在する。このため、図
示したように、通常、DSP回路55上の画像領域19
0は、オーバスキャンの領域を考慮して、陰極線管の有
効画面領域191より大きく設定されている。DSP回
路55上において、多数の制御点192は隣り合う分割
領域の制御点をも兼ねるように設定しており、この図の
例では、制御点192の全数は横11×縦15×2=3
30個しかない。
【0086】ここで、DSP回路55上の画像領域が左
右の分割画面でそれぞれ「横640、縦480」の画素
からなるとすれば、全画素は640×480×2=61
4,400個にもなる。このことを考えると、補正用デ
ータの総数は、代表的な制御点192を補正用データと
して与えた方が、全画素に対して補正用データを与える
よりもかなり削減されていると言えよう。例えば、全て
の画素においてRGB3色に対して8ビットの補正用デ
ータをX方向・Y方向にそれぞれ与えると仮定するなら
ば、補正用データメモリ60の容量は最低でも以下の式
(3)で示すような量が必要である。しかしながら、図
示したように制御点を設定する方法ならば、以下の式
(4)で示す容量で済むことになる。また、容量のみな
らず、同時に画像の補正にかかる作業時間も大幅に削減
される。
【0087】 (8×2×3)×(640×480)×2/8=3,686,400(バイト ) ……(3) (8×2×3)×(11×15)×2/8=1980(バイト) ……(4)
【0088】なお、制御点については、図示したように
必ずしも格子状に設定する必要はなく、格子状以外の他
の任意の位置に設定するようにしてもよい。
【0089】次に、図15および図16を参照して、図
14に示したように制御点が格子状に設定されていると
きに、各分割領域内の任意の画素における移動量を求め
る方法を説明する。図15は、移動量を内挿補間により
求める方法を説明するためのものであり、図16は、移
動量を外挿補間により求める方法を説明するためのもの
である。ここで、内挿補間とは、複数の制御点の内部に
位置する任意の画素における移動量を補間する方法のこ
とを言い、外挿補間とは、複数の制御点の外部に位置す
る任意の画素における移動量を補間する方法のことを言
う。なお、全ての画素について、外挿補間により求める
ことも可能であるが、外挿補間は、画面の周囲の領域
(図14に示した点線の斜線領域)の画素について求め
る場合にのみ用いることが望ましい。このように、一般
には、全画像領域の外枠を含む画面周囲の分割領域では
外挿補間を、それ以外では内挿補間を使用することにな
るが、どちらの補間の場合も実質的に同じ演算方法で表
すことができる。これらの図において、4個の制御点の
座標を(X0,Y0),(X1,Y0),(X0,Y
1),(X1,Y1)とし、それぞれの補正用データに
相当する移動量が(F00,G00),(F10,G1
0),(F01,G01),(F11,G11)であっ
たとする。このとき、任意の座標(Xd,Yd)の画素
における移動量(Fd,Gd)は、次の式(5),
(6)により求めることができる。これらの演算式は、
内挿補間および外挿補間に共通して使用することができ
る。
【0090】 Fd={(X1−Xd)×(Y1−Yd)×F00+ (Xd−X0)×(Y1−Yd)×F10+ (X1−Xd)×(Yd−Y0)×F01+ (Xd−X0)×(Yd−Y0)×F11}/{(X1−X0)×( Y1−Y0)} ……(5) Gd={(X1−Xd)×(Y1−Yd)×G00+ (Xd−X0)×(Y1−Yd)×G10+ (X1−Xd)×(Yd−Y0)×G01+ (Xd−X0)×(Yd−Y0)×G11}/{(X1−X0)×( Y1−Y0)} ……(6)
【0091】なお、これらの式(5),(6)で示した
演算もやはり線形補間による推定方式であるが、推定方
法は、線形補間に限定されるものではなく、その他の演
算方法を用いて行っても構わない。
【0092】以上のように各格子点を制御点に設定する
と、各格子点に対して補正用データが与えられるので、
例えば、左側の分割画像についてのみ考えるならば、各
格子点(i,j)(i=1〜11,j=1〜15)の点
に対して初期状態の移動量Fr(i,j)、Gr(i,
j)、Fg(i,j)、Gg(i,j)、Fb(i,
j)、Gb(i,j)が与えられる。この移動量が補正
用データメモリ60に、初期状態の補正用データ(第1
の補正用データ)として格納される。コントロール部6
0は、インデックス信号処理回路61から出力されたイ
ンデックス信号S2の解析結果を示すデータS3に基づ
いて、初期状態の補正用データの微動量ΔFr(i,
j)、ΔGr(i,j)、ΔFg(i,j)、ΔGg
(i,j)、ΔFb(i,j)、ΔGb(i,j)を計
算し、初期状態の補正用データに足し合わせることによ
り、各DSP回路55L1,55L2,55R1,55
R2に与えるべき補正用データを作成する。ここで、イ
ンデックス信号S2の解析結果を示すデータS3に基づ
いて得られる初期状態の補正用データの微動量(変動
量)が、本発明における「第2の補正用データ」に対応
する。
【0093】コントロール部60によって作成される最
終的な補正用データは、以下の式(A)〜(F)で表さ
れる。これらの式において、Fr(i,j)′は、R色
に対するX方向(横方向)の移動量であり、Gr(i,
j)′は、R色に対するY方向(縦方向)の移動量であ
る。Fg(i,j)′は、G色に対するX方向の移動量
であり、Gg(i,j)′は、G色に対するY方向の移
動量である。Fb(i,j)′は、B色に対するX方向
の移動量であり、Gb(i,j)′は、B色に対するY
方向の移動量である。
【0094】 Fr(i,j)′=Fr(i,j)+ΔFr(i,j)…(A) Gr(i,j)′=Gr(i,j)+ΔGr(i,j)…(B) Fg(i,j)′=Fg(i,j)+ΔFg(i,j)…(C) Gg(i,j)′=Gg(i,j)+ΔGg(i,j)…(D) Fb(i,j)′=Fb(i,j)+ΔFb(i,j)…(E) Gb(i,j)′=Gb(i,j)+ΔGb(i,j)…(F)
【0095】次に、図17〜図21を参照して、画像デ
ータの補正と共にDSP回路55によって行われる画像
の拡大に伴う画素数の変換処理について詳細に説明す
る。
【0096】画像の拡大および画像の標本化周波数(画
素数)の変換(解像度の異なる画像規格間の変換)は、
どちらも、原画像の各画素位置に対して、元の画像にお
いて存在しなかった画素のデータを求める演算を行うこ
とにより実現される。この演算は、後述の「補間フィル
タ」を利用して行うことが可能である。
【0097】図17は、画像の拡大等を行う前の原画像
の一例を示す説明図である。図中の丸印は画素の位置を
表している。この原画像には、横方向に8つ、縦方向に
6つの画素が含まれている。なお、説明をし易くするた
め、図では画素数を少ない数に設定している。次に、こ
の原画像を例えば縦方向と横方向に10/7(約1.4
29)倍に拡大する場合について説明する。なお、ここ
でいう倍率とは面積ではなく長さの比を示すものであ
る。
【0098】図18は、図17に示した原画像を拡大し
た画像の一例を示す説明図である。この図に示した画像
は、原画像の表示規格を変えずに拡大を行って得られた
ものであり、画素の配列(隣り合う画素の間隔等)が、
原画像と同一に保たれている(図では隣り合う画素の間
隔は1)。ただし、ここでは、画像の拡大の倍率が(1
0/7)倍であるから、画像の1辺の長さが約1.42
9倍され、その画素数が、約1.4292倍に増加す
る。例えば、図17に示した原画像においては、横方向
の各画素列の画素数は8であるが、図18に示した拡大
画像では、その画素数は11または12(8×10/7
=11.429に近い整数)になる。従って、原画像に
おける各画素位置の位置関係と、拡大後の相似画像にお
ける原画像の同じ部分に対応する各画素の位置関係とは
異なり、拡大後の各画素のデータ(輝度や色等)の値
が、原画像とは異なる。
【0099】図19は、原画像における横方向(水平方
向)の各画素位置と拡大後の画像における各画素位置と
の関係について示している。図中、上側のRi(i=
1,2,・・・)は、原画像の画素のデータを表してお
り、下側のQi(i=1,2,・・・)は、拡大後の画
像の画素のデータを表している。Riに対応する画素
は、Qiに対応する画素の間隔の(10/7)倍の間隔
で配置されている。なお、図19では、水平方向の拡大
の様子だけを示しているが、縦方向(垂直方向)につい
ても同様であるので、その説明は省略する。なお、後述
するように、拡大後の各画素のデータの値は、図19に
示すような原画像の各画素の位置との対応関係に応じ
て、周辺のいくつかの原画像の画素データの値から、
「補間フィルタ」を利用した演算、すなわち、補間関数
の畳み込み演算を行うことにより算出することができ
る。
【0100】次に、図20を参照して画像の大きさを変
化させずに、標本化周波数を例えば(10/7)倍にす
る場合を考える。この標本化周波数の変換は、解像度が
(10/7)倍だけ高い画像規格に変換することと等価
である。すなわち、水平方向の画素数は、(10/7)
倍に変更される。この場合、図17に示した原画像は、
図20に示すように、1次元的には約1.429倍の画
素数、すなわち1.4292倍の面密度を有する画像に
変換される。
【0101】図17の各画素と図18の各画素との対応
関係と、図17の各画素と図20の各画素との対応関係
は、両方とも、図19に示すようになり、同一であるの
で、画素数の多い画像規格に変換する演算操作は、上述
の画像の演算操作と同様に行うことができる。
【0102】以上のように、画像の拡大および画像の標
本化周波数(画素数)の変換を行う場合には、原画像に
は存在しなかった位置の画素のデータを算出するための
補間フィルタが必要となる。
【0103】次に、図21を参照して、補間フィルタを
利用した演算方法について説明する。
【0104】原画像の標本化間隔(隣り合う画素の間
隔)をSとし、原画像の画素Rの位置から距離(位相)
Pだけ離れた位置を、補間により生成する画素Qiの位
置(補間点)とすると、画素Qiの値は、画素Qiの周
辺にある原画像の画素の値Rに対する畳み込み演算によ
って算出することができる。ここで、「標本化定理」に
よれば、理想的な「補間」を行う場合には、以下の式
(7)および図21(A)で表されるようなsinc関
数を補間関数f(x)として、無限時間過去の画素から
無限時間将来の画素までの畳み込み演算を行うことにな
る。なお、式(7)において、πは円周率を示してい
る。
【0105】 f(x)=sinc(π×x)=sinc(π×x)/(π×x) …(7)
【0106】しかしながら、実際の演算では、有限時間
内に補間値を算出する必要があるので、sinc関数
を、有限の範囲で近似した補間関数を利用する。近似の
方法としては、一般に、「最近傍近似法」、「双一次近
似法」および「Cubic近似法」等が知られている。
【0107】最近傍近似法においては、以下の式(8)
および図21(B)で表されるような補間関数を利用し
て、原画像の1画素のデータから、補間後の1画素のデ
ータを演算する。なお、式(8)および図21(B)の
変数xは、原画像の画素位置からの水平方向の変位を、
原画像の標本間隔で正規化した量を表すものとする。
【0108】
【数1】
【0109】双一次近似法においては、式(9)および
図21(C)に示すような補間関数を利用して、原画像
の2画素のデータから、補間後の1画素のデータを演算
する。なお、式(9)および図21(C)の変数xは、
原画像の画素位置からの水平方向の変位を、原画像の標
本間隔で正規化した量を表すものとする。また、双一次
近似法は、「線形補間」として良く知られており、加重
平均が算出される。
【0110】
【数2】
【0111】Cubic近似法においては、式(10)
および図21(D)に示すような補間関数を利用して、
原画像の4画素のデータから、補間後の1画素のデータ
を演算する。なお、式(10)および図21(D)の変
数xは、原画像の画素位置からの水平方向の変位を、原
画像の標本間隔で正規化した量を表すものとする。
【0112】
【数3】
【0113】これらの関数を利用した畳み込み演算は、
いわゆるFIR(Finite Impulse Response)デジタル
フィルタを利用して行うことが可能である。その場合、
補間関数の中心を補間点に合わせ、所定の画素数分だけ
近傍の原画像の標本点で補間関数を標本化した値を補間
フィルタ係数セットとして使う。
【0114】例えば、双一次近似法で補間の演算を行う
場合、位相Pが0.0であるとき、フィルタ係数セット
を構成する2つの重み(フィルタ係数)は、1.0と
0.0となり、位置が一致する原画像の画素のデータ値
をそのまま出力するような係数セットとなる。また、位
相Pが0.5であるとき、2つのフィルタ係数は、0.
5と0.5となり、位相Pが0.3であるとき、2つの
フィルタ係数は、0.7と0.3となる。
【0115】また、Cubic近似法で補間の演算を行
う場合、位相Pが0.0であるとき、フィルタ係数セッ
トを構成する4つの重み(フィルタ係数)は、0.0、
1.0、0.0および0.0となり、位置が一致する原
画像の画素のデータ値をそのまま出力するような係数セ
ットとなる。また、位相Pが0.5であるとき、4つの
フィルタ係数は、−0.125、0.625、0.62
5および−0.125となり、位相Pが0.3であると
き、4つのフィルタ係数は、−0.063、0.84
7、0.363および−0.147となる。
【0116】なお、実際の演算では、データを算出する
補間点毎に、原画像の画素との位相Pがそれぞれ異なる
ので、異なる位相に対応する複数のフィルタ係数のセッ
トが必要となるが、このような演算処理は、DSP回路
55が得意とするところである。
【0117】なお、本実施の形態においてDSP回路5
5で行う画像の拡大処理は、画像の大きさを変化させず
に画素数を増やすものである。
【0118】次に、図22(A)〜図22(E)を参照
してインデックス電極70からの検出信号を解析するこ
とにより得られるデータについて説明する。
【0119】図22(A)〜図22(E)は、本実施の
形態に係る陰極線管におけるインデックス電極70の構
造およびこのインデックス電極70から出力される検出
信号の波形の一例を示している。本実施の形態では、導
電性のインデックス電極70に切り欠き孔71を設ける
ことで、水平方向(ライン走査方向)と共に垂直方向
(フィールド走査方向)における電子ビームeBL,e
BRの走査位置の検出を可能にしている。なお、この図
では、右側の電子ビームeBRについてのみ説明する
が、左側の電子ビームeBLについても同様である。上
述のように、本実施の形態においては、電子ビームeB
Rについて、ライン走査が、画面中央部の左から右に行
われると共に、フィールド走査が上から下(図のY方
向)に行われる。
【0120】図22(A)において、軌跡BYは、画像
補正前の電子ビームeBRの水平方向の走査開始点の軌
跡である。この図の例では、画像補正前の電子ビームe
BRの軌跡BYが、水平方向の中央部が縮められると共
に、水平方向の上下部が引き延ばされているような糸巻
き型(ピンクッション型)となっている。また、軌跡B
Y0は、適正な画像補正がなされているときの電子ビー
ムeBRの水平方向の走査開始点の軌跡である。本実施
の形態では、電子ビームeBRの位置を検出するため
に、インデックス電極70が設けられた過走査領域OS
において、水平方向に位置検出用の複数の電子ビームB
1〜B5を、少なくとも切り欠き孔71の数に対応した
数だけ通過させるようになっている。以下では、適正な
画像補正がなされているときには、例えば、図示した電
子ビームB10〜B50のように、複数の切り欠き孔7
1のほぼ真ん中に電子ビームが通過するものとして説明
する。なお、位置検出用としてインデックス電極70を
通過させる電子ビームの本数は、切り欠き孔71の数と
同数に限定されるものではない。
【0121】位置検出用の電子ビームB1〜B5がイン
デックス電極70を通過すると、図22(B)で示した
ように、2つのパルス信号を有する検出信号が出力され
る。2つのパルス信号は、切り欠き孔71の両端部の電
極部分を電子ビームB1〜B5が通過することにより出
力される信号である。電子ビームB1〜B5の走査開始
点(時間t=0)から、最初のパルス信号のエッジ部分
までの時間(th1〜th5)は、水平偏向の振幅と画
歪みの状況を表わしており、これらの時間が全て一定の
時間th0になると、水平偏向が完全に補正されている
ことになる。
【0122】図22(C)は、水平偏向が補正された後
に出力される検出信号を示している。上述のように、イ
ンデックス電極70において、切り欠き孔71が設けら
れた部分を電子ビームB1〜B5が通過すると、2つの
パルス信号が出力されるが、このとき出力されるパルス
信号のパルス間隔(tv1〜tv5)は、切り欠き孔7
1に対する上下方向(垂直方向)の位置に対応する。従
って、このパルス間隔(tv1〜tv5)が、全て一定
の時間tv0になると、垂直振幅と直線性が調整され、
垂直偏向が完全に補正されていることになる。水平偏向
および垂直偏向の双方とも補正されると、図22(D)
で示したように、走査開始点(t=0)から、最初のパ
ルス信号のエッジ部分までの時間が一定時間th0で、
2つのパルス間隔が所定の時間tv0である検出信号が
出力される。このとき、図22(E)で示したように、
インデックス電極70において、複数の切り欠き孔71
のほぼ真ん中部分を、理想状態の電子ビームB1′〜B
5′が通過することになる。
【0123】上述のインデックス電極70から出力され
る検出信号のパルス間隔の解析は、実際には、インデッ
クス信号処理回路61(図4)が、アンプAMP1を介
して取得したインデックス電極70からの検出信号に相
当するインデックス信号S2を解析することにより行わ
れる。インデックス信号処理回路61は、インデックス
信号S2の解析に基づいて、コントロール部61におい
て補正用データの微動量の作成に必要とされるデータS
3を出力する。コントロール部61は、インデックス信
号処理回路61からのデータS3に基づいて、予め補正
用データメモリ60に格納された初期状態の補正用デー
タに対する微動量を作成し、各DSP回路55R1,5
5R2に与えるべき補正用データを作成する。DSP回
路55R1,55R2は、コントロール部61から与え
られた補正用データに基づいて画像データの補正を行
う。これにより、画像データの制御が行われ、画歪み等
が補正されるように画像補正がなされる。なお、左側の
DSP回路55L1,55L2についても同様である。
【0124】なお、本実施の形態の陰極線管は、カラー
表示可能なものであり、調整すべき電子ビームeBR
は、R,G,Bの各色用のものがあるが、R,G,Bの
各色毎に画像データの制御を行えば、コンバーセンスの
補正を自動化できる。このような自動制御を行うこと
で、例えば、図22(A)に示した軌跡BYのような糸
巻き型の画歪みの補正を自動的に行うことができる。
【0125】以上の説明は、右側の電子ビームeBRに
ついてのものなので、全画面領域のうちの約右半分の画
面が補正されることになるわけであるが、左側の電子ビ
ームeBLについても同様に行うことで、左側の画面が
補正される。このようにして、左右の分割画面が補正さ
れることにより、左右の分割画面が適正に繋ぎ合わされ
て表示されることになる。なお、インデックス電極70
は、1つしか設けられていないので、電子ビームeB
L,eBRの走査位置を完全に同時に検出することはで
きない。従って、左右の分割画面を同時に補正すること
はできないが、例えば、ライン操作毎またはフィールド
走査毎に電子ビームeBL,eBRの走査位置を交互に
検出して左右の分割画面用の画像データを交互に補正す
ることで、左右の分割画面を補正することができる。
【0126】なお、インデックス電極70に設ける切り
欠き孔71の形状は、上述の逆三角形状のものに限定さ
れず、図23(A)〜図23(E)に示したように、種
々の形状の切り欠き孔を用いることが可能である。図2
3(A)に示した例では、水平方向の形状が下方に向か
うにつれて小さくなる略直角三角形状の切り欠き孔91
を有している。この図23(A)に示した例の電極を用
いたときの電子ビームeBL,eBRの走査位置の検出
は、基本的に、図22に示したインデックス電極70を
用いたときと同様である。図23(B),(C),
(D)は、それぞれ、菱形、円形および楕円形状の切り
欠き孔92,93,94が設けられた電極の例である。
図23(B),(C),(D)の例では、個々の切り欠
き孔の形状が上下に対称な形状となっているため、垂直
方向の位置情報を得るためには、1つの切り欠き孔に対
して中心部に複数本(例えば、3本)の電子ビームを通
過させる必要がある。図23(E)は、位置検出用の切
り欠き孔95を設けると共に、管内に発生する浮遊容量
を低減するための容量低減用の切り欠き孔96を設けた
例である。図23(E)の例は、電極上において、位置
検出に使用しない領域を切り欠き孔96として切り欠い
たもので、電極がアノード電圧HVが保たれている内部
導電膜22およびビームシールド27等に対して持つ浮
遊容量を減少させ、検出信号の高周波特性を改善させる
利点を持っている。
【0127】また、図22および図23では、1つのイ
ンデックス電極に5個の切り欠き孔を設けた例について
示したが、インデックス電極に設ける切り欠き孔の個数
は、5個に限定されるものではなく、これよりも多いま
たは少ない構成であってもよい。但し、画像の歪みがよ
り複雑で高次の成分を含むときには、切り欠き孔の個数
を増やして検出精度を高めることが必要になると考えら
れる。また、複数の切り欠き孔同士の間隔は、必ずしも
等間隔でなくともよい。
【0128】さらに、以上の説明では、1つのインデッ
クス電極70によって、電子ビームeBL,eBRの各
々の走査位置を検出するようにしたが、インデックス電
極70を複数設けることで、電子ビームeBL,eBR
の走査位置を各々独立に検出することも可能である。
【0129】図24(A),(B)は、左右の電子ビー
ムeBL,eBRの各々の走査位置を独立に検出可能に
したインデックス電極の構造をその周辺部の構成と共に
示す構成図である。なお、図24(A)では、インデッ
クス電極70L,70Rの周辺回路の主たる構成要素の
みを示している。図24(A),(B)に示した例で
は、左右の分割画面の繋ぎ目側において、電子ビームe
BLの過走査領域にインデックス電極70Lを設けると
共に、電子ビームeBRの過走査領域にインデックス電
極70Rを設けている。インデックス電極70L,70
Rの基本的な構造は図22に示したインデックス電極7
0と同様であり、長手方向に逆三角形状の切り欠き孔7
1が等間隔に複数設けられている。
【0130】インデックス電極70L,70Rの検出信
号を導出するための周辺回路の構成も基本的にインデッ
クス電極70と同様である。すなわち、図24(A)に
示したように、インデックス電極70Rには、アノード
電圧HVが供給される抵抗R11とキャパシタCf1の
プラス側の電極が接続されている。キャパシタCf1の
マイナス側の電極は、アンプAMP1−Rに接続されて
いる。また、インデックス電極70Lには、アノード電
圧HVが供給される抵抗R12とキャパシタCf2のプ
ラス側の電極が接続されている。キャパシタCf2のマ
イナス側の電極は、アンプAMP1−Lに接続されてい
る。キャパシタCf1,Cf2は、図1に示したキャパ
シタCfと同様に、ファンネル部20の一部を利用して
形成したものである。インデックス電極70R,70L
に、それぞれ電子ビームeBR,eBLが射突すると、
それぞれの電極において独立して電圧降下が生じ、この
電圧降下に応じた信号が、独立した検出信号としてそれ
ぞれキャパシタCf1,Cf2を経由して管外に導かれ
る。管外に導かれたそれぞれの電極からの検出信号は、
それぞれアンプAMP1−R,AMP1−Lを介して独
立したインデックス信号S2R,S2Lとして出力され
る。これらの独立したインデックス信号S2R,S2L
を管外の処理回路で別々に処理することにより、電子ビ
ームeBL,eBRの走査位置を各々独立に且つ同時に
検出することが可能になると共に、左右の分割画面を同
時に補正することが可能になる。
【0131】なお、インデックス電極70L,70Rと
蛍光面11(図24では図示せず)との間には、例え
ば、図24(B)に示したように、山形のビームシール
ド27′が配置される。ビ ームシールド27′の中央
部には、電子ビームeBL,eBRの各々を遮蔽するた
めの遮蔽板72が設けられている。インデックス電極7
0L,70Rは、このビームシールド27′の中央部に
設けられた遮蔽板72の左右に設けられる。なお、図2
4(B)では、インデックス電極70L,70Rを蛍光
面11に対して斜めに配置した例について示している
が、インデックス電極70L,70Rを蛍光面11に対
して斜めではなく対向するように配置してもよい。
【0132】次に、図25〜図28を参照して輝度の補
正処理について説明する。
【0133】上述したDSP回路55における画像補正
の演算処理では、画像データを制御することによって、
左右の分割画面が適正に繋ぎ合わされるように画像の位
置的な補正を行ったが、本実施の形態においては、さら
に、左右の分割画面の重複領域OLにおける輝度を調整
するために、重複領域OLに相当する画素に対して、特
別な輝度の変調処理を行うようになっている。本実施の
形態においては、この輝度の変調処理は、輝度補正用の
DSP回路50L,50Rにおいて、画像データの輝度
に関する値を補正することにより行われる。
【0134】図25は、この画像データに対する変調の
概略を示す説明図であり、各分割画面の位置と変調波形
との関係を3次元的に表している。図25において、符
号81で示した部分が左側の分割画面に相当し、符号8
2で示した部分が右側の分割画面に相当する。各分割画
面81,82の繋ぎ目側の過走査領域OSにおいては、
上述のように、それぞれ各電子ビームeBL,eBRが
インデックス電極70を走査することにより、検出信号
が出力される。図25では、各電子ビームeBL,eB
Rの過走査領域OSにおける走査用の駆動信号であるイ
ンデックスドライブ信号S1L,S1Rの波形を同時に
示す。
【0135】本実施の形態では、図25の変調波形80
L,80Rで示したように、各分割画面81,82にお
いて、重複領域OLの始点P1L,P1Rから出画を開
始し、徐々に出画振幅を増加させ、終点P2L,P2R
で出画量が最大になるように画像データの輝度の変調補
正を行い、それ以降、すなわち、重複領域OL以外の領
域では画面端までその変調量を維持する。このような変
調を各分割画面81,82で同時に行い、重複領域OL
では、どこでも両画面の輝度の和が一定になるように制
御すれば、両画面の繋ぎ目を目立たなくすることができ
る。
【0136】重複領域OLにおける輝度の変調制御につ
いてさらに詳しく考察する。一般に、陰極線管の輝度は
電子銃31L,31R(図1)のカソード電流Ikに比
例する。カソード電流Ikと電子銃31L,31Rのカ
ソードに印加するカソードドライブ電圧Vkとの関係は
次の式(11)で示される。式(11)において、γ
(ガンマ)は陰極線管特有の定数であり、例えば、2.
6前後の値になる。このように、カソードドライブ電圧
Vkとカソード電流Ikとには非直線性の関係があるの
で、入力された画像データに対して輝度の変調を行う場
合には、その変調量は、ガンマ特性を考慮したものでな
ければならない。
【0137】
【数4】
【0138】図26は、輝度に相当するカソード電流I
kと、輝度の変調量の波形との関係の一例を示した図で
ある。図26の横軸は、重複領域OLにおける位置を示
しており、重複領域OLの始点P1L,P1Rを原点と
し、終点P2L,P2Rを1.0に規格化している。図
26の縦軸は、変調量を示している。図26に示したよ
うに、例えば、各分割画面81,82で輝度(カソード
電流Ik)の傾斜を直線状にするためには、その変調波
形80は上側に凸の曲線となる。ここで、変調波形80
は、図25に示した変調波形80L,80Rの重複領域
OLにおける波形に対応するものであり、上述の式(1
1)に基づく以下の式(12)から求められるものであ
る。式(12)は、カソード電流Ikを変数にした関数
となっておりこの式(12)において、Ik=xとした
ものが以下の式(13)である。図26の変調波形80
は、この式(13)によって表される。このような変調
を各分割画面81,82用の画像データで同時に行うこ
とで、結果として、重複領域OLにおける輝度の和を一
定にすることができる。
【0139】
【数5】
【0140】
【数6】
【0141】図27は、輝度に相当するカソード電流I
kと、輝度の変調量の波形との関係の他の例を示した図
である。図26では、各分割画面81,82で輝度の傾
斜が直線状となるようにしたが、重複領域OLの両端に
おける輝度(カソード電流Ik)の変化の導関数(微係
数)がゼロになる関数(例えば、cosine関数)になるよ
うな変調も可能である。図27の例では、輝度に相当す
るカソード電流Ikが{1/2(1−cosπx)}で
表される関数となっている。従って、図27の変調波形
80′は、以下の式(14)によって表される。このよ
うな輝度変調を行った方が、重複領域OLにおける見た
目の輝度変化がより自然になると共に、左右の分割画面
の重ね合せの位置的なエラーに対して、余裕度が大き
い。
【0142】
【数7】
【0143】なお、図27に示したような輝度変化の導
関数(微係数)がゼロになるような関数は、無数に考え
られ、例えば、パラボラ(2次)曲線を合成したような
関数でもよい。
【0144】上述の輝度の制御においては、例えば、イ
ンデックス信号処理回路61(図4)が、インデックス
電極70からのインデックス信号S2に基づいて、左右
の分割画面について、重複領域OLの始点P1L,P1
Rの判断を行い、その判断結果をコントロール部62に
送信することで、重複領域OLの始点P1L,P1Rか
ら輝度の変調が行われるようにすることができる。輝度
補正用のDSP回路50L,50Rは、コントロール部
62の指示に基づいて、左右の画像データに対して輝度
の変調制御を行う。輝度変調された左右の画像データ
は、各電子銃31L,31Rの内部に配置された図示し
ないカソードに対して与えられるカソード駆動電圧に反
映される。これにより、各電子銃31L,31Rから輝
度変調された画像データに基づく電子ビームeBL,e
BRが発射される。
【0145】図28は、電子ビームの走査位置と輝度の
変調制御のタイミングとの関係を示した図である。な
お、この図では、右側の電子ビームeBRについて示し
ているが、左側の電子ビームeBLについても同様であ
る。本実施の形態では、図22を用いて説明したよう
に、過走査領域OSにおいて、インデックス電極70上
を位置検出用の複数の電子ビームB1,B2,が走査す
るようになっている。図28において、期間Tiは、図
25に示したインデックスドライブ信号S1Rに基づい
て、位置検出用の複数の電子ビームB1,B2,…が出
力されている期間である。なお、図28においては、電
子ビームB1,B2,…の帰線B0も同時に示す。電子
ビームが過走査領域OSから重複領域OLに移行する
と、始点P1Rから映像信号SVに基づく走査が行われ
る。図28では、輝度の補正を表す変調波形S3Rを映
像信号SVに対応させて示している。
【0146】なお、上述したインデックス信号S2に基
づく画像データの補正を行う時期については任意に設定
することが可能であり、例えば、陰極線管の起動時に行
ったり、または、定期的な期間を置いて間欠的に行った
り、さらには、常時行うようにすることが選択可能であ
る。また、画像データの制御を左右の分割画面で交互に
行うようにしてもよい。さらに、画像データの補正結果
を、各電子ビームeBL,eBRの次回のフィールド走
査時において反映させるような、いわゆるフイードバッ
クループの構成とすれば、陰極線管の動作中にその設置
位置や向きが変えられたとしても、地磁気等の外部環境
の変化による画歪み等を自動的に補正することができ
る。またさらに、各処理回路が経時変化することにより
走査画面が変動するような場合にも、自動的に変動を吸
収して適正な画像が表示されるようにすることが可能で
ある。なお、各処理回路の動作が安定しており、設置位
置も不変であるならば、陰極線管の起動時にのみ補正を
行うだけでも充分である。このように、本実施の形態で
は、地磁気等の外部環境の変化や各処理回路の経時変動
が表示画像に及ぼす影響が位置的にも輝度的にも自動的
に補正され、左右の分割画面が適正に繋ぎ合わされて表
示される。
【0147】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、管内において、隣接する左右の分割画面の繋ぎ目側
における電子ビームeBL,eBRの過走査領域OS
に、電子ビームeBL,eBRの入射に応じて電気的な
検出信号を出力するインデックス電極70を設けるよう
にしたので、簡単な構造、構成でありながら、電子ビー
ムeBL,eBRの走査位置を容易に検出することがで
きる。また、インデックス電極70から出力された検出
信号に基づいて、画像データの制御を行うようにしたの
で、インデックス電極70によって検出した走査位置に
基づいて、画面走査の振幅、画歪みおよびミスコンバー
ゼンス等の画像表示の補正を自動的に行うことが可能に
なる。さらに、本実施の形態によれば、インデックス電
極70に切り欠き孔71を設けるようにしたので、水平
方向と共に垂直方向における電子ビームeBの走査位置
の検出ができ、水平方向と共に垂直方向における画像補
正を行うことが可能になる。
【0148】従って、本実施の形態によれば、インデッ
クス電極70から出力された検出信号に基づいて、左右
の分割画面が位置的に適正に繋ぎ合わされるように画像
の表示制御を行うことができる。また、本実施の形態に
よれば、インデックス電極70から出力された検出信号
に基づいて、入力された画像データに対して繋ぎ目部分
の輝度の変調制御を行うようにしたので、繋ぎ目部分に
おける輝度の変化が目立たなくなるように画像の表示制
御を行うことができる。このように、本実施の形態によ
れば、位置的にも輝度的にも繋ぎ目部分が目立たないよ
うに左右の分割画面を繋ぎ合わせて良好に画像表示を行
うことができる。さらに、本実施の形態の陰極線管は、
2つの電子銃31L,31Rを用いて画像表示を行うの
で、単一の電子銃を用いた陰極線管よりも電子銃から蛍
光面までの距離を短くすることができ、奥行きの短縮化
を図ることができる。従って、フォーカス特性の良い
(像倍率が小さい)画像表示を行うことができる。ま
た、2つの電子銃31L,31Rを備えているので、大
画面にもかかわらず、容易に高輝度化できると共に、小
型化を図ることができる。
【0149】さらに、本実施の形態によれば、画面に表
示された画像から得られた、画像の表示状態を補正する
ための補正用データと、インデックス電極70からの検
出信号を解析して得られた補正用のデータとに基づい
て、画像が適正に表示されるように画像データを補正す
る演算を行って、その補正後の画像データを表示用の画
像データとして出力するようにしたので、偏向ヨーク等
によって画像を調整する方法よりも、画歪みやミスコン
バージェンスを小さくすることが出来る。例えば、偏向
ヨーク等で画歪み等を無くすためには、偏向磁界を歪ま
せる必要があり、斉一磁界ではなくなるという問題が生
じるため、磁界が電子ビームのフォーカス(スポットサ
イズ)を悪化させてしまうが、本実施の形態では、偏向
ヨークの磁界で画歪み等を合わせる必要がなく、偏向磁
界を斉一磁界にすることができるので、フォーカス特性
を向上させることができる。また、一度補正用データを
全て作成してしまえば、その補正用データを記憶してお
くことで、以後は画歪み等の補正を自動的に行うことが
できる。
【0150】また、本実施の形態によれば、画歪み等を
補正するために用いる特別な偏向ヨークの開発設計期間
が必要なくなり、偏向ヨークの開発期間およびコストを
減少させることができる。またさらに、従来のように偏
向ヨーク等で調整する方法では、画歪み等の補正量があ
まり大きくなかったため、偏向ヨーク等の製造ばらつき
により発生する画歪み等をある程度に抑えるように、陰
極線管の組立のばらつきを抑える必要があるが、本実施
の形態では、画歪み等の補正量を大きくとれるため、こ
の組立精度を落とすことができ、製造コストの低減を図
ることができる。なお、予め地磁気等の外部磁界の影響
が分かっていれば、その情報を補正用データとして使用
することも可能になり、より特性の優れた画像表示を行
うことができる。
【0151】このように、本実施の形態によれば、低コ
ストで画歪み等の表示状態の欠陥を補正して高品質な画
像表示を行うことができる。従って、広角度化やフラッ
ト化がなされた陰極線管に対する画歪み等の補正に関し
ても最適に行うことができる。また、本実施の形態によ
れば、左右の分割画面の繋ぎ目に関する画像処理をメモ
リ上で行うようにしたので、画像の表示状態が時間の経
過によって刻々と変化するような状況下にあっても、こ
れに対応して左右の分割画面の繋ぎ目部分が目立たない
ように適正な画像表示を行うことができる。
【0152】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1の実施の形態における構成要素と同一の部
分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0153】上記第1の実施の形態では、各電子ビーム
eBL,eBRによるライン走査を水平方向に行い、フ
ィールド走査を、上から下に行う場合について示した
が、本実施の形態では、図29に示したように、各電子
ビームeBL,eBRによるライン走査を上から下(図
29のY方向)に向けて行い、フィールド走査を、水平
方向に画面中央部分から外側に向けてお互いに反対方向
(図29のX1,X2方向)に行うようになっている。
このように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態
に対して、各電子ビームeBL,eBRによるライン走
査およびフィールド走査をちょうど逆転させた形となっ
ている。
【0154】図33(A)〜図33(G)は、本実施の
形態の陰極線管に用いられるインデックス電極の構造お
よびこのインデックス電極から出力される検出信号の波
形の一例を示している。なお、図33(A)〜図33
(G)において、紙面の左側が画面の上側に相当し、紙
面の右側が画面の下側に相当する。本実施の形態におけ
るインデックス電極70Aは、その長手方向が電子ビー
ムeBL,eBRのライン走査方向(Y方向)に対して
垂直になるように設けられた長方形状の切り欠き孔13
1と、電子ビームeBL,eBRのフィールド走査方向
(図29のX1,X2方向)に対して斜めになるように
設けられた細長形状の切り欠き孔132とを有してい
る。切り欠き孔131と切り欠き孔132は、それぞれ
交互に複数配置されている。この図の例では、結果とし
てインデックス電極70Aの両端部が切り欠き孔131
となるような配置となっている。隣り合う切り欠き孔1
31同士は、等間隔で配置されている。切り欠き孔13
2についても、隣り合うもの同士が、等間隔で配置され
ている。
【0155】インデックス電極70Aにおいて、図33
(A)に示したように、ライン走査方向に位置検出用の
2つの電子ビームeB1,eB2が通過したとすると、
それぞれ図33(B),(C)で示したような検出信号
が出力される。図33(B),(C)において、両端部
に示した期間TT,TBより電子ビームeB1,eB2の
ライン走査の振幅と位置を検出することができる。ま
た、電子ビームeB1,eB2が、隣り合う切り欠き孔
131を通過している期間T13,T35,T57,T 79の不
揃いは、ライン走査の直線性の良否を表わしている。ま
た、電子ビームeB1,eB2が、斜めの切り欠き孔1
32を通過するときに発生するパルス信号(図33
(C)においては、パルスP1〜P4)の位置は、フィ
ールド走査の振幅の情報を表わしている。
【0156】図33(E)は、図33(D)に示したよ
うに、糸巻き型の画歪みがある電子ビームeB3が通過
したときにインデックス電極70Aから出力される検出
信号を示している。図33(F)は、図33(D)に示
したように、樽型の画歪みがある電子ビームeB4が通
過したときにインデックス電極70Aから出力される検
出信号を示している。図33(G)は、図33(D)に
示したように、インデックス電極70Aの長手方向のほ
ぼ中心部分を通過する電子ビームeB5があったときに
出力される検出信号を示している。これらの図から分か
るように、インデックス電極70Aからは、通過する電
子ビームeBL,eBRの走査位置および走査タイミン
グの違いに応じて異なる波形の検出信号が出力される。
従って、例えば、電子ビームeBL,eBRが各切り欠
き孔131,132を通過するときのパルス信号列の位
相を観測・解析すれば、インデックス電極70A上の各
電子ビームeBL,eBRの軌道を推定することができ
る。
【0157】パルス信号列の位相の解析は、実際には、
インデックス信号処理回路61(図4)が、アンプAM
P1を介して取得したインデックス電極70Aからの検
出信号に相当するインデックス信号S2を解析すること
により行われる。インデックス信号処理回路61は、イ
ンデックス信号S2の解析に基づいて、コントロール部
61において補正用データの微動量の作成に必要とされ
るデータS3を出力する。コントロール部61は、イン
デックス信号処理回路61からのデータS3に基づい
て、予め補正用データメモリ60に格納された初期状態
の補正用データに対する微動量を作成し、各DSP回路
55R1,55R2に与えるべき補正用データを作成す
る。DSP回路55R1,55R2は、コントロール部
61から与えられた補正用データに基づいて画像データ
の補正を行う。これにより、画像データの制御が行わ
れ、画歪み等が補正されるように画像補正がなされる。
なお、左側のDSP回路55L1,55L2についても
同様である。
【0158】本実施の形態では、このような画像補正が
左右の分割画面の双方で行われることにより、左右の分
割画面が適正に繋ぎ合わされて表示されることになる。
なお、インデックス電極70Aは、1つしか設けられて
いないので、電子ビームeBL,eBRの走査位置を完
全に同時に検出することはできない。従って、左右の分
割画面を同時に補正することはできないが、例えば、ラ
イン操作毎またはフィールド走査毎に電子ビームeB
L,eBRの走査位置を交互に検出して左右の分割画面
用の画像データを交互に補正することで、左右の分割画
面を補正することができる。
【0159】なお、図33では、インデックス電極70
Aにそれぞれ9個の切り欠き孔を設けた例について示し
たが、設ける切り欠き孔の個数は、9個に限定されるも
のではなく、これよりも多いまたは少ない構成であって
もよい。但し、画像の歪みがより複雑で高次の成分を含
むときには、切り欠き孔の個数を増やして検出精度を高
めることが必要になると考えられる。また、上記では、
各切り欠き孔131,132を等間隔に設けた例につい
て説明したが、各切り欠き孔131,132の間隔は、
必ずしも等間隔でなくともよい。
【0160】また、以上の説明では、1つのインデック
ス電極70Aによって、電子ビームeBL,eBRの各
々の走査位置を検出するようにしたが、インデックス電
極70Aを複数設けることで、電子ビームeBL,eB
Rの走査位置を各々独立に検出することも可能である。
インデックス電極70Aを複数設ける場合における電極
の構造およびその周辺部の構成は、上記第1の実施の形
態において、図24を用いて説明したものと同様であ
る。インデックス電極70Aを複数設けることで、電子
ビームeBL,eBRの走査位置を各々独立に且つ同時
に検出することが可能になると共に、左右の分割画面を
同時に補正することが可能になる。
【0161】次に、図30(A)〜図30(E)を参照
して、本実施の形態の陰極線管において、左側の分割画
面用の画像データに対して行われる演算処理の具体例を
説明する。なお、本実施の形態において、左側の分割画
面用の画像データに対して演算処理を行うための信号処
理回路の構成は、図4に示した処理回路と同様である。
図30(A)は、本実施の形態において、フレームメモ
リ53から読み出されてDSP回路50Lに入力される
画像データを示している。DSP回路50Lに入力され
る画像データは、上記第1の実施の形態において図5
(A)を用いて説明したものと同様であり、例えば、横
640画素×縦480画素の画像データが入力される。
【0162】図30(B)は、本実施の形態において、
DSP回路50LおよびDSP回路55L1によって画
像の補正処理が行われた後に、フレームメモリ56Lに
書き込まれる画像データを示している。DSP回路50
Lは、上記第1の実施の形態において図5(B)を用い
て説明したものと同様に、DSP回路55L1による補
正処理を行う前に、図30(A)の斜線領域で示した横
352画素×縦480画素のデータに対して、位置的な
補正とは独立して、重複領域OLにおける輝度を補正す
るための演算処理を行う。図30(B)では、左側の分
割画面における輝度の補正を表す変調波形80Lを画像
データに対応させて示している。なお、輝度の補正処理
の詳細については上記第1の実施の形態において説明し
たものと同様である。
【0163】一方、DSP回路55L1は、上記第1の
実施の形態において図5(B)を用いて説明したものと
同様に、DSP回路50Lによる輝度の補正処理が行わ
れた後に、図30(A)の斜線領域で示した横352画
素×縦480画素のデータに対して、横方向の補正を伴
う演算処理を行う。この演算処理によって、図30
(B)に示したように、例えば、画像の横方向が352
画素から480画素にまで拡大され、横480画素×縦
480画素の画像データが作成される。この演算処理
は、上記第1の実施の形態と同様であり、DSP回路5
5L1が、画像の拡大を行うときに、同時に、補正用デ
ータメモリ60に格納された補正用データと、インデッ
クス電極70Aからの検出信号を解析して得られた補正
用のデータとに基づいて、横方向の画歪み等を補正する
ための演算処理を行う。
【0164】フレームメモリ56Lには、DSP回路5
0LおよびDSP回路55L1において演算処理された
画像データが、メモリコントローラ63において生成さ
れた書き込みアドレスを示す制御信号Sa3Lに従っ
て、各色毎に格納される。図30(B)の例では、画像
データが、左上を始点として右方向に順次書き込まれて
いる。フレームメモリ56Lに格納された画像データ
は、メモリコントローラ63において生成された読み出
しアドレスを示す制御信号Sa4Lに従って、各色毎に
読み出され、DSP回路55L2に入力される。ここ
で、本実施の形態では、メモリコントローラ63におい
て生成されたフレームメモリ56Lに対する書き込みア
ドレスの順序と読み出しアドレスの順序とが異なってい
る。図30(B)の例では、画像データが、右上を始点
として下方向に順次読み出されるような読み出しアドレ
スとなっている。
【0165】図30(C)は、フレームメモリ56Lか
ら読み出されてDSP回路55L2に入力される画像デ
ータを示している。上述のように、本実施の形態では、
フレームメモリ56Lに対する読み出しアドレスの順序
が右上を始点として下方向に向かうようになっているた
め、DSP回路55L2に入力される画像は、図30
(B)で示した画像の状態に対して反時計回りに90°
回転するように画像変換された形となっている。
【0166】DSP回路55L2は、フレームメモリ5
6Lから読み出された横480画素×縦480画素のデ
ータ(図30(C))に対して、縦方向の補正を伴う演
算処理を行う。この演算処理によって、図30(D)に
示したように、例えば、画像の横方向が480画素から
640画素にまで拡大され、横640画素×縦480画
素の画像データが作成される。DSP回路55L2は、
この画像の拡大を行うときに、同時に、補正用データメ
モリ60に格納された補正用データと、インデックス電
極70Aからの検出信号を解析して得られた補正用のデ
ータとに基づいて、縦方向の画歪み等を補正するための
演算処理を行う。
【0167】以上のような演算処理を経て得られた画像
データ(図30(D))に基づいて、電子ビームeBL
の走査を上から下に向けて行うことにより、蛍光面11
上の左側では、図30(E)の斜線領域に示したような
画面表示がなされる。本実施の形態では、上述のよう
に、入力された画像データに対して画歪み等を考慮した
補正処理がなされているため、蛍光面11上に表示され
た左側の画像は画歪み等のない適正な画像表示がなされ
る。
【0168】次に、図31(A)〜図31(E)を参照
して、本実施の形態の陰極線管において、右側の分割画
面用の画像データに対して行われる演算処理の具体例を
説明する。なお、本実施の形態において、右側の分割画
面用の画像データに対して演算処理を行うための処理回
路の構成は、図4に示した処理回路と同様である。図3
1(A)は、本実施の形態において、フレームメモリ5
3から読み出されてDSP回路50Rに入力される画像
データを示している。DSP回路50Rに入力される画
像データは、上記第1の実施の形態において図6(A)
を用いて説明したものと同様であり、例えば、横640
画素×縦480画素の画像データが入力される。
【0169】図31(B)は、本実施の形態において、
DSP回路50RおよびDSP回路55R1によって画
像の補正処理が行われた後に、フレームメモリ56Rに
書き込まれる画像データを示している。DSP回路50
Rは、上記第1の実施の形態において図6(B)を用い
て説明したものと同様に、DSP回路55R1による補
正処理を行う前に、図31(A)の斜線領域で示した横
352画素×縦480画素のデータに対して、位置的な
補正とは独立して、重複領域OLにおける輝度を補正す
るための演算処理を行う。図31(B)では、右側の分
割画面における輝度の補正を表す変調波形80Lを画像
データに対応させて示している。
【0170】一方、DSP回路55R1は、上記第1の
実施の形態において図6(B)を用いて説明したものと
同様に、DSP回路50Rによる輝度の補正処理が行わ
れた後に、図31(A)の斜線領域で示した横352画
素×縦480画素のデータに対して、横方向の補正を伴
う演算処理を行う。この演算処理によって、図31
(B)に示したように、例えば、画像の横方向が352
画素から480画素にまで拡大され、横480画素×縦
480画素の画像データが作成される。
【0171】フレームメモリ56Rには、DSP回路5
0RおよびDSP回路55R1において演算処理された
画像データが、メモリコントローラ63において生成さ
れた書き込みアドレスを示す制御信号Sa3Rに従っ
て、各色毎に格納される。図31(B)の例では、画像
データが、左上を始点として右方向に順次書き込まれて
いる。フレームメモリ56Rに格納された画像データ
は、メモリコントローラ63において生成された読み出
しアドレスを示す制御信号Sa4Rに従って、各色毎に
読み出され、DSP回路55R2に入力される。ここ
で、本実施の形態では、メモリコントローラ63におい
て生成されたフレームメモリ56Rに対する書き込みア
ドレスの順序と読み出しアドレスの順序とが異なってい
る。図31(B)の例では、画像データが、左上を始点
として下方向に順次読み出されるような読み出しアドレ
スとなっている。
【0172】図31(C)は、フレームメモリ56Rか
ら読み出されてDSP回路55R2に入力される画像デ
ータを示している。上述のように、本実施の形態では、
フレームメモリ56Rに対する読み出しアドレスの順序
が左上を始点として下方向に向かうようになっているた
め、DSP回路55R2に入力される画像は、図31
(B)で示した画像の状態に対して画像を鏡像反転する
と共に、その反転画像を反時計回りに90°回転するよ
うに画像変換された形となっている。
【0173】DSP回路55R2は、フレームメモリ5
6Rから読み出された横480画素×縦480画素のデ
ータ(図31(C))に対して、縦方向の補正を伴う演
算処理を行う。この演算処理によって、図31(D)に
示したように、例えば、画像の横方向が480画素から
640画素にまで拡大され、横640画素×縦480画
素の画像データが作成される。DSP回路55R2は、
この画像の拡大を行うときに、同時に、補正用データメ
モリ60に格納された補正用データと、インデックス電
極70からの検出信号を解析して得られた補正用のデー
タとに基づいて、縦方向の画歪み等を補正するための演
算処理を行う。
【0174】以上のような演算処理を経て得られた画像
データ(図31(D))に基づいて、電子ビームeBR
の走査を上から下に向けて行うことにより、蛍光面11
上の右側では、図31(E)の斜線領域に示したような
画面表示がなされる。本実施の形態では、上述のよう
に、入力された画像データに対して画歪み等を考慮した
補正処理がなされているため、蛍光面11上に表示され
た右側の画像は画歪み等のない適正な画像表示がなされ
る。図30(E),図31(E)で示した左右の分割画
面は、各々の画歪み等が補正されているので、左右の画
面を繋ぎ合わせると繋ぎ目部分が目立たない適正な画像
表示を行うことが可能となる。
【0175】図32は、本実施の形態において、図7に
示した格子状の基準画像を図4に示した処理回路によっ
て画像の補正を行った後に蛍光面11上に表示される画
像の表示例を表している。この図において、左側の分割
画面は、図30(E)に示した画面に相当し、画素数が
横480画素×縦640画素であり、横11ブロック×
縦16ブロックに分割されている。また、この図におい
て、右側の分割画面は、図31(E)に示した画面に相
当し、ブロック数は、左側と同様である。
【0176】本実施の形態では、上記第1の実施の形態
において、図8,図14等を用いて説明したのと同様
に、図32に示した各格子点を制御点にすると、各格子
点に対して補正用データが与えられるので、例えば、左
側の分割画像についてのみ考えるならば、各格子点
(i,j)(i=1〜11,j=1〜16)の点に対し
て初期状態の移動量Fr(i,j)、Gr(i,j)、
Fg(i,j)、Gg(i,j)、Fb(i,j)、G
b(i,j)が与えられる。この移動量が補正用データ
メモリ60に、初期状態の補正用データ(第1の補正用
データ)として格納される。コントロール部62は、イ
ンデックス信号処理回路61から出力されたインデック
ス信号S2の解析結果を示すデータS3に基づいて、初
期状態の補正用データの微動量ΔFr(i,j)、ΔG
r(i,j)、ΔFg(i,j)、ΔGg(i,j)、
ΔFb(i,j)、ΔGb(i,j)を計算し、初期状
態の補正用データに足し合わせることにより、各DSP
回路55L1,55L2,55R1,55R2に与える
べき補正用データを作成する。本実施の形態において、
コントロール部62によって作成される最終的な補正用
データは、上述の式(A)〜(F)と同様に表される。
【0177】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、例えば、各電子ビームeBL,eBRによるライン
走査を上から下に向けて行い、フィールド走査を、水平
方向に画面中央部分から外側に向けてお互いに反対方向
に行うような場合において、繋ぎ目部分が目立たないよ
うに左右の分割画面を繋ぎ合わせて良好に画像表示を行
うことができる。
【0178】なお、本実施の形態におけるその他の構
成、作用および効果は、上記第1の実施の形態と同様で
ある。
【0179】[第3の実施の形態]次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1および第2の実施の形態における構成要素
と同一の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略す
る。
【0180】上記第1および第2の実施の形態では、隣
接する分割画面の繋ぎ目側における過走査領域OSに、
各電子ビームeBL,eBRの入射に応じて電気的な検
出信号を発生させる導電性の電極を設けるようにした
が、本実施の形態では、電子ビームの入射に応じて光を
発する部材を設けるようにしたものである。
【0181】図34に示した本実施の形態に係る陰極線
管は、図1に示したインデックス電極70に対応する位
置に、各電子ビームeBL,eBRの入射に応じて発光
するインデックス板110が配置されている。本実施の
形態に係る陰極線管は、ファンネル部20におけるイン
デックス板110に対応する領域112に、インデック
ス板110から発せられた光を検出するための光学的に
透明な検出窓が設けられている。ファンネル部20の外
側(管外)において、検出窓に対応する位置には、光検
出器111が設けられている。光検出器111は、アン
プAMP2に接続されている。なお、光検出器111
が、本発明における「光検出手段」の一具体例に対応す
る。
【0182】光検出器111は、インデックス板110
から発せられた光を検出すると共に、検出した光を電気
的な信号に変換して出力する。アンプAMP2は、光検
出器111から出力された信号を増幅してインデックス
信号S2′として出力する。アンプAMP2から出力さ
れたインデックス信号S2′は、上記第1および第2の
実施の形態と同様に、インデックス信号処理回路61
(図4)に入力され、信号の解析が行われる。インデッ
クス信号処理回路61は、インデックス信号S2′の解
析に基づいて、コントロール部62において補正用デー
タの微動量の作成に必要とされるデータS3を出力す
る。インデックス信号処理回路61における検出信号の
解析処理および解析後に出力されるデータS3を用いた
画像データの補正方法は、上記第1および第2の実施の
形態と同様である。
【0183】図35(A),(B)に示したインデック
ス板110Aは、図22(A)に示したインデックス電
極70と同様に、例えば、各電子ビームeBL,eBR
によるライン走査を水平方向に行い、フィールド走査を
上から下に行う場合に利用することができる。
【0184】このインデックス板110Aは、図35
(A)に示したように、長方形の板状の部材で構成され
ている。このインデックス板110Aには、電子ビーム
eBL,eBRの入射に応じて発光する蛍光体120が
設けられている。蛍光体120としては、例えば、短残
光特性のものが望ましく、例えば、P37(ZnS:A
g,Ni)、P46(Y3Al512:Ce)、P47
(Y2SiO5:Ce)等を使用することができる。この
蛍光体120は、図22(A)に示したインデックス電
極70に設けられた切り欠き孔71と同様の逆三角形状
のパターンが形成されるように、インデックス板110
Aの長手方向の中央部全体に設けられている。図35
(A)において、符号121で示した複数の逆三角形状
の領域は、蛍光体120が設けられていない領域であ
る。なお、蛍光体120によって形成するパターンは、
図示したものに限定されるわけではなく、例えば、図2
3に示した各インデックス電極における切り欠き孔のパ
ターンと同様に種々のパターンを適用することが可能で
ある。このように蛍光体120が所定のパターンを形成
して設けられていることにより、インデックス板110
A上を各電子ビームeBL,eBRが通過すると、断続
的に蛍光体120が設けられた部分が発光することにな
る。この発光パターンは、インデックス電極70におい
て検出される電気的な検出信号のパターンに対応させる
ことができる。
【0185】なお、図35(B)で示したように、イン
デックス板110Aの側部を山形に折り曲げておくこと
で、電子ビームeBL,eBRがインデックス板110
Aを走査する際に、インデックス板110Aを外れて蛍
光面11を不用意に発光させてしまうことを防止するこ
とができる。すなわち、図1に示したビームシールド2
7と同様の作用を持たせることができる。
【0186】図36(A),(B)は、インデックス板
の他の構成例を示す構成図である。図36(A),
(B)に示したインデックス板110Bは、図33
(A)に示したインデックス電極70Aと同様に、例え
ば、各電子ビームeBL,eBRによるライン走査を上
から下に向けて行い、フィールド走査を水平方向に行う
場合に利用することができる。このインデックス板11
0Bの構成は、蛍光体120によって形成されるパター
ンの形状が異なる他は、図35に示したインデックス板
110Aと同様である。インデックス板110Bには、
蛍光体120によって、図33(A)に示したインデッ
クス電極70Aに設けられた各切り欠き孔131,13
2と同様の形状のパターンが各切り欠き孔131,13
2に対応する各領域122,123に形成されている。
このように蛍光体120が所定のパターンを形成して設
けられていることにより、インデックス板110B上を
各電子ビームeBL,eBRが通過すると、断続的に蛍
光体120が設けられた部分が発光することになる。こ
の発光パターンは、インデックス電極70Aにおいて検
出される電気的な検出信号のパターンに対応させること
ができる。
【0187】なお、図35(A),(B)および図36
(A),(B)に示したインデックス板110A,11
0Bにおいて、蛍光体120を設ける領域を図示した状
態に対して反転させるようにしてもよい。例えば、図3
5(A),(B)に示したインデックス板110Aにお
いて、符号121で示した複数の逆三角形状の領域にの
み、蛍光体120を設けるようにしてもよい。
【0188】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、管内において、隣接する左右の分割画面の繋ぎ目側
における電子ビームeBL,eBRの過走査領域OS
に、電子ビームeBL,eBRの入射に応じて発光する
インデックス板110を設けると共に、インデックス板
110から発せられた光を光検出器111において検出
してアンプAMP2を介してインデックス信号S2′と
して出力するようにしたので、上記第1および第2の実
施の形態と同様に、インデックス信号S2′に基づいた
画像データの制御が可能となり、位置的にも輝度的にも
繋ぎ目部分が目立たないように左右の分割画面を繋ぎ合
わせて良好に画像表示を行うことができる。また、本実
施の形態によれば、光学的に電子ビームeBL,eBR
の入射に応じた信号を検出するので、上記第1および第
2の実施の形態のように導電性の電極を用いて電気的な
検出信号を導出する方式に比べて、インデックス信号S
2′の高周波特性が優れているという利点がある。
【0189】なお、本実施の形態におけるその他の構
成、作用および効果は、上記第1および第2の実施の形
態と同様である。
【0190】[第4の実施の形態]次に、本発明の第4
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1〜第3の実施の形態における構成要素と同
一の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0191】上記第1〜第3の実施の形態では、図4に
示したように、輝度補正用のDSP回路50L,50R
を、位置補正用のDSP回路55(DSP回路55L
1,55L2,55R1,55R2)の前段に配置し、
輝度の補正処理を位置的な補正処理の前に行うようにし
た。これに対し、本実施の形態では、画像データの位置
的な補正によって及ぼされる輝度補正への影響を減少さ
せるために、輝度の補正処理を位置的な補正処理の後に
行う。
【0192】図37に示した本実施の形態の陰極線管
は、図4に示した輝度補正用のDSP回路50L,50
Rの代わりに、DSP回路55の後段に配置された輝度
補正用のDSP回路50L′,50R′を備えている。
より詳しくは、DSP回路50L′,50R′は、DS
P回路55L2,55R2と、D/A変換器57R,5
7Lとの間に配置されている。DSP回路50L′,5
0R′は、DSP回路50L,50Rと同様に、コント
ロール部62に接続され、コントロール部62から輝度
補正に関する指示が与えられるようになっている。輝度
補正用のDSP回路50L′,50R′以外の構成につ
いては、図4に示した処理回路と同様である。ここで、
主として、輝度補正用のDSP回路50L′,50
R′、D/A変換器57R,57L、インデックス信号
処理回路61およびコントロール部62が、本発明にお
ける「輝度制御手段」の一具体例に対応する。
【0193】本実施の形態に係る陰極線管では、フレー
ムメモリ53に格納されたフレーム単位の画像データ
が、メモリコントローラ54において生成された読み出
しアドレスを示す制御信号Sa2に従って読み出され、
各DSP回路55L1,55R1に出力される。
【0194】フレームメモリ53に格納された各色毎の
画像データのうち、左側の分割画面用の画像データは、
DSP回路55L1、フレームメモリ56LおよびDS
P回路55L2において、補正用データメモリ60に格
納された補正用データと、インデックス電極70からの
検出信号を解析して得られた補正用のデータとに基づい
て、画像を位置的に補正するための補正処理が行われ
る。その後、左側の分割画面用の画像データは、輝度補
正用のDSP回路50L′によって、画像を輝度的に補
正するための補正処理が行われる。DSP回路50L′
による補正処理後の左側の分割画面用の画像データは、
D/A変換器57Lを介して1次元的なアナログの映像
信号に変換され、左側の電子銃31Lの内部に配置され
た図示しないカソードに対して、カソード駆動電圧とし
て与えられる。
【0195】一方、フレームメモリ53に格納された各
色毎の画像データのうち、右側の分割画面用の画像デー
タは、DSP回路55R1、フレームメモリ56Rおよ
びDSP回路55R2において、補正用データメモリ6
0に格納された補正用データと、インデックス電極70
からの検出信号を解析して得られた補正用のデータとに
基づいて、画像を位置的に補正するための補正処理が行
われる。その後、右側の分割画面用の画像データは、輝
度補正用のDSP回路50R′によって、画像を輝度的
に補正するための補正処理が行われる。DSP回路50
R′による補正処理後の右側の分割画面用の画像データ
は、D/A変換器57Rを介して1次元的なアナログの
映像信号に変換され、右側の電子銃31Rの内部に配置
された図示しないカソードに対して、カソード駆動電圧
として与えられる。
【0196】次に、図38〜図41を参照して、本実施
の形態に係る陰極線管において行われる画像データに対
する補正処理と、上記各実施の形態に係る陰極線管によ
って行われる画像データに対する補正処理との差異につ
いて考察する。図38〜図41は、重複領域OLに対応
する画像データの信号波形を示している。これらの図に
おいて、縦軸は、画像信号の信号レベルに対応する輝度
補正用の係数を示し、横軸は、重複領域OLにおける画
素の位置を示している。輝度補正用の係数については、
実際に使用される係数値を256倍した値を示してい
る。また、これらの図において、縦方向に描かれた白い
線の1つ1つが1画素に対応している。
【0197】なお、図38〜図41においては、左側の
分割画面における重複領域OLに対応する信号波形につ
いてのみ示しているが、右側の分割画面についても同様
である。また、以下の説明では、DSP回路における左
側の分割画面の処理について説明するが、右側の分割画
面の処理についても同様である。
【0198】図38は、図4に示した処理回路におい
て、輝度補正用のDSP回路50Lによる輝度補正が行
われた後に、後段の位置補正用のDSP回路55L1に
出力された信号波形について示している。この図に示し
たように、図4に示した処理回路において、輝度の補正
処理が行われることにより出力される信号波形は、上述
したように、左右の分割画面が重ね合わせられたときに
輝度にむらが生じないよう、所定の輝度勾配を持ったも
のとなっている。
【0199】図39および図40は、図4に示した処理
回路において、輝度補正用のDSP回路50Lによる輝
度補正を行い、さらに、後段の位置補正用のDSP回路
55L1,55L2によって位置的な補正処理を行うこ
とにより出力された信号波形について示している。ここ
で、図39は、DSP回路55L1,55L2におい
て、上述の式(9)および図21(C)を用いて説明し
た双一次近似法(線形補間)によって、画素数の補間を
行った場合に得られた信号波形について示している。ま
た、図40は、DSP回路55L1,55L2におい
て、上述の式(10)および図21(D)を用いて説明
したCubic近似法によって、画素数の補間を行った
場合に得られた信号波形について示している。なお、図
39および図40の横軸の最大値が、図38と比較して
大きくなっているが、これは、図38に示した信号に対
して、DSP回路55L1,55L2によって画素数を
拡大するような補間が行われたためである。
【0200】図39および図40に示したように、輝度
の補正処理を位置的な補正処理の前に行った場合には、
輝度補正後の画像データの信号波形が、位置補正用のD
SP回路55L1,55L2において画素数の変換を受
けることにより、凹凸状の変形を受けてしまう。これら
の図に示した例では、凹凸状の変形はわずかであるよう
に見えるが、このようなわずかな変形であっても、実際
の表示画面上では、隣り合う縦の画像ライン間で画像の
表示にむらが出るような、いわゆる「スジむら」として
画像の変形がはっきりと認識される。
【0201】図41は、図37で示した本実施の形態に
おける処理回路によって補正処理を行った場合に得られ
た信号波形を示している。この図に示したように、本実
施の形態の処理回路によって、輝度および位置の補正処
理がなされた後に出力される信号は、図39および図4
0に示した例に比べて、凹凸状の変形が少なく、理想的
な信号波形となっている。すなわち、本実施の形態で
は、輝度的な補正処理が、位置的な補正処理による悪影
響を受けることなく行われている。
【0202】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、画像データの位置的な補正によって及ぼされる輝度
補正への悪影響を減少させるために、輝度の補正処理を
位置的な補正処理の“後”に行うようにしたので、輝度
の補正処理を位置的な補正処理の“前”に行ったときに
比べて、画面のオーバラップ部でのスジむら等を低減で
き、左右の分割画面の繋ぎ合わせをより精度良く行うこ
とができる。
【0203】なお、本実施の形態におけるその他の構
成、作用および効果は、上記第1〜第3の実施の形態と
同様である。
【0204】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実
施の形態では、カラー表示可能な陰極線管について説明
したが、本発明は、モノクロ表示を行う陰極線管にも適
用することが可能である。また、上記各実施の形態で
は、2つの電子銃を備え、2つの走査画面を繋ぎ合わせ
ることにより単一の画面を形成するようにしたものにつ
いて説明したが、本発明は、3つ以上の電子銃を備え、
1つの画面を3つ以上の走査画面を合成して形成するよ
うにしたものにも適用することが可能である。また、上
記各実施の形態では、分割画面を部分的に重複させて1
つの画面を得るようにしたが、重複領域を設けずに、単
に分割画面の端部を線状に繋ぎ合わせることにより1つ
の画面を得るようにしてもよい。
【0205】また、上記第1の実施の形態では、図1に
示したように、各電子ビームeBL,eBRによるライ
ン走査が、画面中央部分から外側に向けてお互いに反対
方向に行われ、フィールド走査が、一般的な陰極線管の
ように、上から下に行われる例について示したが、各電
子ビームeBL,eBRの走査方向はこれに限らず、例
えば、ライン走査を画面外側から画面中央部分に向けて
行うようにすることも可能である。また、上記第2の実
施の形態では、図29に示したように、各電子ビームe
BL,eBRによるフィールド走査を画面中央部分から
外側に向けてお互いに反対方向に行うようにしたが、こ
のフィールド走査についても、例えば、フィールド走査
を画面外側から画面中央部分に向けて行うようにするこ
とも可能である。また、各電子ビームeBL,eBRの
走査方向を同一方向に揃えることも可能である。
【0206】また、上記各実施の形態では、画像信号D
INとしてNTSC方式のアナログコンポジット信号を使
用する例について説明したが、画像信号DINは、これに
限定されるものではない。例えば、画像信号DINとし
て、RGBアナログ信号を使用してもよい。この場合
は、コンポジット/RGB変換器51(図4)を介さず
RGB信号が得られる。また、画像信号DINとして、デ
ジタルテレビジョンで使用されるようなデジタル信号を
入力するようにしてもよい。この場合は、A/D変換器
52(図4)を介さず直接デジタル信号を得ることがで
きる。なお、いずれの画像信号を使用した場合において
も、図4に示した回路例において、フレームメモリ53
以降の回路は、ほぼ同様の回路構成で構わない。
【0207】また、図4に示した回路において、フレー
ムメモリ56L,56Rを構成から省き、DSP回路5
5L1,55R1から出力された画像データを直接DS
P回路55L2,55R2を介して電子銃31L,31
Rに供給するようにしてもよい。さらに、上記各実施の
形態では、入力された画像データに対して横方向の補正
を行った後に縦方向の補正を行うようにしたが、逆に、
縦方向の補正を行った後に横方向の補正を行うようにし
てもよい。さらに、上記各実施の形態では、入力された
画像データの補正と共に画像の拡大を行うようにした
が、画像の拡大を伴わずに画像データの補正を行うよう
にしてもよい。
【0208】また、本発明は、陰極線管に限らず、例え
ば、投影光学系を介して陰極線管等に表示された画像を
スクリーンに拡大投影するようにした投写型の画像表示
装置等、種々の画像表示装置に適用することが可能であ
る。
【0209】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし7
のいずれか1項に記載の画像制御装置もしくは請求項1
5記載の画像制御方法または請求項8ないし14のいず
れか1項に記載の画像表示装置によれば、入力された1
次元的な映像信号を、離散化された2次元の画像データ
に変換する制御を行うと共に、画像表示を行ったとき
に、複数の分割画面が位置的に適正に繋ぎ合わされて表
示されるように、2次元の画像データにおける画素の配
列状態を、時間的且つ空間的に変化させて補正する制御
を行い、次に、画像データの位置的な補正によって及ぼ
される輝度補正への影響を減少させ、複数の分割画面
が、輝度的に適正に繋ぎ合わされて表示されるよう、画
像データの位置的な補正が行われた後に、位置的な補正
とは独立して、画像データを輝度的に補正する制御を行
った後、その補正後の画像データを、再び1次元的な映
像信号に変換して出力する制御を行うようにしたので、
画像データの位置的な補正によって及ぼされる輝度補正
への悪影響が低減され、輝度的にも位置的にも繋ぎ目部
分が目立たなくなるように、複数の分割画面を繋ぎ合わ
せて良好に画像表示を行うことができるという効果を奏
する。
【0210】特に、請求項5記載の画像制御装置または
請求項12記載の画像表示装置によれば、請求項4記載
の画像制御装置または請求項11記載の画像表示装置に
おいて、第1の補正用データに加えて、電子ビーム検出
手段から出力された光または電気的な信号に基づいて得
られた第2の補正用データを用いて、画像データを補正
する演算を行うようにしたので、繋ぎ目部分が目立たな
くなるように、特に、位置的な補正をより精度良く行う
ことができるという効果を奏する。
【0211】また、請求項7記載の画像制御装置または
請求項14記載の画像表示装置によれば、請求項4記載
の画像制御装置または請求項11記載の画像表示装置に
おいて、補正後の画像データにおける代表的な複数の画
素の各々の画素値を、補正前の画像データにおいて、代
表的な画素に対する移動量分だけずれた位置にある画素
値を用いて演算し、補正後の画像データにおける他の画
素の画素値を、補正前の画像データにおいて、代表的な
画素の移動量から推定して求められた適正な表示位置か
らの移動量分だけずれた位置にある画素値を用いて演算
するようにしたので、代表的な画素にのみ補正用データ
が与えられ、それ以外の画素における補正用データは代
表的な画素の補正用データから推測することができるの
で、補正用データの総量の削減が可能であると共に、補
正に要する作業時間を短縮することが可能となるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置
の一例である陰極線管の概略を示す図であり、(A)
は、陰極線管のA−A線断面図、(B)は、陰極線管に
おける電子ビームの走査方向を示す正面図である。
【図2】図1に示した陰極線管におけるインデックス電
極の周辺の回路素子によって形成される回路の等価回路
を示す回路図である。
【図3】図2に示したインデックス電極周辺の回路の周
波数特性を示す特性図である。
【図4】図1に示した陰極線管における信号処理回路の
構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示した信号処理回路において、左側の分
割画面用の画像データに対して行われる演算処理の具体
例を示す説明図である。
【図6】図4に示した信号処理回路において、右側の分
割画面用の画像データに対して行われる演算処理の具体
例を示す説明図である。
【図7】図1に示した陰極線管において、画像データの
補正に用いられる基準画像の一例を示す説明図である。
【図8】図4に示した信号処理回路によって画像の補正
を行った後に、蛍光面上に表示される基準画像の表示例
を表す説明図である。
【図9】図4に示した処理回路において用いられる補正
用データの概略を示す説明図である。
【図10】図4に示した処理回路において、補正用デー
タを用いた補正演算が行われなかった場合における入力
画像の変形状態を示す説明図である。
【図11】図4に示した処理回路において、補正用デー
タを用いた補正演算を行った場合における入力画像の変
形状態を示す説明図である。
【図12】図4に示した処理回路における補正演算処理
の第1の方法について示す説明図である。
【図13】図4に示した処理回路における補正演算処理
の第2の方法について示す説明図である。
【図14】図4に示した処理回路における補正演算処理
の第3の方法において用いられる制御点を示す説明図で
ある。
【図15】図4に示した処理回路における補正演算処理
の第3の方法において用いられる内挿補間について示す
説明図である。
【図16】図4に示した処理回路における補正演算処理
の第3の方法において用いられる外挿補間について示す
説明図である。
【図17】図4に示した処理回路において行われる画素
数の変換について説明するための図であり、画像の拡大
等を行う前の原画像の一例を示す説明図である。
【図18】図17に示した原画像の大きさを拡大した画
像の一例を示す説明図である。
【図19】図17に示した原画像における画素位置と図
18に示した拡大画像における画素位置との関係を示す
図である。
【図20】図17に示した原画像に対して画素数を拡大
した画像の一例を示す説明図である。
【図21】図4に示した処理回路において行われる画素
数の変換をするための補間フィルタに用いられる関数の
一例を示す説明図である。
【図22】図1に示した陰極線管におけるインデックス
電極の構造およびこのインデックス電極を用いた位置検
出動作を説明するための説明図である。
【図23】図22に示したインデックス電極の他の構成
例を示す外観図である。
【図24】図22に示したインデックス電極のさらに他
の構成例を示す外観図である。
【図25】図1に示した陰極線管における各分割画面の
位置と輝度の変調波形との関係を3次元的に表した説明
図である。
【図26】図1に示した陰極線管において、輝度に相当
するカソード電流と変調波形との関係の一例を示した説
明図である。
【図27】図1に示した陰極線管において、輝度に相当
するカソード電流と変調電圧の波形との関係の他の例を
示した説明図である。
【図28】図1に示した陰極線管において、電子ビーム
の走査位置と輝度の変調制御のタイミングとの関係を示
した説明図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装
置の一例である陰極線管の電子ビームの走査方向につい
て示す説明図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態において、左側の
分割画面用の画像データに対して行われる演算処理の具
体例を示す説明図である。
【図31】本発明の第2の実施の形態において、右側の
分割画面用の画像データに対して行われる演算処理の具
体例を示す説明図である。
【図32】本発明の第2の実施の形態において、図7に
示した基準画像に基づく画像表示を行った場合の表示例
を示す説明図である。
【図33】本発明の第2の実施の形態に係る陰極線管に
おけるインデックス電極の構造およびこのインデックス
電極を用いた位置検出動作を説明するための説明図であ
る。
【図34】本発明の第3の実施の形態に係る画像表示装
置の一例である陰極線管の概略を示す構成図である。
【図35】図34に示した陰極線管におけるインデック
ス板の一例を示す構成図である。
【図36】図34に示した陰極線管におけるインデック
ス板の他の例を示す構成図である。
【図37】本発明の第4の実施の形態に係る画像表示装
置の一例である陰極線管の信号処理回路の構成を示すブ
ロック図である。
【図38】図4に示した処理回路において、輝度補正用
のDSP回路から出力される信号波形について示す説明
図である。
【図39】図4に示した処理回路において、位置補正用
のDSP回路によって、線形補間による画素数の変換を
伴う位置的な補正処理を行うことにより出力された信号
波形を示す説明図である。
【図40】図4に示した処理回路において、位置補正用
のDSP回路によって、Cubic近似法による画素数
の変換を伴う位置的な補正処理を行うことにより出力さ
れた信号波形を示す説明図である。
【図41】図37で示した処理回路によって補正処理を
行った場合に得られた信号波形を示す説明図である。
【符号の説明】
eBL,eBR…電子ビーム、OS…過走査領域、S2
…インデックス信号、10…パネル部、11…蛍光面、
12…色選別機構、13…フレーム、14…支持ばね、
20…ファンネル部、21L,21R…偏向ヨーク、2
2…内部導電膜、23…外部導電膜、70,70A…イ
ンデックス電極、26…リード線、30L,30R…ネ
ック部、31L,31R…電子銃、32L,32R…コ
ンバーゼンスヨーク、50L,50R,50L′,50
R′,55L1,55L2,55R1,55R2…DS
P回路、51…コンポジット/RGB変換器、52…A
/D変換器、53,56L,56R…フレームメモリ、
54,63…メモリコントローラ、57L,57R…D
/A変換器、60…補正用データメモリ、61…インデ
ックス信号処理回路、62…コントロール部、64…撮
像装置、110,110A,110B…インデックス
板、111…光検出器、120…蛍光体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/68 H04N 5/68 C 9/20 9/20 9/24 9/24 C 9/28 9/28 A

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の分割画面を繋ぎ合わせることによ
    り単一の画面を形成し、1次元的に入力された映像信号
    に基づく画像表示を行うようにした画像表示装置に表示
    される画像の補正を行うための画像制御装置であって、 入力された1次元的な映像信号を、離散化された2次元
    の画像データに変換する制御を行うと共に、画像表示を
    行ったときに、前記複数の分割画面が位置的に適正に繋
    ぎ合わされて表示されるように、前記2次元の画像デー
    タにおける画素の配列状態を、時間的且つ空間的に変化
    させて補正する制御を行う位置制御手段と、 前記画像データの位置的な補正によって及ぼされる輝度
    補正への影響を減少させ、前記複数の分割画面が、輝度
    的に適正に繋ぎ合わされて表示されるよう、前記画像デ
    ータの位置的な補正が行われた後に、位置的な補正とは
    独立して、前記画像データを輝度的に補正する制御を行
    った後、その補正後の画像データを、再び1次元的な映
    像信号に変換して出力する制御を行う輝度制御手段とを
    備えたことを特徴とする画像制御装置。
  2. 【請求項2】 前記位置制御手段は、 前記複数の分割画面が横方向において位置的に適正に繋
    ぎ合わされて表示されるよう、前記画像データにおける
    画素の配列状態を横方向に補正する演算を行う第1の演
    算手段と、 前記複数の分割画面が縦方向において位置的に適正に繋
    ぎ合わされて表示されるよう、前記画像データにおける
    画素の配列状態を縦方向に補正する演算を行う第2の演
    算手段とを有することを特徴とする請求項1記載の画像
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記位置制御手段は、さらに、 前記第1の演算手段から出力された画像データを、書き
    込みアドレスに従った順序で横方向に順次記憶すると共
    に、記憶した画像データを縦方向に読み出し、画像デー
    タの状態を90°変換した状態で出力可能な画像データ
    記憶手段と、 前記画像データ記憶手段に対する画像データの書き込み
    アドレスを生成すると共に、前記画像データ記憶手段に
    記憶された画像データの読み出しアドレスを前記書き込
    みアドレスの順序とは異なる順序で生成可能なアドレス
    生成手段とを有することを特徴とする請求項2記載の画
    像制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の演算手段および前記第2の演
    算手段は、画面に表示された画像から得られた、画像の
    表示状態を補正するための第1の補正用データに基づい
    て、前記画像データを補正する演算を行うことを特徴と
    する請求項2記載の画像制御装置。
  5. 【請求項5】 前記画像表示装置は、有効画面およびこ
    の有効画面外の過走査領域の走査を行うための複数の電
    子ビームを放射する複数の電子銃と、隣接する分割画面
    の繋ぎ目側における電子ビームの過走査領域に設けられ
    ると共に、前記電子ビームの入射に応じて光または電気
    的な信号を出力する電子ビーム検出手段とを備えた陰極
    線管であり、 前記第1の演算手段および前記第2の演算手段は、前記
    第1の補正用データに加えて、前記電子ビーム検出手段
    から出力された光または電気的な信号に基づいて得られ
    た第2の補正用データを用いて、前記画像データを補正
    する演算を行うことを特徴とする請求項4記載の画像制
    御装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の補正用データは、画面に表示
    された画像を表す離散化された2次元の画像データにお
    ける各画素の適正な表示位置からの移動量に関するデー
    タであり、 前記第1の演算手段および前記第2の演算手段によって
    補正された補正後の画像データの各画素値は、補正前の
    画像データにおいて、前記移動量分だけずれた位置にあ
    る画素値を用いて演算されることを特徴とする請求項4
    記載の画像制御装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の補正用データは、画面に表示
    された画像を表す離散化された2次元の画像データにお
    ける代表的な複数の画素の各々に対する適正な表示位置
    からの移動量に関するデータであり、 前記第1の演算手段および前記第2の演算手段によって
    補正された補正後の画像データにおける代表的な複数の
    画素の各々の画素値は、補正前の画像データにおいて、
    前記代表的な画素に対する移動量分だけずれた位置にあ
    る画素値を用いて演算され、 前記補正後の画像データにおける代表的な複数の画素以
    外の他の画素の画素値は、前記補正前の画像データにお
    いて、前記代表的な画素の移動量から推定して求められ
    た適正な表示位置からの移動量分だけずれた位置にある
    画素値を用いて演算されることを特徴とする請求項4記
    載の画像制御装置。
  8. 【請求項8】 複数の分割画面を繋ぎ合わせることによ
    り単一の画面を形成し、1次元的に入力された映像信号
    に基づく画像表示を行うようにした画像表示装置であっ
    て、 入力された1次元的な映像信号を、離散化された2次元
    の画像データに変換する制御を行うと共に、画像表示を
    行ったときに、前記複数の分割画面が位置的に適正に繋
    ぎ合わされて表示されるように、前記2次元の画像デー
    タにおける画素の配列状態を、時間的且つ空間的に変化
    させて補正する制御を行う位置制御手段と、 前記画像データの位置的な補正によって及ぼされる輝度
    補正への影響を減少させ、前記複数の分割画面が、輝度
    的に適正に繋ぎ合わされて表示されるよう、前記画像デ
    ータの位置的な補正が行われた後に、位置的な補正とは
    独立して、前記画像データを輝度的に補正する制御を行
    った後、その補正後の画像データを、再び1次元的な映
    像信号に変換して出力する制御を行う輝度制御手段と、 前記輝度制御手段から出力された映像信号に基づいて画
    像を表示する画像表示手段とを備えたことを特徴とする
    画像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記位置制御手段は、 前記複数の分割画面が横方向において位置的に適正に繋
    ぎ合わされて表示されるよう、前記画像データにおける
    画素の配列状態を横方向に補正する演算を行う第1の演
    算手段と、 前記複数の分割画面が縦方向において位置的に適正に繋
    ぎ合わされて表示されるよう、前記画像データにおける
    画素の配列状態を縦方向に補正する演算を行う第2の演
    算手段とを有することを特徴とする請求項8記載の画像
    表示装置。
  10. 【請求項10】 前記位置制御手段は、さらに、 前記第1の演算手段から出力された画像データを、書き
    込みアドレスに従った順序で横方向に順次記憶すると共
    に、記憶した画像データを縦方向に読み出し、画像デー
    タの状態を90°変換した状態で出力可能な画像データ
    記憶手段と、 前記画像データ記憶手段に対する画像データの書き込み
    アドレスを生成すると共に、前記画像データ記憶手段に
    記憶された画像データの読み出しアドレスを前記書き込
    みアドレスの順序とは異なる順序で生成可能なアドレス
    生成手段とを有することを特徴とする請求項9記載の画
    像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の演算手段および前記第2の
    演算手段は、画面に表示された画像から得られた、画像
    の表示状態を補正するための第1の補正用データに基づ
    いて、前記画像データを補正する演算を行うことを特徴
    とする請求項9記載の画像表示装置。
  12. 【請求項12】 さらに、有効画面およびこの有効画面
    外の過走査領域の走査を行うための複数の電子ビームを
    放射する複数の電子銃と、 隣接する分割画面の繋ぎ目側における電子ビームの過走
    査領域に設けられると共に、前記電子ビームの入射に応
    じて光または電気的な信号を出力する電子ビーム検出手
    段とを備え、 前記第1の演算手段および前記第2の演算手段は、前記
    第1の補正用データに加えて、前記電子ビーム検出手段
    から出力された光または電気的な信号に基づいて得られ
    た第2の補正用データを用いて、前記画像データを補正
    する演算を行うことを特徴とする請求項11記載の画像
    表示装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の補正用データは、画面に表
    示された画像を表す離散化された2次元の画像データに
    おける各画素の適正な表示位置からの移動量に関するデ
    ータであり、 前記第1の演算手段および前記第2の演算手段によって
    補正された補正後の画像データの各画素値は、補正前の
    画像データにおいて、前記移動量分だけずれた位置にあ
    る画素値を用いて演算されることを特徴とする請求項1
    1記載の画像表示装置。
  14. 【請求項14】 前記第1の補正用データは、画面に表
    示された画像を表す離散化された2次元の画像データに
    おける代表的な複数の画素の各々に対する適正な表示位
    置からの移動量に関するデータであり、 前記第1の演算手段および前記第2の演算手段によって
    補正された補正後の画像データにおける代表的な複数の
    画素の各々の画素値は、補正前の画像データにおいて、
    前記代表的な画素に対する移動量分だけずれた位置にあ
    る画素値を用いて演算され、 前記補正後の画像データにおける代表的な複数の画素以
    外の他の画素の画素値は、前記補正前の画像データにお
    いて、前記代表的な画素の移動量から推定して求められ
    た適正な表示位置からの移動量分だけずれた位置にある
    画素値を用いて演算されることを特徴とする請求項11
    記載の画像表示装置。
  15. 【請求項15】 複数の分割画面を繋ぎ合わせることに
    より単一の画面を形成し、1次元的に入力された映像信
    号に基づく画像表示を行うようにした画像表示装置に表
    示される画像の補正を行うための画像制御方法であっ
    て、 入力された1次元的な映像信号を、離散化された2次元
    の画像データに変換する制御を行うと共に、画像表示を
    行ったときに、前記複数の分割画面が位置的に適正に繋
    ぎ合わされて表示されるように、前記2次元の画像デー
    タにおける画素の配列状態を、時間的且つ空間的に変化
    させて補正する制御を行い、 前記画像データの位置的な補正によって及ぼされる輝度
    補正への影響を減少させ、前記複数の分割画面が、輝度
    的に適正に繋ぎ合わされて表示されるよう、前記画像デ
    ータの位置的な補正が行われた後に、位置的な補正とは
    独立して、前記画像データを輝度的に補正する制御を行
    った後、その補正後の画像データを、再び1次元的な映
    像信号に変換して出力する制御を行うことを特徴とする
    画像制御方法。
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