JP2000265390A - 印刷用紙 - Google Patents
印刷用紙Info
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Abstract
提供すること。 【解決手段】 紙中に、密度0.01〜0.50g/m3の範囲
の疎水性シリカエアロゲル微粒子を、パルプに対して1
〜30重量%含有させる。
Description
/cm3の疎水性エアロゲル微粒子を含む、嵩高な、若
しくは軽量化された印刷用紙に関する。
い、資源の有効利用や運搬の省エネルギーの観点から印
刷用紙及び新聞用紙等の軽量化が求められている。
あるため、最近、書籍や百科事典の内容をCDなどのよ
りコンパクトな情報媒体に情報を収めることが大きな流
れとなりつつある。しかし、一方、紙が安価で経済的で
あり、また、手軽さ、一覧性、及びリサイクル性に特徴
があるため、CDなどの高密度情報媒体と共存する動き
も見られる。
されている新聞印刷用紙は、一般的に、メカニカルパル
プや脱墨パルプ(以下、「脱墨パルプ」を「DIP」と
略す)を主体とする紙であり、中・下級紙に分類される
紙でありながら、他方では、新聞印刷は、指定された時
間帯の指定された時間内に、指定された部数を確実に印
刷して、規定の時間内に配送しなければならず、一般印
刷用紙以上に厳しい品質や軽量化を要求されている。こ
の点では、新聞印刷用紙は、特殊な紙であり、紙の分類
上も独自な分類がされている。最近の新聞印刷用紙は、
軽量化、DIPの高配合化などが求められており、これ
らの点によるマイナス面を克服しながら、各種の改良を
行う必要がある。
の増大の関係から部数増大の傾向が強くなっているが、
最終的に人の力による配達されるのでより軽量化が望ま
れている。
せる、即ち薄くすることにより、軽量化する方法の他、
比較的嵩高いパルプ原料の選択により嵩高さを求める方
法や比重の小さい填料、中空粒子、熱膨張中空粒子を配
合する方法がある。
維壁の厚さが繊維幅の0.55倍であるパルプ紙料に平均粒
子径1〜20ミクロンで比重が1.0〜2.0の填料(尿素樹脂
系填料、合成シリカ等)を20%以下添加することによ
り、平滑度50秒以上、密度0.7g/cm3以下の印刷用紙
が記載されている。特開平3-124895号公報には、特定の
粒子径の中空状バテライト型炭酸カルシウムを添加した
中性紙が記載されている。特開平3-234887号公報には、
膨張繊維(フィブリル化した化学パルプ化繊維)と不透
明鉱物顔料を添加した密度1.0g/cm3以下の高不透明
紙が記載されている。特開平4-241192号公報には、特定
の規定を設けたリファイナー素子を有するパルプ叩解機
を使用し、且つ特定の叩解動力で叩解したメカニカルパ
ルプを20%以上含有する密度0.7g/cm3以下の印刷用
紙の製造方法が記載されている。特開平5-98593号公報
には、全パルプ中の65〜95%(重量)が機械パルプ
(例;加圧ストーングランドパルプ)であり、且つ機械
パルプ中の20〜80%が松材系のサーモメカニカルパルプ
から構成される紙支持体上に酸化澱粉を塗工した嵩高な
オフセット印刷用中質紙が記載されている。特開平5-33
9898号公報及び特開平6-212598号公報には、発泡性粒子
をパルプ中に混抄することにより、均一な発泡シートの
製造方法が記載されている。
カニカルパルプを使用する場合には、メカニカルパルプ
が主体である中質紙のような低いグレードの用紙のみが
対象である(上質紙には使用できない)、高白色度が得
られにくい、変色し易い、印刷適性の向上のために必要
な50秒以上の高平滑度が得られにくい、といった欠点が
ある。
泡性粒子が加熱により膨張するので、均一な紙層の形成
が困難であり、強度が低下する欠点がある。
繊維の種類、叩解、調成、抄紙、仕上げ等を工夫して行
われる。しかし、表面性等の品質を損なわず、嵩高にす
ることは極めて困難であり、本来の品質を保持しようと
すれば、嵩高性は限られたもになる。従って、十分満足
できるような高品位の嵩高な印刷用紙は存在しなかっ
た。
出にくい広葉樹晒クラフトパルプ(以下LBKPと略
す)、あるいは脱墨パルプを使用しても、通常のLBK
Pを主体とした印刷用紙に近い性質を有する新規の嵩高
な、あるいは軽量化された印刷用紙を提供することを課
題とした。
〜0.50g/cm3で、適度に疎水化したシリカエアロゲ
ル微粒子をパルプに対して1〜30重量%含有させること
により達成された。
ばれ、光透過性、断熱性に優れ、しかも気体並みの低屈
折率及び誘電性を合わせ持つ、極めて特殊な固体であ
る。例えば光透過性と断熱性に着目した場合、透明断熱
材として活用可能である。また、光透過性と低屈折性に
着目した場合、高エネルギー物理分野でのチェレンコフ
検出器の媒体等として利用される他、宇宙塵の補集材、
触媒単体、吸着剤、フィルター、光ファイバー等様々な
分野で活用が期待されている。しかし、このシリカエア
ロゲルは水や湿気を容易に吸着し、構造の変化を伴いな
がら性能が劣化していくという欠点を有しており、工業
的利用に至っていなかった。最近、シリカエアロゲルの
骨格形成の基本単位である2〜3nmの1次粒子に対して
疎水化処理することにより経時劣化のないシリカエアロ
ゲルが開発されている。しかし、このようなシリカエア
ロゲルを紙に抄き込み、嵩高な印刷用紙若しくは軽量化
された印刷用紙を作製できることは知られていなかっ
た。
アロゲル微粒子の製造方法の一例を、以下に示す。アル
コキシシラン、例えば、メチルシリケート、エチルシリ
ケート等のオリゴマーと、エタノール、水、アンモニア
を混合配合すると、アルコールを分散媒とするゲル(以
下アルコゲルと呼ぶ)が得られる。このアルコゲルを数
日養成した後、アルコールで洗浄し、アルコゲルを耐水
化剤であるヘキサメチルシラザン溶液に浸積し、アルコ
ゲルのOH基をトリメチルシラン(−Si(CH3)3、
以下TMSと略す)で修飾した。TMS修飾したアルコ
ゲルをアルコールで洗浄し、超臨界状態で乾燥して、疎
水性シリカエアロゲルを得られる。続いて、超臨界乾燥
により作製された板状の塊を湿式粉砕して粒径10〜500
ミクロンの範囲に調製し、疎水性シリカエアロゲル微粒
子が得られる。この疎水性シリカエアロゲルは、数nm
のシリカ粒子がネックレス状に連結した直径10〜100n
m程度の空隙を有する多孔性粒子で、密度が0.01〜0.50
g/cm3である。
数有しており、大部分が空気(密度が0.1g/cm3の場
合、約90%が空気)であるため、通常では液面上に浮い
てしまい、水系でパルプとともに抄き込むことは極めて
困難である。しかし、本発明者等は鋭意研究の結果、疎
水化されていても界面活性剤や保護コロイド性の分散ポ
リマーの存在で磨細、分散処理することによって、シリ
カエアロゲル微粒子を水中に分散した状態にすることが
可能であり、また、分散状態の疎水性シリカエアロゲル
微粒子はパルプスラリーと均一に分散・混合できること
を見出した。疎水性シリカエアロゲル微粒子とパルプス
ラリーと均一に分散したスラリーを抄紙することによ
り、疎水性シリカエアロゲル微粒子を紙層中に抄き込む
ことが可能となる。
ロゲル微粒子は、水分に対して安定性を保持するために
ある程度疎水化される必要があるが、紙層に抄き込んで
使用するため、完全に疎水化したシリカエアロゲルでな
くてもよい。木材パルプ繊維は中空であり、乾燥すると
多くの空気を含む形状を有している。しかし、木材パル
プ繊維はセルロース繊維であり、繊維同志が水素結合に
よって結合するため、嵩が減少してしまう。この時、本
発明の疎水性シリカエアロゲル微粒子を内添すると、パ
ルプ繊維間の水素結合を阻害することによって、嵩高と
なる。疎水性シリカエアロゲル微粒子を過剰配合すると
繊維間の水素結合を極度に低下させる。しかし、配合比
率は使用目的によって決定される。紙質強度を下げて
も、できるだけ嵩高若しくは軽量化する必要がある場
合、疎水性シリカエアロゲル微粒子の添加比率を上げる
必要がある。
/cm3の疎水性シリカエアロゲルは、粒径10〜500ミク
ロンの微粒子にすることによって水系の溶媒に均一に分
散させることが可能である。この分散させた疎水性シリ
カエアロゲル微粒子はパルプスラリーに混合して、抄紙
することにより、紙層中に抄き込むことが可能となる。
疎水性シリカエアロゲル微粒子を均一に含有する紙シー
トは、カレンダー処理を行っても直径数十nmの空隙構
造が失われないので、安定した嵩高さを保持できる。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
アルコキシシランとしてメチルシリケートのオリゴマー
を用い、これにエタノール、水、アンモニアを混合配合
するとエタノールを分散媒とするゲル(以下アルコゲル
と呼ぶ)が得られる。このアルコゲルを数日養成した
後、エタノールで洗浄してアルコゲルを耐水化剤である
ヘキサメチルシラザン溶液に浸積し、アルコゲルのOH
基をトリメチルシラン基で修飾した。トリメチルシラン
基修飾したアルコゲルをエタノールで洗浄した後、超臨
界状態で乾燥してシリカエアロゲルを得た。このシリカ
エアロゲル20gに対して、10%ポリビニルアルコール水
溶液を200cc添加し、150ccのガラスビーズとともに
攪拌して2時間湿式磨細し、疎水性シリカエアロゲル微
粒子(密度0.15g/cm3)分散液を調整した。
LBKPに、前述の湿式磨細した疎水性シリカエアロゲ
ル微粒子を3重量%となるように添加した。よく攪拌し
ながら丸型手抄機で手抄紙を作製し、片面を金属板に貼
り付けプレスして50℃で乾燥した。この時、紙中の疎水
性シリカエアロゲル微粒子の含有率は1.0重量%であっ
た。また、手抄紙の金属板を貼り付けた面を、以下の項
目について紙質を測定し、結果を表1に示した。 坪量:JIS P 81241976に従って測定した。 紙厚、密度:JIS P 81181994に従って測定し
た。 白色度:JIS P 81481993に従って測定した。 不透明度:JIS P 81381976に従って測定し
た。 破裂強さ:JIS P 81121994に従って測定し
た。 引裂強さ:JIS P 81161994に従って測定し
た。 引張り強さ:JIS P 81131994に従って測定し
た。 耐折強さ:JIS P 81151994に従って測定し
た。 平滑度:JIS P 81191994に従って測定した。 透気度:JIS P 81171980に従って測定した。
リカエアロゲル微粒子を9重量%添加して、実施例1と
同様に手抄紙を作製した。この時、紙中の疎水性シリカ
エアロゲル微粒子の含有率は5.6重量%であり、紙質の
測定結果を表1に示した。
リカエアロゲル微粒子を20重量%添加して、実施例1と
同様に手抄紙を作製した。この時、紙中の疎水性シリカ
エアロゲル微粒子の含有率は7.7重量%であり、紙質の
測定結果を表1に示した。
子を添加しないで、実施例1と同様に手抄紙を作製し、
紙質の測定結果を表1に示した。
リカエアロゲル微粒子を1重量%添加して実施例1と同
様に手抄紙を作製したが、疎水性シリカエアロゲルの紙
中の含有量は測定できなかった。紙質の測定結果を表1
に示した。
有する紙は明らかに密度は減少し、嵩高若しくは軽量化
した紙が得られる。
ー処理して紙質を測定し、結果を表2に示した。
ー処理して紙質を測定し、結果を表2に示した。
ー処理して紙質を測定し、結果を表2に示した。
紙厚が20%増加し、密度は18%低下し、白色度や不透明
度は同等である。一方、強度は若干低下するものの、平
滑度は100秒以上を確保できる。すなわち、カレンダー
処理した場合でも疎水性シリカエアロゲル微粒子を含有
する紙は明らかに嵩高であり、通常の印刷用紙として使
用することが可能で、コート用原紙としても使用可能で
ある。
あるいは軽量化しか達成することができなかったが、本
発明の疎水性シリカエアロゲルを使用することにより、
これまでになかった印刷適性等の紙質を維持した嵩高な
印刷用紙即ち軽量化された印刷用紙が得られた。本発明
の軽量化紙によって紙の弱点であった束ねると重いとい
う欠点を大幅に解消できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 木材パルプを主体とする印刷用紙におい
て、密度0.01〜0.50g/cm3の疎水性シリカエアロゲ
ルの微粒子をパルプに対して1〜30重量%含むことを特
徴とする印刷用紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07031999A JP3271607B2 (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 印刷用紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07031999A JP3271607B2 (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 印刷用紙 |
Publications (2)
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---|---|
JP2000265390A true JP2000265390A (ja) | 2000-09-26 |
JP3271607B2 JP3271607B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=13428025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07031999A Expired - Fee Related JP3271607B2 (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 印刷用紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3271607B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009084718A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Oji Paper Co Ltd | 嵩高上質印刷用紙 |
US7691909B2 (en) | 2004-09-24 | 2010-04-06 | Kansas State University Research Foundation | Aerosol gels |
JP2012025045A (ja) * | 2010-07-23 | 2012-02-09 | Ricoh Co Ltd | 記録紙及び画像形成方法 |
CN109844222A (zh) * | 2016-07-12 | 2019-06-04 | 皮埃蒙特阿阿伏伽德罗东方大学 | 介孔二氧化硅的用途 |
-
1999
- 1999-03-16 JP JP07031999A patent/JP3271607B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7691909B2 (en) | 2004-09-24 | 2010-04-06 | Kansas State University Research Foundation | Aerosol gels |
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CN109844222A (zh) * | 2016-07-12 | 2019-06-04 | 皮埃蒙特阿阿伏伽德罗东方大学 | 介孔二氧化硅的用途 |
US11142868B2 (en) * | 2016-07-12 | 2021-10-12 | Universita Degli Studi Del Piemonte Orientale “A. Avogadro” | Use of mesoporous silica |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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