JP2012025045A - 記録紙及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて画像の色調を良好に再現することができる記録紙を提供する。
【解決手段】少なくとも、光を拡散反射させる反射層を有し、表面にトナーからなる画像が記録される記録紙100において、反射層として機能する塗工層100cの上に、表面層100eを設けるとともに、表面層100eと塗工層100cとの間に配設され且つ表面層100eよりも低い屈折率の低屈折率層100dを設けた。これにより、塗工層100cで拡散反射した光を低屈折率層100dと表面層100eとの間で紙面に直交する方向に近い角度に補正して、明度と鮮やかさとを向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像を記録するための記録紙、及び記録紙に画像を形成する画像形成方法に関するものである。
従来、画像を記録するための記録紙として、紙繊維からなる原紙シートの表面に、塗工層をコートしたコート紙が知られている(例えば特許文献1に記載のもの)。コート紙は、表面の塗工層が良好な光沢性を発揮することから、画像に光沢性を付与することができる。
しかしながら、従来のコート紙は、画像に光沢性を付与することができるものの、オリジナル画像の色を忠実に再現できるものではなかった。具体的には、画像形成技術の分野では、色再現性の成績を判定する基準として、「枚葉印刷用ジャパンカラー2007」と呼ばれる標準印刷色が規定されている。インクジェット方式や電子写真方式のプリンタにより、その「枚葉印刷用ジャパンカラー2007」の色見本チャートを従来のコート紙に印刷した後、色見本チャートを測色してみると、測色結果が本来の色から大きくずれているのが一般的である。従来のコート紙において、良好な色再現性が得られない原因には、塗工層の光反射性が関与している。より詳しくは、コート紙の塗工層は、自らの表面で光を拡散反射させることで、画像に光沢性を付与することが可能であるが、入射光の大部分を観察者の目に届かない方向に拡散反射させてしまう。このため、明るく且つあざやかな画像である場合には、その画像の明度や彩度を忠実に伝えられるほどの多くの反射光を観察者の目に届かせることができないことから、良好な色再現性が得られないのである。
なお、コート紙について詳しく説明したが、表面に塗工層を設けていない普通紙などにおいても、コート紙と同様に、画像の明度や彩度を忠実に伝えられるほどの多くの反射光を観察者の目に届かせることができないことから、良好な色再現性を得ることが困難である。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来に比べて画像の色調を良好に再現することができる記録紙及び画像形成方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、少なくとも、光を拡散反射させる反射層を有し、表面に画像形成物質からなる画像が記録される記録紙において、前記反射層の上に、表面層を設けるとともに、前記表面層と前記反射層との間に配設され且つ前記表面層よりも低い屈折率の低屈折率層を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の記録紙であって、前記表面層の屈折率が1.45以上であり、且つ、前記低屈折率層の屈折率が1.45未満であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の記録紙であって、前記低屈折率層が、母材固体に、これよりも屈折率の低い固体材料を分散せしめた材料からなるものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の記録紙であって、前記低屈折率層が、母材固体中に、これよりも屈折率の低い気体材料を散在せしめた材料からなるものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの記録紙であって、前記表面層の厚みが5[μm]以上であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、記録紙に対して画像形成物質を付着させて画像を形成する画像形成方法において、前記記録紙として、請求項1乃至5の何れかの記録紙を用いることを特徴とするものである。
これらの発明においては、本発明者らが後述する実験で明らかにしたように、記録紙の反射層の表面上で拡散反射した拡散反射光の進行方向を、反射層の上に積層された低屈折率層と表面層とにより、紙面に垂直な方向に近づけるように屈折させる。これにより、従来のコート紙に比べて、より多くの反射光を観察者の目に到達させることで、明るく且つあざやかな画像であっても、その画像の色調を良好に再現することができる。
実施形態に係る記録紙を示す拡大断面図。 テストプリントで出力したCパッチ状ベタ部を測色した結果におけるL*とC*との関係を示すグラフ。 テストプリントで出力したCパッチ状ベタ部を測色した結果におけるb*とa*との関係を示すグラフ。 従来のコート紙における光の挙動を説明するための拡大模式図。 実施形態に係る記録紙における光の挙動を説明するための拡大模式図。 第1変形例に係る記録紙を示す断面模式図。 第2変形例に係る記録紙を示す断面模式図。 実施形態に係る画像形成方法に用いられる複写機のプリンタ部の要部構成を示す構成図。 同プリンタ部に搭載された画像データ処理装置の回路を示すブロック図。
以下、本発明を適用した記録紙の実施形態について説明する。
実施形態に係る記録紙は、インク、印刷材、トナーなどの画像形成剤が表面に付着せしめられることで、表面に画像が記録されるものである。インクは、インクジェット方式の画像形成で用いられる画像形成剤である。また、印刷材は、オフセット印刷機などで用いられる画像形成剤である。また、トナーは、電子写真方式の画像形成で用いられる画像形成剤である。近年においては、特に、高画質で且つオンデマンドにも対応し得る電子写真方式の画像形成に対応し得る記録紙の開発が望まれている。具体的には、インクジェット方式においては、記録紙として、塗工層のない普通紙を使用するとインクの浸透による滲みが発生し易くなる一方で、コート紙を用いると浸透しないインクのダレやが発生し易くなることから、高画質化が困難である。また、オフセット印刷においては、高画質化を実現することが可能であるが、印刷材を刷るための印刷版が必要になることから、オンデマンドの生産に不向きで且つコスト高になるという不具合がある。これらに対し、電子写真方式は、印刷版を必要とせず、電子画像データさえあればどのような画像もすぐに出力することが可能であることから、オンデマンドの生産に柔軟に対応し且つ低コストで高画質を実現することが可能である。このため、商業用ポスターなど、バリアブル印刷をはじめとする広告用印刷品においても、オフセット印刷に代えて、電子写真方式で生産することが望まれるようになってきている。
従来のコート紙では、電子写真方式の画像形成において、画像の色調を忠実に再現することが困難であった。これに対し、実施形態に係る記録紙は、電子写真方式の画像形成において、画像の色調を良好に再現することができる。
図1は、実施形態に係る記録紙を示す拡大断面図である。同図において、記録紙100は、基層100aと、これの上に順次積層された低屈折率層100d及び表面層100eとを有している。基層100aは、紙繊維からなる原紙層100bと、これの上に積層された樹脂を母材とする塗工層100cとを具備している。塗工層100cは、一般的なコート紙の表面に被覆されるのと同様のものであり、樹脂や白色顔料などを含有する材料からなる。
塗工層100cは、その表面に向けて照射された光を拡散反射させる性質、即ち、光拡散反射性を有しているので、反射層として機能する。拡散反射光は、入射角と反射角とが等しくなる正反射光とは異なり、入射角とは異なる反射角で反射する光である。一般的な拡散反射光は、様々な反射角で反射する光成分が複数混在したものとなる。塗工層100cは、殆どの波長の光成分を吸収せずに拡散反射させるので、白色として視認される。また、どのような角度で入射した光であっても、拡散反射させるので、どのようなアングルからでも白色として視認される。なお、表面に塗工層を有していない普通紙は、次に説明する理由により、それ自体が反射層として機能する。即ち、普通紙の代表例として、上質紙が挙げられる。上質紙は、セルロース繊維そのもの、あるいは、セルロース繊維に不透明材料である填料を加えた材料などからなる。セルロース繊維や填料は、入射した光を拡散反射する性質を持つため、それらによって構成される紙であれば、それ自体が反射層として機能して、どのようなアングルからでも白色として視認される。つまり、原紙層、塗工層は何れも、反射層として機能する。
低屈折率層100d、表面層100eは、それぞれ光透過性を発揮する層であるが、低屈折率層100dは表面層100eよりも低い透過光屈折率を発揮する。
かかる構成の記録紙100に対して照射された光は、表面層100eと低屈折率層100dとを順次透過した後、基層100aの表面で拡散反射する。そして、その拡散反射光は、今度は逆に、低屈折率層100dと表面層100eとを順次透過した後、その一部が観察者の目に到達する。
本発明者らは、図1に示した記録紙100として、次のようなものを試作した。即ち、基層100aとして、一般的なコート紙である市販のPODグロスコート紙(坪量158g/mm、王子製紙社製)を使用した。このPODグロスコート紙の原紙層100bは、セルロース等からなる厚さ175[μm]の層である。また、PODグロスコート紙の塗工層100cは、母材樹脂に不透明材料である填量を分散させた厚さ15[μm]の層である。
このような原紙層100bと塗工層100cとからなる基層100aの上に、四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体であるPFAからなる厚さ20[μm]の低屈折率層100dを積層した。低屈折率層100dの透過光屈折率は、約1.35である。低屈折率層100dの材料としては、PFAの他、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、屈折率=1.35)や、CYTOP(商品名、旭硝子製、屈折率=1.34)などを例示することができる。PFA、PTFE、CYTOPなどのフッ素樹脂に限らず、無機材料や、その他の有機材料を使用してもよい。ある程度の光透過性を発揮し、且つ後述する表面層100eよりも低い屈折率を発揮するものであれば、低屈折率100dにはどのような材料を使用してもよい。
低屈折率層100dの上には、PET(プリエチレンテレフタレート)からなる厚さ20[μm]の表面層100eを積層している。PETの屈折率、即ち表面層100eの屈折率は約1.55である。表面層100eの材料は、PETやその他の樹脂材料に限定されるものではない。トナーなどの画像形成剤を表面に保持することができ、且つ低屈折率層100dよりも高い屈折率を発揮するものであれば、どのような材料であってもよい。低屈折率層100dよりも高い耐磨耗性を発揮する材質であれば、保護層としての役割も担わせることができるので、より好適である。
表面層100eや、低屈折率層100dの屈折率については、「透明ポリマーの屈折率制御」(日本化学会 編、ISBN 4-7622-2902-4)に記載されているベッケ線法によって測定する。
以上の構成の記録紙を、実施形態に係る記録紙100として試作して、後述するプリント試験に用いた。また、記録紙100の基層100aとして使用した市販のPODグロスコート紙(坪量158g/mm、王子製紙社製)を用意した。そして、そのPODグロスコート紙を、比較例の記録紙として、後述するプリント試験に用いた。
プリント試験については、次のようにして行った。即ち、電子写真方式の画像形成装置である、株式会社リコー社製の「imagio MP C6001」をプリント試験機として用意した。このプリント試験機により、実施形態に係る記録紙100や、比較例の記録紙に対して、C(シアン)パッチ状ベタ部と、M(マゼンタ)パッチ状ベタ部と、Y(イエロー)パッチ状ベタ部と、R(レッド)パッチ状ベタ部と、G(グリーン)パッチ状ベタ部と、B(ブルー)パッチ状ベタ部とを具備するカラー7色のパッチパターン像を形成した、各色のパッチ状ベタ部に対するトナー付着量が、約0.50[mg/cm]になるように、プリント試験機の作像条件(現像バイアス等)を設定した。
なお、プリント試験機は、記録紙に対して、樹脂を主成分としたY,C,M,Kトナーを必要に応じて重ね合わせて転写することで、様々な色調の画像部を形成するものである。記録紙に対して転写したトナー像については、定着装置で加熱及び加圧することで、記録紙の表面に定着させるようになっている。後述する測色については、定着後のトナー像に対して行った。実験に使用したY,C,M,Kトナーは、ポリエステル樹脂、スチレン/アクリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体などの熱可塑性の樹脂を主成分として、着色剤を分散させてなる1〜10[μm]の粒子に対して、平均粒径5〜100[nm]程度の微粒子、例えば酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子を外添したものである。
トナーの着色剤としては、次のようなものを例示することができる。即ち、Y(イエロー)としては、ベンジジンイエロ、キノリンイエロ、バンザイイエロなど、M(マゼンタ)としては、ローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッドなど、C(シアン)としては、フタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルーなど、K(ブラック)としては、カーボンブラック、アニリンブラックなど、である。また、トナー中にワックスを内包させることで、定着時の加熱ローラへのオイル塗布を無くした、いわゆるオイルレストナーなども広く使用いられている。
実施形態に係る記録紙100、比較例の記録紙に対して、それぞれ、上述のカラー7色パッチパターン像を形成した。そして、実施形態に係る記録紙100、比較例の記録紙、それぞれについて、各パッチ状ベタ部を分光測色計(X−Rite社製938)によって測色し、測色結果をCIELAB色空間におけるL*a*b*表色系で表した。Cパッチ状ベタ部の測色結果におけるL*とC*との関係を図2にグラフとして示す。また、Cパッチ状ベタ部の測色結果におけるb*とa*との関係を図3にグラフとして示す。これらの図において、太線で示される線の折れ曲がり箇所は、「枚葉印刷用ジャパンカラー2007」の色見本チャートのシアン部を測色した結果に該当する。図示のように、L*a*b*表色系におけるL*、C*、a*、b*の何れにおいても、実施形態に係る記録紙100の方が、比較例に係る記録紙よりもオリジナルに近い色調を表現していることがわかる。なお、カラー7色パッチパターン像における7色のパッチ状ベタ部のうち、Cパッチ状ベタ部についての測色結果だけを図2及び図3に示したが、他の6色のパッチ状ベタ部においても、Cパッチ状ベタ部と同様に、実施形態に係る記録紙100の方が、比較例に係る記録紙よりもオリジナルに近い色調を表現する結果となった。
このように、実施形態に係る記録紙100の方が、比較例に係る記録紙よりもオリジナルに近い色調を表現することができたのは、次に説明する理由によるものと考えられる。即ち、図4は、従来のコート紙における光の挙動を説明する拡大模式図である。従来のコート紙は、塗工層100cが光透過性のものになっているケースと、光拡散反射性のものになっているケースとがあるが、ここでは、光透過性のものになっているケースを例にして説明する。コート紙の表面に向けて照射された光(矢印A)は、始めにコート紙の表面上に担持されているトナー層300に進入する。この際、空気とトナー層300との屈折率の差により、一部の光はトナー層300表面で反射して空気側に戻る(矢印a)。このように始めにトナー層300の表面で反射する光の量は、トナー層300の屈折率に依存するが、概ね入射光の4〜5%程度である。トナー層300に進入した光は、トナー層300を通過する際に、トナー層300に含まれる顔料や染料などの色材成分に応じた波長成分が吸収される。トナー層300を通過した光は、コート紙の塗工層100cに進入する。この塗工層100cは、光透過性のある透明の層であるため、特定の波長成分を吸収したり、散乱反射させたりすることはない。但し、トナー層300と塗工層100cとの間に屈折率差があれば、両者の界面でも光反射がおこる。塗工層100cに進入した光は、そのまま塗工層100cを通過してコート紙の原紙層100bに進入する。このとき、塗工層100cと原紙層100bとの間に屈折率差があれば、両者の界面で反射がおこる。原紙層100bに進入した光は、反射や散乱を繰り返して、いわゆる拡散状態の反射光(乱反射状態)となる(矢印B)。原紙層100bで発生した反射光は、入射時と逆の順で塗工層100cと、トナー層300を順次通過する。そして、トナー層300と空気との境界を通過した後、空気を経由して観察者に観察される。しかしながら、トナー層300と空気との屈折率差は比較的大きな差異である。原紙層100b中で発生した反射光の中で、トナー層300と空気との境界面に対して法線角度差の比較的小さい状態(垂直に近い状態)で進入するものは、その大部分が空気中に進入することができる(矢印C)。これに対し、法線角度差の比較的大きい状態(水平に近い状態)で同界面に進入するものは、進入角度が小さくなるほどトナー層300側に反射してしまう確率が高くなる。トナー層300と空気との境界での反射については、フレネル式で求め得ることが広く知られている。フレネル式によれば、トナー層300と空気との境界における光の進入角度とそれに対応する反射率とを求めることができる。トナーの屈折率をおよそ1.5(代表的な樹脂の屈折率)、空気の屈折率を1.0と仮定すると、トナー層300と空気との界面に対して法線角度差が42度以上ある状態で進入した光は、空気側に出ることはできずに全てトナー層300側に反射してしまう(矢印D)。トナー層300と空気との界面でトナー層300側に反射してしまった光は、再びトナー層300と塗工層100cとを通過して原紙層100bに戻る。そして、原紙層100b中で再び様々な方向に反射し、その一部が塗工層100cを通過してトナー層300と空気との界面に最進入する。この界面では、1回目のときと同様に、一部の光が空気中へ進入し、それ以外の光がトナー層300側に反射する。反射した光は、同様の挙動を辿る。このように、コート紙の表面に向けて照射された光の一部は、トナー層300に進入してから空気中に戻ってくるまでに、トナー層と原紙層100bとの間を何度も往復する。このように、何度も往復してから戻ってくる光を、多重反射成分などを呼ぶことがある。観察者に観察される光には、かかる多重反射成分が含まれる。よって、観察される光は、トナー層に対する通過距離が比較的短いものと、比較的長いものとを含んでいる。このような通過距離の差は、カラーの色を再現する上で、鮮やかな明るい色を再現することを阻害することの要因となる。カラーの色を良好に再現するためには、特定の波長域の光を透過させ且つそれとは別の波長域の光を吸収させるという現象が精度良く行われる必要がある。例えば、シアンであれば、400〜600nmの波長域を良好に透過させ、600〜700nmの波長域を良好に吸収させることを、精度良く行えば、鮮やかで明るいシアン色を再現することができる。しかし、観察者に観察される光に含まれる多重反射成分は、トナー層を複数回に渡って通過する過程で過波長域の光成分が不要に吸収されてしまう。現実の色材では、透過波長域であっても吸収率が完全に0ではないため、光がトナー層300を複数回に渡って通過すると、透過波長域の光を吸収してしまうのである。このように、色材が多重反射成分の透過波長域の成分を不要に吸収してしまうことで、明るい鮮やかな色を再現することを阻害してしまう。かかる吸収を念頭において、トナー層300の着色力を抑えたとしても、トナー層300の通過回数が少ない光については吸収波長域での吸収量が不足してしまうため、ある程度の明度はあるものの、鮮やかさに欠ける色になってしまう。つまり、トナー層の通過距離が異なる光が混ざった状態では、色の劣化は避けることができず、明るく鮮やかな色を実現することができないのである。従来のコート紙では、以上のような理由により、明るく鮮やかな色を再現することができなかった。
図5は、実施形態に係る記録紙100における光の挙動を説明する拡大模式図である。記録紙の表面に向けて照射された光は(矢印A)、トナー層300と、光透過性(透明)の表面層100eと、低屈折率層100dとを順次通過した後、基層100aに進入する。この基層100aの表面側は、光拡散反射性を有しているため、基層100aに進入した光は、拡散反射する。ここまでの挙動は、図4に示した従来のコート紙における挙動と大きな違いがない。基層100a内で拡散反射した光の一部は、低屈折率層100dを通過した後、低屈折率層100dと表面層100eとの界面に到達する。この界面では、低屈折率層100dと表面層100eとの屈折率差によって一部の光が低屈折率層100d側に反射するが、多くの光は、表面層100e内に進入する。低屈折率層100dから表面層100eに進入した光には、表面層100eの法線に対して大きな角度差をもって進行する光(表面層100eに平行に近い状態で進む光)を殆ど含んでいない。そして、表面層100eの法線に対して小さな角度差をもって、表面層100eと空気との境界に進入するので、同境界で反射することなく、空気中に進入して観察者に観察される。このようにして、基層100aで発生した殆どの拡散反射光は、基層100a→低屈折率層d→表面層100e→トナー層300→空気という経路を辿って観察者に観察される(A→B→C)。なお、基層100a中で発生した拡散反射光のうち、表面層100eの法線に対して大きな角度差をもって表面層100eと空気との境界に進入する方向に進む光成分は、同境界まで到達せずに、基層100aと低屈折率層100dとの境界で基層100aに向けて反射する(矢印E)。これは、基層100aの屈折率が低屈折層100dの屈折率よりも高いからである。この現象も、フレネル式によって証明することができる。例えば、低屈折率層100dの屈折率=1.4、表面層100eの屈折率=1.5と仮定すると、フレネル式によれば、両層の境界面の法線に対して、69[°]よりも大きな角度差をもって基層100aで発生した拡散反射光は、低屈折率層100dと基層100aとの界面で基層100aに向けて反射する。このように、低屈折率層100dが存在することで、基層100a中で発生した拡散反射光のうち、法線に近い角度で進む光だけをトナー層300に向けて戻すことができるのである。これにより、表面層100e中をトナー層300に向けて進行する光の殆どが、トナー層300と空気との境界で、トナー層300側に反射せずに空気中に進むことができるようになる。より詳しくは、低屈折率層100dを通過して表面層100eに進入した光は、表面層100eとトナー層300との境界を通過してトナー層300に進入する。このとき、表面層100eとトナー層300との屈折率差が大きくなければ、光の進行方向は大きくは変わらない。従って、トナー層300においても同じ方向に進行する光になるのである。また、上述したように、表面層100e中の光は、表面層100eの法線に対して大きな角度差をもつような成分が、従来のコート紙に比べて少なくなっている。このため、トナー層300と空気との境界においても、境界面の法線に対して大きな角度差をもつ成分が少ないことになる。この結果、トナー層300と空気との境界でトナー層300側に反射する光が従来に比べて少なくなり、トナー層300を複数回通過するような多重反射成分の発生が低減されるのである。以上のように、実施形態に係る記録紙100は、従来のコート紙に比べて、明るく且つ鮮やかな画像を再現することができる。
なお、従来のコート紙として、透明で光透過性を発揮する塗工層100cを具備するものを例にして、光の挙動について説明したが、PODグロスコート紙のように塗工層100cが光拡散反射性のものである場合にも、光透過性の場合と同様の挙動になる。図4と同様に、トナー層300と空気との界面で空気中に出られずにトナー層300側に反射した光が、塗工層100c中で拡散反射して同界面に戻るという挙動を繰り返すことで、多くの多重反射成分が発生する。このように、従来のコート紙は、塗工層100cが透明なものであっても、光拡散反射性のものであっても、明るく鮮やかな色を実現することが困難なのである。
また、実施形態に係る記録紙100は、電子写真方式の作像方法に特化したものではない。色再現範囲の改善・拡大は、どのような方式の作像方法でも望ましいものである。このため、実施形態に係る記録紙100は、電子写真方式の画像形成に適している他、オフセット印刷方式、インクジェット方式など、あらゆる作像方式に適している。
次に、実施形態に係る記録紙100の各変形例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係る記録紙100の構成は、実施形態と同様である。
[第1変形例]
図6は、第1変形例に係る記録紙100を示す断面模式図である。この記録紙100は、各層のうち、低屈折率層100dの材料が実施形態のものと異なっている。第1変形例に係る記録紙100の低屈折率層100dは、不織布からなっている。不織布は、多数の繊維(数万本)を幅広く並べて重ね、強度を出したり、繊維を固定したりする狙いからそれら繊維を熱プレスなどによってシート状に成形した素材のことである。不織布の層は、繊維と繊維間に介在する空気(不織布容積の大部分を占める)とを含んでおり、ある程度の光透過性を発揮することが可能である。
本発明者らは、図6に示した構成の記録紙100として、次のようなものを試作した。即ち、長さ3[μm]のポリエステル繊維によって厚さ30[μm]の不織布シートを形成した。この不織布シートは、固体であるポリエステル繊維(屈折率:約1.6)と気体である空気(屈折率:約1.0)とを含んでいる。ポリエステル繊維よりも空気の占有体積を大きくしていることから、ポリエステル繊維と空気との混合材料としての不織布シートの屈折率は、1.2〜1.4であった。これは、PETからなる表面層100eの屈折率(1.55)よりも低い数値であるので、不織布シートを低屈折率層として機能させることが可能である。そこで、かかる不織布シートを低屈折率層100dとして、基層100aの上に積層した後、その上に表面層100eを積層して、図6の記録紙100を得た。
低屈折率層100dとして積層する不織布シートは、透明でなくてもよい。不織布シートからなる低屈折率層100dの下に存在する塗工層100cは、光を吸収したり透過させたりすることなく拡散反射させるので、塗工層100cの上に拡散層の上層に配置される不織布層において拡散や散乱が起こっても全く影響はない。本願発明に係る記録紙100が奏する作用の根本は、トナー層を複数回通過する光の成分を減らすことにある。このことを実現するためには、表面層100e(トナー層と接触する層)を進む光のうち、水平に近い角度で進む成分を少なくすればよい。不織布かrなる低屈折率層100dと表面層100eとの間に屈折率差があるので、フレネル則により、表面層100eが透明(拡散性がない)であれば、表面層100e中の光のうち、水平に近い進行方向で進む成分を減らすことができる。よって、不織布からなる低屈折率層100dは拡散性があってもなくてもどちらでもよい。
なお、低屈折率層100dとして機能させる不織布シートを構成する繊維材料は、ポリエステル繊維に限定されるものではない。ポリエステル繊維の他、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などを使用してもよい。また、ある程度の光透過性が得られ、且つ、適切な屈折率が得られれば、繊維の太さはどのような太さのものであってもよい。
[第2変形例]
図7は、第2変形例に係る記録紙100を示す断面模式図である。この記録紙100は、各層のうち、低屈折率層100dの材料が実施形態のものと異なっている。第2変形例に係る記録紙100の低屈折率層100dは、母材固体と、これよりも透過光屈折率の低い固体材料とを混合した材料から構成されている。より詳しくは、母材個体であるポリエステル樹脂(屈折率:1.6)に、これよりも屈折率の低いPFA粒子(1.35)を分散せしめた材料からなる。PFA粒子としては、体積平均粒径が50[μm]であるものを用い、PFA粒子の占有体積をポリエステル樹脂の占有体積よりも大きくしている。これにより、ポリエステル樹脂中にPFA粒子を分散せしめた材料の屈折率を、表面層100aよりも低い1.4程度にしている。かかる材料からなる低屈折率層100dを基層100aの上に積層した後、その上に表面層100aを積層して、第2変形例に係る記録紙100を得た。
かかる記録紙100の低屈折率層100dは、透明性が無くても全くかまわない。低屈折率層100dの下層は拡散層であってこの拡散層において入射光は拡散反射されるため、拡散層の上層に配置される低屈折率層100dにおいて拡散や散乱が起こっても全く影響は無いからである。なお、第2変形例に係る記録紙100の低屈折率層100dの材料は、例示したものに限定されるものではない。低屈折率の材料として、例示したものとは異なるものを用いてもよい。低屈折率材料を分散させる母材固体の材料も例示したものに限定されるものではない。
次に、本発明を適用した画像形成方法の実施形態について説明する。
図8は、実施形態に係る画像形成方法に用いられる複写機のプリンタ部の要部構成を示す構成図である。実施形態に係る複写機は、図示のプリンタ部の他、図示しない読取手段としてのスキャナを備えている。また、プリンタ部は、図示の構成の他に、記録体としての記録紙をストックしたり給送したりする図示しない紙供給装置を有している。
作像装置としてのプリンタ部は、光書込装置2や、イエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),黒(K)のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3Y,C,M,K、転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34等を備えている。光書込装置2は、レーザーダイオードやLED等の4つの光源(2Y’,M’,C’,K’を駆動して、ドラム状の4つの感光体4Y,C,M,Kに向けてレーザー光Ly,Lc,Lm,Lkを照射する。この照射により、感光体4Y,C,M,Kの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
プロセスユニット3Y,C,M,Kは、それぞれ、感光体とその周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部本体に対して着脱可能になっている。黒用のプロセスユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの周りに、帯電装置5K、現像装置6K、ドラムクリーニング装置7K、図示しない除電ランプ等を有している。実施形態に係る複写機のプリンタ部では、4つのプロセスユニット3Y,C,M,Kを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
感光体4Kとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6Kは、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するものである。キャリアを含まない一成分現像剤を用いる一成分現像方式のものを用いてもよい。感光体4Kの周面に形成された静電潜像は、現像装置6Kによって現像されてKトナー像になる。このKトナー像は、後述する中間転写ベルト25のおもて面に1次転写される。
1次転写工程を経由した感光体4Kの周面には、中間転写ベルト25に1次転写されなかった転写残Kトナーが付着している。この転写残Kトナーは、ドラムクリーニング装置7Kによって感光体4Kの表面から除去される。ドラムクリーニング装置7Kとしては、弾性体からなるクリーニングブレード16を感光体4Kに押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。
クリーニング後の感光体4Kの表面は、図示しない除電ランプによる光照射で除電された後、帯電装置5Kによって再び一様帯電せしめられる。帯電装置5Kとしては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4Kに当接させながら回転させるものを用いている。感光体4Kに対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
K用のプロセスユニット3Kについて説明したが、Y,C,M用のプロセスユニット3Y,C,Mにおいても、同様のプロセスが実行される。
4つのプロセスユニット3Y,C,M,Kの下方には、転写ユニット24が配設されている。転写ユニット24は、複数のローラによって張架している中間転写ベルト25を、感光体4Y,C,M,Kに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4Y,C,M,Kと、中間転写ベルト25とが当接するY,C,M,K用の1次転写ニップが形成されている。Y,C,M,K用の1次転写ニップでは、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ26Y,C,M,Kによって中間転写ベルト25を感光体4Y,C,M,Kに向けて押圧している。これら1次転写ローラ26Y,C,M,Kには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,C,M,K用の1次転写ニップには、感光体4Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、Y,C,M,K用の1次転写ニップでY,C,M,Kトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像が形成される。
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と2次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの2次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ31には図示しない電源によって2次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、2次転写ニップに2次転写電界が形成されている。
この2次転写ニップの図中左側方には、レジストローラ対33が配設されている。また、レジストローラ対33のレジストニップの入口付近には、図示しないレジストローラセンサが配設されている。図示しない紙供給装置からレジストローラ対33に向けて搬送されてくる記録紙は、レジストローラ対33のレジストニップに先端を突き当てる。この結果、記録紙の姿勢が修正され、画像形成との同期をとる準備が整う。その後、レジストローラ対33は、記録紙を中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色重ね合わせトナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙に一括2次転写され、記録紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
2次転写ニップを通過した記録紙は、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト25の表面には、2次転写ニップで記録紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置23によって掻き取り除去される。
定着装置34内に搬送された記録紙は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに向けて加圧される加圧ローラ34bとの当接による定着ニップに挟み込まれる。そして、定着ニップ内での加圧や加熱によって表面にフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置34から排出される。その後、図示しない排紙経路を経て機外へと排出される。
実施形態に係る画像形成方法に用いられる複写機は、図8に示したプリンタ部の他に、スキャナを備えている。スキャナは、周知の技術により、原稿の画像を読み取って画像データに変換した後、プリンタ部の画像データ処理装置40に送る。プリンタ部は、このようにしてスキャナから送られてくる画像データに基づく画像を形成する他、図示しない外部のパーソナルコンピュータから送られてくる画像データに基づく画像を形成することもできる。
図9は、プリンタ部に搭載された画像データ処理装置40の回路を示すブロック図である。同図において、画像データ処理装置40は、MTF(Modulation Transfer Function)フィルタ処理部40a、色分解処理部40b、階調補正部40c、擬似中間調処理装置40dなどを有している。
図示しないパーソナルコンピュータやスキャナから画像データ処理装置40に送られてくる画像データは、各画素についてそれぞれR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の三原色の明度を0〜255で示す8bitのRGBデータである。このRGBデータは、画像データ処理装置40内において、MTFフィルタ処理部40aによって強調処理される。次いで、色分解処理部40bによる色分解処理でRGB色空間からCMYK色空間へと分解された後、階調補正処理部(γ変換部)40cによって予め設定されている階調を実現するための濃度制御がなされる。そして、擬似中間調処理装置40dによってプリンタ特性に合うように擬似中間調処理が施された後、出力用画像データ(600dpi、4bitデータ)として画像データ処理装置40から出力される。なお、MTFフィルタ処理、色補正処理・γ補正処理、及び擬似中間調処理については周知の技術であるので、詳細な説明を省略する。
画像処理装置40から出力された出力画像用データは、先に図8に示したように、次工程であるビデオ信号処理部41へと送られる。ビデオ信号処理部41内におけるデータ処理は、C,M,Y,K色のデータでそれぞれ個別に行われるが、以下、1色分のデータ処理の流れだけ説明する。ビデオ信号処理部41は、受け取った出力画像用データ内における光源(レーザーダイオード)の個数分のデータをラインメモリ上に記憶する。そして、光書込装置2のポリゴンミラーの回転に同期した信号(いわゆる同期信号)に合せて、各画素に対応する上記ラインメモリ状のデータを所定のタイミング(画素クロック)で、PWM制御部へと引き渡す。PWM制御部では、このデータがパルス幅変調(PWM)信号へと変換され、LDドライバへと引き渡される。LDドライバでは、このパルス幅変調信号に対応して所定の光量でLD素子(LDアレイ)を光変調駆動する。
図示の複写機では、各色成分の出力用画像データに対応してそれぞれパルス幅変調(PWM)制御を実施して、レーザーの光変調駆動を行うようになっている。光書込装置2におけるY,M,C,K用の光源の数は何れも1つである。このようにして、光変調されたレーザー光は、感光体の表面上に結像されて、所望の画像の対応した静電潜像を形成する。
なお、画像データ処理装置40、プリンタ全体の制御を司る図示しない制御部、テンキー等から構成される操作部、及びビデオ信号処理部41は、システムバスを介して互いに交信を行うことが可能である。
実施形態に係る画像形成方法では、例えば以上の構成の複写機を用いて画像を形成するが、画像を形成する記録材として、実施形態に係る記録紙100を用いる。これにより、従来に比べて、色再現性に優れた画像を得ることができる。
以上、実施形態や各変形例に係る記録紙100においては、表面層100eとして、屈折率が1.45以上であるものを用いるとともに、低屈折率層100dとして屈折率が1.45未満であるものを用いている。表面層100eの表面に形成されるトナー材料は様々であるが、電子写真方式で広く用いられる粉体トナーでは樹脂が主成分であり、またオフセット印刷インキなどでは多くの樹脂成分が添加されているため、樹脂を主成分と考えてその屈折率を参考にすることが望ましい。樹脂もその組成によって屈折率は様々であるが、屈折率としておよそ1.5といった値をとるものが多い。トナー材料としては、上述のような樹脂を主成分としたもの以外にも、水などを主成分としたインクジェットインキなどもあるが、水成分は乾燥後には画像に残らないため、やはり固体としての屈折率を参考にしてトナー層としては1.5程度の屈折率を想定することが合理的である。トナー層の屈折率として代表的な値が1.5程度であると考えると、トナー層と表面層100eとの間の屈折率差が小さいほうが望ましい。これは、トナー層と表面層100eと屈折率差が無い方が、トナー層と表面層100eとの境界において表面層100e側に反射される光が発生しないためである。表面層100e側に反射される光は、トナー層を長い距離に渡って透過する光に比べて悪影響は小さいもの、表面層100eの光吸収も完全に0ではないため、不必要な光吸収の原因となり、暗い色となってしまうことの要因となるからである。このような理由により、表面層100eの屈折率が1.45以上であることは有益である。上述したようにトナー層の屈折率はさまざまであるが、1.5程度の屈折率となることが多いため、表面層100eの屈折率が1.45以上であることで、表面層100eの屈折率とトナー層の屈折率との差を0.05以下といった具合に小さな値にすることができ、表面層100eとトナー層との境界の反射光を小さくすることができる。この結果、表面層100eで不必要な光を吸収することがなくなるため、再現される色が暗くなってしまうといった不具合を解消することができる。また、低屈折率層100dの屈折率層を1.45未満として表面層100eよりも小さな値にすることで、表面層100eの法線方向にたいして大きな角度を持つように進行する光を低減して、多重反射による色再現性の悪化を防止し、カラーの色において明るく鮮やかな色を実現することができる。なお、こうした効果を顕著に得るためには、低屈折率層100dの屈折率を表面反射の屈折率にくらべて0.1程度小さな値に設定することが望ましい。以上のように、画像を形成するトナー層の屈折率がほぼ1.5であるといった点に着目することで、さまざまな作像方式のトナーに対応することができる、幅広い画像形成機器において、色再現範囲の改善に寄与することができ、カラーの色のたいして明るく鮮やかな色を実現することができる。
また、第2変形例に係る記録紙100においては、低屈折率層100dとして、母材固体に、これよりも屈折率の低い固体材料を分散せしめた材料からなるものものを設けている。これにより、表面層100eの屈折率にくらべて低屈折率層の屈折率(実効的な屈折率)を小さくすることで、従来の記録紙上に形成されたトナー像にくらべて、表面層中を進行する光の中に表面層の法線にたいして大きな角度差をもつような成分が少なくなる、といった状態を形成することができる。この結果、トナー層と空気との境界でトナー層側へ反射されて多重反射を行うような光を低減することができ、カラーの色において明るく鮮やかな色を再現することができる。また、低屈折率層100dは用紙上に形成される層であるため、広い面積(少なくとも数10cm四方より大きなサイズで、生産性の観点からは数m四方のサイズ)にわたって、厚さ数10μmの層を形成する必要がある。このような形状の層を紙上に形成するために、形成の容易さといった特性が要求される。このため、屈折率が小さな値をもつ材料であればどのようなものであってもかまわないというわけではない。このような、屈折率が小さいといった特性と、紙上に層状に形成することの容易さ、といった二つの点を両立するために、低屈折率層100dを複数の材質の混合状態として形成している。そしてこのような構成にすることで、低屈折率であるといった第一の必須特性を低屈折率層を構成するうちの1つの材質(低屈折率材)へと課し、紙上に層状に形成するための加工のしやすさ(塗工性)といった第二の特性をそれとは別の材質へと課する、ことができるようになる。これにより、両者の特性を両立した低屈折率層を実現することができるようになる。さらに、第3の材質として、低屈折率材と塗工材との混合状態を良好に保つような材質を加えることで、更なる効果を得ることができる。たとえば、低屈折率材を塗工材中に細かな粒子状態で均一に分布させるために、分散剤、解膠剤などをさらに混合することで、さらに良好な低屈折率層の形成を実現することができる。
また、第1変形例に係る記録紙100においては、低屈折率層100dとして、母材固体中に、これよりも屈折率の低い気体を散在せしめた材料からなるものを設けている。かかる構成では、表面層100eの屈折率にくらべて低屈折率層100dの屈折率(実効的な屈折率)が小さいので、従来の記録紙上に形成されたトナー像にくらべて、表面層中を進行する光の中に表面層の法線にたいして大きな角度差をもつような成分が少なくなる、といった状態を形成することができる。この結果、トナー層と空気との境界でトナー層側へ反射されて多重反射を行うような光を低減することができ、カラーの色において明るく鮮やかな色を再現することができる。また、低屈折率層100dを固体材料と気体との混合状態で形成していることで、比較的容易かつ低コストで意図する低屈折率層100dを形成することができる。空気をはじめとする気体の多くは固体の屈折率と比較して非常に小さい屈折率を有する(多くの気体で屈折率はほぼ1.0である)。このため、屈折率の小さな気体を固体材料中に混合することで、実効的な屈折率が小さな材料をすることができる。このような混合材料を用いることで、低屈折率層100dとして有効に機能し得るものを形成することができる。また、気体は、低屈折率を示す固体材料に比べると材料コストが非常に安価である。このため、気体を固体材料中に混合した低屈折率層100dとすることで、低コストのハードコピー記録紙を実現することができる。つまり、本願発明に係るハードコピー記録紙を、容易かつ低コストで実現することができる。
また、実施形態や各変形例に係る記録紙100においては、表面層100eの厚みを5[μm]以上にしている。かかる構成では、表面層100eの屈折率にくらべて低屈折率層100dの屈折率が小さい構成になっているので、従来の記録紙上に形成されたトナー像にくらべて、表面層中を進行する光の中に表面層100eの法線にたいして大きな角度をもつような成分が少なくなる、といった状態を形成することができる。この結果、トナー層と空気との境界でトナー層側へ反射され多重反射を行うような光を低減することができ、カラーの色において明るく鮮やかな色を再現することができる。また、表面層100eの厚みが5[μm]以上であることで、表面層100eと低屈折率層100dとの間には、比較的大きな屈折率差が生ずる(表面層100eの屈折率が約1.5、低屈折率層100dの屈折率が約1.4、といった値をとることが典型例となる)。このため、表面層100eと低屈折率層100dとの境界において比較的大きな反射光を発生してしまうことになる。表面層100eの厚みは限定されるべき対象とはならないが(どのような厚みの表面層100eであっても、色再現性の良好な光反射状態を実現することができるが)、入射光の表面層100eと空気層との境界で反射される成分と、上述した表面層100eと低屈折率層100dとの境界で反射される成分、とが干渉することで干渉模様が知覚されることがある。このような干渉模様は著しく画像品質劣化させる要因となるため、防止しなければならない。また、干渉模様は入射光の波長と表面層100eの厚みとの関係で発生することが原理的に明確になっている現象である。そして、この干渉模様を解消するためのもっとも簡単な構成は、表面層100eの膜厚を厚くすることである。このような点に鑑みて表面層100eの厚みが、5μm以上となるように規定することで、可視光波長域(400〜700nm)の光にたいして、表面層100eと低屈折率層100dとの屈折率差に起因して発生する干渉模様を防止することができる。つまり、表面層100eと低屈折率層100dとの屈折率差に起因する干渉模様を防止することができる。
100:記録紙
100a:基層
100b:原紙層
100c:塗工層
100d:低屈折率層
100e:表面層
特開2010−117436号公報

Claims (6)

  1. 少なくとも、光を拡散反射させる反射層を有し、表面に画像形成物質からなる画像が記録される記録紙において、
    前記反射層の上に、表面層を設けるとともに、前記表面層と前記反射層との間に配設され且つ前記表面層よりも低い屈折率の低屈折率層を設けたことを特徴とする記録紙。
  2. 請求項1の記録紙であって、
    前記表面層の屈折率が1.45以上であり、
    且つ、前記低屈折率層の屈折率が1.45未満であることを特徴とする記録紙。
  3. 請求項1又は2の記録紙であって、
    前記低屈折率層が、母材固体に、これよりも屈折率の低い固体材料を分散せしめた材料からなるものであることを特徴とする記録紙。
  4. 請求項1又は2の記録紙であって、
    前記低屈折率層が、母材固体中に、これよりも屈折率の低い気体材料を散在せしめた材料からなるものであることを特徴とする記録紙。
  5. 請求項1乃至4の何れかの記録紙であって、
    前記表面層の厚みが5[μm]以上であることを特徴とする記録紙。
  6. 記録紙に対して画像形成物質を付着させて画像を形成する画像形成方法において、
    前記記録紙として、請求項1乃至5の何れかの記録紙を用いることを特徴とする画像形成方法。
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