JPH1112990A - 透明紙 - Google Patents

透明紙

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JPH1112990A
JPH1112990A JP16901697A JP16901697A JPH1112990A JP H1112990 A JPH1112990 A JP H1112990A JP 16901697 A JP16901697 A JP 16901697A JP 16901697 A JP16901697 A JP 16901697A JP H1112990 A JPH1112990 A JP H1112990A
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transparent paper
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JP16901697A
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English (en)
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Koji Hasegawa
浩治 長谷川
Sadahiro Shoji
貞宏 庄司
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、寸法安定性に優れた透明紙を提供す
る。 【解決手段】 セルロース繊維を用いて抄造した、坪量
が10〜100g/m2で、密度0.90g/cm3以上、平滑度
1000秒以上、不透明度40%以下の基紙の少なくと
も片面に、石油系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ニト
ロセルロース系樹脂の中から選ばれる1種類以上の樹脂
を主成分とする樹脂組成物層を0.1〜20g/m2形成
し、20℃の温度条件下で湿度90%RHから20%RHに
変化させたときの寸法変化率が2.0%以下であること
を特徴とする透明紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明紙に関するもの
であり、特に使用時や加工時においては、透明性に優
れ、耐水性、耐伸長性、耐油性、耐傷性があり取り扱い
やすく、使用後においてはリサイクルが可能で、特に封
筒窓用に適したものである。
【0002】
【従来の技術】従来、窓付き封筒として、紙の一部に窓
にあたる開口部を設けて封筒化し、その開口部分に透明
樹脂フィルムや透明紙を貼ったり、又は封筒の用紙の一
部をワックスなどの薬品を含浸させて透明化したことに
より、封筒内部に納められた書類の記載部の一部、例え
ば住所、氏名などが封筒の状態で見られるようにしたも
のが広く使用されている。近年、環境保護意識の高まり
から紙のリサイクルが盛んに行われているが、新聞、雑
誌、段ボール、あるいはコピー用紙などのリサイクルに
較べ、透明樹脂フィルム窓付き封筒は、古紙回収利用す
るためにはフィルムと紙素材の分離をしなければなら
ず、技術的、コスト的に非常に困難であるため、現状で
はリサイクルされていない。
【0003】また、封筒窓に使用する透明紙としては、
一般的にはグラシン紙、樹脂含浸紙、タイプライター用
紙、コンデンサペーパー、トレーシングペーパー、含浸
トレーシングペーパー等といわれるものが用いられてい
る。更に製法を詳しく述べると、特公昭45-38729号公
報、特公昭46-15723号公報、特公昭52-31445号公報、特
開平2-161450号公報、特開平4-73298号公報、特開平7-1
81714号公報、特開平8-199499号公報、特開平8-199500
号公報、特開平8-202068号公報、特開平8-202069号公
報、特開平8-209586号公報等のようにセルロース繊維を
高度に叩解して繊維間を密着させることで、パルプ繊維
内、シート内の空気を極力排除して抄造して得られる透
明紙、又は、特公昭59-7840号公報、特開平8-188980号
公報、特開平8-197836号公報等のようにパルプに高分子
材料、微細繊維化パルプ等の繊維間、繊維内空隙を埋め
る物質を混合して抄造した透明紙、あるいは、特公昭51
-27762号公報、特開昭52-18914号公報、特開昭52-46113
号公報、特公昭54-6645号公報、特公昭54-6650号公報、
特公昭56-6650号公報、特開昭58-136899号公報、特公昭
62-28466号公報、特開平3-146798号公報、特開平8-9289
7号公報、特開平8-109597号公報、特開平8-120597号公
報、特開平8-134795号公報、特開平8-176997号公報、特
開平8-188990号公報等のように通常の方法で紙を製造
し、その後に澱粉、流動パラフィン、可塑剤、天然・合
成高分子材料等の透明化剤で処理した透明紙などが知ら
れている。
【0004】このような透明紙を封筒窓に使用した封筒
は、フィルムを使用したものとは異なりリサイクルは可
能であるが、同時に以下のような問題がある。すなわ
ち、透明紙は透明樹脂フィルムに較べて透明性が低く、
従って、機械による光学的検知方法で封筒窓越しに文字
やバーコードを読み取らせたりするような、高い透明性
が要求される封筒には使用できない。
【0005】また、叩解機によってパルプの叩解処理を
進めると、繊維は見かけ上柔軟になり、繊維同士の接触
面積が大きくなることによりセルロース同士の結合が増
え、紙の引張強度、破裂強度、透明度が増大するが、同
時にパルプ繊維が短く切断され、パルプの損傷も大きく
なる。従って、パルプを高度に叩解することによって製
造された透明紙は、特に水分の変化による寸法変化が大
きくなる。
【0006】一般に封筒用紙はパルプの叩解をあまり進
めていない紙、すなわち上質紙やキャストコート紙、ア
ート紙、コーテッド紙などの塗工紙が用いられるので、
窓付き封筒の窓にこのような透明紙を使用した場合、封
筒と窓の寸法安定性の違いから、封筒に貼るときの水系
糊の水分や、貼り付け後に高湿状態に置かれた場合の吸
湿により、窓にぼこしわが発生し、外見を損なうばかり
でなく、窓越しに文字を読み取ることが困難になるとい
う問題が生じる。また、パルプの叩解をあまり進めない
で紙を高分子材料等の透明化剤で処理したものは、吸湿
による寸法変化は小さいが、封筒窓として使用できる程
の高い透明性は得られないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、窓付き封筒の窓に適した透明性及び吸湿時
の寸法安定性に優れた透明紙を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる現状
に鑑み、上記問題点を鋭意研究した結果、本発明に至っ
た。すなわち本発明は、坪量が10〜100g/m2、密度
が0.90g/cm3以上、平滑度が1000秒以上、不透
明度が40%以下であるセルロース繊維からなる基紙の
少なくとも片面に、0.1〜20g/m2の樹脂組成物層を
形成した透明紙である。また本発明は、前記樹脂組成物
層が石油系炭化水素系樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ニトロセ
ルロース系樹脂の中から選ばれた1種類以上の樹脂を含
有する透明紙である。また本発明は、20℃の温度条件
下で、湿度90%RHから20%RHに変化させたときの寸
法変化率が2.0%以下である透明紙である。また本発
明は、カナディアンスタンダードフリーネスが100ml
以下のパルプを原料とし、カレンダー処理条件が水分5
〜30%、ロール表面温度80℃以上であるグラシン紙
を基紙とする透明紙である。
【0009】本発明の透明紙の坪量は、10〜100g/
m2、好ましくは20〜45g/m2である。坪量が10g/m2
より小さいと強度と荷重による寸法安定性が悪くなり、
加工時の張力制御が困難となり、しわが入りやすく、取
り扱い時に破れることがあるので好ましくない。また、
100g/m2より大きいと紙の厚さが厚くなり、しなやか
さがなくなり作業性が悪くなったり、透明性も低くなる
ほか、コスト的にも好ましくない。
【0010】本発明の透明紙には、カナディアンスタン
ダードフリーネス100ml以下まで叩解したパルプを抄
造し、水分5〜30%、かつロール表面温度80℃以上
でカレンダー処理してなるグラシン紙を用いることがで
きる。これにより、より透明性の良好な透明紙を得るこ
とができる。
【0011】また、本発明の透明紙に使用する基紙は、
密度0.90g/cm3以上、さらに好ましくは1.00g/cm3
以上である。密度が0.90g/cm3以上の場合には、基紙
に樹脂組成物層を設ける場合、セルロース繊維に樹脂組
成物層が含浸するのでなく、表面にコーティングされる
ため、リサイクルするにあたってセルロース繊維を高収
率で回収することができる。密度が0.90g/m2より小
さいと、セルロース繊維間の空隙が多くなり、樹脂組成
物層を形成するとき、塗布された樹脂組成物が紙中深く
まで浸透してしまい、古紙として回収するときの離解性
が悪くなり、リサイクル性が悪くなり好ましくない。
【0012】本発明の透明紙に使用する基紙の平滑度は
1000秒以上、好ましくは1500秒以上である。平
滑度が1000秒より低くなると、基紙自体の透明性が
良好であっても表面で光の散乱や屈折が起き、光の直進
性が悪くなる。従って封筒窓として使用した場合、封筒
窓が下の文字やバーコードの読み取り性が悪くなり好ま
しくない。
【0013】本発明の透明紙に使用する基紙の透明性に
ついては、不透明度が40%以下、好ましくは20%以
下である。不透明度が40%を越えると、窓越しの文字
やバーコードが不鮮明になり、封筒窓として機能しなく
なるため好ましくない。
【0014】本発明の透明紙には、基紙の片面、好まし
くは両面に、樹脂組成物層を0.1〜10g/m2、好まし
くは0.5〜5g/m2形成するものである。樹脂組成物層
が0.1g/m2より少なくなると、基紙の湿度変化による
寸法変化を抑えることができなくなるので好ましくな
い。また、10g/m2を越えた場合には、リサイクルする
場合の離解性に劣り、またコスト的にも好ましくない。
【0015】また、前記の樹脂組成物層としては、石油
系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ニトロセルロース系
樹脂の中から選ばれる1種類以上の樹脂を主成分とする
ものが好適に使用できる。
【0016】本発明の透明紙の寸法変化率については、
20℃の温度条件下で湿度90%RHから20%RHに変化
させたときの寸法変化率が2.0%以下である。寸法変
化率が2.0%を越えると、一般的な上質紙の20℃の
温度条件下で湿度90%RHから20%RHに変化させたと
きの寸法変化率は2.0%以下であることから、寸法変
化率の違いによる封筒窓のぼこつきが発生して外観及び
読み取り性が悪くなるので好ましくない。
【0017】さらに、本発明の透明紙に用いられる基紙
に好適に利用されるのは、カナディアンスタンダードフ
リーネス100ml以下、好ましくは50ml以下まで叩解
したパルプを原料として抄造したグラシン紙であって、
紙の水分5〜30%、好ましくは8〜20%において、
表面温度80℃以上、好ましくは120℃以上のロール
でカレンダー処理されたグラシン紙である。カナディア
ンスタンダードフリーネスが100mlより高い場合、透
明性が低くなり好ましくない。また、カレンダー処理の
条件については、水分が5%より低い場合は透明性が低
くなり、また30%より高くなると透明むらやカレンダ
ーロールへのとられが発生するので好ましくない。ま
た、ロールの表面温度が80℃より低くなると、基紙の
透明性が低くなるので好ましくない。
【0018】本発明の透明紙に使用されるセルロース繊
維の原料としては、クラフト法、サルファイト法等で得
られる針葉樹、広葉樹漂白化学パルプ、コットン、リン
ター、古紙パルプ、機械パルプ等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。またそれらを任意の種類、及
び比率で混合して使用してもよい。
【0019】本発明の製造に使用される叩解機は、ディ
スクリファイナー、コニカルリファイナー、円筒型リフ
ァイナー等の任意の叩解機を使用することができる。
【0020】また本発明においては、シート化の際に必
要に応じてサイズ剤、紙力剤、サイズ定着剤、濾水性向
上剤などを使用することができる。
【0021】本発明に使用する抄紙機としては、エアク
ッションヘッドボックス、あるいはハイドロリックヘッ
ドボックスを有する長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙
機、オントップ型ツインワイヤー抄紙機等、どのような
タイプも使用できる。またプレス配列は、ストレートス
ルー、トランスファー、トライニップ、ツインバー、エ
クステンデッドニップ等が挙げられ、それらを組み合わ
せることも可能である。更に、必要によりサイズプレス
処理をすることもできる。
【0022】本発明で使用するカレンダー設備は、マシ
ンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダ
ー、グロスカレンダー等が使用できる。
【0023】
【作用】本発明の透明紙においては、基紙上に設けられ
た樹脂組成物層の働きで、基紙の透明性を損なわずに透
明紙の湿度変化による寸法変化を上質紙並みに小さくす
ることができる。また、樹脂組成物層は基紙に浸透して
いないため、使用後には一般の古紙回収工程での処理で
樹脂組成物層が分離、分解し、良好な再生紙原料とな
る。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げてより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。尚、実施例及び比較例において、%はすべて重量%
を、部は重量部を示す。
【0025】実施例および比較例で製造した透明紙につ
いて、下記の評価方法により評価し、その結果を表1に
示す。
【0026】シートの不透明度の測定方法は、JIS P813
8に基づいて行った。
【0027】読み取り性については、以下の方法に基づ
いて測定した。1mm刻みの厚さのリングを用意し、リン
グの下に印刷物を置き、リングの上に置いた透明紙越し
に印刷物の文字を目視で読み取り、文字が読みとれるリ
ングの最大厚さを読み取り性の値とする。読み取り性の
値が大きくなるほど文字の認識性が高く、読み取り性が
良好となる。読み取り性が5mm以上であれば、窓付き封
筒に使用したときに支障なく文字を認識できる。読み取
り性が5mmより低いものは封筒窓用紙としては好ましく
ない。
【0028】シートの伸縮率については、温度20℃の条
件下で、相対湿度90%RHから20%RHにしたときの収
縮率で表した。
【0029】封筒窓のぼこつきは、以下の方法に基づい
て測定した。紙の縦方向、横方向に沿って5cm四角に切
り取った上質紙と、同じく紙の縦方向、横方向に沿って
6cm四角に切り取った透明紙を用意する。上質紙の窓の
周囲に澱粉糊を塗布し、紙の縦方向、横方向を合わせて
透明紙を貼り付ける。そのまま風乾で乾燥させた後、透
明紙のぼこつきを目視により観察し、○(良好)△(や
や不良)×(不良)の三段階で評価した。
【0030】古紙回収性については、以下の方法に基づ
いて測定した。透明紙5gを2cm四角に断裁し、20
℃、500mlの水中に投入し、家庭用ミキサーで撹拌し
て、古紙回収工程を再現した。樹脂組成物層の分離、分
解が速いほどリサイクル処理が容易となるるが、この工
程で5分以内に短繊維まで離解すれば支障なく古紙パル
プ回収工程で処理できると評価した。また10分以上か
かるものは、通常の古紙パルプ回収工程では処理するこ
とができないと評価した。
【0031】<実施例1>基紙として、カナディアンス
タンダードフリーネス45mlまで叩解したパルプを抄造
し、水分20%、かつロール表面温度130℃でカレン
ダー処理してなる、坪量30.5g/m2、密度1.00g/cm
3、平滑度1500秒、不透明度20%のグラシン紙を
用い、石油系炭化水素樹脂組成物(大和化学工業(株)
製、商品名クラリテンDC:脂環族飽和炭化水素系樹脂)
をグラビアコーターで1g/m2の塗布量で両面に塗布し、
105℃で1分間乾燥し、透明紙サンプルを得た。
【0032】<実施例2>実施例1と同様の基紙に、石
油系炭化水素樹脂組成物(日立化成ポリマー(株)製、
商品名TA39-099E:熱可塑性石油系樹脂)を、実施例1と
同様な方法で塗布、乾燥を行い、透明紙サンプルを得
た。
【0033】<実施例3>実施例1と同様の基紙に、以
下のポリエステル/ウレタン系樹脂組成物を、実施例1と
同様な方法で塗布、乾燥を行い、透明紙サンプルを得
た。
【0034】ポリエステル/ウレタン系樹脂組成物 主剤(日立化成ポリマー(株)製、商品名テスファイン
100:ポリエステル/ウレタン系樹脂):65部 硬化剤(武田薬品工業(株)製、商品名タケネートD20
4:イソシアネート硬化剤):35部
【0035】<実施例4>実施例1と同様の基紙に、ア
クリル系樹脂組成物(日立化成ポリマー(株)製、商品
名テスファイン404:熱可塑性アクリル系樹脂)を、実
施例1と同様な方法で塗布、乾燥を行い、透明紙サンプ
ルを得た。
【0036】<実施例5>実施例1と同様の基紙に、石
油系炭化水素樹脂組成物(大和化学工業(株)製、商品
名クラリテン21:脂環族飽和炭化水素系樹脂)を、実施
例1と同様な方法で塗布、乾燥を行い、透明紙サンプル
を得た。
【0037】<実施例6>実施例1と同様の基紙に、石
油系炭化水素樹脂組成物(日立化成ポリマー(株)製、
商品名TA39-104A:熱可塑性石油系樹脂)を、実施例1
と同様な方法で塗布、乾燥を行い、透明紙サンプルを得
た。
【0038】<実施例7>実施例1と同様の基紙に、ロ
ジン系樹脂組成物(日立化成ポリマー(株)製、商品名
TA39-104B:ロジン系樹脂)を、実施例1と同様な方法で
塗布、乾燥を行い、透明紙サンプルを得た。
【0039】<実施例8>実施例1と同様の基紙に、ア
クリル系樹脂組成物(日立化成ポリマー(株)製、商品
名TA32-104E:アクリル系樹脂)を、実施例1と同様な方
法で塗布、乾燥を行い、透明紙サンプルを得た。
【0040】<実施例9>実施例1と同様の基紙に、ポ
リエステル系樹脂組成物(日本化工塗料(株)製、商品
名PET-25:ポリエステル系樹脂)を、実施例1と同様な
方法で塗布、乾燥を行い、透明紙サンプルを得た。
【0041】<実施例10>実施例1と同様の基紙に、ニ
トロセルロース系樹脂組成物(日本化工塗料(株)製、
商品名GNC-25:ニトロセルロース系樹脂)を、実施例1
と同様な方法で塗布、乾燥を行い、透明紙サンプルを得
た。
【0042】<比較例1>実施例1と同様の基紙に、石
油系炭化水素樹脂組成物を塗布しなかった以外は実施例
1と同様な方法で透明紙サンプルを得た。
【0043】<比較例2>実施例1と同様の基紙に、低
密度ポリエチレンを15μmの厚みで溶融押し出しコー
ティングすることにより、透明紙サンプルを得た。
【0044】<比較例3>基紙として、カナディアンス
タンダードフリーネス45mlまで叩解したパルプを抄造し
てなる、坪量30.5g/m2、密度0.60g/cm3、平滑度
20秒、不透明度30%の透明紙を用い、石油系炭化水
素樹脂組成物(大和化学工業(株)製、商品名クラリテ
ンDC:脂環族飽和炭化水素系樹脂)をグラビアコーター
で1g/m2の塗布量で両面に塗布し、105℃で1分間乾
燥し、透明紙サンプルを得た。
【0045】<比較例4>基紙としてカナディアンスタ
ンダードフリーネス200mlまで叩解したパルプを抄造
し、水分10%、かつロール表面温度130℃でカレン
ダー処理してなる、坪量38g/m2、密度0.95g/cm3
平滑度500秒、不透明度40%のセミグラシン紙を用
い、石油系炭化水素樹脂組成物(大和化学工業(株)
製、商品名クラリテンDC:脂環族飽和炭化水素系樹脂)
をグラビアコーターで1g/m2の塗布量で両面に塗布し、
105℃で1分間乾燥し、透明紙サンプルを得た。
【0046】<比較例5>基紙としてカナディアンスタ
ンダードフリーネス350mlまで叩解したパルプを抄造
し、水分6%、かつロール表面温度50℃でカレンダー
処理してなる、坪量46g/m2、密度0.80g/cm3、平滑
度50秒、不透明度60%の上質紙を用い、石油系炭化
水素樹脂組成物(大和化学工業(株)製、商品名クラリ
テンDC:脂環族飽和炭化水素系樹脂)をグラビアコータ
ーで1g/m2の塗布量で両面に塗布し、105℃で1分間
乾燥し、透明紙サンプルを得た。
【0047】<比較例6>厚さ30μmのポリスチレン
フィルムをそのまま用いた。
【0048】以上の実施例、比較例で得られたサンプル
に対して試験を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0049】評価:表1から明らかなように、本発明に
よる透明紙は、基紙の密度、平滑度、不透明度による良
好な透明性と読み取り性を有し、樹脂組成物層による寸
法安定化効果により封筒窓として使用したときのぼこつ
きが少なく、古紙パルプ回収工程においても、容易に離
解されるため再生利用が容易である。
【0050】これに対して、表2に示したように、同様
な実験において樹脂組成物層を有さない比較例の試料
は、寸法安定性に劣り、封筒窓として使用したときのぼ
こつきが大きい。ポリエチレンの押し出しコーティング
により樹脂層を設けた場合、またはポリスチレンフィル
ムを直接用いた場合は、古紙回収性に劣り、窓付き封筒
などに用いた場合は古紙回収が難しい。また、基紙の密
度、平滑度、不透明度のいずれかが劣っていても、読み
取り性が悪くなり、窓付き封筒の窓としての使用は困難
である。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明の透明紙は、透明性が高く、湿度
変化による寸法変化率も小さく、かつリサイクル可能で
あり、窓付き封筒の窓用として使用すれば、窓越しの文
字やバーコードの読み取り性が良好であり、窓付き封筒
はそのまま上質紙と同様に古紙回収工程へまわせること
から、環境保護、省資源の面からも効果がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坪量が10〜100g/m2、密度が0.9
    0g/cm3以上、平滑度が1000秒以上、不透明度が4
    0%以下であるセルロース繊維からなる基紙の少なくと
    も片面に、0.1〜20g/m2の樹脂組成物層を形成した
    ことを特徴とする透明紙。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物層が石油系炭化水素系樹脂、
    ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
    ウレタン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂の中から選ば
    れた1種類以上の樹脂を含有することを特徴とする請求
    項1記載の透明紙。
  3. 【請求項3】 20℃の温度条件下で、湿度90%RHか
    ら20%RHに変化させたときの寸法変化率が2.0%以
    下であることを特徴とする請求項1〜2記載の透明紙。
  4. 【請求項4】 基紙がカナディアンスタンダードフリー
    ネスが100ml以下のパルプを原料とするグラシン紙で
    あって、紙の水分が5〜30%において表面温度が80
    ℃以上であるロールでカレンダー処理されたグラシン紙
    を基紙として用いたことを特徴とする請求項1〜3記載
    の透明紙。
JP16901697A 1997-06-25 1997-06-25 透明紙 Pending JPH1112990A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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