JP2000264619A - シリカ質粉末及びその製造方法 - Google Patents
シリカ質粉末及びその製造方法Info
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Abstract
高流動性を保持したまま、球状シリカを充填した樹脂組
成物の曲げ強度やはんだ耐熱性を高める。 【解決手段】 平均球形度が0.75以上であって、し
かも、原子間力顕微鏡を用いた探針との付着力が0.5
0nN以下であること、吊り下げ式二分割セル型付着力
試験による粉体層の引っ張り破壊応力が95Pa以下で
あること、IRスペクトルにおける4415cm-1のS
i−OHの吸収帯と4350cm-1付近のSi−OR
(R;アルキル基)の吸収帯の両方を持つこと、の少な
くともいずれか1つを満たすシリカ質粉末とする。
Description
止材料として好適な樹脂組成物を調整するのに好適な、
表面改質されたシリカ質粉末とその製造方法に関する。
すます軽薄短小化され、その高集積化が急速に進むにつ
れ、そのデバイスも表面実装型が支配的になってきてい
る。これに伴い、半導体素子を封止する樹脂組成物に
も、これまで以上の低熱膨張性、高熱伝導性、高耐吸湿
性、高曲げ強度等の特性が強く求められており、従来よ
り、樹脂と充填材の両面から様々の改善がなされてい
る。
と、低熱膨張性かつ高絶縁性の付与の点から、現在の主
流は溶融シリカ粉末であり、その粒子形状も樹脂組成物
の要求特性に応じて、破砕シリカ、球状シリカ又はその
両方が使い分けられており、またそれらの粒度構成につ
いてもかなり多くの提案がある。
定の粒度に粉砕したもので、樹脂組成物の破壊靭性、曲
げ強度、耐はんだリフロー性等に優れるが、形状が角ば
っているので流動性が小さく、半導体素子表面やワイヤ
に損傷を与え易いうえ、金型摩耗を引き起こすことが指
摘されている。一方、球状シリカは、シリカ粉末を高温
火炎に噴射して溶融球状化したもので、上記破砕シリカ
におけるような問題は少ないが、粒子表面が平滑なた
め、樹脂組成物の破壊靭性と曲げ強度が破砕シリカを用
いた場合よりも小さくなる。
カと破砕シリカを併用した樹脂組成物が数多く提案され
ている。例えば、特開平5−291436号公報では、
球状シリカと破砕シリカの構成割合とその混合粉末の粒
子径分布を規定することによって高流動性を維持しなが
ら耐はんだリフロー性を改善している。また、球状シリ
カの表面を各種のシリコーン表面処理剤で表面処理する
ことの提案も多くある。しかしながら、このような提案
によってかなりの改善がなされてきたが、その提案件数
が物語っているように、それらの技術では今日の電子分
野の急速な進展に対しては十分に応えることができず、
更なる技術開発が待たれているのが現状である。
り、その目的は、球状シリカにおける上記弱点を改善す
るものであり、球状シリカの長所である高充填性、高流
動性を保持したまま、樹脂組成物の曲げ強度やはんだ耐
熱性を高めることのできるシリカ質粉末を提供すること
である。
下を要旨とするシリカ質粉末とその製造方法である。
で、原子間力顕微鏡を用いた探針との付着力が0.50
nN以下であることを特徴とするシリカ質粉末。
で、吊り下げ式二分割セル型付着力試験による粉体層の
引っ張り破壊応力が95Pa以下であることを特徴とす
るシリカ質粉末。
で、IRスペクトルにおける4415cm-1のSi−O
Hの吸収帯と、4350cm-1付近のSi−OR(R;
アルキル基)の吸収帯の両方を持つことを特徴とするシ
リカ質粉末。
で、原子間力顕微鏡を用いた探針との付着力が0.50
nN以下であって、しかも吊り下げ式二分割セル型付着
力試験による粉体層の引っ張り破壊応力が95Pa以下
であることを特徴とするシリカ質粉末。
で、吊り下げ式二分割セル型付着力試験による粉体層の
引っ張り破壊応力が95Pa以下であって、しかもIR
スペクトルにおける4415cm-1のSi−OHの吸収
帯と、4350cm-1付近のSi−OR(R;アルキル
基)の吸収帯の両方を持つことを特徴とするシリカ質粉
末。
で、原子間力顕微鏡を用いた探針との付着力が0.50
nN以下であって、しかもIRスペクトルにおける44
15cm-1のSi−OHの吸収帯と、4350cm-1付
近のSi−OR(R;アルキル基)の吸収帯の両方を持
つことを特徴とするシリカ質粉末。
上、原子間力顕微鏡を用いた探針との付着力が0.50
nN以下、吊り下げ式二分割セル型付着力試験による粉
体層の引っ張り破壊応力が95Pa以下であって、IR
スペクトルにおける4415cm-1のSi−OHの吸収
帯と、4350cm-1付近のSi−OR(R;アルキル
基)の吸収帯の両方を持つことを特徴とするシリカ質粉
末。
理されており、アルコキシシランで表面処理された後の
表面−OH基量が20%以上増加していることを特徴と
する請求項3、5、6又は7に記載のシリカ質粉末。
かに記載のシリカ質粉末を、更にシリコーン表面処理剤
で処理されてなることを特徴とするシリカ質粉末。
上のシリカ粉末を、アルコキシシラン、水、有機溶剤及
び酸触媒を含む混合溶液中で撹拌混合した後、乾燥する
ことを特徴とするシリカ質粉末の製造方法。
説明すると、本発明のシリカ質粉末は、平均球形度が
0.75以上の形状を持つものである。ここで、平均球
形度は、フロー式粒子像分析装置(例えば、シスメック
ス社製「FPIA−1000」)を用い、次のようにし
て測定することができる。
(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に
対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球形
度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲
長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、P
M=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/
2π)2となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/
B=A×4π/(PM)2として算出することができ
る。
膨張率、誘電率、誘電損失を共に小さくするために、そ
の溶融率が90%以上、特に95%以上であることが好
ましい。
置(例えば、RIGAKU社製「Mini Fle
x」)を用い、CuKα線の2θが26°〜27.5°
の範囲において試料のX線回折分析を行い、特定回折ピ
ークの強度比から測定することができる。すなわち、結
晶シリカは、26.7°に主ピークが存在するが、溶融
シリカではこの位置には存在しない。溶融シリカと結晶
シリカが混在していると、それらの割合に応じた26.
7°のピーク高さが得られるので、数種の結晶シリカ混
在試料による検量線を用いて試料のX線強度から結晶シ
リカ混在率を求め、式、溶融率(%)=100−結晶シ
リカ混在率、から溶融率を求めることができる。
溶融率を用いて、シリカ質粒子の集合体であるシリカ質
粉末の平均球形度又は溶融率を表現するときは、そのシ
リカ粉末から任意に選んだ100個以上の粒子について
球形度又は溶融率を測定し、その平均値で代表させるも
のとする。
75以上、好ましくは0.85以上であって、原子間力
顕微鏡を用いた探針との付着力が0.50nN以下、好
ましくは0.45nN以下であること(第1の条件)、
又は吊り下げ式二分割セル型付着力試験による粉体層の
引っ張り破壊応力が95Pa以下、好ましくは70Pa
以下であること(第2の条件)、又はIRスペクトル
が、4415cm-1のSi−OHの吸収帯と4350c
m-1付近のSi−OR(R;アルキル基)の吸収帯の両
方を持つこと(第3の条件)の少なくともいずれかを満
たしていることが特徴である。
5程度のアルキル基が好ましいが、上記Si−ORの吸
収帯は、アルキル基の炭素数によって4350cm-1よ
りも数cm-1程度シフトする。本発明において、435
0cm-1付近のSi−ORの吸収帯とは、このアルキル
基の炭素数によるシフト幅を含んでいることを意味し、
具体的には4350cm-1±5cm-1程度の範囲のSi
−ORの吸収帯を意味する。
記の範囲のものであれば、上記第1の条件〜第3の条件
のうち2つの条件(第1の条件と第2の条件、第1の条
件と第3の条件、第2の条件と第3の条件)を満たして
いることが好ましく(2つの条件がともに好ましい範囲
に入っていることがより好ましい)、上記3つの条件を
同時に満たしていることが更に好ましい(3つの条件が
ともに好ましい範囲に入っていることが最も好まし
い)。
カ質粉末が、探針との付着力が0.58nN程度、粉体
層の引っ張り破壊応力が98Pa程度であるのと比べて
相違している。また、本発明のシリカ質粉末はアルコキ
シシランで処理することで得ることができるが、従来の
シリカ質粉末のIRスペクトルが4520cm-1又は4
415cm-1のSi−OHの吸収帯しか示さないもので
あったことと比べて相違している。本発明の上記特性を
満たしていないシリカ質粉末を充填材として用いても、
樹脂組成物の曲げ強度とはんだ耐熱性を十分高めること
ができない。
うにアルコキシシシランで表面処理することで得ること
ができるが、その処理前後において、表面−OH基量が
20%以上増加していることが好ましい。このように、
表面−OH基が増加されたシリカ質粉末は、後述するシ
リコーン表面処理剤との反応がより促進され、樹脂組成
物の曲げ強度を一層高めることが可能となる。
ルフィッシャー微量水分測定装置(例えば、三菱化学社
製「CA−05型」)を用いて測定できる。すなわち、
試料を不活性ガス雰囲気中で250℃まで加熱し物理吸
着数を除去した後、250℃から900℃まで加熱し発
生した水分量を電量滴定法により測定し、式、表面−O
H基量(ppm)=(水分量測定値/試料採取量)×1
07、から表面−OH基量を算出することができる。ま
た、表面−OH基量の増加率は、次式によって求めるこ
とができる。
シリカ粒子(好ましくは0.85以上)を、アルコキシ
シラン、水、有機溶剤及び酸触媒を含む混合溶液中で撹
拌混合した後、乾燥することによって製造することがで
きる。以下、更に詳しく説明する。
を粉砕した粉末を火炎中や高温プラズマ中に投入して球
状化したもの、四塩化珪素の気相加水分解により合成し
球状化したもの及びこれを原料として焼成や火炎溶射処
理を施して球状化したもの、金属珪素やアルコキシシラ
ンを出発原料として気相又は液相で合成し球状化したも
のおよびさらにこれを焼成や火炎溶射処理を施して球状
化したもの等、いかなる方法で製造されたものでも使用
することができる。
なアルコキシ基の炭素数が1〜5程度で2〜4官能であ
る種々のアルコキシシランが使用することができるが、
反応性、経済性、量産性を考慮すると、低級のメトキシ
シラン、エトキシシランが好ましく、特にテトラエトキ
シシランが好適である。アルコキシシランの配合量は、
特に制限するものではないが、アルコキシシラン:シリ
カ粉末のモル比が、1:100程度以下が好ましく、更
に好ましくは1:30以下、特に1:22以下である。
等モル程度にアルコキシシランを多量添加してもよい
が、経済性が損なわれる。
〜40モル程度混合する。水の量は、処理後の乾燥を考
慮すると少ない方が好ましいが、4モル未満では加水分
解が十分進行せず、アルコキシシランによる十分な被覆
層の形成ができななる恐れがある。また、40モルをこ
えると、アルコキシシランの縮合が進み、被覆層の組織
が粗になり好ましくない。
溶で水と一定の割合で混合できるものであれば種々の有
機溶剤を使用することができるが、処理後の除去のし易
さを考慮すると、特にメタノール、エタノールが好適で
ある。有機溶剤の量は、混合溶液の粘度を下げて容易に
撹拌でき、均一な処理が行える程度であればよく、除去
時の負荷、生産効率、経済性を考慮すると少ない方が好
ましい。好ましくは、アルコキシシラン1モルに対し、
有機溶剤40モル以下である。
解反応は、酸触媒の添加された酸性条件で行われる。通
常、pH1〜7程度とするが、好ましくはpH1〜5で
ある。pH調整する酸触媒としては、処理後の分解、揮
発、洗浄等により除去し易い揮発性の無機酸または炭素
数の少ない有機酸が好ましく、特に塩酸、酢酸が好まし
い。
に制限しないが、最初にシリカ粉末に、水、有機溶剤及
び酸触媒を室温にて撹拌しながら添加し、十分に混合し
た後、アルコキシシランを添加し、混合溶液を調整する
ことが好ましい。アルコキシシランを添加した後、引き
続き撹拌混合し、アルコキシシランの加水分解反応を行
わせる。処理温度、時間は、種々の条件により異なる
が、好ましくは温度が10〜60℃、特に20〜50
℃、処理時間が0.5〜50時間、特に1〜24時間で
ある。処理温度が60℃をこえると、蒸発が著しくなっ
て均一な処理が困難となり、また加熱コストも増加す
る。処理温度が10℃よりも低いと加水分解反応が著し
く遅くなる。また、処理時間が0.5時間未満であると
シリカ粉末の十分な表面処理ができない。
て本発明のシリカ質粉末となる。乾燥方法としては、粉
体を含むスラリーを乾燥して粉末を得る回転乾燥、流動
床乾燥、噴霧乾燥等の一般的な方法でよい。また、乾燥
操作前にデカンテーション、濾過、遠心分離等の操作を
組み合わせることができる。更には、混合処理後に、乾
燥物が使用目的に応じた所望の純度となるように、水又
はアルコール等の揮発除去の容易な溶媒で洗浄すること
ができる。乾燥温度は、所要時間や効率等を考慮する
と、70〜300℃程度が実用的で好ましい。
ランで十分に処理された本発明のシリカ質粒子を容易に
製造できることに加え、処理前のシリカ質粒子に付着し
ていたサブミクロン以下の超微粉が減少し、樹脂への不
均一混合を防止できる利点もある。
処理剤、特にシランカップリング剤で更に処理すること
によって、樹脂への均一混合が容易となり、樹脂組成物
の曲げ強度を十分に高めることが可能となる。また、シ
リカ質粉末の充填量も高めることができるので、更なる
低熱膨張性、耐吸湿性の改善が可能となる。
理剤で処理する方法としては、乾式処理法と湿式処理法
を採用することができる。乾式法は、ヘンシェルミキサ
ー等の撹拌機を用いて高速撹拌しながら、シリコーン表
面処理剤又はこれに水や有機溶剤等を混合した溶液を滴
下あるいは噴霧して添加し、均一に撹拌混合した後、加
熱乾燥させる方法である。一方、湿式法は、シリカ質粉
末を水又は有機溶剤等に分散させてスラリー化し、シリ
コーン表面処理剤を添加して撹拌混合する、あるいは水
又は有機溶剤等にシリコーン表面処理剤をあらじめ溶解
させた溶液中に、撹拌しながらシリカ質粉末を分散させ
て処理する方法である。湿式法の場合は、デカンテーシ
ョン、濾過、遠心分離等で脱溶媒した後、乾燥させて表
面処理粉末を得る。シリコーン表面処理剤の添加量は、
シリカ質粉末100重量部に対し、0.3〜5.0重量
部、特に0.5〜2.0重量部が好ましい。
シドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン等のシランカップリング剤が好ましい。
が60μm以下で、比表面積が40m2/g以下である
ことが好ましい。平均粒子径が60μmをこえると、封
止時の半導体チップの損傷やワイヤー流れ、目詰まりに
よる未充填等の問題が発生するおそれがある。比表面積
が40m2/gをこえると樹脂組成物中のシリカ質粉末
の均一分散が悪くなり曲げ強度等の特性が低下したり、
また樹脂組成物の流動性も低下する恐れがある。
は、それぞれレーザー散乱光法による粒度測定法及びB
ET法に基づく値であり、その測定機としては、シーラ
ス社製粒度測定器(モデル715型)及び湯浅アイオニ
クス社製比表面積測定器(モデル4−SORB)があ
る。
際しては、本発明のシリカ質粉末をそのまま用いてもよ
く、また通常の球状シリカ粉末ないしは破砕溶融シリカ
粉末と併用することもできる。それらの割合は、樹脂組
成物の要求特性によって一概に決定することができない
が、充填材中の破砕溶融シリカ粉末の割合が5〜50重
量%程度であることが好ましい。また、本発明のシリカ
質粉末の樹脂への混入率は、10〜95重量%程度であ
る。
しては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、
フッ素樹脂、ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエー
テルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレー
ト,ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリ
スルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリ
カーボネート、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、AA
S(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン)樹
脂、AES(アクリロニトリル−エチレン・プロピレン
・ジエンゴム−スチレン)樹脂などをあげることができ
る。
としては、エポキシ樹脂が好ましく、それを例示する
と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とアル
デヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビス
フェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS
などのグリシジルエーテル、フタル酸やダイマー酸など
の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られる
グリシジルエステル酸エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、
アルキル変性多官能エポキシ樹脂、β−ナフトールノボ
ラック型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフタレ
ン型エポキシ樹脂、2,7−ジヒドロキシナフタレン型
エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹
脂、更には難燃性を付与するために臭素などのハロゲン
を導入したエポキシ樹脂などである。中でも、耐はんだ
リフロー性の点からは、オルソクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹
脂、ナフタレン骨格のエポキシ樹脂が好適である。
フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノー
ル、クロロフェノール、t−ブチルフェノール、ノニル
フェノール、イソプロピルフェノール、オクチルフェノ
ール等の群から選ばれた1種又は2種以上の混合物をホ
ルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はパラキシレ
ンとともに酸化触媒下で反応させて得られるノボラック
型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン樹脂、ビスフェノ
ールAやビスフェノールS等のビスフェノール化合物、
ピロガロールやフロログルシノール等の3官能フェノー
ル類、無水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリッ
ト酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミン、ジアミノ
ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳
香族アミンなどがあげることができる。
量をヘンシェルミキサー等により混合した後、ロール、
バンバリーミキサー、ニーダー、らいかい機、二軸押出
し機、一軸押出し機等により混練することによって行う
ことができる。
具体的に説明する。
球形度0.89、溶融率98%、表面−OH基量が62
0ppmの溶融シリカ粉末に、水、エタノール及び塩酸
を、その配合割合を種々変えて室温にて撹拌しながら添
加し、十分に混合してスラリーを調製した。これにテト
ラエトキシシランを添加して撹拌混合した後、乾燥して
テトラエトキシシランで処理されたシリカ質粉末を得
た。条件の一例は、テトラエトキシシラン220ml、
シリカ粉末1300g、水67ml、エタノー1150
ml、塩酸33mlで、スラリーはpH2〜3である。
また、テトラエトキシシランを添加後の撹拌混合時間は
24時間、乾燥温度は80℃である。また、実施例4に
おけるシリカ質粉末について平均粒子径と比表面積を測
定したところ、平均粒子径が6.5μm、比表面積が
9.4m2/gであった。
結果と、原子間力顕微鏡を用いた探針との付着力の測定
結果と、吊り下げ式二分割セル型付着力試験による粉体
層の引っ張り破壊応力の測定結果と、IR分析及び表面
−OH基量の増加率の結果とを表1に示す。
止用樹脂組成物の充填材としての特性を評価するため、
シリカ質粉末85重量部、オルソクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂8.9重量部、フェノールノボラック樹
脂4.1重量部、トリフェニルホスフィン0.3重量
部、カルナバワックス1.2重量部、カーボンブラック
0.2重量部、シランカップリング剤0.3重量部をミ
キサーにてドライブレンドした後、100℃でロール混
練し、冷却後、粉砕して、エポキシ樹脂組成物を調製
し、流動性、曲げ強度、はんだ耐熱性(クラック発生
数)を測定した。それらの結果を表1に示す。
のように測定した。
着力:シリカ質粉末を内径20mmの金型に充填し、所
定圧力で1分間圧縮しペレット状に成形した。これを原
子間力顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製「Nan
oscope E」)のステージに載せ、原子間力顕微
鏡用探針(Si3N4(Oxide Sharpene
d)プローブ「NP−S型」)を用いて付着力を測定し
た。測定場所を3〜4カ所変えて平均値を算出した。
質粉末15.0gを内径50mmの粉体充填用石英ガラ
ス製セルに充填し、2.66kPaの予圧を5分間加え
た後、吊り下げ式二分割セル型付着力測定装置(ホソカ
ワミクロン社製「コヒテスタ」)を用いて、引っ張り試
験を行い破壊応力を測定した。
(Nicolet社製「Avatar360」)を用い
て、4000〜5000cm-1の近赤外領域を、分解能
4cm-1で行った。光学系は乾燥窒素ガスにてパージし
て測定した。
いてEMMI−66に準拠してスパイラルフローを測定
した。成形温度は175℃、成形圧力は75kg/cm
2で試験した。
180℃で、4mm×16mm×80mmの大きさに成
形し、180℃×6時間の後硬化を行った後、JIS
K 6911の曲げ強度の測定法に準じて測定した。
低圧トランスファー成形法により175℃×2分の条件
で模擬素子を封止した44ピンQFP成形体(パッケー
ジ)を16個得た後、175℃×5時間のポストキュア
を行った。これらを温度85℃、湿度85%RHの条件
下に96時間放置後、260℃のはんだに10秒間浸漬
し超音波探査映像装置により、16個の成形体中に観察
された内部クラックの発生数を求めた。この値が小さい
ほどはんだ耐熱性が優れていることを示す。
リング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン)で乾式噴霧方法により処理した。この粉末を用いて
実施例1と同様にして樹脂組成物を調整し、評価した。
その結果を表1に示す。
末を用いて、実施例1と同様にして樹脂組成物を調整
し、評価した。その結果を表1に示す。
質粉末の充填されてなる樹脂組成物は、良好な流動性を
保持したままで、曲げ強度、はんだ耐熱性のいずれもを
高度に高めることができる。
流動性等の長所を保持したまま、曲げ強度、はんだ耐熱
性のいずれもを著しく高めた樹脂組成物を提供すること
ができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 平均球形度が0.75以上で、原子間力
顕微鏡を用いた探針との付着力が0.50nN以下であ
ることを特徴とするシリカ質粉末。 - 【請求項2】 平均球形度が0.75以上で、吊り下げ
式二分割セル型付着力試験による粉体層の引っ張り破壊
応力が95Pa以下であることを特徴とするシリカ質粉
末。 - 【請求項3】 平均球形度が0.75以上で、IRスペ
クトルにおける4415cm-1のSi−OHの吸収帯
と、4350cm-1付近のSi−OR(R;アルキル
基)の吸収帯の両方を持つことを特徴とするシリカ質粉
末。 - 【請求項4】 平均球形度が0.75以上で、原子間力
顕微鏡を用いた探針との付着力が0.50nN以下であ
って、しかも吊り下げ式二分割セル型付着力試験による
粉体層の引っ張り破壊応力が95Pa以下であることを
特徴とするシリカ質粉末。 - 【請求項5】 平均球形度が0.75以上で、吊り下げ
式二分割セル型付着力試験による粉体層の引っ張り破壊
応力が95Pa以下であって、しかもIRスペクトルに
おける4415cm-1のSi−OHの吸収帯と、435
0cm-1付近のSi−OR(R;アルキル基)の吸収帯
の両方を持つことを特徴とするシリカ質粉末。 - 【請求項6】 平均球形度が0.75以上で、原子間力
顕微鏡を用いた探針との付着力が0.50nN以下であ
って、しかもIRスペクトルにおける4415cm-1の
Si−OHの吸収帯と、4350cm-1付近のSi−O
R(R;アルキル基)の吸収帯の両方を持つことを特徴
とするシリカ質粉末。 - 【請求項7】 平均球形度が0.75以上、原子間力顕
微鏡を用いた探針との付着力が0.50nN以下、吊り
下げ式二分割セル型付着力試験による粉体層の引っ張り
破壊応力が95Pa以下であって、IRスペクトルにお
ける4415cm-1のSi−OHの吸収帯と、4350
cm-1付近のSi−OR(R;アルキル基)の吸収帯の
両方を持つことを特徴とするシリカ質粉末。 - 【請求項8】 アルコキシシランで表面処理されてお
り、アルコキシシランで表面処理された後の表面−OH
基量が20%以上増加していることを特徴とする請求項
3、5、6又は7に記載のシリカ質粉末。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載のシ
リカ質粉末を、更にシリコーン表面処理剤で処理されて
なることを特徴とするシリカ質粉末。 - 【請求項10】 平均球形度が0.75以上のシリカ粉
末を、アルコキシシラン、水、有機溶剤及び酸触媒を含
む混合溶液中で撹拌混合した後、乾燥することを特徴と
するシリカ質粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11072858A JP2000264619A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | シリカ質粉末及びその製造方法 |
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JP11072858A JP2000264619A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | シリカ質粉末及びその製造方法 |
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