JPH0798659B2 - 球状シリカ及びその製造方法並びにエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

球状シリカ及びその製造方法並びにエポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH0798659B2
JPH0798659B2 JP13601490A JP13601490A JPH0798659B2 JP H0798659 B2 JPH0798659 B2 JP H0798659B2 JP 13601490 A JP13601490 A JP 13601490A JP 13601490 A JP13601490 A JP 13601490A JP H0798659 B2 JPH0798659 B2 JP H0798659B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、制御された径および容積の細孔を有する球状
シリカ、詳しくは、直径が0.01〜0.1μmの範囲にある
細孔を有し、かつ、そらの細孔の容積が0.02〜0.15ml/g
の範囲である球状シリカ及びその製造方法並びにエポキ
シ樹脂組成物及びその硬化物に関する。
〔従来の技術〕
近時、集積回路の高密度化に伴い、高密度集積回路電子
部品の封止用樹脂組成物(以下、封止材という)中に占
めるチップ面積の割合が増大すると共に、パッケージの
薄型化が進んでいる。このため、薄い封止材でチップを
保護できるよう、封止材の品質に対する要求はますます
厳しくなっている。
かかる要求としては、先ず、耐熱応力性が挙げられる。
即ち、シリコンチップと封止材それぞれの熱膨張率の差
によって熱応力が生ずるため、熱応力を可及的に小さく
することが求められる。そこで、封止材の熱膨張率をシ
リコンチップのそれにできるだけ近づけるために、熱膨
張率の小さいシリカを充填材としてできるだけ多く樹脂
に加える方法が採用されている。
ところで、充填材用シリカとしては、従来粉砕して製造
された形状が不規則で鋭い角を有する破砕体シリカが広
く用いられていた。しかし、このような破砕体シリカの
充填率の高い封止材は、その粘度が高まって成形時の流
動性が悪化し、所定の特性を有する均質なパッケージが
得られなくなる。また、鋭い角を有する破砕体シリカ
は、成形用金型を摩耗させると共に、チップ表面の保護
皮膜を突き抜けてチップ上のアルミ配線を傷つけるおそ
れがある。このようなことから、封止材の流動性を低下
させることが少ない、鋭い角の無い球状シリカが求めら
れ、このような球状シリカを封止材の充填材として使用
することが種々提案された。
従来、かかる封止材用充填材として用いられる球状シリ
カの製造方法としては、 (1) シリカ破砕体を火炎中で溶融する方法(例え
ば、特開昭58−145613号公報)、 (2) アルキルシリケートを加水分解して得られたゾ
ル上溶液を加熱媒体中に噴霧して乾燥造粒し、次いで火
炎中ど溶融する方法(例えば、特開昭58−2233号公
報)、 (3) シリコンアルコキシド加水分解して得られた部
分縮合体ゾルからアルコールを除去した後、これを水に
分散させて沈澱させることにより得られたシリカゲルを
焼成する方法(例えば、特開昭63−225538号公報)など
が提案されている。
これらの従来技術におけるシリカの焼成においては、シ
リカの疎水化や焼成体の強度等を考慮して、細孔容積が
0.01ml/g以下になるまで完全に焼成が進む条件が採用さ
れていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上述した従来の球状シリカの製造法はそれぞれ
次の問題点を有している。
即ち、(1)または(2)の方法で得られる粒子は、そ
の表面が滑らか過ぎるために樹脂との接着力が小さく、
封止材用充填材としは適さない。また、火炎溶融法は、
高価な水素や酸素を多量に消費するために経済面の制約
がある。更に、(2)の方法は原料が高価であると共
に、原料由来の有機物を含む排水の処理を必要とする。
一方、(3)の方法では、シリカ粒子の表面にマスクメ
ロン風の凹凸を与えることによって、封止材用充填材と
して用いたとき充填材と樹脂との接着力を高めようと試
みているが、破砕体シリカに比してなお十分なレベルに
達していない。
このような従来提案されている球状シリカは、封止材中
の充填率を高めたときに封止材の流動性が悪化すること
を防ぐことはできるが、樹脂とのなじみが悪く、接着強
度か劣り、パッケージの割れの原因となり易い。このよ
うなことから封止材用充填材として球状シリカの改良が
強く求められている。
従って、本発明の目的は、樹脂に対する充填率が60〜90
重量%の範囲にあるような多量の配合しても封止材の流
動性を低下させることが少なく、かつ、樹脂とのなじみ
がよい上、接着強度が大きく、封止体の強度を増大させ
ることができる球状シリカとその製造方法並びに半導体
封止に適したエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供
するものである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を進め
た結果、形状シリカが保有する細孔の径および容積を制
御することにより、封止材用充填材に適した球状シリカ
が得られることを知った。
一般に、従来技術におけるシリカの焼成においては、シ
リカの疎水性や焼結体の強度等を考慮して細孔容積が0.
01ml/g以下になるまで完全に焼成が進む条件が採用され
ている。
これに対して、本発明者らは封止用樹脂が侵入できる程
度の細孔を有するシリカ粒子は、封止材用充填材として
用いられたとき封止体の強度をむしろ向上させるのでは
ないかと考え、充填材としてのシリカ粒子が保有する細
孔径ならびに細孔容積と、このような充填材と配合した
封止材で成型して得られた封止体の強度との関係を検討
した。その結果、充填材としてのシリカ粒子の細孔容積
と封止体強度との間には密接な関係があり、驚くべきご
とに、細孔容積が大きくなる程、封止体の強度を増大さ
せるという知見を得た。更に、かかる知見に基づき鋭意
研究を進めた結果、重量平均粒子径が10μm以下である
非晶質シリカの懸濁液を噴霧乾燥して得られた球形造粒
シリカを温度1000〜1300℃の範囲で適宜な時間焼成する
ことにより、直径が0.01〜0.1μmの範囲である細孔の
容積が0.02〜0.15ml/gの範囲の球状シリカが得られると
共に、この球状シリカが封止材用充填材として優れた特
性を有し、上記目的を効果的に達成し得ることを見い出
し、本発明を完成した。
従って、本発明は、 第一の発明として、直径が0.01〜0.1μmの範囲にある
細孔を有し、かつ、前記範囲の直径を有する細孔の容積
が0.02〜0.15ml/gの範囲である球状シリカを提供する。
また、第二の発明として、重量平均粒子径が10μm以下
である非晶質シリカの懸濁液を噴霧乾燥して球形造粒シ
リカを得、次いで該球形造粒シリカを温度1000〜1300℃
の範囲で焼成して、直径が0.01〜0.1μmの範囲にある
細孔を有し、かつ、前記範囲の直径を有する細孔の容積
が0.02〜0.15ml/gの範囲である球状シリカを得ることを
特徴とする球状シリカの製造方法を提供する。
なおまた、第三の発明として、上記球状シリカを充填材
として含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物を
提供する。
更に、第4の発明として、上記エポキシ樹脂組成物を硬
化してなるエポキシ樹脂硬化物を提供する。
なお、本発明において、球状シリカとは、一つのシリカ
粒子における最大直径に対する最小直径の比が1〜0.6
の範囲であるものをいう。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の第一発明に係る球状シリカは、上述したように
直径が0.01〜0.1μmの範囲にある細孔を有し、かつ、
それらの細孔の容積が0.02〜0.15ml/gの範囲にあるもの
である。
ここで、本発明の球状シリカは、封止材として好適に用
いられるエポキシ樹脂組成物の充填材として有効に使用
されるものであるが、封止材用充填材としての球状シリ
カが保有する封止体の強度に寄与する細孔は、その径が
0.01〜0.1μmの範囲である。細孔径が0.01μmより小
さくなると、細孔中に水分は浸透できても樹脂の浸透は
困難になる。また、径は0.01μmより小さい細孔が存在
することは焼成の程度が充分でないことを示していて好
ましくなく、このような球状シリカは強度が弱く、使用
に耐えない。一方、径が0.1μmより大きい細孔は、封
止体の強度向上への寄与がほとんど認められない。
次に、前記範囲の細孔の容積については、その値が0.02
ml/gより小さいと封止体強度向上への寄与はほとんど認
められなく、一方、0.15ml/gより大きくなると封止体強
度を著しく増加させるが、成型の際に封止材の流動性を
著しく低下させるので、封止材用充填材として適さな
い。
従って、封止材成型時の流動性と得られた封止体の強度
とが共に良好であるのは、封止材用充填材として用いら
れた球状シリカが0.01〜0.1μm、より好ましくは0.02
〜0.08μmの範囲の直径の細孔を保有し、かつ、それら
細孔の容積が0.02〜0.15ml/g、より好ましくは0.03〜0.
1ml/gの範囲である場合である。
第二の発明の球状シリカの製造方法は、次の工程から構
成される。
<工程−1>:(微粒子シリカ懸濁液調整工程) 非晶質で、重量平均粒子径が10μm以下である微粒子シ
リカを含む懸濁液を調整する工程。
<工程−2>:(球形造粒シリカ製造工程) 工程−1で得られた微粒子シリカ懸濁液を噴霧乾燥法に
よって造粒乾燥し、球形造粒シリカを得る工程。
<工程−3>:(球形造粒シリカ焼結工程) 工程−2で得られた球形造粒シリカを焼成し、制御され
た径と容積の細孔を有する球状シリカへ変換する工程。
以下、前記各工程について順次説明する。
〔1〕微粒子シリカ懸濁液調製工程(工程−1) 本発明の方法を実施する場合において、原料となる非晶
質シリカ中の不純物含有率は限定されないが、目的とす
る球状シリカの用途に応じて不純物含有率の低い高純度
非晶質シリカを用いることが好ましい。
特に、高密度集積回路電子部品の封止材用充填材として
用いられる球状シリカを製造する場合には、本発明の方
法において原料として使用される非晶質シリカおよび得
られた球状シリカは、 Na,Kなどのアルカリ金属元素、Mg,Caなどのアルカ
リ土類金属元素およびハロゲン類元素の含有率が各々1p
pm以下であり、かつ、U,Thなどの放射性元素の含有率
が各々1ppb以下であるものであることが好ましい。
このような不純物含有率の低い高純度非晶質シリカは、
本発明者等が先に提案したたとえば特開昭62−3011号ま
たは特開昭62−283809号各公報記載の方法により、アル
カリ金属珪酸塩水溶液を水混和性有機媒体または酸溶液
中に細孔から押し出して得られた微細な繊維状凝固物を
酸含有液で処理した後、水洗して不純物を抽出除去する
ことによって得ることができる。また、この場合、アル
コキシドを原料として用いることもできる。
アルカリ金属珪酸塩水溶液を原料として用いたときの実
施の態様としては、予め粘度が2〜500ポイズの範囲に
調製されたアルカリ金沿珪酸塩水溶液を、孔径が0.02〜
1mmの範囲であるノズルから水混和性有機媒体または酸
溶液からなる凝固浴中に押し出して、繊維状ないし柱状
あるいは粒状に凝固させ、得られたゲルを酸含有液で処
理した後、水洗する。
上記方法によって、前記の、更にはAl,Fe,Tiなどの遷移
金属元素などの各種の不純物含有率がいずれも1ppm以下
である高純度非晶質シリカを得ることができる。
なお、凝固浴に用いられる水混和性有機媒体としては、
例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール等の
アルコール類、酢酸メチル,酢酸エチル等のエステル
類、アセトン,メチルエチルケトン等のケトン類、ジメ
チルアセトアミド,ジメチルホルムアミドなどのアミド
類、ジメチルスルフォキシド等を挙げることができる。
また、凝固浴に用いられる酸としては、硫酸,硝酸,塩
酸などの無機酸を挙げることができるが、特に硫酸,硝
酸を用いるのが好ましく、酸溶液としては、実用上、こ
れらの酸の水溶液が好ましい。酸濃度は、0.1〜4規
定、好ましくは0.5〜3規定、更に好ましくは1〜2規
定の範囲である。
凝固浴温度は、25℃以上、好ましくは40〜80℃の範囲に
保持するのがよい。
アルカリ金属珪酸塩水溶液と酸とを反応させて得られた
シリカの精製には、硫酸,硝酸,塩酸などの鉱酸,過酸
化水素などの過酸化物およびキレート剤などから選ばれ
た物質を含む水溶液による洗浄など、公知の方法を用い
ることができる。
このようにして得られた非晶質シリカを湿式粉砕して微
粒子シリカ懸濁液を調製する。
湿式粉砕には、通常の装置、たとえば、ポットミル,チ
ューブミル,コニカルボールミルまたはコンパートメン
トミルなどの転動ボールミル、振動ボールミル、または
塔式粉砕機,撹拌槽型ミルなどの媒体撹拌ミルなどを用
いることができ、好ましくは、転動ボールミル,振動ボ
ールミルが用いられる。
なお、砕料と接触する粉砕装置要部や必要によって用い
られるボール,ロッドなどの粉砕媒体の材質は、通常の
場合、アルミナ,ジルコニア、プラスチック被覆鋼,炭
化ケイ素または窒化ケイ素などから形成することがで
き、また、アルミニウム,ジルコニウムなどの混入が好
ましくない場合には、石英ガラス,溶融石英,水晶,瑪
瑙または珪石などの珪酸質材料の中から適宜選択すれば
よい。
また、必要によって用いられるボールなどの剛体からな
る粉砕媒体の大きさは、直径が0.5〜25mmの範囲、好ま
しくは1〜10mmの範囲である。特に、平均粒径が1μm
以下である超微粒子シリカを得ようとする場合に用いら
れる粉砕媒体は、直径が1〜5mmの範囲であるものが好
ましい。
本発明の方法において、湿式粉砕の際の分散媒体として
は水が用いられ、結合剤としてコロイダルシリカ,カル
ボキシメチルセルロースなどを添加することもできる。
また、分散媒体として液体有機化合物を用いることがで
き、水溶性液体有機化合物の具体例としては、メタノー
ル,エタノールなどのアルコール類、ホルムアミド,ジ
メチルホルムアミド,ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類、アセトン,メチルエチルケトンなどのケトン類な
どを挙げることができる。また、水と水溶性有機化合物
との混合物を分散媒体とすることもできる。
水性媒体を用いた場合の粉砕時の系のpHは、2〜11の範
囲、好ましくは2〜5または7〜11の範囲がよい。粉砕
時の系のpHが2未満では酸の含有率が高まり、また、11
を超えると媒体へのシリカの溶解度が高まるので好まし
くない。更に、5を超え7未満の範囲では得られるシリ
カ懸濁液の流動性が低下する傾向がある。pHの調節に際
しては、酸としては硫酸,塩酸などの鉱酸、また、アル
カリとしてはアンモニア,メチルアミンなどのアミン類
を用いることができる。
本工程で湿式粉砕する非晶質シリカは、前記処理におい
て、水洗後で洗浄水を分離する前のスラリー状のもの、
洗浄水を分離して得られた湿った状態のもの、適宜の方
法で乾燥処理して得られた乾燥状態のもの、または適宜
の方法で加熱して焼成処理を施したものを用いることが
できる。これらは、各々単独で、または任意の割合に混
合して湿式粉砕することができる。
なお、非晶質シリカを適宜の条件で焼成処理すると、シ
リカ粒子の細孔容積ならびにシラノール基濃度を調整す
ることができる。この場合、粉砕用原料非晶質シリカの
焼成温度は好ましくは500〜1300℃、更に好ましくは800
〜1290℃の範囲であり、湿式粉砕用原料として、細孔容
積が小さくシラノール基濃度が低いシリカを用いると、
シリカ懸濁液の粘度の増大が比較的小さいので、取り扱
いが可能な微粒子シリカ懸濁液中のシリカ濃度の限界を
高めることができる。
粉砕装置への原料シリカおよび粉砕媒体それぞれの充填
量、粉砕媒体の径の選択と組合せなどの粉砕処理の条件
は、原料シリカの組み合わせおよび目的とする微粒子シ
リカの平均粒径や懸濁液中のシリカ濃度などによって適
宜に選択するが、通常、湿式粉砕して得られる微粒子シ
リカ懸濁液中のシリカ濃度は、焼成処理を行わないシリ
カを用いた場合に5〜45重量%、焼成処理を行ったシリ
カを用いた場合には、焼成処理の条件によって変化し、
30〜80重量%の範囲である。
ここで、工程−2において製造される球形造粒シリカを
構成するシリカ粒子の平均粒径は、次の工程−3におい
て焼成されて得られるシリカの緻密性と強度を支配する
重要な因子であり、焼結処理されるシリカ粒子の平均粒
径が小さい程、工程−3において得られる球状シリカが
緻密になる。従って、この工程−1で湿式粉砕して得ら
れる微粒子シリカの平均粒径は、10μm以下であること
が必要で、好ましくは5μm以下、更に好ましくは0.3
〜1μmの範囲である。平均粒径が10μmを超えると焼
結処理に要する温度が高くなり過ぎ、粒子内の焼結と共
に粒子間の焼結が進み、目的とする球状シリカを得るこ
とができない。
なお、平均粒径が1μm以下である超微粒子状のシリ
カ、例えばエアロジルシリカを原料として用いた場合に
は、前記の湿式粉砕処理を行う必要はない。この場合に
は所望のシリカ濃度になるよう原料シリカを水媒体に分
散させればよい。
〔2〕球形造粒シリカ製造工程(工程−2) この工程においては、工程−1で調製した微粒子シリカ
懸濁液を噴霧乾燥法によって熱風の流れの中に噴霧し、
球形に造粒し乾燥させて球形造粒シリカを製造する。
本発明の方法における噴霧乾燥に際しての微粒子シリカ
懸濁液を噴霧する方向と熱風の流れの方向との関係は、
並流、向流、混合流のいづれでも選択することができ
る。また、乾燥域に熱風を多段に供給することもでき
る。
微粒子シリカ懸濁液の噴霧方式としては、遠心式,圧力
ノズル式,2流体ノズル式などの各種の機構を用いること
ができる。
本発明の方法において、噴霧乾燥して得られる球形造粒
シリカの粒径は、0.1mm以下であることがよい。これに
より、工程−3で焼成して得られる球状シリカの粒径を
0.1mmないしそれ以下とすることができ、粒径1〜100μ
mの範囲の球状シリカを得ることができる。
また、噴霧乾燥する微粒子シリカ懸濁液中のシリカ濃度
は5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%の範囲であ
り、熱風温度は10〜450℃、好ましくは30〜250℃の範囲
であり、噴霧乾燥する微粒子シリカ懸濁液のpHは2〜11
の範囲がよい。
なお、噴霧乾燥に際して、微粒子シリカ懸濁液中のシリ
カ濃度が低く熱風温度が高い場合には、造粒シリカが球
形で得られず、中空状になったり粒子表面に大きな凹み
を生ずることがある。これを防ぐには、微粒子シリカ懸
濁液中のシリカ濃度を高め、熱風温度は低くすることが
好ましい。
また、本工程で球形造粒シリカを得る場合の原料とし
て、工程−1において前記各種状態の非晶質シリカをそ
れぞれ単独で湿式粉砕した後に、得られた微粒子シリカ
懸濁液を適宜の割合に混合したものを本工程における球
形造粒シリカ製造用の原料として用いることができる。
〔3〕球形造粒シリカ焼成工程(工程−3) この工程では、工程−2で得た球形造粒シリカを焼成
し、本発明が目的とする球状シリカを得る。
工程−2で得られた非晶質シリカの水性媒体懸濁液を噴
霧乾燥して得られた球形造粒シリカは、なお多量の水分
を含むと共に多数の細孔を有し、また粉砕処理で得られ
た微粒子シリカが相互に単に軽度に凝集しているのみで
あるので、このままでは封止材用充填材として適さな
い。
従って、本工程における焼成処理の目的は、 球形造粒シリカ中の残留水分を除去し、更に存在す
るシラノール基を0.1重量%程度ないしそれ以下に減少
させてシリカ粒子を疎水化する、 球形造粒シリカを構成するシリカ粒子が有する細孔
を閉孔させ、シリカ粒子を緻密で、かつ、水分が浸透し
難い構造に変化させる ものであり、これにより、直径が0.01〜0.1μmの範囲
である細孔を保有し、かつ、それらの細孔の容積が0.02
〜0.15ml/gの範囲の本発明の目的とする球状シリカを得
るものである。
ここで、焼成は加熱処理によって行う。この場合、前記
およびの目的を達成できる焼成温度は1000℃以上で
あり、特に1100〜1300℃の範囲がよい。加熱温度が1000
℃未満では、前記およびの目的を達成する上でいず
れも不充分である。
例えば、前記〔1〕の方法で得た非晶質シリカを温度80
0℃で焼成して得られたシリカでは、2重量%相当量の
シラノール基が残留しており(1250℃焼成法)、また、
比表面積は500m2/gで、なお多数の細孔が残存してい
る。このシリカは、温度20℃で相対湿度70%の雰囲気に
3日間曝露したところ、3重量%相当量の水分を吸収し
た。
従って、前記範囲の径および容積の細孔を有する球状シ
リカを得る焼成条件は、温度1000〜1300℃、好ましくは
1100〜1290℃、更に好ましくは1200〜1280℃の範囲であ
る。そして、焼成時間は1分〜10時間、好ましくは30分
〜6時間、更に好ましくは1〜5時間の範囲である。焼
成条件としての温度と時間との組合せは、工程−1で調
製された噴霧乾燥前の微粒子シリカ懸濁液中のシリカの
粒径に応じて適宜に選択する。この段階におけるシリカ
の平均粒径が小さいほど、前記物性を付与する焼成条件
は低温−短時間側へ移動する。
焼成処理を行う雰囲気は、特に制限されず、Ar,Heなど
の不活性ガス雰囲気、空気などの酸化性雰囲気、水素な
どの還元性雰囲気、水蒸気雰囲気、またシリカ中の不純
物を効果的に除去できる塩素含有雰囲気を用いることが
できる。
また、加熱源は任意であり、電熱または燃焼ガスを経済
的な見地から使用することができる。その他、プラズマ
加熱、イメージ炉を用いることもできる。
以上のようにして得られた球状シリカは、上述したよう
に直径が0.01〜0.1μmの細孔を有し、かつ該細孔の容
積が0.02〜0.15ml/gであるもので、本発明で得られる球
状シリカは、エポキシ樹脂組成物の充填材として好適で
あり、これを半導体封止用エポキシ樹脂組成物に用いる
と、低膨張係数、高流動性及び高強度でかつ高信頼性と
いった利点を有するエポキシ樹脂組成物を得ることがで
きる。
ここで、本発明の球状シリカを充填材とする半導体封止
用エポキシ樹脂組成物につき更に詳述すると、エポキシ
樹脂組成物はエポキシ樹脂(a)と硬化材(b)と上記
した球状シリカ(c)とを含有する。
この場合、本発明に使用するエポキシ樹脂(a)は1分
子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に
制限はなく、例えばオルソクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,脂環
式エポキシ樹脂,ビスフェノール型エポキシ樹脂,置換
又は非置換のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂,
上記エポキシ樹脂類のハロゲン化物などを挙げることが
でき、これらの1種又は2種以上が適宜選択して使用さ
れる。
また、硬化材(b)はエポキシ樹脂に応じたものが使用
され、例えばアミン系硬化剤,酸無水物系硬化剤,フェ
ノールノボラック型硬化剤などが用いられるが、中でも
フェノールノボラック型硬化剤が組成物の成形性、耐湿
性といった面でより望ましい。なお、フェノールノボラ
ック型硬化剤として、具体的にはフェノールノボラック
樹脂,クレゾールノボラック樹脂等が例示される。
ここで、硬化剤の配合量は別に制限されないが、フェノ
ールノボラック型硬化剤を使用する場合は、エポキシ樹
脂中のエポキシ基と硬化剤中のフェノール性水酸基との
モル比を0.5〜1.5の範囲にすることが好適である。
更に、本発明エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂と
硬化剤との反応を促進させるために硬化促進剤を配合す
ることが好ましい。硬化促進剤としてはイミダゾール化
合物、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7
(DBU)等のウンデセン化合物、トリフェニルホスフィ
ン等のホスフィン化合物、三級アミン類などの1種又は
2種以上が用いられる。なお、硬化促進剤の使用量は特
に制限されず、通常の使用量でよい。
更に、本発明ではエポキシ樹脂組成物の応力を低下させ
る目的でシリコーン系ポリマーを配合することができ、
シリコーン系ポリマーを添加すると、熱衝撃テストにお
けるパッケージクラックの発生が著しく少なくなる。
ここで、シリコーン系ポリマーとしては、例えばエポキ
シ基,アミノ基,カルボキシル基,水酸基,ヒドロシリ
ル基,ビニル基等を有するシリコーンオイル,シリコー
ンレンジ又はシリコーンゴム、更にはこれらシリコーン
ポリマーとフェノールノボラック樹脂,エポキシ化フェ
ノールノボラック樹脂等の有機重合体との共重合体を用
いることができる。
なお、シリコーン系ポリマーの配合量は、エポキシ樹脂
と硬化剤との合計量100部に対して1〜50部とすること
が好ましい。
かかるエポキシ樹脂組成物の充填材として用いられる本
発明の球状シリカは、上述した特定の細孔を有するもの
であるが、更に平均粒径が1〜30μm、特に5〜15μm
であることが好ましい。また、比表面積が1〜10m2/g、
特に2〜7m2のものが好適に用いられる。
この球状シリカの配合量は、エポキシ樹脂と硬化剤との
合計量100重量部に対して250〜700重量部、特に350〜65
0重量部とすることが好ましい。
なお、エポキシ樹脂組成物には、上記球状シリカに加
え、必要に応じ破砕シリカ等の他の充填材を配合しても
差支えない。
エポキシ樹脂組成物には、更に必要により各種の添加剤
を添加することができる。例えばワックス類、ステアリ
ン酸などの脂肪酸及びその金属塩等の離型剤、カーボン
ブラック等の顔料、難燃化剤、表面処理剤(γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシシラ
ン、ビニルシラン、ほう素化合物、アルキルチタネート
等のカップリング剤、老化防止剤、その他の添加剤の1
種又は2種以上を配合することができる。
上記エポキシ樹脂組成物は、その製造に際し上述した成
分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め70〜95℃に加熱
してあるニーダー、ロール、エクストルーダーなどで混
練、冷却し、粉砕するなどの方法で得ることができる。
ここで、成分の配合順序に特に制限はない。
かくして得られるエポキシ樹脂組成物は、DIP型,フラ
ットパック型,PLCC型,SO型等の半導体装置の封止に有効
に使用でき、この場合、従来より採用されている成形法
は、例えばトランスファ成形、インジェクション成形、
注型法などを採用して行うことができる。なお、エポキ
シ樹脂組成物の成形温度は150〜180℃、ポストキュアー
は、150〜180℃で2〜16時間行うことが好ましい。
〔発明の効果〕
本発明の球状シリカは、充填率を高めても封止材の流動
性を低下させることが少なく、かつ、封止体の強度を増
大させるので、電子部品の封止材用充填材として好適に
用いられる。
また、本発明の方法によって、径が0.01〜0.1μmの範
囲にある細孔を有し、かつ、それら細孔の容積が0.02〜
0.15ml/gの範囲である、充填率を高めても封止材の流動
性を低下させることが少なく、しかも封止材の強度を増
大させる封止材用充填材に適した球状シリカを得ること
ができる。
更に、本発明の球状シリカを充填材として用いることに
より、充填率を高めても流動性が低下せず、低膨張係数
及び高強度を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を
得ることができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、
本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例−1 1−1) 非晶質シリカの製造 JIS 3号水ガラスを加熱濃縮して、20℃における粘度を3
00cpsとした。この水ガラス約8をポンプで加圧し、
濾過器(目開き70μm)通してノズル(孔径0.2mm,孔数
50個)から、50℃に保持された8重量%硫酸水溶液300
を入れた凝固浴中へ速度1m/秒で押し出した。繊維状
で得られたシリカを10倍量の新たにう調製した8重量%
硫酸水溶液に浸漬し、温度約95℃で約1時間撹拌して不
純物の抽出を行った。
得られた短繊維状シリカを純水を用いて洗液のpHが4に
あるまで洗浄した後、遠心分離機で脱水し、7.1kgの非
晶質湿シリカを得た。
この湿シリカを熱風乾燥機を用いて温度150℃で8時間
乾燥し、3.7kgの乾燥シリカを得た。
1−2) 微粒子シリカ懸濁液の調製 前記1−1)のようにして得られた乾燥シリカ1.0kgを
純水2.07と共に石英ガラス製ボール(直径5mm)4
を充填した石英ガラス製ボールミル(内容積10)に入
れて、50rpmで24時間粉砕処理を行い、平均粒径1.0μm
の微粒子シリカ懸濁液(シリカ濃度:30重量%)を得
た。
1−3) 球形造粒シリカの製造および焼成 前記1−2)のようにして得られた微粒子シリカ懸濁液
(3バッチ分)を噴霧乾燥装置を用いて造粒乾燥し、約
2.5kgの球形造粒シリカを得た。
得られた球形造粒シリカを石英製坩堝に入れ、電気炉を
用いて温度1250℃で4時間の加熱処理を行い、2.3kgの
球状シリカを得た。
得られた球状シリカは、平均粒径が15μmで密度が2.2g
/cm3であり、水銀圧入法で測定した0.01〜0.1μmの範
囲の径を有する細孔の容積は0.03ml/gであり、陥没のな
い球状で凹凸の少ない滑らかな表面状態であった。
この球状シリカの不純物含有率は、Na0.3ppm,Al0.4ppm
であり、Kは0.1ppm以下、Uは0.05ppb以下であった。
実施例−2 実施例−1と同様にして得た球形造粒シリカの焼成時間
を変えて球状シリカを得た。その結果は第1表に示した
通りで、焼成時間を短縮すると細孔容積が増加すること
が認められた。
比較例−1(焼成の程度を強化した場合)。
実施例−1と同様にして得られた球形造粒シリカを温度
1280℃で4時間焼成したところ、細孔容積が0.01ml/gの
シリカが得られた。
比較例−2(焼成の程度をゆるめた場合)。
一方、実施例−1と同様にして得られた球形造粒シリカ
を温度1200℃で2時間焼成したところ、細孔容積が0.16
ml/gのシリカが得られた。
実施例−3 実施例−1と同様にして得られた乾燥シリカを粉砕処理
して得た微粒子状シリカ懸濁液(シリカ濃度:30重量
%)と、粉砕処理する前の乾燥シリカを温度1200℃で2
時間焼成して得た焼成シリカを粉砕処理して得られた微
粒子状シリカ懸濁液(シリカ濃度:30重量%)とを重量
比80:20の割合で混合し、その他の条件は実施例−1と
同様にして球形造粒シリカを得た。
得られた球形造粒シリカについて、温度1250℃で4時間
または2時間、それぞれ焼成して球状シリカを得た。そ
の結果を第1表に示す。
実施例−4 微粒子シリカ懸濁液中の微粒子シリカの平均粒径が0.3
μmまたは0.5μmであるものをそれぞれ調製し、その
他の条件は実施例−1と同様にして球形造粒シリカを得
た。それぞれについて温度1200℃で4時間焼成したとこ
ろ、細孔容積が0.03または0.04ml/gである球状シリカが
得られた。
実施例−5 微粒子シリカ懸濁液中のシリカ濃度が40重量%または50
重量%であるものをそれぞれ調製し、その他の条件は実
施例−1と同様にして球状シリカを得た。得られた球状
シリカの細孔容積は実施例−1の場合と同様に0.03ml/g
であった。
実施例−6 微粒子シリカ(日本アエロジル社製,平均粒径0.05μ
m)3kgを純水12kgと混合し、微粒子シリカ懸濁液(シ
リカ濃度:20重量%)を得た。
このようにして得られた微粒子シリカ懸濁液を噴霧乾燥
装置を用いて造粒乾燥し、約2.5kgの球形造粒シリカを
得た。
得られた球形造粒シリカを石英製坩堝に入れ電気炉を用
いて温度1000℃で2時間の加熱処理を行い、2.3kgの球
状シリカを得た。
得られた球状シリカは、平均粒径が12μmで密度が2.2g
/cm3であり、水銀圧入法で測定した0.01〜0.1μmの範
囲の径を有する細孔の容積は0.04ml/gであり、陥没のな
い球状で凹凸の少ない滑らかな表面状態であった。
この球状シリカの不純物含有率は、Na 0.2ppm,Al 0.3p
pmであり、Kは0.1ppm以下、Uは0.05ppb以下であっ
た。
実施例−7 エチルシリケートを溶相で加水分解して得られたシリカ
ゾル(平均粒径:0.05μm)から微粒子シリカ懸濁液
(シリカ濃度:20重量%)を得た。
この微粒子シリカ懸濁液を噴霧乾燥装置を用いて造粒乾
燥し、球形造粒シリカを得た。
得られた球形造粒シリカを石英製坩堝に入れ、電気炉を
用いて温度1000℃で2.5時間の加熱処理を行い、球状シ
リカを得た。
得られた球状シリカは、平均粒径が13μmで密度が2.2g
/cm3であり、水銀圧入法で測定した0.01〜0.1μmの範
囲の径を有する細孔の容積は0.03ml/gであり、陥没のな
い球状で凹凸の少ない滑らかな表面状態であった。
この球状シリカの不純物含有率は、Na 0.2ppm,Al ppm
であり、Kは0.1ppm以下、Uは0.05ppb以下であった。
以上の方法で得られた球状シリカの性状を第1表に示
す。
実施例8,比較例3 実施例1〜7、比較例1,2で得られたシリカA〜Oと、
更に比較例として下記シリカP,Qを用いて、第2表に示
すエポキシ樹脂組成物を作成し、下記の諸試験を行なっ
た。
シリカP:平均粒径 15μm,細孔容積0.01ml/g, 比表面積 1.5m2/gの球状シリカ シリカQ:平均粒径 14μm,細孔容積0.01ml/g, 比表面積 3.2m2/gの破砕体シリカ 試験項目 (イ)スパイラルフロー値 EMMI規格に準じた金型を使用して、160℃、70kg/cm2
条件で測定した。
(ロ)曲げ強度 JIS−K6911に準じて160℃,70kg/cm2,成形温度3分の条
件で10×4×100mmの抗折棒を成形し、180℃で4時間ポ
ストキュアーしたものについて25℃で測定した(曲げ強
度)。
また、上記180℃で4時間ポストキュアーしたものを121
℃プレッシャークッカーに20時間放置したものについ
て、215℃で測定した(曲げ強度)。
(ハ)膨張係数,ガラス転移温度 4mmφ×15mmの試験片を用いて、ディライトメーターに
より毎分5℃の速さで25℃〜250℃まで昇温した時の50
℃〜100℃までの直線部分から測定した。
(ニ)吸湿後の耐半田クラック性 175℃,2分で成形し、180℃,4時間でポストキュアーした
パッケージサイズ14×20×2.3mm,アイランド面積8×10
mmのフラットパッケージを85℃/85%RHの恒温恒湿槽に2
4時間放置した後、215℃の半田浴に入れた時、パッケー
ジクラックが発生した個数を測定した。
以上の結果より、本発明の球状シリカが充填されたエポ
キシ樹脂組成物は、流動性にすぐれ、かつ、曲げ強度が
強く、吸湿半田後の耐クラック性にもすぐれていること
がわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/29 23/31 (72)発明者 富吉 和俊 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内 (72)発明者 折居 晃一 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 日 東化學工業株式會社中央研究所内 (72)発明者 松浦 正弘 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 日 東化學工業株式會社中央研究所内 (72)発明者 平野 達郎 東京都港区芝公園2丁目9番5号 株式会 社龍森内 (56)参考文献 特開 昭51−30599(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径が0.01〜0.1μmの範囲にある細孔を
    有し、かつ、前記範囲の直径を有する細孔の容積が0.02
    〜0.15ml/gの範囲である球状シリカ。
  2. 【請求項2】球状シリカ中のアルカリ金属元素,アルカ
    リ土類金属元素,ハロゲン類元素および遷移金属元素の
    含有率が各々1ppm以下であり、かつ、放射性元素の含有
    率が各々1ppb以下である請求項1記載の球状シリカ。
  3. 【請求項3】重量平均粒子径が10μm以下である非晶質
    シリカの懸濁液を噴霧乾燥して球形造粒シリカを得、次
    いで該球形造粒シリカを温度1000〜1300℃の範囲で焼成
    して、直径が0.01〜0.1μmの範囲にある細孔を有し、
    かつ、前記範囲の直径を有する細孔の容積が0.02〜0.15
    ml/gの範囲である球状シリカを得ることを特徴とする球
    状シリカの製造方法。
  4. 【請求項4】非晶質シリカ中のアルカリ金属元素,アル
    カリ土類金属元素,ハロゲン類元素および遷移金属元素
    の含有率が各々1ppm以下であり、かつ、放射性元素の含
    有率が各々1ppb以下である請求項3記載の球状シリカの
    製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の球状シリカを充填材とし
    て含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の組成物を硬化してなる硬
    化物。
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