JP2000264534A - 排紙収納装置 - Google Patents

排紙収納装置

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JP2000264534A
JP2000264534A JP11070268A JP7026899A JP2000264534A JP 2000264534 A JP2000264534 A JP 2000264534A JP 11070268 A JP11070268 A JP 11070268A JP 7026899 A JP7026899 A JP 7026899A JP 2000264534 A JP2000264534 A JP 2000264534A
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義之 荒関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストアップすることなく、かつ確実に指定
されたビントレイに用紙を収納することが可能な排紙収
納装置を提供する。 【解決手段】 画像形成装置2より排出される用紙を積
載する複数のビントレイ6を有するビンユニット7と、
用紙をビンユニット7に向けて搬送する垂直搬送手段1
9と、垂直搬送手段19によって搬送されてくる用紙を
複数のビントレイ6に向けて偏向して排出させる、用紙
搬送面fに臨み用紙をガイドするガイド位置q1と用紙
搬送面fより離間する退避位置q2とに選択的に揺動自
在な偏向爪35とを有する排紙収納装置1において、ガ
イド位置q1にてその爪先351が用紙搬送面fを超え
る位置まで偏向爪35の揺動を許容する、用紙搬送面f
より退避した凹部54aを垂直搬送手段19に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は画像形成装置に接
続される排紙収納装置に関し、特に、画像形成装置から
排出された用紙を複数のビントレイに分配して収納する
排紙収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷装置や複写機等の画像形成装
置に付設される排紙収納装置としては、用紙を複数のビ
ントレイに分配して収納するビンユニットを具備したも
のが知られている。この排紙収納装置の一例が特開昭5
4−7936号公報に開示されており、この排紙収納装
置は固定されたビンユニットと移動可能な偏向爪を有
し、ソート時に偏向爪を移動させて各ビントレイに用紙
を分配するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように偏向爪を
移動させて各ビントレイに用紙を分配する排紙収納装置
は、用紙取入口を固定して各ビントレイを移動させる排
紙収納装置に比べ、用紙のソート時間を短くすることが
でき、画像形成効率を向上させることが可能である。
【0004】しかし、用紙搬送面から用紙を偏向爪によ
ってすくい上げる際に、用紙先端が爪の先端に引っかか
って搬送ジャムを引き起こしてしまうという問題点があ
った。これは、用紙がカールしていたり波打っている場
合等に顕著に発生していた。これを防ぐために偏向爪の
先端を鋭いエッジにし、用紙のすくい上げを確実に行お
うとすると、メンテナンス時等において作業者が誤って
けがをする虞が生じてしまうという問題点がある。
【0005】また、偏向爪の移動を通常はパルスモータ
ー等の駆動手段によって行っているが、モーターのパル
ス数のみでは長期間の使用時において移動位置に狂いが
生じてしまう。そこで、偏向爪の移動位置の再現性を確
保するために各ビントレイ毎に位置決めセンサーを配置
すると、ビントレイの数に応じて位置決めセンサーを配
置しなくてはならず、ビントレイの数が増えた際にコス
トアップしてしまうと共に、制御が煩雑となってしまう
という問題点があった。
【0006】本発明の目的は、コストアップすることな
く、かつ確実に指定されたビントレイに用紙を収納する
ことが可能な排紙収納装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、画像
形成装置に連結される枠体と、前記枠体に設けられ前記
画像形成装置より排出される用紙を積載する複数のビン
トレイを有するビンユニットと、前記用紙を前記ビンユ
ニットに向けて搬送する垂直搬送手段とを備えた排紙収
納装置において、前記垂直搬送手段によって搬送されて
くる前記用紙を前記複数のビントレイに向けて偏向して
排出させる、前記垂直搬送手段の用紙搬送面に臨み前記
用紙をガイドするガイド位置と前記用紙搬送面より離間
する退避位置とに選択的に揺動自在な偏向爪を有し、前
記垂直搬送手段は、ガイド位置においてその爪先が前記
用紙搬送面を超える位置まで前記偏向爪の揺動を許容す
る、前記用紙搬送面より退避した凹部を有することを特
徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の排紙収
納装置において、さらに、前記垂直搬送手段は、前記枠
体に支持された筐体と、前記用紙を搬送する前記筐体に
支持された複数のベルトと、前記筐体の一部を構成し前
記用紙搬送面の近傍に位置するガイド板とを有し、前記
凹部が前記ガイド板に形成されていることを特徴とす
る。
【0009】請求項3の発明は、請求項2記載の排紙収
納装置において、さらに、前記複数のベルトがそれぞれ
複数の穴部を有すると共に、前記筐体が前記複数のベル
ト上に前記用紙を吸引する吸引ファンを有することを特
徴とする。
【0010】請求項4の発明は、請求項1、請求項2ま
たは請求項3記載の排紙収納装置において、さらに、前
記偏向爪が上下動自在に設けられていることを特徴とす
る。
【0011】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例としての排紙
収納装置を示している。この排紙収納装置1は、画像形
成装置としての孔版印刷装置2に接続される。ここで、
排紙収納装置1が接続される孔版印刷装置2は、原稿に
応じて予め穿孔された図示しないマスタをドラム状の版
胴(図示せず)に巻装し、インク供給を行ないつつ版胴
を回転駆動して、これに用紙を押し付けて印刷を行な
い、印刷済みの用紙を排紙部を介し機外へ排出するとい
う周知の構成を採るもので、例えば、孔版印刷装置2の
一例は特開平7−309520号公報に開示されてい
る。
【0012】排紙収納装置1は、孔版印刷装置2と同一
のフロア4上に載置されており、孔版印刷装置2の排紙
口3に対向する排紙部対向位置Zが排紙口3に対して位
置合わせされ、孔版印刷装置2の装置本体に排紙収納装
置1の枠体20の一部が接続される。
【0013】図1に示すように、排紙収納装置1は、フ
ロア4上の自由な位置に移動可能な矩形塔状の枠体20
を備え、枠体20の内部に複数のビントレイ6、孔版印
刷装置2から送られた用紙を複数のビントレイ6と対向
する用紙搬送面としての偏向側搬送面fに搬送する水平
搬送手段8及び垂直搬送手段としての垂直搬送部19、
ビントレイ6の周縁部に対向配備されると共に枠体20
に支持された複数のレール部材9m,9n(図2参
照)、複数のレール部材9m,9nに摺動可能に支持さ
れた昇降枠11(図10参照)、昇降枠11の手前側半
部11a及び奥側半部11b(図3参照)にそれぞれ枢
支される円筒状の主部121を有する各開閉カム12、
昇降枠11に支持され一対の開閉カム12を回転させる
開閉カム駆動手段13、昇降枠11に支持され偏向側搬
送面fに達した用紙を所定のビントレイ6の受入口aに
偏向し挿入する用紙偏向手段14、枠体20の下部に配
備され孔版印刷装置2から送られた用紙を積載する排紙
トレイ15等を収容している。
【0014】水平搬送手段8は、排紙部対向位置Z側に
上流端が枢支され下流端が揺動する第1切換部16、第
1切換部16が後述のソート位置P1(図1に実線で示
す位置)にあるときにこれに連結される水平搬送部1
7、水平搬送部17の後端に配備される第2切換部18
等から主に構成され、第2切換部18には偏向側搬送面
fを成す垂直搬送部19が連結されている。
【0015】枠体20は、底枠部201、底枠部201
に一体結合され垂直方向に延出する複数の下縦枠部20
2、これらの上端を横方向に連結する複数の中横枠部2
03、中横枠部203より垂直方向に延出する複数の縦
枠部204,205、これらの上端を横方向に連結する
複数の上横枠部206等から主に構成されている。
【0016】下縦枠部202を構成する右下縦枠部20
2aは前後一対配備されており、その端部が孔版印刷装
置2の図示しない本体基枠に図示しないブラケットを介
して接続されている。枠体20の内側上部には、複数の
ビントレイ6を備えたビンユニット7と、各ビントレイ
6と対向する偏向側搬送面fに用紙を搬送する垂直搬送
部19とが配設されている。
【0017】ビンユニット7は、手前側と奥側とにおい
て、図1で左右に配置された複数の縦枠部204,20
5間に配設されている。各ビントレイ6は、図4に示す
ような平皿状を成し、板金または樹脂で構成されてい
る。複数のビントレイ群の外周部を囲む複数の左右縦枠
部204,205間は開放されており、これにより作業
者が排紙収納装置1の前に立つだけで、必要なビントレ
イ6上の用紙を容易に取り出せるように構成されてい
る。
【0018】各ビントレイ6は、その横方向長さ、すな
わち、受入口a側である入口側端部601と右端部60
2との間隔が最大積載用紙のサイズ以上に設定されてい
る。ビントレイ6の入口側端部601は左縦枠部204
に昇降枠11を介して支持されており、右端部602は
右縦枠部205に係止片cを介して支持されている。
【0019】各ビントレイ6は、入口側端部601の両
側に突出ピン21を有し、各突出ピン21の先端には段
付きローラ状のトラニオン22がそれぞれ枢着されてい
る。各突出ピン21は、左縦枠部204に上下に長く形
成されたピンガイド溝25に摺動可能に嵌合されてお
り、水平方向へのずれを規制されている。各ビントレイ
6は積み重ね状態で順次配置され、各突出ピン21及び
その先端のトラニオン22も上下に積み重ねられるよう
にして左縦枠部204に支持されている。この状態にお
いて、上下方向で互いに隣合う各ビントレイ6の入口側
端部601での上下間隔は極めて小さく設定されてい
る。
【0020】各ビントレイ6の右端部602は、手前側
と奥側とにおいて右縦枠部205に突設される係止片c
の上面にそれぞれ変動可能に係止されている。上下方向
において互いに隣合う各ビントレイ6の間隔は、用紙の
侵入性を阻害するほど狭くなく、また、積層された用紙
の未定着の画像に影響を与えるほど圧縮することが無い
ように適宜設定されている。ビントレイ6は積載可能最
大用紙サイズ以上の長さを有しているため、右端部60
2における上下方向の間隔はスペーサsや係止片cで比
較的小さく設定してよく、この部位における間隔をあえ
て可変として用紙挿入時に拡大させる必要もない。
【0021】なお、各ビントレイ6の右端部602と対
向する右縦枠部205には、図示しないガイド機構を介
し上下に送り操作されることにより各ビントレイ6上の
用紙束を閉じ処理するステ−プラ−26が装備されてい
る。ステ−プラ−26には、積載された用紙を挾みステ
−プラ−26へ送る図示しないグリッパーが対設されて
おり、このため図示しないグリッパー及びステ−プラ−
26とビントレイ6上の用紙束との間の位置精度はステ
ープル作業を行う上で必要とされる特性値となり、ビン
トレイ6の上下方向の位置精度は重要となる。ここでは
ビントレイ6をその支持部材である係止片cで一つずつ
支持し、その支持部材の強度を分散させるタイプのブラ
ケットとして設け、ビントレイ6の上下方向の位置精度
を確保するようにしている。これにより係止片cでの負
荷は積載される用紙の重量だけとなり、耐久性の向上及
び騒音の低下にもつながる。
【0022】図4に示すように、各ビントレイ6の入口
側端部601近傍には斜突壁23が形成されている。ビ
ントレイ6に挿入された用紙はビンユニット7内のエン
ドフェンス24に衝突した後にビントレイ6上に落下
し、このときビントレイ6が図1で左方下がりとなって
いることから、衝突壁23の高さはビントレイ6に積載
される用紙の最大高さより若干高く設定されている。ま
た、この衝突壁23があることにより用紙束に後から挿
入される用紙の先端が当接することが防止でき、用紙が
多少カールしていてもジャンプさせることができ、積載
された用紙束の最上面に後からの用紙が順次確実に載置
される。各ビントレイ6の入口側端部601と反対の右
端部602には受入口a側に向かって切欠溝603が形
成されている。切欠溝603には、図示しない送り機構
により図1で左右に所定量変動可能なエンドフェンス2
4が嵌合しており、これによって受入口a側より挿入さ
れた用紙をサイズに応じて所定の位置に停止させ、用紙
挿入時の衝突壁となると共に積載時におけるずれを防止
している。
【0023】ビントレイ6の入口側端部601の周縁部
には、手前側と奥側とに一対の左縦枠部204が対設さ
れている。図2に示すように、手前の左縦枠部204に
は複数のレール部材としての第1レール9mと第2レー
ル9nとが一体的に装着されている。手前側の第1レー
ル9mと第2レール9nとには昇降枠11の手前側半部
11aが、奥側の第1レール9mと第2レール9nとに
は昇降枠11の奥側半部11bがそれぞれ摺動可能に支
持されている。
【0024】図7、図10に示すように、手前側半部1
1aと奥側半部11bとは連結ブラケット11c(図6
も参照)及びその両端のコ字状ブラケットuを介して一
体結合されており、コ字状ブラケットuは、手前側及び
奥側の左縦枠部204に形成された縦長穴43(図7参
照)に遊嵌されている。
【0025】図2に示すように、手前側の左縦枠部20
4に支持された第1レール9mはバー状を成し、その上
下端を左縦枠部204の上下横フランジに固着されてい
る。第2レール9nは長片状をなし、その基端を左縦枠
部204の折曲縦フランジに溶着されている。第1レー
ル9mと第2レール9nとに支持される昇降枠11の手
前側半部11aはほぼ矩形ブラケット状をなし、その左
端に前枢支部27が形成され、その右端には横向きピン
dを介してガイドローラRが枢着されている。前枢支部
27は樹脂製の筒状体をなし、第1レール9mに摺動自
在に嵌着されている。ガイドローラRは、第2レール9
nと左縦枠部204の縦壁との間にがたなくコロ接触さ
れている。昇降枠11の手前側半部11aと一体結合さ
れる奥側半部11bは手前側半部11aと左右対称に形
成されており、連結ブラケット11cを介して一体結合
される両者は手前側及び奥側の各第1レール9mと第2
レール9nとにガイドされ、がたなく上下動可能に設け
られている。
【0026】図2に示すように、昇降枠の手前側半部1
1aには、開閉カム12及び開閉カム12を回転させる
開閉カム駆動手段13が配設されている。図7,図9に
示すように、開閉カム12は手前側半部11aの上下フ
ランジ部に各軸受部Yを介して枢支される縦向きのカム
軸123と、カム軸123を介して枢支される円筒状の
主部121と、主部121の外周部に形成される螺旋状
のカム溝122とを備えている。主部121と対向する
手前側半部11aには、手前の左縦枠部204と対向す
るカム受け穴g(図7、図9参照)が形成されており、
カム受け穴gはビントレイ6側のトラニオン22を嵌
合、離脱する開閉カム12及びカムプーリ28をピンガ
イド溝25側に一部突き出し、遊嵌状態を保てるように
形状されている。
【0027】開閉カム12の螺旋状のカム溝122は、
段付きローラ状のトラニオン22の小径部を摺動自在に
嵌合できるように形成されている。なお、トラニオン2
2はその小径部が手前の左縦枠部204に形成されるピ
ンガイド溝25に遊嵌し、大径部がピンガイド溝25の
両縁部に係止されるようにその形状が設定されている。
このため、トラニオン22はピンガイド溝25により上
下方向の移動のみを許容されることより、開閉カム12
の回転駆動時にその回転方向に応じて、開閉カム12の
上端縁あるいは下端縁に達している1つのトラニオン2
2をカム溝122により他方の上端縁あるいは下端縁側
に送り移動することができる。なお、ここでは1回転で
1つのトラニオン22を開閉カム12の上端縁と下端縁
との間の距離L1だけ上下動させるように設定したが、
この1回転当たりの送り量は適宜設定することが可能で
ある。このような開閉カム12は手前側半部11aと同
様に奥側半部11bにも左右対称に装着されている。
【0028】開閉カム駆動手段13は、昇降枠11の全
体にわたって装着されている。図3、図7、図9に示す
ように、そのうちの手前側半部11aのものは、開閉カ
ム12の上端縁側にカム軸123を介して一体的に結合
されるカムプーリー28、手前側半部11aに支持され
る駆動モーター29、駆動モーター29に直結された駆
動プーリー30、駆動プーリー30とカムプーリー28
との間に掛け渡されるエンドレスの駆動ベルト31、駆
動プーリー30の下端に一体的に形成される傘歯車から
成る駆動ギヤ32、駆動ギヤ32に噛合する傘歯車から
成る従動ギヤ33、従動ギヤ33の回転軸をなし手前側
半部11aの主部に枢支されると共に他端が奥側半部1
1bの主部に枢支される連結軸34等を備えている。な
お、開閉カム駆動手段13のうち、奥側半部11bのも
のは、手前側半部11a側の駆動モータ29を排した状
態で、左右対称に装備されるという構成を採っている。
符号Y1は駆動モータ29に代えて駆動ギヤ32を奥側
半部112に枢着する軸受部を示している。
【0029】開閉カム駆動手段13は、駆動モータ29
を回転させると傘歯車のギヤ列を介して連結軸34が回
転し、手前側半部11aと奥側半部11bとの各駆動プ
ーリー30が回転し、この回転が駆動ベルト31を介し
て各カムプーリー28と一体の開閉カム12に伝えられ
る。この際に、図3、図10に示すように、手前側半部
11a及び奥側半部11bの開閉カム12が連結軸34
の働きで確実に安定して同期回転できる。これにより、
両開閉カム12は、これに対向する1つのビントレイ6
の手前側と奥側の各トラニオン22を同時に送り移動す
ることができ、開閉カム12の1回転当たりの距離L1
だけトラニオン22、すなわちビントレイ6の入口側端
部601を上下動させることができ、隣合う他のビント
レイ6の入口側端部601との間に距離L1に近い縦幅
の受入口aを形成することができる。
【0030】昇降枠11には、開閉カム駆動手段13の
他に用紙偏向手段14が装着されている。図1、図5及
び図6に示すように、用紙偏向手段14は偏向側搬送面
fに達した用紙を開閉カム12により受入口aを拡大さ
せた所定のビントレイ6に偏向させて挿入するものであ
り、偏向爪35及び偏向爪35を切り換える爪切換手段
36を有している。偏向爪35は、昇降枠11の手前側
半部11aと奥側半部11bとを結合する連結ブラケッ
ト11cに連結軸34と並列に支持されている。偏向爪
35は側面視が三角状でバー状の樹脂成形品であり、そ
の両側端より突設された枢支ピン38が連結ブラケット
11cの両側の端片111cに枢着されている。偏向爪
35は、偏向側搬送面fを超え後述するガイド板54に
摺接することが可能な櫛歯状の爪先351と、爪先35
1より延出する下向きの凹状面352と、その後端の端
縁353と、端縁353の手前側と奥側に突設される一
対の係止片354と、凹状面352を有する凹壁355
と、凹壁355より突出する一対の補強片356とを備
えている。爪先351は後述する無端ベルト48を跨ぐ
櫛歯状を呈しており、凹壁355の中央部には用紙セン
サーS1が取り付けられている。用紙センサーS1の検
出端は凹状面352に沿った形状をなし、用紙の搬送抵
抗となることがないように形成されている。
【0031】爪切換手段36は、連結ブラケット11c
内に配備された連結軸34、連結軸34の中央に一体結
合される爪揺動カム39、爪揺動カム39を挟むと共に
連結軸34に嵌挿される爪揺動レバー40、爪揺動レバ
ー40の下端に結合されるストローク調整スプリング4
1、同スプリング41に中央部が連結され両端部が偏向
爪35側に結合される爪軸42とを有している。
【0032】偏向爪35は、揺動端側となる係止片35
4を、爪支持スプリング44を介して連結ブラケット1
1cに連結されており、爪支持スプリング44の働きで
常時上方に弾性的に回動付勢され、通常は連結ブラケッ
ト11cに設けられたストッパー112cに当接するこ
とにより爪先351が偏向側搬送面fより離間した退避
位置q2に保持されている。爪揺動レバー40は一対の
分岐レバー部401を有しており、各分岐レバー部40
1の下方側が中央結合部403により一体結合されてい
る。一対の分岐レバー部401には連結軸34を遊嵌す
る長穴402がそれぞれ形成されており、各分岐レバー
部401の下端縁には爪軸42の両端部を遊嵌する下向
き溝404が形成されている。偏向爪35は、後述する
ガイド位置としての偏向位置q1に保持されその爪先3
51をガイド板54に押圧した際に、その反力を爪軸4
2を介してストローク調整スプリング41が受けて圧縮
変位可能に構成されている。このため、ガイド板54に
爪先351が過度に押圧されることを防止することがで
き、爪先351の耐久性を確保することができる。
【0033】爪切り換え手段36の駆動源としては、開
閉カム駆動手段13の連結軸34が用いられている。こ
の連結軸34には、爪揺動カム39が一体的に取付けら
れている。爪揺動カム39は、そのリフトサークルを中
央結合部403の湾曲面に当接させることにより、爪支
持スプリング44の弾性力に抗して偏向爪35を退避位
置q2より偏向位置q1に変位させることができる。な
お、連結軸34と連動する開閉カム12が1つのビント
レイ6のトラニオン22を隣合う他のビントレイ6のト
ラニオン22と最も離隔させる回転角にあるとき、すな
わち開閉カム12の上端縁と下端縁とにそれぞれ隣合う
トラニオン22が当接するとき、連結軸34上の爪揺動
カム39のリフトサークルが中央結合部403の湾曲面
に当接し、偏向爪35を偏向位置q1に保持するように
連結軸34における爪揺動カム39の回転角位置が設定
されている。
【0034】このように、昇降枠11に支持される偏向
爪35と開閉カム12とは開閉カム駆動手段13を駆動
源として共用でき、装置の簡素化、軽量化、低コスト化
を図れ、しかも、連結軸34と偏向爪35と開閉カム1
2とが連動するので、安定した同期作動が得られる。す
なわち、爪切り換え手段36が偏向爪35を偏向位置q
1に切り換えると同時に開閉カム12が1つのビントレ
イ6と隣合う他のビントレイ6の両入口側端部601を
最も離隔させ、1つのビントレイ6の下端縁にトラニオ
ン22が当接するビントレイ6の受入口aを十分拡大す
ることができる。さらに、この場合、昇降枠11が上下
方向のいずれの位置に移動しても、昇降枠11上の偏向
爪35と開閉カム12の下端縁が当接するビントレイ6
の受入口aとの相対位置がほぼ一定であるので、偏向側
搬送面f上の用紙を受入口aに向けて偏向する角度が一
定となり、用紙を確実に安定して偏向し、受入口aに案
内でき、挿入できる。
【0035】また、このような偏向爪35は、高速で搬
送されてくる用紙に対して、ビントレイ6への挿入前の
ブレーキとして作用し、ビントレイ6内での用紙の挙動
を安定させることができる。しかも、このとき、用紙の
裏面(印刷されていない面)からのみ力が作用するの
で、印刷画像への擦れ等の影響が抑えられる。
【0036】図1に示すように、垂直搬送部19は、ビ
ンユニット7をなす各ビントレイ6の入口側端部601
に対設されている。図10、図13に示すように、垂直
搬送部19は側面視が矩形の筐体としての矩形フレーム
45を備えており、矩形フレーム45はその奥側(図1
0で上側)部を図示しないヒンジ部材を介し奥側の左縦
枠部204に連結され、手前側部(図10で下側)を手
前側の左縦枠部204に図示しないジョイント部材を介
し連結される。このため、適時にこの矩形フレーム45
は手前側の側部を回動端として水平方向に回動可能に形
成されている。
【0037】矩形フレーム45は、その上下端近傍の部
位にそれぞれ図示しない軸受部材を介し枢着される上下
ローラ46、47、上下ローラ46、47に巻き掛けら
れた複数(ここでは4本)の無端ベルト48、複数の無
端ベルト48の外側に所定間隔を介し対設される吸引フ
ァン49、各無端ベルト48を露呈させた状態で吸引フ
ァン49を覆い隠すガイド板54、吸引ファン49を支
持すると共に複数の無端ベルト48側の空間eを外部よ
り隔離する外壁部材50等を備えている。
【0038】各無端ベルト48は合成樹脂又はゴム等の
素材によって成形され、その表面に多数の貫通孔hを形
成され、吸引ファン49の駆動時に貫通孔hより空気を
吸引し、搬送途上にある用紙を無端ベルト48上の偏向
側搬送面fに吸着させる。図2、図13に示すように、
上ローラ46は従動ローラとして、下ローラ47は駆動
ローラとしてそれぞれ配備されており、下ローラ47の
一端部には駆動ギヤ51が一体的に取付られ、これはベ
ルト回転伝達機構52を介して駆動モータ53に連結さ
れる。
【0039】ガイド板54は、図13、図18に示すよ
うに、各無端ベルト48が掛け渡されていない部分であ
って偏向爪35の横幅と対応する部位に複数の凹部54
aを有している。各凹部54aは、各ビントレイ6の受
入口aと対応する部位に配設されており、偏向爪35が
偏向位置q1に位置決めされた際に、偏向爪35の櫛歯
状の爪先351と係合する形状に形成されている。ま
た、ガイド板54の、各無端ベルト48が掛け渡されて
いる部位には、吸引ファン49の吸引力を作用させるた
めの、貫通孔hと同様の図示しない貫通孔が多数穿設さ
れている。
【0040】図1に示すように、ビンユニット7の下部
であって、複数の下縦枠部202及びこれら上端を連結
する複数の中横枠部203とで囲まれた領域内には、第
1切換部16、水平搬送部17、第2切換部18が配設
されている。
【0041】第1切換部16は、後述するソート位置P
1(図1に実線で示す位置)に位置決めされたときに水
平搬送部17に連結され、ノンソート位置P2に位置決
めされたときに水平搬送部17の直下に配設された排紙
トレイ15に向けて用紙を搬送する。
【0042】第1切換部16は、排紙部対向位置Zで排
紙口3より用紙を取り入れ、取入方向Xに搬送する。第
1切換部16は搬送機能を有する横向きコンベアであ
り、図11に示すように、手前側と奥側との一対の右下
縦枠部202aに支持されている。一対の右下縦枠部2
02aは、その端部が孔版印刷装置2の図示しない本体
基枠に図示しないブラケットを介して接続されている。
【0043】第1切換部16は、一対の右下縦枠部20
2aに支持される扁平箱状の基台60と、基台60の内
部に枢支される駆動プーリー61及び従動プーリー62
と、各プーリー61,62に巻き掛けられ一部を基台6
0の上面に露呈した複数(ここでは3本)の無端ベルト
63と、基台60の下壁に取付られ用紙を無端ベルト6
3上に吸着させる吸引ファン64とから主に構成されて
いる。各プーリー61,62は、チェーン、スプロケッ
ト及びモーター等の図示しない周知の駆動系により駆動
される。
【0044】無端ベルト63は合成樹脂又はゴム等の部
材により成形されており、多数の貫通孔hを有してい
る。吸引ファン64は駆動時に基台60内の空気を吸引
し、搬送途上にある用紙を無端ベルト63上に吸着させ
る。
【0045】基台60の流入端側(図10において右側
端)の外側壁には、駆動プーリー61の回転中心と同軸
の枢支ピン65が突設されている。この枢支ピン65が
一対の右下縦枠部202aに枢支されることにより、無
端ベルト63及び基台60の流入端側が常時排紙部対向
位置Zに保持され、基台60の流出端側が上下に揺動可
能に構成されている。基台60の流出端側の下壁面(図
示せず)には切換駆動手段66(図11参照)が配設さ
れている。
【0046】切換駆動手段66は、第1切換部16の支
持位置を切り換えるものであり、第1切換部16を枢支
ピン65を中心として選択的に揺動保持し、第1切換部
16をソート時に水平搬送部17と対向するソート位置
(図1の実線位置)P1に、ノンソート時に排紙トレイ
15と対向するノンソート位置(図1の2点鎖線で示す
位置)P2に選択的に揺動保持する。
【0047】切換駆動手段66は、基台60の下壁面に
突設されるブラケット67、ブラケット67に枢軸68
を介し枢支される一対のピニオン69、両ピニオン69
が噛合する手前側及び奥側の右下縦枠部202aに形成
されたラック70、枢軸68の中央部に一体的に結合さ
れたウォームホイール71、ウォームホイール71に噛
み合うウォーム72、ウォーム72を駆動するモーター
73(図10参照)等から主に構成されている。
【0048】一対のラック70は、枢支ピン65の中心
線を中心とした扇形状をなすように形成されている。第
1切換部16のソート位置P1及びノンソート位置P2
への揺動は、孔版印刷装置2からの信号が図示しない制
御手段に入力され、その制御手段からの出力信号がモー
ター73に入力されることにより行われる。また、枠体
20の内部には、流出端が水平搬送部17と連通するソ
ート位置P1に達した際にモータ停止指令を発する第1
位置センサー74、流出端が排紙トレイ15と連通する
ノンソート位置P2に達した際にモータ停止指令を発す
る第2位置センサー75が配設されている。モーター7
3は、第1位置センサー74及び第2位置センサー75
のモーター停止指令に応じてピニオン69を正転あるい
は逆転させ、第1切換部16をソート位置P1とノンソ
ート位置P2とに選択的に切り換え保持する。
【0049】図1、図10、図12に示すように、第2
切換部18に連結可能な水平搬送部17は搬送機能を有
するコンベアであり、箱状の基台80、基台80の内部
に枢支される一対のプーリー81,82、各プーリー8
1,82間に巻き掛けられ一部を基台80の上面に露呈
された複数の無端ベルト83、基台80の下壁に取付ら
れ用紙を無端ベルト83上に吸着させる吸引ファン84
等から主に構成されている。両プーリー81,82は、
チェーン、スプロケット及びモーター等の図示しない周
知の駆動系により駆動される。基台80は、手前側及び
奥側の中横枠部203に図示しないブラケットを介して
ほぼ水平に固定されている。
【0050】水平搬送部17は、ソート位置P1にある
第1切換部16からの用紙を流出端側の第2切換部18
に搬送する。無端ベルト83も合成樹脂又はゴム等の部
材により成形されており、多数の貫通孔hを有してい
る。吸引ファン84は、駆動時に基台80内の空気を吸
引して搬送途上にある用紙を無端ベルト83上に吸着さ
せる。
【0051】図1、図8に示すように、第2切換部18
は手前側及び奥側の下縦枠部202間にわたり配備され
るバー状の偏向爪181、偏向爪181の手前側と奥側
端よりそれぞれ突き出して形成され下縦枠部202側に
図示しないブラケットを介して枢支される枢支ピン18
2、一方の枢支ピン182に固定されるレバー183、
レバー183の回動端の長穴184にピン185を介し
連結されるソレノイド186等から主に構成されてい
る。偏向爪181の上端側には、湾曲面での用紙搬送抵
抗を低減させる複数の切欠凹部181aが形成されてい
る。
【0052】ソレノイド186のオフ時において偏向爪
181の爪先xは図1、図8に実線で示す通常位置t1
に保持され、ソレノイド186のオン時において爪先x
は図1、図8に2点鎖線で示す重連位置t2に切り換え
保持される。爪先xが通常位置t1に保持される場合、
水平搬送部17の用紙を垂直搬送部19に偏向し、本実
施例ではこの状態に固定される。なお、図1の排紙収納
装置1に連続して図示しない第2の排紙収納装置を接続
し、同装置内の図示しないビンユニットにも用紙を仕分
けするように構成した場合、偏向爪181の爪先xをソ
レノイド186のオン時に重連位置t2に切り換え保持
する。この場合、水平搬送部17の用紙は図示しない第
2の排紙収納装置の排紙部対向位置Z’(図1参照)に
向けて搬送されることとなる。
【0053】水平搬送部17の直下方には排紙トレイ1
5が配設されている。排紙トレイ15は、第1切換部1
6がノンソート位置P2に保持されると、排紙部対向位
置Zから搬送される用紙を順次積載する。排紙トレイ1
5は、図1に示すように、昇降機構90を介して枠体2
0の下部に支持されており、図1に符号u1で示す上限
位置と符号u2で示す下限位置との間を上下動自在に設
けられている。排紙トレイ15は、排紙トレイ本体9
1、排紙トレイ本体91の用紙搬送方向下流側端部に立
設されたエンドフェンス92、エンドフェンス92の両
側部に立設された一対のサイドフェンス93を備えてい
る。各サイドフェンス93は、実線で示すように起立し
た態位と外側に向けて倒伏した態位とをとることがで
き、また、各サイドフェンス93は互いに内側と外側と
に連動して移動可能な図示しない周知の構成を備えたも
のが採用されている。このような機能を備えた排紙トレ
イの一例が特開平7−41238号公報に開示されてい
る。
【0054】以下、上述した排紙収納装置1の動作を説
明する。孔版印刷装置2が周知の製版工程、版付け工程
を順次行ない、版付け工程での画像確認結果が良好であ
れば印刷工程が開始される。先ず、印刷時において、孔
版印刷装置2の図示しない操作パネル上で用紙を仕分け
するソートモードが選択されていない場合、すなわちノ
ンソートモードの場合を説明する。
【0055】孔版印刷装置2はノンソートモードである
と判断して昇降機構90を駆動し、排紙トレイ15を上
限位置u1に移動させると同時に、切換駆動手段66を
第2位置センサー75の信号に応じて駆動し、第1切換
部16の支持位置をノンソート位置P2に切り換え、第
1切換部16の流出端を排紙トレイ15と対向させた状
態で保持させる。その後、第1切換部16の無端ベルト
63及び吸引ファン64を駆動し、その上で孔版印刷装
置2は排紙口3から画像面を上にして用紙を排出する。
用紙は排紙部対向位置Zから排紙収納装置1内に取り入
れられ、第1切換部16を経て排紙トレイ15上に順次
積載される。なお、排紙トレイ15は、その積載枚数に
応じて上限位置u1より下方の下限位置u2に向け順次
降下されるように昇降機構90の作動を制御される構成
としてもよい。また、後述するソートモードが選択され
ている場合で、版付け工程におけるいわゆる版付け用紙
は、この排紙トレイ15に排出されるように制御され
る。
【0056】印刷時において、孔版印刷装置2の図示し
ない操作パネル上で用紙を仕分けるソートモードが選択
されている場合、孔版印刷装置2はソートモードである
と判断して、切換駆動手段66を第1位置センサー74
の信号に応じて駆動し、第1切換部16の支持位置をソ
ート位置P1に切り換え、第1切換部16の流出端を水
平搬送部17と対向させた状態で保持させる。さらに、
孔版印刷装置2は第1切換部16、水平搬送部17、垂
直搬送部19の各無端ベルト63,83,48及び各吸
引ファン64,84、49を駆動する。
【0057】その後、孔版印刷装置2は排紙口3から画
像形成された第1の原稿に応じた用紙を仕分け数だけ順
次排出する。画像面を上にして排出された用紙は排紙部
対向位置Zから排紙収納装置1内に順次取り入れられ、
第1切換部16、水平搬送部17の各無端ベルト63,
83及び第2切換部18を経て垂直搬送部19の無端ベ
ルト48上の偏向側搬送面fに搬送される。
【0058】さらに、孔版印刷装置2は1番目(最下
段)のビントレイ6に1枚目の用紙を仕分けるべく、昇
降枠11上の開閉カム12及び偏向爪35を基準位置に
切り換え保持する。この基準位置において、開閉カム1
2は1番目のビントレイ6の手前側と奥側との各トラニ
オン22の直上に配置され、偏向爪35は爪揺動カム3
9により退避位置q2より偏向位置q1に切り換え保持
される。この切換時において、偏向爪35の爪先351
がガイド板54の凹部54a内に入り込み、偏向爪35
が確実に位置決めされる。
【0059】この状態で1枚目の用紙が偏向側搬送面f
に沿って上昇してくると、用紙は偏向爪35により偏向
側搬送面fより離されて偏向され、開閉カム12の直下
にトラニオン22を当接させる1番目のビントレイ6の
受入口aに挿入される。すなわち、水平搬送手段8及び
用紙偏向手段14により排紙部対向位置Zに順次取り入
れられる用紙はUターンされ、画像面を下向きにした状
態で載置される。用紙が偏向側搬送面fより剥離される
際に、爪先351が偏向側搬送面fよりも奥側に位置す
る凹部54a内に入り込んでいるので、用紙の剥離が確
実に行われ、搬送ジャムの発生が防止される。また、爪
先351の先端に丸みを持たせることも可能となる。
【0060】このとき、孔版印刷装置2側で予め検出さ
れた用紙サイズに応じてエンドフェンス24がその位置
を切り換えられており、受入口a側より挿入された用紙
はそのサイズに応じた所定の位置でエンドフェンス24
に衝突し、各ビントレイ6上での用紙の載置が安定して
行われる。
【0061】1枚目の用紙が1番目のビントレイ6の受
入口aに挿入されると、用紙センサS1(図5参照)か
らの検知信号を受けてビン送りを許容するビン駆動信号
が出力され、この信号に応じて孔版印刷装置2は開閉カ
ム駆動手段13の駆動モーター29を駆動し、手前側及
び奥側の両開閉カム12を1回転させるが、この1回転
中に1番目のビントレイ6のトラニオン22の上に2番
目のビントレイ6のトラニオン22が距離L1だけ相対
的に下方に移動する。2番目のビントレイ6のトラニオ
ン22は両開閉カム12のカム溝122に沿って下方に
移動し、1番目のビントレイ6のトラニオン22の真上
に重なり、それ以上下方には移動できなくなる。する
と、昇降枠11と共に両開閉カム12及び偏向爪35が
上方に移動し、丁度1回転した時に両開閉カム12はそ
の下端縁が2番目のビントレイ6のトラニオン22と当
接する位置に達する。これにより、2番目のビントレイ
6の入口側端部601を拡大させ、同時に偏向爪35を
爪揺動カム39により偏向位置q1に切り換え保持す
る。この状態で2枚目の用紙が偏向爪35に達すると用
紙はそこで偏向され、開閉カム12の下端縁にトラニオ
ン22を当接させた2番目のビントレイ6の受入口aに
挿入される。この2枚目の用紙が2番目のビントレイ6
に挿入されると、以下、1枚目のときと同様の動作が継
続される。ビントレイ6の受入口aに仕分け数の用紙が
挿入されると、孔版印刷装置2は開閉カム駆動手段13
の駆動モーター29を仕分け数の分だけ逆回転させた後
に停止させ、最下端である前述の基準位置で待機状態に
入る。
【0062】このようなソート動作中に、偏向爪35の
端縁353に近い側の凹状面352内に配置された反射
型の光学センサーである用紙センサーS1が用紙を検知
して作動し、この用紙センサーS1の働きにより、孔版
印刷装置2より所定のビントレイ6に挿入される用紙を
確実に認識することができる。孔版印刷装置2の制御系
は、用紙センサーS1が所定時間内に用紙を検知できな
かった場合、あるいは用紙を検知し続けた場合に用紙搬
送ジャムが発生したと判断し、印刷動作を停止させると
共にその旨を表示させる。これにより、全てのビントレ
イ6に用紙センサーS1を設ける必要がなくなり、コス
トダウンを図ることができる。
【0063】これと並行して、第2の原稿の製版工程が
行われる。製版工程後、版付け工程を経て印刷工程が行
われ、孔版印刷装置2は排紙口3から画像形成された第
2の原稿に応じた用紙を仕分け数だけ順次排出する。版
付け用紙は、前述したように排紙トレイ15に排出する
ように制御される。この場合も用紙は偏向爪35により
偏向側搬送面fより剥離された後に偏向され、待機状態
で受入口aを拡大したビントレイ6に1枚目の用紙を画
像面を下向きにして、先の用紙の上に積載される。受入
口aに1枚目の用紙が挿入され、上述と同様に偏向爪3
5に設けられた用紙センサーS1により用紙が検知され
ると、ビン送りを許容するビン駆動信号が出力され、こ
の信号に応じて孔版印刷装置2は開閉カム駆動手段13
の駆動モーター29を第1の原稿の時と同様に駆動し、
手前側及び奥側の両開閉カム12を回転させ、下から2
番目のビントレイ6のトラニオン22を距離L1だけ相
対的に下方に移動させる。
【0064】これにより、昇降枠11と共に両開閉カム
12及び偏向爪35が上方に移動し、両開閉カム12の
下端縁が下から2番目のビントレイ6のトラニオン22
と当接する状態となる。このとき、下から2番目のビン
トレイ6の受入口aが拡大され、同時に偏向爪35が爪
揺動カム39により退避位置q2から偏向位置q1に切
り換え保持される。この状態で2枚目の用紙が偏向爪3
5に達すると、用紙はそこで偏向され、開閉カム12の
下端縁がトラニオン22と当接する下から2番目のビン
トレイ6の受入口aに挿入されて先の用紙の上に積載さ
れる。2枚目の用紙が下から2番目のビントレイ6に挿
入されると、以下、1枚目のときと同様の動作が継続さ
れる。この後、仕分け数分の最上部のビントレイ6の受
入口aに用紙が挿入されると、孔版印刷装置2は開閉カ
ム駆動手段13の駆動モーター29を前述と同様に制御
し、第3の原稿に応じた用紙の搬入を待つ待機状態に入
る。
【0065】このように、ソートモードが選択されてい
る場合、ビントレイ6に対して第1から所定数までの原
稿に応じて画像形成された用紙が順次仕分けして積載さ
れ、印刷終了後に各ビントレイ6上に積載された原稿数
分の用紙束が左縦枠部204と右縦枠部205との間よ
り作業者によって手前側に順次取り出されることとな
る。なお、場合により、印刷終了後に各ビントレイ6上
の各用紙束がステープラ26によりステープル処理さ
れ、その上で取り出されることとしても良い。
【0066】また、この実施例では、開閉カム12を最
下端にした位置を基準位置として、昇降枠11を下から
上へ移動させながら仕分け動作を行うようにしたが、こ
れはトラニオン22が上から下へ移動することとなり、
これによりビントレイ6は上から下へ移動するため、負
荷が軽減されて高速に対応しやすいからである。従っ
て、この効果を望まないのであれば、開閉カム12を最
上端にした位置を基準位置として昇降枠11を上から下
へ移動させるように構成してもよい。もちろん、原稿毎
に開閉カム12を基準位置に戻さずに上から下へ移動さ
せた後は、次の原稿は下から上へ移動させるようにして
もよい。
【0067】上述のように、第1の実施例における排紙
収納装置1では、開閉カム駆動手段13を駆動すること
により昇降枠11に開閉カム12とその駆動手段である
開閉カム駆動手段13を取り付けて一体的に上下移動さ
せるので、開閉カム12の回転を受ける軸受部Yと昇降
枠11側の上下方向のスライドを受ける前枢支部27と
が分離独立しており、各軸受が受ける荷重が低減し、ビ
ン開閉操作時の高速化が容易となり、位置決め精度も向
上する。また、加工性においても、容易化され、精度も
向上する。
【0068】さらに、図1の第1実施例における開閉カ
ム駆動手段13は、開閉カム12の駆動源として機能す
ると同時に、用紙偏向手段14の偏向爪35を切り換え
る爪切り換え手段36の駆動源としても機能するため、
装置の簡素化、軽量化及び低コスト化を図ることができ
る。しかも、同一駆動源により回転する連結軸34によ
り開閉カム12と偏向爪35とが駆動するので、開閉カ
ム12の下端縁に対向しているビントレイ6の受入口a
を拡大する時点と、偏向爪35を偏向位置q1に切り換
える時点とを容易に同期させることができ、特に同期制
御をすることもなく、この点でも装置の簡素化を図るこ
とができる。
【0069】また、垂直搬送部19のガイド板54に偏
向爪35の爪先351が入り込む凹部54aを形成し、
爪先351が偏向側搬送面fよりも奥側に入り込む構成
としたので、偏向爪35の位置決めが確実に行われると
共に偏向側搬送面fからの用紙の剥離が確実に行われ、
指定されたビントレイ6に用紙を確実に収納することに
より、コストアップすることなく搬送ジャムの発生を防
止することが可能となる。さらに、爪先351の先端に
丸みを持たせることも可能となり、メンテナンス時にお
ける作業性を向上させることができる。
【0070】第1の実施例における排紙収納装置1で
は、開閉カム駆動手段13の連結軸34が開閉カム12
と偏向爪35を共に駆動するように構成したが、これに
代えて、図14ないし図16に示すように、偏向爪35
aを独自の爪切換手段36aで切り換えるように構成し
てもよい。第2の実施例としての排紙収納装置1aは、
排紙収納装置1と比べ、開閉カム駆動手段13a及び用
紙偏向手段14aを用いた点においてのみ相違してお
り、他の構成は同一である。
【0071】図14に示すように、開閉カム駆動手段1
3aは、図3の開閉カム駆動手段13と比べ連結軸34
aに爪揺動カム39を装備しない点以外は同様に構成さ
れることよりその説明を省略する。昇降枠11の手前側
半部11aと奥側半部11bとにわたり枢支される連結
軸34aの回転は、手前側半部11aと奥側半部11b
とに装備される図示しない各駆動ギヤ、駆動プーリ、駆
動ベルト、カムプーリ(図3と同一)を介し各開閉カム
12に伝えられる。
【0072】これにより、両開閉カム12は1回転当た
り距離L1だけ1つのビントレイ6の手前側及び奥側の
各トラニオン22を同時に上下方向に相対的に送り移動
し、ビントレイ6の入口側端部601を上下動させる。
この開閉カム12の相対的な上下動により、新たに開閉
カム12の下端縁に対向したビントレイ6の受入口aを
拡大することとなる。
【0073】一方、両開閉カム12と同時に上下動する
用紙偏向手段14aは、偏向側搬送面fに達した用紙を
開閉カム12により受入口aを拡大させているビントレ
イ6に偏向し、その受入口aに挿入するもので、偏向爪
35aと、偏向爪35aを切り換える爪切換手段36a
とを備えている。
【0074】図16に示すように、昇降枠11の手前側
半部11aと奥側半部11bとを結合する連結ブラケッ
ト11cは、連結軸34aを遊嵌する長枠状に形成さ
れ、しかも、連結軸34aと並列に偏向爪35aを回動
可能に支持する。偏向爪35aには爪切換手段36aが
装着される。偏向爪35aは、その両側端に突設される
と共に連結ブラケット11cの両側の端片111cに枢
着される枢支ピン38aと、ガイド板54に当接可能な
爪先351と、爪先351より延出する下向きの凹状面
352と、その後端の端縁353と、端縁353の手前
側と奥側とに突設される一対の係止片354と、各係止
片354を連結ブラケット11cの上側、すなわち爪先
351を偏向側搬送面fより離隔させる向きに付勢する
爪支持スプリング44とを備える。
【0075】図15、図16に示すように、爪切換手段
36aは、連結ブラケット11cの上壁部111に図示
しないブラケットを介して一体的に取り付られる爪ソレ
ノイド95、上壁部111より下方に延出し爪ソレノイ
ド95を挾むように配備される一対の下向きブラケット
112、両ブラケット112の下端側にそれぞれ枢支さ
れるレバー114、レバー114の一端に設けられ爪ソ
レノイド95のピン96と係合する長穴113、レバー
114の他端に枢支されるローラー115、凹状面35
2を有する凹壁355より突出する一対のリブ356間
にピン116を介し枢着された揺動折曲板117、凹壁
355に下端が支持され上端側が揺動折曲板117の揺
動端をローラー115に向けて押圧するストローク調整
スプリング118等を有している。凹壁355の背面側
には用紙センサーS1が支持されており、その検出端は
凹状面352に沿った形状を成し、用紙の搬送抵抗とな
ることがないように形成されている。
【0076】爪ソレノイド95は、オフ時に爪支持スプ
リング44と協働して偏向爪35aを退避位置q2に保
持し、オン時に爪支持スプリング44の付勢力に抗して
偏向爪35aを偏向位置q1に切り換え保持する。偏向
爪35aが偏向位置q1にあるとき、偏向爪35aの爪
先351はガイド板54の凹部54aに係合するが、そ
の反力は偏向爪35aよりストローク調整スプリング1
18を経て揺動折曲板117を介し爪ソレノイド95に
支持されるレバー114側に達する。従って、ここでの
反力はストローク調整スプリング118により緩衝さ
れ、過度に爪先351がガイド板54に押圧されること
を防止でき、爪先351の耐久性を確保することができ
る。
【0077】このような第2実施例としての排紙収納装
置1aは、その動作が第1実施例の排紙収納装置1と比
べ、開閉カム駆動手段13aと爪切り換え手段36aの
動作が相違する点以外は同様のため、ここでは重複説明
を省略する。
【0078】孔版印刷装置2がノンソートモードである
と、排紙収納装置1と同一の動作がなされる。一方、ソ
ートモードが選択されていると孔版印刷装置2は、第1
切換部16の支持位置をソート位置P1に切り換え、そ
の上で、孔版印刷装置2は水平搬送手段8を駆動する。
孔版印刷装置2から排出された用紙は、排紙部対向位置
Zを経て第1切換部16、水平搬送部17の各無端ベル
ト63,83を経由し、垂直搬送部19の無端ベルト4
8上の偏向側搬送面fに搬送される。
【0079】このとき、孔版印刷装置2は基準位置にあ
る1番目のビントレイ6に1枚目の用紙を仕分けるべ
く、昇降枠11上の開閉カム12が基準位置に切り換え
保持されている。この基準位置において、開閉カム12
の下端縁は1番目のビントレイ6の手前側及び奥側の各
トラニオン22上に配置され、同時に爪ソレノイド95
がオンされて偏向爪35aが偏向位置q1に切り換え保
持される。これにより、爪先351が凹部54aに係合
して偏向爪35aが所定位置に位置決めされる。
【0080】この状態で1枚目の用紙が偏向側搬送面f
に沿って上昇してくると、用紙は偏向爪35aにより偏
向側搬送面fよりすくい上げられて偏向される。偏向さ
れた用紙は1番目のビントレイ6の受入口aに挿入さ
れ、画像面を下向きにした状態で載置される。このと
き、予め検出済の用紙サイズに応じてエンドフェンス2
4がその位置を切り換え保持されている。
【0081】1枚目の用紙が1番目のビントレイ6の受
入口aに挿入されると、用紙センサーS1からの検知信
号を受けてビン送りを許容するビン駆動信号が出力さ
れ、この信号に応じて孔版印刷装置2は開閉カム駆動手
段13aを駆動して開閉カム12を1回転させ、2番目
のビントレイ6のトラニオン22を距離L1だけ相対的
に下方に移動させ、両開閉カム12の下端縁を2番目の
ビントレイ6のトラニオン22にそれぞれ当接させ、そ
のビントレイ6の受入口aを拡大させる。一方、ビン駆
動信号に応じて爪ソレノイド95が一旦オフされて偏向
爪35aは退避位置q2に保持され、設定時間(昇降枠
11の上昇時間)が経過した後、再度爪ソレノイド95
がオンされて偏向爪35aが偏向位置q1に切り換え保
持される。
【0082】この状態で2枚目の用紙が偏向爪35aに
達すると、用紙はそこで偏向され、開閉カム12の下端
縁がトラニオン22と当接する2番目のビントレイ6の
拡大された受入口aに挿入される。2枚目の用紙が2番
目のビントレイ6に挿入されると、以下、1枚目のとき
と同様の動作が継続される。ビントレイ6の受入口aに
仕分け数の用紙が挿入されると、孔版印刷装置2は開閉
カム駆動手段13aの駆動モーター29の回転を制御
し、爪ソレノイド95をオフして偏向爪35aを退避位
置q2に保持した状態で両開閉カム12を基準位置に戻
し、同位置で待機状態に入る。
【0083】次に、孔版印刷装置2が第2の原稿に応じ
た用紙を仕分け数だけ順次排出する。この時点で爪ソレ
ノイド95がオンされ、偏向爪35aが偏向位置q1に
切り換え保持される。これにより用紙は偏向爪35aに
より偏向され、待機状態で受入口aを拡大したままの最
下端のビントレイ6に画像面を下向きにして、先の用紙
の上に積載される。最下端のビントレイ6の受入口aに
1枚目の用紙が挿入されて用紙センサーS1により正常
に検知動作が行われると、上述と同様にビン送りを許容
するビン駆動信号が出力され、この信号に応じて孔版印
刷装置2は開閉カム駆動手段13aの駆動モーター(図
3の駆動モータ29参照)を第1の原稿のときと同様に
制御し、手前側及び奥側の両開閉カム12を1回転さ
せ、下から2番目のビントレイ6のトラニオン22を距
離L1だけ相対的に下方に移動させる。これにより、両
開閉カム12の下端縁が下から2番目のビントレイ6の
トラニオン22に当接する状態に達し、同ビントレイ6
の受入口aを拡大させる。
【0084】一方、ビン駆動信号に応じて爪ソレノイド
95が一旦オフされて偏向爪35aは退避位置q2に保
持される。設定時間(昇降枠11の上昇時間)が経過し
た後に再度爪ソレノイド95がオンされ、偏向爪35a
は偏向位置q1に切り換え保持される。この状態で2枚
目の用紙が偏向爪35aに達すると、用紙は偏向されて
開閉カム12の下端縁にトラニオン22を当接する下か
ら2番目のビントレイ6の受入口aに挿入され、先の用
紙の上に積載される。以下、1枚目のときと同様の動作
が継続される。仕分け数分の用紙が順次仕分けされ、仕
分け数分の最上部のビントレイ6の受入口aに用紙が挿
入されると、孔版印刷装置2は開閉カム駆動手段13a
を制御し、爪ソレノイド95をオフして偏向爪35aを
退避位置q2に保持して、第3の原稿に応じた用紙の搬
入を待つ基準位置での待機状態に入る。
【0085】このように、ソートモードが選択されてい
る場合、印刷部数分のビントレイ6に対し、第1から所
定数までの原稿に応じて画像形成された用紙が順次仕分
けして積載され、印刷終了後に各ビントレイ6上に積載
された原稿数分の用紙束が作業者により順次取り出され
る。場合により、印刷終了後に各ビントレイ6上の各用
紙束がステープラー26によりステープル処理され、そ
の上で取り出されることとしても良い。
【0086】上述のように、第2の実施例における排紙
収納装置1aでは、開閉カム12が開閉カム駆動手段1
3aに駆動操作され、用紙偏向手段14aの偏向爪35
aが爪切換手段36aの爪ソレノイド95に切り換え操
作され、両者は用紙センサーS1の検知信号によって制
御されるビン駆動信号に同期して駆動している。この場
合、開閉カム駆動手段13aと爪切換手段36aが独立
しており、開閉カム12と偏向爪35aは共に昇降枠1
1に支持されるが、相対的な位置の自由度を比較的容易
に確保でき、より安定して用紙を偏向し受入口aに挿入
できるように開閉カム12や偏向爪35aの装着位置や
形状を調整できる。
【0087】第2の実施例における排紙収納装置1a
は、第1の実施例における排紙収納装置1と同様に、開
閉カム12の回転を受ける軸受部Yと昇降枠11側の上
下方向のスライドを受ける前枢支部27とが分離独立し
ており、ビン開閉操作時の高速化、装置の耐久性を向上
できるという効果を得られる。
【0088】さらに、第1の実施例と同様に、爪先35
1が偏向側搬送面fよりも奥側に入り込む構成としたの
で、偏向爪35の位置決めが確実に行われると共に偏向
側搬送面fからの用紙の剥離が確実に行われ、指定され
たビントレイ6に用紙を確実に収納することにより、コ
ストアップすることなく搬送ジャムの発生を防止するこ
とが可能となり、また、爪先351の先端に丸みを持た
せることも可能となってメンテナンス時における作業性
を向上させることができる。
【0089】なお、図15、図16に示したように、第
2の実施例における排紙収納装置1aで用いられる爪切
換手段36aは、爪ソレノイド95の切り換え操作力
を、レバー114、揺動折曲板117、ストローク調整
スプリング118を介し偏向爪35aに伝える構成を採
っていたが、これに代えて、偏向爪35aの枢支軸38
aに図示しないレバーを固着し、これに図示しないリン
ク機構を介し直接爪切換手段としての爪ソレノイド95
等を連結するという構成を採ってもよく、この場合も、
開閉カム12と偏向爪35aとが独立して動作でき、両
者は共に昇降枠に支持されるが、相対的な位置の自由度
を比較的容易に確保でき、レイアウト上の自由度や形状
自由度を確保することができる。
【0090】第2の実施例では、偏向爪35aを退避位
置q2に保持したまま上下動させることができる。その
ため、ガイド板54に形成する凹部としては、図19に
示すような凹部54bように段差を持ったものを用いる
こともできる。また、図20、図21に示すように、ガ
イド板54に所定の間隔をおいて無端ベルト48よりも
突出した凸部54cを設け、偏向爪35aの爪先351
を各凸部54c間の平面部54dに係合させる構成とし
てもよい。この場合は平面部54dが凹部の役割を果た
し、各凸部54cの頂点に偏向側搬送面fが位置するこ
ととなる。このような構成としても上記各実施例と同様
の効果を得ることができる。
【0091】上記各実施例で示した各排紙収納装置1,
1aは、ビンユニット7に対し単一の昇降枠11,11
aを対設し、同昇降枠11に設けた開閉カム12で順次
所定のビントレイの受入口aを拡大させ、受入口aと対
向する単一の偏向爪35,35aで用紙の偏向を行う構
成としたが、これに代えて、図17に示すように、上下
に所定間隔を保持した状態で複数(ここでは2個)の昇
降枠11A、11Bを設け、各昇降枠11A,11Bに
排紙収納装置1と同様の構成で開閉カム12と偏向爪3
5とを支持させる構成としてもよい。この場合、下側の
昇降枠11Bの開閉カム12には、トラニオン22を介
してその上の全ビントレイ6及び上側の昇降枠11A側
の重量が加わるが、上下に所定の間隔を有して配備され
受入口aを拡大された2ヵ所のビントレイ6A,6Bに
交互に用紙を収納することができる。このため、各昇降
枠11A、11B上の開閉カム12の切り換えに要する
時間が排紙収納装置1の場合と比較して約2分の1とな
り、装置の高速化を図ることが容易となるという効果が
得られる。
【0092】上記各実施例及び変形例において、排紙収
納装置は孔版印刷装置2に連結されていたが、これに代
えて、電子写真複写装置の排紙部に連結されるという構
成を採っても良く、この場合も、上述と同様の作用効果
を得ることができる。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、偏向爪の位置決めが確
実に行われると共に用紙搬送面からの用紙の剥離が確実
に行われ、指定されたビントレイに用紙を確実に収納す
ることにより、コストアップすることなく搬送ジャムの
発生を防止することが可能となり、また、爪先の先端に
丸みを持たせることも可能となってメンテナンス時にお
ける作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納装
置の概略正面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納装
置の左縦枠部及び昇降枠を説明する部分切欠正面図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納装
置の開閉カム駆動手段を示す概略側面図である。
【図4】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納装
置のビントレイの拡大斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納装
置の偏向爪を示す拡大斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納装
置の偏向爪を説明する部分切欠断面図である。
【図7】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納装
置の左縦枠部及び昇降枠の拡大部分正面図である。
【図8】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納装
置の第2切り換え部を説明する拡大斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納装
置の左縦枠部及び昇降枠の拡大部分側面図である。
【図10】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納
装置の水平搬送部及び垂直搬送部を示す要部切欠平面図
である。
【図11】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納
装置の第1切換部を示す拡大斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納
装置の水平搬送部を示す拡大斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施例に用いられる排紙収納
装置の垂直搬送部を説明する部分切欠側断面図である。
【図14】本発明の第2の実施例に用いられる排紙収納
装置の概略正面断面図である。
【図15】本発明の第2の実施例に用いられる排紙収納
装置の偏向爪を示す拡大斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施例に用いられる排紙収納
装置の偏向爪を説明する部分切欠断面図である。
【図17】本発明の変形例に用いられる排紙収納装置の
左縦枠部及び昇降枠の部分切欠正面図である。
【図18】本発明の第1及び第2の実施例に用いられる
ガイド板を説明する部分切欠断面図である。
【図19】本発明の第2の実施例の変形例に用いられる
ガイド板を説明する部分切欠断面図である。
【図20】本発明の第2の実施例の他の変形例に用いら
れるガイド板を説明する斜視図である。
【図21】本発明の第2の実施例の他の変形例に用いら
れるガイド板を説明する部分切欠断面図である。
【符号の説明】
1,1a 排紙収納装置 2 画像形成装置(孔版印刷装置) 6 ビントレイ 7 ビンユニット 19 垂直搬送手段(垂直搬送部) 20 枠体 35,35a 偏向爪 45 筐体(矩形フレーム) 48 ベルト(無端ベルト) 49 吸引ファン 54 ガイド板 54a,54b 凹部 54d 凹部(平面部) 351 爪先 f 用紙搬送面(偏向側搬送面) h 貫通孔 q1 ガイド位置(偏向位置) q2 退避位置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像形成装置に連結される枠体と、前記枠
    体に設けられ前記画像形成装置より排出される用紙を積
    載する複数のビントレイを有するビンユニットと、前記
    用紙を前記ビンユニットに向けて搬送する垂直搬送手段
    とを備えた排紙収納装置において、 前記垂直搬送手段によって搬送されてくる前記用紙を前
    記複数のビントレイに向けて偏向して排出させる、前記
    垂直搬送手段の用紙搬送面に臨み前記用紙をガイドする
    ガイド位置と前記用紙搬送面より離間する退避位置とに
    選択的に揺動自在な偏向爪を有し、前記垂直搬送手段
    は、ガイド位置においてその爪先が前記用紙搬送面を超
    える位置まで前記偏向爪の揺動を許容する、前記用紙搬
    送面より退避した凹部を有することを特徴とする排紙収
    納装置。
  2. 【請求項2】前記垂直搬送手段は、前記枠体に支持され
    た筐体と、前記用紙を搬送する前記筐体に支持された複
    数のベルトと、前記筐体の一部を構成し前記用紙搬送面
    の近傍に位置するガイド板とを有し、前記凹部が前記ガ
    イド板に形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の排紙収納装置。
  3. 【請求項3】前記複数のベルトがそれぞれ複数の穴部を
    有すると共に、前記筐体が前記複数のベルト上に前記用
    紙を吸引する吸引ファンを有することを特徴とする請求
    項2記載の排紙収納装置。
  4. 【請求項4】前記偏向爪が上下動自在に設けられている
    ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記
    載の排紙収納装置。
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