JP2000251383A - ディスクドライブ装置 - Google Patents

ディスクドライブ装置

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JP2000251383A
JP2000251383A JP11048105A JP4810599A JP2000251383A JP 2000251383 A JP2000251383 A JP 2000251383A JP 11048105 A JP11048105 A JP 11048105A JP 4810599 A JP4810599 A JP 4810599A JP 2000251383 A JP2000251383 A JP 2000251383A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク装填時などに迅速に、そのディスク
に形成されている記録層の判別ができるようにする。 【解決手段】 所定のトラックピッチを有するCDレイ
ヤーと、このCDレイヤーよりも狭い所定のトラックピ
ッチを有するHDレイヤーの区別を判定する場合、CD
レイヤーに対応した低解像度のレーザ光を照射しなが
ら、ディスク面に対する対物レンズの距離を変化させて
いる過程において、記録層にほぼ合焦したとされる状態
のもとで、トラバース信号が得られるか否かを検出する
ことで、記録層の判定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ディスク状記
録媒体に対応して再生又は記録を行うことので着るディ
スクドライブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、コンパクトディスク(以降CD−
DA(CD-DIGITAL AUDIO)ともいう)が普及していると
ともに、このCD−DAより大容量な新たな光ディスク
としてDVD(Digital Versatile Disc)が提案されて
いる。このDVDは直径12cmの光ディスクに従来の
CDのトラックピッチ1.6μmの半分の0.8μmで
情報を記録し、半導体レーザの波長をCDの780nm
から例えば650nmに変更し、更にCDで採用された
EFM(Eight to Fourteen Modulation)変調方式に改
良を加えて片面で約4Gバイト相当の高密度記録を実現
させている。また、例えばこのようなDVDに準拠し
て、記録層として2つの層(レイヤー)を備えたマルチ
レイヤーディスク(複層ディスク)も開発されている。
【0003】このマルチレイヤーディスクとして、一方
のレイヤーに44.1KHzでサンプリングされた16
ビットデジタルオーディオ信号を記録し、他方の層にサ
ンプリング周波数を上記44.1KHzの64倍という
非常に高いサンプリング周波数である2.8224MH
zでΣΔ変調された1ビットデジタルオーディオ信号を
記録するものとする、高品質(HD:High Definitio
n)のデジタルオーディオディスクを本出願人は提唱し
ている。そして音楽等のデータ内容(プログラム)とし
ては、各レイヤーで同一の内容(例えば同一の曲)とす
ることが考えられており、従ってその同一内容のデータ
が、CDレベルの通常品質のデータとして一方のレイヤ
ーに記録されるとともに、より高品質なデータが他方の
レイヤーに記録される。なお、ここでは、CDレベルの
通常品質のデータが記録されるレイヤーを「CDレイヤ
ー」といい、これまでのCDよりも高品質なデータが記
録されるレイヤーを「HDレイヤー」ということにす
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなことを背
景とすると、CD−DAやDVD、更には上記したマル
チレイヤーディスクなど各種の方式のディスクが存在す
ることから、再生装置としては、できるだけこれら異な
る種別のディスクに対応して再生できるようにすること
が求められる。そして、各種ディスクに対して互換性を
備える再生装置では、ディスクに形成されている記録層
の種別(記録密度(トラックピッチ)等のフォーマッ
ト)に応じてレーザ波長やデコード方式を切り換える必
要があることから、あるディスクが装填された際に、ま
ずそのディスクの種別を判別することが必要になる。ま
た、マルチレイヤーディスクにあっては、そのディスク
に形成されている層構造(層数及び各層のフォーマット
等)を認識しておくことが必要となる。つまり、そのデ
ィスクに形成されている記録層の種類を判別することが
必要になる。
【0005】この記録層の判別のためには、例えばディ
スクから管理情報(例えばTOC)を読み出し、このT
OCに含まれているフォーマット等の情報を参照するこ
とで可能となるが、この場合、判別に時間がかかるとい
う問題がある。例えばCDレイヤー用ピックアップ及び
デコード系とHDレイヤー用ピックアップ及びデコード
系を備えた再生装置では、まずどちらかのピックアップ
によりレーザ照射及びサーボ制御などの立上処理を行
い、データ読出可能状態としてTOCデータを読み込む
ことになる。従ってTOCデータ読込までに時間がかか
るとともに、もし使用したピックアップがそのときのデ
ィスクに対応しない側のピックアップであったなどの事
情で、TOCデータの読込ができなかった場合は、ピッ
クアップを切り換えて再度立上及び読込動作を行わなけ
ればならない。
【0006】このような事情から、ディスク装填時のデ
ィスク種別判別に時間がかかると、実際の再生開始まで
のユーザーの待ち時間を長くしてしまうことになる。
【0007】また何らかのセンサ機構を設けることで、
装填時などに即座にディスク種別判別を行うことが可能
とはなるが、そのようなセンサ機構としての構成を付加
することは、構成の簡略化、コストダウンなどを阻害す
るという難点もある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を解決するため、特別なセンサ機構としての部位な
どを設けることなく、ディスク装填時などに迅速に、そ
のディスクに形成されている記録層の判別ができるよう
にすることを目的とする。
【0009】そこで、ディスクドライブ装置を次のよう
に構成する。この本発明のディスクドライブ装置として
は、所定のトラックピッチを有する第1の記録層と、こ
の第1の記録層よりも狭い所定のトラックピッチを有す
る第2の記録層とを有する、複層の光学ディスク状記録
媒体に対応して再生又は記録を行うことができることを
前提とする。そして、第1の記録層に対応する解像度の
レーザ光を光学ディスク状記録媒体のディスク面に照射
して反射光情報を得る第1の反射光検出手段と、上記第
2の記録層に対応する上記第1の反射光検出手段よりも
高い解像度のレーザ光をディスク面に照射して反射光情
報を得る第2の反射光検出手段とを備えた光学ピックア
ップ手段と、この光学ピックアップ手段にて得られた反
射光情報に基づいて、ディスク面に対するレーザ光のフ
ォーカス状態を示すフォーカスエラー信号を生成するフ
ォーカスエラー信号生成手段と、光学ピックアップ手段
にて得られた反射光情報に基づいて、ディスク面に対す
るレーザ光のトラッキング誤差を示すトラッキングエラ
ー信号を生成するトラッキングエラー信号生成手段とを
備える。そして更に、第1の反射光検出手段によりレー
ザ光をディスク面に照射させながら、このレーザ光の出
力端である対物レンズと上記ディスク面との距離が変化
するように制御を行う第1の移動制御手段と、この第1
の移動制御手段により上記対物レンズと上記ディスク面
との距離が変化している状態において、合焦位置にほぼ
近い状態に対応する上記フォーカスエラー信号が検出さ
れるか否かを検出するフォーカスエラー信号検出手段
と、このフォーカスエラー信号検出手段により合焦位置
にほぼ近い状態に対応するフォーカスエラー信号が検出
されたときには、ディスク半径方向に沿った対物レンズ
との相対位置が変位するように制御を行う第2の移動制
御手段と、この第2の移動制御手段によりディスク半径
方向に沿った対物レンズとの相対位置が変位している状
態において、レーザ光がトラックを横断していることを
示す上記トラッキングエラー信号が検出されるか否かを
検出するトラッキングエラー信号検出手段と、第1の移
動制御手段による上記対物レンズの移動が開始されて終
了されるまでの期間において得られたフォーカスエラー
信号検出手段とトラッキングエラー信号検出手段との検
出結果に基づいて、装填された光学ディスク状記録媒体
における各層の形成位置ごとに第1の記録層と第2の記
録層の何れであるのかを判別する記録層判別手段とを備
えて構成するものである。
【0010】上記構成にあっては、所定のトラックピッ
チを有する第1の記録層と、この第1の記録層よりも狭
い所定のトラックピッチを有する第2の記録層が判別対
象となる。つまり、第1の記録層は第2の記録層よりも
解像度が低いことになる。そして、上記構成では、第1
の記録層に対応した解像度のレーザ光をディスク面照射
しながら、ディスク面に対する対物レンズの距離を変化
させている過程において、フォーカスエラー信号に基づ
いて、ほぼ合焦したとされる状態を検出することになる
のであるが、このときには、少なくとも記録層が在るこ
とを検出していることになる。そして、記録層にほぼ合
焦しているとされる状態のもと、ディスク半径方向と対
物レンズとの位置関係を変位させるようにされるのであ
るが、このときに照射されているレーザ光は、第2の記
録層に対応する解像度よりも低い。従って、この際にお
いて、トラックを横断することを示すトラッキングエラ
ー信号が得られたのであれば、それは、第1の記録層が
在ることを検出しているのであり、トラックを横断する
ことを示すトラッキングエラー信号が得られないのであ
れば、第2の記録層が在ることを検出していることにな
る。また、ディスク面に対する対物レンズの距離を変化
させる方向(例えば距離が遠くなる状態から近くなる状
態へ変化させる)が決まっていれば、フォーカスエラー
信号に基づく検出結果と、トラックを横断することを示
すトラッキングエラー信号の検出結果のパターンに従っ
て、上記第1の記録層と上記第2の記録層がどのような
配置構造で形成されているのかを判別することが可能と
なる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態のディ
スクドライブ装置の実施の形態を以下の順序で説明す
る。以降の説明は次の順序で行う。 1.ディスク種別 2.再生装置の構成 3.ディスク記録層判別動作
【0012】1.ディスク種別 本例の再生装置では後述する3種類のディスクを想定
し、これら3種類のディスクに対応するものとするが、
まずディスク種別としては記録層の数により大別して単
層ディスク(シングルレイヤーディスク)と複層ディス
ク(マルチレイヤーディスク)があり、これについて図
1で説明する。
【0013】図1はCD−DAやDVDとしてのディス
クの層構造を示している。図1(a)は記録データによ
るピットが形成される記録層Lが1つ形成される単層デ
ィスクであり、記録層Lに対して上面及び下面が透過サ
ブストレートTSとされている。また図1(b)は記録
データによるピットが形成される記録層が第1記録層L
1と第2記録層L2として2つ形成される複層ディスク
である。この場合、第1記録層L1と第2記録層L2は
接着層Zを介して形成され、その第1記録層L1,第2
記録層L2に対する上面及び下面が透過サブストレート
TSとされている。
【0014】ディスク直径としては、単層ディスクも複
層ディスクも12cmと8cmのものが考えられてい
る。そしてディスク上は大きくわけて、内周側からリー
ドイン、データエリア、リードアウトとよぶ3つの領域
が形成されている。リードインが開始される位置として
の最大直径は45.2mmと規定され、またデータエリアが開
始される位置としての最大直径は48mmと規定されてい
る。
【0015】このように記録層の数として、単層ディス
ク、複層ディスクが存在することに加え、記録層の形成
位置(ディスク厚み方向の位置)による種別も存在す
る。これは具体的にはCD方式におけるデータ記録層
と、DVD方式におけるデータ記録層による違いでもあ
る。
【0016】なお説明上、CD方式のデータを「CDデ
ータ」といい、CDデータが記録された記録層を、「C
Dレイヤー」ということとする。ここでいうCDデータ
とは、通常のCD−DAで採用されているデータ形式で
あって、即ち、44.1KHzでサンプリングされた1
6ビットデジタルオーディオ信号をEFM方式で変調し
たデータのことである。また先にも述べたように、本出
願人は、上記CDデータよりも高品位なデータとして、
DVD方式に準拠した形でのデータ形態を提案してい
る。これはサンプリング周波数を上記44.1KHzの
16倍という非常に高いサンプリング周波数である2.
842MHzでΣΔ変調された1ビットデジタルオーデ
ィオ信号を記録するものである。このようなデータを
「HD(Hi-Definition)データ」ということとし、ま
たHDデータが記録された記録層を「HDレイヤー」と
呼ぶこととする。
【0017】ここでCDデータとHDデータの差異を簡
単に説明する。周波数帯域としてはCDデータは5〜2
0KHzを実現し、HDデータはDC成分〜100KH
zの広範囲の周波数帯域が実現できる。ダイナミックレ
ンジは、 CDデータではオーディオ帯域全体で98
(dB)を実現し、HDデータはオーディオ帯域全体で
120(dB)の周波数帯域が実現できる。
【0018】CDレイヤーに記録されるデータの最小ピ
ット長は0.83μmに対して、HDレイヤーに記録さ
れるデータの最小ピット長は0.4μmである。トラッ
クピッチに関しては、CDレイヤーは1.6μmに対し
て、HDレイヤーは0.74μmである。また、読出レ
ーザー波長としては、CDレイヤーは780nmに対し
て、HDレイヤーは650nmと短波長化が図られてい
る。更に光学ヘッドのレンズの開口率(NA)はCDレ
イヤーの0.45に対して、HDレイヤーは0.6とさ
れる。このように、最小ピット長、トラックピッチ、レ
ンズ開口率NA、レーザー波長を変化させることで、C
Dレイヤーのデータ容量は780MBに対してHDレイ
ヤーのデータ容量は4.7GBとはるかに大きいデータ
容量が記録できる。
【0019】このようなCDデータ又はHDデータが記
録されるとともに、層構造として単層、複層の別が存在
する、本例の再生装置において再生可能な3種類のディ
スクとは、「CD−DA」「単層HDディスク」「ハイ
ブリッドディスク」となる。これらの各ディスクの違い
を図2、図3で説明する。図2は、各種別のディスクに
おいて記録層に記録されるデータ種別を、また図3は記
録層の形成位置を、それぞれ模式的に示している。
【0020】「CD−DA」CD−DAとは、いわゆる
従前より普及しているオーディオ用コンパクトディスク
を指し、図2(a)のように単層ディスクとして記録層
Lが形成される。そしてこの記録層Lは、斜線部として
示すようにCDレイヤー101とされ、CDデータが記
録される。このCD−DAの場合、図3(a)に示すよ
うに、記録層Lは、ディスク表面(図面でディスク下部
となるレーザ入射面)から約1.2mmの位置(つまり
レーベル面に近い位置)に形成されている。
【0021】「単層HDディスク」単層HDディスクと
は、単層ディスクとしてのDVDに準拠しているもので
ある。図2(b)のように単層ディスクとして記録層L
が形成され、この記録層Lは、点描部として示すように
HDレイヤー102とされる。つまりHDデータが記録
される。この単層HDディスクの場合、図3(b)に示
すように、記録層Lは、ディスク表面(レーザ入射面)
から約0.6mmの位置、つまり厚み方向に概略中央と
なる位置に形成されている。このような単層HDディス
クは、オーディオデータがHDデータとして記録された
メディアとなるため、CD−DAに比べて高品位な音声
再生が可能となる。
【0022】「ハイブリッドディスク」ハイブリッドデ
ィスクとは、上記CD−DAと単層HDディスクを物理
的に張り合わせたような形態となる。即ち図2(c)の
ように複層ディスクとして第1記録層L1,第2記録層
L2が形成される。そして第1記録層L1はHDレイヤ
ー102とされてHDデータが記録され、第2記録層L
2はCDレイヤー101とされてCDデータが記録され
る。このハイブリッドディスクの場合、図3(b)に示
すように、第1記録層L1は、ディスク表面(レーザ入
射面)から約0.6mmの位置に形成され、第2記録層
L2は、ディスク表面(レーザ入射面)から約1.2m
mの位置に形成されている。このようなハイブリッドデ
ィスクにおいては、記録する音楽等のデータ内容(プロ
グラム)としては、例えば各レイヤーで同一の内容(例
えば同一の曲)とする。つまり同一内容の音楽等のデー
タを、CDレベルの通常品質のデータ(CDデータ)と
してCDレイヤー101に記録し、より高品質なデータ
(HDデータ)としてHDレイヤー102に記録するこ
とが考えられる。このようにすると、現在で普及してい
るCDプレーヤーではCDレイヤー101の再生が可能
であるため、CDデータの再生を楽しむことができ、ま
た更にCDプレーヤ等においてHDデータに対応するデ
コーダや、短波長レーザを出力可能な光学ヘッド等を備
えれば、HDレイヤーに記録された高品位な音楽等も再
生できる。つまり、ハイブリッドディスクは、一般に多
数所有されているCDプレーヤでも、またHDデータ対
応の機器でも再生できるメディアとすることができる。
【0023】2.再生装置の構成 以上のような3種類のディスクに対応した本実施の形態
のディスクドライブ装置のブロック図を図4に示す。な
お、上記した各ディスクは再生専用であるが、これに対
応して、以降説明する本実施の形態のディスクドライブ
装置も再生専用の構成を採るものとする。
【0024】装填される光ディスク1は、上述した3種
類のうちのいずれかのディスクとされる。この光ディス
ク1は、図示しないターンテーブルに載置され、スピン
ドルモータ2によってCLV(線速度一定:constant li
ner velocity)又はCAV(角速度一定:Constant Angu
lar Verocity)に回転制御される。
【0025】そして光学ピックアップ3では、レーザダ
イオード30によって、光ディスク1の信号面にレーザ
光を照射して、フォトディテクタ37によってこの反射
光を検出することで、光ディスク1にピット形態で記録
されているデータの読み出しを行う。光学ピックアップ
3内の光学系の構成については後述するが、この図に示
す装置としては、1つのピックアップ機構によってCD
レイヤーととHDレイヤーとに対応した情報の読み出し
を可能とする構成が採られている。つまり、光源(レー
ザダイオード30)から発せられたレーザ光が、対物レ
ンズにより光ディスク1に収束して照射され、更に光デ
ィスク1にて反射されてフォトディテクタ37に至るま
での光路において、上記したレーザ波長及び対物レンズ
の開口率NAに依存してHDレイヤーのピット信号を再
生可能な解像度を有する光束の光路と、HDレイヤーの
ピット信号を再生するのには不充分とされる低解像度を
有する光束の光路(以降、「低解像度光路」、又は「低
解像度光束」ともいう)が形成される。
【0026】また、光学ピックアップ3においてレーザ
光の出力端である対物レンズ34は二軸機構3aによっ
てトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保
持されている。2軸機構3aには、対物レンズ34を光
ディスク1に接離する方向に駆動するフォーカスコイル
と、対物レンズ34を光ディスク1の半径方向に駆動す
るトラッキングコイルとが形成されている。また、光学
ヘッド3全体は、スレッド機構14によって光ディスク
1の半径方向に移動可能とされている。
【0027】光学ヘッド3内にて検出した反射光はその
反射光量に応じた電流信号とされてRFアンプ4に供給
され、このRFアンプ4での電流電圧変換、マトリクス
演算処理により、フォーカスエラー信号FE、トラッキ
ングエラー信号TEが生成されるとともに再生情報とし
てのRF信号、和信号であるPI(プルイン)信号が生
成される。
【0028】RFアンプ4で生成されたフォーカスエラ
ー信号FE、トラッキングエラー信号TEはサーボ回路
5にて位相補償、利得調整をされたのちに駆動回路6に
供給され、フォーカスドライブ信号、トラッキングドラ
イブ信号として上述したフォーカスコイルと、トラッキ
ングコイルとに出力される。さらに上記トラッキングエ
ラー信号TEをサーボ回路5内にてLPF(low pass f
ilter)を介してスレッドエラー信号を生成して、駆動
回路6からスレッドドライブ信号としてスレッド機構1
4に出力される。これによりいわゆるフォーカスサーボ
制御、トラッキングサーボ制御、スレッドサーボ制御が
実行される。
【0029】またサーボ回路5はシステムコントローラ
11からの指示に基づいて、フォーカスサーチ動作、ト
ラックジャンプ動作のための信号を駆動回路6に供給
し、それに応じた、フォーカスドライブ信号、トラッキ
ングドライブ信号、スレッドドライブ信号を発生させ
て、光学ヘッド3のフォーカスサーチやトラックジャン
プ/アクセス等を実行させる。
【0030】フォーカスサーチとは、フォーカスサーボ
引込のために対物レンズ34をディスク1から最も遠い
位置と最も近い位置の間を強制的に移動させながら、フ
ォーカスエラー信号FEの波形として、いわゆるS字カ
ーブを検出する動作である。既に知られているようにフ
ォーカスエラー信号FEとしては、対物レンズ15がデ
ィスク1の記録層に対して合焦点位置となるポイントの
前後の狭い区間においてS字カーブが観測されるものと
なり、そのS字カーブのリニア領域でフォーカスサーボ
をオンとすることで、フォーカスサーボ引込が可能とな
る。このようなフォーカスサーボ引込のために、フォー
カスサーチが行われるものであり、このためのフォーカ
スドライブ信号がフォーカスコイルに流され、対物レン
ズ15の移動が行われる。
【0031】またトラックジャンプやアクセスの場合に
は、2軸機構3aによる対物レンズ34のディスク半径
方向への移動や、スレッド機構14による光学ヘッド3
のディスク半径方向への移動が行われるが、このための
ドライブ信号がトラッキングドライブ信号、スレッドド
ライブ信号としてトラッキングコイルやスレッド機構1
4に出力されることになる。
【0032】また、本実施の形態にあっては、サーボ回
路5において、発振回路5aが備えられる。この発振回
路5aの出力は後述する本実施の形態としての記録層の
判定を行う際に、トラッキングドライブ信号として使用
される。
【0033】RFアンプ4にて生成された再生RF信号
は、載置されている光ディスク1がCD−DAの場合、
もしくはハイブリッドディスクのCDレイヤ101を再
生している場合は、エラー訂正及びデコーダ回路7にお
いて、2値化してEFM復調(eight to fourteen demod
ulation )を行うとともにCIRC(cross interleave
read solomon coding)によるエラー訂正処理を行った
後にメモリコントローラー8に入力される。一方、上記
ターンテーブルに載置されている光ディスク1が単層H
Dディスク又はハイブリッドディスクのHDレイヤ10
2を再生している場合は、エラー訂正及びデコーダ回路
7において2値化してEFM-Plus復調(eight to f
ourteen demodulation Plus)を行うとともに積符号(pro
duct code)に基づくエラー訂正処理が行なわれ、メモリ
コントローラ8に供給される。
【0034】またエラー訂正及びデコーダー回路7では
2値化したEFM信号もしくはEFMプラス信号の基準
クロックとの比較により速度エラー信号及び位相エラー
信号を生成して駆動回路6に供給することで、光ディス
ク1をスピンドルモーター2により所定CLV速度で回
転させることができるようになっている。更にエラー訂
正及びデコーダー回路7では2値化したEFM信号又は
EFMプラス信号に基づいてPLL(Phase Locked loo
p)の引き込み動作を制御し、デコード処理等に用いる
再生クロックを得る。
【0035】エラー訂正後の2値化データは、メモリコ
ントローラ8を介して所定の転送レートでバッファメモ
リ9に書き込まれる。バッファメモリ9に所定量以上の
データが蓄積されたらバッファメモリ9から書き込みの
転送レートより十分遅い第2の転送レートにて読み出し
を行う。このようにバッファメモリ9に一旦データを蓄
えてからオーディオデータとして出力するようにしたの
で、例えば振動等の外乱によってトラックジャンプが生
じて光学ヘッド3からの連続したデータ読み出しが途絶
えたとしても、光学ヘッド3のトラックジャンプが発生
したアドレスへの再配置に要する時間に相当するデータ
は予めバッファメモリ9に蓄積されているのでオーディ
オ出力としては連続したオーディオデータ出力が実現で
きる。
【0036】尚、メモリコントローラ8はシステムコン
トローラ11によって制御されている。メモリコントロ
ーラー8によってバッファメモリ9から読み出されたデ
ジタルデータはD/Aコンバーター10にてアナログオ
ーディオ信号に変換され、右チャンネル出力、左チャン
ネル出力として出力される。
【0037】また、この場合には、バッファメモリ9か
ら読み出したデータをデータインタフェイス14を介し
て外部データバス15に出力することも可能とされてい
る。ここで、例えば図のように、当該ディスクドライブ
装置とホストコンピュータとを外部データバス15を介
して接続すれば、このディスクドライブ装置にて再生さ
れたオーディオデータを、ホストコンピュータに対して
送信出力することが可能になる。
【0038】システムコントローラ11は全体を制御す
る部位としてマイクロコンピュータにより形成される。
システムコントローラ11は内部ROMに保持する動作
プログラムやユーザーの操作に応じて再生動作のための
所要の制御を行うことになる。例えば操作部12として
の各種の操作キーの操作に応じて各種サーボ用のコマン
ドをサーボ回路5に転送したり、メモリコントローラ8
に対してバッファメモリ9の制御の指令を与えること、
エラー訂正・デコーダー回路7でのスピンドルサーボ制
御やデコーダ制御を行うことなどで必要な再生動作を実
行させる。また、再生等の動作に応じて表示部13の表
示制御を行う。例えば演奏経過時間や再生しているプロ
グラムのタイトル等の文字情報の表示を表示部13に表
示するように制御を行なう。
【0039】上記図1に示すディスクドライブ装置は、
先にも述べたように、CDレイヤーとHDレイヤーの両
方の記録層に対応した再生が可能とされているが、その
ための光学系及び信号処理系の構成例について説明して
おく。
【0040】ここで、フォトディテクタ37の構造例を
図2に示す。フォトディテクタ37としては、例えば図
2に示すように光検出素子37a,37bを備えて成
る。光検出素子37aは、HDレイヤーのピット信号を
再生可能な解像度を有する光束が入射されるようにして
その光路に対して配置されるものであり、光検出素子3
7bは、上記した低解像度光路に配置されることで低解
像度光束が入射されるようにされるものである。
【0041】光検出素子37aは、A,B,C,Dの4
つに分割された受光領域を有するものとされる。上記受
光領域A,B,C,Dからは各受光光量に応じた検出信
号が電流として出力され、図4に示したRFアンプ4に
対して供給される。そしてこれらの電流信号は、先にも
述べたように、RFアンプ4において所要のマトリクス
演算/増幅処理が行われることで、再生RF信号、フォ
ーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、
プルイン信号PIなどとして生成される。なお、以降に
おいて、受光領域A,B,C,Dの各々から得られる検
出信号についても、それぞれ検出信号A,B,C,Dと
表記する。
【0042】この場合フォーカスエラー信号FEは受光
領域A,B,C,Dの出力について、(A+C)−(B
+D)の演算、即ち非点収差方式により生成される。ま
た再生RF信号、プルイン信号PI=(A+B+C+
D)となる。
【0043】トラッキングエラー信号TEの生成として
は、例えばDPD(DEFFERENTIAL PHASE DETECTION:位
相差法)が採用できる。即ち信号(A+C)と、信号
(B+D)の位相差を検出して、その位相誤差に応じた
値としてトラッキングエラー信号TEを得るものであ
る。
【0044】光検出素子37bは、CDレイヤーに対応
した低解像度の高速が入射されるようにしてその光路に
配置される。そして光検出素子37bもまた、例えば図
に示すように、A,B,C,Dの4つに分割された受光
領域を有する。そして、これら受光領域において受光光
量に応じて得られる電流出力もまた、例えば図1に示し
たRFアンプ4において電流−電圧変換された後、再生
RF信号、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエ
ラー信号TE、プルイン信号PIなどとして生成され
る。
【0045】続いて、光学ピックアップ3の構成を図6
に示す。この光学系としては、レーザーダイオード30
から出力されるレーザービームは、コリメータレンズ3
1で平行光にされた後、グレーティング素子32で+1
次光、−1次光が生成される。そしてビームスプリッタ
33によりディスクD側に90度反射され、対物レンズ
34からディスクDに照射される。ディスクDで反射さ
れた反射光は、対物レンズ34を介してビームスプリッ
タ33に入り、そのまま透過して集光レンズ35に達す
る。そして集光レンズ35で集光された後、円筒レンズ
(シリンドリカルレンズ)36を介してフォトディテク
タ37に入射される。
【0046】ここで、レーザーダイオード30は前述し
たように、DVDに準拠したHDレイヤーの再生を可能
とすることを前提として、例えば中心波長が650nm
のものとされ、対物レンズ34はNA=0.6とされて
いるものである。また、フォトディテクタ37は図5に
示した構造を有するものである。
【0047】このような光学系において本例では、グレ
ーティング素子の光回折体としての面積は、光ビームの
光束の断面積よりも小さい面積としている。またこのグ
レーティング32の光回折体としての開口は、対物レン
ズ34の開口よりも小さい開口とされている。
【0048】図7(a)にグレーティング32の構成を
示す。グレーティング素子32は、その開口全体がグレ
ーティングとされているのではなく、その中心部分とな
る所定半径rの円形領域がグレーティングされた溝部4
2とされ、その外周は平坦部41とされる。このグレー
ティング素子32は、例えばガラス板からなり、図示す
るように、溝部42はガラス板の表面に複数の凹凸から
なる所定ピッチ及び深さの溝を有し、平坦部41はガラ
ス板のままの状態である。
【0049】グレーティング素子32は次のような作用
を有する。レーザーダイオード30から出力されコリメ
ータレンズ31を介して入射される光束は、グレーティ
ング素子32の平坦部41を透過するが、光束のー部は
溝部42で回折される。そしてそれらの光束は対物レン
ズ34に入射されるが、対物レンズ34により、グレー
ティング素子32の平坦部41を透過した光束および溝
部42で回折されない光束によりディスクDの信号面上
で0次光が形成される。また、グレーティング素子32
の溝部42で回折された光束により光ディスクの信号面
上で+1次光,−1次光(両者を一括して単に「1次
光」ともいう)が形成される。1次光の光束の太さは、
図7(a)に示す半径rで制限されることになる。
【0050】またこれら、0次光、1次光のディスクD
からの反射光は、対物レンズ34、ビームスプリッタ3
3、集光レンズ35、円筒レンズ36を介してフォトデ
ィテクタ37に入射される。このように本実施の形態で
は、1つの光学系において0次光と1次光の2つの光路
が形成されることになる。また、これら0次光と1次光
の光路の光軸は互いに少しずれるようにされていること
で、0次光と1次光はそれぞれディスク面上で少し離れ
た位置に光ビームスポットを形成するようにされると共
に、0次光の光束は光検出素子37aに投影され、1次
光の光束は光検出素子37bに投影されるようになって
いる。
【0051】前述のように、HDレイヤー再生に対応し
て設定された光学ピックアップ2の本来の開口率NA=
0.6は、図7(b)に示される対物レンズ34の半径
Rにより決定されるsin(θ1)で与えられ、グレー
ティング素子32を有するこの光学ピックアップ2の場
合には、0次光の光路の開口率が、上記対物レンズ34
の半径Rにより決定されるsin(θ1)で与えられる
ものである。これに対して、1次光の光路の開口率は図
7(b)の対物レンズ34の半径rにより決定されるs
in(θ2)で与えられることになる。従って、この1
次光としての開口率NAは、必然的に0.6より小さく
なるものである。
【0052】ここで、開口率をNA、波長をλとする
と、光学系の空間カットオフ周波数fcは、 fc=2NA/λ で与えられるので、光学ピックアップ2の光学系の0次
光の空間カットオフ周波数fc0は、 fc0=2×0.6/0.65=1846本/mm で表されることになる。また、1次光の空間カットオフ
周波数fc1は、 NA=sin(θ2)=0.4 とした場合に、 fc1=2×0.4/0.65=1231本/mm となる。
【0053】つまり、0次光がHDレイヤーの再生に適
合する光束の解像度(空間カットオフ周波数)を有して
いるとすれば、1次光はこれよりも低い解像度の光束と
されることを示している。そして、上記式により実際に
得られる1次光の解像度としては、HDレイヤー再生を
適正に行うのには不足している値とされるものである。
【0054】また、光学ピックアップ3の他の構成例を
図8に示す。なお、図8において、図6と同一部分には
同一符号を付して説明を省略する。
【0055】図8に示す光学ピックアップ3において
は、図6に示したグレーティング素子32は省略され、
これに代えて、レーザダイオード70と、コリメータレ
ンズ31に入射する光路に対してブームスプリッタ71
が設けられる。
【0056】ここで、レーザダイオード30は、HDレ
イヤーの再生に適合したレーザ波長650nmを有する
ものとされる。また、対物レンズ34の開口率もNA=
0.6とされているものである。これに対して、レーザ
ダイオード70は、レーザダイオード30よりも長いレ
ーザ波長を有するものが用いられる。ここでレーザダイ
オード70に採用されるレーザ波長としては830nm
程度とするが、例えばCDの再生に際して一般に利用さ
れる780nm程度のものを利用しても構わないもので
ある。
【0057】この場合、レーザダイオード30から出射
されたレーザ光はビームスプリッタ71をそのまま通過
してコリメータレンズ31に至り、以降は図6にて説明
したのと同様の光路を形成する。また、レーザダイオー
ド70から出射されたレーザ光はビームスプリッタ71
にて90°光路が変換されてコリメータレンズ31に至
るようにされる。
【0058】また、この際には、レーザダイオード30
を光源とする光束の光軸に対してレーザダイオード70
を光源とする光束の光軸がずれるようにして、互いの配
置が設定されることで、互いの光束はそれぞれディスク
面上で少し離れた位置に光ビームスポットを形成するよ
うにされると共に、レーザダイオード30を光源とする
光束は光検出素子37aに投影され、レーザダイオード
70を光源とする光束は光検出素子37bに投影される
ようになっている。
【0059】即ち、この場合には、光学ピックアップ2
において、レーザダイオード30を光源とする光束の光
路と、レーザダイオード70を光源とする光束の光路と
の2つの光路が形成されるものである。そして、レーザ
ダイオード30を光源とする光束の光路は、そのレーザ
波長が650nmであることで、図6における0次光の
空間カットオフ周波数(解像度)fc0に相当する高解
像度を有するものとなる。
【0060】これに対して、レーザダイオード70を光
源とする光束の光路は、そのレーザ波長が830nmと
されることで、解像度はほぼ1445本/mmとなる。
これは、HDレイヤーのトラックピッチの空間カットオ
フ周波数1351本/mmと比較すると若干高いもの
の、レーザダイオード70を光源とする光束は、図6に
おける低解像度光束(一次光による光束)に相当する。
【0061】例えば、図6の構成では、開口率を小さく
することで解像度の低い光路を光学系内に形成したが、
この図8の構成では、解像度が開口率だけでなく、光源
の波長にも依存することを利用し、光源の波長を長くす
ることで解像度の低い光路を形成したものと見ることが
できる。
【0062】なお、1ピックアップによりHDレイヤー
とCDレイヤーの信号の読み出しを可能とする構成は、
他の方式等に基づいて各種考えられるもので、上記図6
及び図7に示した構成に限定されるものではない。
【0063】そして、上記光学ピックアップ3から供給
される信号について処理を行う、RF処理部以降の構成
としては、概略図9に示すようなものとなる。つまり、
光学ピックアップ2からの検出出力として、HDレイヤ
ーに対応する光検出素子37aの受光信号は、RFアン
プ4内のHD用RF部4Aに入力され、HDレイヤーに
対応する光検出素子37aの受光信号は、CD用RF部
4Bに入力される。そして、HD用RF部4A,CD用
RF部4Bの各々において、前述のように、フォーカス
エラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイ
ン信号PI、及び再生RF信号が生成される。またHD
用RF部4Aにて得られた再生RF信号は、HD用デコ
ード部7Aに供給されて、先にも述べたように、二値化
された後、EFM-Plus復調やエラー訂正処理が行
なわれる。CD用RF部4Bにて得られた再生RF信号
は、CD用デコード部7Bに供給されて二値化された
後、EFM復調及びエラー訂正処理(CIRC)が行な
われる。
【0064】なお、HD用RF部4AとCD用RF部4
B間で、また、HD用デコード部7AとCD用デコード
部7B間で、例えばハードウェアを共用するように構成
しても構わないものである。
【0065】3.ディスク記録層判別動作 続いて、本実施の形態におけるディスク記録層の判別動
作について説明する。本実施の形態において、装填され
た光ディスク1に形成された記録層(ディスク種別にも
相当)を判別するのにあたっては、光学ピックアップ3
として、CDレイヤーに対応した低解像度の光学系から
得られる検出情報を利用するのであるが、その根拠につ
いて先ず、図10を参照して説明しておく。また、ここ
では説明を簡単にするために、トラッキングエラー信号
TEとしてプッシュプル信号PPを利用した場合を例に
挙げている。プッシュプル信号PPは、例えば図5に示
した光検出素子37a,37bの検出信号に基づいた場
合、PP=((A+D)−(B+C))で示す演算によ
り得られる。
【0066】ここで、HDレイヤーを対象としてレーザ
光を照射させているとする。この場合、図10(a)の
左側に示すようにして、0次光の光ビームスポットSP
aが光検出素子37a上に結像したとすると、この結像
光には明暗が生じる。この明暗はトラックを横断するご
とにトラックと平行な中心線(受光領域A+D側とB+
C側との分割線)を挟んで反転する。言い換えれば、対
物レンズ34がディスク半径方向に対して中立の状態で
あるとした場合には、トラックと平行で光ビームスポッ
トの中心を通る光検出素子37aの分割線を挟んだ受光
領域A+D側とB+C側との強度差信号であるプッシュ
プル信号PPには、図10(a)の右側の波形図として
示すように光学ディスク1のトラックを横断するごとに
強度変調が得られる。
【0067】しかしながら、図10(b)の左に示すよ
うに、対物レンズ34が中立の位置にあるとして、1次
光の光ビームスポットSPbが遠視野像として光検出素
子37bにて受光された場合には、同じ図10(b)の
右に示すようにして、トラックの横断による強度変調は
見られない。その理由は以下のようなものとなる。
【0068】HDレイヤーでは、トラックとトラックの
間隔、即ちトラックピッチは、0.74ミクロンとさ
れ、空間周波数で言えば 1/0.74=1351本/mm となる。先に、0次光の空間カットオフ周波数fc0は
1846本/mmであることから、0次光が解像可能な
カットオフ周波数も1846本/mmとなる。これは、
HDレイヤーのトラックピッチの空間周波数を上回る値
であることから、上記した強度変調が現れるものであ
る。
【0069】これに対して、一次光ではカットオフ周波
数(つまり空間カットオフ周波数fc1)は、1231
本/mmであり、HDレイヤーのトラックピッチの空間
周波数(1351本/mm)よりも低く、HDレイヤー
のトラックを解像するだけの空間周波数を有していない
ことになる。つまり、HDレイヤー再生には不足する解
像度が与えられていることになる。このため、図10
(b)の右に示したように、1次光の光ビームスポット
SPbとしては明暗が現れることもなく、また、トラッ
クを横断するごとにその明度(受光量)に変動が現れる
こともない。従って、1次光によるプッシュプル信号P
Pとしては、トラックを横断するごとに強度変調を受け
ることもなく、図のように一定となるものである。
【0070】また、1次光の光ビームスポットSPbを
CDレイヤーに照射した場合には、CDレイヤーの空間
カットオフ周波数に対応した解像度であるために、プッ
シュプル信号PPとしては、図10(a)と同様にし
て、トラックを横断するごとに強度変調が得られる。
【0071】つまり、CDレイヤーに対応した低解像度
のレーザ光束を照射した場合として、CDレイヤーに照
射した場合には、トラッキングエラー信号TE(プッシ
ュプル信号PP)としての強度変調が得られるのである
が、HDレイヤーに照射した場合には、トラッキングエ
ラー信号TEとしての強度変調が得られないものであ
る。本実施の形態の記録層の判別は、この特徴を利用す
る。
【0072】なお、HDレイヤーに対応した高解像度の
レーザ光束をCDレイヤーに照射した場合には、その解
像度がCDレイヤーの空間周波数を上回っているため
に、トラッキングエラー信号TEの強度変調は得られる
ものである。
【0073】続いて、本実施の形態の記録層判別動作に
ついて図11〜図13を参照して説明する。図11は、
CD−DA(図2(a),図3(a))が装填されてい
た場合の記録層判別の動作を示している。本実施の形態
の記録層判別動作にあっては、例えば先ず、CDレイヤ
ーを再生するためのCD再生モードを設定する。つま
り、光学ピックアップ3の光検出素子37bから得られ
る検出情報を再生情報とする回路系を使用するように設
定する。そして、対物レンズ34のフォーカス方向(デ
ィスクに接離する方向)における可動範囲において、図
11(a)に示すように、ディスク面から最も遠い位置
から最も近い位置にまで移動させていく。また、このと
きには、ディスクは回転駆動されているものとする。
【0074】周知のように、対物レンズ34が記録層に
合焦する状態に近い状態となる位置では、フォトディテ
クタ37(a)から得られる総光量(プルイン信号P
I)はレベルが高くなるという現象が得られる。そし
て、このプルイン信号PIに基づいて、合焦位置の前後
のフォーカス引き込み範囲をカバーした範囲では、図1
1(b)に示すように、信号FOKが得られる。また、
この信号FOKの範囲内においては、記録層に対する合
焦状態に応じて図11(b)に示すようなS字波形のフ
ォーカスエラー信号FEが得られる。
【0075】本実施の形態においては、上記のように、
信号FOK及びフォーカスエラー信号FEのS字波形が
得られる範囲で、対物レンズ34をトラッキング方向に
おいて揺動させるように、駆動制御を行う。つまり、強
制的にレーザスポットがトラックを横切るように制御す
る。この期間は、図11(e)において、移動期間Tm
として示している。
【0076】この場合は、CDレイヤーに対応した低解
像度のレーザ光により検出情報を得ているのであるが、
ディスクがCD−DAとされていることでトラックピッ
チと解像度が対応しているため、トラッキングエラー信
号TEとしては図11(d)に示すようにして強度変調
が検出される。なお、以降においては、このようにトラ
ッキングエラー信号としてトラックを横断して得られる
信号を、トラバース信号ということにする。
【0077】ところで、上記図11(e)に示す移動期
間Tmにあっては、サーボ回路5にあっては、トラッキ
ングドライブ信号として、発振回路5aにて発生される
発振出力を利用する。このため、サーボ回路5のトラッ
キングサーボ系の一部は、例えば図14に示すようにし
て構成される。つまり、トラッキングエラー信号TEに
基づいて得られるドライブ信号と、発振回路5aから出
力される発振信号Soscを択一的に選択するスイッチ
51を設ける。そして、通常のトラッキングサーボ制御
時にはトラッキングエラー信号TEに基づくドライブ信
号を選択し、上記移動期間Tm時には発振信号Sosc
を選択してトラッキングドライブ信号として出力するも
のである。この発振信号Soscは例えば50Hzから
100Hz程度とされればよい。これにより、移動期間
Tmにあっては、対物レンズ34は、発振信号Sosc
の振幅と周期に応じてトラッキング方向において揺動す
るように動くことになる。なお、ここではトラッキング
ドライブ信号を出力する最終段にアンプ52を設けた例
としている。
【0078】例えば、実際には対物レンズがトラッキン
グ方向において静止していたとしても、ほぼ合焦に近い
状態が得られていれば、ディスクの偏心等の要因によっ
てレーザスポットはトラックを横切るため、トラバース
信号は得られる。しかし、上記のようにして、対物レン
ズ34を強制的にトラッキング方向に移動させること
で、本実施の形態では、確実にトラバース信号を得るよ
うにしているものである。
【0079】続いて、図12は単層HDディスク(図2
(b),図3(b))が装填されている場合の層判別動
作を示している。この場合にも、CD再生モードとさ
れ、ディスクを回転させている状態の下、図12(a)
に示すように、レーザ光を照射しながら対物レンズ34
をディスク面に遠い位置から近い位置に向けて移動させ
る。そして、このときに、図12(b)(c)に示す信
号FOK、フォーカスエラー信号FEのS字波形が得ら
れる範囲で、図12(e)に示すようにして、対物レン
ズ34をトラッキング方向に移動させる移動期間Tmを
設ける。
【0080】この場合には、CDレイヤーに対応する低
解像度のレーザスポットが、HDレイヤーのトラックを
横切るため、図10により説明した原理によって、図1
2(a)に示すようにしてトラバース信号は得られな
い。なお、信号FOK、フォーカスエラー信号FEは、
解像度には依存せず、フォトディテクタで検出される反
射光量に依存するため、上記図12(b)(c)に示す
ように、HDレイヤーに対して低解像度のレーザスポッ
トが照射されても現れるものである。
【0081】図13はHDレイヤーとCDレイヤーの2
層が形成されたハイブリッドディスクが装填されている
場合の判別動作を示している。ハイブリッドディスクの
規格としては、図2(c)に示したように、対物レンズ
34に近い側にHDレイヤー(第1記録層)が記録さ
れ、遠い側にCDレイヤーが記録されている。このた
め、これまでと同じように、図13(a)に示すように
して対物レンズ34をフォーカス方向に移動させていっ
たとすると、図13(b)〜(e)に示す動作として、
先ず、HDレイヤーに反応した動作が得られる。つま
り、図12(b)〜(e)と同様、合焦位置付近の移動
期間Tmで対物レンズをトラッキング方向に移動させた
としても、あってもトラバース信号が得られないという
動作結果が得られる。
【0082】続いては、HDレイヤーを通過した後の在
るタイミングにおいて、先に図12(b)〜(e)によ
り説明したのと同様にして、CDレイヤーに反応した動
作が得られることになる。即ち、合焦位置付近の移動期
間Tmで対物レンズをトラッキング方向に移動させたた
きにトラバース信号が得らるという動作結果が得られる
ものである。
【0083】上記図11〜図13の動作結果から次のよ
うなことが言える。低解像度のレーザスポットを記録層
に照射した場合として、フォーカス引き込み範囲に相当
する位置において、トラバース信号(トラッキングエラ
ー信号TEとしての強度変調)が得られれば、その記録
層はCDレイヤーであるということが判定できる。逆
に、トラバース信号が得られなければ、HDレイヤーで
あると判定できることになる。
【0084】そして、ディスク種別としては、対物レン
ズ34がフォーカス方向に移動を開始して終了するまで
の期間において、CDレイヤーの記録層のみについて検
出された(図11に示す動作結果が得られた)のであれ
ば、そのディスクはCD−DAであると判定することが
できる。また、HDレイヤーの記録層のみについて検出
された(図12に示す動作結果)が得られたのであれ
ば、そのディスクはCD−DAであると判定することが
できる。更に、初めに、HDレイヤーが検出され、続い
て、CDレイヤーが検出されたので在れば、そのディス
クはハイブリッドディスクであると判定されることにな
る。
【0085】なお、現状、ハイブリッドディスクとして
は、図2(c)に示した層構造であることが規定されて
いるため、例えば、図13(a)に示すフォーカス方向
による対物レンズ34の移動を行ったとして、先にCD
レイヤーで次にHDレイヤーが検出されたり、若しく
は、2層ともCDレイヤー(又はHDレイヤー)であっ
たりしたような場合(つまり、規格外の層判定結果が得
られた場合)には、当該ディスクドライブ装置が対応可
能ではない別の種別のディスク、又は、検出エラーであ
ることになる。この場合には、例えばディスクエラーと
しての判定結果を出すなどすればよい。
【0086】続いて、実際に当該ディスクドライブ装置
において記録層(ディスク種別)を判別するための処理
動作について、図15のフローチャートを参照して説明
する。この処理は、例えばシステムコントローラ11が
実行する。この図に示す処理においては、先ず、ステッ
プS101においてディスクが装填されるのを待機して
おり、ディスクが装填されたことが判別されるとステッ
プS102に進むようにされる。
【0087】ステップS102においては、CD再生モ
ードを設定する。つまり、光学ピックアップ3からのフ
ォトディテクタの出力として、CDレイヤーに対応する
低解像度の反射光情報に基づいて再生処理が実行される
ように、再生回路系に対しての設定を行う。
【0088】続くステップS103においては、対物レ
ンズ34をディスク信号面からもっとも遠い位置に移動
させる。これは、システムコントローラ11が与えた指
令に基づいて、サーボ回路5が対物レンズ34を移動さ
せるためのフォーカスドライブ信号を出力することで行
われる。また、次のステップS104ではディスクを回
転駆動させるための制御処理を実行する。そして、ステ
ップS105において、レーザ光の照射を行いながら、
対物レンズをディスク面に近づける方向に移動を開始さ
せる。
【0089】この後、システムコントローラでは、ステ
ップS106によりサーボ回路5の動作状況を監視する
ことで、信号FOK及びフォーカスエラー信号のS字カ
ーブが得られるのを待機している。つまり、記録層が検
出されるのを待機している。そして、信号FOK及びフ
ォーカスエラー信号のS字カーブが得られたことが判別
されると、ステップS107に進む。ステップS107
においては、対物レンズ34をトラッキング方向に移動
させるための制御処理を実行する。つまり、図11〜図
13及び図14を参照して説明した移動期間Tmにおけ
る対物レンズ34の揺動が得られるように制御を実行す
るものである。なお、ステップS107として動作が実
行される移動期間Tmの設定としては、信号FOK及び
フォーカスエラー信号のS字カーブが得られたときを開
始時点として所定時間長行うものとしてもよいし、一度
検出された信号FOK及びフォーカスエラー信号のS字
カーブが得られなくなるまで行うようにしてもよいもの
である。
【0090】そして、上記ステップS107の処理によ
って対物レンズがトラッキング方向に移動している期
間、次のステップS108によって、トラバース信号の
有無の検出を行う。この検出情報は後の記録層(ディス
ク種別)判定のために保持される。
【0091】上記ステップS108の処理が終了する
と、ステップS109において、フォーカス方向におけ
る対物レンズ34の移動が終了したか否かが判別され、
ここで、未だその移動が終了していない(規定の移動終
了位置にまで至っていない)ことが判別されたのであれ
ば、ステップS106の処理に戻る。マルチレイヤーデ
ィスクの場合には、その層数に応じて、ステップS10
6〜S109の処理が繰り返されることになる。そし
て、ステップS109においてフォーカス方向における
対物レンズ34の移動の終了したことが判別されたので
あれば、ステップS110に進む。
【0092】ステップS110においては、上記ステッ
プS108として実行されたトラバース信号の検出結果
から、ディスク種別(記録層)の判定を行う。ここで、
図11に示した検出結果が得られたのであれば、ステッ
プS112の処理として、装填されているディスクはC
D−DAであると判定する。また、図12に示した検出
結果が得られたのであれば、ステップS113の処理と
して、装填されているディスクは単層HDディスクであ
ると判定する。そして、図13に示した検出結果が得ら
れたのであれば、ステップS111の処理として、本実
施の形態のハイブリッドディスクであると判定すること
になる。また、前述したように、図11〜図13に示し
た以外の検出結果が得られたのであれば、ステップS1
14に進んでエラー結果を出力する。
【0093】以上で図15に示した判別処理は終了する
のであるが、本実施の形態のディスクドライブ装置にお
いては、図15に示す処理が終了した後、図16のフロ
ーチャートに示す処理に移行するものとされるため、こ
の判別後の処理について説明する。ここで、図16に示
す処理は、ハイブリッドディスクとして判定された場合
に対応した場合を示している。
【0094】ここでは、例えば先ず、ステップS201
においてHD再生モードを設定する。つまり、光学ピッ
クアップ3の光検出素子37aから出力される反射光情
報を利用し、HDレイヤーに対応した再生処理が可能な
ように、再生回路系を切り換えるものである。そして、
ステップS202においては、HDレイヤーに対してフ
ォーカスサーチをかけてフォーカスサーボループをオン
とするための処理が実行される。この処理が完了すれ
ば、レーザスポットは、HDレイヤーで合焦した状態が
維持される。そして、続くステップS203において、
トラッキングサーブループをオンとして、トラックを適
正にトレースした状態が得られるようにする。これによ
り、例えばディスクに記録されている情報(アドレス等
も含む)が読み出し可能となる。
【0095】続く、ステップS204においては、リー
ドインエリアにアクセスする。なお、リードインエリア
以外の他の領域からリードインエリアにアクセスする場
合には、トラッキングサーブループを一旦オフとしてサ
ーチ動作を実行して、リードインエリアの所定のアドレ
スに到達したときに再度トラッキングサーボループをオ
ンとすることになる。そして、ロードインエリアにアク
セスを行ったら、このリードインエリアに記録されてい
るTOC情報(管理情報)を読み出す。そして、続くス
テップS205において、取得したTOC情報を利用し
て、所要の情報をホストコンピュータに対して送信す
る。例えば、この処理によって、HDレイヤーの再生が
レディ(Ready)となったことをホストコンピュータに
対して報告することもできる。
【0096】ここまでのステップS201〜ステップS
205までの処理はHDレイヤーに対応した処理とな
る。この場合、続くステップS206以降は、CDレイ
ヤーに対応した処理となる。
【0097】ステップS206においてはCD再生モー
ドを設定し、次のステップS207においてCD層に対
してフォーカスサーチをかけてフォーカスサーボループ
をオンとする。そして、続くステップS208において
トラッキングサーボループをオンとする。次の、ステッ
プS209においては、TOCエリア(例えばリードイ
ンエリア)にアクセスして、ここに記録されているTO
C情報にアクセスする。そして、ステップS210にお
いて、ホストコンピュータに対して所要の情報の報告の
ための送信を実行する。
【0098】ここで、例えば図15のステップS112
にてCD−DAと判定された場合には、その後の処理と
して、図16に示すステップS206〜S210の処理
のみを実行することになる。逆に、図15のステップS
113にて単層HDディスクと判定された場合には、そ
の後の処理として、図16に示すステップS201〜S
205の処理のみを実行することになる。
【0099】また、上記図16の処理は、先にHDレイ
ヤーに対応した処理を実行し、続けてCDレイヤーに対
応した処理を実行しているが、この順序が逆となっても
構わないものであり、例えば実際の動作などを考慮して
有利となるほうを選択すればよい。
【0100】ところで、ディスク種別(記録層)の判定
時において、図15のステップS104としても示した
ように、ディスクを回転駆動させるのは、次のような理
由による。例えば上記実施の形態にあっては、対応する
ディスクは全て物理ピット形態によりデータが記録され
る再生専用であるが、本発明としては、再生専用ディス
クに限定されるものではなく。記録可能な光学記録媒体
にも対応する。つまり、CD−Rのような色素膜を記録
層とする追記型、及び光磁気方式や相変化方式による書
き換え型のディスク等にも対応するものである。
【0101】ここで、上記のように記録が可能なディス
クに対して、ディスクの回転駆動を行うことなく、先に
述べたと同様の手順でディスク判定を行った場合、ディ
スク信号面における一点に対してレーザ光が継続的に照
射されることになるため例え再生レベルのレーザパワー
であっても、この部分の記録ピットが消去されるのに充
分な温度にまで熱せられてデータが破壊される可能性が
ある。そこで、本実施の形態のようにディスクの回転駆
動をその手順に含めれば、一点に対してレーザ光が照射
されなくなり、記録可能なディスクについて判定を行う
場合においても、安全に適用できることになる。
【0102】また、上記実施の形態におけるディスク種
別(記録層)の判定時にあっては、トラバース信号を検
出するために対物レンズをトラッキング方向に振るの
に、図14に示したようにして、発振回路の出力を利用
していたが、例えば、ソフトウェア的な処理によって対
物レンズをトラッキング方向に振るようにすることも考
えられる。但し、このような構成の場合、システムコン
トローラ11及びサーボ回路5としてのソフトウェア的
処理負担が重くなるため、これを軽減する意味では、発
振回路を設けることが好ましい。
【0103】また、現状としては、CD/HDとしての
ハイブリッドディスクは、図2(c)に示す記録層の位
置関係のみがフォーマット上規定されていると述べた
が、将来的には、例えばCDレイヤーとHDレイヤーが
逆となるディスクや、又は、HDレイヤーのみの複層デ
ィスク、更には、3層以上の複層ディスクなどがフォー
マットとして規定されることも考えられる。しかし、こ
れまでの説明から明らかなように、本発明ではその形成
位置に対応させて記録層の判定を行うことができる。つ
まり、上記のようにディスク種別が多様化したとして
も、これに対応して適正にディスク種別の判定が行われ
るものである。
【0104】また、本発明としては、例えばディスクド
ライブ装置の構成などもこれまで説明した実施の形態に
限定されるものではない。例えば、光学ピックアップと
しては、1ピックアップで2レンズのものも採用するこ
とができる。つまり、対物レンズについてCDレイヤー
とHDレイヤーとに適合した開口度を有する2枚のレン
ズを独立して用意し、何れか一方の対物レンズがレーザ
光の光路にあるように切り換えを行う構成のものであ
る。また、光学ピックアップ3として、CDレイヤーと
HDレイヤーとでそれぞれ独立した光学系を備える構成
を採ることも考えられる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、所定
のトラックピッチを有する第1の記録層(CDレイヤ
ー)と、この第1の記録層よりも狭い所定のトラックピ
ッチを有する第2の記録層(HDレイヤー)との別を判
定する場合、CDレイヤーに対応した低解像度のレーザ
光を照射しながら、ディスク面に対する対物レンズの距
離を変化させている過程において、記録層にほぼ合焦し
たとされる状態のもとで、トラバース信号が得られるか
否かを検出することで、記録層の判定を行うようにして
いる。このため、例えば敢えてセンサを設けたり、又
は、ディスクに記録されている管理情報を読み出すこと
なく記録層(ディスク種別)の判定を行うことができ
る。従って、ディスク装填時などにおいて、迅速にディ
スクに形成されている記録層を判定して、この後におけ
る所要の対応処理に引き継ぐことができる。これは、デ
ィスク再生が可能となるまでの待機時間を短縮できるこ
とを意味している。また、種別判別のためのセンサなど
の機構、素子等を設ける必要もないことから、機器の小
型化やコストダウンにも貢献する。
【0106】また、本発明の記録層判別の手順では、記
録層が複数ある場合に、その記録層の位置関係と対応さ
せて、記録層ごとの判定を行うことができることにも成
り、例えば将来的に記録層の形成のバリエーションが増
えたとしても、これに対応して正確な判定結果が下せ
る。
【0107】また、記録層の判定を行うのに際してディ
スクを回転駆動させることで、例えば、記録可能なディ
スクについて判定を行うときにも、データ破壊の可能性
は無くなる。
【0108】更に、複層のディスクに対して記録層の判
定が行われた後には、その判定結果に従って、記録層の
位置関係が分かっているため、各記録層から管理情報を
読み出すように動作を実行すれば、各記録層を再生可能
とするための準備期間は迅速に終了するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のディスクドライブ装置に
対応できるディスクの記録層構造の説明図である。
【図2】実施の形態の再生装置に対応できるディスクの
種別の説明図である。
【図3】実施の形態の再生装置に対応できるディスクの
記録層形成位置の説明図である。
【図4】実施の形態の再生装置のブロック図である。
【図5】実施の形態としてのフォトディテクタの構造例
を示す説明図である。
【図6】本実施の形態としての光学ピックアップの構成
例を示す構造図である。
【図7】図6に示す光学ピックアップに備えられるグレ
ーティング素子の構造例、及びグレーティング素子の作
用を説明するための説明図である。
【図8】本実施の形態として他の光学ピックアップの構
成例を示す構造図である。
【図9】実施の形態の再生装置のCDデータ再生系及び
HDデータ再生系のブロック図である。
【図10】実施の形態において、光学系解像度とディス
クのトラックピッチの解像度との関係により得られるト
ラッキングエラー信号を説明するための説明図である。
【図11】CD−DAの場合の記録層判定動作を示す説
明図である。
【図12】単層HDディスクの場合の記録層判定動作を
示す説明図である。
【図13】ハイブリッドディスクの場合の記録層判定動
作を示す説明図である。
【図14】本実施の形態の記録層判定動作に対応したト
ラッキングドライブ信号系の構成例を示す説明図であ
る。
【図15】本実施の形態の記録層判定のための処理動作
を示すフローチャートである。
【図16】記録層判定後の対応動作例を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 光ディスク、2 スピンドルモータ、3 光学ヘッ
ド、3a 二軸機構、4 RFアンプ、5 サーボ回
路、6 駆動回路、7 エラー訂正及びデコード回路、
8 メモリコントローラ、9 バッファメモリ、10
D/Aコンバータ、11 システムコントローラ、12
操作部、13 表示部、14 スレッド機構、30
レーザダイオード、31 コリメータレンズ、32 グ
レーティング素子、33 ビームスプリッタ、34 対
物レンズ、35 集光レンズ、36円筒レンズ、37
フォトディテクタ、37a 光検出素子、37b 光検
出素子、41 平坦部、42 溝部、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のトラックピッチを有する第1の記
    録層と、この第1の記録層よりも狭い所定のトラックピ
    ッチを有する第2の記録層とを有する、複層の光学ディ
    スク状記録媒体に対応して再生又は記録を行うことので
    きるディスクドライブ装置であり、 上記第1の記録層に対応する解像度のレーザ光を光学デ
    ィスク状記録媒体のディスク面に照射して反射光情報を
    得る第1の反射光検出手段と、上記第2の記録層に対応
    する上記第1の反射光検出手段よりも高い解像度のレー
    ザ光をディスク面に照射して反射光情報を得る第2の反
    射光検出手段とを備えた光学ピックアップ手段と、 上記光学ピックアップ手段にて得られた反射光情報に基
    づいて、ディスク面に対するレーザ光のフォーカス状態
    を示すフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラ
    ー信号生成手段と、 上記光学ピックアップ手段にて得られた反射光情報に基
    づいて、ディスク面に対するレーザ光のトラッキング誤
    差を示すトラッキングエラー信号を生成するトラッキン
    グエラー信号生成手段と、 上記第1の反射光検出手段によりレーザ光をディスク面
    に照射させながら、このレーザ光の出力端である対物レ
    ンズと上記ディスク面との距離が変化するように制御を
    行う第1の移動制御手段と、 上記第1の移動制御手段により上記対物レンズと上記デ
    ィスク面との距離が変化している状態において、合焦位
    置にほぼ近い状態に対応する上記フォーカスエラー信号
    が検出されるか否かを検出するフォーカスエラー信号検
    出手段と、 上記フォーカスエラー信号検出手段により合焦位置にほ
    ぼ近い状態に対応する上記フォーカスエラー信号が検出
    されたときには、ディスク半径方向に沿った上記対物レ
    ンズとの相対位置が変位するように制御を行う第2の移
    動制御手段と、 上記第2の移動制御手段によりディスク半径方向に沿っ
    た上記対物レンズとの相対位置が変位している状態にお
    いて、レーザ光がトラックを横断していることを示す上
    記トラッキングエラー信号が検出されるか否かを検出す
    るトラッキングエラー信号検出手段と、 上記第1の移動制御手段による上記対物レンズの移動が
    開始されて終了されるまでの期間において得られた、上
    記フォーカスエラー信号検出手段と上記トラッキングエ
    ラー信号検出手段との検出結果に基づいて、装填された
    光学ディスク状記録媒体における各層の形成位置ごとに
    上記第1の記録層と第2の記録層の何れであるのかを判
    別する記録層判別手段と、 を備えていることを特徴とするディスクドライブ装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の移動制御手段による上記対物
    レンズの移動が開始されて終了されるまでの期間におい
    て、上記光学ディスク状記録媒体を回転駆動するディス
    ク回転制御手段、 が備えられることを特徴とする請求項1に記載のディス
    クドライブ装置。
  3. 【請求項3】 上記記録層判別手段による判別結果が得
    られた後において、上記第1の反射光検出手段を用い
    て、上記第1の記録層に記録されている管理情報を読み
    出す第1の管理情報読み出し動作と、上記第2の反射光
    検出手段を用いて、上記第2の記録層に記録されている
    第2の管理情報を読み出す第2の管理情報読み出し動作
    とがそれぞれ実行されるように制御を行う、管理情報読
    み出し制御手段が備えられることを特徴とする請求項1
    に記載のディスクドライブ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2008072314A1 (ja) * 2006-12-13 2008-06-19 Pioneer Corporation 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラムおよび光ディスク再生プログラムを格納した記録媒体
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