JP4404017B2 - 光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスク等の情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置に関する。
既存の光ディスクにレーザ光を照射する方式の記録・再生用の光ピックアップでは、光源から出射された光ビームを光ディスクに集光し、信号の書き込みを行い、反射光を受け信号の読み出しを行っている。
このとき、光ビームを光ディスク上に集光させ、信号を良好に記録し、かつ良好に再生するためには、光ディスクの信号記録面に集光されるスポットのスポット径を正確に制御する必要があり、適切な強度の光ビームを光ディスクに照射することが必要不可欠である。
通常、単一のレーザ光源を用いた場合、記録時に高出力で発振させ、再生時には低出力で発振させている。
しかし、発振させる光強度が強い場合には、出射される光ビームの放射角が広く、発振させる光強度が弱い場合には、出射される光ビームの放射角が狭くなるため、再生時では対物レンズの入射瞳中の最大強度に対する瞳端部における強度の比であるリム強度が低くなってしまうという問題がある。これにより、対物レンズで集光した場合のスポット径が大きくなり、再生時の読み取り精度に影響を及ぼす。
特開平2003−157566号公報
本発明の目的は、光強度分布を調整することができ、信号記録面上のスポットの大きさ及び形状を変化させることを可能とする光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置を提供することにある。
本発明に係る光ピックアップは、所定の波長の光ビームを出射する光源と、上記光源から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面上に集光する対物レンズと、上記光ディスクで反射された戻りの光ビームを上記光源から出射された光ビームの光路から分離する偏光ビームスプリッタと、上記偏光ビームスプリッタで分離された上記戻りの光ビームを検出する光検出器と、上記光源と上記偏光ビームスプリッタとの間に設けられ、通過する光ビームの偏光状態を調整する偏光状態調整領域を有する液晶光学素子と、上記偏光ビームスプリッタと上記対物レンズとの間に設けられる1/4波長板とを備え、上記偏光ビームスプリッタは、上記液晶光学素子の上記偏光状態調整領域により部分的に偏光状態を調整された光ビームを、その偏光状態に応じた割合で上記対物レンズ側に導くことで、光強度分布を変化させ、上記液晶光学素子及び上記偏光ビームスプリッタは、該光強度分布の変化によってリム強度を制御して上記対物レンズにより光ディスクの信号記録面上に集光されるスポットを調整するものである。そして、かかる光ピックアップを構成する上記偏光状態調整領域は、その内周及び外周が光軸を中心とした同心円状とされた円環形状を光軸を中心として放射状の境界線により4分割された領域の対向する一対の領域に形成され、上記外周の径は、上記対物レンズの有効径に入射する光ビームが上記液晶光学素子を通過する際の径と同一又はこの径より大きくされている。
本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、光ディスクを回転するディスク回転駆動手段とを備える光ディスク装置であり、この光ディスク装置に用いる光ピックアップとして、上述したようなものを用いたものである。
本発明に係る光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置は、対物レンズに入射する光ビームの光強度分布を調整することができ、光ディスクの信号記録面上のスポットの大きさ及び形状を変化させることができる。
以下、本発明を適用した光ディスク装置について、図面を参照して説明する。
この光ディスク装置10は、光ディスク11に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うことができる光ディスク装置である。
ここで用いられる光ディスク11は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、情報の追記が可能とされるCD−R(Recordable)及びDVD−R(Recordable)、情報の書換えが可能とされるCD−RW(ReWritable)、DVD−RW(ReWritable)、DVD+RW(ReWritable)等の光ディスクや、さらに発光波長が短い405nm程度(青紫色)の半導体レーザを用いた高密度記録が可能な高密度記録光ディスクや、光磁気ディスク等である。
また、ここで用いられる光ディスク11は、情報信号に加えて付加情報を有する光ディスクであってもよい。例えば、この光ディスクとしてアドレス信号等を有する光ディスクがある。また、この光ディスクとして、あらかじめ形成されたピットパターンによって情報信号である主データが記録され、このピットパターンの幅を変化させて付加情報として識別情報である副データが記録されているものがある。この副データは、特殊なセキュリティ信号として固有の識別情報(ID情報)であり、この固有の識別情報の有無を判別することで不正コピーされた海賊版等のディスクが再生されること禁止するためのセキュリティシステムを実現するために用いられる。この副データは、これらのピットのうちの所定長さ以上のピットにおいて、ピットのエッジから所定の距離だけ離間して局所的にピット幅を約10%低減するように形成されることで、記録されている。
光ディスク装置10は、図1に示すように、光ディスク11を回転するスピンドルモータ12と、スピンドルモータ12を制御するモータ制御回路13と、スピンドルモータ12により回転される光ディスク11に光ビームを照射し光ディスク11で反射した戻りの光ビームを検出する光ピックアップ1と、光ピックアップ1から出力された電気信号を増幅するRFアンプ15と、対物レンズのフォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成するサーボ回路16と、サブコードデータを抽出するサブコード抽出回路17とを備える。
また、この光ディスク装置10は、記録系として、パーソナルコンピュータ等のホスト機器に接続され、記録すべきデータが入力される入力端子18と、入力端子18に入力された記録データに対してエラー訂正符号化処理を施すエラー訂正符号化回路19と、エラー訂正符号化処理が施されたデータを変調する変調回路20と、変調された記録データに対して記録処理を施す記録処理回路21とを備える。
更に、光ディスク装置10は、再生系として、光ディスク11より読み出した再生データに対して復調する復調回路22と、復調された再生データに対してエラー訂正復号処理を施すエラー訂正復号化回路23と、エラー訂正復号処理されたデータを出力する出力端子24とを備える。更に、光ディスク装置10は、装置に対して操作信号を入力する操作部25と、各種制御データ等を格納するメモリ26と、全体の動作を制御する制御回路27と、光ディスク11の種類を判別するディスク種類判別部29とを備える。
スピンドルモータ12は、スピンドルに光ディスク11が装着されるディスクテーブルが設けられており、ディスクテーブルに装着されている光ディスク11を回転する。モータ制御回路13は、光ディスクをCLV(Constant Linear Velocity)で回転することができるようにスピンドルモータ12を駆動制御する。具体的に、モータ制御回路13は、水晶発振器からの基準クロックとPLL回路からのクロックとに基づいて光ディスク11の回転速度が線速一定となるようにスピンドルモータ12を駆動制御する。なお、光ディスク11は、CAV(Constant Angular Velocity)やCLVとCAVとを組み合わせた制御で回転するようにしてもよい。
光ピックアップ1は、所定の波長の光ビームを出射する半導体レーザ等の光源と、この光源より出射された光ビームを集束する対物レンズ、光ディスク11で反射された戻りの光ビームを検出する光検出器等を備える。光ピックアップ1は、光ディスク11に記録されているデータを読み出すとき、半導体レーザの出力を標準レベルに設定し、半導体レーザよりレーザ光である光ビームを出射する。また、光ピックアップ1は、記録データを光ディスク11に記録するとき、半導体レーザの出力を、再生時の標準レベルより高い記録レベルにして、半導体レーザよりレーザ光である光ビームを出射する。光ピックアップ1は、記録再生時、光ディスク11に光ビームを照射し、信号記録面で反射した戻りの光ビームを光検出器で検出し、光電変換する。また、対物レンズは、2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構に保持され、フォーカシングサーボ信号に基づいて対物レンズの光軸と平行なフォーカシング方向に駆動変位され、また、トラッキングサーボ信号に基づいて対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に駆動変位される。なお、半導体レーザ、対物レンズ及び光検出器等の光学系の構成については後に詳述する。
RFアンプ15は、光ピックアップ1を構成する光検出器からの電気信号に基づいて、RF信号、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成する。例えばフォーカシングエラー信号は、非点収差法により生成され、トラッキングエラー信号は、3ビーム法やプッシュプル法により生成される。そして、RFアンプ15は、再生時、RF信号を復調回路22に出力し、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボ回路16に出力する。
サーボ回路16は、光ディスク11を再生する際のサーボ信号を生成する。具体的に、サーボ回路16は、RFアンプ15から入力されたフォーカシングエラー信号に基づき、このフォーカシングエラー信号が0となるように、フォーカシングサーボ信号を生成し、また、RFアンプ15から入力されたトラッキングエラー信号に基づき、このトラッキングエラー信号が0となるように、トラッキングサーボ信号を生成する。そして、サーボ回路16は、フォーカシングサーボ信号及びトラッキングサーボ信号を光ピックアップ1を構成する対物レンズ駆動機構の駆動回路に出力する。この駆動回路は、フォーカシングサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、対物レンズを対物レンズの光軸と平行なフォーカシング方向に駆動変位させ、トラッキングサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に対物レンズを駆動変位させる。
サブコード抽出回路17は、RFアンプ15より出力されたRF信号よりサブコードデータを抽出し、抽出したサブコードデータを制御回路27に出力し、制御回路27がアドレスデータ等を特定できるようにする。
入力端子18は、パーソナルコンピュータ等のホスト機器のSCSI(Small Computer System Interface)、ATAPI(Advanced Technology Attachment Packet Interface)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等のインタフェースに電気的に接続され、ホスト機器よりオーディオデータ、映画データ、コンピュータプログラム、コンピュータで処理された処理データ等の記録データが入力され、入力された記録データをエラー訂正符号化回路19に出力する。
エラー訂正符号化回路19は、例えば、クロスインターリーブ・リード・ソロモン符号化(Cross Interleave Reed-solomon Code;CIRC)、リードソロモン積符号化等のエラー訂正符号化処理を行い、エラー訂正符号化処理した記録データを変調回路20に出力する。変調回路20は、8−14変調、8−16変調等の変換テーブルを有しており、入力された8ビットの記録データを14ビット又は16ビットに変換して、記録処理回路21に出力する。記録処理回路21は、変調回路20から入力された記録データに対してNRZ(Non Return to Zero)、NRZI(Non Return to Zero Inverted)等の処理や記録補償処理を行い、光ピックアップ1に出力する。
復調回路22は、変調回路20と同様な変換テーブルを有しており、RFアンプ15から入力されたRF信号を14ビット又は16ビットから8ビットに変換し、変換した8ビットの再生データをエラー訂正復号化回路23に出力する。エラー訂正復号化回路23は、復調回路22から入力されたデータに対してエラー訂正復号処理を行い、出力端子24に出力する。出力端子24は、上述したホスト機器のインタフェースに電気的に接続されている。出力端子24より出力された再生データは、ホスト機器に接続されたモニタに表示され、また、スピーカで再生音に変換されて出力される。
操作部25は、光ディスク装置10を操作するための各種操作信号を生成し、生成した各種操作信号を制御回路27に出力する。具体的に、この操作部25は、光ディスク装置10に設けられたイジェクト釦25aの他、ディスクテーブルに装着された光ディスク11に対して記録データの記録を開始する記録釦25bや光ディスク11に記録されているデータの再生を開始する再生釦25cや記録再生動作を停止する停止釦25dを備える。記録釦25b、再生釦25c、停止釦25d等は、必ずしも光ディスク装置10にイジェクト釦25aと共に設けられている必要は無く、例えばホスト機器のキーボード、マウス等を操作することにより、ホスト機器よりインタフェースを介して記録開始信号、再生開始信号、停止信号等を制御回路27に入力するようにしてもよい。
メモリ26は、例えばEP−ROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)等のメモリであり、制御回路27が行う各種制御データやプログラムが格納されている。具体的に、このメモリ26には、光ピックアップ1をディスクテーブルに装着された光ディスク11の径方向に送り操作する際の駆動源となるスレッドモータ28の光ディスク11の種類に応じた各種制御データが格納されている。
ディスク種類判別部29は、光ディスク11の表面反射率、形状的及び外形的な違い等から異なるフォーマットを検出して光ディスク11の種類を検出する。光ディスク装置10を構成する各ブロックは、ディスク種類判別部29における検出結果に応じて、装着される光ディスクの仕様に基づく信号処理ができるように構成されている。
制御回路27は、マイクロコンピュータ、CPU等で構成されており操作部25からの操作信号に応じて装置全体の動作を制御する。また、制御回路27は、ディスク種類判別部29で検出された光ディスク11の種類に応じて光ピックアップ1の半導体レーザの光源及び出力パワーを切り換える。
次に、本発明が適用された上述した光ピックアップ1について説明する。
本発明を適用した光ピックアップ1は、図2に示すように、所定の波長の光ビームを出射する光源31と、この光源31から出射された光ビームを光ディスク11の信号記録面上に集光する対物レンズ32と、光ディスク11で反射された戻りの光ビームを光源31から出射された往路の光ビームの光路から分離する偏光ビームスプリッタ33と、偏光ビームスプリッタ33で分離された戻りの光ビームを検出する光検出器34と、光源31と偏光ビームスプリッタ33との間に設けられ、通過する光ビームの偏光状態を調整する偏光状態調整領域36を有する液晶光学素子35と、偏光ビームスプリッタ33と対物レンズ32との間に設けられる1/4波長板37とを備える。
また、光ピックアップ1は、偏光ビームスプリッタ33と1/4波長板37との間に配置され、通過する光ビームの発散角を変換し、平行光とするコリメータレンズ38と、コリメータレンズ38と1/4波長板37との間に配置され、コリメータレンズ38により平行光とされた光ビームを1/4波長板37側に反射させて光路を略90°曲げる反射手段として立ち上げ用のミラー39と、偏光ビームスプリッタ33と光検出器34との間に配置され、光ディスク11で反射された戻りの光ビームを光検出器のフォトディテクタ上に集束させるためのシリンダーレンズ40とを備える。
光源31は、光ディスク11に対して所定の波長の光ビームを出射する。また、光源31は、記録時又は再生時に応じて出射する光ビームの光強度を変化させる。すなわち、光源31は、制御部27からの信号に基づいて、記録時には、高出力で発振されて光強度の強い光ビームを出射し、再生時には、低出力で発振されて光強度の弱い光ビームを出射する。このとき、光強度が強い記録時には、図3(a)に示すように、光ビームの放射角θが広く、光強度が弱い再生時には、図3(b)に示すように、光ビームの放射角θが狭くなる。
対物レンズ32は、図示しない2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構によって移動自在に支持されている。そして、対物レンズ32は、光検出器34により受光された光ディスク11からの戻りの光ビームにより生成されたトラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号に基づいて、2軸アクチュエータにより移動操作されることにより、光ディスク11に近接離間する方向及び光ディスク11の径方向の2軸方向へ移動される。
偏光ビームスプリッタ33は、光源31と対物レンズ32との光路中に配置され、液晶光学素子35を通過した往路の光ビームを反射させ光路を略90°曲げてコリメータレンズ38側に出射するとともに、光ディスク11で反射された戻りの光ビーム、すなわち復路の光ビームを透過させてシリンダーレンズ40側に出射させる。偏光ビームスプリッタ33は、偏光依存性を備えた膜特性を有する分離面33aが形成され、例えば、P偏光状態とされた光ビームを反射させ、S偏光状態とされた光ビームを透過させる。そして、分離面33aは、この偏光ビームスプリッタ33に、円偏光とされた光ビームや、楕円偏光とされた光ビームが入射した場合には、その偏光状態に応じた割合で、一部透過させるとともに、一部反射させる。
光検出器34は、光ディスク11で反射された戻りの光ビームを受光するフォトディテクタを有し、情報信号とともにトラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号等の各種信号を検出する。
液晶光学素子35は、光源31から出射された光ビームの偏光状態をその領域に応じて部分的に調整する偏光状態調整領域36を有する。すなわち、この液晶光学素子35は、図4に示すように、相対向して配置されるガラス基板である第1及び第2の基板51,52と、第1及び第2の基板51,52の相対向する面に形成され、それぞれ電極パターンを有する第1及び第2の電極53,54と、第1及び第2の電極53,54の間に配向膜55,56を介して挟まれて配向された液晶分子57とから形成されている。
一方のガラス基板である第1の基板51に設けられた第1の電極53は、図5に示すように、この第1の電極53を複数の領域に分割する電極パターン53aを有し、この電極パターン53aにより偏光状態調整領域36が形成される。この偏光状態調整領域36は、例えば、円状の境界線Aにより光軸Oaを中心とした円形状に形成され、その径Rが、対物レンズ32の有効径に入射する光ビームが液晶光学素子35を通過する際の径Rより小さく形成される。ここで有効径とは、後述する対物レンズ32の瞳端部の径を意味するものである。
尚、ここでは、他方のガラス基板である第2の基板52に設けられた第2の電極54には、特に電極パターンを形成しなかったが、ここに、後述する他の機能を有する偏光状態調整領域を形成する電極パターン、収差補正用の電極パターン等を形成してもよい。
また、液晶光学素子35は、偏光状態調整領域36等の第1及び第2の電極53,54に形成された各領域に印加する電位を駆動制御する液晶駆動部58を有する。液晶駆動部58は、制御部27からの信号に基づいて、偏光状態調整領域36に印加する電位を制御することにより、偏光状態調整領域36の第1及び第2の電極53,54間の電圧を制御することができ、この電圧による電界に従って、液晶分子57の配向が偏倚され、この偏光状態調整領域36を通過する光ビームに光路差を変化させ、位相差を発生させることで、通過する光ビームの偏光状態を変化させて、例えば、所定の偏光状態を有する楕円偏光状態又は円偏光状態の光ビームとさせる。
ここで、液晶光学素子35は、例えばP偏光状態で偏光状態調整領域36に入射された光ビームを、制御部27からの信号に基づいて制御された電圧に応じた偏光状態の楕円偏光光又は円偏光光として出射させる。尚、液晶光学素子35は、例えばP偏光状態で偏光状態調整領域36以外の領域に入射された光ビームを、そのままの偏光状態、すなわちP偏光の状態で出射させる。
光ピックアップ1において、上述した液晶光学素子35及び偏光ビームスプリッタ33は、液晶光学素子35を制御すること、すなわち、偏光状態調整領域36に印加する電位を制御することで、光強度分布を調整して、対物レンズ32の入射瞳中の最大強度に対する瞳端部における光強度の比を表す、所謂、リム強度を制御することができる。また、光ピックアップ1は、光強度分布を調整してリム強度を制御することで、信号記録面上のスポットの大きさを変化することができる。
ここで、液晶光学素子35を制御することで、光強度分布を調整してリム強度を制御することができ、さらに、信号記録面上のスポットの大きさを変化することができることについて説明する。
図6(a)乃至図6(c)に、それぞれ、記録時、再生時及び液晶光学素子35を駆動した再生時の、各状況に応じた対物レンズ32に入射する光ビームの光強度分布を示す。図6(a)乃至図6(c)において、横軸は、相対的な径方向の位置を示し、縦軸は、相対的な径方向の位置における相対的な光強度を示すものである。
記録時には、図3(a)に示すように、高出力で発振された光源31から広い放射角θの光ビームが出射されるので、光強度分布における最大強度と瞳端部の光強度との強度差Dが小さく、リム強度は、図6(a)に示すL12/L11で表されるように、大きくなる。
一方、再生時の液晶光学素子35は駆動されていない状態には、図3(b)に示すように、低出力で発振された光源31から狭い放射角θの光ビームが出射されるので、光強度分布における最大強度と瞳端部の光強度との強度差Dが大きく、リム強度は、図6(b)に示すL22/L21で示されるように、小さくなる。
そして、再生時に液晶光学素子35が駆動されると、すなわち、偏光状態調整領域36に印加する電位を制御すると、図6(c)に示すように、偏光状態調整領域36の部分を通過した光ビームが対物レンズ32に入射する部分、すなわち、図6(c)におけるR10の内側の部分の光強度が所定の割合で、低下する。これは、上述したように、偏光状態調整領域36を通過した光ビームは、楕円偏光状態とされて偏光ビームスプリッタ33により、その一部しか反射せず、残りの光ビームは、透過してしまうからである。すなわち、偏光状態調整領域36を通過して偏光状態を調整された光ビームは、その偏光状態に応じて、所定の割合の分だけ反射して対物レンズ32側に導かれるとともに、残りの光ビームが透過されて、後の工程には影響を及ぼさない。
尚、ここで偏光状態調整領域36を通過した光ビームが対物レンズ32に入射する部分の径を表すR10は、対物レンズ32の有効径をRe0としたとき、R10=Re0×(R/R)で表される。
図6(c)に示すように、液晶光学素子35を駆動した再生時には、光強度分布における最大強度と瞳端部の光強度との強度差Dが小さくなり、リム強度を、図6(c)に示すL32/L31で示されるように、図6(b)で示したリム強度(L22/L21)より大きくすることができる。尚、偏光状態調整領域36に印加する電位を変化させることで、偏光状態調整領域36を通過する光ビームの偏光状態が変化して、偏光ビームスプリッタ33を反射される割合が変化するので、結果としてリム強度を制御することができる。
そして、リム強度が大きくされた状態、すなわち、図6(c)に示す光強度分布の状態で対物レンズ32に入射した光ビームは、液晶光学素子35を駆動しない状態、すなわち、図6(b)に示す光強度分布の状態で対物レンズ32に入射した光ビームに比べて、スポットサイズが小さくなった状態で光ディスク11の信号記録面上に集光される。
したがって、光ピックアップ1において、液晶光学素子35及び偏光ビームスプリッタ33は、偏光状態調整領域36に電位を印加することで光強度分布を調整してリム強度を大きくでき、対物レンズ32により集束される信号記録面上のスポットサイズを小さくすることが可能となる。
1/4波長板37は、通過する光ビームに1/4波長の位相差を与える。すなわち、1/4波長板37は、入射した往路の光ビームを直線偏光(P偏光状態)から円偏光に変換し、光ディスク11で反射された復路の光ビームを円偏光から直線偏光(S偏光状態)に変換する。1/4波長板37は、光路における光ディスク11の前後で2回通過させることにより、往路の光ビームと復路の光ビームとを異なる偏光状態とすることができる。すなわち、1/4波長板37によりS偏光状態とされた戻りの光ビームは、ミラー39及びコリメータレンズ38を経由して、偏光ビームスプリッタ33の分離面33aを透過されることで、往路側の光ビームの光路から分離されて光検出器34側に導かれる。
コリメータレンズ38は、偏光ビームスプリッタ33により反射された光ビームの発散角を変換して略平行光として、立ち上げミラー39側に出射する。尚、ここでは、コリメータレンズ38は、偏光ビームスプリッタ33と1/4波長板37との間に配置されたが、これに限られるものではなく、光源31と対物レンズ32との間の光路上に配置されればよい。
立ち上げ用のミラー39は、コリメータレンズ38を通過した往路の光ビームを反射して光路を略90°変更して1/4波長板37側に導くとともに、1/4波長板37を通過した復路の光ビームを反射して光路を略90°変更してコリメータレンズ38側に導く。
シリンダーレンズ40は、偏光ビームスプリッタ33により往路の光ビームの光路から分離された復路の光ビームを光検出器34のフォトディテクタ上に集束させる。
以上のように構成された光ピックアップ1において、光強度分布を調整して適正なリム強度に制御した光ビームを対物レンズ32に入射させることができるので、信号記録面上のスポットの大きさを適正にすることができる。
すなわち、光ピックアップ1は、記録時には、液晶光学素子35を駆動させず、再生時に液晶光学素子35を駆動させることで、記録時及び再生時のリム強度を適正な状態に制御することができ、具体的には、再生時の読み取り精度を高め、再生時のレーザーパワーを有効利用することができる。したがって、光ピックアップ1は、従来に発生していた、再生時に、対物レンズの入射瞳中の最大強度に対する瞳端部における強度の比であるリム強度が低くなり、対物レンズで集光した信号記録面上のスポット径が大きくなり、読み取り精度に影響を及ぼす等の問題を解消できる。
次に、上述のように構成された光ピックアップ1における、光源31から出射された光ビームの光路について説明する。
まず、再生時の光路について説明する。光源31から出射された光ビームは、液晶光学素子35に入射され、液晶光学素子35の偏光状態調整領域36によりその領域に応じて部分的に偏光状態を調整されて偏光ビームスプリッタ33側に出射される。このとき、液晶光学素子35は、駆動されている状態、すなわち、液晶光学素子35の偏光状態調整領域36は、制御部27からの信号に基づいて、液晶駆動部58により所定の電位が印加されている状態である。
光源31からP偏光状態で出射された光ビームは、偏光状態調整領域36を通過する部分が、偏光状態調整領域36の第1及び第2の電極53,54間の電圧による電界に従って偏倚された液晶分子57により、偏光状態を変化されて楕円偏光状態とされる。そして、光源31からP偏光状態で出射され、偏光状態調整領域36以外の領域を通過する光ビームは、そのままの偏光状態、すなわち、P偏光の状態で出射される。
液晶光学素子35から出射された光ビームは、偏光ビームスプリッタ33の分離面33aで反射されて光路を略90°変更されて、コリメータレンズ38側に出射される。このとき、上述した偏光状態調整領域36を通過して、その領域に応じて部分的に偏光状態を調整された光ビームは、楕円偏光状態とされているので、その偏光状態に応じた割合でその一部が分離面33aを反射され、残りが分離面33aを透過される。ここで、透過された光ビームは、後の工程には影響を及ぼさない。また、偏光状態調整領域36以外の領域を通過した光ビームは、P偏光状態のままで出射されるので、その全部が分離面33aを反射される。したがって、液晶光学素子35によりその一部の偏光状態を調整された光ビームは、上述した図6(c)に示すように、光強度分布が調整されてリム強度が制御されて、すなわち、リム強度を大きくした状態でコリメータレンズ38側に出射される。
ここで、記録時の光路について説明する。光源31から出射された光ビームは、液晶光学素子35に入射され、そのままの偏光状態、すなわちP偏光状態で偏光ビームスプリッタ33側に出射される。このとき、液晶光学素子35は、駆動されていない状態、すなわち、液晶光学素子35の偏光状態調整領域36は、電位が印加されていない状態である。
液晶光学素子35から出射された光ビームは、偏光ビームスプリッタ33の分離面33aでその略全光量が反射されて光路を略90°変更されて、コリメータレンズ38側に出射される。このとき、偏光ビームスプリッタ33により反射された光ビームは、その全光量が反射されるが、記録時には、上述した図3(a)及び図6(a)に示すように、リム強度が図6(b)に示す再生時に比べてもともと高いので、そのままの光強度分布及びリム強度でコリメータレンズ38側に出射されるよう、液晶光学素子35が駆動されていない状態とされている。
このように、液晶光学素子35を経由して偏光状態調整領域36を出射された光ビームは、記録時においては、その全量をコリメータレンズ38側に導かれるとともに、再生時においては、液晶光学素子35の偏光状態調整領域36に印加する電位を制御することにより、光強度分布を調整してリム強度を制御して、コリメータレンズ38側に導かれる。尚、ここでは、記録時には、液晶光学素子35を駆動しないように制御したが、これに限られるものではなく、記録時においてもより精度の高いスポット形状とするために、液晶光学素子35を駆動して光強度分布及びリム強度を制御するように構成しても良い。
偏光ビームスプリッタ33により反射された光ビームの光路は、再生時及び記録時共に同じであるので、以下、併せて説明する。
偏光ビームスプリッタ33により反射された光ビームは、コリメータレンズ38により発散角を変換されて略平行光とされて、ミラー39で反射され光路を略90°曲げられて、1/4波長板37に入射する。
ミラー39で反射された光ビームは、1/4波長板37により円偏光状態に変換され、対物レンズ32により、光ディスク11の信号記録面上に集光される。このとき、対物レンズ32に入射する光ビームは、リム強度を大きくされた状態で入射されているので、光ディスク11の信号記録面上のスポットの大きさを小さく絞った状態で集光することができる。
光ディスク11に集光された光ビームは、信号記録面11aで反射され、対物レンズ32を透過して、1/4波長板37によりS偏光状態に変換されてミラー39側に出射される。
1/4波長板37によりS偏光状態とされた光ビームは、ミラー39により反射され、偏光ビームスプリッタ33を透過して、シリンダーレンズ40により、光検出器34のフォトディテクタ上に集束される。
以上のように、本発明を適用した光ピックアップ1は、液晶光学素子35の偏光状態調整領域36により部分的に偏光状態を調整された光ビームを、偏光ビームスプリッタ33により、その偏光状態に応じた割合で対物レンズ32側に導くことで、光強度分布を調整してリム強度を制御することができ、光ディスク11の信号記録面上のスポットの大きさを変化させることができる。
すなわち、本発明を適用した光ピックアップ1は、液晶光学素子35に設けられる偏光状態調整領域36が、光軸Oaを中心とした円形状に形成され、その径Rが、対物レンズ32の有効径に入射する光ビームが液晶光学素子35を通過する際の径Rより小さく形成されたことにより、この液晶光学素子35を駆動させることで、光強度分布を調整してリム強度を大きくでき、信号記録面上のスポットサイズを小さくできるので、例えば、再生時の読み取り精度を向上させることができる。
尚、光ピックアップ1において、液晶光学素子35の偏光状態調整領域36は、円形状に形成され、対物レンズ32の有効径に入射する光ビームが液晶光学素子を通過する際の径より小さく形成されるように構成したが、これに限られるものではなく、光強度分布を調整することができるような構成であればよく、例えば、その内周及び外周が光軸を中心とした同心円状とされた円環状に形成するように構成してもよい。
次に、他の例の液晶光学素子を用いた、図2に示す光ピックアップ61について説明する。尚、以下の説明において、上述した光ピックアップ1と共通する部分については、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明を適用した光ピックアップ61は、図2に示すように、所定の波長の光ビームを出射する光源31と、この光源31から出射された光ビームを光ディスク11の信号記録面上に集光する対物レンズ32と、光ディスク11で反射された戻りの光ビームを光源31から出射された往路の光ビームの光路から分離する偏光ビームスプリッタ33と、偏光ビームスプリッタ33で分離された戻りの光ビームを検出する光検出器34と、光源31と偏光ビームスプリッタ33との間に設けられ、通過する光ビームの偏光状態を調整する偏光状態調整領域66を有する液晶光学素子65と、偏光ビームスプリッタ33と対物レンズ32との間に設けられる1/4波長板37とを備える。
また、光ピックアップ61は、光ピックアップ1と同様に、コリメータレンズ38と、ミラー39と、シリンダーレンズ40とを備える。
液晶光学素子65は、光源31から出射された光ビームの偏光状態をその領域に応じて部分的に調整する偏光状態調整領域66を有する。すなわち、この液晶光学素子65は、図4に示すように、相対向して配置されるガラス基板である第1及び第2の基板51,52と、第1及び第2の基板51,52の相対向する面に形成され、それぞれ電極パターンを有する第1及び第2の電極73,54と、第1及び第2の電極73,54の間に配向膜55,56を介して挟まれて配向された液晶分子57とから形成されている。
一方のガラス基板である第1の基板51に設けられた第1の電極73は、図7に示すように、この第1の電極73を複数の領域に分割する電極パターン73aを有し、この電極パターン73aにより偏光状態調整領域66が形成される。この偏光状態調整領域66は、例えば、その内周B及び外周Bが光軸Oaを中心とした同心円状とされた円環状(リング状)に形成され、境界線となるその外周Bの径Rが、対物レンズ32の有効径に入射する光ビームが液晶光学素子35を通過する際の径Rと同一の大きさとされ、境界線となるその内周Bの径Rが、径Rより小さく形成される。ここで有効径とは、上述のように対物レンズ32の瞳端部の径を意味するものである。尚、ここでは、外周Bの径Rが径Rと同一とされたが、径Rより大きく形成されるように構成しても良い。
尚、ここでは、他方のガラス基板である第2の基板52に設けられた第2の電極54には、特に電極パターンを形成しなかったが、ここに、上述又は後述の他の機能を有する偏光状態調整領域を形成する電極パターン、収差補正用の電極パターン等を形成してもよい。
また、液晶光学素子65は、偏光状態調整領域66等の第1及び第2の電極73,54に形成された各領域に印加する電位を駆動制御する液晶駆動部58を有する。液晶駆動部58は、制御部27からの信号に基づいて、偏光状態調整領域66に印加する電位を制御することにより、偏光状態調整領域66の第1及び第2の電極73,54間の電圧を制御することができ、この電圧による電界に従って、液晶分子57の配向が偏倚され、この偏光状態調整領域66を通過する光ビームに光路差を変化させ、位相差を発生させることで、通過する光ビームの偏光状態を変化させて、例えば、所定の偏光状態を有する楕円偏光状態又は円偏光状態の光ビームとさせる。
ここで、液晶光学素子65は、例えばP偏光状態で偏光状態調整領域66に入射された光ビームを、制御部27からの信号に基づいて制御された電圧に応じた偏光状態の楕円偏光光又は円偏光光として出射させる。尚、液晶光学素子65は、例えばP偏光状態で偏光状態調整領域66以外の領域に入射された光ビームを、そのままの偏光状態、すなわちP偏光の状態で出射させる。
光ピックアップ61において、上述した液晶光学素子65及び偏光ビームスプリッタ33は、液晶光学素子65を制御すること、すなわち、偏光状態調整領域66に印加する電位を制御することで、光強度分布を調整してリム強度を制御することができる。また、光ピックアップ1は、リム強度を制御することで、信号記録面上のスポットの大きさを変化することができる。
ここで、光ピックアップ61において、液晶光学素子65を制御することで、光強度分布を調整してリム強度を制御することができ、さらに、信号記録面上のスポットの大きさを変化することができることについて説明する。
図8(a)及び図8(b)に、それぞれ、液晶光学素子65の非駆動時及び駆動時の、各状況に応じた対物レンズ32に入射する光ビームの光強度分布を示す。図8(a)及び図8(b)において、横軸は、相対的な径方向の位置を示し、縦軸は、相対的な径方向の位置における相対的な光強度を示すものである。
液晶光学素子65の非駆動時には、図8(a)に示すように、光強度分布における最大強度と瞳端部の光強度との強度差Dが小さく、リム強度は、図8(a)に示すL42/L41で表されるように、大きくなる。これは、光源31の出力による放射角と、コリメータレンズ38の位置や、対物レンズ33への開口量によっても異なるが後述する液晶光学素子65の駆動時と比較するために、図8(a)に示す領域を有効径として用いるように設定したとする。
一方、液晶光学素子65が駆動されると、すなわち、偏光状態調整領域66に印加する電位を制御すると、図8(b)に示すように、偏光状態調整領域66の部分を通過した光ビームが対物レンズ32に入射する部分、すなわち、図8(b)におけるR30の外側で且つR20(Re0)の内側の部分が所定の割合で、光強度が低下する。
これは、上述したように、偏光状態調整領域66を通過した光ビームは、楕円偏光状態とされて偏光ビームスプリッタ33により、その一部しか反射せず、残りの光ビームは、透過されてしまうからである。
すなわち、偏光状態調整領域66を通過して偏光状態を調整された光ビームは、その偏光状態に応じて、所定の割合の分だけ反射して対物レンズ32側に導かれるとともに、残りの光ビームが透過されて、後の工程には影響を及ぼさない。
尚、ここで偏光状態調整領域66を通過した光ビームが対物レンズ32に入射する部分の内径を表すR30は、対物レンズ32の有効径をRe0としたとき、R30=Re0×(R/R)で表される。
図8(b)に示すように、液晶光学素子65を駆動した時には、光強度分布における最大強度と瞳端部の光強度との強度差Dが大きくなり、リム強度を、図8(b)に示すL52/L51で示されるように、非駆動時の図8(a)で示したリム強度(L42/L41)より小さくすることができる。尚、偏光状態調整領域66に印加する電位を変化させることで、偏光状態調整領域66を通過する光ビームの偏光状態が変化して、偏光ビームスプリッタ33を反射される割合が変化するので、結果としてリム強度を制御することができる。
そして、リム強度が小さくされた状態、すなわち、図8(b)に示す光強度分布の状態で対物レンズ32に入射した光ビームは、液晶光学素子65を駆動しない状態、すなわち、図8(a)に示す光強度分布の状態で対物レンズ32に入射した光ビームに比べて、スポットサイズが大きくなった状態で光ディスク11の信号記録面上に集光される。これは、上述のような円環状とされた偏光状態調整領域66を有する液晶光学素子65を駆動させることは、光路中に絞りをいれるのと同様の効果を有するからである。
したがって、光ピックアップ61において、液晶光学素子65及び偏光ビームスプリッタ33は、偏光状態調整領域66に電位を印加することで光強度分布を調整してリム強度を小さくでき、対物レンズ32により集束される信号記録面上のスポットサイズを大きくすることが可能となる。
以上のように構成された光ピックアップ61において、光強度分布を調整してリム強度を制御した光ビームを対物レンズ32に入射させることができるので、信号記録面上のスポットの大きさを所望の大きさにすることができる。
すなわち、光ピックアップ61は、例えば、液晶光学素子65を非駆動状態とすることで、付加情報等が形成されていない光ディスクに対して情報信号の記録又は再生を行うとともに、液晶光学素子65を駆動状態とすることで、信号記録面上のスポットサイズを大きくして、アドレス信号等の付加情報等が形成された光ディスクの付加情報等を適切に読みとることを可能とする。
上述のように構成された光ピックアップ61における、光源31から出射された光ビームの光路は、上述の光ピックアップ1における光路と同様である。すなわち、光源31から出射された光ビームは、液晶光学素子65、偏光ビームスプリッタ33、コリメータレンズ38、ミラー39、1/4波長板37を経由して対物レンズ32により光ディスク11の信号記録面上に集光される。
このとき、液晶光学素子65が駆動されている状態について説明すると、偏光状態調整領域66は、制御部27からの信号に基づいて、液晶駆動部58により所定の電位が印加されている状態とされている。光源31からP偏光状態で出射された光ビームは、偏光状態調整領域66を通過する部分が、偏光状態調整領域66の第1及び第2の電極73,54間の電圧による電界に従って偏倚された液晶分子57により、偏光状態を変化されて楕円偏光状態とされる。そして、偏光状態調整領域66以外に領域を通過する光ビームは、そのままの偏光状態、すなわち、P偏光の状態で出射される。液晶光学素子65から出射された光ビームは、偏光状態調整領域66を通過して、その領域に応じて部分的に偏光状態を調整された光ビームが、楕円偏光状態とされているので、その偏光状態に応じた割合でその一部が分離面33aで反射され、残りが分離面33aで透過される。そして、偏光状態調整領域66以外の領域を通過した光ビームは、P偏光状態のままで出射されるので、その全部が分離面33aを反射される。
したがって、液晶光学素子65により、その一部の偏光状態を調整された光ビームは、光強度分布が調整されてリム強度が制御されて、すなわち、リム強度を小さくした状態でコリメータレンズ38側に出射される。そして、対物レンズ32に入射する光ビームは、リム強度を小さくされた状態で入射されるので、光ディスク11の信号記録面上のスポットの大きさを大きくされた状態で集光されている。
また、液晶光学素子65が駆動されていない状態においても、偏光ビームスプリッタ33により光ビームの全光量が反射されてコリメータレンズ38側に導かれることを除いて、同様の光路となる。
光ディスク11に集光された光ビームは、信号記録面11aで反射され、対物レンズ32、1/4波長板37、ミラー39、コリメータレンズ38、偏光ビームスプリッタ33を経由して、シリンダーレンズ40により、光検出器34のフォトディテクタ上に集束される。
以上のように、本発明を適用した光ピックアップ61は、液晶光学素子65の偏光状態調整領域66により部分的に偏光状態を調整された光ビームを、偏光ビームスプリッタ33により、その偏光状態に応じた割合で対物レンズ32側に導くことで、光強度分布が調整されてリム強度を制御することができ、光ディスク11の信号記録面上のスポットの大きさを変化させることができる。
すなわち、本発明を適用した光ピックアップ61は、液晶光学素子65に設けられる偏光状態調整領域66が、その内周及び外周が光軸Oaを中心とした同心円状とされた円環状に形成されたことにより、この液晶光学素子65を駆動させることで、光強度分布が調整されてリム強度を小さくでき、信号記録面上のスポットサイズを大きくできるので、例えば、アドレス信号等の付加情報が形成された光ディスクのこの付加情報を適切に読みとることを可能とする。また、本発明を適用した光ピックアップ61は、光強度分布を調整してリム強度を小さくでき、信号記録上のスポットサイズを大きくできるので、例えば、粗悪な光ディスクに対しても情報信号の再生を行うことを可能とする。
尚、光ピックアップ1、61において、液晶光学素子の偏光状態調整領域36,66は、上述した図5及び図7に示すように構成したが、これに限られるものではなく、光強度分布を調整することができるような構成であればよく、例えば、その内周及び外周が光軸を中心とした同心円状とされた円環形状を光軸を中心とした放射状の境界線により4分割された領域の対向する一対の領域に形成するように構成してもよい。
次に、さらに他の例の液晶光学素子を用いた、図2に示す光ピックアップ81について説明する。尚、以下の説明において、上述した光ピックアップ1と共通する部分については、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明を適用した光ピックアップ81は、図2に示すように、所定の波長の光ビームを出射する光源31と、この光源31から出射された光ビームを光ディスク11の信号記録面上に集光する対物レンズ32と、光ディスク11で反射された戻りの光ビームを光源31から出射された往路の光ビームの光路から分離する偏光ビームスプリッタ33と、偏光ビームスプリッタ33で分離された戻りの光ビームを検出する光検出器34と、光源31と偏光ビームスプリッタ33との間に設けられ、通過する光ビームの偏光状態を調整する偏光状態調整領域86を有する液晶光学素子85と、偏光ビームスプリッタ33と対物レンズ32との間に設けられる1/4波長板37とを備える。
また、光ピックアップ81は、光ピックアップ1と同様に、コリメータレンズ38と、ミラー39と、シリンダーレンズ40とを備える。
液晶光学素子85は、光源31から出射された光ビームの偏光状態をその領域に応じて部分的に調整する偏光状態調整領域86を有する。すなわち、この液晶光学素子85は、図4に示すように、相対向して配置されるガラス基板である第1及び第2の基板51,52と、第1及び第2の基板51,52の相対向する面に形成され、それぞれ電極パターンを有する第1及び第2の電極93,54と、第1及び第2の電極93,54の間に配向膜55,56を介して挟まれて配向された液晶分子57とから形成されている。
一方のガラス基板である第1の基板51に設けられた第1の電極93は、図9に示すように、この第1の電極93を複数の領域に分割する電極パターン93aを有し、この電極パターン93aにより偏光状態調整領域86が形成される。この偏光状態調整領域86は、例えば、その内周C及び外周Cが光軸Oaを中心とした同心円状とされた円環形状(リング形状)を光軸Oaを中心として放射状の境界線C,C,C,Cにより4分割された領域のラジアル方向Radに対向する一対の領域に形成され、境界線となるその外周Cの径Rが、対物レンズ32の有効径に入射する光ビームが液晶光学素子35を通過する際の径Rと同一の大きさとされ、境界線となるその内周Cの径Rが、径Rより小さく形成される。ここで有効径とは、上述のように対物レンズ32の瞳端部の径を意味するものである。また、境界線C,C,C,Cは、径方向に形成され、それぞれの境界線間の間隔が等しく形成される。また、境界線C,C及び境界線C,Cは、それぞれ、ラジアル方向Radに対して対称な位置に形成されている。尚、ここでは、外周Cの径が径Rと同一とされたが、径Rより大きく形成されるように構成しても良い。
尚、ここでは、他方のガラス基板である第2の基板52に設けられた第2の電極54には、特に電極パターンを形成しなかったが、ここに、上述又は後述の他の機能を有する偏光状態調整領域を形成する電極パターン、収差補正用の電極パターン等を形成してもよい。
また、液晶光学素子85は、偏光状態調整領域86等の第1及び第2の電極93,54に形成された各領域に印加する電位を駆動制御する液晶駆動部58を有する。液晶駆動部58は、制御部27からの信号に基づいて、偏光状態調整領域86に印加する電位を制御することにより、偏光状態調整領域86の第1及び第2の電極93,54間の電圧を制御することができ、この電圧による電界に従って、液晶分子57の配向が偏倚され、この偏光状態調整領域86を通過する光ビームに光路差を変化させ、位相差を発生させることで、通過する光ビームの偏光状態を変化させて、例えば、所定の偏光状態を有する楕円偏光状態又は円偏光状態の光ビームとさせる。
ここで、液晶光学素子85は、例えばP偏光状態で偏光状態調整領域86に入射された光ビームを、制御部27からの信号に基づいて制御された電圧に応じた偏光状態の楕円偏光光又は円偏光光として出射させる。尚、液晶光学素子85は、例えばP偏光状態で偏光状態調整領域86以外の領域に入射された光ビームを、そのままの偏光状態、すなわちP偏光の状態で出射させる。
光ピックアップ81において、上述した液晶光学素子85及び偏光ビームスプリッタ33は、液晶光学素子85を制御すること、すなわち、偏光状態調整領域86に印加する電位を制御することで、光強度分布を調整してリム強度を制御することができる。また、光ピックアップ1は、リム強度を制御することで、信号記録面上のスポットのラジアル方向Radへの大きさを変化して、スポット形状を変化させることができる。
ここで、光ピックアップ81において、液晶光学素子85を制御することで、光強度分布を調整してリム強度を制御することができ、さらに、信号記録面上のスポットの大きさを変化することができることについて説明する。
図10(a)乃至図10(c)に、それぞれ、液晶光学素子85の非駆動時並びに液晶光学素子85の駆動時のラジアル方向Rad及び液晶光学素子85の駆動時のタンジェンシャル方向Tanの、各状況に応じた対物レンズ32に入射する光ビームの光強度分布を示す。図10(a)乃至図10(c)において、横軸は、相対的な径方向の位置を示し、縦軸は、相対的な径方向の位置における相対的な光強度を示すものである。
液晶光学素子85の非駆動時には、図10(a)に示すように、光強度分布における最大強度と瞳端部の光強度との強度差Dが小さく、リム強度は、図10(a)に示すL62/L61で表されるように、大きくなる。これは、光源31の出力による放射角と、コリメータレンズ38の位置や、対物レンズ33への開口量によっても異なるが後述する液晶光学素子85の駆動時と比較するために、図10(a)に示す領域を有効径として用いるように設定したとする。ここで、非駆動時のリム強度は、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanにおいて、共に、図10(a)に示すとおりとなる。
一方、液晶光学素子85が駆動されると、すなわち、偏光状態調整領域86に印加する電位を制御すると、図10(b)に示すように、偏光状態調整領域86の部分を通過した光ビームが対物レンズ32に入射する部分、すなわち、ラジアル方向Radの図10(b)におけるR50の外側で且つR40(Re0)の内側の部分が所定の割合で、光強度が低下する。
これは、上述したように、偏光状態調整領域86を通過した光ビームは、楕円偏光状態とされて偏光ビームスプリッタ33により、その一部しか反射せず、残りの光ビームは、透過されてしまうからである。
すなわち、偏光状態調整領域86を通過して偏光状態を調整された光ビームは、その偏光状態に応じて、所定の割合の分だけ反射して対物レンズ32側に導かれるとともに、残りの光ビームが透過されて、後の工程には影響を及ぼさない。
尚、ここで偏光状態調整領域86を通過した光ビームが対物レンズ32に入射する部分の内径を表すR50は、対物レンズ32の有効径をRe0としたとき、R50=Re0×(R/R)で表される。
図10(b)に示すように、液晶光学素子85を駆動した時には、ラジアル方向Radの光強度分布における最大強度と瞳端部の光強度との強度差Dが大きくなり、ラジアル方向Radのリム強度を、図10(b)に示すL72/L71で示されるように、非駆動時の図10(a)で示したリム強度(L62/L61)より小さくすることができる。また、液晶光学素子85を駆動した時には、ラジアル方向Radのリム強度(L72/L71)は、後述する図10(c)に示すタンジェンシャル方向Tanのリム強度(L82/L81)より小さくすることができる。尚、偏光状態調整領域86に印加する電位を変化させることで、偏光状態調整領域86を通過する光ビームの偏光状態が変化して、偏光ビームスプリッタ33を反射される割合が変化するので、結果としてラジアル方向Radのリム強度を制御することができる。
これに対し、液晶光学素子85が駆動された状態のタンジェンシャル方向Tanの光強度は、図10(c)に示すような分布となり、すなわち、タンジェンシャル方向Tanの光強度分布における最大強度と瞳端部の光強度との強度差Dが上述の図10(a)で示す強度差Dと同様に小さく、リム強度(L82/L81)は、非駆動時の図10(a)で示したリム強度(L62/L61)と等しくなる。
そして、ラジアル方向Radのリム強度が小さくされた状態、すなわち、図10(b)に示す光強度分布の状態で対物レンズ32に入射した光ビームは、液晶光学素子85を駆動しない状態、すなわち、図10(a)に示す光強度分布の状態で対物レンズ32に入射した光ビームに比べて、ラジアル方向Radのスポットサイズが大きくなった状態、換言すると、スポット形状が変化された状態で光ディスク11の信号記録面上に集光される。これは、上述のような円環形状とされた偏光状態調整領域66を有する液晶光学素子85を駆動させることは、光路中に絞りをいれるのと同様の効果を有するからである。
したがって、光ピックアップ81において、液晶光学素子85及び偏光ビームスプリッタ33は、偏光状態調整領域86に電位を印加することで光強度分布を調整して所定の方向であるラジアル方向Radのリム強度のみを小さくでき、対物レンズ32により集束される信号記録面上のラジアル方向Radのスポットサイズを大きくすることで、スポット形状を変化させることが可能となる。
以上のように、構成された光ピックアップ81において、所定の方向の光強度分布を調整してリム強度を制御した光ビームを対物レンズ32に入射させることができるので、信号記録面上のスポットを一方向にのみ大きくすることができる。
すなわち、光ピックアップ81は、例えば、液晶光学素子85を非駆動状態とすることで、付加情報等が形成されていない光ディスク等に対して情報信号の記録又は再生を行うとともに、液晶光学素子85を駆動状態とすることで、信号記録面上のスポットをラジアル方向Radに拡大して、スポット形状を調整することで、アドレス信号等の付加情報等が形成された光ディスクの付加情報等を適切に読みとることを可能とする。
上述のように構成された光ピックアップ81における、光源31から出射された光ビームの光路は、上述の光ピックアップ1,61における光路と同様である。
すなわち、光源31から出射された光ビームは、液晶光学素子85、偏光ビームスプリッタ33、コリメータレンズ38、ミラー39、1/4波長板37を経由して対物レンズ32により光ディスク11の信号記録面上に集光される。
このとき、液晶光学素子85が駆動されている状態について説明すると、偏光状態調整領域86は、制御部27からの信号に基づいて、液晶駆動部58により所定の電位が印加されている状態とされている。光源31からP偏光状態で出射された光ビームの偏光状態調整領域86を通過する部分は、偏光状態調整領域86の第1及び第2の電極93,54間の電圧による電界に従って偏倚された液晶分子57により、偏光状態を変化されて楕円偏光状態とされる。そして、偏光状態調整領域86以外の領域を通過する光ビームは、そのままの偏光状態、すなわち、P偏光の状態で出射される。液晶光学素子85から出射された光ビームは、偏光状態調整領域86を通過して、その領域に応じて部分的に偏光状態を調整された光ビームが、楕円偏光状態とされているので、その偏光状態に応じた割合でその一部が分離面33aで反射され、残りが分離面33aで透過される。そして、偏光状態調整領域86以外の領域を通過した光ビームは、P偏光状態のままで出射されるので、その全部が分離面33aを反射される。
したがって、液晶光学素子85により、その一部の偏光状態を調整された光ビームは、光強度分布が調整されてリム強度が制御されて、すなわち、ラジアル方向Radのリム強度を小さくした状態でコリメータレンズ38側に出射される。そして、対物レンズ32に入射する光ビームは、ラジアル方向Radのリム強度を小さくされた状態で入射されるので、光ディスク11の信号記録面上のラジアル方向Radのスポットの大きさを大きくされた状態、すなわち、スポット形状が変化された状態で集光されている。
また、液晶光学素子85が駆動されていない状態においても、偏光ビームスプリッタ33により光ビームの全光量が反射されてコリメータレンズ38側に導かれることを除いて、同様の光路となる。
光ディスク11に集光された光ビームは、信号記録面11aで反射され、対物レンズ32、1/4波長板37、ミラー39、コリメータレンズ38、偏光ビームスプリッタ33を経由して、シリンダーレンズ40により、光検出器34のフォトディテクタ上に集束される。
以上のように、本発明を適用した光ピックアップ81は、液晶光学素子85の偏光状態調整領域86により部分的に偏光状態を調整された光ビームを、偏光ビームスプリッタ33により、その偏光状態に応じた割合で対物レンズ32側に導くことで、光強度分布を調整してリム強度を制御することができ、光ディスク11の信号記録面上のスポットの所定の一方向であるラジアル方向Radの大きさを変化させることで、スポット形状を変化させて調整することができる。
すなわち、本発明を適用した光ピックアップ81は、液晶光学素子85に設けられる偏光状態調整領域86が、その内周及び外周が光軸Oaを中心とした同心円状とされた円環形状を光軸を中心として放射状の境界線により4分割された領域の対向する一対の領域に形成されたことにより、この液晶光学素子85を駆動させることで、光強度分布を調整して所定の一方向であるラジアル方向Radのリム強度を小さくでき、信号記録面上のスポットサイズを大きくできるので、例えば、ラジアル方向Radに付加情報等が形成された光ディスク、すなわち、ピットパターンの幅を変化させて付加情報が記録された光ディスクのこの付加情報を適切に読みとることを可能とする。また、本発明を適用した光ピックアップ81は、光強度分布を調整して所定の一方向であるラジアル方向Radのリム強度を小さくでき、信号記録面上のスポットサイズを大きくできるので、例えば、粗悪な光ディスクに対しても情報信号の再生を行うことを可能とする。
尚、上述の光ピックアップ81では、偏光状態調整領域86を図9に示すように、円環形状を光軸を中心として放射状の境界線により4分割された領域のラジアル方向Radに対向する一対の領域に形成されるように構成したが、これに限られるものではなく、タンジェンシャル方向Tanに対向する一対の領域に形成してもよく、また、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanの間の所定の一方向に対向するように4分割して、その一対の領域に形成してもよい。かかる偏光状態調整領域を有する光ピックアップは、任意の方向にスポットサイズを大きくすることができる。
尚、上述の光ピックアップ1,61,81において、いずれも第1の電極53,73,93に、電極パターンを形成して偏光状態調整領域36,66,86を形成し、第2の電極54には、電極パターンを形成しないように構成したが、液晶光学素子の第1の面である第1の電極に、第1の偏光状態調整領域を形成し、第2の面である第2の電極に、第1の偏光状態調整領域と異なる第2の偏光状態調整領域を形成するように構成しても良い。例えば、第1の電極に、偏光状態調整領域36を設け、第2の電極に、偏光状態調整領域66を設け、装着された光ディスクの種類に応じて、選択的に偏光状態調整領域を駆動せきるように構成し、偏光状態調整領域36を駆動することで光強度分布を調整してリム強度を大きくして信号記録面上のスポットサイズを小さくして、例えば、再生時の読み取り精度を高め、また、偏光状態調整領域66を駆動することで光強度分布を調整してリム強度を小さくして信号記録面上のスポットサイズを大きくして、例えば、付加情報が形成された光ディスクの付加情報を適切に読みとるという複数の機能、効果を有することが可能となる。
また、上述の光ピックアップ1,61,81において、光源31からP偏光状態とされた光ビームを出射させ、偏光ビームスプリッタ33の分離面33aでP偏光状態とされた光ビームを反射させ、S偏光状態とされた光ビームを透過させるように構成したが、これに限られるものではなく、光源31からS偏光状態とされた光ビームを出射させ、分離面33aでS偏光状態とされた光ビームを反射させ、P偏光状態とされた光ビームを透過させるように構成しても良い。
次に、上述の光ピックアップ1を用いた光ディスク装置10により、光ディスク11へ記録データを記録するときの記録・再生動作について説明する。尚、光ディスク装置10において光ピックアップ61,81を用いた場合も同様であるので、詳細な説明は省略する。まず、光ディスク11へ記録データを記録するときの記録動作について説明する。
操作部25を構成する記録釦25bがユーザにより操作されて入力端子18より記録データが入力されると、この記録データは、エラー訂正符号化回路19で光ディスク11の種類に応じたエラー訂正符号化処理がされ、次いで、変調回路20で光ディスク11の種類に応じた変調処理がされ、次いで、記録処理回路21で記録処理がされた後、光ピックアップ1に入力される。すると、光ピックアップ1は、光ディスク11の種類に応じて半導体レーザより所定の波長の光ビームを照射し、光ディスク11の記録層に照射すると共に、光ディスク11の反射層で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これを光電変換しRFアンプ15に出力する。RFアンプ15は、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号を生成する。サーボ回路16は、RFアンプ15から入力されたフォーカシングエラー信号やトラッキングエラー信号に基づいてフォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成し、これらの信号を光ピックアップ1の対物レンズ駆動機構の駆動回路に出力する。これにより、対物レンズ駆動機構に保持された対物レンズは、フォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号に基づいて、対物レンズの光軸と平行なフォーカシング方向及び対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に駆動変位される。更に、モータ制御回路13は、アドレス用のピットより生成したクロックが水晶発振器からの基準クロックと同期するように回転サーボ信号を生成し、これに基づき、スピンドルモータ12を駆動し、光ディスク11をCLVで回転する。更に、サブコード抽出回路17は、RF信号からピットパターン等からリードインエリアのアドレスデータを抽出し、制御回路27に出力する。光ピックアップ1は、制御回路27の制御に基づいて、記録処理回路21で記録処理されたデータを記録するため、この抽出されたアドレスデータに基づいて所定のアドレスにアクセスし、半導体レーザを記録レベルで駆動し、光ビームを光ディスク11の記録層に照射しデータの記録を行う。光ピックアップ1は、記録データを記録するに従って、順次スレッドモータ28によって送り操作され、光ディスク11の内外周に亘って記録データを記録する。
次に、光ディスク11に記録されている記録データを再生するときの動作について説明する。
操作部25を構成する再生釦25cがユーザにより操作されると、光ピックアップ1は、記録動作のときと同様に、光ディスク11の種類に応じて半導体レーザより所定の波長の光ビームを光ディスク11の記録層に照射すると共に、光ディスク11の反射層で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これを光電変換しRFアンプ15に出力する。RFアンプ15は、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号を生成する。サーボ回路16は、RFアンプ15から入力されたフォーカシングエラー信号やトラッキングエラー信号に基づいてフォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成し、これらの信号に基づいて対物レンズのフォーカシング制御やトラッキング制御を行う。更に、モータ制御回路13は、同期信号より生成したクロックが水晶発振器からの基準クロックと同期するように回転サーボ信号を生成し、これに基づき、スピンドルモータ12を駆動し、光ディスク11をCLVで回転する。更に、サブコード抽出回路17は、RF信号からサブコードデータを抽出し、抽出したサブコードデータを制御回路27に出力する。光ピックアップ1は、所定のデータを読み出すため、この抽出されたサブコードデータに含まれるアドレスデータに基づいて所定のアドレスにアクセスし、半導体レーザを再生レベルで駆動し、光ビームを光ディスク11の記録層に照射し反射層で反射された戻りの光ビームを検出することによって光ディスク11に記録されている記録データの読み出しを行う。光ピックアップ1は、記録データを読み出すに従って、順次スレッドモータ28によって送り操作され、光ディスク11の内外周に亘って記録されている記録データの読み出しを行う。
RFアンプ15で生成されたRF信号は、復調回路22で記録時の変調方式に応じて復調処理がされ、次いで、エラー訂正復号化回路21でエラー訂正復号処理がされ、出力端子24より出力される。この後、出力端子24より出力されたデータは、そのままディジタル出力されるか又は例えばD/Aコンバータによりディジタル信号からアナログ信号に変換され、スピーカ、モニタ等に出力される。
本発明を適用した光ディスク装置10は、液晶光学素子35,65,85を駆動して、偏光状態調整領域36,66,86により部分的に偏光状態を調整された光ビームを、偏光ビームスプリッタにより、その偏光状態に応じた割合で対物レンズ側に導くことで、光強度分布を調整して、リム強度を制御することができ、光ディスク11の信号記録面上のスポットの大きさ及び形状を変化させることができ、記録及び/又は再生特性を向上させることができ、また、付加情報が形成された光ディスクのこの付加情報を適切に読みとることができる。
本発明を適用した光ピックアップ1,61,81は、記録及び再生を行う光ディスク装置に用いられたが、記録のみ行う光ディスク装置又は再生のみ行う光ディスク装置に適用されてもよい。また、本発明は、上述したディスクフォーマット以外に対しても適用可能である。
本発明を適用した光ディスクの構成を示すブロック回路図である。 本発明を適用した光ピックアップの光学系の例を示す光路図である。 光ピックアップを構成する光源の出力と出射される光ビームの放射角の関係を示す図であり、(a)は、記録時の放射角を示す側面図であり、(b)は、再生時の放射角を示す側面図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する液晶光学素子の構成を示す断面図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する液晶光学素子の偏光状態調整領域を示す平面図である。 本発明を適用した光ピックアップの各状況の光強度分布を示すものであり、(a)は、記録時の光強度分布を示す図であり、(b)は、再生時の光強度分布を示す図であり、(c)は、再生時に液晶光学素子を駆動したときの光強度分布を示す図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する液晶光学素子の他の例の偏光状態調整領域を示す平面図である。 他の例の液晶光学素子を用いた光ピックアップの各状況の光強度分布を示すものであり、(a)は、液晶光学素子を駆動しないときの光強度分布を示す図であり、(b)は、液晶光学素子を駆動したときの光強度分布を示す図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する液晶光学素子のさらに他の例の偏光状態調整領域を示す平面図である。 さらに他の例の液晶光学素子を用いた光ピックアップの各状況の光強度分布を示すものであり、(a)は、液晶光学素子を駆動しないときの光強度分布を示す図であり、(b)は、液晶光学素子を駆動したときのラジアル方向の光強度分布を示す図であり、(c)は、液晶光学素子を駆動したときのタンジェンシャル方向の光強度分布を示す図である。
符号の説明
1 光ピックアップ、 10 光ディスク装置、 11 光ディスク、 12 スピンドルモータ、 27 制御部、 29 ディスク種類判別部、 31 光源、 32 対物レンズ、 33 偏光ビームスプリッタ、 34 光検出器、 35 液晶光学素子、 36 偏光状態調整領域、 37 1/4波長板、 38 コリメータレンズ、 39 ミラー、 40 シリンダーレンズ、 51 第1の基板、 52 第2の基板、 53 第1の電極、 54 第2の電極、 55,56 配向膜、 57 液晶分子、 58 液晶駆動部

Claims (2)

  1. 所定の波長の光ビームを出射する光源と、
    上記光源から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面上に集光する対物レンズと、
    上記光ディスクで反射された戻りの光ビームを上記光源から出射された光ビームの光路から分離する偏光ビームスプリッタと、
    上記偏光ビームスプリッタで分離された上記戻りの光ビームを検出する光検出器と、
    上記光源と上記偏光ビームスプリッタとの間に設けられ、通過する光ビームの偏光状態を調整する偏光状態調整領域を有する液晶光学素子と、
    上記偏光ビームスプリッタと上記対物レンズとの間に設けられる1/4波長板とを備え、
    上記偏光ビームスプリッタは、上記液晶光学素子の上記偏光状態調整領域により部分的に偏光状態を調整された光ビームを、その偏光状態に応じた割合で上記対物レンズ側に導くことで、光強度分布を変化させ、
    上記液晶光学素子及び上記偏光ビームスプリッタは、該光強度分布の変化によってリム強度を制御して上記対物レンズにより光ディスクの信号記録面上に集光されるスポットを調整し、
    上記偏光状態調整領域は、その内周及び外周が光軸を中心とした同心円状とされた円環形状を光軸を中心として放射状の境界線により4分割された領域の対向する一対の領域に形成され、上記外周の径は、上記対物レンズの有効径に入射する光ビームが上記液晶光学素子を通過する際の径と同一又はこの径より大きい光ピックアップ。
  2. 光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、上記光ディスクを回転するディスク回転駆動手段とを備え、
    上記光ピックアップは、所定の波長の光ビームを出射する光源と、
    上記光源から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面上に集光する対物レンズと、
    上記光ディスクで反射された戻りの光ビームを上記光源から出射された光ビームの光路から分離する偏光ビームスプリッタと、
    上記偏光ビームスプリッタで分離された上記戻りの光ビームを検出する光検出器と、
    上記光源と上記偏光ビームスプリッタとの間に設けられ、通過する光ビームの偏光状態を調整する偏光状態調整領域を有する液晶光学素子と、
    上記偏光ビームスプリッタと上記対物レンズとの間に設けられる1/4波長板とを備え、
    上記偏光ビームスプリッタは、上記液晶光学素子の上記偏光状態調整領域により部分的に偏光状態を調整された光ビームを、その偏光状態に応じた割合で上記対物レンズ側に導くことで、光強度分布を変化させ、
    上記液晶光学素子及び上記偏光ビームスプリッタは、該光強度分布の変化によってリム強度を制御して上記対物レンズにより光ディスクの信号記録面上に集光されるスポットを調整し、
    上記偏光状態調整領域は、その内周及び外周が光軸を中心とした同心円状とされた円環形状を光軸を中心として放射状の境界線により4分割された領域の対向する一対の領域に形成され、上記外周の径は、上記対物レンズの有効径に入射する光ビームが上記液晶光学素子を通過する際の径と同一又はこの径より大きい光ディスク装置。
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