JP2007080431A - 光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ピックアップを構成する光学部品自体に起因するコマ収差を補正するとともに、光ディスクの反り、面振れ等に起因するラジアル方向のコマ収差を補正する。
【解決手段】 所定の波長の光ビームを出射する光源31と、光源31から出射された光ビームを光ディスク11の信号記録面上に集光する対物レンズ32と、光源31と対物レンズ32との間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子38と、光ディスク11で反射された戻り光を光路分離する光路分離手段35と、光路分離手段35で分離された戻り光を検出する光検出器36と備え、液晶光学素子38は、光軸方向に相対向して配置される一対の電極を有し、一対の電極の一方の電極には、ラジアル方向のコマ収差を補正する第1のパターンと、タンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2のパターンとが設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ディスク等の情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置に関する。
光ディスクに対して、記録及び/又は再生を行う光ピックアップ及び光ディスク装置において、その光学部品そのものが持つコマ収差や、光学部品を組み付ける際のずれによる組立時のコマ収差等(以下、これらのコマ収差をあわせて「光学部品に起因するコマ収差」という)により光ディスクの信号記録面に集光されるスポットの品質が劣化し、情報の記録、再生に悪影響を及ぼすことが問題となる。
例えば、特許第3538520号公報に記載されているように、この光学部品に起因するコマ収差を液晶光学素子を設けることで補正することが知られていた。(特許文献1参照)。
光学部品に起因するコマ収差を液晶光学素子により補正することは、異なるフォーマットの複数種類の光ディスクに対して、情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップとして、対物レンズが複数設けられた場合に特に有効である。すなわち、対物レンズを1個設ける場合では、光学部品に起因するコマ収差を対物レンズを傾斜させることで調整することも可能であるが、例えば、対物レンズを2個設ける場合では、対物レンズを保持するレンズホルダを傾斜することにより、いずれか一方の組立時のコマ収差を調整すると、他方の組立時のコマ収差が調整できないという問題があった。このように、複数の対物レンズを設ける場合には、光学部品に起因するコマ収差を液晶光学素子により補正することが特に必要となる。
その一方で、光ディスクの反り、面振れ等によりラジアル方向のコマ収差(以下、「光ディスクに起因するコマ収差」という。)が発生する。この光ディスクに起因するコマ収差は、対物レンズを駆動するアクチュエータとして、トラッキング方向及びフォーカス方向に加えチルト方向にも駆動することが可能な3軸アクチュエータ等を設け、光ディスクの反り、面振れ等に対応して対物レンズを傾斜させることで光ディスクに起因するコマ収差を調整していた。また、この光ディスクに起因するコマ収差を液晶光学素子で補正することが知られていた。
上述したコマ収差を補正する液晶光学素子は、2枚の電極と、2枚の電極に挟まれて配向された液晶分子とから形成されている。2枚の電極のいずれか一方には、図9に示すように、電極を複数の領域に分割する複数の境界部202a〜202dからなり、コマ収差を補正する電極パターン201が設けられる。すなわち、かかる液晶光学素子は、複数の領域に分割された電極に与える電位差を変化させることで、液晶分子の配向性を利用して屈折率分布を持たせ、透過する光ビームに対して各領域毎に位相差を異ならせることによって所望の収差を発生させて補正するものである。
上述した光学部品に起因するコマ収差及び光ディスクに起因するコマ収差の2要因のコマ収差を補正するためには、タンジェンシャル方向及びラジアル方向の2方向のコマ収差に対応した液晶光学素子を設ける必要がある。かかる構成とした場合、光学部品が増加して構成が複雑になりコストが増加してしまうとともに、かかる液晶光学素子を偏心することなく配置する必要性が生じる。
すなわち、かかる液晶光学素子を設ける場合において、透過する光ビームと電極パターンとの配置ズレ、換言すると、透過する光ビームとコマ収差を発生させる電極パターンとが偏心していると、コマ収差以外の収差として、例えば非点収差等が発生してしまうからである。
また、タンジェンシャル方向のコマ収差及びラジアル方向のコマ収差の2方向のコマ収差を補正するために、対向する各電極それぞれに、各方向のコマ収差を補正する電極パターンを設けた液晶光学素子を設けることが考えられる。かかる構成とした液晶光学素子は、透過する光ビームに対して両電極共に偏心のないようにする必要があり、素子作製時における両電極パターン同士の偏心が抑えられるように高精度に位置合わせする必要性が生じる。
また、2方向のコマ収差に加えてさらに非点収差や球面収差を1つの素子で補正しようとすると、電極パターンの分割数が増加、複雑化し、素子の作製が困難になったり、素子の制御が複雑になるという問題がある。
特許第3538520号公報
本発明の目的は、光ピックアップを構成する光学部品自体に起因するコマ収差を補正することができるとともに、光ディスクの反り、面振れ等に起因するコマ収差を補正することができる光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明にかかる光ピックアップは、所定の波長の光ビームを出射する光源と、上記光源から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面上に集光する対物レンズと、上記光源と上記対物レンズとの間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子と、上記光ディスクで反射された戻り光を光路分離する光路分離手段と、上記光路分離手段で分離された戻り光を検出する光検出器と備え、上記液晶光学素子は、光軸方向に相対向して配置される一対の電極を有し、上記一対の電極の一方の電極には、ラジアル方向のコマ収差を補正する第1のパターンと、タンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2のパターンとが設けられている。
また、本発明にかかる光ピックアップは、異なる種類の第1乃至第3の光ディスクに対して、情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップにおいて、第1乃至第3の波長の光ビームを出射する光源と、上記光源から出射された第1の波長の光ビームを第1の光ディスクの信号記録面上に集光する第1の対物レンズと、上記光源から出射された第2の波長の光ビームを第2の光ディスクの信号記録面上に集光するとともに、上記光源から出射された第3の波長の光ビームを第3の光ディスクの信号記録面上に集光する第2の対物レンズと、上記光源と上記第1及び第2の対物レンズとの間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子と、上記光ディスクで反射された戻り光を光路分離する光路分離手段と、上記光路分離手段で分離された戻り光を検出する光検出器と備え、上記液晶光学素子は、光軸方向に相対向して配置される一対の電極を有し、上記一対の電極の一方の電極には、ラジアル方向のコマ収差を補正する第1のパターンと、タンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2のパターンとが設けられている。
上述したような目的を達成するため、本発明にかかる光ディスク装置は、光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、光ディスクを回転するディスク回転駆動手段とを備える光ディスク装置であり、この光ディスク装置に用いる光ピックアップとして、上述したようなものを用いたものである。
本発明にかかる光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置は、簡易な構成で光ピックアップを構成する光学部品の誤差及びこの光学部品の配置誤差等により発生するコマ収差を良好に補正することができるとともに、光ディスクの反り、面振れ等に起因するコマ収差を良好に補正することができ、記録・再生特性を向上させることができる。
以下、本発明を適用した光ディスク装置について、図面を参照して説明する。
この光ディスク装置10は、フォーマットの異なる複数種類の光ディスク11に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うことができる光ディスク装置である。
ここで用いられる光ディスク11は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、情報の追記が可能とされるCD−R(Recordable)及びDVD−R(Recordable)、情報の書換えが可能とされるCD−RW(ReWritable)、DVD−RW(ReWritable)、DVD+RW(ReWritable)等の光ディスクや、さらに発光波長が短い405nm程度(青紫色)の半導体レーザを用いた高密度記録が可能な光ディスクや、光磁気ディスク等である。
特に、以下で光ディスク装置10により情報の再生又は記録を行う3種類の光ディスクとして、保護基板の厚さが0.1mmで波長405nm程度の光ビームを記録再生光として使用する高密度記録が可能な第1の光ディスク3と、保護基板の厚さが0.6mmで波長655nm程度の光ビームを記録再生光として使用するDVD等の第2の光ディスク4と、保護基板の厚さが1.2mmで波長785nm程度の光ビームを記録再生光として使用するCD等の第3の光ディスク5とを用いるものとして説明する。
具体的に、この光ディスク装置10は、図1に示すように、光ディスク11を回転するスピンドルモータ12と、スピンドルモータ12を制御するモータ制御回路13と、スピンドルモータ12により回転される光ディスク11に光ビームを照射し光ディスク11で反射した戻りの光ビームを検出する光ピックアップ1と、光ピックアップ1から出力された電気信号を増幅するRFアンプ15と、対物レンズのフォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成するサーボ回路16と、サブコードデータを抽出するサブコード抽出回路17とを備える。
また、この光ディスク装置10は、記録系として、パーソナルコンピュータ等のホスト機器に接続され、記録すべきデータが入力される入力端子18と、入力端子18に入力された記録データに対してエラー訂正符号化処理を施すエラー訂正符号化回路19と、エラー訂正符号化処理が施されたデータを変調する変調回路20と、変調された記録データに対して記録処理を施す記録処理回路21とを備える。
更に、光ディスク装置10は、再生系として、光ディスク11より読み出した再生データに対して復調する復調回路22と、復調された再生データに対してエラー訂正復号処理を施すエラー訂正復号化回路23と、エラー訂正復号処理されたデータを出力する出力端子24とを備える。更に、光ディスク装置10は、装置に対して操作信号を入力する操作部25と、各種制御データ等を格納するメモリ26と、全体の動作を制御する制御回路27と、光ディスク11の種類を判別するディスク種類判別部29とを備える。
スピンドルモータ12は、スピンドルに光ディスク11が装着されるディスクテーブルが設けられており、ディスクテーブルに装着されている光ディスク11を回転する。モータ制御回路13は、光ディスクをCLV(Constant Linear Velocity)で回転することができるようにスピンドルモータ12を駆動制御する。具体的に、モータ制御回路13は、水晶発振器からの基準クロックとPLL回路からのクロックとに基づいて光ディスク11の回転速度が線速一定となるようにスピンドルモータ12を駆動制御する。なお、光ディスク11は、CAV(Constant Angular Velocity)やCLVとCAVとを組み合わせた制御で回転するようにしてもよい。
光ピックアップ1は、装着された光ディスク11の種類に応じた波長を出射する、例えば3波長互換光学系を有する光ピックアップであり、規格の異なる光ディスクの信号記録面に対して上述した異なる波長の光ビームを出射する半導体レーザ等の光源と、この光源より出射された光ビームを集束する光ディスク11の種類に対応した開口数の対物レンズ、光ディスク11で反射された戻りの光ビームを検出する光検出器等を備える。光ピックアップ1は、光ディスク11に記録されているデータを読み出すとき、半導体レーザの出力を標準レベルに設定し、半導体レーザよりレーザ光である光ビームを出射する。また、光ピックアップ1は、記録データを光ディスク11に記録するとき、半導体レーザの出力を、再生時の標準レベルより高い記録レベルにして、半導体レーザよりレーザ光である光ビームを出射する。光ピックアップ1は、記録再生時、光ディスク11に光ビームを照射し、信号記録面で反射した戻りの光ビームを光検出器で検出し、光電変換する。また、対物レンズは、2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構に保持され、フォーカシングサーボ信号に基づいて対物レンズの光軸と平行なフォーカシング方向に駆動変位され、また、トラッキングサーボ信号に基づいて対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に駆動変位される。尚、ここでは、3波長互換光学系を有する光ピックアップを用いて、異なる3波長に対応した複数種類の光ディスクに対して記録及び再生を行うものとして説明したが、これに限られるものではなく、2波長互換光学系を有する光ピックアップを用いてもよく、また、所定の1波長に対応した光学系を有する光ピックアップを用いてもよい。また、半導体レーザ、対物レンズ及び光検出器等の光学系の構成については後に詳述する。
RFアンプ15は、光ピックアップ1を構成する光検出器からの電気信号に基づいて、RF信号、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成する。例えばフォーカシングエラー信号は、非点収差法により生成され、トラッキングエラー信号は、3ビーム法やプッシュプル法により生成される。そして、RFアンプ15は、再生時、RF信号を復調回路22に出力し、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボ回路16に出力する。
サーボ回路16は、光ディスク11を再生する際のサーボ信号を生成する。具体的に、サーボ回路16は、RFアンプ15から入力されたフォーカシングエラー信号に基づき、このフォーカシングエラー信号が0となるように、フォーカシングサーボ信号を生成し、また、RFアンプ15から入力されたトラッキングエラー信号に基づき、このトラッキングエラー信号が0となるように、トラッキングサーボ信号を生成する。そして、サーボ回路16は、フォーカシングサーボ信号及びトラッキングサーボ信号を光ピックアップ1を構成する対物レンズ駆動機構の駆動回路に出力する。この駆動回路は、フォーカシングサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、対物レンズを対物レンズの光軸と平行なフォーカシング方向に駆動変位させ、トラッキングサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に対物レンズを駆動変位させる。
サブコード抽出回路17は、RFアンプ15より出力されたRF信号よりサブコードデータを抽出し、抽出したサブコードデータを制御回路27に出力し、制御回路27がアドレスデータ等を特定できるようにする。
入力端子18は、パーソナルコンピュータ等のホスト機器のSCSI(Small Computer System Interface)、ATAPI(Advanced Technology Attachment Packet Interface)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等のインタフェースに電気的に接続され、ホスト機器よりオーディオデータ、映画データ、コンピュータプログラム、コンピュータで処理された処理データ等の記録データが入力され、入力された記録データをエラー訂正符号化回路19に出力する。
エラー訂正符号化回路19は、例えば、クロスインターリーブ・リード・ソロモン符号化(Cross Interleave Reed-solomon Code;CIRC)、リードソロモン積符号化等のエラー訂正符号化処理を行い、エラー訂正符号化処理した記録データを変調回路20に出力する。変調回路20は、8−14変調、8−16変調等の変換テーブルを有しており、入力された8ビットの記録データを14ビット又は16ビットに変換して、記録処理回路21に出力する。記録処理回路21は、変調回路20から入力された記録データに対してNRZ(Non Return to Zero)、NRZI(Non Return to Zero Inverted)等の処理や記録補償処理を行い、光ピックアップ1に出力する。
復調回路22は、変調回路20と同様な変換テーブルを有しており、RFアンプ15から入力されたRF信号を14ビット又は16ビットから8ビットに変換し、変換した8ビットの再生データをエラー訂正復号化回路23に出力する。エラー訂正復号化回路23は、復調回路22から入力されたデータに対してエラー訂正復号処理を行い、出力端子24に出力する。出力端子24は、上述したホスト機器のインタフェースに電気的に接続されている。出力端子24より出力された再生データは、ホスト機器に接続されたモニタに表示され、また、スピーカで再生音に変換されて出力される。
操作部25は、光ディスク装置10を操作するための各種操作信号を生成し、生成した各種操作信号を制御回路27に出力する。具体的に、この操作部25は、光ディスク装置10に設けられたイジェクト釦25aの他、ディスクテーブルに装着された光ディスク11に対して記録データの記録を開始する記録釦25bや光ディスク11に記録されているデータの再生を開始する再生釦25cや記録再生動作を停止する停止釦25dを備える。記録釦25b、再生釦25c、停止釦25d等は、必ずしも光ディスク装置10にイジェクト釦25aと共に設けられている必要は無く、例えばホスト機器のキーボード、マウス等を操作することにより、ホスト機器よりインタフェースを介して記録開始信号、再生開始信号、停止信号等を制御回路27に入力するようにしてもよい。
メモリ26は、例えばEP−ROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)等のメモリであり、制御回路27が行う各種制御データやプログラムが格納されている。具体的に、このメモリ26には、光ピックアップ1をディスクテーブルに装着された光ディスク11の径方向に送り操作する際の駆動源となるスレッドモータ28の光ディスク11の種類に応じた各種制御データが格納されている。
ディスク種類判別部29は、光ディスク11の表面反射率、形状的及び外形的な違い等から異なるフォーマットを検出して光ディスク11の種類を検出する。光ディスク装置10を構成する各ブロックは、ディスク種類判別部29における検出結果に応じて、装着される光ディスクの仕様に基づく信号処理ができるように構成されている。
制御回路27は、マイクロコンピュータ、CPU等で構成されており操作部25からの操作信号に応じて装置全体の動作を制御する。また、制御回路27は、ディスク種類判別部29で検出された光ディスク11の種類に応じて光ピックアップ1の半導体レーザの光源及び出力パワーを切り換える。
次に、本発明が適用された上述した光ピックアップ1について説明する。
光ピックアップ1は、所定の種類の光ディスクに対して所定の1波長の光ビームを用いて記録及び/又は再生を行うものとして説明する。尚、ここでは、光ピックアップ1を1波長に対応した光学系を有する光ピックアップとして説明するが、これに限られるものではなく、複数種類の光ディスクに対して、複数種類の波長の光ビームを用いて記録及び/又は再生を行うように構成しても良い。
本発明を適用した光ピックアップ1は、図2に示すように、所定の波長の光ビームを出射する光源部31と、光源部31から出射された光ビームを光ディスク11の信号記録面上に集光する対物レンズ32と、光源部31と対物レンズ32との間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子38と、光源部31と液晶光学素子38との間に設けられ、光源部31から出射された光ビームの発散角を変換して平行光とするコリメータレンズ34と、液晶光学素子38とコリメータレンズ34との間に設けられ、光ディスク11で反射された戻り光の光路を変えて、光源部31から出射された往路側の光ビームの光路から分離する光路分離手段としてのビームスプリッタ35と、ビームスプリッタ35で分離された戻りの光ビームを検出するフォトディテクタ等の光検出器36とを備える。
また、光ピックアップ1は、液晶光学素子38と対物レンズ32との間に設けられ、通過する光ビームに1/4波長の位相差を与える1/4波長板37と、ビームスプリッタ35と光検出器36との間に設けられ、ビームスプリッタ35で光路を偏光された戻りの光ビームを光検出器36のフォトディテクタ上に集光する集光レンズ39とを備える。
対物レンズ32は、2軸アクチュエータ43等の対物レンズ駆動機構によって移動自在に支持されている。そして、この対物レンズ32は、光検出器36により受光された光ディスク11からの戻りの光ビームにより生成されたトラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号に基づいて、2軸アクチュエータ43により移動操作されることにより、光ディスク11に近接離間する方向及び光ディスク11の径方向の2軸方向へ移動され、光ディスクの信号記録面で常に焦点が合うように、この光ビームを集束するとともに、この集束された光ビームを信号記録面上に形成された記録トラックに追従させる。
また、対物レンズ32の入射側には、通過する光ビームの開口数を光ディスク11のフォーマットに適応させるために開口制限を行う開口絞り及び/又はホログラム面等の図示しない開口制限手段が設けられている。
ビームスプリッタ35は、偏光依存性を備えた膜特性を有する分離面35aが形成され、この分離面35aにより、光源部31から出射されコリメータレンズ34により平行光とされた光ビームを透過して液晶光学素子38側に出射するとともに、光ディスク11で反射された復路の光ビームを反射させて集光レンズ39側に出射させる。
すなわち、例えば、この分離面35aが、通過する光ビームのうち、S波とされた光ビームの略全光量を透過させ、P波とされた光ビームの略全光量を反射させるような光学薄膜が形成されたものとし、光源部31から出射される光ビームの偏光状態をS波とすると、光源部31から出射されたS波の光ビームは、ビームスプリッタ35を透過される。対物レンズ32により集光されて光ディスク11で反射された戻り光は、後述するように、1/4波長板37によりP波とされて偏光ビームスプリッタ35に入射するので、分離面35aを反射されて、光検出器36側に導かれる。
液晶光学素子38は、屈折率を変化させることにより光ディスクの反り、面振れ等に起因するコマ収差(以下、「光ディスクに起因するコマ収差」という。)、並びに、光学部品自体及び光学部品の配置誤差に起因するコマ収差(以下、「光学部品に起因するコマ収差」という。)の2要因のコマ収差の収差量を調整するものである。この液晶光学素子38は、図3に示すように、相対向して配置される保護層としてのガラス基板である第1及び第2の基板51,52と、第1及び第2の基板51,52の相対向する面に形成され、それぞれ電極パターンを有するITO膜等からなる一対の透明電極である第1及び第2の電極53,54と、第1及び第2の電極53,54の間に配向膜55,56を介して挟まれて配向された液晶分子57とから形成されている。配向膜55,56は、液晶分子57に所定の分子配向を与える。
一方のガラス基板51に設けられた第1の電極53は、図4(a)〜図4(c)に示すように、この第1の電極53を複数の領域に分割する第1の電極パターンと、第1の電極パターンに分割された複数の領域をさらに複数の領域に分割する第2の電極パターンとを有する。尚、図4(b)及び図4(c)は、それぞれ、図4(a)に示す電極パターンのうち、第1の電極パターン、第2の電極パターンのみを示したものである。
この第1の電極パターンは、図4(a)及び図4(b)に示すように、光ディスクに起因するコマ収差、及び光学部品に起因するコマ収差、すなわち、ラジアル方向Radのコマ収差を補正するもので、第1乃至第4の境界部61,62,63,64からなる。すなわち、第1の電極53は、この第1乃至第4の境界部61,62,63,64により、複数の領域A,B,C,D,Eに分割される。
第2の電極パターンは、図4(a)及び図4(c)に示すように、光学部品に起因するコマ収差、すなわち、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正するもので、第1の電極パターンに分割された領域A,B,C,D,Eをさらに、複数の領域に分割する第5乃至第8の境界部65,66,67,68からなる。この第5乃至第8の境界部65,66,67,68は、それぞれ、上述した第1乃至第4の境界部61,62,63,64を光軸を中心に略90°回転させたのと略同じ形状とされる。また、第2の電極パターンは、第1の電極パターンと一部重複して、すなわち、互いの境界部が一部交差して形成されている。尚、図4(a)乃至図4(c)において、破線部eaは、対物レンズの入射瞳径、すなわち、対物レンズ32の開口数と焦点距離で決定される光ビーム径を液晶光学素子38上に投影したものである。
図4(a)に示すように、第2の電極パターンの第5及び第6の境界部65,66は、領域A,Bを3分割するとともに、領域Cを4分割する。また、第7及び第8の境界部67,68は、領域Cをさらに分割して6分割にするとともに、領域D,Eを3分割する。
すなわち、第1の電極53の領域Aは、第5及び第6の境界部65,66により、領域A,A,Aに分割される。領域Bは、第5及び第6の境界部65,66により、領域B,B,Bに分割される。領域Cは、第5乃至第8の境界部65,66,67,68により、領域C,C,C,C,C,Cに分割される。領域Dは、第7及び第8の境界部67,68により、領域D,D,Dに分割される。領域Eは、第7及び第8の境界部67,68により、領域E,E,Eに分割される。
他方のガラス基板52に設けられた第2の電極54は、図5(a)に示すように、電極パターンが形成されていない、いわゆるベタ電極とされている。尚、ここでは、第2の電極54には、電極パターンを形成しないように構成したが、図5(b)に示すように非点収差を補正する電極パターン、又は、図5(c)に示すように球面収差を補正する電極パターンを形成するように構成しても良い。
例えば、図5(b)に示す、第2の電極54Aに設けられた非点収差を補正する電極パターンは、光軸を中心として円形状に形成された第1の境界部と、この第1の境界部の外側に、光軸から放射状に径方向の直線状に形成された第2乃至第9の境界部とからなる。第2の電極54Aは、この第1乃至第9の境界部により、複数の領域AS,AS,AS,AS,ASに分割され、後述するコマ収差の場合と同様に、この複数の領域に印加する電位を制御することで、非点収差を補正することができる。尚、図5(b)中、同一符号が付された領域は、同一の電位に制御される。
また、図5(c)に示す、第2の電極54Bに設けられた球面収差を補正する電極パターンは、光軸を中心とした同心円状に形成された第1及び第2の境界部からなる。第2の電極54Bは、この第1及び第2の境界部により、複数の領域SA,SAに分割され、後述するコマ収差の場合と同様に、この複数の領域に印加する電位を制御することで、球面収差を補正することができる。尚、図5(c)中、同一符号が付された領域は、同一の電位に制御される。
液晶光学素子38は、第1の電極53に形成された第1及び第2の電極パターンに印加する電位を駆動制御する液晶駆動部44を有する。液晶駆動部44は、制御部27から信号を受け、第1の電極53の第1及び第2の電極パターンにより分割された各領域に印加する電位、及び、第2の電極54の全領域に印加する電位を制御することにより、分割された各領域の第1及び第2の電極53,54間の電圧を制御することができ、この電圧による電界に従って、液晶分子の配向が偏倚され、電極パターンに応じて屈折率を変更する。すなわち、液晶光学素子38は、液晶駆動部44に制御されることにより、各領域を通過する光ビームに位相差を付加することができる。
第1の電極53において、領域Aと領域Eとは、同一の駆動信号が入力され、液晶駆動部44により同一の電位に印加される。また、領域Bと領域Dとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。また、領域Cと領域Cとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。また、領域Aと領域Eとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。また、領域Bと領域Dとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。また、領域Cと領域Cとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。また、領域Aと領域Eとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。また、領域Bと領域Dとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。さらに、領域Cと領域Cとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。
この第1の電極53において、第1及び第2の電極パターンにより分割された領域に必要な駆動信号は、上述の9種類の信号である。すなわち、第1の電極53は、18の領域に分割されているが、上述の組み合わせられた領域は所望の2方向のコマ収差を発生させる際に同電位とする領域であり、従って、駆動信号のチャンネル数としては9チャンネルとなっている。
液晶光学素子38は、ラジアル方向Radのコマ収差を補正するとき、領域A,A,A,E,E,Eに付加する電位を同電位Xとし、領域B,B,B,D,D,Dに付加する電位を同電位Xとし、領域C,C,C,C,C,Cに付加する電位を同電位Xとして、それぞれに付加する電位を制御部27及び液晶駆動部44に制御されることにより、ラジアル方向Radのコマ収差の波面に位相差を付加してこのコマ収差を補正する。ここで、電位Xを基準電位として、電位Xと電位Xとを基準電位に対して同程度逆方向の電位を与えることで、各領域毎に位相差を異ならせて所望の収差を発生させて補正する。
また、液晶光学素子38は、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正するとき、領域A,B,C,D,E,Cに付加する電位を同電位Xとし、領域A,B,C,D,E,Cに付加する電位を同電位Xとし、領域A,B,C,D,E,Cに付加する電位を同電位Xとして、それぞれに付加する電位を制御部27及び液晶駆動部44に制御されることにより、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差の波面に位相差を付加してこのコマ収差を補正する。ここで、電位Xを基準電位として、電位Xと電位Xとを基準電位に対して同程度逆方向の電位を与えることで、各領域毎に位相差を異ならせて所望の収差を発生させて補正する。
そして、液晶光学素子38は、ラジアル方向Radのコマ収差及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差を同時に補正するときは、上述と同様に、それぞれの領域に、単独のコマ収差を補正するのに必要な電位を算出して、付加することで、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正する。換言すると、それぞれのコマ収差を発生させる電位により付加できる基準領域に対する位相差を付加できる電位にすることで、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差、すなわち、2方向のコマ収差を補正する。
ここで、液晶光学素子38により、コマ収差の波面に位相差を付加することにより、コマ収差を補正することについて、図6を用いて説明する。以下では、ラジアル方向Radのコマ収差について、検討するが、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差についても同様である。
一般的に、コマ収差の位相分布は、図6(a)の曲線Lに示すような分布として表すことができることがしられている。尚、図6(a)に示す位相分布Lは、最大位相差量を1に、光ビームの中心からの位置を対物レンズの入射瞳径の半径が1になるように規格化したものである。
液晶光学素子38を上述のように、ラジアル方向Radのコマ収差を補正するために、各領域を上述のような電位X,X,Xとなるように制御することで、すなわち、基準領域に対して所定の領域における位相差の絶対値が同程度にすることで、直線Lに示すような位相差を所定の領域を通過する光ビームに与えることができる。
液晶光学素子38を通過した光ビームは、図6(a)に示す位相差Lを付加されることで、図6(b)の曲線Lに示すような収差分布となり、これは、この光ビームのコマ収差が補正されたことを示す。
よって、液晶光学素子38によりコマ収差を補正された光ビームは、光ディスク11の信号記録面に集光されたスポットにおける、ラジアル方向Radのコマ収差が補正される。タンジェンシャル方向Tan、並びに、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanの2方向のコマ収差についても、各領域を上述のように制御することで、液晶光学素子38により、光ディスク11の信号記録面に集光されたスポットにおける2方向のコマ収差が補正される。
1/4波長板37は、通過する光ビームに1/4波長の位相差を与える、すなわち、入射した往路の光ビームを直線偏光(S波)から円偏光に変換し、光ディスクで反射された復路の光ビームを円偏光から直線偏光(P波)に変換する。1/4波長板37は、光路における光ディスク11の前後で2回通過させることにより、往路の光ビームと復路の光ビームとを異なる偏光状態とすることができる。
光検出器36は、集光レンズ39により集光された光ビームをフォトディテクタにて受光し、情報信号とともにトラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号等の各種信号を検出する。
本発明を適用した光ピックアップ1は、ラジアル方向Radのコマ収差を補正する第1の電極パターンと、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正する第2の電極パターンとを有する液晶光学素子38により、それぞれの電極パターンにより分割された各領域を独立に制御することで、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanの2方向のコマ収差の補正を良好に行うことができる。よって、液晶光学素子38の電極パターンを簡素化でき、液晶光学素子の駆動制御を簡素化できるとともに、一つの液晶光学素子のいずれか一方の電極により、光ディスクに起因するコマ収差及び光学部品に起因するコマ収差の最適な補正を実現でき、記録・再生特性を向上させることができる。
次に、上述のように構成された光ピックアップ1における、光源部31から出射された光ビームの光路について説明する。
まず、光源部31から出射された光ビームの往路側の光路について説明する。図2に示すように、光源部31から出射された光ビームは、コリメータレンズ34により発散角を変換されて略平行光とされ、ビームスプリッタ35を透過されて、液晶光学素子38に入射される。このとき、光源部31から出射された光ビームは、偏光状態がS偏光状態とされているので、ビームスプリッタ35の分離面35aを全量透過される。
液晶光学素子38に入射された光ビームは、2方向のコマ収差を補正されて1/4波長板37側に出射される。このとき、液晶光学素子38は、制御部27及び液晶駆動部44により、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正するための各領域に付加される電位を決定されて制御される。
液晶光学素子38でコマ収差を補正された光ビームは、1/4波長板37で円偏光状態とされ、対物レンズ32の入射側で所定の開口数に開口制限され、対物レンズ32で光ディスク11の信号記録面上に集光される。
次に、光ディスク11の信号記録面で反射された光ビームの復路側の光路について説明する。
図2に示すように、光ディスク11に集光された光ビームは、信号記録面で反射され、対物レンズ32を通過して、1/4波長板37でP偏光状態とされ、液晶光学素子38を通過して、ビームスプリッタ35に入射する。
ビームスプリッタ35に入射した光ビームは、分離面35aで反射され、集光レンズ39により光検出器36の受光面に集光される。このとき、ビームスプリッタ35に入射した復路側の光ビームは、偏光状態がP偏光状態とされているので、ビームスプリッタ35の分離面35aにより全量反射されて、集光レンズ39側に出射させる。
本発明を適用した光ピックアップ1は、液晶光学素子38の電極パターンを複雑にすることなく、また、この液晶光学素子38を駆動させる液晶駆動部44の制御を複雑にすることなく、一つの液晶光学素子のいずれか一方の電極で、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差の最適な補正を行うことを可能とする。すなわち、本発明を適用した光ピックアップ1は、それぞれの電極パターンにより分割された各領域を制御することで、各収差を独立に制御して補正を良好に行うことができる。よって、液晶光学素子の電極パターンを簡素化でき、液晶光学素子の駆動制御を簡素化できるとともに、一つの液晶光学素子のいずれか一方の電極により、2方向のコマ収差の最適な補正を実現でき、記録・再生特性を向上させることができる。
また、本発明を適用した光ピックアップ1は、2方向のコマ収差を補正する際に同一の電位とされる領域を組み合わせて制御するので、駆動制御の簡素化を可能とする。
さらに、本発明を適用した光ピックアップ1は、一対の電極の片面の電極パターンで2方向のコマ収差を補正することができ、さらに他方の電極の電極パターンに非点収差又は球面収差等を補正する構成とすることができるので、構成の簡素化、装置の小型化を実現するとともに、球面収差、非点収差及びコマ収差等の収差を補正でき良好な記録再生を可能とする。
尚、光ピックアップ1において、第1の電極53が図4に示す第1乃至第8の境界部61〜68により、複数の領域に分割された液晶光学素子38を用いたが、これに限られるものではなく、光ディスクに起因するコマ収差を補正する電極パターンと、光学部品に起因するコマ収差を補正する電極パターンとを備えるものであればよい。
次に、球面収差を補正する電極パターンとコマ収差を補正する電極パターンとを有する第1の電極の他の例を用いた、図2に示す光ピックアップ70について説明する。尚、以下の説明において、上述した光ピックアップ1と共通する部分については、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明を適用した光ピックアップ70は、所定の波長の光ビームを出射する光源部31と、光源部31から出射された光ビームを光ディスク11の信号記録面上に集光する対物レンズ32と、光源部31と対物レンズ32との間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子78と、光源部31と液晶光学素子78との間に設けられ、光源部31から出射された光ビームの発散角を変換して平行光とするコリメータレンズ34と、液晶光学素子78とコリメータレンズ34との間に設けられ、光ディスクで反射された戻り光の光路を変えて、光源部31から出射された往路側の光ビームの光路から分離する光路分離手段としてのビームスプリッタ35と、ビームスプリッタ35で分離された戻りの光ビームを検出するフォトディテクタ等の光検出器36とを備える。
また、光ピックアップ70は、液晶光学素子78と対物レンズ32との間に設けられ、通過する光ビームに1/4波長の位相差を与える1/4波長板37と、ビームスプリッタ35と光検出器36との間に設けられ、ビームスプリッタ35で光路を偏光された戻りの光ビームを光検出器36のフォトディテクタ上に集光する集光レンズ39とを備える。
液晶光学素子78は、屈折率を変化させることにより光ディスクに起因するコマ収差、及び、光学部品に起因するコマ収差の2方向のコマ収差の収差量を調整するものである。この液晶光学素子78は、図3に示すように、相対向して配置される保護層としてのガラス基板である第1及び第2の基板51,52と、第1及び第2の基板51,52の相対向する面に形成され、それぞれ電極パターンを有するITO膜等からなる一対の透明電極である第1及び第2の電極73,54と、第1及び第2の電極73,54の間に配向膜55,56を介して挟まれて配向された液晶分子57とから形成されている。配向膜55,56は、液晶分子57に所定の分子配向を与える。
一方のガラス基板51に設けられた第1の電極73は、図7(a)〜図7(c)に示すように、この第1の電極73を複数の領域に分割する第3の電極パターンと、第3の電極パターンに分割された複数の領域をさらに複数の領域に分割する第4の電極パターンとを有する。尚、図7(b)及び図7(c)は、それぞれ、図7(a)に示す電極パターンのうち、第3の電極パターン、第4の電極パターンのみを示したものである。
この第3の電極パターンは、図7(a)及び図7(b)に示すように、光ディスクに起因するコマ収差、及び光学部品に起因するコマ収差、すなわち、ラジアル方向Radのコマ収差を補正するもので、第9乃至第12の境界部81,82,83,84からなる。すなわち、第1の電極73は、この第9乃至第12の境界部81,82,83,84により、複数の領域F,G,H,I,Jに分割される。
第4の電極パターンは、図7(a)及び図7(c)に示すように、光学部品に起因するコマ収差、すなわち、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正するもので、第3の電極パターンに分割された領域F,G,H,I,Jをさらに、複数の領域に分割する第13乃至第16の境界部85,86,87,88からなる。この第13乃至第16の境界部85,86,87,88は、それぞれ、上述した第9乃至第12の境界部81,82,83,84を光軸を中心に略90°回転させたのと略同じ形状とされる。また、第4の電極パターンは、第3の電極パターンと重複することなく、すなわち、互いの境界部が交差することなく形成されている。ここで、互いの境界部はその一部が接触するように形成されているが交差することなく、すなわち、領域の分割数を増やすことがなく、領域の分割数を最小限に抑えることができる。
第4の電極パターンの第13乃至第16の境界部85,86,87,88は、領域Hを6分割する。
すなわち、第1の電極の領域Hは、第13乃至第16の境界部85,86,87,88により、領域H,H,H,H,H,Hに分割される。
第3及び第4の電極パターンは、後述するように、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正するときの電位を印加する領域が重ならないようなパターンであり、すなわち、上述した第1及び第2の電極パターンにより分割された領域に比べて、領域の数も減らすことができ、制御も簡単にすることができる。
他方のガラス基板52に設けられた第2の電極54は、上述の液晶光学素子38と同様であるので詳細な説明は省略する。
液晶光学素子78は、第1の電極73に形成された第3及び第4の電極パターンに印加する電位を駆動制御する液晶駆動部44を有する。液晶駆動部44は、制御部27から信号を受け、第1の電極73の第3及び第4の電極パターンにより分割された各領域に印加する電位、及び、第2の電極54の全領域に印加する電位を制御することにより、分割された各領域の第1及び第2の電極73,54間の電圧を制御することができ、この電圧による電界に従って、液晶分子の配向が偏倚され、電極パターンに応じて屈折率を変更する。すなわち、液晶光学素子78は、液晶駆動部44に制御されることにより、各領域を通過する光ビームに位相差を付加することができる。
第1の電極73において、領域Fと領域Jとは、同一の駆動信号が入力され、液晶駆動部44により同一の電位に印加される。また、領域Gと領域Iとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。また、領域Hと領域Hとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。また、領域Hと領域Hとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。さらに、領域Hと領域Hとは、同一の駆動信号が入力され、同一の電位に印加される。
この第1の電極73において、第3及び第4の電極パターンにより分割された領域に必要な駆動信号は、上述の5種類の信号である。すなわち、第1の電極73は、10の領域に分割されているが、上述の組み合わせられた領域は所望の2方向のコマ収差を発生させる際に同電位とする領域であり、従って、駆動信号のチャンネル数としては5チャンネルとなっている。
液晶光学素子78は、ラジアル方向Radのコマ収差を補正するとき、領域F,Jに付加する電位を同電位Xとし、領域G,Iに付加する電位を同電位Xとし、領域H,H,H,H,H,Hに付加する電位を同電位Xとして、それぞれに付加する電位を制御部27及び液晶駆動部44に制御されることにより、ラジアル方向Radのコマ収差の波面に位相差を付加してこのコマ収差を補正する。ここで、電位Xを基準電位として、電位Xと電位Xとを基準電位に対して同程度逆方向の電位を与えることで、各領域毎に位相差を異ならせて所望の収差を発生させて補正する。
また、液晶光学素子78は、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正するとき、領域H,Hに付加する電位を同電位X10とし、領域H,Hに付加する電位を同電位X11とし、領域F,G,H,J,I,Hに付加する電位を同電位X12として、それぞれに付加する電位を制御部27及び液晶駆動部44に制御されることにより、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差の波面に位相差を付加してこのコマ収差を補正する。ここで、電位X12を基準電位として、電位X10と電位X11とを基準電位に対して同程度逆方向の電位を与えることで、各領域毎に位相差を異ならせて所望の収差を発生させて補正する。
そして、液晶光学素子78は、ラジアル方向Radのコマ収差及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差を同時に補正するときは、上述と同様に、それぞれの領域に、単独のコマ収差を補正するのに必要な電位を算出して、付加することで、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正する。換言すると、それぞれのコマ収差を発生させる電位により付加できる基準領域に対する位相差を付加できる電位にすることで、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差、すなわち、2方向のコマ収差を補正する。
液晶光学素子78による、コマ収差の波面に位相差を付加することにより、コマ収差を補正することの説明については、上述した液晶光学素子38の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本発明を適用した光ピックアップ70は、ラジアル方向Radのコマ収差を補正する第3の電極パターンと、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正する第4の電極パターンとを有する液晶光学素子78により、それぞれの電極パターンにより分割された各領域を独立に制御することで、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanの2方向のコマ収差の補正を良好に行うことができる。よって、液晶光学素子78の電極パターンを簡素化でき、液晶光学素子の駆動制御を簡素化できるとともに、一つの液晶光学素子のいずれか一方の電極により、光ディスクに起因するコマ収差及び光学部品に起因するコマ収差の最適な補正を実現でき、記録・再生特性を向上させることができる。
上述のように構成された光ピックアップ70における、光源部31から出射された光ビームの光路については、光ピックアップ1の光路において液晶光学素子38を通過して2方向のコマ収差を補正されるのに対し、液晶光学素子78を通過して2方向のコマ収差を補正されることを除いて、光ピックアップ1の光路と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本発明を適用した光ピックアップ70は、液晶光学素子78の電極パターンを複雑にすることなく、また、この液晶光学素子78を駆動させる液晶駆動部44の制御を複雑にすることなく、一つの液晶光学素子のいずれか一方の電極で、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差の最適な補正を行うことを可能とする。すなわち、本発明を適用した光ピックアップ1は、それぞれの電極パターンにより分割された各領域を制御することで、各収差を独立に制御して補正を良好に行うことができる。よって、液晶光学素子の電極パターンを簡素化でき、液晶光学素子の駆動制御を簡素化できるとともに、一つの液晶光学素子のいずれか一方の電極により、2方向のコマ収差の最適な補正を実現でき、記録・再生特性を向上させることができる。
また、本発明を適用した光ピックアップ70は、2方向のコマ収差を補正する際に同一の電位とされる領域を組み合わせて制御するので、駆動制御の簡素化を可能とする。
さらに、本発明を適用した光ピックアップ70は、一対の電極の片面の電極パターンで2方向のコマ収差を補正することができ、さらに他方の電極の電極パターンに非点収差又は球面収差等を補正する構成とすることができるので、構成の簡素化、装置の小型化を実現するとともに、球面収差、非点収差及びコマ収差等の収差を補正でき良好な記録再生を可能とする。
尚、上述した光ピックアップ1、70において、所定の波長の光ビームを記録再生光として使用し、光ディスクに対して記録及び/又は再生を行うように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、異なる3波長の光ビームを記録再生光として使用する複数種類の光ディスクに対して記録及び/又は再生を行うように構成しても良い。
次に、異なる波長の光ビームを記録再生光として使用する光ディスクに対して記録及び/又は再生を行う図8に示す光ピックアップ90について説明する。尚、以下の説明において、上述した光ピックアップ1と共通する部分については、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
光ピックアップ90は、複数種類の第1乃至第3の光ディスクに対して記録及び/又は再生を行うものであり、具体的には、厚さが0.1mm程度の保護基板を有し波長405nm程度の第1の波長の光ビームを記録再生光として使用する第1の光ディスク3と、厚さが0.6mm程度の保護基板を有し波長655nm程度の第2の波長の光ビームを記録再生光として使用する第2の光ディスク4と、厚さが1.2mm程度の保護基板を有し波長785nm程度の第3の波長の光ビームを記録再生光として使用する第3の光ディスク5とに対して記録及び/又は再生を行うものとして説明する。尚、ここでは、3波長互換光学系を有する光ピックアップについて説明するが、2波長互換光学系を有する光ピックアップであってもよい。
本発明を適用した光ピックアップ90は、図8に示すように、波長405nm程度の第1の波長の光ビームを出射する第1の出射部と、波長655nm程度の第2の波長の光ビームを出射する第2の出射部と、波長785nm程度の第3の波長の光ビームを出射する第3の出射部とを有する光源部91と、光源部91から出射された光ビームの光路を波長に依存して分離する分離手段である第2のビームスプリッタ94と、第2のビームスプリッタ94で分離された第1の波長の光ビームを第1の光ディスク3の信号記録面3a上に集光する第1の対物レンズ92と、第2のビームスプリッタで分離された第2の波長の光ビームを第2の光ディスク4の信号記録面4a上に集光し、第2のビームスプリッタで分離された第3の波長の光ビームを第3の光ディスク5の信号記録面5a上に集光する第2の対物レンズ93と、光源部91と第2のビームスプリッタ94との間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子38と、光源部91と液晶光学素子38との間に設けられ、光源部91から出射された光ビームの発散角を変換して平行光とするコリメータレンズ34と、液晶光学素子38とコリメータレンズ34との間に設けられ、光ディスク11で反射された戻り光の光路を変えて、光源部91から出射された往路側の光ビームの光路から分離する光路分離手段としてのビームスプリッタ35と、ビームスプリッタ35で分離された戻りの光ビームを検出するフォトディテクタ等の光検出器36とを備える。尚、光ピックアップ90において、液晶光学素子38を用いたが、上述した液晶光学素子78を用いても良い。
また、光ピックアップ90は、第2のビームスプリッタ94に反射される第2及び第3の波長に光ビームの光路上に設けられ、この反射された第2及び第3の波長の光ビームを第2の対物レンズ93側に反射させる反射手段として反射ミラー95と、液晶光学素子38と第2のビームスプリッタ94との間に設けられ、通過する光ビームに1/4波長の位相差を与える1/4波長板37と、ビームスプリッタ35と光検出器36との間に設けられ、ビームスプリッタ35で光路を偏光された戻りの光ビームを光検出器36のフォトディテクタ上に集光する集光レンズ39とを備える。
光源部91は、ディスク種類判別部29により検出されたディスク種類に基づいて、出射させる光ビームを切り換える。すなわち、光源部91は、装着された光ディスク11が第1の光ディスク3であった場合には、第1の出射部から第1の波長の光ビームを出射し、光ディスク11が第2の光ディスク4であった場合には、第2の出射部から第2の波長の光ビームを出射し、光ディスク11が第3の光ディスク13であった場合には、第3の出射部から第3の波長の光ビームを出射する。
尚、ここでは、第1乃至第3の波長の光ビームをそれぞれ出射させる第1乃至第3の出射部を1つの光源部に設けるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、第1乃至第3の出射部の内2つの出射部を有する第1の光源部と、残りの1つの出射部を有する第2の光源部とを異なる位置に配置するように構成してもよく、第1乃至第3の出射部をそれぞれ異なる位置に配置するように構成してもよい。この場合、異なる位置に配置した光源の光路を合成する光路合成手段としてビームスプリッタ等を設けて光路を合成するようにすればよい。
第2のビームスプリッタ94は、光源部91と第1及び第2の対物レンズ92,93との間に配置され、光源部91から出射され、コリメータレンズ34、ビームスプリッタ35、液晶光学素子38及び1/4波長板37を経由して入射する第1の波長の光ビームの光路と、第2及び第3の波長の光ビームの光路とを分離して、それぞれ第1及び第2の対物レンズ92,93側に出射する。すなわち、第2のビームスプリッタ94は、その分離面94aが第1の波長の光ビームを透過させ、第2及び第3の波長の光ビームを透過させる波長依存性を有する膜特性を備えるように形成されている。
第1の対物レンズ92は、第1の焦点距離を有し、第1の波長の光ビームに対応したものであり、開口数は、0.85とされている。第1の対物レンズ92は、第1の光ディスク3に対して、第1の波長の光ビームを信号記録面2a上に集光する。また、第1の対物レンズ92の入射側には、第1の対物レンズ92に入射する光ビームの開口制限を行う開口制限素子として図示しない第1の開口フィルタが設けられている。この第1の開口フィルタは、通過する第1の波長の光ビームの開口数を0.85とする。
第2の対物レンズ93は、第2の焦点距離を有し、第2及び第3の波長の光ビームに対応したものであり、開口数は、第2の波長に対しては0.65であり、第3の波長に対しては0.50とされている。第2の対物レンズ93は、第2の光ディスク4に対して、第2の波長の光ビームを信号記録面3a上に集光し、第3の光ディスク5に対して、第3の波長の光ビームを信号記録面4a上に集光する。また、第2の対物レンズ93の入射側には、第2の対物レンズ93に入射する光ビームの開口制限を行う開口制限素子として図示しない第2の開口フィルタが設けられている。この第2の開口フィルタは、通過する第2の波長の光ビームの開口数を0.65とし、通過する第3の波長の光ビームの開口数を0.50とする。この開口フィルタとして、例えば、ホログラム等が用いられる。
第1の対物レンズ92及び第2の対物レンズ93は、タンジェンシャル方向Tanに並んで配置されてレンズホルダ97に保持されている。このレンズホルダ97に保持された第1の対物レンズ92及び第2の対物レンズ93は、2軸アクチュエータ96等の対物レンズ駆動機構によってトラッキング方向及びフォーカシング方向に移動自在に支持されている。そして、この第1及び第2の対物レンズ92,93は、ディスク種類判別部29からの検出信号、並びに、光検出器36により受光された戻りの光ビームにより生成されたトラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号に基づいて、2軸アクチュエータ96により移動操作されることにより、光ディスク11に近接離間する方向及び光ディスク11の径方向の2軸方向へ移動され、光ディスク11の信号記録面で常に焦点が合うように、この光ビームを集束するとともに、この集束された光ビームを信号記録面上に形成された記録トラックに追従させる。
本発明を適用した光ピックアップ90は、ラジアル方向Radのコマ収差を補正する第1の電極パターンと、タンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正する第2の電極パターンとを有する液晶光学素子38により、それぞれの電極パターンにより分割された各領域を独立に制御することで、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanの2方向のコマ収差の補正を良好に行うことができる。
すなわち、本発明を適用した光ピックアップ90は、複数種類の光ディスク3,4,5に対して情報の記録再生を行うため第1及び第2の対物レンズ92,93を設けたような場合において、レンズホルダへの第1及び第2の対物レンズ92,93の配置誤差により発生する光学部品に起因するコマ収差についても良好に補正することができる。
よって、液晶光学素子38の電極パターンを簡素化でき、液晶光学素子の駆動制御を簡素化できるとともに、一つの液晶光学素子のいずれか一方の電極により、光ディスクに起因するコマ収差及び光学部品に起因するコマ収差の最適な補正を実現でき、記録・再生特性を向上させることができる。
次に、上述のように構成された光ピックアップ90における、光源部91から出射された光ビームの光路について説明する。まず、第1の光ディスク3に対して出射される第1の波長の光ビームの往路側の光路について説明する。
光ディスク11が第1の光ディスク3であることを判別したディスク種類判別部29は、光源部91の第1の出射部から第1の波長の光ビームを出射させる。また、ディスク種類判別部29からの信号を受けた2軸アクチュエータ96は、第1の光ディスク3に対応した位置に第1の対物レンズ92を移動させる。
光源部91から出射された第1の波長の光ビームは、図8に示すように、コリメータレンズ34により発散角を変換されて略平行光とされ、ビームスプリッタ35を透過されて、液晶光学素子38に入射される。このとき、光源部91から出射された第1の波長の光ビームは、偏光状態がS偏光状態とされているので、ビームスプリッタ35の分離面35aを全量透過される。
液晶光学素子38に入射された第1の波長の光ビームは、2方向のコマ収差を補正され、1/4波長板37側に出射される。このとき、液晶光学素子38は、制御部27及び液晶駆動部44により、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正するための各領域に付加される電位を決定されて制御される。
液晶光学素子38でコマ収差を補正された第1の波長の光ビームは、1/4波長板37で円偏光状態とされ、波長依存性を有する第2のビームスプリッタ94の分離面94aを透過され、第1の対物レンズ92の入射側で所定の開口数に開口制限され、第1の対物レンズ92で第1の光ディスク3の信号記録面3a上に集光される。
次に、第1の光ディスク3の信号記録面3aで反射された第1の波長の光ビームの復路側の光路について説明する。
図8に示すように、第1の光ディスク3に集光された第1の波長の光ビームは、信号記録面3aで反射され、第1の対物レンズ92を通過して、第2のビームスプリッタ94の分離面94aを透過され、1/4波長板37でP偏光状態とされ、液晶光学素子38を通過して、ビームスプリッタ35に入射する。
ビームスプリッタ35に入射した第1の波長の光ビームは、分離面35aで反射され、集光レンズ39により光検出器36の受光面に集光される。このとき、ビームスプリッタ35に入射した復路側の第1の波長の光ビームは、偏光状態がP偏光状態とされているので、ビームスプリッタ35の分離面35aにより全量反射されて、集光レンズ39側に出射させる。
次に、第2の光ディスク4に対して出射される第2の波長の光ビームの往路側の光路について説明する。
光ディスク11が第2の光ディスク4であることを判別したディスク種類判別部29は、光源部91の第2の出射部から第2の波長の光ビームを出射させる。また、ディスク種類判別部29からの信号を受けた2軸アクチュエータ96は、第2の光ディスク4に対応した位置に第2の対物レンズ93を移動させる。
光源部91から出射された第2の波長の光ビームは、図8に示すように、コリメータレンズ34により発散角を変換されて略平行光とされ、ビームスプリッタ35を透過されて、液晶光学素子38に入射される。このとき、光源部91から出射された第2の波長の光ビームは、偏光状態がS偏光状態とされているので、ビームスプリッタ35の分離面35aを全量透過される。
液晶光学素子38に入射された第2の波長の光ビームは、2方向のコマ収差を補正され、1/4波長板37側に出射される。このとき、液晶光学素子38は、制御部27及び液晶駆動部44により、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差を補正するための各領域に付加される電位を決定されて制御される。
液晶光学素子38でコマ収差を補正された第2の波長の光ビームは、1/4波長板37で円偏光状態とされ、波長依存性を有する第2のビームスプリッタ94の分離面94aを反射され、反射ミラー95で反射されて第2の対物レンズ93の入射側で所定の開口数に開口制限され、第2の対物レンズ93で第2の光ディスク4の信号記録面4a上に集光される。
次に、第2の光ディスク4の信号記録面4aで反射された第2の波長の光ビームの復路側の光路について説明する。
図8に示すように、第2の光ディスク4に集光された第2の波長の光ビームは、信号記録面4aで反射され、第2の対物レンズ93を通過して、反射ミラー95で反射され、第2のビームスプリッタ94の分離面94aで反射され、1/4波長板37でP偏光状態とされ、液晶光学素子38を通過して、ビームスプリッタ35に入射する。
ビームスプリッタ35に入射した第2の波長の光ビームは、分離面35aで反射され、集光レンズ39により光検出器36の受光面に集光される。このとき、ビームスプリッタ35に入射した復路側の第2の波長の光ビームは、偏光状態がP偏光状態とされているので、ビームスプリッタ35の分離面35aにより全量反射されて、集光レンズ39側に出射させる。
尚、第3の光ディスク5に対して出射される第3の波長の光ビームの光路については、第2の波長の光ビームの光路と同様であるので、説明は省略する。
本発明を適用した光ピックアップ90は、液晶光学素子38の電極パターンを複雑にすることなく、また、この液晶光学素子38を駆動させる液晶駆動部44の制御を複雑にすることなく、一つの液晶光学素子のいずれか一方の電極で、ラジアル方向Rad及びタンジェンシャル方向Tanのコマ収差の最適な補正を行うことを可能とする。すなわち、本発明を適用した光ピックアップ90は、それぞれの電極パターンにより分割された各領域を制御することで、各収差を独立に制御して補正を良好に行うことができる。よって、液晶光学素子の電極パターンを簡素化でき、液晶光学素子の駆動制御を簡素化できるとともに、一つの液晶光学素子のいずれか一方の電極により、2方向のコマ収差の最適な補正を実現でき、記録・再生特性を向上させることができる。
また、本発明を適用した光ピックアップ90は、2方向のコマ収差を補正する際に同一の電位とされる領域を組み合わせて制御するので、駆動制御の簡素化を可能とする。
さらに、本発明を適用した光ピックアップ90は、一対の電極の片面の電極パターンで2方向のコマ収差を補正することができ、さらに他方の電極の電極パターンに非点収差又は球面収差等を補正する構成とすることができるので、構成の簡素化、装置の小型化を実現するとともに、球面収差、非点収差及びコマ収差等の収差を補正でき良好な記録再生を可能とする。
次に、上述の光ピックアップ1を用いた光ディスク装置10により、光ディスク11へ記録データを記録するときの記録・再生動作について説明する。尚、光ディスク装置10において光ピックアップ70,90を用いた場合も同様であるので、詳細な説明は省略する。まず、光ディスク11へ記録データを記録するときの記録動作について説明する。
操作部25を構成する記録釦25bがユーザにより操作されて入力端子18より記録データが入力されると、この記録データは、エラー訂正符号化回路19で光ディスク11の種類に応じたエラー訂正符号化処理がされ、次いで、変調回路20で光ディスク11の種類に応じた変調処理がされ、次いで、記録処理回路21で記録処理がされた後、光ピックアップ1に入力される。すると、光ピックアップ1は、光ディスク11の種類に応じて半導体レーザより所定の波長の光ビームを照射し、光ディスク11の記録層に照射すると共に、光ディスク11の反射層で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これを光電変換しRFアンプ15に出力する。RFアンプ15は、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号を生成する。サーボ回路16は、RFアンプ15から入力されたフォーカシングエラー信号やトラッキングエラー信号に基づいてフォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成し、これらの信号を光ピックアップ1の対物レンズ駆動機構の駆動回路に出力する。これにより、対物レンズ駆動機構に保持された対物レンズは、フォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号に基づいて、対物レンズの光軸と平行なフォーカシング方向及び対物レンズの光軸に直交するトラッキング方向に駆動変位される。更に、モータ制御回路13は、アドレス用のピットより生成したクロックが水晶発振器からの基準クロックと同期するように回転サーボ信号を生成し、これに基づき、スピンドルモータ12を駆動し、光ディスク11をCLVで回転する。更に、サブコード抽出回路17は、RF信号からピットパターン等からリードインエリアのアドレスデータを抽出し、制御回路27に出力する。光ピックアップ1は、制御回路27の制御に基づいて、記録処理回路21で記録処理されたデータを記録するため、この抽出されたアドレスデータに基づいて所定のアドレスにアクセスし、半導体レーザを記録レベルで駆動し、光ビームを光ディスク11の記録層に照射しデータの記録を行う。光ピックアップ1は、記録データを記録するに従って、順次スレッドモータ28によって送り操作され、光ディスク11の内外周に亘って記録データを記録する。
次に、光ディスク11に記録されている記録データを再生するときの動作について説明する。
操作部25を構成する再生釦25cがユーザにより操作されると、光ピックアップ1は、記録動作のときと同様に、光ディスク11の種類に応じて半導体レーザより所定の波長の光ビームを光ディスク11の記録層に照射すると共に、光ディスク11の反射層で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これを光電変換しRFアンプ15に出力する。RFアンプ15は、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号を生成する。サーボ回路16は、RFアンプ15から入力されたフォーカシングエラー信号やトラッキングエラー信号に基づいてフォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成し、これらの信号に基づいて対物レンズのフォーカシング制御やトラッキング制御を行う。更に、モータ制御回路13は、同期信号より生成したクロックが水晶発振器からの基準クロックと同期するように回転サーボ信号を生成し、これに基づき、スピンドルモータ12を駆動し、光ディスク11をCLVで回転する。更に、サブコード抽出回路17は、RF信号からサブコードデータを抽出し、抽出したサブコードデータを制御回路27に出力する。光ピックアップ1は、所定のデータを読み出すため、この抽出されたサブコードデータに含まれるアドレスデータに基づいて所定のアドレスにアクセスし、半導体レーザを再生レベルで駆動し、光ビームを光ディスク11の記録層に照射し反射層で反射された戻りの光ビームを検出することによって光ディスク11に記録されている記録データの読み出しを行う。光ピックアップ1は、記録データを読み出すに従って、順次スレッドモータ28によって送り操作され、光ディスク11の内外周に亘って記録されている記録データの読み出しを行う。
RFアンプ15で生成されたRF信号は、復調回路22で記録時の変調方式に応じて復調処理がされ、次いで、エラー訂正復号化回路21でエラー訂正復号処理がされ、出力端子24より出力される。この後、出力端子24より出力されたデータは、そのままディジタル出力されるか又は例えばD/Aコンバータによりディジタル信号からアナログ信号に変換され、スピーカ、モニタ等に出力される。
本発明を適用した光ディスク装置10は、光学部品に起因するコマ収差及び光ディスクに起因するコマ収差を簡易な構成とされた液晶光学素子38,78により良好に補正することができ、構成の簡素化、装置の小型化を実現するとともに、記録・再生特性を向上させることができる。
本発明を適用した光ピックアップ1,70,90は、記録及び再生を行う光ディスク装置に用いられたが、記録のみ行う光ディスク装置又は再生のみ行う光ディスク装置に適用されてもよい。また、本発明は、上述したディスクフォーマット以外に対しても適用可能である。
本発明を適用した記録再生装置の構成を示すブロック回路図である。 本発明を適用した光ピックアップの光学系の例を示す光路図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する液晶光学素子の構成を示す断面図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する液晶光学素子の一方の電極パターンを示すものであり、(a)は、一方の電極パターンを示す平面図であり、(b)は、一方の電極パターンのうちラジアル方向のコマ収差を補正する第1の電極パターンを示す平面図であり、(c)は、一方の電極パターンのうちタンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2の電極パターンを示す平面図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する液晶光学素子の他方の電極パターンを示すものであり、(a)は、他方の電極パターンを示す平面図であり、(b)は、他方の電極パターンの他の例であり非点収差を補正するパターンを設けた例を示す平面図であり、(c)は、他方の電極パターンの更に他の例であり球面収差を補正するパターンを設けた例を示す平面図である。 本発明を適用した光ピックアップにおいて、(a)は、液晶光学素子を通過する光ビームに発生するコマ収差の位相分布、及び、この光ビームに液晶光学素子により付加されるコマ収差補正位相差量を示す図であり、(b)は、液晶光学素子を通過することによりコマ収差補正位相差量が付加された状態の光ビームの位相差量を示す図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する液晶光学素子の他の例の一方の電極パターンを示すものであり、(a)は、一方の電極パターンを示す平面図であり、(b)は、一方の電極パターンのうちラジアル方向のコマ収差を補正する第1の電極パターンを示す平面図であり、(c)は、一方の電極パターンのうちタンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2の電極パターンを示す平面図である。 本発明を適用した光ピックアップの光学系の他の例を示す光路図である。 従来の光ピックアップを構成する液晶光学素子のコマ収差を補正する電極パターンを示す平面図である。
符号の説明
1 光ピックアップ、 10 記録再生装置、 11 光ディスク、 12 スピンドルモータ、 27 制御部、 29 ディスク種類判別部、 31 光源部、 32 対物レンズ、 34 コリメータレンズ、 35 ビームスプリッタ、 36 光検出器、 37 1/4波長板、 38 液晶光学素子、 39 集光レンズ、 43 2軸アクチュエータ、 44 液晶駆動部、 51 第1の基板、 52 第2の基板、 53 第1の電極、 54 第2の電極、 55,56 配向膜、 57 液晶分子

Claims (7)

  1. 所定の波長の光ビームを出射する光源と、
    上記光源から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面上に集光する対物レンズと、
    上記光源と上記対物レンズとの間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子と、
    上記光ディスクで反射された戻り光を光路分離する光路分離手段と、
    上記光路分離手段で分離された戻り光を検出する光検出器と備え、
    上記液晶光学素子は、光軸方向に相対向して配置される一対の電極を有し、
    上記一対の電極の一方の電極には、ラジアル方向のコマ収差を補正する第1のパターンと、タンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2のパターンとが設けられている光ピックアップ。
  2. 上記光検出器で検出された信号により、上記液晶光学素子の上記一方及び他方の電極の分割された各領域に印加される電位を制御する制御部を備え、
    上記液晶光学素子は、上記ラジアル方向のコマ収差を補正する第1のパターンと、上記タンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2のパターンとで分割された各領域に印加される電位を上記制御部に制御されてコマ収差を補正する請求項1記載の光ピックアップ。
  3. 上記第2のパターンは、上記一方の電極の中心に対して上記第1のパターンを略90°回転させた形状に形成され、上記第1のパターンと一部重複して形成されている請求項1記載の光ピックアップ。
  4. 上記第2のパターンは、上記一方の電極の中心に対して上記第1のパターンを略90°回転させた形状に形成され、上記第1のパターンに重複することなく形成されている請求項1記載の光ピックアップ。
  5. 異なる種類の第1乃至第3の光ディスクに対して、情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップにおいて、
    第1乃至第3の波長の光ビームを出射する光源と、
    上記光源から出射された第1の波長の光ビームを第1の光ディスクの信号記録面上に集光する第1の対物レンズと、
    上記光源から出射された第2の波長の光ビームを第2の光ディスクの信号記録面上に集光するとともに、上記光源から出射された第3の波長の光ビームを第3の光ディスクの信号記録面上に集光する第2の対物レンズと、
    上記光源と上記第1及び第2の対物レンズとの間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子と、
    上記光ディスクで反射された戻り光を光路分離する光路分離手段と、
    上記光路分離手段で分離された戻り光を検出する光検出器と備え、
    上記液晶光学素子は、光軸方向に相対向して配置される一対の電極を有し、
    上記一対の電極の一方の電極には、ラジアル方向のコマ収差を補正する第1のパターンと、タンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2のパターンとが設けられている光ピックアップ。
  6. 光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、上記光ディスクを回転するディスク回転駆動手段とを備える光ディスク装置において、
    上記光ピックアップは、所定の波長の光ビームを出射する光源と、
    上記光源から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面上に集光する対物レンズと、
    上記光源と上記対物レンズとの間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子と、
    上記光ディスクで反射された戻り光を光路分離する光路分離手段と、
    上記光路分離手段で分離された戻り光を検出する光検出器と備え、
    上記液晶光学素子は、光軸方向に相対向して配置される一対の電極を有し、
    上記一対の電極の一方の電極には、ラジアル方向のコマ収差を補正する第1のパターンと、タンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2のパターンとが設けられている光ディスク装置。
  7. 異なる種類の第1乃至第3の光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、上記第1乃至第3の光ディスクを回転するディスク回転駆動手段とを備える光ディスク装置において、
    上記光ピックアップは、第1乃至第3の波長の光ビームを出射する光源と、
    上記光源から出射された第1の波長の光ビームを第1の光ディスクの信号記録面上に集光する第1の対物レンズと、
    上記光源から出射された第2の波長の光ビームを第2の光ディスクの信号記録面上に集光するとともに、上記光源から出射された第3の波長の光ビームを第3の光ディスクの信号記録面上に集光する第2の対物レンズと、
    上記光源と上記第1及び第2の対物レンズとの間に設けられ、屈折率を変化させることによりコマ収差の収差量を調整する液晶光学素子と、
    上記光ディスクで反射された戻り光を光路分離する光路分離手段と、
    上記光路分離手段で分離された戻り光を検出する光検出器と備え、
    上記液晶光学素子は、光軸方向に相対向して配置される一対の電極を有し、
    上記一対の電極の一方の電極には、ラジアル方向のコマ収差を補正する第1のパターンと、タンジェンシャル方向のコマ収差を補正する第2のパターンとが設けられている光ディスク装置。
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