JP2000248058A - 芳香族ポリカーボネート共重合体 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート共重合体

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JP2000248058A
JP2000248058A JP11056831A JP5683199A JP2000248058A JP 2000248058 A JP2000248058 A JP 2000248058A JP 11056831 A JP11056831 A JP 11056831A JP 5683199 A JP5683199 A JP 5683199A JP 2000248058 A JP2000248058 A JP 2000248058A
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aromatic polycarbonate
bis
polycarbonate copolymer
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Manabu Matsui
学 松井
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ポリカーボネート樹脂の優れた透明
性、成形性、耐熱性、機械物性等を保持しつつ、光弾性
定数および吸水性を向上した光学用材料、殊に光ディス
ク基板用材料に適した芳香族ポリカーボネート共重合体
を提供する。 【解決手段】 4,4′−{1,3−フェニレン−ビス
(1−メチルエチリデン)}ビス(2−メチルフェノー
ル)を必須成分とする二価フェノール成分より得られる
芳香族ポリカーボネート共重合体であり、該共重合体の
ガラス転移温度が120℃〜170℃であることを特徴
とする芳香族ポリカーボネート共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリカーボ
ネート共重合体に関する。さらに詳しくは複屈折及び吸
水率の改善された光学用材料、殊に光ディスク基板用材
料に優れる芳香族ポリカーボネート共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)に
カーボネート前駆物質を反応させて得られるポリカーボ
ネート樹脂は透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性
が優れているがゆえにエンジニアリングプラスチックと
して多くの分野に広く使用されている。更に近年その透
明性を生かして光ディスク、光ファイバー、レンズ等の
分野への光学用材料としての利用が展開されており、特
に光ディスクの分野で情報記録媒体用基板の素材として
広く使用されている。しかしながら、かかるビスフェノ
ールAより得られるポリカーボネート樹脂はベンゼン環
の光学異方性から光弾性定数が大きく、従って成形品の
複屈折が大きい欠点があり、この改善が求められてい
る。また、成形品の吸水による寸法安定性にも問題があ
り、特に吸水により生じる光ディスクの反りによってエ
ラーが起こり易く、この改善もあわせて求められてい
る。
【0003】そこで、ポリカーボネート樹脂の構造を変
化させ光弾性定数を小さくして、光ディスクの複屈折を
小さくするという提案が多数開示されており、その中で
例えば、特開昭63−89525号公報、特開昭63−
89528号公報、特開昭63−89532号公報等に
は、4,4′−(m−フェニレンジイソプロピリデン)
ジフェノールと特定のジフェノールとの共重合体からな
る光学式ディスクが開示され、このものはビスフェノー
ルAより得られるポリカーボネート樹脂より複屈折が小
さくなることが具体的に示されている。また、本出願人
においても、特開平8−81549号公報、特開平8−
293128号公報等に、4,4′−(m−フェニレン
ジイソプロピリデン)ジフェノールおよび1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサンより得られる芳香族ポリカーボネート共
重合体を提案し、この共重合体は光弾性定数が小さく、
吸水率が低く、光ディスク基板用材料として優れている
ことを開示している。
【0004】しかしながら、上記これらの共重合体は、
記録密度の高い光ディスク基板用材料として良好な特性
を有するものの、近年のより高密度の記憶容量を要する
光ディスク基板用材料としては、必ずしも十分とは云え
ず、より吸水率の低い、より光弾性定数の小さい光学用
材料が求められている。
【0005】また、一方、特開平6−222581号公
報において、4,4′−{1,3−フェニレン−ビス
(1−メチルエチリデン)}ビス(2−メチルフェノー
ル)より得られるポリカーボネート樹脂が開示されてお
り、かかるポリカーボネート樹脂は、具体的には、電子
写真感光体における電荷輸送層の結着樹脂として使用さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族ポリカーボネート樹脂の優れた透明性、成形性、耐熱
性、機械物性等を保持しつつ、光弾性定数および吸水性
を向上した光学用材料、殊に光ディスク基板用材料に適
した芳香族ポリカーボネート共重合体を提供することに
ある。
【0007】本発明者はこの目的を達成せんとして鋭意
研究を重ねた結果、4,4′−{1,3−フェニレン−
ビス(1−メチルエチリデン)}ビス(2−メチルフェ
ノール)を必須成分として使用することによって、光学
用材料として好適な芳香族ポリカーボネート共重合体が
得られることを見出し本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、下記式[I]
【0009】
【化6】
【0010】で表される構成単位および下記一般式[I
I]
【0011】
【化7】
【0012】[式中、Wは単結合、アルキリデン基、シ
クロアルキリデン基、フェニル基置換アルキリデン基、
フェニレンジアルキリデン基、フルオレニリデン基、ス
ルホン基、スルホキシド基、スルフィド基又はオキシド
基であり、R1及びR2は同一又は異なっていても良く、
ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基
であり、m及びnはそれぞれ0〜4の整数である。]で
表わされる構成単位よりなる芳香族ポリカーボネート共
重合体であり、該共重合体のガラス転移温度が120℃
〜170℃であることを特徴とする芳香族ポリカーボネ
ート共重合体が提供される。
【0013】本発明において、かかる芳香族ポリカーボ
ネート共重合体は、それを構成する二価フェノール成分
として、4,4′−{1,3−フェニレン−ビス(1−
メチルエチリデン)}ビス(2−メチルフェノール)が
必須成分であり、前記式[I]で表される構成単位を有
する。
【0014】また、前記一般式[II]で表わされる構
成単位において、Wは単結合、アルキリデン基、シクロ
アルキリデン基、フェニル基置換アルキリデン基、フェ
ニレンジアルキリデン基(この場合、mおよびnは0が
好ましい)、フルオレニリデン基、スルホン基、スルホ
キシド基、スルフィド基又はオキシド基であり、アルキ
リデン基、シクロアルキリデン基、フルオレニリデン基
が好ましく、R1及びR2は同一又は異なっていても良
く、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキ
ル基であり、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特
にメチル基が好ましく、m及びnはそれぞれ0〜4の整
数であり、0または1の整数が好ましい。
【0015】かかる前記一般式[II]で表わされる構
成単位を得るのに使用される二価フェノール成分として
は、具体的には4,4′−ビフェノール、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、4,4′−(p−フェニレンジイソプロ
ピリデン)ジフェノール、4,4′−(m−フェニレン
ジイソプロピリデン)ジフェノール、9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、2,
2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルオキシドなどが挙げ
られ、これらは単独または2種以上を混合して使用でき
る。なかでも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンおよび1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンが好ましく、特に、9,9−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサンが好ましく使用される。
【0016】本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体
の構成単位[I]および構成単位[II]の割合は、耐
熱性、成形性が良好となるように、その共重合体のガラ
ス転移温度が120〜170℃、好ましくは130〜1
65℃、より好ましくは135〜160℃となる範囲に
おいて自由に設定できる。ガラス転移温度が120℃よ
り低くなると、光学用成形品、殊に光ディスク基板とし
ての耐熱性が不足し、高温環境下で使用した場合や、光
ディスクの再生、記録用レーザー光の熱により、光ディ
スクが変形するなど好ましくなく、170℃より高くな
ると、溶融流動性が悪く成形不良を生じ、光学的に良好
な成形品が得られなくなり好ましくない。本発明の芳香
族ポリカーボネート共重合体において、好ましくは構成
単位[I]の割合が1〜80モル%、構成単位[II]
の割合が99〜20モル%であり、より好ましくは構成
単位[I]の割合が10〜75モル%、構成単位[I
I]の割合が90〜25モル%であり、さらに好ましく
は構成単位[I]の割合が30〜70モル%、構成単位
[II]の割合が70〜30モル%であり、特に好まし
くは構成単位[I]の割合が40〜60モル%、構成単
位[II]の割合が60〜40モル%である。
【0017】本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体
は、所定割合の上記二価フェノールとカーボネート前駆
体物質の反応によって製造される。ホスゲンを使用する
界面重縮合法によって容易に製造されるが、炭酸ジエス
テルを使用するエステル交換反応によって製造すること
もできる。
【0018】ホスゲンを使用する界面重縮合反応では、
通常酸結合剤の水溶液に所定割合の上記二価フェノール
を溶解し、有機溶媒の存在下にホスゲンを反応させる。
酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属の水酸化物が使用され、有機溶媒
としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素が使用される。反応温度は通常0〜40
℃、好ましくは20〜30℃であり、反応時間は数分〜
5時間程度である。反応の進行に伴い反応系のpHを1
0以上に保持することが好ましい。
【0019】また、分子量調節剤として例えばフェノー
ル、p−tert−ブチルフェノール等の単官能フェノ
ール類を用いることが望ましい。さらに、反応を促進さ
せるために触媒を用いてもよく、触媒としては例えばト
リエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロ
マイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドの
ような三級アミン、四級アンモニウム化合物、四級ホス
ホニウム化合物等が挙げられる。また、必要に応じてハ
イドロサルファイトのような酸化防止剤を加えることも
できる。
【0020】炭酸ジエステルを使用するエステル交換反
応では、不活性ガス雰囲気下、所定割合の上記二価フェ
ノールを炭酸ジエステルと加熱しながら攪拌して生成す
るアルコール又はフェノールを留出させることで行われ
る。反応温度は生成するアルコール又はフェノールの沸
点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲であ
る。反応後期には系を減圧にして生成するアルコール又
はフェノールの留出を容易にさせて反応を完結させる。
炭酸ジエステルとしては例えばジフェニルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カー
ボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート等が挙げられ、なかでもジフ
ェニルカーボネートが好ましい。
【0021】重合速度を速めるために重合触媒を使用す
ることもでき、重合触媒としては水酸化ナトリウムや水
酸化カリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の
水酸化物類、ホウ素やアルミニウムの水酸化物のアルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩、四級アンモニウム塩
類、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルコキシド
類、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の有機酸塩類、
亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、ケイ素化合物類、ゲル
マニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、ア
ンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物
類、ジルコニウム化合物類等の通常エステル化反応やエ
ステル交換反応に使用される触媒を使用することができ
る。触媒は一種だけ用いても、二種以上を組合わせて用
いてもよい。これら触媒の使用量は原料の二価フェノー
ル1モルに対して好ましくは1×10-9〜1×10-3
量、より好ましくは1×10-8〜1×10-4当量の範囲
で選ばれる。
【0022】このようにして得られる芳香族ポリカーボ
ネート共重合体は、濃度0.7g/dlの塩化メチレン
溶媒を20℃で測定した比粘度が0.2〜0.4の範囲
のものが好ましい。かかる範囲の比粘度を有する芳香族
ポリカーボネート共重合体は、溶融流動性が良好で成形
性に優れ、光学的に良好な強度も十分な成形品が得られ
好ましい。
【0023】本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体
は、ASTM D−0570に従って測定した23℃、
24時間後の吸水率が、好ましくは0.10重量%以
下、より好ましくは0.095重量%以下、さらに好ま
しくは0.090重量%以下であることが望ましい。か
かる範囲内の吸水率であると、成形された光学用成形
品、殊に光ディスク基板表面上に金属膜を形成させた光
ディスクが吸水により反りを生じず、高密度の光ディス
クにおいてエラーを防止でき好ましい。
【0024】また、本発明の芳香族ポリカーボネート共
重合体は、その光弾性定数の値が、好ましくは38×1
-13cm2/dyn以下、より好ましくは37×10
-13cm2/dyn以下、さらに好ましくは36×10
-13cm2/dyn以下であることが望ましい。かかる範
囲内の光弾性定数の値を有すると、複屈折が小さくな
り、殊に高密度の光ディスクにおいて有利に利用され
る。
【0025】本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体
は、通常のポリカーボネート樹脂の成形に用いられる方
法、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液
キャスティング法等任意の方法により成形することがで
きる。
【0026】なお、本発明の芳香族ポリカーボネート共
重合体には、必要に応じて燐系の熱安定剤、フェノール
系の酸化防止剤などを加えることができる。燐系熱安定
剤としては、亜燐酸エステルおよび燐酸エステルが好ま
しく使用される。亜燐酸エステルとしては、例えばトリ
フェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファ
イト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオク
チルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジ
デシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェ
ニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスフ
ァイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシ
ルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホ
スファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホス
ファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−
メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブ
チルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−
tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホ
スホナイト等の亜燐酸のトリエステル、ジエステル、モ
ノエステルが挙げられる。これらのうちトリスノニルフ
ェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−
ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエ
リスリトールジホスファイトが好ましい。
【0027】熱安定剤として使用される燐酸エステルと
しては、例えばトリブチルホスフェート、トリメチルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルク
レジルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェー
ト、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、
ジイソプロピルホスフェート等が挙げられ、なかでもト
リフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートが好
ましい。
【0028】前記燐系熱安定剤は、単独で使用してもよ
く、また二種以上を組み合わせて使用してもよい。燐系
熱安定剤は芳香族ポリカーボネート共重合体に対して
0.0001〜0.05重量%の範囲で使用するのが適
当である。
【0029】フェノール系の酸化防止剤としては、例え
ばトリエチレングリコール−ビス{3−(3−tert
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート}、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート}、ペンタエリスリトール−テト
ラキス{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート}、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメ
チレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジ
エチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,
9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
これら酸化防止剤の好ましい配合量の範囲は芳香族ポリ
カーボネート共重合体に対して、0.0001〜0.0
5重量%である。
【0030】さらに、本発明の芳香族ポリカーボネート
共重合体には、必要に応じて多価アルコールの高級脂肪
酸エステルを加えることもできる。この高級脂肪酸エス
テルを加えることによって、成形時の金型からの成形品
の離型性が改善される。好ましい脂肪酸エステルとして
は炭素原子8〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸とグリ
コール類、グリセロール、ペンタエリスリトールなどと
の全エステル、部分エステルで、好ましい配合量は0.
001〜0.5重量%である。また、本発明の芳香族ポ
リカーボネート共重合体には、光安定剤、着色剤、帯電
防止剤、滑剤などの添加剤を透明性を損なわない範囲で
加えることができる。また他のポリカーボネート樹脂、
あるいはその他の熱可塑性樹脂と混合して用いることも
できる。
【0031】本発明の芳香族ポリカーボネート共重合体
は、光弾性定数が小さく、さらに低吸水率であり、種々
の成形品として利用することができる。殊に光学ディス
ク用基板、光学レンズ、光ファイバーまたは光カード、
液晶ディスプレイ用基板等の光学材料用フィルムやシー
トなどの光学部品の構造材料または機能材料用途に適し
た光学用成形品の材料として有利に使用することができ
る。これらのうち、光ディスク基板用の材料として特に
有利に使用することができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお実施例中の部は重量部であり、%は重量%であ
る。なお、各項目の測定は下記の方法で行なった。比粘度 :ポリマー0.7gを100mlの塩化メチレン
に溶解し20℃の温度で測定した。ガラス転移点(Tg) :デュポン社製910型DSCに
より昇温速度10℃/分で測定した。吸水率 :ASTM D−0570に従い23℃、24時
間後の吸水率を測定した。光弾性定数 :キャストフィルムを作成し、理研計器
(株)製の光弾性測定装置PA−150により測定し
た。
【0033】[実施例1]温度計、撹拌機、還流冷却器
およびホスゲン吹き込み管を備えた反応器にイオン交換
水197.9部、水酸化ナトリウム15.0部を入れ、
4,4′−{1,3−フェニレン−ビス(1−メチルエ
チリデン)}ビス(2−メチルフェノール)(以下“ビ
スクレゾールM”と略称することがある)15.6部、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン(以下“ビスフェノールT
MC”と略称することがある)12.9部およびハイド
ロサルファイト0.09部を溶解した後、塩化メチレン
127.5部を加え、撹拌下16〜18℃でホスゲン1
3.2部を50分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込
み終了後、p−tert−ブチルフェノール0.56部
と水酸化ナトリウム3.3部を加え、さらにトリエチル
アミン0.03部を加えて30℃で1時間撹拌して反応
を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈
して水洗したのち塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率
がイオン交換水と殆ど同じになったところで、塩化メチ
レンを蒸発して、ビスクレゾールMとビスフェノールT
MCの比がモル比で50:50である無色のポリマー2
7.6部を得た(収率96%)。このポリマーの比粘度
は0.275、Tgは140℃、吸水率は0.089重
量%、光弾性定数は35×10-13cm2/dynであっ
た。
【0034】[実施例2]実施例1のビスクレゾールM
を18.1部、ビスフェノールTMCの代わりに9,9
−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
(以下“ビスクレゾールフルオレン”と略称することが
ある)を18.3部使用した以外は実施例1と同様の方
法で、ビスクレゾールMとビスクレゾールフルオレンの
比がモル比で50:50である無色のポリマー37.9
部を得た(収率96%)。このポリマーの比粘度は0.
269、Tgは155℃、吸水率は0.087重量%、
光弾性定数は35×10-13cm2/dynであった。
【0035】[実施例3]二価フェノールとして、ビス
クレゾールMを17.8部、ビスフェノールTMCを
7.4部およびビスクレゾールフルオレンを9.0部使
用した以外は実施例1と同様の方法で、ビスクレゾール
M、ビスフェノールTMCおよびビスクレゾールフルオ
レンそれぞれの比がモル比で50:25:25である無
色のポリマー35.0部を得た(収率95%)。このポ
リマーの比粘度は0.272、Tgは147℃、吸水率
は0.088重量%、光弾性定数は35×10-13cm2
/dynであった。
【0036】[実施例4]二価フェノールとして、ビス
クレゾールMを18.9部、ビスフェノールTMCを1
4.1部および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(以下“ビスフェノールA”と略称するこ
とがある)を1.2部使用した以外は実施例1と同様の
方法で、ビスクレゾールM、ビスフェノールTMCおよ
びビスフェノールAそれぞれの比がモル比で50:4
5:5である無色のポリマー34.5部を得た(収率9
6%)。このポリマーの比粘度は0.270、Tgは1
40℃、吸水率は0.095重量%、光弾性定数は37
×10-13cm2/dynであった。
【0037】[比較例1]二価フェノールとして、ビス
フェノールAのみを36.4部使用した以外は実施例1
と同様の方法で無色のポリマー37.2部を得た(収率
96%)。このポリマーの比粘度は0.289、Tgは
150℃で、吸水率は0.21重量%と高く、光弾性定
数も79×10-13cm2/dynと高かった。
【0038】[比較例2]二価フェノールとして、ビス
クレゾールMのみを32.0部使用した以外は実施例1
と同様の方法で無色のポリマー32.6部を得た(収率
94%)。このポリマーの比粘度は0.290で、Tg
は80℃と低かった。
【0039】[比較例3]実施例1において、ビスクレ
ゾールMの代わりに4,4′−(m−フェニレンジイソ
プロピリデン)ジフェノール(以下“ビスフェノール
M”と略称することがある)を14.4部とし、また、
イオン交換水を228.3部、水酸化ナトリウムを1
3.6部に代えた以外は実施例1と同様の方法で、ビス
フェノールMとビスフェノールTMCの比がモル比で5
0:50である無色のポリマーを得た。得られたポリマ
ーの比粘度は0.286、Tgは147℃、吸水率は
0.11重量%、光弾性定数は39×10-13cm2/d
ynと不十分な値であった。これらの実施例および比較
例の結果を表1にまとめて示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネート共重合
体は光弾性定数が低く、吸水率も低いので、光ディスク
基板、光学レンズ、光カードなどの各種光学用材料とし
て、殊に光ディスク基板用の材料として好適に用いら
れ、その奏する工業的効果は格別である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA09 AB01 AC02 AD01 AD07 AD10 AE04 AE05 BB10A BB10B BB12A BB12B BB16B BC07A BC07B BD09B BF14A BF14B BH02 DB07 DB10 DB13 HC01 HC03 5D029 KA07 KC07 KC09 KC11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式[I] 【化1】 で表される構成単位および下記一般式[II] 【化2】 [式中、Wは単結合、アルキリデン基、シクロアルキリ
    デン基、フェニル基置換アルキリデン基、フェニレンジ
    アルキリデン基、フルオレニリデン基、スルホン基、ス
    ルホキシド基、スルフィド基又はオキシド基であり、R
    1及びR2は同一又は異なっていても良く、ハロゲン原
    子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基であり、m
    及びnはそれぞれ0〜4の整数である。]で表わされる
    構成単位よりなる芳香族ポリカーボネート共重合体であ
    り、該共重合体のガラス転移温度が120℃〜170℃
    であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート共重合
    体。
  2. 【請求項2】 前記一般式[II]が、下記式[II−
    a]で表わされる構成単位、下記式[II−b]で表わ
    される構成単位および下記式[II−c]で表わされる
    構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構成
    単位である請求項1記載の芳香族ポリカーボネート共重
    合体。 【化3】 【化4】 [式中、R3及びR4はハロゲン原子、フェニル基または
    炭素数1〜4のアルキル基である。] 【化5】
  3. 【請求項3】 ポリマー0.7gを100mlの塩化メ
    チレンに溶解した20℃における溶液の比粘度が0.2
    〜0.4である請求項1または2記載の芳香族ポリカー
    ボネート共重合体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の芳香族ポリカーボネ
    ート共重合体より形成された光学用材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3記載の芳香族ポリカーボネ
    ート共重合体より形成された光ディスク基板用材料。
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