JP2000248030A - 塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法、塩化ビニル系グラフト共重合体及び成形品 - Google Patents

塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法、塩化ビニル系グラフト共重合体及び成形品

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JP2000248030A
JP2000248030A JP11050377A JP5037799A JP2000248030A JP 2000248030 A JP2000248030 A JP 2000248030A JP 11050377 A JP11050377 A JP 11050377A JP 5037799 A JP5037799 A JP 5037799A JP 2000248030 A JP2000248030 A JP 2000248030A
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vinyl chloride
graft copolymer
copolymer
monomer
refractive index
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JP11050377A
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English (en)
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Takuya Toyokawa
卓也 豊川
Takahiro Omura
貴宏 大村
Hiroyuki Hatayama
博之 畑山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐衝撃性、機械的強度等に優れると
ともに、これら特性のバランスにも優れた塩化ビニル系
グラフト共重合体を製造する方法を提供する。 【解決手段】 アクリル系共重合体(E)1〜30重量
%と塩化ビニル(F)70〜99重量%とをグラフト重
合させる塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法であ
って、上記アクリル系共重合体(E)は、単独重合体の
ガラス転移温度が−140℃以上30℃以下である少な
くとも1種の(メタ)アクリレートモノマー(A)と他
のラジカル重合性モノマー(B)とから構成されるアク
リル系モノマー成分(C)100重量部と、多官能性モ
ノマー(D)0.1〜30重量部とを共重合させること
により得られる共重合体であり、上記アクリル系共重合
体(E)の粒子の界面の屈折率が1.52〜1.55で
ある塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系グラ
フト共重合体の製造方法、上記製造方法を用いることに
より得られる塩化ビニル系グラフト共重合体、及び、上
記塩化ビニル系グラフト共重合体の成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂は、機械的強
度、耐候性、耐薬品性に優れた特性を有する材料として
多くの用途に用いられている。しかし、硬質用に用いる
と耐衝撃性に劣るという欠点を有しており、種々の改良
方法が提案されている。例えば、特開昭60−2558
13号公報には、特に、耐衝撃性や耐候性を必要とする
用途に用いる塩化ビニル系樹脂として、アクリル系共重
合体と塩化ビニルとをグラフト重合させた塩化ビニル系
樹脂が開示されている。
【0003】しかしながら、塩化ビニル系樹脂にアクリ
ル系共重合体のようなゴム成分を添加した場合、ゴム成
分添加量の増加に伴って、耐衝撃性は向上してゆくが、
その反面、透明性、引っ張り強度、曲げ弾性率等の機械
的強度は低下してゆく傾向がある。従って、耐衝撃性を
保持しながら透明性、機械的強度を向上させた塩化ビニ
ル系樹脂を工業的に製造することができる技術が要望さ
れている。
【0004】透明性、曲げ弾性を向上させる方法として
は、特開昭61−195106号公報に、アクリル系共
重合体にスチレンを共重合させる方法が開示されている
が、この方法では、特定のモノマーのみが使用可能であ
るため、製品の用途や製造設備の仕様が限定されるばか
りでなく、アクリル系共重合体の屈折率などによって
は、透明性の著しい向上を図ることは難しかった。
【0005】そこで、本発明らは既に、特開平10−2
65533号公報、及び、特開平10−218948号
公報において、透明性を付与した透明耐衝撃性塩化ビニ
ル系グラフト共重合体を提案している。このものは、透
明性と耐衝撃性とがバランスよく付与された塩化ビニル
系グラフト共重合体であった。しかし、この塩化ビニル
系グラフト共重合体では、粒子界面近傍の屈折率を考慮
していなかったため、ポリ塩化ビニルマトリクス中のゴ
ム粒子の界面で光反射による透明性の低下が発生する場
合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、透明性、耐衝撃性、機械的強度等に優れるととも
に、これら特性のバランスにも優れた塩化ビニル系グラ
フト共重合体を製造する方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、上記製造方法により製造された塩
化ビニル系グラフト共重合体、及び、該塩化ビニル系グ
ラフト共重合体を用いた成形品を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル系グ
ラフト共重合体の製造方法は、アクリル系共重合体
(E)1〜30重量%と塩化ビニル(F)70〜99重
量%とをグラフト重合させる塩化ビニル系グラフト共重
合体の製造方法であって、上記アクリル系共重合体
(E)は、単独重合体のガラス転移温度が−140℃以
上30℃未満である少なくとも1種の(メタ)アクリレ
ートモノマー(A)と他のラジカル重合性モノマー
(B)とから構成されるアクリル系モノマー成分(C)
100重量部と、多官能性モノマー(D)0.1〜30
重量部とを共重合させることにより得られる共重合体で
あり、上記アクリル系共重合体(E)の粒子の界面の屈
折率が1.52〜1.55であることを特徴とする。ま
た、本発明の塩化ビニル系グラフト共重合体は、光線透
過率が83%以上であり、ヘイズ値が15%以下であ
り、かつ、シャルピー衝撃値が80kgf・cm/cm
2 以上であることを特徴とする。以下に本発明を詳述す
る。
【0008】本発明の塩化ビニル系グラフト共重合体の
製造方法は、アクリル系共重合体(E)と塩化ビニル
(F)とをグラフト重合させる塩化ビニル系グラフト共
重合体の製造方法であって、上記アクリル系共重合体
(E)は、単独重合体のガラス転移温度が−140℃以
上30℃未満である少なくとも1種の(メタ)アクリレ
ートモノマー(A)と他のラジカル重合性モノマー
(B)とから構成されるアクリル系モノマー成分(C)
100重量部と、多官能性モノマー(D)0.1〜30
重量部とを混合した後、共重合させることにより得る。
【0009】上記(メタ)アクリレートモノマー(A)
は、アクリル系共重合体を形成し、製造される塩化ビニ
ル系グラフト共重合体の耐衝撃性を向上させるために配
合するものであり、室温で柔軟性を要するため、その単
独重合体のガラス転移温度は−140℃以上30℃未満
である。ガラス転移温度が−140℃未満であると、工
業的に一般に使用されるポリマーとして適当でなくな
り、30℃以上では充分な柔軟性が塩化ビニル系グラフ
ト共重合体に付与されにくくなるため上記範囲に限定さ
れる。
【0010】上記(メタ)アクリレートモノマー(A)
としては、単独重合体のガラス転移温度が−140℃以
上30℃未満のものであれば特に限定されず、例えば、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソ−ブチルアクリレート、
sec−ブチルアクリレート、クミルアクリレート、n
−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、2−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メ
タ)アクリレート、2−メチルオクチル(メタ)アクリ
レート、2−エチル(メタ)ヘプチルアクリレート、n
−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、ミリスチル
(メタ)アクリレート、パルミチルメタクリレート、ス
テアリルメタクリレート等のアルキル(メタ)アクリレ
ート;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。なお、上記(メタ)アクリレートモノマー(A)の
単独重合体のガラス転移温度は、高分子学会編「高分子
データ・ハンドブック(基礎編)」(1986年、培風
館社)によった。
【0011】上記他のラジカル重合性モノマー(B)
は、上記アクリル系共重合体(E)の屈折率を1.52
〜1.55に調整するために配合するものである。その
ため、上記他のラジカル重合性モノマー(B)の屈折率
は1.52より大きい。このような他のラジカル重合性
モノマー(B)としては、例えば、1,3−ジクロロプ
ロピルメタクリレート、クロロヘキシルメタクリレート
等の極性基含有アルキル(メタ)アクリレート;フェニ
ルメタクリレート、ベンジルメタクレリート等の芳香族
アルキル(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリ
ル酸、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−アク
リロイルオキシエチルフタル酸、塩化ビニリデン等の極
性基含有ビニルモノマー;スチレン、α−メチルスチレ
ン、o、m、p−メチルスチレン、o、m、p−プロピ
ルスチレン、o、m、p−クロロスチレン等の芳香族ビ
ニルモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等の不飽和ニトリル等が挙げられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記他
のラジカル重合性モノマー(B)の屈折率は、「ポリマ
ーハンドブック」(1989年、ウイリー・インターサ
イエンス)によった。
【0012】上記(メタ)アクリレートモノマー(A)
と上記他のラジカル重合性モノマー(B)との配合比率
は、アクリル系共重合体(E)の屈折率を1.52〜
1.55に調整できる配合比率であれば特に限定されな
いが、通常、上記(メタ)アクリレートモノマー(A)
が20〜80重量%配合されていることが好ましい。
【0013】上記多官能性モノマー(D)は、上記塩化
ビニル系グラフト共重合体の耐衝撃性を向上させ、更
に、上記アクリル系共重合体(E)を製造する際、及
び、製造後の上記アクリル系共重合体(E)の粒子の合
着を抑えるために配合するものである。
【0014】上記多官能性モノマー(D)としては、例
えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリ
レート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ
(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート;ジアリ
ルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレー
ト、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレー
ト等のジ又はトリアリル化合物;ジビニルベンゼン、ブ
タジエン等のジビニル化合物等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】上記多官能性モノマー(D)の配合量は、
上記(メタ)アクリレートモノマー(A)と上記他のラ
ジカル重合性モノマー(B)とから構成されるアクリル
系モノマー成分(C)100重量部に対して、0.1〜
30重量部である。上記多官能性モノマー(D)の配合
量が、0.1重量部未満では、アクリル系共重合体
(E)が塩化ビニル系グラフト共重合体中で独立した粒
子形状を保てなくなるため、塩化ビニル系グラフト共重
合体の耐衝撃性が低下し、30重量部を超えると、アク
リル系共重合体(E)の架橋密度が高くなり、耐衝撃性
が得られなくなるため上記範囲に限定される。好ましく
は、上記アクリル系モノマー成分(C)100重量部に
対して0.3〜8重量部である。
【0016】上記アクリル系モノマー成分(C)と上記
多官能性モノマー(D)とを共重合させる方法として
は、例えば、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。
これらのなかでは、耐衝撃性の発現性がよく、アクリル
系共重合体(E)の粒径の制御が行い易い点から乳化重
合法が好ましい。なお、上記共重合とは、ランダム共重
合、ブロック共重合、グラスト共重合等のすべての共重
合をいう。
【0017】上記乳化重合法は、従来公知の方法で行う
ことができ、例えば、必要に応じて、乳化分散剤、重合
開始剤、pH調整剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
【0018】上記乳化分散剤は、アクリル系モノマー成
分(C)と多官能性モノマー(D)との混合物(以下、
混合モノマーともいう)の乳化液中での分散安定性を向
上させ、重合を効率よく行うために用いるものである。
上記乳化分散剤としては特に限定されず、アニオン系界
面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分けん化ポリビニ
ルアルコール、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げ
られる。これらのなかでは、アニオン系界面活性剤が好
ましく、上記アニオ系界面活性剤の具体例としては、例
えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサル
フェート(第一工業製薬社製「ハイテノールN−0
8」)等が挙げられる。
【0019】上記重合開始剤としては特に限定されず、
例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化
水素等の水溶性重合開始剤;ベンゾイルパーオキシド、
ラウロイルパーオキシド等の有機系過酸化物;アゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤等が挙げられ
る。
【0020】上記乳化重合法の種類は特に限定されず、
例えば、一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴
下法等が挙げられる。
【0021】上記一括重合法は、ジャケット付重合反応
器内に、純水、乳化分散剤、及び、混合モノマーを一括
して添加し、窒素気流加圧下で攪拌して充分乳化した
後、反応器内をジャケットで所定の温度に昇温し、その
後重合させる方法である。
【0022】上記モノマー滴下法は、ジャケット付重合
反応器内に、純水、乳化分散剤、及び、重合開始剤を入
れ、窒素気流下による酸素除去及び加圧を行い、反応器
内を所定の温度に昇温した後、混合モノマーを、一定量
ずつ滴下して重合させる方法である。
【0023】上記エマルジョン滴下法は、混合モノマ
ー、乳化分散剤、及び、純水を攪拌して乳化モノマーを
予め調製し、次いで、ジャケット付重合反応器内に純
水、及び、重合開始剤を入れ、窒素気流下による酸素除
去及び加圧を行い、反応器内を所定の温度に昇温した
後、上記乳化モノマーを一定量ずつ滴下して重合させる
方法である。
【0024】また、上記エマルジョン滴下法では、重合
初期に上記乳化モノマーの一部を一括添加し、その後残
りの乳化モノマーを滴下する方法を用いれば、一括添加
する乳化モノマーの量を変化させることにより、生成す
るアクリル系共重合体(E)の粒径を容易に制御するこ
とができる。更に、一括添加する乳化モノマーと滴下す
る乳化モノマーの種類を順次、変更することにより、コ
ア−シェル構造等の多層構造を形成することも可能であ
る。
【0025】上記したような重合方法において、反応終
了後に得られるアクリル系共重合体(E)の固形分比率
は、アクリル系共重合体(E)の生産性、重合反応の安
定性の点から10〜60重量%が好ましい。また、上記
したような重合方法においては、反応終了後のアクリル
系共重合体(E)の機械的安定性を向上させる目的で保
護コロイド等を添加してもよい。
【0026】上記アクリル系共重合体(E)の粒子の界
面の屈折率は、1.52〜1.55である。この屈折率
は、塩化ビニルの屈折率(1.52〜1.55)と同一
の範囲である。そのため、本発明の製造方法により製造
された塩化ビニル系グラフト共重合体は、上記アクリル
系共重合体(E)の粒子の界面で光の屈折や反射が起こ
らず、塩化ビニルが有する透明性が損なわれることがな
い。
【0027】また、上記アクリル系共重合体(E)の粒
子は、粒子全体の平均屈折率も1.52〜1.55であ
ることが好ましい。粒子の界面のみならず、粒子全体の
平均屈折率も上記範囲を有することにより、本発明の製
造方法で製造される塩化ビニル系グラフト共重合体の透
明性がより向上する。
【0028】更に、上記範囲の屈折率を有するアクリル
系共重合体(E)においては、粒子の界面の屈折率と粒
子全体の平均屈折率とが厳密に一致することがより好ま
しい。両者の屈折率を厳密に一致させることにより、本
発明の製造方法で製造される塩化ビニル系グラフト共重
合体の透明性がより一層向上する。
【0029】なお、上記アクリル系共重合体(E)の粒
子の界面の屈折率とは、アクリル系共重合体(E)の粒
子の界面を含む粒子界面の内側の任意の厚みの層の屈折
率をいう。
【0030】上記アクリル系共重合体(E)の粒子の界
面の屈折率は、例えば、液浸法等により測定することが
できる。上記液浸法とは、鉱物、有機結晶等の屈折率を
測定する際に、一般的に用いられる簡単な屈折率の測定
方法である。通常、顕微鏡下で液体に浸した試料の境界
線を観察すると、Becke線と呼ばれる輝線が観察で
きるが、試料と等しい屈折率を有する液体に浸して観察
を行うと、境界もBecke線も見えなくなる。上記液
浸法は、この現象を利用して固体の屈折率を測定する方
法である。
【0031】上記アクリル系共重合体(E)の粒子全体
の平均屈折率は、例えば、アクリル系共重合体(E)を
製造する際に用いるモノマーの単独重合体の屈折率と、
上記モノマーの配合比率より、下記計算式(1)を用い
て算出することができる。
【0032】 n(p1n )=n(p1 )×W(p1 )+n(p2 )×W(p2 )+・・・・ ・・・+n(pn )×W(pn )・・・(1)
【0033】上記計算式(1)において、n(p1
n )は、アクリル系共重合体(E)の粒子全体の平均屈
折率を表し、n(p1 )は、モノマー1の単独重合体の
屈折率を表し、W(p1 )は、混合モノマーに対するモ
ノマー1の重量分率を表し、n(p2 )は、モノマー2
の単独重合体の屈折率を表し、W(p2 )は、混合モノ
マーに対するモノマー2の重量分率を表し、n(pn
は、モノマーnの単独重合体の屈折率を表し、W(p
n )は、混合モノマーに対するモノマーnの重量分率を
表す。
【0034】なお、アクリル系共重合体(E)を製造す
る際に用いるモノマーの単独重合体の屈折率は、「ポリ
マーハンドブック」(1989年、ウイリー・インター
サイエンス)によった。ただし、ポリ(2−エチルヘキ
シルアクリレート)の屈折率は1.463とし、トリメ
チロールプロパントリアクリレートの屈折率は1.48
とした。
【0035】また、上記アクリル系共重合体(E)の粒
子全体の平均屈折率は、アクリル系共重合体(E)の製
造において、重合反応が終了した後に得られるアクリル
系共重合体(E)の分散溶液の屈折率を液体屈折率計で
測定し、下記計算式(2)を用いて算出することができ
る。
【0036】 粒子全体の屈折率=〔(アクリル系共重合体(E)の分散溶液の屈折率−水の屈 折率)/アクリル系共重合体(E)の固形分比率〕+水の屈折率・・・(2)
【0037】また、上記アクリル系共重合体(E)粒子
全体の平均屈折率は、上記アクリル系共重合体(E)の
分散溶液を乾燥し、乾燥終了後、固形分の屈折率を直接
測定することにより得ることもできる。
【0038】上記アクリル系共重合体(E)の形態や構
造としては特に限定されないが、上記アクリル系共重合
体(E)の粒子の表層部(シェル部)と内部(コア部)
のモノマー組成や架橋構造とが異なるコア−シェル構造
が、上記アクリル系共重合体(E)の粒子の安定性、及
び、成形品の強度性能の向上が図られる点から好まし
い。
【0039】このようなコア−シェル構造を有するアク
リル系共重合体(E)の粒子は、上記コア部の表面を上
記シェル部が三次元的に覆い、上記シェル部を構成する
共重合体と上記コア部を構成する共重合体とが部分的に
共有結合し、上記シェル部が三次元的な架橋構造を形成
する。上記した方法において、上記シェル部の重合は、
上記コア部の重合と同一の重合工程で連続して行うこと
もできる。
【0040】上記コア部と上記シェル部の割合は、上記
乳化重合法において、コア部を形成する混合モノマー
と、シェル部を形成する混合モノマーとの割合を調整す
ることによって調節可能である。
【0041】本発明の塩化ビニル系グラフト共重合体の
製造方法においては、上記アクリル系共重合体(E)1
〜30重量%と塩化ビニル(F)70〜99重量%とを
グラフト重合させる。
【0042】上記アクリル系共重合体(E)の配合量が
1重量%未満では、製造される塩化ビニル系グラフト共
重合体が充分な耐衝撃性を得ることができず、30重量
%を超えると、製造される塩化ビニル系グラフト共重合
体の曲げ強度や引っ張り強度等の機械的強度が低くなる
ため上記範囲に限定される。上記アクリル系共重合体
(E)の好ましい配合量は、4〜20重量%である。
【0043】上記塩化ビニル(F)の重合度は、300
〜2000が好ましく、400〜1 600がより好まし
い。重合度が300未満であったり、1600を超える
と、本発明の製造方法を用いて製造した塩化ビニル系グ
ラフト共重合体を成形する際の成形性が悪くなることが
ある。
【0044】上記グラフト重合させる方法としては特に
限定されず、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重
合法、塊状重合法等が挙げられる。これらのなかでは、
懸濁重合法が好ましい。
【0045】上記懸濁重合法により重合を行う際には、
分散剤、重合開始剤等を用いてもよい。上記分散剤とし
ては特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸
塩、(メタ)アクリル酸塩/アルキルアクリレート共重
合体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコー
ル、ポリ酢酸ビニル及びその部分けん化物、ゼラチン、
ポリビニルピロリドン、デンプン、無水マレイン酸/ス
チレン共重合体等が挙げられる。これらは、単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0046】上記重合開始剤としては特に限定されない
が、ラジカル重合開始剤が好ましく、このような重合開
始剤としては、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t
−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネ
ート、t −ブチルパーオキシネオデカノエート、α−ク
ミルパーオキシネオデカノエート等の有機パーオキサイ
ド類;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−
アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化
合物等が挙げられる。
【0047】また、上記塩化ビニル(F)をグラフト重
合させる際には、重合中に重合槽内に付着するスケール
を減少させる目的で、上記アクリル系共重合体(E)の
分散溶液に凝集剤を添加してもよい。更に、必要に応じ
て、pH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0048】上記懸濁重合法としては、例えば、以下の
方法を用いることができる。すなわち、温度調整機、及
び、攪拌機付きの重合器に、純水、上記分散剤、上記重
合開始剤、アクリル系共重合体(E)、及び、必要に応
じて水溶性増粘剤、重合度調節剤からなる分散溶液を仕
込み、真空ポンプにより重合器内から空気を排除した
後、攪拌条件下で塩化ビニル(F)を重合器内に導入す
る。その後反応容器内を昇温し、所望の重合温度でグラ
フト重合を行う。このとき、重合温度は30〜90℃が
好ましく、重合時間は2〜20時間が好ましい。
【0049】上記した懸濁重合法では、ジャケット温度
を変えることにより反応容器内の温度、すなわち、重合
温度を制御することが可能である。反応終了後は、未反
応の塩化ビニル(F)を除去してスラリー状にし、更
に、脱水乾燥を行うことにより塩化ビニル系グラフト共
重合体を得ることができる。
【0050】上記の製造方法で得られた塩化ビニル系グ
ラフト共重合体は、アクリル系共重合体(E)の粒子の
界面の屈折率と塩化ビニル(F)の屈折率とが同一の範
囲にあるため透明性に優れるとともに、機械的強度や耐
衝撃性にも優れる。
【0051】上記塩化ビニル系グラフト共重合体の光線
透過率は、83%以上のものが好ましい。上記光線透過
率が83%未満の場合は、所望の透明性を得ることがで
きない場合がある。
【0052】上記塩化ビニル系グラフト共重合体のヘイ
ズ値は15%以下のものが好ましい。上記ヘイズ値が1
5%を超えると、充分な透明性を得ることができない場
合がある。
【0053】上記塩化ビニル系グラフト共重合体のシャ
ルピー衝撃値は80kgf・cm/cm2 以上のものが
好ましい。上記シャルピー衝撃値が80kgf・cm/
cm2を未満では、充分な耐衝撃性を得ることができな
い場合がある。
【0054】本発明の塩化ビニル系グラフト共重合体
は、その光線透過率が83%以上であり、ヘイズ値が1
5%以下であり、かつ、シャルピー衝撃値が80kgf
・cm/cm2 以上である。
【0055】上記光線透過率が83%未満の場合は、所
望の透明性を得ることができない場合があり、上記ヘイ
ズ値が15%を超えると、充分な透明性を得ることがで
きない場合があり、上記シャルピー衝撃値が80kgf
・cm/cm2 を未満では、充分な耐衝撃性を得ること
ができない場合がある。上記塩化ビニル系グラフト共重
合体は、上記特性を有しているため、透明性、耐衝撃
性、機械的強度に優れる。
【0056】上記塩化ビニル系グラフト共重合体を製造
する方法としては特に限定されず、例えば、上記した本
発明の塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法を用い
て製造することができる。
【0057】このような塩化ビニル系グラフト共重合体
は、上記特性を有しているため、透明性、耐衝撃性、機
械的強度を要する成形品に好適に用いられる。上記塩化
ビニル系グラフト共重合体を用いた成形品もまた本発明
の1つである。
【0058】上記塩化ビニル系グラフト共重合体を成形
することにより、本発明の成形品を得る場合には、必要
に応じて、熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸
化防止剤、光安定剤、顔料等の配合剤を添加してもよ
い。
【0059】上記熱安定剤としては特に限定されず、例
えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、
ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチ
ル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオク
チル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブ
チル錫ラウレートポリマー等の有機錫安定剤;ステアリ
ン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系
安定剤;カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系
安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0060】上記安定化助剤としては特に限定されず、
例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポ
キシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジ
エン、リン酸エステル等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0061】上記滑剤としては特に限定されず、例え
ば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコー
ル、ステアリン酸ブチル等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0062】上記加工助剤としては特に限定されず、例
えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアク
リレート/アルキルメタクリレート共重合体であるアク
リル系加工助剤等を挙げることができ、このような加工
助剤の具体例としては、n−ブチルアクリレート/メチ
ルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリ
レート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート
共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0063】上記酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0064】上記光安定剤としては特に限定されず、例
えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸
収剤;ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0065】上記顔料としては特に限定されず、例え
ば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ
系等の有機顔料;酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫
化物・セレン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0066】また、上記成形品を得る場合には、成形時
の加工性を向上させる目的で、上記塩化ビニル系グラフ
ト共重合体に可塑剤を添加してもよい。上記可塑剤とし
ては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルアジペート等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0067】上記した各種配合剤や可塑剤を上記塩化ビ
ニル系グラフト共重合体に混合する方法としては特に限
定されず、例えば、ホットブレンドによる方法、コール
ドブレンドによる方法等が挙げられる。また、上記塩化
ビニル系グラフト共重合体の成形方法としては特に限定
されず、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー
成形法、プレス成形法等が挙げられる。
【0068】このようにして得られた本発明の成形品
は、その光線透過率は83%以上が好ましく、ヘイズ値
は15%以下が好ましく、シャルピー衝撃値は80kg
f・cm 2 /cm以上が好ましい。
【0069】以上のように、本発明の塩化ビニル系グラ
フト共重合体は、透明性、耐衝撃性及び引っ張り強度に
優れており、しかもこれらの特性がバランスが非常に良
好である。従って、成形加工に使用される上記滑剤、安
定剤、顔料等を配合することにより、流動性よく加工を
行うことができ、上記特性を生かして透明性、高い衝撃
性、引っ張り強度等を要求される管工機材、建築部材、
住宅資材、異形断面を有する防音壁のような用途のみで
なく、高度な透明性が要求される各種プレートに好適に
使用することができる。
【0070】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0071】実施例1〜3アクリル系共重合体の製造 表1に示した、コア層、中間層及び最外層を形成するた
めのモノマー(以下、それぞれをコア層形成用モノマ
ー、中間層形成用モノマー、最外層形成用モノマーとい
う)をそれぞれ、所定量の純水、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート(TMPTA、多官能性モノマ
ー)、及び、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルアンモニウムサルフェート(乳化分散剤)と混合、攪
拌し、それぞれの乳化モノマーを調整した。なお、実施
例1においては、中間層は形成しておらず、TMPTA
の添加は、すべての層に(全体を通して)行った。ま
た、表中、nBAはn−ブチルアクリレートを表し、2
EHAは2−エチルヘキシルアクリレートを表し、St
はスチレンを表し、PVDCは、塩化ビニリデンを表
す。
【0072】次に、攪拌機及び還流冷却器を備えた反応
器に、純水を入れ、容器内の酸素を窒素により置換した
後、攪拌下で反応容器を70℃まで昇温した。昇温終了
後、反応器に開始剤(過硫酸アンモニウム)、及び、コ
ア層形成用モノマーの50%を一括して投入し、重合を
開始した。続いて、コア層形成用モノマーの残りを滴下
した。更に、コア層形成用モノマーの滴下が終了次第、
中間層形成用モノマー、及び、最外層形成用モノマーを
順次滴下した。全ての乳化モノマーの滴下を3時間で終
了し、その後、1時間の熟成期間をおいた後、重合を終
了して固形分濃度約30重量%のアクリル系共重合体の
粒子を得た。得られたアクリル系共重合体の粒子全体の
平均屈折率、界面の屈折率、及び、平均粒子径を下記の
評価方法により測定し、結果を表1に示した。
【0073】評価方法 粒子全体の平均屈折率 重合反応が終了した後に得られるアクリル系共重合体
(E)の分散溶液の屈折率を液体屈折率計で測定し、下
記計算式(2)を用いて算出した。 粒子全体の屈折率=〔(アクリル系共重合体(E)の分散溶液の屈折率−水の屈 折率)/アクリル系共重合体(E)の固形分比率〕+水の屈折率・・・(2)粒子の界面の屈折率 液浸法を用いて測定した。平均粒子径 アクリル系共重合体の粒子を光散乱粒度計にて測定し
た。
【0074】塩化ビニル系グラフト共重合体の製造 次いで、攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、得
られたアクリル系共重合体の粒子、純水、部分けん化ポ
リ酢酸ビニルの3%水溶液、t−ブチルパーオキシネオ
デカノエート、t−クミルパーオキシネオデカノエート
を一括投入し、その後、真空ポンプで反応器内の空気を
排出し、更に、攪拌しながら塩化ビニルを投入した後、
ジャケット温度の制御により重合温度64℃にて重合を
開始した。
【0075】約5時間後、反応器内の圧力が5kg/c
2 の圧力まで低下することで反応の終了を確認し、反
応を停止した。その後、未反応の塩化ビニルモノマーを
除去し、更に、脱水乾燥を行うことで、塩化ビニル系グ
ラフト共重合体を得た。得られた塩化ビニル系グラフト
共重合体の重合度、光線透過率、ヘーズ値、シャルピー
衝撃値、降伏強度を下記の評価方法により測定し、結果
を表1に示した。
【0076】評価方法重合度 得られた塩化ビニル系グラフト共重合体5gをテトラヒ
ドロフラン100gに溶解し、可溶部のみをメタノール
で析出させ、濾過後乾燥させた。乾燥終了後、不溶成分
について、JIS K 6721に準拠して重合度を測
定した。
【0077】光線透過率(%) 塩化ビニル系グラフト共重合体100重量部に対して、
有機錫系安定剤0.5重量部、モンタン酸系滑剤1.0
重量部を混合した樹脂組成物を200℃で3分間ロール
混練し、更に、200℃で3分間プレス成形して厚さ3
mmのプレス板を作製した。得られたプレス板を試料と
し、JIS K 6714に準拠して光線透過率を測定
した。なお、測定は、室温で行った。
【0078】ヘイズ値(%) 光線透過率を測定する際に作製したプレス板と同一のプ
レス板を試料とし、JIS K 7105に準拠してヘ
イズ値を測定した。なお、測定は、室温で行った。シャルピー衝撃値(kwf・cm/cm2 光線透過率を測定する際に作製したプレス板と同一のプ
レス板を試料とし、JIS K 7111に準拠してシ
ャルピー衝撃値を測定した。なお、測定は、23℃で行
った。
【0079】降伏強度(kwf/cm2 光線透過率を測定する際に作製したプレス板と同一のプ
レス板を試料とし、JIS K 7113に準拠して引
張強度試験を行い、降伏強度を測定した。なお、測定
は、23℃で行った。
【0080】比較例1〜3 表1に示すモノマーを用いた以外は、実施例1と同様に
してアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共
重合体について、実施例1と同様にして評価し、結果を
表1に示した。なお、TMPTAの添加は、すべての層
に(全体を通して)行った。得られたアクリル系共重合
体を用いて、実施例1と同様にして塩化ビニル系グラフ
ト共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体につい
て、実施例1と同様ににして評価し、結果を表1に示し
た。
【0081】
【表1】
【0082】実施例4〜11 表2に示すモノマーを用いた以外は、実施例1と同様に
してアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共
重合体について、実施例1と同様にして評価し、結果を
表2に示した。なお、TMPTAの添加は、すべての層
に(全体を通して)行った。得られたアクリル系共重合
体を用いて、実施例1と同様にして塩化ビニル系グラフ
ト共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体につい
て、実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示し
た。
【0083】
【表2】
【0084】比較例4〜9 表3に示すモノマーを用いた以外は、実施例1と同様に
してアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共
重合体について、実施例1と同様にして評価し、結果を
表3に示した。なお、TMPTAの添加は、すべての層
に(全体を通して)行った。得られたアクリル系共重合
体を用いて、実施例1と同様にして塩化ビニル系グラフ
ト共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体につい
て、実施例1と同様にして評価し、結果を表3に示し
た。
【0085】
【表3】
【0086】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系グラフト共重合体
の製造方法は、上述の構成よりなるので、透明性、耐衝
撃性、機械的強度等に優れるとともに、これら特性のバ
ランスに優れた塩化ビニル系グラフト共重合体を製造す
ることができる。また、本発明の塩化ビニル系グラフト
共重合体及びその成形品は、上述の構成よりなるので、
透明性、耐衝撃性、機械的強度等に優れるとともに、こ
れら特性のバランスに優れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BE022 BN121 EK046 EQ016 FD146 FD312 GP01 4J026 AA17 AA24 AA45 AA48 AA66 AC15 BA10 BB01 DA04 DA07 DA09 DB04 DB08 DB13 FA07 GA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系共重合体(E)1〜30重量
    %と塩化ビニル(F)70〜99重量%とをグラフト重
    合させる塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法であ
    って、前記アクリル系共重合体(E)は、単独重合体の
    ガラス転移温度が−140℃以上30℃未満である少な
    くとも1種の(メタ)アクリレートモノマー(A)と、
    他のラジカル重合性モノマー(B)とから構成されるア
    クリル系モノマー成分(C)100重量部と、多官能性
    モノマー(D)0.1〜30重量部とを共重合させるこ
    とにより得られる共重合体であり、前記アクリル系共重
    合体(E)の粒子の界面の屈折率は、1.52〜1.5
    5であることを特徴とする塩化ビニル系グラフト共重合
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合体(E)の粒子全体の
    平均屈折率は、1.52〜1.55であることを特徴と
    する請求項1記載の塩化ビニル系グラフト共重合体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 アクリル系共重合体(E)の粒子の界面
    の屈折率と前記粒子全体の平均屈折率とが一致すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の塩化ビニル系グラフ
    ト共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 光線透過率が83%以上であり、ヘイズ
    値が15%以下であり、かつ、シャルピー衝撃値が80
    kgf・cm/cm2 以上であることを特徴とする塩化
    ビニル系グラフト共重合体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3記載の製造方法を用いて得
    られる塩化ビニル系グラフト共重合体、又は、請求項4
    記載の塩化ビニル系グラフト共重合体を用いたことを特
    徴とする成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020070327A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 積水化学工業株式会社 塩素含有樹脂の製造方法、塩素含有樹脂及び塩素含有樹脂成形体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020070327A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 積水化学工業株式会社 塩素含有樹脂の製造方法、塩素含有樹脂及び塩素含有樹脂成形体

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