JP2000247033A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2000247033A
JP2000247033A JP11050108A JP5010899A JP2000247033A JP 2000247033 A JP2000247033 A JP 2000247033A JP 11050108 A JP11050108 A JP 11050108A JP 5010899 A JP5010899 A JP 5010899A JP 2000247033 A JP2000247033 A JP 2000247033A
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JP
Japan
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group
coupler
diazonium salt
heat
image
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JP11050108A
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Mitsuyuki Tsurumi
光之 鶴見
Kazunori Nigorikawa
和則 濁川
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジアゾニウム塩とカプラーとの反応により生
成する色素を利用して、非画像部の着色が抑制されてい
るとともに、画像部の色相が色鮮やかである画像の形成
が可能な感熱記録材料を提供することである。 【解決手段】 支持体上に、ジアゾニウム塩およびカプ
ラーを内包するマイクロカプセルと、塩基とを有する感
熱記録層を設けた感熱記録材料であって、前記ジアゾニ
ウム塩と前記カプラーとの、40℃における塩基非存在
下での反応速度定数が、0.01未満である感熱記録材
料である。好ましくは、前記ジアゾニウム塩と前記カプ
ラーとの、100℃における塩基存在下での反応速度定
数が、0.1以上である感熱記録材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
し、より詳細には、ジアゾニウム塩とカプラーとの反応
によって生成する色素を利用した感熱記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジアゾニウム塩は非常に化学的活性の高
い化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を
有する化合物などのカプラーと呼ばれる化合物と反応し
て容易にアゾ染料を形成すると共に、感光性をも有し、
光照射によって分解し、その活性を失う。そのため、ジ
アゾニウム塩は、ジアゾコピーに代表される光記録材料
として古くから利用されている(日本写真学会編「写真
工学の基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)8
9〜117、182〜201頁参照)。
【0003】最近では、光によって分解し活性を失うジ
アゾニウム塩の性質を利用して、画像の定着が要求され
る記録材料にもジアゾニウム塩が応用されるようになっ
てきている。その代表例として、ジアゾニウム塩とカプ
ラーとを画像信号に従って加熱し、反応させて画像を形
成させた後、光照射して該画像を定着する、光定着型感
熱記録材料も提案されている(佐藤弘次ら 画像電子学
会誌 第11巻 第4号(1982)290〜296頁
など)。ジアゾニウム塩を発色要素として用いた記録材
料においては、通常、マイクロカプセル等により、ジア
ゾニウム塩とカプラーとをあらかじめ隔離しておき、熱
の供与によって、双方の化合物を反応させて色素を形成
し、画像の形成を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記感熱記録
材料では、ジアゾニウム塩および/またはカプラーが、
記録層中で、近傍に存在する成分と副反応等することに
よって、画像の呈する色に濁りが生じる場合がある。ま
た、フルカラーの感熱記録材料は、通常、シアン発色
層、マゼンタ発色層、およびイエロー発色層を積層した
構成であるが、このような構成の感熱記録材料では、カ
プラーが層間を移動することがあり、混色が生じる場合
がある。さらに、近年、印画速度の高速化が進められて
おり、画像記録から光照射による画像定着までの時間を
短縮化する必要もある。
【0005】本発明は、前記従来における諸問題を解決
し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本
発明は、非画像部の長時間曝光後の着色が抑制されてい
るとともに、画像部の色相が色鮮やかである画像の形成
が可能な感熱記録材料を、ジアゾニウム塩とカプラーと
の反応により生成する色素を利用して提供することを目
的とする。また、画像定着に必要な積算光量を減らし、
画像定着に必要な時間の短縮化が可能な感熱記録材料を
提供することを目的とする。さらに、本発明は、混色の
ない、色鮮やかな多色用感熱記録材料を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記諸問題は、以下の本
発明により解決する。本発明は、支持体上に、ジアゾニ
ウム塩およびカプラーを内包するマイクロカプセルと、
塩基とを含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料であ
って、前記ジアゾニウム塩と前記カプラーとの、40℃
における塩基非存在下での反応速度定数が、0.01未
満である感熱記録材料である。ジアゾニウム塩とカプラ
ーとの、100℃における塩基存在下での反応速度定数
が、0.1以上であるのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の感熱記録材料は、感熱記録層に、
ジアゾニウム塩およびカプラーを内包するマイクロカプ
セルと、塩基とを含有する。本発明では、ジアゾニウム
塩とカプラーの40℃における塩基非存在下での反応速
度定数は0.01未満であるので、常温では、ジアゾニ
ウム塩とカプラーは反応せず、発色していない状態であ
る。この感熱記録層に、例えば、マイクロカプセル壁材
のガラス転移温度を超えるように熱を供与すると、塩基
がマイクロカプセル内に侵入等し、そのことによってジ
アゾニウム塩とカプラーとが反応し、熱の供与部分は発
色し、画像が形成される。その後、所望により、光照射
を行い、画像を定着させてもよい。
【0008】本発明では、ジアゾニウム塩とカプラーの
双方がマイクロカプセルに内包されていて、カプラーと
塩基とが隔離されているので、カプラーの解離や副反応
を抑えることが可能であり、それによって、非画像部の
着色を低減でき、光照射による画像定着時間を短縮化す
ることができる。また、保存時や画像書き込み時に、副
反応が起こるのを抑制することができるので、鮮明な色
相を呈する画像を形成することができる。さらに、ジア
ゾニウム塩とカプラーとを近傍に存在させることができ
るので、発色効率を向上させることができ、使用するカ
プラーの量を低減することができる。カプラー量を低減
できる効果により、感熱記録層の層厚を薄くすることが
できるので、その結果、画像の鮮明性をより向上させる
ことができるのと同時に、画像記録に要する熱エネルギ
ーを低減できる。また、多色用の多層構造の感熱記録材
料であっても、カプラーが層間を移動することがなく、
混色を防止することができる。
【0009】本発明では、ジアゾニウム塩とカプラーの
40℃における塩基非存在下での反応速度定数は、0.
01未満であり、好ましくは0.005未満である。同
条件における反応速度定数が0.01以上であると、マ
イクロカプセル化の際に、ジアゾニウム塩とカプラーと
の発色反応が起こってしまい、地肌部が着色してしま
う。また、生保存時にも発色反応が起こってしまい、画
像のかぶりが顕著になる。一方、画像記録から画像定着
までの時間を短縮化するという観点からは、ジアゾニウ
ム塩とカプラーとの、100℃における塩基存在下での
反応速度定数は、0.1以上であるのが好ましい。
【0010】ジアゾニウム塩とカプラーとの、40℃、
塩基非存在下における反応速度定数は、以下のようにし
て算出することができる。40℃において、ジアゾニウ
ム塩が8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液と、カプラ
ーが8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液とを、ストッ
プドフロー測定装置を用いて等量混合し、生成する色素
吸光度の時間変化を測定し、下記数式(1)から反応速
度定数を算出することができる。 数式(1) d[色素]/dt = k[ジアゾニウム塩] ただし、前記数式(1)において、kは、反応速度定数
(/s)を意味し、tは、時間(s)を意味し、[色
素]は、色素の生成モル量(mol)を意味し、[ジア
ゾニウム塩]は、初期のジアゾニウム塩のモル量(mo
l)を意味する。尚、100℃、塩基存在下における反
応速度定数は、100℃において、ジアゾニウム塩が8
×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液と、カプラーと塩基
が各々8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液とを、スト
ップドフロー測定装置を用いて等量混合し、吸光度の時
間変化を追跡することによって、同様に算出することが
できる。
【0011】本発明において、ジアゾニウム塩として
は、組み合わせられるカプラーとの反応速度定数が前記
範囲であり、かつ、加熱によりカプラーとカップリング
反応を起こして発色し、また光によって分解する化合物
である限り、公知のジアゾニウム塩から選択して使用す
ることができる。中でも、下記一般式(1)で表される
化合物が好ましい。 一般式(1) Ar−N2+ X- 前記一般式(1)において、Arは、芳香族部分を表
す。X- は、酸アニオンを表す。前記ジアゾニウム塩
は、Arで表される芳香族部分の置換基の位置や種類に
よって、その最大吸収波長λmax が異なる。本発明にお
いては、最大吸収波長λmax が330〜390nmであ
るジアゾニウム塩を用いるのが好ましい。最大吸収波長
λmax が、330nm未満であると、廉価な定着ランプ
で定着することが難しく、またそれらのランプの光は有
害であることが多く、一般用途の使用には向かない。ま
た、カプラーとの組合せにおいて画像定着性、画像保存
性の点で良好でないことがある。
【0012】本発明においては、ジアゾニウム塩(一般
式(1)で表される化合物)の中でも、発色色相、ジア
ゾニウム塩の安定性等の点で、下記一般式(2)で表さ
れる化合物が特に好ましい。 一般式(2)
【0013】
【化1】
【0014】前記一般式(2)において、R1 及びR2
は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表
す。R1 とR2 とは、互いに連結して複素環を形成して
もよいが、これらが同時に水素原子であることはない。
3 は、置換基を有していてもよい、アルキルオキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチ
オ基を表す。X- は、酸アニオンを表す。
【0015】前記ジアゾニウム塩の具体例としては、後
述する実施例において使用した化合物が特に好適に挙げ
られ、外にも、例えば、4−(N−(2−(2,4−ジ
−tert−アシルフェノキシ)ブチリル)ピペラジ
ノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジオクチルアミノベン
ゼンジアゾニウム、4−(N−(2−エチルヘキサノイ
ル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジヘキシ
ルアミノ−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、
4−N−エチル−N−ヘキサデシルアミノ−2−エトキ
シベンゾジアゾニウム、3−クロロ−4−ジオクチルア
ミノ−2−オクチルオキシベンゼンジアゾニウム等が好
適に挙げられる。
【0016】前記ジアゾニウム塩の前記感熱記録層中に
おける含有量として、0.02〜3.0g/m2 が好ま
しく、0.1〜2.0g/m2 がより好ましい。前記含
有量が、0.02g/m2 未満であると十分な発色濃度
が得られないことがあり、3.0g/m2 を超えると定
着に時間がかかる上、未印画部の定着後の着色が増加す
ることがある。
【0017】本発明において、カプラーとしては、組み
合わせて用いられるジアゾニウム塩との反応速度定数
が、前記範囲であることを条件に、公知のカプラーから
選択して使用することができる。例えば、カルボニル基
の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン化合
物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体などが挙げら
れる。
【0018】前記カプラーとしては、例えば、下記一般
式(3)で表されるピロロピリミジン化合物が好適に挙
げられる。 一般式(3)
【0019】
【化2】
【0020】前記一般式(3)中、R1 〜R4 は、水素
原子、ハロゲン原子、アリール基、アルキル基、シアノ
基、アシル基、置換カルバモイル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、置換スルファモイル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルホスホ
リル基、アリールホスホリル基、又は置換アミノ基を表
す。これらの中でも、R1 及びR2 で表される置換基と
しては、R1 及びR2 の少なくとも一方が、ハメットの
置換基定数σP の値が0.20以上の電子吸引性基であ
るのが好ましく、前記σP の値が0.35以上の電子吸
引性基であるのがより好ましい。
【0021】前記σP の値が0.20以上の電子吸引性
基の中でも、シアノ基(σP 値0.66)、パーフルオ
ロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基σP 値
0.54)、アシル基(例えば、アセチル基σP 値0.
50、ベンゾイル基σP 値0.43)、カルバモイル基
(σP 値0.36)などが好適例として挙げられるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原
子がより好ましい。
【0023】前記アリール基としては、炭素数6〜30
のアリール基が好ましい。前記アリール基は、アルキル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、置換カルバモイル基、置換スルフ
ァモイル基、置換アミノ基、置換オキシカルボモイル
基、置換オキシスルホニル基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、アリール基、ヒドロキシ基、アシル基、アシルオキ
シ基、置換スルホニルオキシ基、置換アミノカルボニル
オキシ基、置換ホスホリルオキシ基等により置換されて
いてもよい。
【0024】前記アルキル基としては、炭素数1〜30
のアルキル基が好ましい。前記アルキル基は、直鎖状で
もよいし分岐状でもよく、不飽和結合を有していてもよ
く、更にアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリール
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子等により置換されてい
てもよい。
【0025】前記アシル基としては、炭素原子数2〜2
0のアシル基が好ましい。前記置換カルバモイル基とし
ては、炭素数1〜30の置換カルバモイル基が好まし
い。前記置換カルバモイル基には、カルバモイル基、N
−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル
基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N,N−ジア
リールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカ
ルバモイル基等が含まれる。
【0026】前記アルコキシカルボニル基としては、炭
素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前
記アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜3
0のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記アシ
ルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基
が好ましい。前記アルコキシ基としては、炭素数1〜3
0のアルコキシ基が好ましい。前記アリールオキシ基と
しては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好まし
い。前記アルキルチオ基としては、炭素数1〜30のア
ルキルチオ基が好ましい。前記アリールチオ基として
は、炭素数6〜30のアリールチオ基が好ましい。
【0027】前記置換スルファモイル基としては、炭素
数1〜30の置換スルファモイル基が好ましい。前記置
換スルファモイル基には、スルファモイル基、N−アル
キルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル
基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N,N−ジ
アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリー
ルスルファモイル基が含まれる。
【0028】前記アルキルスルホニル基としては、炭素
数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましい。前記ア
リールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリー
ルスルホニル基が好ましい。前記アルキルホスホリル基
としては、炭素数2〜40のアルキルホスホリル基が好
ましい。前記アリールホスホリル基としては、炭素数1
2〜50のアリールホスホリル基が好ましい。
【0029】前記置換アミノ基としては、炭素数0〜5
0の置換アミノ基が好ましい。前記置換アミノ基には、
アミノ基、N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ
基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、
N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミ
ノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N,N−
ジスルホニルアミノ基等が含まれる。
【0030】一般式(3)で表されるカプラー以外に
も、例えば、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレ
ン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ
−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキ
シ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキ
シ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−
エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ
−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミ
ド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキ
シ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン
酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフ
タレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジ
ヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ
酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナ
フトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフト
エ酸アニリド、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキ
サンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2
−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロ
ヘキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニ
ル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ
−n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキ
サンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール
酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−
n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール
酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチル
オキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オ
クタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、
1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−
(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−
5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニ
ル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロ
キシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキ
シル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルア
セトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルア
セトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリ
ル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、
ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリ
ド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイ
ル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2
−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−
メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−
2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセ
チル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロ
ピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフ
ェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾー
ル等が好適に挙げられる。
【0031】前記カプラーの詳細については、特開平4
−201483号、特開平7−223367号、特開平
7−223368号、特開平7−323660号、特願
平5−278608号、特願平5−297024号、特
願平6−18669号、特願平6−18670号、特願
平7−316280号、特願平8−027095号、特
願平8−027096号、特願平8−030799号、
特願平8−12610号、特願平8−132394号、
特願平8−358755号、特願平8−358756
号、特願平9−069990号等の公報に記載されてい
る。
【0032】前記カプラーの感熱記録層中の含有量とし
ては、通常0.02〜5g/m2 であり、0.1〜4g
/m2 が好ましい。前記含有量が、0.02g/m2
満であると発色性が十分でないことがあり、5g/m2
を超えると塗布適性が十分でないことがある。
【0033】塩基は、感熱記録層中、マイクロカプセル
外に含有され、熱の供与により、マイクロカプセル壁材
が、透過性となった際に、マイクロカプセル壁内に侵入
し、ジアゾニウム塩とカプラーとの反応を促進させるも
のであれば、制限なく使用することができる。前記塩基
としては、そのpKaが、4〜13であるのが好まし
く、5〜12であるのがより好ましい。pKaが、4未
満の塩基を用いると、ジアゾニウム塩とカプラーとの反
応が進行しない場合があり、13を超えるとジアゾニウ
ム塩を分解してしまうことがある。
【0034】本発明において、塩基としては、第3級ア
ミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、フ
ォルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホ
リン類等の有機塩基が好適に挙げられる。より具体的に
は、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシ
プロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メ
チルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジ
ン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)
−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビ
ス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペ
ラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2
−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナ
フトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピ
ペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジ
ノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼンなど
のピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−
ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス〔(3
−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベン
ゼン、1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキ
シ)プロピルオキシ〕ベンゼンなどのモルホリン類、N
−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリ
ジン、N−ドデシルピペリジンなどのピペリジン類、ト
リフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジ
ン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン、4−ヒドロ
キシ安息香酸2−N−メチル−N−ベンジルアミノエチ
ルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸2−N,N−ジ−
n−ブチルアミノエチルエステル、4−(3−N,N−
ジブチルアミノプロポキシ)ベンゼンスルホンアミド、
4−(2−N,N−ジブチルアミノエトキシカルボニ
ル)フェノキシ酢酸アミド等が挙げられる。これらの詳
細については、特開昭57−123086号公報、特開
昭60−49991号公報、特開昭60−94381号
公報、特願平7−228731号、特願平7−2351
57号、特願平7−235158号等に記載されてい
る。
【0035】また、前記塩基の特に好ましい具体例とし
ては、後述する実施例において使用する化合物が挙げら
れるが、外にも下記の化合物が挙げられる。
【0036】
【化3】
【0037】前記塩基は、1種単独で用いてもよいし、
2種以上を併用してもよい。前記塩基の前記感熱記録層
中の含有量としては、特に限定されるものではないが、
前記ジアゾニウム塩1モルに対して0.5〜30モルが
好ましい。
【0038】なお、本発明における前記ジアゾニウム
塩、前記カプラー及び前記塩基の好ましい組合せとして
は、後述する実施例において採用したこれらの組合せが
好適に挙げられる。
【0039】本発明において、その他の成分として、発
色反応を促進させる目的のために発色助剤を用いること
ができる。前記発色助剤としては、フェノール誘導体、
ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコ
キシ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合物、カルボン酸
アミド化合物、スルホンアミド化合物等が挙げられる。
これらを用いると、前記カプラー又は前記塩基の融点を
低下させるか、あるいは、前記ジアゾニウム塩のマイク
ロカプセル壁の熱透過性を向上させられる結果、高い発
色濃度が得られるものと推測される。また、その他の成
分として、有機又は無機顔料、各種安定化剤、酸化防止
剤なども挙げられる。さらに、発色反応を促進させる目
的のため、有機または無機の塩を添加することができ
る。前記塩としては、酢酸塩、乳酸塩、炭酸塩、硫酸
塩、硝酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。具体
的には、酢酸塩として酢酸カルシウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸バリウム等
があり、炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸カルシウム等があり、その他トリエタノールア
ミン塩酸塩等がある。これらの有機または無機の塩は、
発色反応を促進させる観点から感熱記録層中にカプラー
の0.01倍〜1倍モル含有させることが望ましい。こ
れらの有機または無機の塩がどのような作用で発色反応
を促進させるかは不明であるが、発色反応そのものを速
くする効果があるものとは思われる。尚、これらのその
他の成分は、マイクロカプセルに内包させても、マイク
ロカプセル外に塩基とともに存在させてもよい。
【0040】本発明の感熱記録材料において、ジアゾニ
ウム塩およびカプラーは、マイクロカプセルに内包され
ている。ジアゾニウム塩およびカプラーをマイクロカプ
セルに内包させる方法(以下「マイクロカプセル化法」
と称することがある)としては、特に限定されるもので
はなく、ゼラチン、ポリウレア、ポリウレタン、ポリイ
ミド、ポリエステル、ポリカーボネート、メラミン等の
壁材を用いて従来公知の方法を採用することができる。
前記マイクロカプセル化法の詳細については、特開平2
−141279号公報等に記載されている。マイクロカ
プセルの壁材についても特に制限はなく、常温では物質
非透過性であり、熱の供与によって物質透過性となる壁
材であれば、いずれも使用することができる。
【0041】また、マイクロカプセル化の際に、ジアゾ
ニウム塩およびカプラーの分散溶媒として、高沸点の有
機溶媒を使用してもよい。この有機溶媒に関しては、特
に制限はないが、フタル酸アルキル、リン酸エステル、
クエン酸エステル、安息香酸エステル、アルキルアミ
ド、脂肪族エステル、トリメシン酸エステル等の従来よ
り公知のものを使用することができる。その詳細につい
ては、特開平7−17145号公報等に記載されてい
る。
【0042】本発明の感熱記録材料は、例えば、以下の
ようにして作製することができる。前記マイクロカプセ
ル化法によって調製したジアゾニウム塩とカプラーとを
内包するマイクロカプセルの分散液と、前記塩基、所望
により前記その他の成分、及び後述のバインダーを含有
する塗布液を調製し、これを支持体上に、バー塗布、ブ
レード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコ
ーティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテ
ン塗布等の塗布方法により塗布・乾燥して固形分2〜3
0g/m2 の感熱記録層を設けることにより、感熱記録
材料を作製することができる。感熱記録層の層厚は、2
μm〜15μmであるのが好ましく、2μm〜10μm
であるのがより好ましい。尚、塩基は、塗布液の調製の
前に、あらかじめ、その他の成分と共に水溶性高分子を
添加して、サンドミル等により固体分散させ、これを塗
布液の調整に用いてもよいし、適当な乳化助剤と共に乳
化分散して用いることもできる。固体分散方法及び乳化
分散方法に関しては特に限定されるものではなく、従来
公知の方法を使用することができる。これらの方法の詳
細については、特開昭59−190886号公報、特開
平2−141279号公報、特開平7−17145号公
報に記載されている。
【0043】前記感熱記録層にはバインダーが使用され
るが、該バインダーとしては、特に限定されるものでは
なく、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロ
ース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ゼラチン、スチレン−アクリル酸共重合体等、従来
公知のバインダーが挙げられる。その詳細については、
特開平2−141279号公報等に記載されている。
【0044】前記支持体としては、従来公知の支持体を
用いることができる。具体的には、中性紙、酸性紙、再
生紙、ポリオレフィン樹脂ラミネート紙、合成紙、ポリ
エステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセル
ロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルムやポリエチレンフィルム等のポリオレ
フィンフィルム等が挙げられ、これらを単体で、あるい
は貼り合わせて用いることができる。前記支持体の厚み
としては、20〜200μmのものが用いられる。
【0045】本発明の感熱記録材料においては、感熱記
録層以外に、中間層を設けることができる。前記中間層
は、前記支持体と前記感熱記録層との間に設けることが
できる。前記中間層については、例えば特開昭61−5
4980号公報等に記載されている。また、前記その他
の層として、保護層を設けることもできる。前記保護層
は、前記感熱記録層上に設けることが好ましい。前記保
護層は、通常、水溶性高分子化合物、顔料などから構成
される。前記保護層中に耐光性と光定着性との両立の観
点から、紫外線透過率調整機能を有する化合物を含有さ
せることが好ましい。この紫外線透過率調整機能を有す
る化合物を含有させた感熱記録材料については、特開平
7−276808号公報に詳細に記載されている。
【0046】本発明の感熱記録材料は、2種以上の色相
を呈する感熱記録層を複数設けることによって、多色用
感熱記録材料とすることができる。本発明では、カプラ
ーがジアゾニウム塩とともにマイクロカプセルに内包さ
れているので、各層のカプラーが層間を相互に移動する
ことによって生じる混色が抑制された、鮮明な多色画像
を形成できる。尚、この多色の感熱記録材料(感熱記録
材料)については、特開平4−135787号公報、同
4−144784号公報、同4−144785号公報、
同4−194842号公報、同4−247447号公
報、同4−247448号公報、同4−340540号
公報、同4−340541号公報、同5−34860号
公報等に記載されている。
【0047】多色の感熱記録材料の層構成としては特に
限定されるものではないが、一例として、感光波長が異
なる2種のジアゾニウム塩と、各々のジアゾニウム塩と
熱時反応して異なった色相に発色するカプラーとを組合
せた感熱記録層2層(B層、C層)と、電子供与性無色
染料と電子受容性化合物とを組合せた感熱記録層(A
層)とを積層した多色感熱記録材料が挙げられる。具体
的には、支持体上に電子供与性無色染料と電子受容性化
合物とを含む第1の感熱記録層(A層)、最大吸収波長
360nm±30nmであるジアゾニウム塩と該ジアゾ
ニウム塩と塩基の存在下で熱時反応して呈色するカプラ
ーとを含有するマイクロカプセルと、塩基とを含有する
第2の感熱記録層(B層)、最大吸収波長400±30
nmであるジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と塩基の
存在下で熱時反応して呈色するカプラーとを含有するマ
イクロカプセルと、塩基とを含有する第3の感熱記録層
(C層)とするものである。この例において、各感熱記
録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、
マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラ
ーの画像記録が可能となる。
【0048】この多色の感熱記録材料の記録方法は、ま
ず第3の感熱記録層(C層)を加熱し、該層に含まれる
ジアゾニウム塩とカプラーとを発色させる。次に400
±30nmの光を照射してC層中に含まれている未反応
のジアゾニウム塩を分解させ光定着させた後、第2の感
熱記録層(B層)が発色するに十分な熱を与え、該層に
含まれているジアゾニウム塩とカプラーとを発色させ
る。このときC層も同時に強く加熱されるが、すでにジ
アゾニウム塩は分解しており(光定着されている)、発
色能力が失われているので発色しない。さらに360±
30nmの光を照射してB層に含まれているジアゾニウ
ム塩を分解して、最後に第1の感熱記録層(A層)が発
色するのに十分な熱を与えて発色させる。このときC
層、B層の感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すで
にジアゾニウム塩は分解しており発色能力が失われてい
るので発色しない。
【0049】また、すべての感熱記録層(上層から順
に、A層、B層、C層)を、感光波長が異なる3種のジ
アゾニウム塩と、各々のジアゾニウム塩と熱時反応して
異なった色相に発色するカプラーとを組み合わせた感熱
記録層から構成することもできる。特に、視感度の低い
イエロー層を最下層にすることで、支持体の面上の粗さ
に起因する画質への影響を減らすことにより画質向上を
目指す場合にこのような層構成が必要となる。すべての
感熱記録層(A層、B層、C層)を、ジアゾ系の感熱記
録層とした場合には、A層とB層は、発色させた後に光
定着を行うことが必要である。C層に関しては、光定着
を行う必要はない。尚、本発明の感熱記録材料が、2以
上の感熱記録層を有し、該感熱記録層がジアゾニウム塩
とカプラーとの反応によって生じる色素を利用する態様
であっても、すべての感熱記録層がジアゾニウム塩とカ
プラーとを内包しているマイクロカプセルを有している
必要はなく、少なくとも1つの感熱記録層が、ジアゾニ
ウム塩とカプラーとを内包するマイクロカプセルを有し
ていればよい。
【0050】上記の光定着に用いられる定着用光源とし
ては、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯などが用
いられる。この発光スペクトルは、感熱記録材料で用い
たジアゾニウム塩化合物の吸収スペクトルとほぼ一致し
ていることが、効率よく光定着させることができるので
好ましい。
【0051】本発明においては、感熱記録材料を原稿を
通して露光し、画像形成部以外のジアゾニウム塩を分解
して潜像を形成させた後、該感熱記録材料の全体を加熱
して熱現像し画像を得るといった熱現像型の感熱記録材
料として設計することも可能である。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例によって何ら限定されるものではな
い。なお、実施例中の「部」は総て重量部を意味する。 (実施例1) (感熱記録層用塗布液の調製) −ジアゾニウム塩およびカプラーのカプセル液の調製− ジアゾニウム塩として365nmに分解の最大吸収波長
を持つ下記構造式1で表される化合物を1.5部、カプ
ラーとして下記構造式2で表される化合物を2.1部、
および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン
−1−オン(チバ・ガイギー社製、イルガキュア65
1)0.6部を、酢酸エチル16部に溶解した。前記ジ
アゾニウム塩とカプラーとの40℃での塩基非存在下に
おける反応速度定数(以下、「K40」という。)を、後
述する方法で測定した結果、0.01未満であった。ま
た、前記ジアゾニウム塩とカプラーとの100℃での塩
基存在下における反応速度定数(以下、「K100」とい
う。)を、後述する方法で測定した結果、0.1以上で
あった。
【0053】
【化4】
【0054】この溶液に、更に高沸点溶媒であるリン酸
トリクレジル12.1部を添加し、加熱して均一に混合
した。この溶液に、カプセル壁剤として、キシリレンジ
イソシアナート/トリメチロールプロパン付加物(75
%酢酸エチル溶液、武田薬品工業(株)製、タケネート
D110N)10.9部を更に添加し、均一に撹拌し
た。別途、6重量%ゼラチン(ニッピゼラチン工業社
製、MGP−9066)水溶液83部を用意し、これ
に、先のジアゾニウム塩およびカプラーの溶液を添加
し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液
に水20部を加え均一化した後、撹拌しながら40℃に
昇温し、3時間カプセル化反応を行わせた。この後、3
5℃に液温を下げ、イオン交換樹脂(オルガノ社製、ア
ンバーライトIRA68)10部、イオン交換樹脂(オ
ルガノ社製、アンバーライトIRC50)20部を加え
更に一時間撹拌した。この後、イオン交換樹脂をろ過し
て目的のジアゾニウム塩およびカプラーを内包するマイ
クロカプセルの液を調製した。マイクロカプセルの平均
粒径は、1.2μmであった。
【0055】−塩基の乳化分散液の調製− 塩基として下記構造式3で表される化合物を5.0部、
下記構造式4で表される化合物を3.2部、および4,
4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノ
ール5.8部を、酢酸エチル33部に溶解し、更に高沸
点溶媒であるリン酸トリクレジル6.1部、およびバイ
オニンA41C(竹本油脂社製)1.4部を添加した
後、加熱し均一に混合した。これを、別途8重量%ゼラ
チン(新田ゼラチン社製、#750ゼラチン)水溶液8
1部中に加えてホモジナイザーにて乳化分散した。この
乳化液より残存する酢酸エチルを蒸発させ目的とするカ
プラー乳化分散液を調製した。
【0056】
【化5】
【0057】−感熱記録層用塗布液の調製− 前記ジアゾニウム塩およびカプラーを内包するマイクロ
カプセル液、前記塩基乳化分散液、更にスチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR:住友ノーガタック社製、SN30
7)をそれぞれ、ジアゾニウム塩化合物/スチレン−ブ
タジエンゴムの比率が1/6.4となるように混合し、
目的の感熱記録層用塗布液を調製した。
【0058】(保護層用塗布液の調製)5.0重量%イ
タコン酸変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、
KL−318)水溶液61部に、20.5重量%ステア
リン酸亜鉛分散液(中京油脂社製、ハイドリンF11
5)を2.0重量部添加し、C1225O(CH2CH
2O)Hの2重量%水溶液8.4部、フッ素系離型剤
(ダイキン社製、ME−313)8.0部、及び小麦粉
澱粉(籠島澱粉社製、KF−4)0.5部を添加し、均
一に撹拌した。これを「母液」と称することにする。別
途、イオン交換した20重量%カオグロス(白石工業社
製)水溶液12.5部、ポイズ532A(花王社製)
0.06部、ハイドリンZ−7(中京油脂社製)1.8
7部、10重量%ポリビニルアルコール(クラレ社製、
PVA105)1.25部、及び、2重量%ドデシルス
ルホン酸ナトリウム水溶液0.39部を混合し、ダイノ
ミルにて微分散を行った。この液を「顔料液」と称する
ことにする。前記母液80部に、前記顔料液4.4部を
加えて30分以上撹拌した。その後、Wetmaste
r500(東邦化学社製)2.8部を添加し、更に30
分以上撹拌して目的とする保護層用塗布液を調製した。
【0059】(感熱記録材料の作製)上質紙上にポリエ
チレンをラミネートした印画紙用支持体上に、メイヤー
バーで前記感熱記録層用塗布液、前記保護層用塗布液の
順に順次塗布し乾燥して目的の感熱記録材料を得た。固
形分としての塗布量は1m2 当たり各々8.33g、
1.23gであった。
【0060】実施例1で用いたジアゾニウム塩とカプラ
ーとの、40℃での塩基非存在下における反応速度定
数、および、ジアゾニウム塩とカプラーとの、100℃
での塩基存在下における反応速度定数を、以下のように
して算出した。 <カップリング反応定数>40℃において、ジアゾニウ
ム塩(構造式1)が8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶
液と、カプラー(構造式2)が8×10-5モル濃度の酢
酸ブチル溶液とをストップドフロー測定装置(大塚電子
社製、RA−401)を用いて等量混合し、生成する色
素吸光度の時間変化を測定し、下記数式(1)からカッ
プリング速度定数を算出した。 数式(1) d[色素]/dt = k[ジアゾニウム塩] ただし、前記数式(1)において、kは、カップリング
速度定数(/s)を意味し、tは、時間(s)を意味
し、[色素]は、色素の生成モル量(mol)を意味
し、[ジアゾニウム塩]は、初期のジアゾニウム塩のモ
ル量(mol)を意味する。また、100℃、前記塩基
存在下における反応速度定数は、前記ジアゾニウム塩が
8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液と、前記カプラー
と前記塩基が各々8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液
とを、ストップドフロー測定装置を用いて等量混合し、
吸光度の時間変化を追跡することによって、同様に算出
した。
【0061】<熱記録による発色濃度>サーマルヘッド
(京セラ製、KST型)を用い、得られた感熱記録材料
につき、以下のように熱記録を行い、その発色濃度を評
価した。即ち、単位面積当たりの記録エネルギーが62
mJ/mm2 となるようにサーマルヘッドに対する印加
電力、パルス幅を決め、該感熱記録材料に印字を行った
ところ、シアン色に発色し、発色色素の最大吸収波長λ
max は600nm以上であった。印字終了6秒後に該感
熱記録材料を、発光中心波長365nm、出力40wの
紫外線ランプ下に15秒間曝し、定着を行った。このよ
うにして熱記録を行った感熱記録材料の画像部における
色相の鮮明性、非画像部の着色、熱記録から画像定着ま
でに必要な時間を以下の方法により評価した。評価結果
を表1に示す。
【0062】(1)画像部の色相の鮮明性 形成された画像部の反射スペクトルを、分光光度計UV
3100(島津製作所製)で測定した。一方、実施例1
で用いたジアゾニウム塩およびカプラーを用いて合成し
た色素を支持体上に塗布し、スペクトルの測定を同様に
行った。双方の測定結果を比較し、双方のスペクトル曲
線が近似している程、色相の鮮明性が良好であるとして
評価した。
【0063】(2)非画像部の着色 形成された画像を定着後、非画像部のシアン濃度および
イエロー濃度を、マクベス濃度計(「反射濃度計RD9
18」、マクベス社製)を用いて測定した。次に、蛍光
灯で32000luxの照度で24hr曝光し、非画像
部のイエロー濃度について、同様に測定した。
【0064】(3)熱記録から画像定着までに要する時
間 実施例1で得られた感熱記録材料を、前記の様に印字し
た後、20分後に発光中心波長365nm、出力40w
の紫外線ランプ下に15秒間曝し、定着を行った。熱記
録が行われた感熱記録材料における画像部の発色濃度
を、マクベス濃度計(「反射濃度計RD918」、マク
ベス社製)を用いて測定した。前記の様に、印字終了後
6秒後に定着開始して形成された画像の発色濃度1と、
20分後に定着開始して形成された画像の発色濃度2を
測定し、その濃度差を求め、濃度差の小さいものは、印
字後定着までの時間を短縮できるものとして評価した。
【0065】(実施例2)実施例1において、カプラー
として用いた化合物を、下記構造式5で表される化合物
に変更した以外は、実施例1と同様に感熱記録材料を作
製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1
に示す。尚、前記方法により測定した構造式1で表され
るジアゾニウム塩と、構造式5で表されるカプラーのK
40は、0.01未満であり、K100は、0.1以上であ
った。
【0066】
【化6】
【0067】(比較例1)実施例1において、ジアゾニ
ウム塩を下記構造式6で表される化合物に変更し、カプ
ラーを下記構造式7で表される化合物に変更した以外
は、実施例1と同様に感熱記録材料を作製し、実施例1
と同様の評価を行った。前記方法により測定した構造式
6で表されるジアゾニウム塩と、構造式7で表されるカ
プラーのK40は0.01以上であり、K100は0.1以
上であった。評価結果を表1に示す。但し、この感熱記
録材料の作製中、マイクロカプセル形成工程でジアゾニ
ウム塩と、カプラーとの発色反応が進行した。その結
果、画像形成後、非画像部の濃度を実施例1と同様に測
定したが、非画像部の発色濃度は1.6であった。
【0068】
【化7】
【0069】
【表1】
【0070】表1の結果より、実施例1および実施例2
の感熱記録材料は、画像部の色相が色鮮やかであり、非
画像部の着色は低いことが実証された。また、熱記録か
ら画像定着までの時間も非常に短いことが実証された。
【0071】
【発明の効果】本発明によると、非画像部の長時間曝光
後の着色が抑制されているとともに、画像部の色相が色
鮮やかである画像の形成が可能な感熱記録材料を、ジア
ゾニウム塩とカプラーとの反応により生成する色素を利
用して、提供することができる。また、画像定着に必要
な積算光量を減らし、画像定着に必要な時間の短縮化が
可能な感熱記録材料を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ジアゾニウム塩およびカプ
    ラーを内包するマイクロカプセルと、塩基とを含有する
    感熱記録層を設けた感熱記録材料であって、前記ジアゾ
    ニウム塩と前記カプラーとの40℃における塩基非存在
    下での反応速度定数が、0.01未満である感熱記録材
    料。
  2. 【請求項2】 ジアゾニウム塩とカプラーとの、100
    ℃における塩基存在下での反応速度定数が、0.1以上
    である請求項1に記載の感熱記録材料。
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