JP2000015933A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2000015933A
JP2000015933A JP10184496A JP18449698A JP2000015933A JP 2000015933 A JP2000015933 A JP 2000015933A JP 10184496 A JP10184496 A JP 10184496A JP 18449698 A JP18449698 A JP 18449698A JP 2000015933 A JP2000015933 A JP 2000015933A
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JP
Japan
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group
coupler
heat
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diazonium salt
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JP10184496A
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English (en)
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Naoto Yanagihara
直人 柳原
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れている感熱記録材料を提供
する。さらに、多色用の積層型構造の感熱記録材料であ
る場合にも、混色を起こさず多色の画像を形成し得る、
色分離性に優れている感熱記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体と、ジアゾニウム塩とカプラーの
双方を内包するマイクロカプセルと脱酸剤とを含有する
感熱記録層とを有する感熱記録材料である。好ましく
は、前記カプラーが下記一般式(1)で示される4級塩
複素環化合物である感熱記録材料である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
し、より詳細には、ジアゾニウム塩とカプラーとの反応
により生成するアゾ染料を発色成分として用いる感熱記
録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ジアゾニウム塩とカプラーと
が反応し、種々の色相を有するアゾ染料を生成するこ
と、および、ジアゾニウム塩に光を照射すると、分解
し、その活性を失うことが知られている。近年、このよ
うなジアゾニウム塩とカプラーの性質は、多色感熱記録
材料に利用されている。
【0003】例えば、シアン、イエロー、およびマゼン
タ発色層を順次積層し、各々の発色層を独立に発色する
ことによって、フルカラーの発色を可能にした感熱記録
材料が提案されている。この感熱記録材料の構成は、支
持体上に、ジアゾニウム塩1を内包するマイクロカプセ
ルとカプラー1とを含有する感熱記録層(シアン発色
層)、その上に、ジアゾニウム塩2を内包するマイクロ
カプセルとカプラー2とを含有する感熱記録層(イエロ
ー発色層)、さらにその上に、ジアゾニウム塩3を内包
するマイクロカプセルとカプラー3とを含有する感熱記
録層(マゼンタ発色層)を順次積層したものである。各
々の層に含有されるジアゾニウム塩とカプラーは、各々
の反応によって、シアン、マゼンタ、イエローを発色す
るアゾ染料が生成されるように組み合わせられている。
画像書き込みは、マゼンタ発色層、イエロー発色層、シ
アン発色層の順で行われるが、より下層の画像書き込み
時に、上層のジアゾニウム塩とカプラーが反応して発色
するのを防止するため、マゼンタ発色層の画像書き込み
が終了した際には、波長λ3の光を照射し、ジアゾニウ
ム塩3を分解させている。さらに、イエロー発色層の画
像書き込みが終了した際にも、波長λ2の光が照射さ
れ、ジアゾニウム塩2を分解している。この構成の感熱
記録材料によれば、シアン、イエロー、マゼンタを各々
独立に発色させることができるので、これらの色の組み
合わせによりフルカラーの画像記録を実現することがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の感熱記録材
料においては、通常、ジアゾニウム塩とカプラーとの反
応を促進する目的で、塩基性物質等の発色助剤を感熱記
録層中に含有させている。そのため、各感熱記録層中に
カプラーと塩基性物質等とが共存することになり、その
結果、感熱記録材料を長期保存すると、感熱記録層中の
カプラーが変質することがあり、感熱記録材料の保存安
定性を低下させる原因となっている。また、感熱記録材
料を保存している間あるいは使用している間に、カプラ
ーが層間を拡散移動することがあり、多色画像記録の際
の混色の原因となっている。
【0005】本発明は、前記問題点に鑑みなされたもの
であって、保存安定性に優れている感熱記録材料を提供
することを目的とする。さらに、多色用の積層型構造の
感熱記録材料である場合にも、混色を起こさず多色の画
像を形成し得る、色分離性に優れている感熱記録材料を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の感熱記録材料は、支持体と、ジアゾニウム
塩とカプラーの双方を内包するマイクロカプセルと脱酸
剤とを含有する感熱記録層とを有する構成とした。
【0007】本発明の感熱記録材料は、ジアゾニウム塩
とカプラーの双方がマイクロカプセルに内包されている
ので、塩基性化合物等の発色助剤を感熱記録層(カプセ
ル外)に含有させても、発色助剤との接触によるカプラ
ーの経時的変質を防止することができ、保存安定性が高
い。また、本発明の感熱記録材料は、多層構造であって
も、カプラーが層間を拡散移動することがないので、混
色することなく多色のの画像を形成することができる。
【0008】カプラーとして、下記一般式(1)で示さ
れる複素環4級塩化合物を用いると、保存性および定着
性の高い高彩度な画像を形成できるので好ましい。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、XおよびYは同一でも異なっても
よく、C、N、O、P、およびSよりなる群から選ばれ
る原子を示し、XとYは連結基を介して結合する。Rは
置換基を有していてよいアルキル基、アリール基または
アラルキル基を示す。X、Y、およびXとYを連結する
連結基は置換基を有していてもよく、また上記式で示さ
れる複素環にはさらに環が縮合していてもよい。A-
対アニオンを示す。)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態を挙げ
て詳細に説明する。カプラー 本発明において、カプラーとジアゾニウム塩はともにマ
イクロカプセルに内包されているので、常温では両化合
物はカップリング反応せず、発色助剤が供与されてはじ
めてカップリング反応が開始するように、両化合物の組
み合わせを選択する必要がある。常温でジアゾニウム塩
とカップリング反応するカプラーであっても、マイクロ
カプセル内の雰囲気を調製することによって(例えば、
マイクロカプセル内の溶液を酸性に保つ等)、ジアゾニ
ウム塩との反応を抑制することができれば、好適に用い
ることができる。
【0012】本発明に用いられるカプラーとしては、以
下の一般式(1)で示される4級塩複素環化合物が好ま
しい。以下の4級塩複素環化合物は、塩基性雰囲気また
は脱酸剤の存在下でないと、常温でジアゾニウム塩と反
応しないので、マイクロカプセル内の雰囲気を中性〜酸
性に保つことにより、ジアゾニウム塩との反応を抑制
し、非画像部が発色してしまうのを(地肌部の汚れを)
防止することができる。
【0013】前記一般式(1)で示される4級塩複素環
化合物において、Rとしては炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数7〜11のア
ラルキル基が好ましい。また、アルキル基は分岐してい
ても不飽和結合を鎖中に有していてもよい。一般式
(1)で表される化合物のRのアルキル基、アリール基
またはアラルキル基が置換基を有する場合の置換基とし
ては、アルコキシ基、アルールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリー
ルオキシカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、ハロゲン原子
が好ましい。
【0014】XおよびYは同一でも異なってもよく、
C、N、O、P、およびSよりなる群から選ばれる原子
を示す。また、XとYを連結する連結基を構成する原子
群は炭素、窒素等が挙げられる。また、前記式中、X、
Y、およびXとYを連結する連結基は置換基を有してい
てもよい。これらの置換基としてはアルキル基、アリー
ル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アミノ
基、等が挙げられる。また、前記一般式(1)で示され
る複素環には、さらにベンゼン環等の環が縮合してもよ
く、縮合する環は複素環であってもよい。
【0015】A- で示される対アニオンとしては、4級
塩複素環カチオンと塩を形成できるものであればいずれ
のアニオンであってもよいが、Cl- 、Br- 、I-
炭素数1〜20のスルホン酸アニオン、炭素数2〜21
のカルボン酸アニオン、アルキル硫酸イオン、P
6 - 、BF4 - 等が好ましい。中でも、対アニオンが
PF 6 - であると、マイクロカプセル化の際の液調製が
容易になるので特に好ましい。Rが有する置換基がA-
であってもよく、その場合、前記4級塩複素環化合物は
分子内塩の形をとる。
【0016】下記一般式で示されるヘテロ環のうち、
【0017】
【化3】
【0018】具体的には、以下に示すヘテロ環が好まし
い。尚、下記構造式において、前記一般式のN原子に相
当するN原子については、*印が付与されている。
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】前記式で示されるヘテロ環のうち、良好な
カップリング活性を示すという点からは、同一環内のヘ
テロ原子(N原子、O原子、P原子またはS原子など)
の数は2つ以上、より好ましくは3つ以上が好ましく、
中でも特にトリアゾール環とテトラゾール環が好まし
い。以下に、本発明にかかるカプラーの具体的化合物例
を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】本発明における前記一般式(1)で示され
るカプラーの合成例を、具体的化合物(8)を例にとり
示す。合成スキームは以下の反応式で表される。
【0027】
【化10】
【0028】[第1工程]フェニルヒドラジンの塩酸塩
((8)−A)145gを酢酸エチル1.5lに攪拌
し、トリエチルアミン101gを滴下する。室温で30
分の攪拌の後、フェニルイソチオシアネートを135g
滴下し、同温で1時間攪拌した。析出した塩を濾過し、
酢酸エチル溶液を減圧濃縮し、メタノール−酢酸エチル
混合溶媒で再結晶し、(8)−B体を230g得た。 [第2工程]上記の(8)−B体100gを蟻酸0.5
lに加え、内温105℃で0.5時間加熱した。反応液
を冷却後、水にあけ、炭酸ナトリウムで中和し、析出し
た結晶を濾過した。粗結晶をエタノールで再結晶し、
(8)−C体を94g得た。 [第3工程]上記の(8)−C体50gをクロロホルム
300mlに懸濁させ、ヨウ化メチルを室温で滴下し
た。反応液は一度均一になり、その後、結晶が析出した
ので、これを濾取し、(8)−Dの化合物を68g得
た。 (8)−C及び(8)−Dの化合物の構造は、1 H−N
MRにより確認した。 (8)−C:(CDCl3 )、8(TMS、ppm)、
7.47−7.58(6位、m)、7.65−7.70
(2H、m)、7.76−7.83(2H、d)、9.
23(1H、S) (8)−D:(DMSO)、8(TMS、ppm)、
2.73(3H、S)、7.64−7.86(8H、
m)、8.03(2H、d)、11.29(1H、br
s)
【0029】次に、(8)−D化合物20gをメタノー
ル100mlに溶解し、9.7gのKPF6 を水50m
lに懸濁した液を滴下した。35℃で1時間攪拌した
後、5℃で1時間攪拌し、析出してきた結晶をろ取し
て、(8)の化合物を22g得た。
【0030】一般式(1)で表わされる4級塩複素環化
合物は、前記したように、塩基性雰囲気または脱酸剤の
存在下でのみジアゾニウム塩とカップリングしてアゾ色
素を形成するものである。脱酸剤は、所定の熱エネルギ
ーが供与されると、マイクロカプセル内に浸透し、ジア
ゾニウム塩とカプラーとの反応を開始させる。このよう
な脱酸剤としては、塩基性物質を広く用いることがで
き、特に、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン
類、アミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン類、グ
アニジン類、モルホリン類等の有機塩基を用いることが
好ましい。
【0031】これらの有機塩基の具体例としてはN,
N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフ
ェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、
N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2
−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス
(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラ
ジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−
ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフ
トキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペ
ラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジ
ノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼンなど
のピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−
ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス〔(3
−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベン
ゼン、1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキ
シ)プロピルオキシ〕ベンゼンなどのモルホリン類、N
−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリ
ジン、N−ドデシルピペリジンなどのピペリジン類、ト
リフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジ
ン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン、4−ヒドロ
キシ安息香酸2−N−メチル−N−ベンジルアミノエチ
ルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸2−N,N−ジ−
n−ブチルアミノエチルエステル、4−(3−N,N−
ジブチルアミノプロポキシ)ベンゼンスルホンアミド、
4−(2−N,N−ジブチルアミノエトキシカルボニ
ル)フェノキシ酢酸アミド等が挙げられる。これらの詳
細については、特開昭57−123086号公報、特開
昭60−49991号公報、特開昭60−94381号
公報、特願平7−228731号、特願平7−2351
57号、特願平7−235158号等に記載されてい
る。これらの有機塩基は、単独でも2種以上併用しても
よい。本発明に用いられる有機塩基の使用量について
は、特に限定されるものではないが、ジアゾニウム塩1
モルに対して1〜30モルの範囲で使用することが好ま
しい。
【0032】さらに、前記4級塩複素環化合物をカプラ
ーとして用いる場合は、感熱記録層中(マイクロカプセ
ル外)に、活性水素を有する有機化合物を添加するのが
好ましい。このような活性水素あるいは酸性プロトンを
有する有機化合物としては、フェノール誘導体、ナフト
ール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置
換ナフタレン類、ヒドロキシ化合物、カルボン酸アミド
化合物、カルボン酸、スルホンアミド化合物、スルホン
酸等が挙げられる。前記の活性水素を有する有機化合物
は発色反応を促進する(発色助剤としての機能)作用を
有している。該有機化合物がどのように発色反応を促進
するかの詳細については明らかではないが、該有機化合
物は、カプラーあるいは脱酸剤の融点を低下させるか、
または、マイクロカプセル壁の熱透過性を向上させ、そ
の結果高い発色濃度が得られるものと考えられる。尚、
前記活性水素を有する有機化合物が脱酸剤(塩基性化合
物等)である場合には、脱酸剤の代わりに該有機化合物
を使用してもよい。
【0033】上記の活性水素を有する有機化合物として
は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、もしくはスル
フォ基(SO3 H基)を有する化合物、またはアミノス
ルホニル基を有する化合物、またはカルバモイル基を有
する化合物が好ましく、特に水酸基、カルボキシル基、
スルフォ基(SO3 H基)、アミノスルホニル基が好ま
しい。前記活性水素化合物は、カプラーに対し0.1〜
5モル%、好ましくは0.3〜3モル%添加される。
0.1モル%より少ない添加量では上記のような効果が
得られず、また5モル%より多いと塗布液の重量が多く
なるので上記範囲とするのが好ましい。具体例としては
次のものが好ましい。
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】一般式(1)で表わされる4級塩複素環化
合物は、単独でジアゾニウム塩と反応して、種々の色相
を呈する染料を生成するが、色相調整等種々目的に応じ
て、公知のカプラーと併用することも可能である。その
場合、併用するカプラーは、マイクロカプセル外に含有
されるのが好ましい。併用するカプラーとしては、カル
ボニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレ
ン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体などが
あり、具体例として下記のものが挙げられ本発明の目的
に合致する範囲で使用される。
【0037】本発明において併用できるカプラーとして
特に好ましいものとしては、レゾルシン、フロログルシ
ン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒド
ロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、
2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニリ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モルホ
リノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレン
スルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−
エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフト
ール、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタレン−
3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8
−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン酸ジア
ニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロ
キシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジメチル−
1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シクロペンタ
ンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシフェニ
ル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェニル−
4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオ
ン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェニル)
−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジシクロ
ヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ドデシル
バルビツール酸、N−n−オクチル−N’−n−オクタ
デシルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5
−ジ−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、
N,N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチ
ル)バルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−
ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)
−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−
トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾ
ロン、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−
(2−エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス
−(ベンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス
−(ピバロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾ
イルアセトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセト
アセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイ
ルアセトアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチル
スルファモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼ
ン、1−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−
シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒド
ロピリジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピ
ル)−3−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−
1,2−ジヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−
オクチルオキシフェニル)−3−tert−ブチル−5
−アミノピラゾール等が挙げられる。
【0038】これらカプラーの詳細については、特開平
4−201483号、特開平7−223367号、特開
平7−223368号、特開平7−323660号、特
願平5−278608号、特願平5−297024号、
特願平6−18669号、特願平6−18670号、特
願平7−316280号、特願平8−027095号、
特願平8−027096号、特願平8−030799
号、特願平8−12610号、特願平8−132394
号、特願平8−358755号、特願平8−35875
6号、特願平9−069990号等の公報に記載されて
いる。
【0039】カプラーの添加量は、感熱記録層中に0.
02〜5g/m2 の範囲で用いられ、効果の点から好ま
しくは0.1〜4g/m2 の範囲で用いられる。添加量
が0.02g/m2 未満では発色性の点で、5g/m2
を越えると塗布適性の点で、いずれも好ましくない。
【0040】ジアゾニウム塩 本発明において用いられるジアゾニウム塩は、下記一般
式で表わされる。 Ar−N2 + - 式中Arは芳香族部分を示し、X- は酸アニオンを示
す。加熱によりカプラーとカップリング反応を起こして
発色し、かつ光によって分解するジアゾニウム塩であれ
ば、広く用いることができる。中でも、炭素原子数が1
2以上で、水に対する溶解度が1%以下で、かつ酢酸エ
チルに対する溶解度が5%以上のジアゾニウム塩を用い
ると、マイクロカプセル化の際の液調製が容易になるの
で好ましい。
【0041】ジアゾニウムカチオン(前記一般式におけ
るAr−N2 + 部分)の具体例としては、4−(p−ト
リルチオ)−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウ
ム、4−(4−クロロフェニルチオ)−2,5−ジブト
キシベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジメチルア
ミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジエチル
アミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジプロ
ピルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−(N−メチル
−N−ベンジルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、4−
(N,N−ジベンジルアミノ)ベンゼンジアゾニウム、
4−(N−エチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベン
ゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジエチルアミノ)−
3−メトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N,N−ジ
メチルアミノ)−2−メトキシベンゼンジアゾニウム、
4−(N−ベンゾイルアミノ)−2,5−ジエトキシベ
ンゼンジアゾニウム、4−モルホリノ−2,5−ジブト
キシベンゼンジアゾニウム、4−アニリノベンゼンジア
ゾニウム、4−〔N−(4−メトキシベンゾイル)アミ
ノ〕−2.5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−
ピロリジノ−3−エチルベンゼンジアゾニウム、4−
〔N−(1−メチル−2−(4−メトキシフェノキシ)
エチル)−N−ヘキシルアミノ〕−2−ヘキシルオキシ
ベンゼンジアゾニウム、4−〔N−(2−(4−メトキ
シフェノキシ)エチル)−N−ヘキシルアミノ〕−2−
ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、2−(1−エチ
ルプロピルオキシ)−4−〔ジ−(ジ−n−ブチルアミ
ノカルボニルメチル)アミノ〕ベンゼンジアゾニウム、
2−ベンジルスルホニル−4−[N−メチル−N−(2
−オクタノイルオキシエチル)]アミノベンゼンジアゾ
ニウム等のカチオンが挙げられる。
【0042】本発明に用いられるジアゾニウム塩の最大
吸収波長λmax は、450nm以下であるのが好まし
く、290〜440nmであるのがより好ましい。ジア
ゾニウム塩が上記波長領域よりも長波長側にλmax を有
すると生保存性の点で好ましくない。一方、短波長側に
λmax を有するとカプラーとの組み合わせにおいて画像
定着性、画像保存性、紫〜シアン発色の色相の点でいず
れも好ましくない。尚、前記一般式で表わされるジアゾ
ニウム塩は、Ar部分の置換基の位置や種類によって、
その最大吸収波長を制御することが可能である。
【0043】これらのジアゾニウム塩の中でも、色素の
色相、画像保存性、画像定着性の点で、下記一般式
(2)、一般式(3)、または一般式(4)で表される
ジアゾニウム塩を用いることがより好ましい。
【0044】
【化14】
【0045】(一般式(2)中、Arは置換または無置
換のアリール基を、R11およびR12はそれぞれ置換また
は無置換のアルキル基、または置換または無置換のアリ
ール基を示す。R11およびR12は同一でもよくまた異な
っていてもよい。X- は酸アニオンを表す。)
【0046】
【化15】
【0047】(一般式(3)中、R14、R15、R16は、
それぞれ置換または無置換のアルキル基、または置換ま
たは無置換のアリール基を表す。R14、R15、R16は、
同一でもよくまた異なっていてもよい。Yは水素原子ま
たは−OR13基を示す。R13は置換または無置換のアル
キル基、または置換または無置換のアリール基を示す。
- は酸アニオンを示す。)
【0048】
【化16】
【0049】(式中、R17およびR18は、それぞれ置換
または無置換のアルキル基、または置換または無置換の
アリール基を示し、R17およびR18は同一でもよくまた
異なっていてもよい。X- は酸アニオンを示す。)
【0050】一般式(2)においてArは、置換または
無置換のアリール基を示すが、その置換基としては、ア
ルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール
基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド
基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド
基、ウレイド基、ハロゲン基、アミノ基、ヘテロ環基、
等が挙げられ、これら置換基は、更に置換されていても
よい。
【0051】前記置換または無置換のアリール基として
は、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、例え
ば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロロフ
ェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシフェ
ニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル
基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−ジ
−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4−
クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,
4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニル
基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、
3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、3−
(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4−ジ
クロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,
4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノカル
ボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル基、
4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−
ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオキ
シ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノ
スルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノス
ルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル
基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル
基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル
基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロ
フェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニ
ル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベ
ンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカル
ボニルフェニル基、等が挙げられるが、特にこれらに限
定されるものではない。また、これらの基は、さらに、
アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、
シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等
により置換されていてもよい。
【0052】R11、R12は、それぞれ置換または無置換
のアルキル基、または置換または無置換のアリール基を
表すが、その置換基としては、アルコキシ基、アルコキ
シカルボニル基、アルキルスルホニル基、置換アミノ
基、置換アミド基、アリール基、アリールオキシ基、等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】前記置換または無置換のアルキル基として
は、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、例え
ばメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペ
ンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル
基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル
基、オクタデシル基、ベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、トルフェニルメチル基、エトキシカルボニルメチ
ル基、ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシ
ルオキシカルボニルメチル基、2’,4’−ジイソペン
チルフェニルオキシメチル基、2’,4’−ジ−t−ブ
チルフェニルオキシメチル基、ジベンジルアミノカルボ
ニルメチル基、2,4−ジ−t−アミルフェニルオキシ
プロピル基、エトキシカルボニルプロピル基、1−
(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)プロピ
ル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)
プロピル基、メタンスルホニルアミノプロピル基、アセ
チルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル
基、等が好ましい。
【0054】また前記置換または無置換のアリール基と
しては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、
例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロ
ロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシ
フェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニ
ル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−
ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4
−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、
2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニ
ル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル
基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、
3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4
−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、
3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノ
カルボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル
基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、
4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオ
キシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミ
ノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノ
スルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニ
ル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル
基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル
基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロ
フェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニ
ル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベ
ンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカル
ボニルフェニル基、等が挙げらるが、特にこれらに限定
されるものではない。また、これらの基は、さらに、ア
ルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シ
アノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等に
より置換されていてもよい。
【0055】一般式(3)においてR14、R15およびR
16はそれぞれ置換または無置換のアルキル基、または置
換または無置換のアリール基を表すが、その置換基とし
ては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
リール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボ
アミド基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホン
アミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテ
ロ環基、等が挙げられる。
【0056】前記置換または無置換のアルキル基として
は、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、例え
ばメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基、ベンチル基、イソペンチル基、シクロペ
ンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル
基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル
基、オクタデシル基、ベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、トリフェニルメチル基、エトキシカルボニルメチ
ル基、ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシ
ルオキシカルボニルメチル基、2’,4’−ジイソペン
チルフェニルオキシメチル基、2’,4’−ジ−t−ブ
チルフェニルオキシメチル基、ジベンジルアミノカルボ
ニルメチル基、2,4−ジ−t−アミルフェニルオキシ
プロピル基、エトキシカルボニルプロピル基、1−
(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)プロピ
ル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)
プロピル基、メタンスルホニルアミノプロピル基、アセ
チルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル
基、1−メチル−2−(4−メトキシフェノキシ)エチ
ル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニルメチル基、ジ−
n−オクチルアミノカルボニルメチル基等が好ましい。
【0057】また前記置換または無置換のアリール基と
しては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、
例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロ
ロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシ
フェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニ
ル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−
ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4
−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、
2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニ
ル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル
基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、
3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4
−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、
3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノ
カルボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル
基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、
4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオ
キシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミ
ノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノ
スルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニ
ル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル
基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル
基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロ
フェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニ
ル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベ
ンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカル
ボニルフェニル基、等が挙げられるが、特にこれらに限
定されるものではない。また、これらの基は、さらに、
アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、
シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等
により置換されていてもよい。
【0058】Yは、水素原子または−OR13基を表す
が、−OR13基において、R13は、置換または無置換の
アルキル基、または置換または無置換のアリール基を表
す。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アル
キルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリール
チオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモ
イル基、カルボアミド基、スルホニル基、スルファモイ
ル基、スルホンアミド基、ウレイド基、ハロゲン原子、
アミノ基、ヘテロ環基、等が挙げられる。色相調節の点
で、Yは、水素原子、またはR13がアルキル基であるア
ルキルオキシ基が好ましい。
【0059】前記置換または無置換のアルキル基として
は、炭素原子数1〜18のアルキル基が好ましく、例え
ばメチル基、トルフルオロメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基、ベンチル基、イソペンチル基、シクロペ
ンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル
基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル
基、オクタデシル基、ベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、トルフェニルメチル基、エトキシカルボニルメチ
ル基、ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシ
ルオキシカルボニルメチル基、2’,4’−ジイソペン
チルフェニルオキシメチル基、2’,4’−ジ−t−ブ
チルフェニルオキシメチル基、ジベンジルアミノカルボ
ニルメチル基、2,4−ジ−t−アミルフェニルオキシ
プロピル基、エトキシカルボニルプロピル基、1−
(2’,4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)プロピ
ル基、アセチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)
プロピル基、メタンスルホニルアミノプロピル基、アセ
チルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル
基、等が好ましい。
【0060】また前記置換または無置換のアリール基と
しては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、
例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロ
ロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシ
フェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニ
ル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−
ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4
−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、
2,4,6−トリメチルフェニル基、3−クロロフェニ
ル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル
基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、
3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4
−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、
3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノ
カルボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル
基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、
4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオ
キシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミ
ノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノ
スルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニ
ル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル
基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル
基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロ
フェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニ
ル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベ
ンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカル
ボニルフェニル基、等が挙げられるが、特にこれらに限
定されるものではない。また、これらの基は、さらに、
アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、
シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等
により置換されていてもよい。
【0061】一般式(4)において、R17、R18は、そ
れぞれ置換または無置換のアルキル基、または置換また
は無置換のアリール基を表すが、その置換基としては、
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール
基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボアミド
基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド
基、ウレイド基、ハロゲン原子、アミノ基、ヘテロ環
基、等が挙げられる。
【0062】前記置換または無置換のアルキル基として
は、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、たとえば
メチル基、トルフルオロメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t
−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペン
チル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、
t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、オ
クタデシル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、
トリフェニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、
ブトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキ
シカルボニルメチル基、2’,4’−ジイソベンチルフ
ェニルオキシメチル基、2’,4’−ジ−t−ブチルフ
ェニルオキシメチル基、ジベンジルアミノカルボニルメ
チル基、2,4−ジ−t−アミルフェニルオキシプロピ
ル基、エトキシカルボニルプロピル基、1−(2’,
4’−ジ−t−アミルフェニルオキシ)プロピル基、ア
セチルアミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミ
ノ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピ
ル基、メタンスルホニルアミノプロピル基、アセチルア
ミノエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル
基、2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル基、等が
好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
【0063】また前記置換または無置換のアリール基と
しては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、
例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、2−クロ
ロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ブトキシ
フェニル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニ
ル基、2−オクチルオキシフェニル基、3−(2,4−
ジ−t−ペンチルフェノキシエトキシ)フェニル基、4
−クロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、
2,4,6,−トリメチルフェニル基、3−クロロフェ
ニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル
基、3−ブトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、
3−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、3,4
−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、
3,4−ジメトキシフェニル基、3−(ジブチルアミノ
カルボニルメトキシ)フェニル基、4−シアノフェニル
基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、
4−ブトキシフェニル基、4−(2−エチルヘキシルオ
キシ)フェニル基、4−ベンジルフェニル基、4−アミ
ノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノ
スルホニルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニ
ル基、4−(2−エチルヘキシルカルボニル)フェニル
基、4−フルオロフェニル基、3−アセチルフェニル
基、2−アセチルアミノフェニル基、4−(4−クロロ
フェニルチオ)フェニル基、4−(4−メチルフェニ
ル)チオ−2,5−ブトキシフェニル基、4−(N−ベ
ンジル−N−メチルアミノ)−2−ドデシルオキシカル
ボニルフェニル基、等が挙げられる。また、これらの基
は、さらに、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、置換
フェニル基、シアノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、
ヘテロ環基等により置換されていてもよい。
【0064】一般式(2)、一般式(3)、および一般
式(4)において、X- は酸アニオンを表し、酸アニオ
ンとしては、炭素原子数1〜9のポリフルオロアルキル
カルボン酸、炭素原子数1〜9のポリフルオアルキルス
ルホン酸、四フッ化ホウ素、テトラフェニルホウ素、ヘ
キサフロロリン酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン
酸等が挙げられる。結晶性の点で、ヘキサフルオロリン
酸が好ましい。
【0065】以下に、一般式(2)、一般式(3)、ま
たは一般式(4)で表されるジアゾニウム塩の具体例を
示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0066】
【化17】
【0067】
【化18】
【0068】
【化19】
【0069】
【化20】
【0070】本発明において、一般式(2)、一般式
(3)または一般式(4)で表されるジアゾニウム塩
は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも
できる。さらに色相調整等の諸目的に応じて、一般式
(2)、一般式(3)または一般式(4)で表されるジ
アゾニウム塩と既存のジアゾニウム塩とを併用してもよ
い。
【0071】本発明に用いられるジアゾニウム塩は、感
熱記録層中に0.02〜3g/m2含有されることが好
ましく、0.1〜2g/m2 が更に好ましい。
【0072】マイクロカプセル 本発明に用いられるマイクロカプセルの材料については
特に限定されず、従来公知の材料を使用することができ
る。常温では、マイクロカプセル内部の物質とマイクロ
カプセル外部の物質とが接触しないように両物質に対し
て非透過性であるとともに、所定の熱エネルギーが加え
られた場合には、両物質に対して透過性となるものが好
ましい。材料が非透過性から透過性に変化する温度は、
通常、材料のガラス転移温度に相当する場合が多い。従
って、そのような場合は、材料のガラス転移温度を目安
に好ましい材料を選択することができる。具体的には、
ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、
ポリスチレン、スチレン−メタクリレート共重合体、ス
チレン−アクリレート共重合体、ゼラチン、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。こ
れらの材料を2種以上併用してもよい。
【0073】ジアゾニウム塩およびカプラーをマイクロ
カプセルに内包させる(「マイクロカプセル化」という
場合がある。)方法に関しては特に限定されるものでは
なく、前記の材料を用いて従来公知の方法によりマイク
ロカプセル化することができる。マイクロカプセル化の
方法の詳細については特開平2−141279号公報等
に記載されている。またマイクロカプセル化の際に、カ
プラーとジアゾニウム塩とを分散させる溶媒として高沸
点有機溶媒を使用してもよい。この有機溶媒に関しては
特に限定されるものではなく、フタル酸アルキル、リン
酸エステル、クエン酸エステル、安息香酸エステル、ア
ルキルアミド、脂肪族エステル、トリメシン酸エステル
等従来公知のものを使用することができる。詳細につい
ては特開平7−17145号公報等に記載されている。支持体 本発明に用いられる支持体としては、従来公知の支持体
用材料を用いることができる。具体的には、中性紙、酸
性紙、再生紙、ポリオレフィン樹脂ラミネート紙、合成
紙、ポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム
等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルム等
のポリオレフィンフィルム等が挙げられ、これら単体
で、あるいは貼り合わせて用いることができる。支持体
の厚みとしては、20〜200μのものが用いられる。
また支持体と感熱記録層との間に中間層を設けることも
可能である。これについては特開昭61−54980号
公報等に記載されている。
【0074】感熱記録材料の作製方法 本発明の感熱記録材料は、支持体上に感熱記録層用塗布
液を塗布することによって作製することができる。感熱
記録層用塗布液は、(1)ジアゾニウム塩とカプラーと
を内包するマイクロカプセルと、(2)脱酸剤等種々の
添加剤と、バインダーとを含有する乳化分散液よりな
る。バインダーとしては、特に限定されるものではな
く、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ゼラチン、スチレン−アクリル酸共重合体等、従来公知
のバインダーを使用することができる。詳細については
特開平2−141279号公報等に記載されている。こ
の他にも必要に応じて各種の有機または無機顔料、各種
安定化剤、酸化防止剤などを添加することもできる。
【0075】乳化分散液の調製方法としては、サンドミ
ル等により固体分散する方法や、適当な乳化助剤を用い
て油滴中に乳化分散させる方法等を挙げることができ
る。固体分散方法および乳化方法に関しては特に限定さ
れるものではなく、従来公知の方法を使用することがで
きる。これらの方法の詳細については、特開昭59−1
90886号公報、特開平2−141279号公報、特
開平7−17145号公報に記載されている。
【0076】感熱記録層用塗布液の塗布方法としては、
バー塗布、ブレード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗
布、ロールコーティング塗布、スプレー塗布、ディップ
塗布、カーテン塗布等の従来公知の塗布方法を利用する
ことができる。このような塗布方法により支持体上に感
熱記録層用塗布液を塗布し、その後、乾燥して、固形分
2〜30g/m2 の感熱記録層を設けるのが好ましい。
尚、感熱記録層の層厚は、2μm以上30μm以下であ
るのが好ましく、2.5μm以上10μm以下であるの
が特に好ましい。
【0077】本発明の感熱記録材料においては、感熱記
録層上に保護層を設けることが好ましく、更には保護層
を積層して設けることが好ましい。この保護層は水溶性
高分子化合物、顔料などから構成される。この保護層中
に耐光性と光定着性との両立の観点から、紫外線透過率
調整機能を有する化合物を含有させることが好ましい。
この紫外線透過率調整機能を有する化合物を含有させた
感熱記録材料については、特開平7−276808号公
報に詳細に記載されている。
【0078】本発明の感熱記録材料は、単層の感熱記録
層からなる構造(単色用)であっても、複数の感熱記録
層が積層された構造(多色用)であってもよい。積層型
の感熱記録材料は、多色用の感熱記録材料として好適で
ある。図1に、多色の感熱記録材料の1態様の断面図を
示す。感光波長が異なる2種のジアゾニウム塩をそれぞ
れのジアゾニウム塩と熱時反応して異なった色相に発色
するカプラーを組み合わせた感熱記録層2層(B層、C
層)と、電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを組
み合わせた感熱記録層(A層)とを積層した多色感熱記
録材料が挙げられる。具体的には、支持体上に電子供与
性無色染料1と電子受容性化合物1を含む第1の感熱記
録層(A層)と、最大吸収波長360nm±20nmで
あるジアゾニウム塩2とジアゾニウム塩2と熱時反応し
て呈色するカプラー2とを内包するマイクロカプセル
と、脱酸剤2とを含有する第2の感熱記録層(B層)
と、最大吸収波長400±20nmであるジアゾニウム
塩3とジアゾニウム塩3と熱時反応して呈色するカプラ
ー3とを内包するマイクロカプセルと、脱酸剤3とを含
有する第3の感熱記録層(C層)とを有するものであ
る。各感熱記録層間には中間層が設けられ、またC層の
上には保護層が設けられている。この例において、各感
熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロ
ー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フル
カラーの画像記録が可能となる。
【0079】この多色感熱記録材料の記録方法は、まず
第3の感熱記録層(C層)を加熱し、該層に含まれるジ
アゾニウム塩3とカプラー3とを発色させる。次に40
0±20nmの光を照射してC層中に含まれている未反
応のジアゾニウム塩3を分解させ光定着させたのち、第
2の感熱記録層(B層)が発色するのに十分な熱を与
え、該層に含まれているジアゾニウム塩2とカプラー2
とを発色させる。このときC層も同時に強く加熱される
が、すでにジアゾニウム塩3は分解しており(光定着さ
れている)、発色能力が失われているので発色しない。
さらに360±20nmの光を照射してB層に含まれて
いるジアゾニウム塩2を分解して、最後に第1の感熱記
録層(A層)が発色する十分な熱を与えて発色させる。
このときC層、B層の感熱記録層も同時に強く加熱され
るが、すでにジアゾニウム塩2およびジアゾニウム塩3
は分解しており発色能力が失われているので発色しな
い。
【0080】また、すべての感熱記録層(支持体側から
順次、A層、B層、C層とする。)を、感光波長が異な
る3種のジアゾニウム塩とそれぞれのジアゾニウム塩と
熱時反応して異なった色相に発色するカプラーとを組み
合わせた感熱記録層から構成することもできる。特に、
視感度の低いイエロー層を最下層にすることで、支持体
の面上の粗さに起因する画質への影響を減らすことによ
り画質向上を目指す場合にこのような層構成が必要とな
る。すべての感熱記録層(支持体側から順次、A層、B
層、C層とする。)を、ジアゾ系の感熱記録層とした場
合には、C層とB層は、発色させた後に光定着を行うこ
とが必要である。A層に関しては、光定着を行う必要は
ない。尚、全ての感熱記録層が、ジアゾニウム塩とカプ
ラーとの双方を内包するマイクロカプセルと、脱酸剤
(マイクロカプセル外)とを含有する構成である必要は
なく、ジアゾニウム塩のみがマイクロカプセルに内包さ
れ、マイクロカプセル外にカプラーと発色助剤とが含有
されている構成の感熱記録層と組み合わせてもよい。
【0081】2以上のジアゾ発色系の感熱記録層を有す
る感熱記録材料においては、上層に含有されるマイクロ
カプセルほど、熱応答性が高い(例えばガラス転移温度
が低い)材料を用いるのが安定的に画層書き込みができ
るので好ましい。また、上層のジアゾニウム塩ほど分解
波長域が長波長となるように選択するのが画像の光定着
の点で好ましい。
【0082】前記の態様以外にも、各層の順番を入れ替
えた態様、他の種々の発色層を組み合わせた態様、およ
びジアゾ系発色層以外のロイコ系発色層等と組み合わせ
た態様であってもよい。
【0083】多色の感熱記録材料(感熱記録材料)につ
いては、特開平4−135787号公報、同4−144
784号公報、同4−144785号公報、同4−19
4842号公報、同4−247447号公報、同4−2
47448号公報、同4−340540号公報、同4−
340541号公報、同5−34860号公報等により
詳細に記載されている。
【0084】本発明の感熱記録材料への画像書き込みに
は、通常のサーマルヘッドや、熱ローラ等を用いること
ができる。また、光定着に用いられる定着用光源として
は、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯などが用い
られる。この発光スペクトルは、感熱記録材料で用いた
ジアゾニウム塩の吸収スペクトルとほぼ一致しているこ
とが、効率良く光定着させることができるので好まし
い。
【0085】また本発明の感熱記録材料に画像を記録す
るにあたり、感熱記録材料を原稿を通して露光し、画像
形成部以外のジアゾニウム塩を分解して潜像を形成させ
た後、材料全体を加熱して熱現像し、画像を得るといっ
た熱現像型感光材料として用いることも可能である。
【0086】本発明の感熱記録材料は、ファクシミリ
や、電子計算機、各種プリンター用の単色用(白黒また
はカラー)、および多色用記録紙として好適に用いられ
る。
【0087】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれらによって制限されるものではない。
なお、実施例中の「部」は全て重量部を示す。 [実施例1] 〔マイクロカプセル液Aの調製〕酢酸エチル19部にジ
アゾニウム塩(例示化合物(3)−2、最大吸収波長3
70nm)2.8部と、カプラ−(例示化合物(8))
3.0部と、トリクレジルフォスフェート10部とを均
一に混合した。次いでこの混合液に壁剤としてタケネー
トD−110N(武田薬品工業社製)7.6部を加えて
均一に混合し、I液を得た。次に、このI液にフタル化
ゼラチンの8重量%水溶液46部、水17.5部、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダの10%水溶液2部を加
え、40℃、10000r.p.m.で10分間乳化分
散した。得られた乳化物に水20部を加えて均一化した
後、攪拌しながら40℃で3時間マイクロカプセル化反
応を行わせてマイクロカプセル液Aを得た。マイクロカ
プセルの平均粒径は0.7〜0.8μmであった。
【0088】〔脱酸剤乳化液Bの調製〕酢酸エチル1
0.5部に、トリフェニルグアニジン3.0部、トリク
レジルフォスフェート0.5部、マレイン酸ジエチルエ
ステル0.24部を溶かしたII液を得た。次に、石灰処
理ゼラチンの15重量%水溶液49部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ10%水溶液9.5部、水35部を
40℃で均一に混合した中にII液を添加しホモジナイザ
ーを用いて40℃、10000r.p.m.で10分間
乳化分散した。得られた乳化物を40℃で2時間攪拌し
て酢酸エチルを除いた後、揮散した酢酸エチルと水の重
量を加水により補い、脱酸剤乳化液Bを得た。
【0089】〔感熱記録層用塗布液Cの調製〕マイクロ
カプセル液A3.6部、水3.3部、脱酸剤乳化液B
9.5部を均一に混合し、感熱記録層用塗布液Cを得
た。 〔保護層用塗布液Dの調製〕イタコン酸変性ポリビニル
アルコール(KL−318;商品名、クラレ株式会社
製)6%水溶液100部とエポキシ変性ポリアミド(F
L−71;商品名、東邦化学株式会社製)30%の分散
液10部とを混合した液に、ステアリン酸亜鉛40%の
分散液(ハイドリンZ;商品名、中京油脂株式会社製)
15部を均一に混合し、保護層用塗布液Dを得た。
【0090】〔塗布〕上質紙にポリエチレンをラミネー
トした印画紙用支持体上に、ワイヤーバーで感熱記録層
用塗布液C、保護層用塗布液Dの順に、順次塗布と50
℃での乾燥を行い、目的の感熱記録材料を得た。固形分
としての塗布量は、各々8.0g/m 2 、1.2g/m
2 であった。
【0091】〔発色試験〕京セラ株式会社製サーマルヘ
ッド(KST型)を用い、単位面積あたりの記録エネル
ギーが50mJ/mm2 となるようにサーマルヘッドに
対する印加電力およびパルス幅を決め熱印画した後、発
光中心波長が365nmまたは420nm、出力40W
の紫外線ランプを用いて15秒間全面光照射した。得ら
れた試料の画像部および地肌部の濃度をマクベス濃度計
にて測定した。
【0092】〔画像耐光性の試験〕京セラ株式会社製サ
ーマルヘッド(KST型)を用いて発色させた画像部を
蛍光灯耐光性試験機を用い、30000ルックスで24
時間連続で光照射した後、画像部の濃度を測定した。光
照射後の画像部の濃度が高い方が、画像耐光性に優れて
いて、光照射後の画像部濃度の残存率({(光照射後の
画像部濃度)/(光照射前の画像部濃度)}×100
(%))が85%以上であると実用可能である。 〔画像定着性の試験〕前記定着した試料の地肌部(未印
画部)を京セラ株式会社製サーマルヘッド(KST型)
を用い、単位面積あたりの記録エネルギーが40mJ/
mm2 となるようにサーマルヘッドに対する印加電力お
よびパルス幅を決めて熱印画し、その濃度変化を調べ
た。印画後の濃度が低い方が画像定着性に優れていて、
光照射後の地肌部濃度の増加({(光照射後の地肌部濃
度)−(光照射前の地肌部濃度)})が0.03以下で
あると実用可能である。
【0093】[実施例2]実施例1において、脱酸剤乳
化液調製の際、更に活性水素を有する有機化合物(4)
を、3.0部加えた以外は、同様にして感熱記録材料を
作製し、評価した。 [実施例3]実施例1において、脱酸剤乳化液調製の
際、更に活性水素を有する有機化合物(7)を、3.0
部加えた以外は、同様にして感熱記録材料を作製し、評
価した。 [実施例4]実施例1において、脱酸剤乳化液調製の
際、更に活性水素を有する有機化合物(13)を、3.
0部加えた以外は、同様にして感熱記録材料を作製し、
評価した。 [実施例5]実施例1において、脱酸剤乳化液調製の
際、トリフェニルグアニジンの代わりに活性水素を有す
る有機化合物(13)を使用した以外は、同様にして感
熱記録材料を作製し、評価した。 [実施例6]実施例1において、マイクロカプセル液の
調製の際、ジアゾニウム塩(3)−2に代えてジアゾニ
ウム塩(3)−8を使用した以外は同様にして感熱記録
材料を作製し、評価した。 [実施例7]実施例1において、マイクロカプセル液の
調製の際、ジアゾニウム塩(3)−2に代えてジアゾニ
ウム塩(4)−1を使用した以外は同様にして感熱記録
材料を作製し、評価した。
【0094】実施例1から実施例12の画像部の発色色
相、画像耐光性試験、定着性試験の結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】この結果より、本発明の感熱記録材料は、
種々の色相を実用可能な高い濃度で発色できることが実
証された。また、蛍光灯での光照射の後も、画像部の濃
度低下の割合が少なく、画像耐光性に優れていることが
分かった。さらに、画像定着後に、地肌部を再度熱印画
した場合の発色が少なく、画像定着性にも優れているこ
とがわかった。
【0097】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、長期間保存し
ても性能の低下がなく、高い保存安定性を有する。ま
た、多層構造であっても、カプラーが層間を拡散移動す
ることがないので、混色することなく多色の画像を形成
し得る。特に、カプラーとして一般式(1)で表わされ
る4級塩複素環化合物を用いた場合は、保存性、および
定着性の高い画像を形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱記録材料の一態様である多色用感
熱記録材料の概略断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 A層 3 中間層 4
B層 5 中間層 6 C層 7 保護層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、ジアゾニウム塩とカプラーの
    双方を内包するマイクロカプセルと脱酸剤とを含有する
    感熱記録層とを有する感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記カプラーが下記一般式(1)で示さ
    れる4級塩複素環化合物であることを特徴とする請求項
    1に記載の感熱記録材料。 【化1】 (式中、XおよびYは同一でも異なってもよく、C、
    N、O、P、およびSよりなる群から選ばれる原子を示
    し、XとYは連結基を介して結合する。Rは置換基を有
    していてよいアルキル基、アリール基またはアラルキル
    基を示す。X、Y、およびXとYを連結する連結基は置
    換基を有していてもよく、また上記式で示される複素環
    にはさらに環が縮合していてもよい。A- は対アニオン
    を示す。)
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