JP2000247030A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2000247030A
JP2000247030A JP11050109A JP5010999A JP2000247030A JP 2000247030 A JP2000247030 A JP 2000247030A JP 11050109 A JP11050109 A JP 11050109A JP 5010999 A JP5010999 A JP 5010999A JP 2000247030 A JP2000247030 A JP 2000247030A
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JP
Japan
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coupler
diazo compound
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heat
hue
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JP11050109A
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English (en)
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Mitsuyuki Tsurumi
光之 鶴見
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非画像部の着色が抑制されているとともに、
画像部の色相が色鮮やかである画像の形成が可能な多色
用の感熱記録材料を提供することである。 【解決手段】 支持体の上に感熱記録層を形成した感熱
記録材料において、前記感熱記録層が、ジアゾ化合物1
およびカプラー1を内包するマイクロカプセル1と、ジ
アゾ化合物2およびカプラー2を内包するマイクロカプ
セル2と、塩基とを有し、ジアゾ化合物1とカプラー1
との反応速度定数、およびジアゾ化合物2とカプラー2
との反応速度定数が、40℃、塩基非存在下において
0.01未満であり、ジアゾ化合物1とカプラー1とか
ら形成される色素の色相と、ジアゾ化合物2とカプラー
2とから形成される色素の色相が相互に異なる感熱記録
材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
し、より詳細には、ジアゾ化合物とカプラーとの反応に
よって生成する色素を利用した感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアゾニウム塩に代表されるジアゾ化合
物は、非常に化学的活性の高い化合物であり、フェノー
ル誘導体や活性メチレン基を有する化合物などのカプラ
ーと呼ばれる化合物と反応して容易にアゾ染料を形成す
ると共に、感光性をも有し、光照射によって分解し、そ
の活性を失う。そのため、ジアゾ化合物は、ジアゾコピ
ーに代表される光記録材料として古くから利用されてい
る(日本写真学会編「写真工学の基礎−非銀塩写真編
−」コロナ社(1982)89〜117、182〜20
1頁参照)。
【0003】最近では、光によって分解し活性を失うジ
アゾ化合物の性質を利用して、画像の定着が要求される
記録材料にもジアゾ化合物が応用されるようになってき
ている。その代表例として、ジアゾ化合物とカプラーと
を画像信号に従って加熱し、反応させて画像を形成させ
た後、光照射して該画像を定着する、光定着型感熱記録
材料も提案されている(佐藤弘次ら 画像電子学会誌
第11巻 第4号(1982)290〜296頁な
ど)。ジアゾ化合物を発色要素として用いた記録材料に
おいては、通常、マイクロカプセル等により、ジアゾ化
合物とカプラーとをあらかじめ隔離しておき、熱の供与
によって、双方の化合物を反応させて色素を形成し、画
像の形成を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記感熱記録
材料では、ジアゾ化合物および/またはカプラーが、記
録層中で、近傍に存在する成分と副反応等することによ
って、画像の呈する色に濁りが生じる場合がある。ま
た、フルカラーの感熱記録材料は、通常、シアン発色
層、マゼンタ発色層、およびイエロー発色層を積層した
構成であるが、このような構成の感熱記録材料では、カ
プラーが層間を移動し、その結果、画像の鮮明性を損な
うような混色が生じる場合があり、改良の余地があっ
た。
【0005】本発明は、前記従来における諸問題を解決
し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本
発明は、ジアゾ化合物とカプラーとの反応により生成す
る色素を利用して、非画像部の着色が抑制されていると
ともに、画像部の色相が色鮮やかである画像の形成が可
能な多色用の感熱記録材料を提供することを目的とす
る。また、本発明は、混色の少ない多色用の感熱記録材
料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記諸問題は、以下の本
発明により解決する。本発明は、支持体の上に感熱記録
層を形成した感熱記録材料において、前記感熱記録層
が、ジアゾ化合物1およびカプラー1を内包するマイク
ロカプセル1と、ジアゾ化合物2およびカプラー2を内
包するマイクロカプセル2と、塩基とを含有し、ジアゾ
化合物1とカプラー1の反応速度定数、およびジアゾ化
合物2とカプラー2の反応速度定数が、40℃、塩基非
存在下において0.01未満であり、かつ、ジアゾ化合
物1とカプラー1とから形成される色素の色相と、ジア
ゾ化合物2とカプラー2とから形成される色素の色相が
相互に異なる感熱記録材料である。
【0007】ジアゾ化合物1とカプラー1とから形成さ
れる色素の色相、およびジアゾ化合物2とカプラー2と
から形成される色素の色相が、シアン、マゼンタ、また
はイエローのいずれかであるのが好ましい。また、感熱
記録層が、さらに、異なる色相に発色し得る発色成分を
内包するマイクロカプセルを有し、ジアゾ化合物1とカ
プラー1とから形成される色素の色相、ジアゾ化合物2
とカプラー2とから形成される色素の色相、および前記
発色成分が発色し得る色相が、各々、シアン、マゼン
タ、またはイエローのいずれかであるのが好ましい。ジ
アゾ化合物1とカプラー1の反応速度定数、およびジア
ゾ化合物2とカプラー2の反応速度定数が、100℃、
塩基存在下において0.1以上であるのが好ましい。ま
た、マイクロカプセル1およびマイクロカプセル2が、
各々の転移温度で物質非透過性から物質透過性に転移
し、前記各々の転移温度が相互に異なっているのが好ま
しい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の一態様は、感熱記録層
に、ジアゾ化合物1およびカプラー1を内包するマイク
ロカプセル1と、ジアゾ化合物2およびカプラー2を内
包するマイクロカプセル2と、ジアゾ化合物3およびカ
プラー3を内包するマイクロカプセル3と、塩基とを有
する感熱記録材料である。ジアゾ化合物1とカプラー
1、ジアゾ化合物2とカプラー2、およびジアゾ化合物
3とカプラー3は、40℃、塩基非存在下における反応
速度定数が0.01未満となるような組み合わせで、マ
イクロカプセル1ないし3に、各々、内包されている。
マイクロカプセル1ないし3は、熱が供与されない状態
では、物質非透過性であり、マイクロカプセル内は、塩
基が存在しない状態に維持される。従って、ジアゾ化合
物1とカプラー1、ジアゾ化合物2とカプラー2、およ
びジアゾ化合物3とカプラー3は、カップリング反応せ
ず、非発色状態にある。
【0009】この感熱記録材料に、例えば、サーマルヘ
ッド等により画像信号に応じて熱(温度T1)が供与さ
れると、マイクロカプセル1が刺激され、マイクロカプ
セル1は物質透過性になる。その結果、マイクロカプセ
ル外の塩基がマイクロカプセル1内に侵入し、ジアゾ化
合物1とカプラー1のカップリング反応が促進され、色
素1が形成される。従って、熱が供与された部分は、色
素1が呈する色相に発色する。一方、マイクロカプセル
2および3は、T1よりも高い温度領域に転移温度を有
するので、マイクロカプセル2および3は物質非透過性
を維持し、非発色状態にある。その後、ジアゾ化合物1
の分解波長である波長λ1の光を蛍光灯ランプ等により
照射し、色素1によって形成されている画像の定着を行
ってもよい。
【0010】次に、再び、サーマルヘッド等により画像
信号に応じて熱(温度T2、但しT1<T2)が供与され
ると、マイクロカプセル2が刺激され、マイクロカプセ
ル2は物質透過性となる。その結果、マイクロカプセル
外の塩基がマイクロカプセル2内に侵入することによっ
て、ジアゾ化合物2とカプラー2とのカップリング反応
が促進され、色素2が形成される。従って、熱が供与さ
れた部分は、色素2が呈する色相、および既に色素1が
形成されている部分は、色素1と色素2とが混色するこ
とによって呈する色相に発色する。一方、マイクロカプ
セル3は、T2よりも高い温度領域に転移温度を有する
ので、マイクロカプセル3は物質非透過性を維持し、非
発色状態にある。その後、ジアゾ化合物2の分解波長で
ある波長λ2の光を同様に照射し、画像の定着を行って
もよい。
【0011】再び、サーマルヘッド等により画像信号に
応じて熱(温度T3、但しT2<T3)が供与されると、
マイクロカプセル3が刺激され、マイクロカプセル3は
物質透過性となる。その結果、マイクロカプセル外の塩
基がマイクロカプセル3内に侵入することによって、ジ
アゾ化合物3とカプラー3のカップリング反応が促進さ
れ、色素3が形成される。従って、熱が供与された部分
は、色素3が呈する色相、および既に色素1および/ま
たは色素2が形成されている部分は、混色することによ
って呈する色相に発色する。その後、ジアゾ化合物3の
分解波長である波長λ3の光を同様に照射し、画像の定
着を行ってもよい。
【0012】色素1ないし色素3が呈する色相が、各
々、イエロー、マゼンタ、シアンのいずれかであれば、
減法混色によるフルカラーの画像を形成し得る感熱記録
材料となる。
【0013】以上には、マイクロカプセルに内包される
色素を形成し得る発色成分が、ジアゾ化合物とカプラー
との組み合わせである態様を示したが、この態様には限
定されず、マイクロカプセル3の転移温度が、マイクロ
カプセル1およびマイクロカプセル2の転移温度よりも
高温度側の場合は、マイクロカプセル3に内包される発
色成分として、電子供与性無色染料を使用してもよい。
この場合は、電子供与性無色染料をマイクロカプセル3
に内包させ、電子受容性化合物を塩基とともにマイクロ
カプセル外に含有させる。電子供与性無色染料および電
子受容性化合物としては、公知の化合物を使用すること
ができる。
【0014】本発明において、同一のマイクロカプセル
に内包されるジアゾ化合物とカプラーとの、40℃にお
ける塩基非存在下での反応速度定数は、0.01未満で
あり、好ましくは0.005未満である。同条件におけ
る反応速度定数が0.01以上であると、マイクロカプ
セル化の際に、ジアゾ化合物とカプラーとの発色反応が
起こってしまい、地肌部が着色してしまう。また、生保
存時にも発色反応が起こってしまい、画像のかぶりが顕
著になる。一方、画像記録から画像定着までの時間を短
縮化するという観点からは、同一のマイクロカプセルに
内包されるジアゾ化合物とカプラーとの、100℃にお
ける塩基存在下での反応速度定数は、0.1以上である
のが好ましい。
【0015】ジアゾ化合物とカプラーとの、40℃、塩
基非存在下における反応速度定数は、以下のようにして
算出することができる。40℃において、ジアゾ化合物
が8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液と、カプラーが
8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液とを、ストップド
フロー測定装置を用いて等量混合し、生成する色素吸光
度の時間変化を測定し、下記数式(1)から反応速度定
数を算出することができる。 数式(1) d[色素]/dt = k[ジアゾ化合物] ただし、前記数式(1)において、kは、反応速度定数
(/s)を意味し、tは、時間(s)を意味し、[色
素]は、色素の生成モル量(mol)を意味し、[ジア
ゾ化合物]は、初期のジアゾ化合物のモル量(mol)
を意味する。尚、100℃、塩基存在下における反応速
度定数は、ジアゾ化合物が8×10 -5モル濃度の酢酸ブ
チル溶液と、カプラーと塩基が各々8×10-5モル濃度
の酢酸ブチル溶液とを、ストップドフロー測定装置を用
いて等量混合し、吸光度の時間変化を追跡することによ
って、同様に算出することができる。
【0016】ジアゾ化合物は、同一のマイクロカプセル
に内包されるカプラーとの組み合わせにおいて、40℃
での反応速度定数が前記範囲であり、かつ、加熱によ
り、組み合わせられたカプラーとカップリング反応を起
こして発色し、また光によって分解する化合物であれば
よい。本発明の感熱記録材料においては、2以上のジア
ゾ化合物が1の感熱記録層中に含有されるが、各々のジ
アゾ化合物の最大吸収波長(分解波長)は、互いに異な
っているのが、光照射により画像定着を行う場合に好ま
しい。尚、本明細書において、ジアゾ化合物とは、「Di
azo Chemistry I Aromatic and Heteroaromatic
compounds」(Heinrich Zollinger著,VCH Verla
gsgesellschaft,Weimheim,1994)に従うものとす
る。
【0017】本発明に用いるジアゾ化合物としては、下
記一般式(1)で表されるジアゾニウム塩が挙げられ
る。 一般式(1) Ar−N2+ X- 前記一般式(1)において、Arは、芳香族部分を表
す。X- は、酸アニオンを表す。前記ジアゾ化合物は、
Arで表される芳香族部分の置換基の位置や種類によっ
て、その最大吸収波長λmax が異なる。本発明において
は、最大吸収波長λmax が330〜390nmであるジ
アゾ化合物を用いるのが好ましい。最大吸収波長λmax
が、330nm未満であると、廉価な定着ランプで定着
することが難しく、またそれらのランプの光は有害であ
ることが多く、一般用途の使用には向かない。また、カ
プラーとの組合せにおいて画像定着性、画像保存性の点
で良好でないことがある。
【0018】一般式(1)で表されるジアゾニウム塩の
中でも、発色色相、安定性等の点で、下記一般式(2)
で表されるジアゾニウム塩をジアゾ化合物1および/ま
たはジアゾ化合物2として用いるのが好ましい。 一般式(2)
【0019】
【化1】
【0020】前記一般式(2)において、R1 及びR2
は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表
す。R1 とR2 とは、互いに連結して複素環を形成して
もよいが、これらが同時に水素原子であることはない。
3 は、置換基を有していてもよい、アルキルオキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチ
オ基を表す。X- は、酸アニオンを表す。
【0021】前記一般式(2)で表されるジアゾニウム
塩の具体例としては、例えば、4−(N−(2−(2,
4−ジ−tert−アシルフェノキシ)ブチリル)ピペ
ラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジオクチルアミノ
ベンゼンジアゾニウム、4−(N−(2−エチルヘキサ
ノイル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジヘ
キシルアミノ−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウ
ム、4−N−エチル−N−ヘキサデシルアミノ−2−エ
トキシベンゾジアゾニウム、3−クロロ−4−ジオクチ
ルアミノ−2−オクチルオキシベンゼンジアゾニウム等
が挙げられる。
【0022】前記ジアゾ化合物の前記感熱記録層中にお
ける含有量は、単色当たり通常、0.02〜3.0g/
2 が好ましく、0.1〜2.0g/m2 がより好まし
い。前記単色当たりの含有量が、0.02g/m2 未満
であると十分な発色濃度が得られないことがあり、3.
0g/m2 を超えると定着に時間がかかる上、未印画部
の定着後の着色が増加することがある。
【0023】本発明において、カプラーとしては、同一
のマイクロカプセルに内包されるジアゾ化合物との組み
合わせにおいて、40℃での反応速度定数が前記範囲で
あることを条件に、公知のカプラーから選択して使用す
ることができる。例えば、カルボニル基の隣にメチレン
基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘
導体、ナフトール誘導体などが挙げられる。
【0024】前記カプラーとしては、例えば、下記一般
式(3)で表されるピロロピリミジン化合物が好適に挙
げられる。 一般式(3)
【0025】
【化2】
【0026】前記一般式(3)中、R1 〜R4 は、水素
原子、ハロゲン原子、アリール基、アルキル基、シアノ
基、アシル基、置換カルバモイル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、置換スルファモイル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルホスホ
リル基、アリールホスホリル基、又は置換アミノ基を表
す。これらの中でも、R1 及びR2 で表される置換基と
しては、R1 及びR2 の少なくとも一方が、ハメットの
置換基定数σP の値が0.20以上の電子吸引性基であ
るのが好ましく、前記σP の値が0.35以上の電子吸
引性基であるのがより好ましい。
【0027】前記σP の値が0.20以上の電子吸引性
基の中でも、シアノ基(σP 値0.66)、パーフルオ
ロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基σP 値
0.54)、アシル基(例えば、アセチル基σP 値0.
50、ベンゾイル基σP 値0.43)、カルバモイル基
(σP 値0.36)などが好適例として挙げられるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原
子がより好ましい。
【0029】前記アリール基としては、炭素数6〜30
のアリール基が好ましい。前記アリール基は、アルキル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、置換カルバモイル基、置換スルフ
ァモイル基、置換アミノ基、置換オキシカルボモイル
基、置換オキシスルホニル基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、アリール基、ヒドロキシ基、アシル基、アシルオキ
シ基、置換スルホニルオキシ基、置換アミノカルボニル
オキシ基、置換ホスホリルオキシ基等により置換されて
いてもよい。
【0030】前記アルキル基としては、炭素数1〜30
のアルキル基が好ましい。前記アルキル基は、直鎖状で
もよいし分岐状でもよく、不飽和結合を有していてもよ
く、更にアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリール
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子等により置換されてい
てもよい。
【0031】前記アシル基としては、炭素原子数2〜2
0のアシル基が好ましい。前記置換カルバモイル基とし
ては、炭素数1〜30の置換カルバモイル基が好まし
い。前記置換カルバモイル基には、カルバモイル基、N
−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル
基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N,N−ジア
リールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカ
ルバモイル基等が含まれる。
【0032】前記アルコキシカルボニル基としては、炭
素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前
記アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜3
0のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記アシ
ルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基
が好ましい。前記アルコキシ基としては、炭素数1〜3
0のアルコキシ基が好ましい。前記アリールオキシ基と
しては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好まし
い。前記アルキルチオ基としては、炭素数1〜30のア
ルキルチオ基が好ましい。前記アリールチオ基として
は、炭素数6〜30のアリールチオ基が好ましい。
【0033】前記置換スルファモイル基としては、炭素
数1〜30の置換スルファモイル基が好ましい。前記置
換スルファモイル基には、スルファモイル基、N−アル
キルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル
基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N,N−ジ
アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリー
ルスルファモイル基が含まれる。
【0034】前記アルキルスルホニル基としては、炭素
数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましい。前記ア
リールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリー
ルスルホニル基が好ましい。前記アルキルホスホリル基
としては、炭素数2〜40のアルキルホスホリル基が好
ましい。前記アリールホスホリル基としては、炭素数1
2〜50のアリールホスホリル基が好ましい。
【0035】前記置換アミノ基としては、炭素数0〜5
0の置換アミノ基が好ましい。前記置換アミノ基には、
アミノ基、N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ
基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、
N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミ
ノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N,N−
ジスルホニルアミノ基等が含まれる。
【0036】一般式(3)で表されるカプラー以外に
も、例えば、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレ
ン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ
−3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキ
シ−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキ
シ−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−
エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ
−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミ
ド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキ
シ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン
酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフ
タレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジ
ヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ
酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナ
フトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフト
エ酸アニリド、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキ
サンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2
−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロ
ヘキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニ
ル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ
−n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキ
サンジオン、N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール
酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−
n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール
酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチル
オキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オ
クタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、
1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−
(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−
5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニ
ル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロ
キシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキ
シル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルア
セトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルア
セトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリ
ル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、
ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリ
ド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイ
ル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2
−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−
メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−
2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセ
チル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロ
ピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフ
ェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾー
ル等が好適に挙げられる。
【0037】前記カプラーとして使用し得る化合物の詳
細については、特開平4−201483号、特開平7−
223367号、特開平7−223368号、特開平7
−323660号、特願平5−278608号、特願平
5−297024号、特願平6−18669号、特願平
6−18670号、特願平7−316280号、特願平
8−027095号、特願平8−027096号、特願
平8−030799号、特願平8−12610号、特願
平8−132394号、特願平8−358755号、特
願平8−358756号、特願平9−069990号等
の公報に記載されている。
【0038】前記カプラーの感熱記録層中の含有量とし
ては、単色当たり、通常0.02〜5g/m2 であり、
0.1〜4g/m2 が好ましい。前記単色当たりの含有
量が、0.02g/m2 未満であると、発色性が十分で
ないことがあり、一方、5g/m2 を超えると塗布適性
が十分でないことがある。
【0039】また、ジアゾ化合物とカプラーとの各々の
反応速度定数が、40℃、塩基非存在下において、0.
01未満となるようにするために、例えば、ジアゾ化合
物および/またはカプラーの反応部位を保護基で修飾し
て、カップリング反応が進行するのを抑制することこと
ができる。この場合は、画像記録時の熱の供与により
(または熱の供与によってマイクロカプセル内に侵入し
た塩基により)該保護基がジアゾ化合物およびカプラー
から解離し、カップリング反応が進行するように、ジア
ゾ化合物および/またはカプラーを保護基で修飾する。
その他の方法としては、カプセル内のオイルを酸性に保
ち、カップリング反応が進行するのを抑制する方法等が
ある。
【0040】本発明に用いる塩基は、感熱記録層中、マ
イクロカプセル外に含有され、熱の供与により、マイク
ロカプセル壁材が、物質透過性となった際に、マイクロ
カプセル内に侵入し、ジアゾ化合物とカプラーとの反応
を促進させるものであれば、制限なく使用することがで
きる。前記塩基としては、そのpKaが4〜13である
のが好ましく、5〜12であるのがより好ましい。pK
aが、4未満の塩基を用いると、ジアゾ化合物とカプラ
ーとの反応が進行しない場合があり、13を超えるとジ
アゾ化合物を分解してしまうことがある。
【0041】本発明において、塩基としては、第3級ア
ミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、アミジン類、フ
ォルムアミジン類、ピリジン類、グアニジン類、モルホ
リン類等の有機塩基が好適に挙げられる。より具体的に
は、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシ
プロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メ
チルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジ
ン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)
−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビ
ス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペ
ラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2
−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナ
フトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピ
ペラジン、1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジ
ノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼンなど
のピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−
ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス〔(3
−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベン
ゼン、1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキ
シ)プロピルオキシ〕ベンゼンなどのモルホリン類、N
−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリ
ジン、N−ドデシルピペリジンなどのピペリジン類、ト
リフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジ
ン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン、4−ヒドロ
キシ安息香酸2−N−メチル−N−ベンジルアミノエチ
ルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸2−N,N−ジ−
n−ブチルアミノエチルエステル、4−(3−N,N−
ジブチルアミノプロポキシ)ベンゼンスルホンアミド、
4−(2−N,N−ジブチルアミノエトキシカルボニ
ル)フェノキシ酢酸アミド等が挙げられる。これらの詳
細については、特開昭57−123086号公報、特開
昭60−49991号公報、特開昭60−94381号
公報、特願平7−228731号、特願平7−2351
57号、特願平7−235158号等に記載されてい
る。
【0042】また、前記塩基の特に好ましい具体例とし
ては、下記の化合物が挙げられる。
【0043】
【化3】
【0044】前記塩基は、1種単独で用いてもよいし、
2種以上を併用してもよい。前記塩基の前記感熱記録層
中の含有量としては、特に限定されるものではないが、
前記ジアゾ化合物1モルに対して0.5〜30モルが好
ましい。
【0045】本発明において、その他の成分として、発
色反応を促進させる目的のために発色助剤を用いること
ができる。前記発色助剤としては、フェノール誘導体、
ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコ
キシ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合物、カルボン酸
アミド化合物、スルホンアミド化合物等が挙げられる。
これらを用いると、前記カプラー又は前記塩基の融点を
低下させるか、あるいは、前記ジアゾ化合物のマイクロ
カプセル壁の熱透過性を向上させられる結果、高い発色
濃度が得られるものと推測される。
【0046】また、その他の成分として、有機又は無機
顔料、各種安定化剤、酸化防止剤なども挙げられる。さ
らに、発色反応を促進させる目的のため、有機または無
機の塩を添加することができる。前記塩としては、酢酸
塩、乳酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、4級アンモニウ
ム塩等が挙げられる。具体的には、酢酸塩として酢酸カ
ルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸アンモニウム、酢酸
カリウム、酢酸バリウム等があり、炭酸塩としては炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等があり、
その他トリエタノールアミン塩酸塩等がある。これらの
有機または無機の塩は、発色反応を促進させる観点から
感熱記録層中にカプラーの0.01倍〜1倍モル含有さ
せることが望ましい。これらの有機または無機の塩がど
のような作用で発色反応を促進させるかは不明である
が、発色反応そのものを速くする効果があるものとは思
われる。尚、これらのその他の成分は、マイクロカプセ
ルに内包させても、マイクロカプセル外に塩基とともに
存在させてもよい。
【0047】本発明の感熱記録材料において、一つの感
熱記録層は、少なくとも2種のマイクロカプセルを有す
る。マイクロカプセルは、光、熱、または圧力等の外部
からの刺激によって、物質非透過性から物質透過性に転
移し得るものである。例えば、感熱記録層中に含まれる
マイクロカプセルが熱応答性を示す場合は、各々のマイ
クロカプセルの転移温度は互いに異なっているのが好ま
しい。マイクロカプセルが熱応答性を示す場合は、サー
マルヘッド等の画像記録手段を制御することによって感
熱記録材料に供与する熱エネルギーに差を持たせ、最小
の熱エネルギーが感熱記録材料に供与された場合に、転
移温度が最も低いマイクロカプセルのみが転移し、その
他のマイクロカプセルは転移せず、2番目の大きさの熱
エネルギーが供与された場合は、最低の転移温度を有す
るマイクロカプセルと2番目に低い転移温度を有するマ
イクロカプセルのみが転移するように、各々のマイクロ
カプセルの壁材を選択する。このような態様の感熱記録
材料では、感熱記録層に含有されるマイクロカプセル1
〜n(但し、nは2以上の自然数を示す。)は、大きさ
の異なるn種の熱エネルギーを順次供与されることによ
って物質透過性に順次転移し、内包するジアゾ化合物と
カプラーとのカップリング反応が順次進行する。
【0048】マイクロカプセルの物質非透過性から物質
透過性への転移温度を調節する方法としては、例えば、
各々のマイクロカプセルの壁材をガラス転移温度(T
g)が異なるポリマーで構成する方法、およびマイクロ
カプセルの壁材を架橋密度が異なるポリマーで構成する
方法、およびそれらを併用する方法等がある。
【0049】本発明に用いるマイクロカプセルを構成し
ている壁材としては、ゼラチン、ポリウレア、ポリウレ
タン、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、
メラミン、ポリイソシアネート、ポリシロキサン、ビニ
ルモノマーの重合体(以下、ビニル重合体と称する場合
がある。)等のポリマーを使用することができ、これら
のポリマーを壁材として従来公知の方法によりマイクロ
カプセル化することができる。
【0050】例えば、芳香族多価イソシアネートから形
成されるポリマーをマイクロカプセルの壁材として用い
ると、該マイクロカプセルは、比較的大きなエネルギー
の供与により転移する性質を有する。芳香族多価イソシ
アネートとしては、ベンゼン環に3以上のイソシアナト
アルキル基が置換した(好ましくはイソシアナトメチル
基(−CH2−NCO))が置換した化合物が好まし
い。
【0051】また、例えば、活性水素原子を有するポリ
マーを、多価イソシアネートと付加反応させて得られる
ポリマーを、マイクロカプセルの壁材に用いると、該マ
イクロカプセルは、比較的小さなエネルギーの供与によ
り転移する性質を有する。活性水素原子を有するポリマ
ーとしては、例えば、水酸基、アミノ基カルボキシル基
等が挙げられ、特に水酸基、アミノ基が好ましい。この
様な活性水素を有するポリマーとしては、例えば、ポリ
エーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポ
リウレタン、ポリシロキサン、ビニル重合体等が挙げら
れ、好ましくは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリシ
ロキサン、ビニル重合体が好ましい。活性水素原子を有
するポリマーの分子量は、500〜20000であるの
が好ましい。
【0052】前記ポリマーと付加反応する多価イソシア
ネートとしては、例えば、分子中に2個のイソシアネー
ト基を有する化合物が挙げられ、2個のイソシアネート
基で置換された脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素等
が挙げられる。更にこれらの2官能イソシアネート化合
物とエチレングリコール類、ビスフェノール類等の2官
能アルコール、フェノール類との付加反応物も利用でき
る。前記活性水素原子を有するポリマーと多価イソシア
ネートとの付加反応は例えば、両化合物を活性水素を有
していない有機溶剤中で、攪拌しながら加熱(約50〜
100℃)することにより、あるいはオクチル酸第1
錫、ジブチル錫ジアセテート等の触媒を添加しながら比
較的低温(約40〜70℃)で加熱して、得ることがで
きる。
【0053】本発明において、上記の壁材を構成するポ
リマーを用いてジアゾ化合物およびカプラーを内包する
マイクロカプセルを形成する方法としては、既に公知の
方法を用いることができる。たとえば、ジアゾ化合物お
よびカプラーを疎水性溶媒に溶解させ(油相)、これを
水溶性高分子を溶解した水溶液中(水相)に加えてホモ
ジナイザー等で乳化分散すると共に、マイクロカプセル
の壁材となるモノマーあるいはプレポリマーを油相側ま
たは水相側の何れかあるいは両方に添加しておくことに
より、油相と水相の界面で重合反応を生じさせ、あるい
は、ポリマーを析出させることにより高分子壁を形成さ
せ、ジアゾ化合物およびカプラーを内包したマイクロカ
プセルを得ることができる。
【0054】これらの方法は、例えば近藤朝士著、「マ
イクロカプセル」日刊工業新聞社(1970年発行)、
近藤 保ら著、「マイクロカプセル」三共出版(197
7年発行)などに詳細に記載されている。
【0055】本発明の感熱記録材料は、例えば、以下の
ようにして作製することができる。前記マイクロカプセ
ル化法によって調製したジアゾ化合物とカプラーを内包
するマイクロカプセルの分散液と、前記塩基、所望によ
り前記その他の成分、及び後述のバインダーを含有する
塗布液を調製し、これを支持体上に、バー塗布、ブレー
ド塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーテ
ィング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗
布等の塗布方法により塗布・乾燥して固形分2〜30g
/m2 の感熱記録層を設けることにより、感熱記録材料
を作製することができる。感熱記録層の層厚は、2μm
〜15μmであるのが好ましく、2μm〜10μmであ
るのがより好ましい。尚、塩基は、塗布液の調製の前
に、あらかじめ、その他の成分と共に水溶性高分子を添
加して、サンドミル等により固体分散させ、これを塗布
液の調整に用いてもよいし、適当な乳化助剤と共に乳化
分散して用いることもできる。固体分散方法及び乳化分
散方法に関しては特に限定されるものではなく、従来公
知の方法を使用することができる。これらの方法の詳細
については、特開昭59−190886号公報、特開平
2−141279号公報、特開平7−17145号公報
に記載されている。
【0056】前記感熱記録層にはバインダーが使用され
るが、該バインダーとしては、特に限定されるものでは
なく、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロ
ース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ゼラチン、スチレン−アクリル酸共重合体等、従来
公知のバインダーが挙げられる。その詳細については、
特開平2−141279号公報等に記載されている。
【0057】前記支持体としては、従来公知の支持体を
用いることができる。具体的には、中性紙、酸性紙、再
生紙、ポリオレフィン樹脂ラミネート紙、合成紙、ポリ
エステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセル
ロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルムやポリエチレンフィルム等のポリオレ
フィンフィルム等が挙げられ、これらを単体で、あるい
は貼り合わせて用いることができる。前記支持体の厚み
としては、20〜200μmのものが用いられる。
【0058】本発明の感熱記録材料においては、感熱記
録層以外に、中間層を設けることができる。前記中間層
は、前記支持体と前記感熱記録層との間に設けることが
できる。前記中間層については、例えば特開昭61−5
4980号公報等に記載されている。また、前記その他
の層として、保護層を設けることもできる。前記保護層
は、前記感熱記録層上に設けることが好ましい。前記保
護層は、通常、水溶性高分子化合物、顔料などから構成
される。前記保護層中に耐光性と光定着性との両立の観
点から、紫外線透過率調整機能を有する化合物を含有さ
せることが好ましい。この紫外線透過率調整機能を有す
る化合物を含有させた感熱記録材料については、特開平
7−276808号公報に詳細に記載されている。
【0059】本発明の感熱記録材料への画像書き込みに
は、例えば、通常のサーマルヘッドや、熱ローラ等を用
いることができる。また、記録した画像を光定着させる
光源としては、種々の蛍光灯、キセノンランプ、水銀灯
等を用いることができる。
【0060】本発明の感熱記録材料は、ファクシミリ、
電子計算機、各種プリンター用の多色用記録紙として好
適に用いられる。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例によって何ら限定されるものではな
い。なお、実施例中の「部」は総て重量部を意味する。 (実施例1) (感熱記録層用塗布液の調製) −ジアゾ化合物1およびカプラー1のカプセル液の調製
− ジアゾ化合物1として365nmに分解の最大吸収波長
を持つ下記構造式1で表される化合物を1.5部、カプ
ラー1として下記構造式2で表される化合物を2.1
部、および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエ
タン−1−オン(チバ・ガイギー社製、イルガキュア6
51)0.6部を、酢酸エチル16部に溶解した。前記
ジアゾ化合物1とカプラー1との40℃での塩基非存在
下における反応速度定数(以下、「K40」という。)
を、後述する方法で測定した結果、0.01未満であっ
た。また、前記ジアゾ化合物1とカプラー1との100
℃での塩基存在下における反応速度定数(以下、「K
100」という。)を、後述する方法で測定した結果、
0.1以上であった。
【0062】
【化4】
【0063】この溶液に、更に高沸点溶媒であるリン酸
トリクレジル12.1部を添加し、加熱して均一に混合
した。この溶液に、カプセル壁剤として、キシリレンジ
イソシアナート/トリメチロールプロパン付加物(75
%酢酸エチル溶液、武田薬品工業(株)製、タケネート
D110N)4.5部、キシリレンジイソシアナート/
ビスフェノールA付加物の30重量%酢酸エチル溶液
5.4部を更に添加し、均一に撹拌した。別途、6重量
%ゼラチン(ニッピゼラチン工業社製、MGP−906
6)水溶液83部を用意し、これに、先のジアゾ化合物
1およびカプラー1の溶液を添加し、ホモジナイザーに
て乳化分散した。得られた乳化液に水20部を加え均一
化した後、撹拌しながら40℃に昇温し、3時間カプセ
ル化反応を行わせた。この後、35℃に液温を下げ、イ
オン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIRA6
8)10部、イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバー
ライトIRC50)20部を加え更に一時間撹拌した。
この後、イオン交換樹脂をろ過して目的のジアゾ化合物
1およびカプラー1を内包するマイクロカプセル1の液
を調製した。マイクロカプセル1の平均粒径は、1.2
μmであった。
【0064】−ジアゾ化合物2およびカプラー2のカプ
セル液の調製− ジアゾ化合物2として300nmに分解の最大吸収波長
を持つ下記構造式3で表される化合物を1.5部、カプ
ラー2として下記構造式4で表される化合物を1.9
部、および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエ
タン−1−オン(チバ・ガイギー社製、イルガキュア6
51)0.6部を、酢酸エチル16部に溶解した。前記
ジアゾ化合物2とカプラー2との40℃での塩基非存在
下における反応速度定数(以下、「K40」という。)
を、後述する方法で測定した結果、0.01未満であっ
た。また、前記ジアゾ化合物2とカプラー2との100
℃での塩基存在下における反応速度定数(以下、「K
100」という。)を、後述する方法で測定した結果、
0.1以上であった。
【0065】
【化5】
【0066】この溶液に、更に高沸点溶媒であるリン酸
トリクレジル12.1部を添加し、加熱して均一に混合
した。この溶液に、カプセル壁剤として、「タケネート
D110N」(武田薬品工業株式会社製)2.5部、
「ミリオネートMR200」(日本ポリウレタン工業株
式会社製)8.0部を更に添加し、均一に撹拌した。別
途、6重量%ゼラチン(ニッピゼラチン工業社製、MG
P−9066)水溶液83部を用意し、これに、先のジ
アゾ化合物2およびカプラー2の溶液を添加し、ホモジ
ナイザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水20部
を加え均一化した後、撹拌しながら65℃に昇温し、3
時間カプセル化反応を行わせた。この後、35℃に液温
を下げ、イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライ
トIRA68)10部、イオン交換樹脂(オルガノ社
製、アンバーライトIRC50)20部を加え更に一時
間撹拌した。この後、イオン交換樹脂をろ過して目的の
ジアゾ化合物2およびカプラー2を内包するマイクロカ
プセル2の液を調製した。マイクロカプセル2の平均粒
径は、1.5μmであった。
【0067】−塩基の乳化分散液の調製− 塩基として下記構造式5で表される化合物を5.0部、
下記構造式6で表される化合物を3.2部、および4,
4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノ
ール5.8部を、酢酸エチル33部に溶解し、更に高沸
点溶媒であるリン酸トリクレジル6.1部、およびバイ
オニンA41C(竹本油脂社製)1.4部を添加した
後、加熱し均一に混合した。これを、別途8重量%ゼラ
チン(新田ゼラチン社製、#750ゼラチン)水溶液8
1部中に加えてホモジナイザーにて乳化分散した。この
乳化液より残存する酢酸エチルを蒸発させ目的とするカ
プラー乳化分散液を調製した。
【0068】
【化6】
【0069】−感熱記録層用塗布液の調製− 前記ジアゾ化合物1およびカプラー1を内包するマイク
ロカプセル1液、前記ジアゾ化合物2およびカプラー2
を内包するマイクロカプセル2液、前記塩基乳化分散
液、更にスチレン−ブタジエンゴム(SBR:住友ノー
ガタック社製、SN307)を各々、[ジアゾ化合物1
およびジアゾ化合物2]/[スチレン−ブタジエンゴ
ム]の比率が1/6.4となるように混合し、目的の感
熱記録層用塗布液を調製した。
【0070】(保護層用塗布液の調製)5.0重量%イ
タコン酸変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、
KL−318)水溶液61部に、20.5重量%ステア
リン酸亜鉛分散液(中京油脂社製、ハイドリンF11
5)を2.0重量部添加し、C1225O(CH2CH
2O)Hの2重量%水溶液8.4部、フッ素系離型剤
(ダイキン社製、ME−313)8.0部、及び小麦粉
澱粉(籠島澱粉社製、KF−4)0.5部を添加し、均
一に撹拌した。これを「母液」と称することにする。別
途、イオン交換した20重量%カオグロス(白石工業社
製)水溶液12.5部、ポイズ532A(花王社製)
0.06部、ハイドリンZ−7(中京油脂社製)1.8
7部、10重量%ポリビニルアルコール(クラレ社製、
PVA105)1.25部、及び、2重量%ドデシルス
ルホン酸ナトリウム水溶液0.39部を混合し、ダイノ
ミルにて微分散を行った。この液を「顔料液」と称する
ことにする。前記母液80部に、前記顔料液4.4部を
加えて30分以上撹拌した。その後、Wetmaste
r500(東邦化学社製)2.8部を添加し、更に30
分以上撹拌して目的とする保護層用塗布液を調製した。
【0071】(感熱記録材料の作製)上質紙上にポリエ
チレンをラミネートした印画紙用支持体上に、メイヤー
バーで前記感熱記録層用塗布液、前記保護層用塗布液の
順に順次塗布し乾燥して目的の感熱記録材料を得た。固
形分としての塗布量は1m2 当たり各々、8.33g、
1.23gであった。
【0072】ジアゾ化合物とカプラーとの、40℃での
塩基非存在下における反応速度定数、および、ジアゾ化
合物とカプラーとの、100℃での塩基存在下における
反応速度定数は、以下のようにして算出した。 <カップリング反応定数>40℃において、ジアゾ化合
物1(またはジアゾ化合物2)が8×10-5モル濃度の
酢酸ブチル溶液と、カプラー1(またはカプラー2)が
8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液とをストップドフ
ロー測定装置(大塚電子社製、RA−401)を用いて
等量混合し、生成する色素吸光度の時間変化を測定し、
下記数式(1)からカップリング速度定数を算出した。 数式(1) d[色素]/dt = k[ジアゾ化合物] ただし、前記数式(1)において、kは、カップリング
速度定数(/s)を意味し、tは、時間(s)を意味
し、[色素]は、色素の生成モル量(mol)を意味
し、[ジアゾ化合物]は、初期のジアゾ化合物のモル量
(mol)を意味する。また、100℃、前記塩基存在
下における反応速度定数は、前記ジアゾ化合物が8×1
-5モル濃度の酢酸ブチル溶液と、前記カプラーと前記
塩基が各々8×10-5モル濃度の酢酸ブチル溶液とを、
ストップドフロー測定装置を用いて等量混合し、吸光度
の時間変化を追跡することによって、同様に算出した。
【0073】<熱記録による発色濃度>サーマルヘッド
(京セラ製、KST型)を用い、得られた感熱記録材料
につき、以下のように熱記録を行い、その発色濃度を評
価した。即ち、単位面積当たりの記録エネルギーが35
mJ/mm2 となるようにサーマルヘッドに対する印加
電力、パルス幅を決め、該感熱記録材料に印字を行った
ところ、シアン色に発色した。印字後6秒後に、該感熱
記録材料を、発光中心波長365nm、出力40wの紫
外線ランプ下に15秒間曝し、定着を行った。次に、単
位面積当たりの記録エネルギーが62mJ/mm2 とな
るようにサーマルヘッドに対する印加電力、パルス幅を
決め、該感熱記録材料に印字を行ったところ、赤色に発
色した。形成された画像を目視にて観察したところ、画
像部の色相は色鮮やかであり、非画像部の着色は抑制さ
れていた。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、ジアゾ化合物とカプラ
ーとの反応により生成する色素を利用して、非画像部の
着色が抑制されているとともに、画像部の色相が色鮮や
かである多色用感熱記録材料を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の上に感熱記録層を形成した感熱
    記録材料において、前記感熱記録層が、ジアゾ化合物1
    およびカプラー1を内包するマイクロカプセル1と、ジ
    アゾ化合物2およびカプラー2を内包するマイクロカプ
    セル2と、塩基とを含有し、 ジアゾ化合物1とカプラー1との反応速度定数、および
    ジアゾ化合物2とカプラー2との反応速度定数が、40
    ℃、塩基非存在下において0.01未満であり、かつ、
    ジアゾ化合物1とカプラー1とから形成される色素の色
    相と、ジアゾ化合物2とカプラー2とから形成される色
    素の色相が相互に異なる感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 ジアゾ化合物1とカプラー1とから形成
    される色素の色相、およびジアゾ化合物2とカプラー2
    とから形成される色素の色相が、シアン、マゼンタ、ま
    たはイエローのいずれかであることを特徴とする請求項
    1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 感熱記録層が、さらに、異なる色相に発
    色し得る発色成分を内包するマイクロカプセルを有し、
    かつ、ジアゾ化合物1とカプラー1とから形成される色
    素の色相、ジアゾ化合物2とカプラー2とから形成され
    る色素の色相、および前記発色成分が発色し得る色相
    が、各々、シアン、マゼンタ、またはイエローのいずれ
    かであることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 ジアゾ化合物1とカプラー1との反応速
    度定数、およびジアゾ化合物2とカプラー2との反応速
    度定数が、100℃、塩基存在下において0.1以上で
    あることを特徴とする請求項1から請求項3までのいず
    れか1項に記載の感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 マイクロカプセル1およびマイクロカプ
    セル2が、各々の転移温度で物質非透過性から物質透過
    性に転移し、前記各々の転移温度が相互に異なることを
    特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に
    記載の感熱記録材料。
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