JP2000238767A - 嵌込組立式梱包容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボルト締めの箇所を無くし、簡単に組み立て
て自立性を確保でき、開梱も変形させずに簡単にできる
嵌込組立式梱包容器を提供すること。 【構成】 側面部材２２〜２５の下端には、水平部外側
先端に円弧状に略９０度折り曲げて横Ｊ字状の突出折起
部３５が、立設部背面に内側に突出させた背面突出部３
３が形成された嵌合支持部材３１を取付け、床部材２１
の周囲に、対応させて、突出折起部３５の外側を包んで
係止する係止用包み部４１が外側端部に形成され、他端
立設部に背面突出部３３が摺接しながら嵌合係止される
係止用凹部４０が形成された嵌合受部材３７を設ける。
側面部材２２〜２５を傾けてその嵌合支持部材３１を床
部材２１の嵌合受部材３７に嵌め込んで立てるように
し、突出折起部３５を係止用包み部４１に接触させ、立
設部同志を接触させて嵌合組立状態とし、自立性を確保
する。輸送時には背面突出部３３と係止用凹部４０の係
止で上下の振動などを規制し、全長に設けた嵌合式連結
部で、簡単に開梱できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は貨物輸送用の嵌込
組立式梱包容器に関し、ボルトによる締付け箇所を廃止
するようにしたものであり、特に組立時の自立性を確保
しつつ開梱が簡単にできるようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車、２輪車の部品や完成品等を貨物
として輸送する必要がある場合には、外形が直方体や立
方体をしているのものがほとんどなく、一台分の部品な
どを能率良く梱包するため金属製などの枠状ないし箱状
の梱包容器が使用され、その内部に部品などを入れて輸
送するようにしている。

【０００３】このような自動車や２輪車用として使用さ
れている梱包容器の一つに梱包枠があり、従来構造とし
ては、梱包枠の底部分となるスキッド、このスキッドの
前後に配置される棲枠、スキッドの左右に配置される側
枠および左右の側枠をつなぐ天枠で構成されており、梱
包現場において通常、ボルト締めすることにより組立て
られていた。

【０００４】このような梱包枠では、組立の際のボルト
締めの箇所が多く、組立が繁雑であり、これに要する時
間も長くなってしまう。

【０００５】そこで、ボルトによる締付け箇所を廃止し
た梱包容器が提案されており、たとえば実公平４−３９
５３号公報には、図１０（ａ）に示すように、内側に高
い支持縁１とこれに続く底部２を介して外側に低い係止
縁３とを有し、支持縁１の少なくとも上端と接する外側
へ傾斜した仮想傾斜面４とこれに平行で係止縁３の少な
くとも一部と接するもう一つの仮想傾斜面５との間に開
口間隔が形成され、係止縁３と底部２との間に嵌合間隔
６が形成されている嵌合支持レール材７を床部材の周囲
四辺上に固着し、波の軸線を縦にして用いるようにした
波形鋼板の上縁と下縁に、波の軸線とほぼ直角に折り重
ねて、前記開口間隔とほぼ同じか又はそれより小さい幅
で、前記嵌合間隔６とほぼ同じか又はそれより小さい厚
みを有する補強縁部８を形成したパネル部材９を前記嵌
合支持レール材７のそれぞれに嵌め込んで立設する嵌め
込み式輸送容器が開示されている。

【０００６】また、実開平４−１３５４２１号公報に
は、図１０（ｂ）に示すように、断面角Ｊ字状部材１１
と、断面角Ｊ字状部材の長辺内面に固着された断面Ｖ字
状乃至不等辺Ｖ字状部材１２と、断面略円弧状部と断面
略半円弧状部と連続する断面直線部でなる拡大曲面Ｊ字
状部材１３とでなり、着装時に断面略半円弧状部１４の
先端が、断面角Ｊ字状部材１３の先端部に最も近い角折
部内面１５に接当し、かつ断面略半円弧状部が断面Ｖ字
状乃至不等辺Ｖ字状部材１２と接している着脱容易な金
属接合構造を用いたコンテナが開示されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】これらのボルトを使用
しない接続構造を用いる梱包容器のうち、前者では、嵌
合支持レールと補強縁部との嵌合部分の接触が線接触と
なって、接合強度が弱く、しかも横方向の移動を規制す
ることが出来ず、後者では、接合構造を構成する部材の
点数が多く、しかも各部材の形状と取付位置の関係を決
めることが難しく各部材をスポット溶接で取付けるため
製作が大変で、この場合にも横方向の移動を規制するこ
とができないという問題がある。

【０００８】また、棲枠や側枠を嵌合して連結した状態
であっても各枠が自立せず、一人で組立作業ができない
などの問題もある。

【０００９】一方、接続構造によって嵌合を強固にでき
るようにすると、各枠の自立性を改善できるものの、開
梱が簡単に出来ず、各枠を変形させたり、接続構造を変
形させその修正に手間がかかるという問題もある。．こ
の発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもの
で、ボルト締めの箇所を無くし、簡単に組み立てて自立
性を確保できるとともに、開梱も変形させること無く簡
単にできる嵌込組立式梱包容器を提供しようとするもの
である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
この発明の嵌込組立式梱包容器は、傾けて嵌め込んで立
設させて組立てられる側面部材の下端に、水平部外側先
端に略９０度折り起した突出折起部が形成されるととも
に、立設部背面に内側に突出させた背面突出部が形成さ
れた嵌合支持部材を取付ける一方、床部材の周囲の当該
嵌合支持部材と対応する部分に、前記嵌合支持部材の水
平部先端の前記突出折起部の外側を包んで係止する係止
用包み部が外側端部に形成されるとともに、他端立設部
に前記嵌合支持部材の立設部背面の前記背面突出部が摺
接しながら嵌合係止される係止用凹部が形成された嵌合
受部材を設けたことを特徴とするものである。

【００１１】この嵌込組立式梱包容器によれば、側面部
材の下端には、水平部外側先端に円弧状や角状に９０度
折り曲げて横Ｊ字状の突出折起部が形成されるととも
に、立設部背面に内側に突出させた背面突出部が形成さ
れた嵌合支持部材を取付けておき、一方、床部材の周囲
の当該嵌合支持部材と対応する部分には、前記嵌合支持
部材の水平部先端の前記突出折起部の外側を包んで係止
する係止用包み部が外側端部に形成されるとともに、他
端立設部に前記嵌合支持部材の立設部背面の前記背面突
出部が摺接しながら嵌合係止される係止用凹部が形成さ
れた嵌合受部材を設けるようにしてあり、側面部材を傾
けてその嵌合支持部材を床部材の嵌合受部材に嵌め込ん
で立てるようにし、水平部先端の突出折起部を係止用包
み部に入れるとともに、背面突出部と係止用凹部を嵌合
係止させるようにして固定する。

【００１２】これにより、わずかに傾けた側面部材を回
動して垂直状態に立てることで床部材と側面部材の連結
が確実にでき、自立性を確保できるとともに、簡単に開
梱ができるようにしている。

【００１３】また、この発明の請求項２記載の嵌込組立
式梱包容器は、請求項１記載の構成に加え、前記嵌合支
持部材を前記４つの側面部材の少なくとも対向する２つ
の下端全長に設ける一方、対応する前記床部材の対向す
る２辺の全長に前記嵌合受部を設けたことを特徴とする
ものである。

【００１４】この嵌込組立式梱包容器によれば、前記嵌
合支持部材を前記４つの側面部材の少なくとも対向する
２つの下端全長に設ける一方、対応する前記床部材の対
向する２辺の全長に前記嵌合受部を設けるようにしてお
り、部分集中的な連結でなく、全長にわたる連結によっ
て一層確実に側面部材の自立性を確保しつつ開梱が容易
にできるようにしている。

【００１５】さらに、この発明の請求項３記載の嵌込組
立式梱包容器は、請求項１または２記載の構成に加え、
前記嵌合受部材の前記係止用包み部に、前記側面部材の
支柱部分に対応させて切欠部を形成し、前記側面部材を
位置決め可能としたことを特徴とするものである。

【００１６】この嵌込組立式梱包容器によれば、前記嵌
合受部材の前記係止用包み部に、前記側面部材の支柱部
分に対応させて切欠部を形成するようにしており、切欠
部に側面部材の支柱部分を位置させることで横移動を防
止して確実な位置決めができるようにしている。

【００１７】また、この発明の請求項４記載の嵌込組立
式梱包容器は、請求項１〜３のいずれかに記載の構成に
加え、前記床部材の隅部に配置される前記嵌合受部材同
志の一方の前記立設部背面に、前記係止用凹部の形状に
対応して当接支持し得る切欠き支持部を形成したことを
特徴とするものである。

【００１８】この嵌込組立式梱包容器によれば、前記床
部材の隅部に配置される前記嵌合受部材同志の一方の前
記立設部背面に、前記係止用凹部の形状に対応して当接
支持し得る切欠き支持部を形成するようにしており、嵌
合受部材の立設部背面の係止用凹部の突出を利用して切
欠き支持部に当接させることで一層確実に嵌合受部材同
志の連結一体化することができるようにしている。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を
図面に基づき詳細に説明する。

【００２０】図１〜図４はこの発明の嵌込組立式梱包容
器の一実施の形態にかかり、図１は嵌合組立部とその組
立工程の断面図、図２は梱包容器の分解斜視図、図３お
よび図４はそれぞれ床部材と側面部材の嵌合式連結部の
分解斜視図である。

【００２１】この嵌込組立式梱包容器はパネルを備えた
箱状またはパネルの無い枠状とされるが、ここではパネ
ルの無い枠状の梱包枠で構成した場合について説明す
る。

【００２２】梱包枠２０は、図２に示すように、その底
部分となる床部材としてのスキッド２１、このスキッド
２１の前後（ここでは、フォークリフトの爪の挿入方向
を前後方向とする。）に配置される側面部材としての棲
枠２２，２３、スキッド２１の左右に配置される側面部
材としての側枠２４，２５および前後の棲枠２２，２３
をつなぐ天枠２６で構成されている。

【００２３】床部材としてのスキッド２１は前後方向に
配置される４本の脚部材２１ａを備え、これら脚部材２
１ａが左右方向に間隔をあけて配置され、４本の脚部材
２１ａの前後両端上に、嵌合受部材を兼ねる連結材２１
ｂが配置されて矩形の枠が形成され、枠内に角型の波板
の床材が全面または間隔をかけて取付けられて構成され
ており、梱包容器の大きさに応じて脚部材２１ａの本数
や長さが適宜決定される。このスキッド２１の脚部材２
１ａは角張った略Ｕ字状断面の両端部外側にフランジ部
が形成されたものが使用されている。

【００２４】なお、嵌合受部材を兼ねる連結材２１ｂの
詳細については嵌合式連結部とともに、後述する。

【００２５】スキッド２１の前後に配置されて連結され
る棲枠２２，２３は略Ｐ形断面形状の中空成形材２７を
用いて構成され、スキッド２１の左右方向の幅と同一の
長さの上部材とこれより短い下部材とこれらをつなぐ支
柱２８および斜材２９とで下が窄まった略台形状に枠組
みされて構成してあり、梱包容器の大きさに応じて支柱
２８の本数と斜材２９の本数などが適宜決定される。

【００２６】スキッド２１の左右に配置されて連結され
る側枠２４，２５は略Ｐ形断面形状や略Ω形断面形状な
ど他の断面形状の中空成形材２７を組合せて構成され、
スキッド２１の前後方向の幅と同一長さの矩形状に形成
され、支柱２８および斜材２９で補強されてスポット溶
接などで枠組みされて構成してあり、梱包容器の大きさ
に応じて支柱２８の本数と斜材２９の本数などが適宜決
定される。

【００２７】そして、これら棲枠２２，２３および側枠
２４，２５とスキッド２１とがボルトを用いずに嵌合式
連結部３０で組立できるようにしてあり、嵌合式連結部
３０は、嵌合支持部材３１と嵌合受部材３７とで構成さ
れる。

【００２８】これら棲枠２２，２３および側枠２４，２
５とスキッド２１との嵌合式連結部３０は、図１〜図４
にそれぞれ示すように、棲枠２２，２３では、中央部の
支柱２８の下端を繋ぐ下部材と兼用されてその全長に嵌
合支持部材３１が配置されるとともに、側枠２４，２５
では、その下端全長（全幅）に嵌合支持部材３１が配置
され、スキッド２１には、これら嵌合支持部材３１に対
応する全長に嵌合受部材３７が配置される。

【００２９】なお、この棲枠２２，２３の下部材と兼用
して設けられる嵌合支持部材３１の長さは、支柱２８間
を連結する最短の場合から上部材と同一の最長の場合ま
での範囲で、嵌合連結後に自立させることができる連結
強度などを考慮して適宜決定される。

【００３０】この棲枠２２，２３では、その下部材が嵌
合支持部材３１を兼用するよう支柱２８間を連結してお
り、断面形状が略Ｌ字状に形成されて立設部３２と水平
部３４を備えている。この嵌合支持部材３１の略Ｌ字状
の立設部３２には、その背面に梱包容器内側に突出して
折り曲げられた「く」字状の背面突出部３３が全長に渡
って形成されるとともに、略Ｌ字状の水平部３４の先端
に略１／４円弧状に折り起こされた（略９０度曲げられ
た）突出折起部３５が形成されて構成されている。この
突出折起部３５は鋭く曲げる曲げ加工によるものであっ
ても良い。

【００３１】同様にして、側枠２４，２５では、矩形の
枠の下辺部分の全長が、断面略Ｌ字状の嵌合支持部材３
１と兼用され、立設部３２の背面に「く」字状の背面突
出部３３が形成されるとともに、水平部３４の先端に突
出折起部３５が形成してあり、これら背面突出部３３及
び突出折起部３５の形状は棲枠２２，２３の場合と同一
である。

【００３２】なお、この側枠２４，２５の嵌合支持部材
３１の必ずしも全長に形成する必要はなく、中間部分な
どの一部分を嵌合支持部材３１とし、残りの部分を連結
部材とし、平板や中空部材等で構成しても良い。

【００３３】次に、このような立設部３２の背面突出部
３３および水平部３４の突出折起部３５を備えた嵌合支
持部材３１を受ける嵌合受部材３７がスキッド２１の周
囲四辺に取付けられるが、棲枠２２，２３に対応する部
分には、下部材と兼用の嵌合支持部材３１の長さを越え
て嵌合受部材３７が連結材２１ｂと兼用されてスキッド
２１の全長（左右幅）に取付けられ、側枠２４，２５に
対応する部分にも、脚部材２１ａの全長（前後幅）に渡
って嵌合受部材３７が設けてある。

【００３４】まず、棲枠２２，２３の下部材と兼用され
る嵌合支持部３１に対応し、その長さを越えてスキッド
２１の全長（左右幅）に配置された嵌合受部材３７は、
図１〜図３に示すように、断面形状が略Ｌ字状に形成さ
れて立設部３８と水平部３９とを備えて構成されてお
り、スキッド２１に取り付けた状態で内側に立設部３８
が配置され、水平部３９が外側に突き出すように配置さ
れている。

【００３５】この嵌合受部材３７には、立設部３８に嵌
合支持部材３１の背面の背面突出部３３が摺接しながら
嵌合係止される背面突出部３３より一回り大きい「く」
字状の係止用凹部４０が全長に渡って折り曲げ加工で形
成され、水平部３９の先端部には、嵌合支持部材３１の
突出折起部３５を包むことができるように垂直から水平
に半円状に曲げられた係止用包み部４１が全長に渡って
形成してある。

【００３６】また、この係止用包み部４１には、棲枠２
２，２３の支柱２８に対応する位置に切欠部４２が形成
され、支柱２８と干渉しないようにしてあり、これによ
って棲枠２２，２３の嵌合組立の際の位置決めが容易に
できるようにする。

【００３７】そして、このような嵌合受部材３７では、
立設部３８と係止用包み部４１との内側に嵌合支持部材
３１の立設部３２と水平部３４が密着するように寸法が
定められるとともに、この状態で係止用凹部４０の内側
に嵌合支持部材３１の背面突出部３３が係止され、係止
用包み部４１に嵌合支持部材３１の突出折起部３５が包
まれて係止状態となるように寸法が定めてある（図１
（ｃ）参照）。

【００３８】また、嵌合受部材３７の係止用包み部４１
の高さおよび梱包容器内側への突出量は、棲枠２２，２
３および側枠２４，２５を傾けて挿入するときに干渉し
ないように予め定めてある（図１（ａ），（ｂ）参
照）。

【００３９】さらに、嵌合受部材３７の両端部は、側枠
２４，２５の両端の支柱２８との干渉を防止するため、
立設部３８と係止用包み部４１が切り欠かれて支柱取付
部４３が形成され、この部分は水平部３９のみが位置す
るようになっている。

【００４０】次に、側枠２４，２５の嵌合支持部３１に
対応して配置される嵌合受部材３７は、図１，図２およ
び図４に示すように、基本的な構造において、棲枠２
２，２３に対するものとほぼ同一であり、同一部分に
は、同一記号を記し説明は省略する。

【００４１】この側枠２４，２５に対応する嵌合受部材
３７は、棲枠２２，２３に対する嵌合受部材３７と直角
に当接して矩形に配置されるが、隅部に配置される側枠
２４，２５に対応する嵌合受部材３７の立設部３８には
係止用凹部４０の「く」字状に対応する形状の切欠き支
持部４４が形成され、この切欠き支持部４４に棲枠２
２，２３に対する嵌合受部材３７の係止用凹部４０を係
止支持することで４つの嵌合受部材３７の倒れなどを防
止して一体に連結された枠形状を保持できるようにして
ある。

【００４２】次に、このような嵌合支持部材３１が設け
られた棲枠２２，２３および側枠２４，２５と嵌合受部
材３７が設けられたスキッド２１との組立は、図１、図
３および図４に示すように、それぞれの棲枠２２，２３
および側枠２４，２５を外側に３５〜４５度程度傾けた
状態にして嵌合支持部材３１を嵌合受部材３７の立設部
３８と係止用包み部４１の間に挿入する（図１（ａ）参
照）。

【００４３】この後、棲枠２２，２３および側枠２４，
２５を立てるようにしながら水平部先端の突出折起部３
５をスキッド２１の嵌合受部材３７の係止用包み部４１
に入れるようにするとともに、棲枠２２，２３および側
枠２４，２５の背面突出部３３が嵌合受部材３７の係止
用凹部４０の内面に接触させながら滑らせるようにする
（図１（ｂ）参照）。

【００４４】そして、この状態からさらに棲枠２２，２
３および側枠２４，２５を立てるように押し下げると、
棲枠２２，２３および側枠２４，２５の嵌合支持部材３
１の立設部３２の外面がスキッド２１の嵌合受部材３７
の立設部３８の内面と接触し、さらに、棲枠２２，２３
および側枠２４，２５の嵌合支持部材３１の水平部先端
の突出折起部３５の外周面がスキッド２１の嵌合受部材
３７の係止用包み部４１の内面と接触するとともに、棲
枠２２，２３および側枠２４，２５の嵌合支持部材３１
の水平部３３の下面がスキッド２１の嵌合受部材３７の
水平部３９の上面と接触して嵌め込み状態となって組立
が完了する。

【００４５】さらに、棲枠２２，２３および側枠２４，
２５の水平部先端の突出折起部３５の外周面がスキッド
２１の嵌合受部材３７の係止用包み部４１の内面に接触
して包まれるようになる一方、棲枠２２，２３および側
枠２４，２５の背面突出部３３が嵌合受部材３７の係止
用凹部４０の内側に位置する状態となっている。

【００４６】この嵌合支持部材３１と嵌合受部材３７の
嵌合状態では、棲枠２２，２３および側枠２４，２５が
内側または外側のいずれかに傾こうとすると、突出折起
部３５の係止用包み部４１の内面への接触および背面突
出部３３の係止用凹部４０の内面への接触により、スキ
ッド２１に対する棲枠２２，２３および側枠２４，２５
の立設状態を保持することができる（図１（ｃ）参
照）。

【００４７】また、この嵌合支持部材３１と嵌合受部材
３７の嵌合状態では、前後の動き（図１の紙面上での左
右の動き）および上下の動き（図１の紙面上での上下の
動き）は、棲枠２２，２３および側枠２４，２５の水平
部先端の突出折起部３５の外周面がスキッド２１の嵌合
受部材３７の係止用包み部４１の内面に接触して包まれ
るとともに、棲枠２２，２３および側枠２４，２５の背
面突出部３３が嵌合受部材３７の係止用凹部４０の内側
に位置していることで規制され、左右の動き（図１の紙
面直角方向の動き）は、側枠２４，２５では全幅に設け
られた嵌合支持部材３１と嵌合受部材３７とで規制さ
れ、棲枠２２，２３では支柱２８が嵌合受部材３７の切
欠部４２の間に位置することで規制され、いずれの方向
の動きも規制された状態となって連結される。

【００４８】一方、嵌合状態の嵌合支持部材３１と嵌合
受部材３７との開放による開梱の場合には、棲枠２２，
２３および側枠２４，２５を外側に傾けるようにして背
面突出部３３を嵌合受部材３７の係止用凹部４０の内面
に接触させながら滑らせるようにした後、棲枠２２，２
３および側枠２４，２５を引き出すようにすることで簡
単に取り外すことができ、特に部分的に強固に嵌合して
いる部分もなく、嵌合支持部材３１や嵌合受部材３７が
変形するような大きな力を必要とせずに開梱することが
できる。

【００４９】以上のように、この嵌合式連結部３０で
は、嵌合状態の嵌め込み力は、嵌合支持部材３１の水平
部３４の先端の突出折起部３５と基端の立設部３２が嵌
合受部材３７の係止用包み部４１と立設部３９の間で挾
まれることで得られ、しかも側枠２４，２５ではその下
辺部分の全長で、棲枠２２，２３では下部材の全長でそ
れぞれ嵌め込み力を得ることができ、局部的な嵌込式に
比べて全体として大きな嵌め込み力を得ることができ
る。

【００５０】これにより、大きな嵌め込み力で各枠の自
立性を確保できると同時に、開梱のために部分的に大き
な力を加える必要がなく容易に行うことができ、変形を
防止することもできる。

【００５１】また、組立後の各枠２２，２３，２４，２
５の自立性と、梱包後の輸送時の上下振動に対しては、
嵌合支持部材３１の突出折起部３５と嵌合受部材３７の
係止用包み部４１の係止および嵌合支持部材３１の背面
突出部３３と嵌合受部材３７の係止用凹部４０の接触に
よって対応することができ、これらのクリアランスの範
囲で規制することができる。

【００５２】さらに、輸送時の前後方向の移動は、嵌合
支持部材３１の外寸法と嵌合受部材３７の内寸法とで規
制され、左右方向の移動は支柱２８と嵌合受部材３７の
切欠部４２とで規制することができ、これらの寸法を適
宜定めることで、輸送などに支障のないようにすること
ができる。

【００５３】また、嵌合支持部材３１及び嵌合受部材３
７は、断面形状が比較的単純で１枚の鉄板を加工するこ
とで容易に製作でき、部品点数も少なく、局部的な荷重
を受けることもないので補強の必要もなく、安価に製作
できる。

【００５４】さらに、組立の際、棲枠２２，２３および
側枠２４，２５のいずれからでも組立を開始することが
でき、組立順序がなく、だれでも簡単に組立てることが
できる。

【００５５】このような本発明の嵌合式連結部３０と従
来の接続構造（図１０参照）とを比較実験し、嵌込み作
業性、嵌込み強度と嵌込み部の開梱時の変形度（取外し
後の変形）について調べ、その結果を表１に示した。

【表１】

【００５６】同表から明らかなように、この嵌合式連結
部３０によれば、各枠の組立が容易にできるとともに、
各枠の自立性を確保しつつ変形のない開梱が可能であ
る。

【００５７】なお、この嵌合支持部材３１と嵌合受部材
３７の嵌め込み強度の具体的な値は、使用材料や嵌合支
持部材および嵌合受部材の大きさなどによって異なるも
のであるが、同一条件のもので比較した。

【００５８】次に、この発明の嵌込組立式梱包容器の他
の一実施の形態にかかる嵌合式連結部について、図５に
より説明する。

【００５９】この嵌合式連結部４５では、嵌合支持部材
３１の背面突出部４６の断面形状が「く」字状の角部の
上方を水平突出部４６ａとし、しかも立設部３２に対す
る形成位置を下方に移動してあり、この嵌合支持部材３
１が嵌め込まれる嵌合受部材３７の係止用凹部４７の形
状も対応して「く」字状の角部の上方を水平突出部４７
ａとし、しかも立設部３８に対する形成位置を下方に移
動してある。

【００６０】この嵌合式連結部４５では、嵌合連結状態
における背面突出部４６の水平突出部４６ａの外側に係
止用凹部４７の水平突出部４７ａが位置することにな
り、水平突出部４６ａ，４７ａ同志によって上下方向の
移動を一層確実に規制することができる。

【００６１】また、矩形にスキッド２１上に配置される
４つの嵌合受部材３７の隅部の直角に当接して配置され
る側枠２４，２５に対応する嵌合受部材３７には、この
係止用凹部４７の水平突出部４７ａを備えた略「く」字
状に対応する切欠き支持部４８が形成され、この切欠き
支持部４８で嵌合受部材３７の係止用凹部４７を係止支
持することで、「く」字状の場合に比べて水平突出部４
７ａが加わることによって一層嵌合受部材３７同志の連
結一体化を強固にでき、倒れなどを防止して枠形状を保
持することができる。

【００６２】さらに、この嵌合式連結部４５では、立設
部３２，３８の下側に背面突出部４６および係止用凹部
４７を形成するようにしたので、製作加工時の寸法のバ
ラツキを最少限にできるとともに、組立や開梱時の変形
を抑えることもできる。

【００６３】次に、梱包枠２０の隅頂部の組立に必要な
嵌合式連結部５０について、図６および図７により説明
する。

【００６４】この嵌合式連結部５０では、隅頂部を構成
する棲枠２３と側枠２５のそれぞれに、たとえば図６の
ように、コーナアタッチメント５１，５２が取付けられ
る。このコーナアタッチメント５１，５２には、それぞ
れ中間部に半円状の凹部５３，５４が形成されて隅頂部
側が上部材の内面とわずかな隙間５４が形成されるよう
になっており、隅頂部内側に位置して円筒状の荷重支持
部５５，５６が形成されている。そして、これら荷重支
持部５５，５６の高さが上下にずらして形成してあり、
棲枠２３側の荷重支持部５５の上端面を側枠２５の荷重
支持部５６の下端面と当接させて荷重を支持できるよう
にしてある。

【００６５】このようなコーナアタッチメント５１，５
２を連結するため、図６中に底面から見た斜視図及び上
面から見た斜視図で示すように、コーナブラケット５７
が用いられる。

【００６６】このコーナブラケット５７は、隅頂部を構
成する棲枠２３と側枠２５の両方の外側当られる直角方
向に配置されて直角に折り曲げられた２つの外側片５８
が形成された略直角三角形状の天板５９を備えるととも
に、隅頂部を構成する棲枠２３と側枠２５の両方の内側
に当られてコーナアタッチメント５１，５２の隙間５４
に入れられる内側片６０が形成された連結部材６１を備
えている。

【００６７】そして、天板５９に連結部材６１が溶接さ
れて外側片５８と内側片６０との間に棲枠２３と側枠２
５の上辺を構成する中空成形材２７を挾むことができる
間隔が形成される。

【００６８】さらに、連結部材６１の隅頂部と反対側の
両端には、コーナアタッチメント５１，５２の凹部５
３，５４に嵌合される円筒状の連結部６２，６３が一体
に形成されるとともに、隅頂部近傍の中央部には、上下
に接して配置される荷重支持部５５，５６に挿入される
連結ピン６４がプロジェクション溶接などで取付けてあ
る。

【００６９】この連結ピン６４は、両端部の連結部６
２，６３とともに２つのコーナブラケット５１，５２を
連結するものであり、連結強度を高める必要からコーナ
ブラケット５１，５２として使用される材料よりも強度
の大きい材料で作られており、連結ピン６４部分の変形
でコーナブラケット５１，５２の連結状態が変化しない
ようにしてある。

【００７０】さらに、このコーナブラケット５７の天板
５９の上面には、梱包枠を上下に積み重ねる場合の位置
決め用の半円状の突起部６５がプレス加工で一体に形成
してある。

【００７１】したがって、この嵌合式連結部５０では、
まず、図７に示すように、棲枠２３と側枠２５のコーナ
アタッチメント５１，５２を合わせるようにして荷重支
持部５５と荷重支持部５６を重ねた状態にし、コーナブ
ラケット５７を、図６の左側に示す状態から反転させて
図６の右側に示す状態にして、外側片５８が棲枠２３と
側枠２５の外側に当られ、内側片６０が棲枠２２とコー
ナアタッチメント５１との隙間５４および側枠２４とコ
ーナアタッチメント５２との隙間５４に入り、さらに、
コーナアタッチメント５１，５２の凹部５３，５４に両
端の円筒状の連結部６２，６３が嵌合されるとともに、
中央部の連結ピン６４がコーナアタッチメント５１，５
２の上下の荷重支持部５５，５６に挿入するように押し
込む。

【００７２】これにより、外側片５８と内側片６０とに
よる挾付けおよび２本の連結部６２，６３と連結ピン６
４とによる３か所の位置の規制により、梱包枠２０の隅
頂部の動きを固定でき、棲枠２３および側枠２５の内側
及び外側への倒れを防止して連結固定することができ
る。

【００７３】また、コーナブラケット５７の天板５９の
上面に位置決め用の半円状の突起部６５がプレス加工で
一体に形成してあるので、梱包枠２０を積み重ねる場合
にスキッド２１の底面の４隅の穴と嵌合してずれを防止
することができる。

【００７４】さらに、コーナブラケット５７の外側片５
８の下端縁を「く」字状に内側に折り曲げておき、棲枠
２３および側枠２５の中空成形材２７の下側に係止され
るようにすることで、コーナブラケット５７を一層確実
に取付けて連結固定することができ、輸送の際に振動が
加わっても抜け落ちることを防止できる。

【００７５】この梱包枠２０では、さらに天枠２６が設
けられるが、天枠２６もボルトを用いずに取付けること
ができるようにしてある。

【００７６】このため天枠２６は、図８に分解状態を、
図９に組み立て状態をそれぞれ示すように、略Ｐ形断面
形状の中空成形材２７を用い、棲枠２２の内側面に当接
する長さとされ、その両端部には、図８に一端部を示す
ように、棲枠２２の上部枠材の上面と外側面に当られる
略Ｌ字状の係止板７１を備え、係止板７１の先端部が内
側に「く」字状に折り曲げられて上部枠材の下面に係止
できるようになっている。

【００７７】したがって、天枠２６を前後の棲枠２２，
２３の上部枠材に被せるようにすると、両端部の係止板
７１と中空成形材２７とで棲枠２２，２３が押えられる
とともに、天枠２６自体の上下方向の移動も先端部の係
止によって防止される。

【００７８】以上のようにして構成された梱包枠２０で
は、ボルトを全く用いること無くスキッド２１に対して
棲枠２２，２３および側枠２４，２５を組み立てること
ができ、さらに四か所の隅頂部にコーナブラケット５７
をそれぞれ押し込むとともに、天枠２６を押し込んで取
付けることで、梱包枠２０の組立が完了する。

【００７９】一方、梱包枠２０を分解して内部の収納物
を取出す場合にも天枠２６およびコーナブラケット５７
を取り外したのち、棲枠２２，２３を外側に倒すように
して傾けた状態にするとともに、側枠２４，２５を同様
に外側に倒すようにして傾けた状態にすることで、簡単
に分解することができる。

【００８０】また、棲枠２２，２３および側枠２４，２
５が略Ｐ形断面形状の中空成形材で枠組みされているの
で、強度が大きく、撓みなどが少なく簡単に嵌合連結す
ることができる。

【００８１】さらに、嵌合式連結部３０，５０が嵌合支
持部材３１と嵌合受部材３７で構成されたり、コーナブ
ラケット５７だけで構成されて部材点数が少なく製作が
容易である。

【００８２】なお、上記実施の形態では、パネルの無い
梱包枠を例に説明したが、側面部材の内側にパネルを取
付けるとともに、天枠にもパネルを取付けて蓋とした箱
状にするようにしても良い。

【００８３】さらに、上記実施の形態では、嵌合支持部
材や嵌合受部材、あるいはコーナブラケットを金属で構
成したが、金属に限らず樹脂などで形成しても良い。

【００８４】

【発明の効果】以上、一実施の形態とともに具体的に説
明したように、この発明の請求項１記載の嵌込組立式梱
包容器によれば、側面部材の下端には、水平部外側先端
に円弧状や角状に略９０度折り曲げて横Ｊ字状の突出折
起部が形成されるとともに、立設部背面に内側に突出さ
せた背面突出部が形成された嵌合支持部材を取付けてお
き、一方、床部材の周囲の当該嵌合支持部材と対応する
部分には、前記嵌合支持部材の水平部先端の前記突出折
起部の外側を包んで係止する係止用包み部が外側端部に
形成されるとともに、他端立設部に前記嵌合支持部材の
立設部背面の前記背面突出部が摺接しながら嵌合係止さ
れる係止用凹部が形成された嵌合受部材を設けるように
したので、側面部材を傾けてその嵌合支持部材を床部材
の嵌合受部材に嵌め込むで立てるようにし、水平部先端
の突出折起部を係止用包み部に入れるとともに、背面突
出部と係止用凹部を嵌合係止させるようにして固定す
る。

【００８５】これにより、わずかに傾けた側面部材を回
動して垂直状態に立てることで床部材と側面部材の連結
が確実にでき、自立性を確保できるとともに、簡単に開
梱を行うことができる。

【００８６】また、この発明の請求項２記載の嵌込組立
式梱包容器によれば、前記嵌合支持部材を前記４つの側
面部材の少なくとも対向する２つの下端全長に設ける一
方、対応する前記床部材の対向する２辺の全長に前記嵌
合受部を設けるようにしたので、部分集中的な連結でな
く、全長にわたる連結によって一層確実に側面部材の自
立性を確保しつつ局部的に大きな嵌め込み力がなく、開
梱を容易に行うことができる。

【００８７】さらに、この発明の請求項３記載の嵌込組
立式梱包容器によれば、前記嵌合受部材の前記係止用包
み部に、前記側面部材の支柱部分に対応させて切欠部を
形成するようにしたので、切欠部に側面部材の支柱部分
を位置させることで横移動を防止して確実な位置決めを
行うことができる。

【００８８】また、この発明の請求項４記載の嵌込組立
式梱包容器によれば、前記床部材の隅部に配置される前
記嵌合受部材同志の一方の前記立設部背面に、前記係止
用凹部の形状に対応して当接支持し得る切欠き支持部を
形成するようにしたので、嵌合受部材の立設部背面の係
止用凹部の突出を利用して切欠き支持部に当接させるこ
とで一層確実に嵌合受部材同志の連結を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施の形態
にかかる嵌合式連結部と組立工程の断面図である。

【図２】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施の形態
にかかる梱包容器の分解斜視図である。

【図３】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施の形態
にかかる床部材と側面部材（棲枠）の嵌合式連結部の分
解斜視図である。

【図４】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施の形態
にかかる床部材と側面部材（側枠）の嵌合式連結部の分
解斜視図である。

【図５】この発明の嵌込組立式梱包容器の他の一実施の
形態にかかる嵌合式連結部の断面図である。

【図６】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施の形態
にかかる側面部材同志の隅頂部の分解斜視図である。

【図７】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施の形態
にかかる側面部材同志の隅頂部の組立状態の斜視図であ
る。

【図８】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施の形態
にかかる天枠の一部分にかかる分解斜視図である。

【図９】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施の形態
にかかる天枠の一部分にかかる組立状態の斜視図であ
る。

【図１０】従来の嵌込組立式梱包容器の嵌込組立部分の
断面図である。

【符号の説明】

２０ 梱包枠 ２１ スキッド（床部材） ２２，２３ 棲枠（側面部材） ２４，２５ 側枠（側面部材） ２６ 天枠 ２８ 支柱 ３０，４５ 嵌合式連結部 ３１ 嵌合支持部材 ３２ 立設部 ３３，４６ 背面突出部 ３４ 水平部 ３５ 突出折起部 ３７ 嵌合受部材 ３８ 立設部 ３９ 水平部 ４０，４７ 係止用凹部 ４１ 係止用包み部 ４２ 切欠部 ４３ 支柱取付部 ４４，４８ 切欠き支持部 ５０ 嵌合式連結部 ５１，５２ コーナアタッチメント ５３，５４ 凹部 ５５，５６ 荷重支持部 ５７ コーナブラケット ６２，６３ 連結部 ６４ 連結ピン ７１ 係止部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 傾けて嵌め込んで立設させて組立てられ
   る側面部材の下端に、水平部外側先端に略９０度折り起
   した突出折起部が形成されるとともに、立設部背面に内
   側に突出させた背面突出部が形成された嵌合支持部材を
   取付ける一方、床部材の周囲の当該嵌合支持部材と対応
   する部分に、前記嵌合支持部材の水平部先端の前記突出
   折起部の外側を包んで係止する係止用包み部が外側端部
   に形成されるとともに、他端立設部に前記嵌合支持部材
   の立設部背面の前記背面突出部が摺接しながら嵌合係止
   される係止用凹部が形成された嵌合受部材を設けたこと
   を特徴とする嵌込組立式梱包容器。
2. 【請求項２】 前記嵌合支持部材を前記４つの側面部材
   の少なくとも対向する２つの下端全長に設ける一方、対
   応する前記床部材の対向する２辺の全長に前記嵌合受部
   を設けたことを特徴とする請求項１記載の嵌込組立式梱
   包容器。
3. 【請求項３】 前記嵌合受部材の前記係止用包み部に、
   前記側面部材の支柱部分に対応させて切欠部を形成し、
   前記側面部材を位置決め可能としたことを特徴とする請
   求項１または２記載の嵌込組立式梱包容器。
4. 【請求項４】 前記床部材の隅部に配置される前記嵌合
   受部材同志の一方の前記立設部背面に、前記係止用凹部
   の形状に対応して当接支持し得る切欠き支持部を形成し
   たことを特徴とする前記請求項１〜３のいずれかに記載
   の嵌込組立式梱包容器。