JP3598339B2 - コンテナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナに関し、特に折り畳み可能なコンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パレットに乗せた後、収縮したシ−トで貨物をコンテナで覆って、コンテナと共にフォークリフトトラックで運搬する運搬方式が採用されており、そのようなう運搬方式に適用されるコンテナとして、実公平6−45574号公報に記載されているようなものが知られている。
【0003】
このコンテナは、図17に示すように、ヒンジ1aがパレットカラー6aを構成する壁部材2a、3a間、2a、4a間、3a、5a間および4a、5a間に介装されて、各壁部材を回動可能に枢支する構成になっている。ヒンジ1aに舌体14が一体に突出形成されている。
【0004】
図17
に示す例では、コンテナはパレット7上に2台積層され、下方のコンテナはパレット7上に載置出来るようになっている。パレット7およびコンテナの運搬移動は、フォークリフトトラックのフォークをパレットプレート8とフットプレ−ト8a間に挿入することにより行なわれる。コンテナは直方体に形成されているが、パレットカラー6aは不使用時にはヒンジ1aを介して折り畳むことが可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のコンテナは、各壁部材間がヒンジ1aを介して結合されているため、不使用時にはヒンジ1aを介して折り畳むことが可能であるものの、ヒンジ1aに舌体が一体に突出形成されていて、複雑な構造であるばかりでなく、
蓋が無いため、内容物が簡単に放出されるおそれがある等の問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、ヒンジを簡素な構造とするとともに、コンテナに天板(蓋)を取り付け、蓋付コンテナであるにも拘わらず、コンテナの不使用時にコンパクトに折り畳むことができるようにしたコンテナを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、四辺形状の天板と、同天板の各周縁部に垂直状に配設される壁部材とを備えたコンテナにおいて、
上記壁部材が、上記天板の第1周縁部に連結される第1壁部材と、該第1壁部材に連結される第2壁部材と、上記天板の第3周縁部に連結される第3壁部材と、該第3壁部材に連結される第4壁部材とで構成されるとともに、互いに隣接する上記各壁部材同志を回動可能に連結する蝶番とで構成され、
上記第1壁部材は、本体部と上記第2壁部材に連結される端縁部側に外方へ折曲可能に取り付けられた補間部とによって構成され、
上記第3壁部材は、本体部と上記第4壁部材に連結される端縁部側に外方へ折曲可能に取り付けられた補間部とによって構成され、
上記第2壁部材と第3壁部材3とを連結する蝶番、および第1壁部材と第4壁部材4とを連結する蝶番は、いずれもそれらのピボット軸を取り外し可能に構成されており、
上記第1壁部材および同第1壁部材の対向位置に配設された第3壁部材が、それぞれ各本体部を蝶番を介して上記天板の周縁部に回動可能に連結され、課題解決の手段としている。
【0010】
更に、上記に記載のコンテナにおいて、
同コンテナの上記各壁部材に、同壁部材の外面部よりも外方に変位して形成され、かつ下段のパレットカラーもしくはパレットの周縁部に係合する突出部を有する板状の金属製の舌体をそれぞれ取り付けて課題解決の手段としている。
【0011】
更にまた、上記に記載のコンテナにおいて、上記舌体が略平面形状の本体部と、
同本体部の下方に一体的に連接された突出部とを備え、上記本体部に、同本体部を打出プレス加工して取付タブを形成されるとともに、上記突出部に補強用ビ−ドを形成して課題解決の手段としている。
【0012】
本発明では、コンテナを、不使用時には1枚の板状に変形でき、その結果、保管、運搬などが容易となる。
【0013】
また、天板およびパレットカラーが一体であるため、コンテナの梱包時、梱包作業が1回ですみ、かつ在庫スペースが少なくてすむ。
【0014】
更に、コンテナが、四辺形状の天板と、同天板の各周縁部に垂直状に取り付けられた壁部材とで構成されるとともに、該壁部材を、天板の第1周縁部に連結される第1壁部材と、該第1壁部材に連結される第2壁部材と、上記天板の第3周縁部に連結される第3壁部材と、該第3壁部材に連結される第4壁部材とで構成し、かつ、互いに隣接する上記各壁部材同志を蝶番で連結したため、必要な強度を保持できる。
【0015】
更にまた、一部の蝶番のピボット軸を抜き取り、あるいは挿入可能に構成されているため、コンテナの組み立て/分解を簡単な作業で行うことができる。そして、汎用の蝶番を使用しているため、コストダウンが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1に示すように、コンテナ01は、符号02で示す四辺形状の天板と、この天板02の各周縁部に垂直状に配設される壁部材6とを備えて構成されている。
【0018】
すなわち、上記壁部材6が、天板02の第1周縁部aに連結される第1壁部材1と、第1壁部材1に連結され、天板02の第2周縁部bに接続される第2壁部材2と、天板02の第3周縁部cに連結される第3壁部材3と、第3壁部材3に連結され、天板02の第4周縁部dに接続される第4壁部材4とで構成されるとともに、互いに隣接する上記各壁部材1,2と3,4同志は蝶番10で回動可能に連結されている。
【0019】
第1壁部材1は、本体部1aと第2壁部材2に連結される端縁部側に、蝶番11により外方へ折曲可能に取り付けられた補間部1bとによって構成され、また、
第3壁部材3は、本体部3aと第4壁部材4に連結される端縁部側に、蝶番11により外方へ折曲可能に取り付けられた補間部3bとによって構成されている。
【0020】
さらに、第1壁部材1および同第1壁部材1の対向位置に配設された第3壁部材3が、それぞれ各本体部1a、3aを蝶番21を介して、上記天板02の周縁部aおよびbに、各本体部1a、3aを天板02上に重合できるよう回動可能に連結されている。
【0021】
蝶番の取り付け部材の構造としては、図11に示すように、切り起し突起22を円形状に形成した取り付け部材23を設けてもよい。また、図12に示すように、取り付け部材23を円筒状のものに形成してもよい。更に、図13に示すように、切り起し突起22を楔状に形成し並列させて設けてもよい。
【0022】
第2壁部材2と第3壁部材3とを連結する蝶番10A(他の蝶番10と区別するため、補助符号「A」を付する。以下同様である。)、および第1壁部材1と第4壁部材4とを連結する蝶番10Aは、いずれもそれらのピボット軸10aを取り外し可能に構成されている。
【0023】
図2乃至図4に示すように、第1壁部材1の本体部1aの長さxと補間部1bの長さyとの長さの関係は、第1壁部材1の補間部1bと第2壁部材2(第2壁部材2の長さ:z)とを一直線状にした状態(図2の状態)を保ちながら、(この時、両蝶番10Aのピボット軸10aはいずれも取り外され、第4壁部材4および第3壁部材3から分離されている)第2壁部材2と補間部1bとを蝶番11で第1壁部材1の上に重ねるように折り曲げたとき、第2壁部材2と補間部1bとが丁度第1壁部材1の上に重なるように(図3、図4の状態)、すなはちx=y+zとなるような寸法関係になっている。この寸法関係は1例であって、必ずしもこの寸法にこだわるものではない。
【0024】
第3壁部材3および第4壁部材4についても、同様である。なお、上記の各蝶番はいずれも、コンテナ01の組み立て状態(図1に示す状態)で、コンテナ01の外側に取り付けられている。
【0025】
コンテナ01の不使用時、コンテナ01の壁部材6は、図5に示す状態に折り畳まれて保管されている。図6に示すように、両蝶番10Aのピボット軸10aをいずれも取り外し、ついで、第1壁部材1および第3壁部材3をそれぞれ蝶番21を中心に回動して、天板02上に重ねる。このとき、第1壁部材1の補間部1bと第2壁部材2も第1壁部材1の本体部1aと共に回動する。図5には手前側の第3壁部材3を天板02上に重ねた状態が示されている。
【0026】
つぎに、蝶番11を中心に、第1壁部材1の補間部1bと第2壁部材2とを一直線状にした状態(図2の状態)を保ちながら回動して、これらを第1壁部材1の本体部1a上に重ねる。第3壁部材3についても同様である。図4はこの折り畳んだ状態を示している。
【0027】
図1に示すように、各壁部材1乃至4の各角部付近に、各壁部材の外面部よりも外方に変位して形成され、かつ下段のパレット7の周縁部に係合する突出部32を有する板状の金属製の舌体03がそれぞれ取り付けられている。
【0028】
この舌体03は、図7に示すように、略平面形状の本体部31と、同本体部31の下方に、各壁部材1〜4の外面部よりも外方に変位するように、ベント部35を介して一体的に連接された突出部32とを備えて構成され、本体部31に、同本体部31を打出プレス加工して形成された開口35および取り付けタブ33が形成されるとともに、突出部32に補強用ビ−ド34が形成されている。開口35および取り付けタブ33に代えボルト孔を形成してもよい。
【0029】
舌体03が平面形状の本体部31に対して、このような変位関係をとることにより、複数のコンテナ01を積み重ねたときに、上方に位置するコンテナ01に取り付けられた舌体03が下方に位置するコンテナ01の各周縁部1〜4の上端部に係合して上方に位置するコンテナ01の位置決め部材として機能することとなる。なお、最下位に位置するコンテナ01に取り付けられた舌体03は、パレット7を構成するパレットプレート8(図17)の板厚部と係合することなる。
【0030】
また、ビード34は、この実施形態では、舌体03の長手方向に3条設けられており、かつ、両側のビードは中心部のビードよりも長く形成されているが、両側の2条のみでもよい。ビード34はベント部35と同時にプレス加工で形成してもよい。
【0031】
この構造により、舌体03に負荷される荷重により生じる舌体03の外方変形を効果的に防止することが可能になる。この実施形態では、蝶番10(10A)と舌体03とを別体構造としたため、蝶番および/あるいは舌体の構成の簡素化が可能となる。
【0032】
舌体03の取り付けタブ33の構造としては、図14に示すように、切り起し楔状に形成し並列させて設けてもよい。
【0033】
上記実施例では、天板02と第1壁部材1、第3壁部材3とは蝶番21で回動可能に連結されているが、図15に示すように、天板02の四隅に係合部材25を取り付け、天板02と第1壁部材1、第2壁部材2、第3壁部材3、第4壁部材4とを係合自在にしてもよい。また、係合部材25は図16に示すように、上面に切り起こしタブ26で天板02に取り付けてもよい。
【0034】
つぎに、このコンテナ01の使用態様を説明する。
図8に示すように、荷物100をパレット7に乗せ、シ−ト101でシュリンクする。その上に、折り畳んだ状態のコンテナ01を乗せる。(図9の状態)
【0035】
つぎに、第1壁部材1および第3壁部材3を下方に展開し、その後、各補間部1b、3bおよび第2壁部材2、第4壁部材4を展開し(図10参照)、最後に、両蝶番10Aにピボット軸10aをそれぞれ挿入して、第2壁部材2と第3壁部材3との連結、第1壁部材1と第4壁部材4との連結を行って、コンテナ01の組み立てが完了する。
【0036】
この天板02の上に別の荷物を乗せ、同様の手方で、最初のコンテナ01の上に、二段目のコンテナを積み重ねるができる。さらに、二段目のコンテナの上に、
同様の手方で、三段目のコンテナを積み重ねることも可能である。
【0037】
目的地まで運搬した後、上記と逆の順序でコンテナ01を折り畳み、ほぼ平板状に折り畳んで、コンテナ01は保管、運搬される。
したがって、不使用時、コンテナ01の保管、運搬を手軽に行うことが可能となる。また、天板02が蓋としての機能を奏するため、コンテナ内の荷物が零れ落ちることを防止できる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)使用済み時にはコンテナをほぼ1枚の板状に変形でき、保管、運搬などが容易となる。
(2)天板およびパレットカラーが一体であるため、梱包時梱包作業が1回ですみ、かつ在庫スペースが少なくてすむ。
(3)全体形状が四角で各角部が直角に連結されているため、必要な強度を保持できる。
(4)蝶番は汎用金具であるため、コストダウンが可能である。
(5)蝶番と舌体とを別体構造としたため、蝶番および/あるいは舌体の構成の簡素化が可能となる。
(6)天板が蓋の機能を奏するため、コンテナ内の荷物が零れ落ちることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態に係るコンテナの斜視図である。
【図2】図1の実施の形態に係るコンテナの第1周縁部および第2周縁部の側面図である。
【図3】図2に示す第1周縁部および第2周縁部の折り畳み状態の側面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】各周縁部が折り畳みまれた状態の平面図である。
【図6】第1周縁部および第2周縁部の一部が折り畳まれた状態の平面図である。
【図7】図1の実施の形態に係るコンテナの舌体の正面図である。
【図8】コンテナの使用手順の第1段階を示す斜視図である。
【図9】同第2段階を示す斜視図である。
【図10】同第3段階を示す斜視図である。
【図11】(a)は蝶番の他の実施例を示す正面図、(b)は同側面図である。
【図12】蝶番の更に他の実施例を示す斜視図である。
【図13】(a)は蝶番の他の実施例を示す正面図、(b)は同斜視図である。
【図14】(a)は他の実施の形態に係るコンテナの舌体の正面図、(b)は同斜視図である。
【図15】本発明の他の実施の形態に係るコンテナの斜視図である。
【図16】(a)は本発明の他の実施の形態に係るコンテナの天板の係合部材の正面図、(b)は同側面図である。
【図17】従来のコンテナの斜視図である。
【符号の説明】
01 コンテナ
02 天板(蓋)
03 舌体
1 第1壁部材
2 第2壁部材
3 第3壁部材
4 第4壁部材
壁部材
10 蝶番
10A 蝶番
10a ピボット軸
11 蝶番
12 取付けボルト
21 蝶番
22 取付けボルト
a 第1周縁部
b 第2周縁部
c 第3周縁部
d 第4周縁部

Claims (3)

  1. 四辺形状の天板と、同天板の各周縁部に垂直状に配設される壁部材とを備えたコンテナにおいて、
    上記壁部材が、上記天板の第1周縁部に連結される第1壁部材と、該第1壁部材に連結される第2壁部材と、上記天板の第3周縁部に連結される第3壁部材と、該第3壁部材に連結される第4壁部材とで構成されるとともに、互いに隣接する上記各壁部材同志を回動可能に連結する蝶番とで構成され、
    上記第1壁部材は、本体部と上記第2壁部材に連結される端縁部側に外方へ折曲可能に取り付けられた補間部とによって構成され、
    上記第3壁部材は、本体部と上記第4壁部材に連結される端縁部側に外方へ折曲可能に取り付けられた補間部とによって構成され、
    上記第2壁部材と第3壁部材3とを連結する蝶番、および第1壁部材と第4壁部材4とを連結する蝶番は、いずれもそれらのピボット軸を取り外し可能に構成されており、
    上記第1壁部材および同第1壁部材の対向位置に配設された第3壁部材が、それぞれ各本体部を蝶番を介して上記天板の周縁部に回動可能に連結されていることを特徴とするコンテナ。
  2. 請求項1に記載のコンテナにおいて、
    同コンテナの上記各壁部材に、同壁部材の外面部よりも外方に変位して形成され、かつ下段のパレットの周縁部に係合する突出部を有する板状の金属製の舌体がそれぞれ取り付けられていることを特徴とするコンテナ。
  3. 請求項1に記載のコンテナにおいて、上記舌体が略平面形状の本体部と、同本体部の下方に一体的に連接された突出部とを備え、上記本体部に、同本体部を打出プレス加工されることにより取り付けタブが形成されるとともに、上記突出部に補強用ビードが形成されることを特徴とするコンテナ。
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