JP3507139B2 - 嵌込組立式梱包容器 - Google Patents

嵌込組立式梱包容器

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JP3507139B2 JP20592294A JP20592294A JP3507139B2 JP 3507139 B2 JP3507139 B2 JP 3507139B2 JP 20592294 A JP20592294 A JP 20592294A JP 20592294 A JP20592294 A JP 20592294A JP 3507139 B2 JP3507139 B2 JP 3507139B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は貨物輸送用の嵌込組立
式梱包容器に関し、ボルトによる締付け箇所を廃止して
組立や解体を簡単にできるようにしたものであり、特に
自動車、2輪車等の部品や完成品の輸送に好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車、2輪車の部品や完成品等を貨物
として輸送する必要がある場合には、外形が直方体や立
方体をしているのものがほとんどなく、一台分の部品な
どを能率良く梱包するため金属製などの枠状ないし箱状
の梱包容器が使用され、その内部に部品などを入れて輸
送するようにしている。
【0003】このような自動車や2輪車用として使用さ
れている梱包容器の一つに梱包枠があり、従来構造とし
ては、梱包枠の底部分となるスキッド、このスキッドの
前後に配置される棲枠、スキッドの左右に配置される側
枠および左右の側枠をつなぐ天枠で構成されており、梱
包現場において通常、ボルト締めすることにより組立て
られていた。
【0004】このような梱包枠では、組立の際のボルト
締めの箇所が多く、組立が繁雑であり、これに要する時
間も長くなってしまう。
【0005】そこで、ボルトによる締付け箇所を廃止し
た梱包容器が提案されており、たとえば実公平4−39
53号公報には、図9(a)に示すように、内側に高い
支持縁1とこれに続く底部2を介して外側に低い係止縁
3とを有し、支持縁1の少なくとも上端と接する外側へ
傾斜した仮想傾斜面4とこれに平行で係止縁3の少なく
とも一部と接するもう一つの仮想傾斜面5との間に開口
間隔が形成され、係止縁3と底部2との間に嵌合間隔6
が形成されている嵌合支持レール材7を床部材の周囲四
辺上に固着し、波の軸線を縦にして用いるようにした波
形鋼板の上縁と下縁に、波の軸線とほぼ直角に折り重ね
て、前記開口間隔とほぼ同じか又はそれより小さい幅
で、前記嵌合間隔6とほぼ同じか又はそれより小さい厚
みを有する補強縁部8を形成したパネル部材9を前記嵌
合支持レール材7のそれぞれに嵌め込んで立設する嵌め
込み式輸送容器が開示されている。
【0006】また、実開平4−135421号公報に
は、断面角J字状部材11と、断面角J字状部材の長辺
内面に固着された断面V字状乃至不等辺V字状部材12
と、断面略円弧状部と断面略半円弧状部と連続する断面
直線部でなる拡大曲面J字状部材13とでなり、着想時
に断面略半円弧状部14の先端が、断面角J字状部材1
3の先端部に最も近い角折部内面15に接当し、かつ断
面略半円弧状部が断面V字状乃至不等辺V字状部材12
と接している着脱容易な金属接合構造を用いたコンテナ
が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらのボルトを使用
しない接続構造を用いる梱包容器のうち、前者では、嵌
合支持レールと補強縁部との嵌合部分の接触が線接触と
なって、接合強度が弱く、しかも横方向の移動を規制す
ることが出来ず、後者では、接合構造を構成する部材の
点数が多く、しかも各部材の形状と取付位置の関係を決
めることが難しく各部材をスポット溶接で取付けるため
製作が大変で、この場合にも横方向の移動を規制するこ
とができないという問題がある。
【0008】この発明は、上記従来技術の課題に鑑みて
なされたもので、ボルト締めの箇所を無くし、簡単に組
立および解体ができ、接続強度が大きく横方向の移動も
規制することができ、製作も容易な嵌込組立式梱包容器
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
この発明の嵌込組立式梱包容器は、傾けて嵌め込んで立
設させて組立てられる側面部材の下端に、水平部先端の
突出部と垂直部背面の突出部とが形成された嵌合支持部
材を取付ける一方、床部材の周囲の少なくとも前記嵌合
支持部材と対応する部分に、嵌合支持部材の水平部先端
の突出部が係止される係止孔が形成さるとともに、前
記嵌合支持部材の垂直部背面の突出部が嵌合される凹部
が形成された嵌合受部材を設けたことを特徴とするもの
である。
【0010】 また、この発明の請求項2記載の嵌込組
立式梱包容器は、請求項1記載の構成に加え、前記床部
材の嵌合受部材に挿入して傾けた状態から回動させて立
設した前記側面部材同志の隅頂部を、一方の底面と他方
の上面とが当接して隅頂部軸線方向の荷重を支持し得る
支持部が形成されるとともに隅頂部と反対側の端部に嵌
込み式結合部が一体的に形成されそれぞれの側面部材に
取付けられるコーナアタッチメントと、これら2つのコ
ーナアタッチメントの嵌込み式結合部と結合される連結
部が両端部に形成されるとともに中間部に前記側面部材
と当該コーナアタッチメントとの隙間に入れられる内側
片および前記側面部材の外側に当てられる外側片が形成
されたコーナブラケットとで連結して成ることを特徴と
するものである。
【0011】
【作用】この発明の嵌込組立式梱包容器によれば、側面
部材の下端には、L字状の水平部先端に突出部を形成す
るとともに、垂直部背面に突出部を形成した嵌合支持部
材を取付けておき、一方、床部材の周囲の少なくとも嵌
合支持部材と対応する部分には、嵌合支持部材のL字状
の水平部先端の突出部が係止される係止孔を形成すると
ともに、嵌合支持部材の垂直部背面の突出部が嵌合され
る凹部を形成した嵌合受部材を取付けるようにしてあ
り、側面部材を傾けてその嵌合支持部材を床部材の嵌合
受部材に嵌め込むようにし、水平部先端の突出部を係止
孔に入れるようにした後、側面部材を立てるようにして
背面突出部と凹部を嵌合するようにして固定する。
【0012】これにより、わずかに傾けた側面部材を回
動して垂直状態に立てることで床部材と側面部材の接続
が簡単にでき、嵌合支持部材を嵌合受部材で前後面およ
び上下面を押えるとともに、左右の移動を押さえること
もでき、接合強度の向上と部材点数の減少を図るように
している。
【0013】また、この発明の請求項2記載の嵌込組立
式梱包容器は、請求項1記載の構成に加え、前記床部材
の嵌合受部材に挿入したのち回動させて立設される側面
部材の隣り合う隅頂部の側面部材のそれぞれにコーナア
タッチメントを取付け、これら2つのコーナアタッチメ
ントをコーナブラケットで連結するようにしており、2
つの側面部材同志が接する隅頂部の接続もボルトを用い
ず簡単に接続でき、一層簡単に梱包容器の組立てができ
るようにしている。
【0014】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1〜図8はこの発明の嵌込組立式梱包
容器の一実施例にかかり、図1は組立工程図、図2は梱
包容器の分解斜視図、図3および図4はそれぞれ床部材
と側面部材の嵌合組立部の分解斜視図、図5および図6
は側面部材同志の隅頂部の分解斜視図および組立状態の
斜視図、図7および図8は天枠の一部分にかかる分解斜
視図および組立状態の斜視図である。
【0015】この嵌込組立式梱包容器はパネルの無い枠
状の梱包枠で構成したものであり、図2に示すように、
梱包枠20の底部分となる床部材としてのスキッド2
1、このスキッド21の前後に配置される側面部材とし
ての棲枠22,23、スキッド21の左右に配置される
側面部材としての側枠24,25および前後の棲枠2
2,23をつなぐ天枠26で構成されている。
【0016】床部材としてのスキッド21は前後に配置
される4本の脚部材の上に外周となる矩形の枠が設けら
れ、枠内に角型の波板の床材が取付けられて構成されて
いる。
【0017】スキッド21の前後に配置されて連結され
る棲枠22,23は略P形断面形状の中空成形材27を
用いて構成され、スキッド21の左右方向の幅と同一の
長さの上部材と連結部のみに配置される短い下部材とこ
れらをつなぐ支柱28および斜材29とで下が窄まった
台形状に枠組みされて構成してある。
【0018】スキッド21の左右に配置されて連結され
る側枠24,25は略P形断面形状や他の断面形状の中
空成形材27を組合せて構成され、スキッド21の前後
方向の幅と同一長さの矩形状に形成され、支柱28およ
び斜材29で補強されてスポット溶接などで枠組みされ
て構成してある。
【0019】そして、これら棲枠22,23および側枠
24,25とスキッド21とがボルトを用いずに嵌合式
連結部30で組立できるようにしてある。
【0020】これら棲枠22,23および側枠24,2
5の嵌合式連結部30はいずれも同一構造で設置位置が
異なっており、図1、図3および図4にそれぞれ示すよ
うに、棲枠22の下部材と兼用で支柱28間を連結して
断面形状がL字状の嵌合支持部材31が取付けてあり、
この嵌合支持部材31の支柱28が取付けられる部分に
対応した2か所のL字状の垂直部32の背面に突出部3
3が形成されるとともに、L字状の水平部34の先端に
突出部35が形成してある。
【0021】そして、嵌合支持部材31のL字状の垂直
部32の背面に形成される突出部33は、図1に示すよ
うに、上端面が水平に突き出した中空の直角三角柱状の
突起であり、プレスによる絞り加工で一体に形成してあ
る。また、嵌合支持部材31のL字状の水平部34の先
端に形成される突出部35は、図3に示すように、別体
の板材36の側面に突き出して形成され、この板材36
を水平部34にスポット溶接などで取付けてあり、図1
に示すように、水平部34に取付けた状態で突出部35
が水平部34と同一平面をなすように曲げ加工してあ
る。
【0022】側枠24,25では、矩形の枠の下辺部分
が、断面形状がL字状の嵌合支持部材31と兼用され、
この嵌合支持部材31の両側の支柱近傍の内側部分の2
か所のL字状の垂直部32の背面に突出部33が形成さ
れるとともに、L字状の水平部34の先端に突出部35
が形成してある。
【0023】そして、嵌合支持部材31のL字状の垂直
部32の背面に形成される突出部33は、図1に示すよ
うに、上端面が水平に突き出した中空の直角三角柱状の
突起であり、プレスによる絞り加工で一体に形成してあ
る。また、嵌合支持部材31のL字状の水平部34の先
端に形成される突出部35は、図4に示すように、別体
の板材36の側面に突き出して形成され、この板材36
を水平部34にスポット溶接などで取付けてあり、図1
に示すように、水平部34に取付けた状態で突出部35
が水平部34と同一平面をなすように曲げ加工してあ
る。
【0024】一方、この嵌合支持部材31を受ける嵌合
受部材37がスキッド21の周囲四辺に取付けられる。
【0025】この嵌合受部材37は、図1、図3および
図4に示すように、スキッド21の内側部分が高く、外
側部分が低い前後壁38,39とこれを連結する水平壁
40とで構成されており、嵌合支持部材31の背面の突
出部33に対応して後壁39に上辺に切り込みを入れて
三角柱状の空間を形成するようにプレス成形した凹部4
1が形成されるとともに、嵌合支持部材31の先端の突
出部35の幅に対応して前壁38の下端に係止孔42が
形成してある。
【0026】このような嵌合受部材37では、前後壁3
8,39の間隔、すなわち水平壁40の長さが嵌合支持
部材31の先端突出部35と基端角部とを外側に傾けて
嵌合受部材37に挿入することができるように定めら
れ、さらに後壁39に形成する切り込みの高さが嵌合支
持部材31を垂直に起こしたときにその背面の突出部3
3の水平の上端面が係止できるように定めてある。
【0027】また、嵌合受部材37の前壁38の高さは
棲枠22,23および側枠24,25を傾けて挿入する
ときに干渉しないように予め定めてある(図1(b)参
照)。
【0028】このような嵌合受部材37は、たとえば図
2〜図4に示すように、スキッド21の棲枠22,23
の取付位置には、全幅にわたって取付けられ、スキッド
21の側枠24,25の取付位置には、棲枠22,23
の嵌合受部材37の間に嵌合受部材37が取付けられ
る。
【0029】次に、このような嵌合支持部材31と嵌合
受部37とが設けられた棲枠22,23および側枠2
4,25のスキッド21への取付けは、図1、図3およ
び図4に示すように、それぞれの棲枠22,23および
側枠24,25を外側に20〜25度程度傾けた状態に
して嵌合支持部材31を嵌合受部材37の前後壁38,
39の間に挿入する(図1(a)参照)。
【0030】この後、棲枠22,23および側枠24,
25を傾けた状態を保持しながら押し込んで水平部先端
の突出部35をスキッド21の嵌合受部37の係止孔4
2に入れるようにする(図1(b)参照)。このとき、
嵌合受部材37の前壁38の高さが棲枠22,23およ
び側枠24,25と干渉しないように予め定めてあるの
で、円滑に押し込むことができる。
【0031】そして、棲枠22,23および側枠24,
25を立てるように押し込んで垂直状態にすると、嵌合
支持部材31の背面と突出部33が嵌合受部材37の凹
部41に嵌合された状態となるとともに、嵌合支持部材
31の先端の突出部35が嵌合受部37の係止孔42に
係止された状態になり、組立が完了する。
【0032】この嵌合支持部材31と嵌合受部材37の
嵌合状態では、前後の動き(図1での左右の動き)、左
右の動き(図1の紙面直角方向の動き)および上下の動
き(図1での上下の動き)は、嵌合支持部材31の水平
部先端の突出部35が係止孔42に係止されるととも
に、背面の突出部33が凹部41に嵌合されることで規
制され、いずれの方向の動きも規制された状態となって
強固に連結される。
【0033】また、この嵌合式連結部30では、側面部
材である棲枠22,23および側枠24,25を20〜
25度程度に僅かに傾けて嵌合を開始するので、嵌合開
始時の嵌合支持部材31の挿入が容易であり、特に大き
な梱包枠を組立てる場合でも1人で組み立てができ、組
み立てに要する空間も狭くて良く、簡単に、しかも短時
間にできる。
【0034】さらに、嵌合支持部材31の剛性が高いこ
とから、嵌合受部材37への挿入作業が簡単かつ確実に
でき、この点からも組立が容易で短時間で済む。
【0035】また、一か所の嵌合支持部材31と嵌合受
部材37との嵌合連結で前後、左右、上下の全ての動き
を規制できるので、従来のように、スキッド21の全長
に渡って設ける必要もなく、設置位置を適宜選定するこ
とができるとともに、棲枠22,23及び側枠24,2
5をそれぞれ自立させた状態にすることもできる。
【0036】さらに、組立の際、棲枠22,23および
側枠24,25のいずれからでも組立を開始することが
でき、組立順序がなく、だれでも簡単に組立てることが
できる。
【0037】なお、嵌合受部材37の凹部41を形成す
る場合に嵌合支持部材31の突出部33の高さに対応し
た切り込みを入れて三角柱状の空間を形成するのに替
え、図1(b)中の円内に示すように、切り込みを下げ
た位置に形成しておき、プレス成形した凹部の最も突き
出した角部に切り込みが位置するように形成しても良
く、こうすることにより、突出部33の上端部と直接切
り込み部が接触せず、嵌合組立や分解解放を容易に行う
ことができる。
【0038】 次に、梱包枠20の隅頂部の嵌合式連結
部50について、図5および図6により説明する。この
嵌合式連結部50では、隅頂部を構成する棲枠2と側
枠2のそれぞれに、たとえば図5のように、コーナア
タッチメント51,52が取付けられる。
【0039】 このコーナアタッチメント51,52に
は、それぞれ中間部に半円状の凹部53,54が形成さ
れて隅頂部側が上部材の内面とわずかな隙間53a、
が形成されるようになっており、隅頂線内側に位置
して円筒状の荷重支持部55,56が形成されている。
そして、これら荷重支持部55,56の高さが上下にず
らして形成してあり、棲枠2側の荷重支持部55の上
端面を側枠2の荷重支持部56の下端面と当接させて
荷重を支持できるようにしてある。
【0040】このようなコーナアタッチメント51,5
2を連結するため、図5中に底面から見た斜視図で示す
ように、コーナブラケット57が用いられる。
【0041】 このコーナブラケット57は、隅頂部
を構成する棲枠2と側枠2の両方の外側当られる直
角の外側片58と、これらの内側でコーナアタッチメン
ト51,52の隙間53a、54に入れられるととも
に、荷重支持部55,56の内側に当られる内側片59
とがほぼ三角形状の天片60に溶接などで取付けられて
おり、さらに、内側片59の両端には、コーナアタッチ
メント51,52の凹部53,54に嵌合される円筒状
の連結部61,62が形成してある。
【0042】さらに、このコーナブラケット57の天片
60の上面には、梱包枠を上下に積み重ねる場合の位置
決め用の半円状の突起部63がプレス加工で一体に形成
してある。
【0043】 したがって、この嵌合式連結部50で
は、まず、図6に示すように、棲枠2と側枠2のコ
ーナアタッチメント51,52を合わせるようにして荷
重支持部55と荷重支持部56を重ねた状態にし、コー
ナブラケット57を、図5に示す状態から反転させた状
態にして、外側片58が棲枠2と側枠2の外側に当
られ、内側片59が棲枠2とコーナアタッチメント5
1との隙間53aおよび側枠2とコーナアタッチメン
ト52との隙間54に入り、さらに、コーナアタッチ
メント51,52の凹部53,54に両端の円筒状の連
結部61,62が嵌合されるように押し込む。
【0044】 これにより、梱包枠20の隅頂部の連
結固定ができ、棲枠2および側枠2の内側及び外側
への倒れを規制することができる。
【0045】また、コーナブラケット57の天片60の
上面に位置決め用の半円状の突起部63がプレス加工で
一体に形成してあるので、梱包枠20を積み重ねる場合
にスキッド21の底面の4隅の穴と嵌合してずれを防止
することができる。
【0046】 なお、コーナブラケット57の外側片
58を、図5中の円内に示すように、その下端縁を
「く」字状に内側に折り曲げておき、棲枠2および側
枠2の中空成形材27の下側に係止されるようにする
ことで、コーナブラケット57を一層確実に取付けて連
結固定することができ、輸送の際に振動が加わっても抜
け落ちることを防止できる。
【0047】この梱包枠20では、さらに天枠26が設
けられるが、天枠26もボルトを用いずに取付けること
ができるようにしてある。
【0048】このため天枠26は、図7に分解状態を、
図8に組み立て状態をそれぞれ示すように、略P形断面
形状の中空成形材27を用い、棲枠22の内側面に当接
する長さとされ、その両端部には、図7に一端部を示す
ように、棲枠22の上部枠材の上面と外側面に当られる
略L字状の係止板71を備え、係止板71の先端部が内
側に「く」字状に折り曲げられて上部枠材の下面に係止
できるようになっている。
【0049】したがって、天枠26を前後の棲枠22,
23の上部枠材に被せるようにすると、両端部の係止板
71と中空成形材27とで棲枠22,23が押えられる
とともに、天枠26自体の上下方向の移動も先端部の係
止によって防止される。
【0050】以上のようにして構成された梱包枠20で
は、ボルトを全く用いること無くスキッド21に対して
棲枠22,23および側枠24,25を組み立てること
ができ、さらに四か所の隅頂部にコーナブラケット57
をそれぞれ押し込むとともに、天枠26を押し込んで取
付けることで、梱包枠20の組立が完了する。
【0051】一方、梱包枠20を分解して内部の収納物
を取出す場合にも天枠26およびコーナブラケット57
を取り外したのち、棲枠22,23を外側に倒すように
して傾けた状態にするとともに、側枠24,25を同様
に外側に倒すようにして傾けた状態にすることで、簡単
に分解することができる。
【0052】また、棲枠22,23および側枠24,2
5が略P形断面形状の中空成形材で枠組みされているの
で、強度が大きく、撓みなどが少なく簡単に嵌合連結す
ることができる。
【0053】さらに、嵌合式連結部30,50が嵌合支
持部材31と嵌合受部材37で構成されたり、コーナブ
ラケット57だけで構成されて部材点数が少なく製作が
容易である。
【0054】なお、上記実施例では、嵌合支持部材と嵌
合受部材を床部材および側面部材の全長に渡って設ける
ようにしたが、いずれか一方を一部分だけとして他方を
全長に渡って設けたり、両方とも一部分だけに設けるよ
うにしても良い。
【0055】また、上記実施例では、パネルの無い梱包
枠を例に説明したが、側面部材の内側にパネルを取付け
るとともに、天枠にもパネルを取付けて蓋とするように
しても良い。
【0056】さらに、上記実施例では、嵌合支持部材を
金属で構成したが、金属に限らず樹脂などで形成しても
良い。
【0057】
【発明の効果】以上、一実施例とともに具体的に説明し
たように、この発明の嵌込組立式梱包容器によれば、側
面部材の下端には、L字状の水平部先端に突出部を形成
するとともに、垂直部背面に突出部を形成した嵌合支持
部材を取付けておき、一方、床部材の周囲の少なくとも
嵌合支持部材と対応する部分には、嵌合支持部材のL字
状の水平部先端の突出部が係止される係止孔を形成する
とともに、嵌合支持部材の垂直部背面の突出部が嵌合さ
れる凹部を形成した嵌合受部材を取付けるようにしたの
で、側面部材を傾けてその嵌合支持部材を床部材の嵌合
受部材に嵌め込むようにし、水平部先端の突出部を係止
孔に入れるようにした後、側面部材を立てるようにして
背面突出部と凹部を嵌合するようにして固定することが
できる。
【0058】これにより、わずかに傾けた側面部材を回
動して垂直状態に立てることで床部材と側面部材の連結
が簡単にでき、嵌合支持部材を嵌合受部材で前後面およ
び上下面を押えるとともに、左右の移動を押さえること
もでき、接合強度の向上と部材点数の減少を図ることが
でき、分解も容易にできる。
【0059】また、この発明の請求項2記載の嵌込組立
式梱包容器は、請求項1記載の構成に加え、前記床部材
の嵌合受部材に挿入したのち回動させて立設される側面
部材の隣り合う隅頂部の側面部材のそれぞれにコーナア
タッチメントを取付け、これら2つのコーナアタッチメ
ントをコーナブラケットで連結するようにしたので、2
つの側面部材同志が接する隅頂部の接続もボルトを用い
ず簡単に接続でき、一層簡単に梱包容器の組立や分解が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施例にか
かる組立工程図である。
【図2】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施例にか
かる梱包容器の分解斜視図である。
【図3】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施例にか
かる床部材と側面部材(棲枠)の嵌合組立部の分解斜視
図である。
【図4】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施例にか
かる床部材と側面部材(側枠)の嵌合組立部の分解斜視
図である。
【図5】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施例にか
かる側面部材同志の隅頂部の分解斜視図である。
【図6】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施例にか
かる側面部材同志の隅頂部の組立状態の斜視図である。
【図7】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施例にか
かる天枠の一部分にかかる分解斜視図である。
【図8】この発明の嵌込組立式梱包容器の一実施例にか
かる天枠の一部分にかかる組立状態の斜視図である。
【図9】従来の嵌込組立式梱包容器の嵌込組立部分の断
面図である。
【符号の説明】
20 梱包枠 21 スキッド(床部材) 22,23 棲枠(側面部材) 24,25 側枠(側面部材) 26 天枠 30 嵌合式連結部 31 嵌合支持部材 32 垂直部 33 突出部 34 水平部 35 突出部 37 嵌合受部材 41 凹部 42 係止部 50 嵌合式連結部 51,52 コーナアタッチメント 53,54 凹部 55,56 荷重支持部 57 コーナブラケット 61,62 連結部 71 係止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 6/24 B65D 6/08 B65D 85/68

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾けて嵌め込んで立設させて組立てられ
    る側面部材の下端に、水平部先端の突出部と垂直部背面
    の突出部とが形成された嵌合支持部材を取付ける一方、
    床部材の周囲の少なくとも前記嵌合支持部材と対応する
    部分に、嵌合支持部材の水平部先端の突出部が係止され
    る係止孔が形成さるとともに、前記嵌合支持部材の垂
    直部背面の突出部が嵌合される凹部が形成された嵌合受
    部材を設けたことを特徴とする嵌込組立式梱包容器。
  2. 【請求項2】 前記床部材の嵌合受部材に挿入して傾け
    た状態から回動させて立設した前記側面部材同志の隅頂
    部を、一方の底面と他方の上面とが当接して隅頂部軸線
    方向の荷重を支持し得る支持部が形成されるとともに隅
    頂部と反対側の端部に嵌込み式結合部が一体的に形成さ
    れそれぞれの側面部材に取付けられるコーナアタッチメ
    ントと、これら2つのコーナアタッチメントの嵌込み式
    結合部と結合される連結部が両端部に形成されるととも
    に中間部に前記側面部材と当該コーナアタッチメントと
    の隙間に入れられる内側片および前記側面部材の外側に
    当てられる外側片が形成されたコーナブラケットとで連
    結して成ることを特徴とする請求項1記載の嵌込組立式
    梱包容器。
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