JP2000237597A - 光触媒複合材 - Google Patents

光触媒複合材

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JP2000237597A
JP2000237597A JP11038150A JP3815099A JP2000237597A JP 2000237597 A JP2000237597 A JP 2000237597A JP 11038150 A JP11038150 A JP 11038150A JP 3815099 A JP3815099 A JP 3815099A JP 2000237597 A JP2000237597 A JP 2000237597A
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water
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Tatsuhiko Kuga
辰彦 久我
Hidenori Kobayashi
秀紀 小林
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外気中に含まれる粉塵、菌、カビ、藻などの
微生物などが光触媒膜表面に付着することを防止する。 【解決手段】 光触媒とバインダ−とからなる光触媒膜
に、細孔を形成させる。また、光触媒とバインダ−とか
らなる光触媒材を、基材にコーティングした後、100
〜550℃に加熱させて光触媒膜を形成し、該光触媒膜
に水や薬剤を作用させて、細孔を形成させる方法を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒とバインダ
−とからなる光触媒膜に、細孔を形成させる技術に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】光触媒は紫外線エネルギ−により発生す
る活性酸素種の酸化分解力により、有機物の分解作用、
消臭作用、防藻作用を発現する。多くの研究者たちが、
これらの効果を高めるため、光触媒膜の活性をより大き
くする方法について研究を進めている。光触媒膜の活性
を大きくする手法としては、光触媒膜中の活性点数を増
やすこと(すなわち、光触媒の表面積を大きくする)が
活性の向上につながると考えられる。活性点を増やすた
めには、特開平7−148434、特開平8−2295
49、特開平9−291232に記載されているよう
に、まず光触媒の担持体としてマイクロポアをもつもの
にコ−ティングを行い、これを無機系、有機系接着剤を
用いて基材表面に露出させる方法がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の光触媒担持体
は、ガラス、軽石などの無機系多孔質粒子を担持体と
し、担持体の粒径はいずれの場合も1μm以上である
(中には多孔質板ガラスが用いられているが、この種の
板ガラスは大変高価で、光触媒の担持体としては汎用性
が低い)。担持体の粒径が限定される理由としては、粒
径1μm以下の担持体表面に、光触媒のコ−ティングを
均一に施すことが容易に出来ない点にある。従って、こ
れらの光触媒担持体をバインダー等に混合させて形成し
た光触媒膜は、光触媒がコ−ティングされていない担持
体が表面に顔を出すことになり、光触媒の作用を効さな
い。また、担持体の粒径はいずれの場合も1μm以上で
あるため、必然的にミクロンオ−ダ−以上の表面凹凸
(粗さ)をもつことになる。ところが、外気中に含まれ
る粉塵、菌、カビ、藻などの微生物などが光触媒膜表面
を覆う可能性がある付着物質の大きさは、数ミクロンの
レベル(「バイオテクノロジ−のための微生物基礎知
識」)であるため、ミクロンオ−ダ−の凹凸はかえって
これら物質の付着に都合が良い。すなわち、光触媒活性
を向上しようとして行われる上記の方法では、付着を防
止しなければならない物質を逆に留めやすい環境を作っ
てしまう危険性があるという欠点を持つ。
【0004】上記課題を解決するためには、光触媒膜内
に細孔を形成させ、外気中に含まれる粉塵、菌、カビ、
藻などの微生物などが光触媒膜表面に付着することを防
止することが有効である。細孔形成の方法として、特開
平8−196903、特開平8−99041に記載され
るように、光触媒膜内に細孔を内包する光触媒膜の製造
方法が提案されている。
【0005】本発明は、これとは全く別の方法を用い、
光触媒膜内に細孔を内包する光触媒膜の製造方法を提供
することを目的とする。本発明によれば、多孔質担持体
を使用せずとも高い光触媒活性を有する光触媒膜を形成
することができ、高い有機物分解作用、防藻性、消臭作
用が可能となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】細孔を内包する光触媒膜
は光触媒とバインダ−より構成される。バインダ−は、
非水溶性成分と光触媒膜形成後に水と接触することによ
って溶出する水溶性成分とからなる。これにより、光触
媒膜形成後、水と接触させることで、nmサイズの細孔
を持った光触媒複合材を製造できる。
【0007】例えば、光触媒を固着させるバインダ−と
してアルカリ珪酸塩を用いた。アルカリ珪酸塩は、55
0℃以下の温度で乾燥あるいは焼成すると、膜中に遊離
のアルカリ金属を残存させたまま硬化する。この遊離ア
ルカリ金属は水中に容易に溶出し、その後、膜中にnm
の細孔を形成する。図1にカリウム系珪酸塩(アルカリ
珪酸塩)を350℃で焼成し、温水浸せきした後の細孔
分布を示す。焼成後、温水浸漬することにより1000
nm以下の細孔が生成されていることが確認される。我
々はこれらが溶出した後の光触媒活性が向上することを
見出した。
【0008】また、シリカなどの非水溶性のバインダ−
成分と光触媒とからなる光触媒膜を、アルカリ性溶液に
よって化学処理することによっても光触媒膜中にnmの
細孔を形成することは可能である。
【0009】前記光触媒膜を、nmレベルの均一さで基
材上に形成させることにより、表面はnmレベルの粗さ
で、内部にnmレベルの凹凸をもつ光触媒コ−ティング
を得ることが可能となった。当該光触媒膜の粗さはnm
レベルであるため前記したような汚染物質は付着しずら
く、しかも高い光触媒活性を発揮することが可能であ
る。特に防藻効果の面では、表面の粗さがnmレベルで
あるため、藻繁殖の種となる藻の胞子を付着しにくく、
しかも藻の胞子が侵入してくることの出来ないnmの細
孔により光触媒活性を向上させ高い防藻効果を実現する
ことが可能となった。また、pH7における光触媒複合
材表面のζ電位を負にすれば、負の電荷を持つこととし
て知られている大腸菌あるいは蛋白質、油性成分の水中
での付着阻害し、さらに防藻効果を高めることができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の形態について詳
細を示す。光触媒膜の構造は、光触媒とバインダ−成分
または光触媒と非水溶性成分と水溶性成分とからなる。
非水溶性成分は骨格成分である。光触媒としてはTiO
2,ZrO2,ZnO2,WO3,SrTiO3,Fe
23,V25等を用いることが出来る。又これらにC
u,Ag,Co,Ni,Fe,Pt,の少なくとも1つ
を担持した光触媒を使用することが可能である。
【0011】バインダ−としては、アルカリ珪酸塩とし
てソ−ダ系、リチウム系、カリウム系のアルカリ珪酸塩
を用いることができる。この場合、前記の骨格成分はシ
リカであり水溶性成分はNa,Li,Kの酸化物か水酸
化物となる。コロイダルシリカに水溶性成分として、イ
オン化傾向の大きいNa,Li,K、Rb,Cs,M
g,Ca,Ba,Sr系化合物を添加しても良い。この
場合、添加化合物の形態は酸化物、水酸化物、塩酸塩、
硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩等があげられる。また、バイン
ダ−の骨材成分として釉薬あるいはフリットを用いるこ
とも可能である。
【0012】上記した光触媒の懸濁液とバインダ−を混
合してコ−ティング液とする。光触媒とバインダ−の重
量比は光触媒/バインダ−=0.25〜4とする。光触
媒がバインダ−比で0.25以下の場合は光触媒がバイ
ンダ−中に埋もれ充分な光触媒活性が発揮できない。ま
た、光触媒をバインダ−の4倍以上添加しても光触媒活
性は向上しない。逆に触媒活性の低下を見せはじめる。
これは、バインダ−が少なくなることで(水溶性成分が
少なくなることで)膜中の細孔が減少し、触媒の比表面
積が低下する、すなわち反応物と触媒の接触面積が減少
するためと考えられる。
【0013】バインダ−中の骨格成分(シリカ)と水溶
性成分の重量比は水溶性成分/骨格成分<12とする。
水溶性成分は、骨格成分を融着させる融剤の働きをする
ため前記の量よりアルカリが低下すると所望とする温度
にて、実用に供する光触媒膜強度を持つことが出来な
い。ここでいう実用に供する光触媒膜強度とはブラシを
用いた水洗浄にて光触媒膜が脱落しない程度をさす。
【0014】コ−ティング液の基材への塗布方法として
は、スピンコ−ティング、ディップコ−ティング、スプ
レ−コ−ティング、フロ−コ−ティング等を使用でき
る。基材としては、タイル、ガラス、セラミックパネ
ル、コンクリ−トパネル、無機系、有機系サイディング
に使用することが出来る。
【0015】コ−ティング液の硬化は100℃〜550
℃までの範囲で行う。上記した基材のうちで有機系のも
のは基材の耐熱温度の関係より100〜200℃で行う
ことが望ましい。それ以外の無機系基材の場合では10
0〜550℃で焼成を行う。100℃以下では実試用に
供することの出来る最低限の膜強度を保つことが出来な
い。また、550℃以上の温度ではバインダ−中の水溶
性成分が骨格成分と反応してアルカリガラスとなり光触
媒を覆うため光触媒の活性は低下する。また焼成後、水
中浸漬しても水溶成分の溶出は起こらない。
【0016】以上の方法で、形成された光触媒膜を、温
水で数時間、常温水で数日間水中に放置し、水溶性成分
を溶出させる。水溶性成分が水中に溶出された部分に細
孔が形成され、これにより、光触媒の表面積が増加し、
高い光触媒活性が可能となる。また、光触媒、バインダ
−の他、第三の添加成分として100nm以下の無機系
酸化物微粒子(SiO2,TiO2,Al23,Zr
2,CeO2,SnO2,Y23,Mo25,WO3,N
25等)を添加することにより、多孔化した膜はさら
に表面積を増加し、高い光触媒活性が可能となる。
【0017】また、コロイダルシリカ、あるいはアルカ
リシリケ−トをバインダ−として基材上に塗布しこれを
100〜900℃で焼き付けたものを酸性液あるいはア
ルカリ性液によってエッチングすることによっても細孔
を持つ光触媒含有膜を製造することができる。
【0018】また、基材をタイル、ガラス、セラミック
パネル、ケイカル板、セメント成形押出しパネルとする
ことができる。
【0019】本発明の光触媒複合材は、防藻機能、防臭
機能、有機物分解機能を有することができる。
【0020】(実施例1)アルカリ珪酸塩原料として日
産化学製のカリウム系アルカリシリケ−トゾルスノ−テ
ックスK(組成:SiO2=20wt%,K2O=8wt
%)と光触媒原料として石原産業製酸化チタンゾル(組
成:TiO2=15wt%)を混合・希釈しコ−ティン
グ液とした。コ−ティング液は酸化チタンとアルカリ珪
酸塩の比を変え6種類作製した。6サンプルのコ−ティ
ング液組成を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】各コ−ティング液を、スプレ−コ−ティン
グによりタイル上に塗布し、ロ−ラ−ハ−スキルン(以
後RHKと略す)を用いて硬化時表面温度350℃にて
焼成した。焼成直後のサンプル及び焼成後50℃水に6
時間浸漬したサンプルについて有機染料メチレンブル−
の分解試験を行い光触媒活性の比較評価を行った。ま
た、アンモニアによる、脱臭試験を行った。さらに、サ
ンプル浸漬前後の平均細孔径の測定を行った。
【0023】結果を図2、表2に示す。メチレンブル−
の分解はいずれのサンプルも水中浸漬後の方が大きくな
っている。これは、珪酸塩中のカリウム成分が溶出し膜
中の光触媒表面積が増加したためである。酸化チタンと
シリカの比は0.25〜4の範囲が望ましい。酸化チタ
ン/シリカが0.25以下の場合は光触媒がアルカリ珪
酸塩中に埋没し十分な光触媒活性が発揮できない。ま
た、酸化チタンをシリカの4以上添加しても光触媒活性
は向上しない。逆に、光触媒活性の低下を見せはじめ
る。これはアルカリ珪酸塩が少なくなることで膜中の細
孔が減少し、光触媒の表面積が低下する、すなわち、反
応物と触媒の接触面積が低下するためと考えられる。
【0024】
【表2】
【0025】試験方法 メチレンブル−分解試験 各コ−ティング液を、コ−ティングしたタイル及び未加
工のタイル上に外径40mmのガラス管をたてその中に
1ppmのメチレンブル−を30ml入れる。紫外線強
度2mW/cm2のUVを照射。20時間後、コ−ティ
ングタイルと未加工タイルのメチレンブル−の吸光度
(λ=580nm)を測定。未加工タイルとコ−ティン
グタイルの吸光度の差を△ABSとする。△ABSが大
きいほど分解が進んでおり光触媒活性が大きいことを示
す。
【0026】膜強度試験(摺動試験) 接触子としてナイロンスポンジ(サイズ:2cm×2c
m)を用い、試験体上に150g/cm2の荷重をかけ
る。接触子に2mlの水を滴下し長さ8cm、スピ−ド
60rpmにて摺動摩耗をかける。試験後、外観を目視
にて観察し、剥離の様子を記録する。摺動2000回剥
離無しを◎、摺動1000回剥離無しを○、摺動100
回剥離無しを△、摺動100回剥離無しを×とした。
【0027】アンモニア分解試験 12lのガラス製水槽に試験サンプルを1350cm2
設置。アンモニアガスを10ppmになるよう封入し、
紫外線(0.7mW/cm2)を照射。1時間後のガス
濃度を検知管にて測定。次式によりアンモニア分解量を
算出。 アンモニア分解率(%)=サンプル設置容器のアンモニ
ア残存濃度/サンプル設置容器のアンモニア残存濃度
【0028】(実施例2)アルカリ珪酸塩として日産化
学リチウムシリケ−ト35(組成:SiO2=20wt
%,LiO2=2.9wt%)、リチウムシリケ−ト7
5(組成:SiO2=20wt%,LiO2=1.9wt
%)、コロイダルシリカとして日本化学製アンモニュウ
ムシリケ−トAS17(SiO2=19wt%)、光触
媒原料として石原産業製酸化チタンゾル(組成:TiO
2=15wt%)を混合・希釈しコ−ティング液とし
た。コ−ティング液はアルカリ珪酸塩中のシリカ/アル
カリ比を変え5種類作製した。5サンプルのコ−ティン
グ液組成を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】コ−ティング液をスプレ−コ−ティングに
よりタイル上に塗布し、RHKを用いて硬化時表面温度
350℃にて焼成した。焼成直後のサンプル及び焼成後
50℃の水に6時間浸漬したサンプルについてメチレン
ブル−の分解試験を行い光触媒活性の比較評価を行っ
た。また、アンモニアによる、脱臭試験を行った。さら
に、サンプル浸漬前後の平均細孔径の測定を行った。
【0031】結果を図3および表4に示す。メチレンブ
ル−の分解は、いずれのサンプルも水中浸漬後の方が大
きくなっている。
【0032】
【表4】
【0033】アルカリ珪酸塩中のシリカとアルカリの比
は10以下とすることが望ましい。アルカリはアルカリ
珪酸塩中で融剤としての働きをするため、前記量よりア
ルカリが低下すると実使用に供する膜強度を得ることが
出来ない。
【0034】(実施例3)実施例1のコ−ティング液N
o.3をタイル上にスプレ−にて塗布し、基材の表面温
度50〜650℃の範囲でRHKにて焼成を行った。焼
成直後のサンプル及び焼成後50℃水に6時間浸漬した
サンプルについてメチレンブル−の分解試験を行い光触
媒活性の比較評価を行った。結果を図4および表5に示
す。基材表面の硬化温度は100〜550℃が望まし
い。600℃以上では酸化チタンがガラス中に取り込ま
れ機能が低下する。また、アルカリもガラス中に取り込
まれ機能向上も見られない。
【0035】
【表5】
【0036】(実施例4)アルカリ珪酸塩として、日産
化学ST−Kとリチウムシリケ−ト35を用い、光触媒
として石原産業STS−11に銅を担持させたもの用い
てコ−ティング液を2種類作製した。コ−ティング液の
組成を表6に示す。
【0037】
【表6】
【0038】各コ−テイング液をスプレ−コ−ティング
により無釉タイル上に塗布した。続いて、炉内雰囲気温
度850℃、基材表面温度550℃にて15秒間瞬間加
熱して焼き付けた。各サンプルの水中浸漬前後のメチレ
ンブル−分解試験結果を図5に示す。水中浸漬により光
触媒活性が向上していることが分かる。
【0039】焼成されたサンプルの表面粗さを測定した
ところ中心線平均粗さRaはいずれも1ミクロン以下で
あった。また、pH7におけるゼ−タ電位を測定したと
ころ未加工品が1mVであったのに対しサンプルNO.
1及び2は20mV、24mVであった。未加工品を含
めサンプルをBOD=10ppm,総リン濃度=0.5
ppm,総窒素濃度=1ppm,の水路中に1ヶ月間浸
漬し藻の付着量を調べた。結果を図6に示す。いずれの
サンプルも未加工タイルと比較して藻の繁殖が抑制され
ている。その繁殖効果は水中浸漬後の光触媒活性が大き
いものほど高い。すなわち、アルカリ珪酸塩による酸化
チタン膜の活性向上が防藻効果の向上につながった。
【0040】(実施例5)光触媒として石原産業STS
−11に銅を担持させたもの,アルカリ珪酸塩として日
産化学ST−K、さらに無機酸化物微粒子として日産化
学アルミナゾル100(粒径:100nm)を添加した
コ−ティング液を下記の4種類作製した。各コ−テイン
グをスプレ−コ−ティングにより無釉タイル上に塗布し
た。続いて、炉内雰囲気温度850℃、基材表面温度5
50℃にて15秒間瞬間加熱して焼き付けた。各サンプ
ルの水中浸漬後のメチレンブル−分解試験結果、および
アンモニアによる、脱臭試験結果、平均細孔径の測定結
果を行った。結果を表7に示す。アルミナ(100nm
以下の無機酸化物微粒子)の添加により細孔径が小さく
なり、活性が向上しているのが分かる。
【0041】
【表7】
【0042】(実施例6)光触媒として石原産業STS
−11,アルカリ珪酸塩として日産化学ST−K、、さ
らに無機酸化物微粒子として日産化学アルミナゾル10
0(粒径:100nm)を添加したコ−ティング液をスプ
レ−コ−ティングによりガラス上に塗布した。続いて、
炉内雰囲気温度850℃の電気炉にて1時間加熱して膜
を焼き付けた。サンプルを80℃、3%のNaOH水溶
液に浸漬した。浸漬前後のメチレンブル−分解試験結果
及び平均細孔径の測定結果を表8に記す。膜を高温で焼
く付けた場合は、アルカリ処理を行うことで、活性が向
上する。
【0043】
【表8】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アルカリ珪酸塩と光触媒を混合して焼き付けることによ
り、耐久性に優れ、しかもnmオ−ダ−の細孔を有する
光触媒含有膜を作製することが出来る。細孔は光触媒の
表面積を大きくし、光触媒活性を向上させる。本発明に
よりコ−ティングされた基材は、大きな防藻効果を発揮
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒複合材について、光触媒加工品
の焼成直後及び水中浸せき後さらに未加工品の細孔分布
図。
【図2】本発明における活性向上と光触媒とバインダ−
比の関係(実施例1)。
【図3】本発明における活性向上とアルカリ珪酸塩中の
シリカ/アルカリ比の関係(実施例2)。
【図4】本発明における活性の向上と硬化時表面温度と
の関係(実施例3)。
【図5】本発明の光触媒複合材について焼成直後及び水
中浸せき後のメチレンブル−の分解について示した図
(実施例4)。
【図6】本発明の光触媒複合材について、光触媒加工品
の防藻効果を示した図(実施例4)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AA01 AB01 AC01 AC64 BB26Z BB28Z BB66Z CA31 CA45 DB13 DB14 EA06 EB02 EC02 EC60 4G069 AA03 AA08 AA09 BA00 BA01A BA01B BA02A BA02B BA02C BA04A BA04B BA05A BA13A BA13B BA14A BA15C BA16C BA48A BB02A BB04A BB04C BB06A BB08C BB10C BB12C BB16C BC01C BC02C BC03C BC04C BC05C BC06C BC08C BC09C BC10C BC11C BC12A BC12C BC13C BC22A BC25A BC31A BC32A BC35A BC40A BC43A BC50A BC55A BC59A BC60A BC66A BC67A BC68A BC75A BD12C CA10 CA17 CD10 EA07 EB05 EB18X EB18Y EC10Y EC11X EC12X EC13X EC14X EC15X EC15Y EC16X EC16Y EC17X EC17Y EC27 FA03 FB23 FB24 FB30 FB48 FB49 FC04 FC05 FC08

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、細孔を有する、光触媒と非
    水溶性成分とからなる光触媒膜が形成されたことを特徴
    とする光触媒複合材。
  2. 【請求項2】 基材表面に、光触媒とバインダ−からな
    る光触媒膜が形成されており、該光触媒膜形成後に化学
    的な薬品処理をしたことによる細孔が生成されているこ
    とを特徴とする光触媒複合材。
  3. 【請求項3】 基材表面に、光触媒と水溶性成分を含有
    するバインダ−とからなる光触媒膜が形成されており、
    該光触媒膜形成後に水と接触させることにより前記バイ
    ンダ−に含有する水溶性成分が溶出して細孔が生成され
    たことを特徴とする光触媒複合材。
  4. 【請求項4】 前記バインダ−は、水溶性成分と非水溶
    性成分とからなり、前記水溶性成分は、前記光触媒膜形
    成後に水と接触させることにより、細孔を形成し得るこ
    とを特徴とする請求項2から請求項3のいずれかに記載
    の光触媒複合材。
  5. 【請求項5】 前記バインダ−は、水溶性成分と非水溶
    性成分とからなり、前記非水溶性成分は、前記光触媒膜
    形成後に化学的な薬品処理をすることにより細孔を形成
    し得ることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれ
    かに記載の光触媒複合材。
  6. 【請求項6】 前記光触媒膜に生成または形成された細
    孔の径が、1000nm以下であることを特徴とする請
    求項1から請求項5のいずれかに記載の光触媒複合材。
  7. 【請求項7】 前記光触媒膜の中心線表面粗さ(Ra)
    が、1000nm以下であることを特徴とする請求項1
    から請求項6のいずれかに記載の光触媒複合材。
  8. 【請求項8】 前記光触媒複合材表面のpH7における
    ζ電位は、負であることを特徴とする請求項1から請求
    項7のいずれかに記載の光触媒複合材。
  9. 【請求項9】 前記水溶性成分は、水溶性有機成分及び
    水溶性無機成分であることを特徴とする請求項3から請
    求項7のいずれかに記載の光触媒複合材。
  10. 【請求項10】 前記水溶性無機成分は、アルカリ金
    属、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、塩酸塩、硫
    酸塩、硝酸塩、炭酸塩の少なくとも1種以上からなるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の光触媒複合材。
  11. 【請求項11】 前記アルカリ金属は、Li,K,N
    a,Rb,Cs、アルカリ土類金属はBe,Mg,C
    a,Sr,Baの少なくとも1種類以上からなることを
    特徴とする請求項10に記載の光触媒複合材。
  12. 【請求項12】 前記バインダ−は、アルカリ珪酸塩水
    溶液、コロイダルシリカ、釉薬、フリットの少なくとも
    1種以上からなることを特徴とする請求項1から請求項
    11のいずれかに記載の光触媒複合材。
  13. 【請求項13】 添加物として100nm以下の無機酸
    化物粒子を含有することを特徴とした請求項1から請求
    項12のいずれかに記載の光触媒複合材。
  14. 【請求項14】 前記無機酸化物微粒子は、SiO 2
    TiO2,Al23,ZrO2,CeO2,SnO2,Y2
    3,MoO3,WO3,Nb25の少なくとも1種以上
    からなることを特徴とする請求項13記載の光触媒複合
    材。
  15. 【請求項15】 前記光触媒は、TiO2,ZnO,S
    nO2,SrTiO3,WO3,BiO3,Fe23の少な
    くとも1種以上をからなることを特徴とする請求項1か
    ら請求項14のいずれかに記載の光触媒複合材。
  16. 【請求項16】 前記光触媒とバインダ−との配合比
    が、光触媒/バインダ−=0.25〜4であることを特
    徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の光
    触媒複合材。
  17. 【請求項17】 前記バインダ−成分中の水溶性成分と
    非水溶性成分との配合割合が、(水溶性成分)/(非水
    溶性成分)<12であることを特徴とする請求項3から
    請求項16のいずれかに記載の光触媒複合材。
  18. 【請求項18】 前記基材が、タイル、ガラス、セラミ
    ックパネル、ケイカル板、セメント成形押出しパネル等
    の無機材であることを特徴とする請求項1から請求項1
    7のいずれかに記載の光触媒複合材。
  19. 【請求項19】 前記光触媒複合材が、防藻機能、防臭
    機能、有機物分解機能を有することを特徴とする請求項
    1から請求項18のいずれかに記載の光触媒複合材。
  20. 【請求項20】 前記基材表面に、前記光触媒と前記バ
    インダ−とからなるコ−ティング液をコ−ティングさ
    せ、前記基材表面温度を100〜550℃に加熱させて
    前記光触媒膜を形成後、浸水または薬品処理を施こすこ
    とを特徴とする請求項1から請求項19のいずれかに記
    載の光触媒複合材の製造方法。
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