JP2008142606A - 光触媒用組成物、光触媒用材料およびその製造方法 - Google Patents

光触媒用組成物、光触媒用材料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 光触媒であるTiOを含有するガラスを作製し、多孔質化することによって、活性表面積が大きく、耐久性があり、成形性の高い光触媒用組成物、光触媒用材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 TiO、SiO、Alおよび少なくとも1種類以上のアルカリ土類金属酸化物を含んで構成される光触媒用組成物を混合、溶融および結晶化させて結晶相と非晶相とからなる結晶化ガラス得て、さらに酸またはアルカリ処理することによって非晶相を溶融させて多孔質結晶化ガラスを得ることができる。この多孔質結晶化ガラスは、光触媒として有用なTiOの結晶を含み、さらに多孔質化されているので比表面積が大きい。よって多孔質結晶化ガラスの光触媒活性が高くなる。また、特にアルカリ土類金属酸化物を含ませることによって、成形性の高い光触媒用材料を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チタニアを含有する光触媒用組成物、光触媒用材料およびその製造方法に関するものであり、たとえば汚染物質の処理、抗菌処理または殺菌処理等に好適に使用される。
半導体を用いた光触媒反応とは、半導体にそのバンドギャップエネルギー以上のエネルギーの光を照射することによって生成する電子および正孔が関与する、おもに酸化還元反応を指している。この光触媒反応は大気汚染物質または水質汚染物質の処理、抗菌処理、殺菌処理、あるいは光−電気エネルギー変換に有効な方法であり、特に光触媒活性の高いチタニア(TiO)を用いて種々の研究が進められている。たとえば最近、TiOによる光触媒反応を用いた抗菌作用、殺菌作用または防汚作用を有する実用材料が開発され、市販に供されている。また同じくTiOを大気汚染物質処理用または水質汚染物質処理用の材料として実用化するための試験も進められている。
無機系光触媒材料に関する研究は、TiO系を中心に、特に光触媒の固定化技術に関して多くなされている。たとえば光触媒活性の高い微細なTiO微粒子は非常に凝集しやすいことから、良好な分散状態を維持することが難しく、水溶液中に懸濁させる場合にはその小さな粒径のために、使用中のTiO粉末の流出およびその回収に多大の問題点が生じる。この問題点を解決するために、適当な基板上にゾルゲル法等によってTiOゾルをコーティングする方法が採用されている(特許文献1参照)。
しかしこの方法では、基板からTiO層が剥離しやすく、光触媒活性を大きくするための表面の多孔質化を図ることが困難である。一般に、生成した膜の乾燥または熱処理による溶媒の蒸発、膜の緻密化、膜の収縮、あるいは基板との熱膨張係数の差による引張り応力または圧縮応力によって、亀裂発生や膜の剥離が起こるという問題点が生じる。またTiOゾルを基板の表面に固着させかつ結晶化させるために、ある程度の加熱処理が必要となり、耐熱温度の高い基板にしかコーティングできないという問題点が新たに生じる。
これらの問題点を解決するため、バインダーを用いたTiO微粒子の固定が行われている(特許文献2参照)。しかし有機系バインダーではそれ自身が光触媒によって分解されてしまい、耐久性に問題がある。また無機系バインダーの場合は、表面に露出してさらされる光触媒が少なく、活性表面が減少するため高い光触媒活性が得られない。
そこで低温である程度強固な膜を形成できるゾルゲル法によるシリカ(SiO)膜をバインダーとして用いる方法が採られている(特許文献2参照)。しかしこのような方法で作製された材料では、さらに製造プロセスが複雑になると同時に、気体や液体処理装置のように液中あるいは気相中に微粒子を分散させて使用しようとする場合、微粒子化して比表面積を増大させるという効果を十分に利用することができないという問題が生じる。したがって高比表面積を維持し、かつ取り扱いが煩雑ではないTiO微粒子光触媒の作製を一般的かつ安価な方法で行うことが求められている。
そこでTiOとガラス形成酸化物とを含有する混合物を溶融して得られる分相融液をガラス化して、ガラス中のTiOを結晶化させることによって、TiOをガラス中に固定する方法が採られている(特許文献3参照)。
またTiOを含んで焼成されるガラスセラミック誘電体材料があるが、光触媒としての用途は全く開示されていない(特許文献4参照)。
特開2002−285691号公報 特開2002−45650号公報 特開2001−113177号公報 特開2003−327450号公報
しかしながら特許文献3が開示する方法によって得られた光触媒材料は、成形性が悪く、いろいろな用途に応じてチューブ状、ロッド状、シート状または繊維状への成形加工が困難である。
本発明の目的は、光触媒であるTiOを含有するガラスを作製し、多孔質化することによって、活性表面積が大きく、耐久性があり、成形性の高い光触媒用組成物、光触媒用材料およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、チタニア、シリカ、アルミナおよび少なくとも1種類以上のアルカリ土類金属酸化物を含んで構成される光触媒用組成物である。
また本発明は、前記チタニアの含量が、10モル%以上40モル%以下、
前記シリカの含量が、20モル%以上40モル%以下、
前記アルミナの含量が、5モル%以上20モル%以下、
前記アルカリ土類金属酸化物の含量が、25モル%以上40モル%以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記アルカリ土類金属酸化物は、カルシア、バリアまたはマグネシアのうち少なくともいずれか1つ以上であることを特徴とする。
また本発明は、前記カルシアの含量が、15モル%以上30モル%以下、
前記バリアの含量が、15モル%以上30モル%以下、
前記マグネシアの含量が、1モル%以上10モル%以下であることを特徴とする。
また本発明は、さらに五酸化二りんを含んで構成され、
前記五酸化二りんの含量が、1モル%以上5モル%以下であることを特徴とする。
また本発明は、さらに酸化ほう素またはジルコニアのうち少なくともいずれか1つ以上を含んで構成され、
前記酸化ほう素の含量が、1モル%以上10モル%以下、
前記ジルコニアの含量が、0.5モル%以上5モル%以下であることを特徴とする。
また本発明は、少なくともチタニア、シリカおよびアルミナを含んで構成され、
結晶化度が5%以上100%未満であることを特徴とする光触媒用材料である。
また本発明は、前記光触媒用組成物を溶融させて、結晶化度が5%以上100%未満になるように結晶化させる結晶化工程と、
前記結晶化工程によって得られた結晶化ガラスを酸またはアルカリ処理によって多孔質化させる酸またはアルカリ処理工程とを含んで構成されることを特徴とする光触媒用材料を製造する製造方法である。
また本発明は、前記結晶化工程において、
前記光触媒用組成物を750℃以上900℃未満の温度下で結晶化させることを特徴とする。
また本発明は、前記酸またはアルカリ処理工程において、
前記結晶化ガラスが、
0.5N以上5N以下の濃度の酸または0.5N以上1N以下の濃度のアルカリによって処理されることを特徴とする。
また本発明は、前記酸またはアルカリ処理工程において、
前記結晶化ガラスが5.0時間以上100時間以下の時間、酸またはアルカリ処理されることを特徴とする。
本発明によれば、光触媒用組成物は、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)および少なくとも1種類以上のアルカリ土類金属酸化物を含んで構成される。
このような光触媒用組成物を混合、溶融および結晶化させて結晶相と非晶相とからなる結晶化ガラス得ることができる。さらに酸またはアルカリ処理することによって非晶相を溶融させて多孔質結晶化ガラスを得ることができる。このようにして得られる多孔質結晶化ガラスは、光触媒として有用なTiOの結晶を含み、さらに多孔質化されているので比表面積が大きい。よって多孔質結晶化ガラスの光触媒活性が高くなる。また、特にアルカリ土類金属酸化物を含ませることによって、成形性の高い光触媒用材料を得ることができ、いろいろな用途に応じてチューブ状、ロッド状、シート状または繊維状への成形加工が容易になる。
また本発明によれば、光触媒用組成物に含まれるTiOの含量が、10モル%以上40モル%以下、SiOの含量が、20モル%以上40モル%以下、Alの含量が、5モル%以上20モル%以下、アルカリ土類金属酸化物の含量が、25モル%以上40モル%以下である。
TiOの含量が10モル%未満では、析出するTiOの量が少ないので、得られる光触媒用材料の光触媒活性が低下し、40モル%を超えると、ガラス化が困難になる。SiOの含量が20モル%未満では、ガラス化が困難になり、40モル%を超えると、低温でのガラス化が困難になり、製造上のコストが著しく高くなる。Alの含量が5モル%未満では、光触媒材料の強度及び化学的耐久性が低くなり、20モル%を超えると、ガラス化が困難になる。アルカリ土類金属酸化物の含量が25モル%未満では、成形性が低くなり、40モル%を超えると、ガラス化が困難になる。
また本発明によれば、アルカリ土類金属酸化物は、カルシア(CaO)、バリア(BaO)またはマグネシア(MgO)のうち少なくともいずれか1つ以上である。
これによって、より成形性が高い光触媒用材料を得ることができる。
また本発明によれば、CaOの含量が、15モル%以上30モル%以下、BaOの含量が、15モル%以上30モル%以下、MgOの含量が、1モル%以上10モル%以下である。
CaOの含量が15モル%未満では、成形性が低くなり、30モル%を超えると、ガラス化が困難になる。BaOの含量が15モル%未満では、成形性が低くなり、30モル%を超えると、ガラス化が困難になる。MgOの含量が1モル%未満では、成形性が低くなり、10モル%を超えると、ガラス化が困難になる。
また本発明によれば、光触媒用組成物はさらに五酸化二りん(P)を含んで構成され、Pの含量が、1モル%以上5モル%以下である。
の含量が1モル%未満では、結晶化の際に内部から結晶化が進まず、表面から結晶化が進んで表面から結晶が剥離し、光触媒活性が低下する。5モル%を超えると、ガラス化が困難になる。またPを加えることによって、分相しやすくなる。
また本発明によれば、光触媒用組成物はさらに酸化ほう素(B)またはジルコニア(ZrO)のうち少なくともいずれか1つ以上を含んで構成され、酸化ほう素の含量が、1モル%以上10モル%以下、ジルコニアの含量が、0.5モル%以上5モル%以下である。
の含量が1モル%未満では、結晶化の際に内部から結晶化が進まず、表面から結晶化が進んで表面から結晶が剥離し、光触媒活性が低下する。10モル%を超えると、ガラス化が困難になる。またBを加えることによって、分相しやすくなり結晶化を促進する。ZrOの含量が0.5モル%未満では、結晶化の際に内部から結晶化が進まず、表面から結晶化が進んで表面から結晶が剥離し、光触媒活性が低下する。5モル%を超えると、ガラス化が困難になる。
また本発明によれば、光触媒用材料は、少なくともTiO、SiOおよびAlを含んで構成され、結晶化度が5%以上100%未満である。
結晶化度が5%未満では、結晶相が少なくTiOが析出しないので、光触媒活性が低下する。100%以上では、結晶相が多いのでTiOは析出するが、結晶化が進み細孔が少なくなり結晶化ガラスの表面は多孔質化されないので、比表面積が小さくなり光触媒活性が低下する。
また本発明によれば、光触媒用組成物を溶融させて、結晶化度が5%以上100%未満に結晶化させる結晶化工程と、結晶化工程によって得られた結晶化ガラスを酸またはアルカリ処理によって多孔質化させる酸またはアルカリ処理工程とを含んで構成される。
結晶化工程において、結晶化ガラスは非晶相と結晶相とに分相され、酸またはアルカリ処理工程において、非晶質が溶融されることによって結晶化ガラスの表面は多孔質化されるので、比表面積が大きく光触媒活性の高い光触媒用材料を製造することができる。結晶化度が5%未満では、結晶相が少なくTiOが析出しないので、光触媒活性が低下する。100%以上では、結晶相が多いのでTiOは析出するが、結晶化が進み細孔が少なくなり結晶化ガラスの表面は多孔質化されないので、比表面積が小さくなり光触媒活性が低下する。
また本発明によれば、結晶化工程において、光触媒用組成物を750℃以上900℃未満の温度下で結晶化させる。
結晶化温度が750℃未満では、結晶化が不十分であるために非晶相に残存したTiOが溶出し、チタン(Ti)相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また結晶性が低いため非晶相が過剰に存在していて、非晶相が溶出することによって細孔が多数形成されるが、構造が脆く崩れ始めている状態であり、光触媒活性が低下する。900℃以上だと、過度の結晶化によって非晶相が減少し、Ti相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また細孔の形成が抑制されたため比表面積、細孔容積ともに小さくなり、光触媒活性が低下する。さらにTiO以外の多数の種類の結晶が生成され、これらが励起子の電荷分離を抑制するので、光触媒活性が低下する。
また本発明によれば、酸またはアルカリ処理工程において、結晶化ガラスが、0.5N以上5N以下の濃度の酸または0.5N以上1N以下の濃度のアルカリによって処理される。
酸処理に用いられる酸の濃度が0.5N未満では、SiOが過剰に溶解し、それに伴いTiOも溶出してしまい、Ti相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また細孔の構造が崩れ始めて平均細孔直径および細孔容積が小さくなり、光触媒活性が低下する。5Nを超えると、細孔中に析出するゲル状SiOが多く堆積し、SiOの残存量が多くなりTi相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また細孔容積が小さくなり、光触媒活性が低下する。
またアルカリ処理に用いられるアルカリの濃度が0.5N未満では、細孔中に析出するゲル状SiOが多く堆積し、SiOの残存量が多くなりTi相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また細孔容積が小さくなり、光触媒活性が低下する。1Nを超えると、SiOが過剰に溶解し、それに伴いTiOも溶出してしまい、Ti相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また細孔の構造が崩れ始めて平均細孔直径および細孔容積が小さくなり、光触媒活性が低下する。
また本発明によれば、酸またはアルカリ処理工程において、結晶化ガラスが5.0時間以上100時間以下の時間、酸またはアルカリ処理される。
結晶化ガラス全体を多孔質化するためには、酸またはアルカリ処理時間が5.0時間未満では、時間的に不十分で可溶な非晶相が残存しているので、光触媒活性が低下する。また酸処理時間が不十分で非晶相の溶出が不完全であるので、細孔容積が著しく小さくなり、光触媒活性が低下する。100時間を超えると、時間的に過剰で骨格のSiOまで析出してしまい、それに伴いTiOも溶出してしまので、Ti相対含有率が低くなり、光触媒活性が低下する。また比表面積は大きくなるが、これは酸またはアルカリ処理時間が過剰で骨格のSiOが細孔中に析出し、微粒子化しているためであり、TiOが比表に現れているためではないので、光触媒活性が低下する。
[TiO含有結晶化ガラスの作製]
図1はTiO含有結晶化ガラスの製造方法を説明する図であり、図2はTiO含有結晶化ガラスの製造方法を説明するフロー図である。溶融法に基づきガラスを作製し、熱処理を施し結晶化する。このときガラスは酸またはアルカリに可溶な非晶相と主にSiO−TiO成分を含んで構成される結晶相とに分相した結晶化ガラスになる。この結晶化ガラスを酸またはアルカリ処理することによって非晶相の溶出、細孔の形成を経て多孔質TiO含有結晶化ガラスを作製する。
ステップS1では、TiO、SiO、Alおよび少なくとも1種類以上のアルカリ土類金属酸化物を含む出発原料を混合する。TiOには、アナターゼ、ルチルおよびブルッカイトの3種の結晶が存在するが、いずれを使用してもよい。
これらの材料は、それぞれTiOの含量が、10モル%以上40モル%以下、SiOの含量が、20モル%以上40モル%以下、Alの含量が、5モル%以上20モル%以下、アルカリ土類金属酸化物の含量が、25モル%以上40モル%以下の組成になるように秤量されている。
アルカリ土類金属酸化物は、CaO、BaOまたはMgOのうち少なくともいずれか1つ以上であることが好ましい。CaOの含量が、15モル%以上30モル%以下、BaOの含量が、15モル%以上30モル%以下、MgOの含量が、1モル%以上10モル%以下であることが好ましい。これによってより成形性が高い光触媒用材料を得ることができる。
またその他の出発原料としては、ガラスを形成する酸化物であればいずれを使用してもよい。たとえば出発原料として、さらにPを1モル%以上5モル%以下含むことが好ましい。結晶が剥離し、光触媒活性が低下することを防ぎ、ガラス化を容易にするからである。またPを加えることによって、ガラスが分相しやすくなる。さらに1モル%以上10モル%以下のBまたは0.5モル%以上5モル%以下のZrOを含むことが好ましい。結晶化の際に内部から結晶化を促進し、表面から結晶化が進んで表面から結晶が剥離することを防ぎ、光触媒活性が低下することを防ぐ。またガラス化を容易にする。ただしアルカリ金属酸化物は、光触媒能を低下させるので使用しないほうがよい。
このような光触媒用組成物を混合、溶融および結晶化させて結晶相と非晶相とからなる結晶化ガラス得ることができる。さらに酸またはアルカリ処理することによって非晶相を溶融させて多孔質TiO含有結晶化ガラスを得ることができる。このようにして得られる多孔質TiO含有結晶化ガラスは、光触媒として有用なTiOの結晶を含み、さらに多孔質化されているので比表面積が大きい。よって多孔質TiO含有結晶化ガラスの光触媒活性が高くなる。また特にアルカリ土類金属酸化物を含ませることによって、成形性の高い光触媒用材料を得ることができる。
ステップS2では、ステップS1で混合した光触媒用組成物の粉末を、白金るつぼまたはアルミナるつぼなどに入れ、電気炉、重油燃焼炉またはガス燃焼炉などで昇温速度600〜800℃/時間、溶融温度1400〜1600℃、保持時間2.5〜4.0時間の条件で溶融する。
ステップS3では、たとえば黒鉛またはステンレスなどの型に流し込むことによって、たとえば直方体状、チューブ状、ロッド状またはシート状に、溶融液から成形していく。成形後、卓上マッフル炉で550〜650℃から徐冷し、TiO含有ガラスを作製する。卓上マッフル炉に限らず、どのような加熱炉でも構わない。あるいは白金ノズルからガラス融液を噴出させることによって、繊維状に成形していく。
ステップ4では、TiO含有ガラスを白金るつぼまたはアルミナるつぼに入れ、卓上マッフル炉で昇温速度150〜250℃/時間、結晶化温度750〜900℃、保持時間14〜16時間の条件で結晶化を行うと、結晶化ガラスが得られる。卓上マッフル炉に限らず、どのような加熱炉でも構わない。
結晶化温度が750℃未満では、結晶化が不十分であるために非晶相に残存したTiOが溶出し、チタン(Ti)相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また結晶性が低いため非晶相が過剰に存在していて、非晶相が溶出することによって細孔が多数形成されるが、構造が脆く崩れ始めている状態であり、光触媒活性が低下する。900℃以上だと、過度の結晶化によって非晶相が減少し、Ti相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また細孔の形成が抑制されたため比表面積、細孔容積ともに小さくなり、光触媒活性が低下する。さらにTiO以外の多数の種類の結晶が生成され、これらが励起子の電荷分離を抑制するので、光触媒活性が低下する。しかし結晶化温度を1000℃付近まで上昇させると、再び高い光触媒活性を示すことがわかっている。
この結晶化ガラスは結晶相と非晶相とに分相している。結晶相にはTiOが多く含まれ、非晶相には少ない。分相機構は2種類あり、スピノーダル分解によるものと、核生成−成長によるものとがある。スピノーダル分解による分相機構は、2成分系状態図における不混和領域の中にあるスピノーダル線の内側の不安定領域でスピノーダル分解する分相機構である。均一組成のガラスを適当な温度で加熱すると、ガラス相の化学組成のゆらぎはしだいに広がり、2つの相に分離する。最終的には、互いの相は絡み合い構造になる。酸またはアルカリによって一方の相を溶解すれば、多孔質結晶化ガラスができる。核生成−成長による分相機構は、核形成と結晶成長の過程を経て、あまり組成を変えることなくサイズのみが増していくような分相機構である。
ステップS5では、ステップS4で得られる結晶化ガラスを酸またはアルカリ処理する。処理剤としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムなどが挙げられる。酸濃度は、0.5〜5N、アルカリ濃度は0.5〜1Nであることが好ましい。結晶化ガラス1gあたり酸またはアルカリ水溶液50〜1000mlの割合で、オイルバスまたはマントルヒータ中で、40〜98℃の条件下で5.0〜100時間、酸またはアルカリ処理を行うことが好ましい。加熱手段はオイルバスまたはマントルヒータに限らず、どのような加熱手段でも構わない。酸またはアルカリ処理時間については、結晶化ガラス全体を多孔質化するときは、前述のように5.0〜100時間は必要である。しかし成形体の形状や用途によっては、表面部分のみを多孔質化すれば十分で、内部まで多孔質化する必要はない場合もあり、そのような場合はたとえば、0.25時間程度の処理時間で十分である。
酸またはアルカリ処理に用いられる酸濃度が0.5N未満、またはアルカリ濃度が1Nを超えると、SiOが過剰に溶解し、それに伴いTiOも溶出してしまい、Ti相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また細孔の構造が崩れ始めて平均細孔直径および細孔容積が小さくなり、光触媒活性が低下する。酸濃度が5Nを超える、またはアルカリ濃度が0.5N未満では、細孔中に析出するゲル状SiOが多く堆積し、SiOの残存量が多くなりTi相対含有率が低下するので、光触媒活性が低下する。また細孔容積が小さくなり、光触媒活性が低下する。
また酸またはアルカリ処理時間が5.0時間未満では、時間的に不十分で可溶な非晶相が残存しているので、光触媒活性が低下する。また酸処理時間が不十分で非晶相の溶出が不完全であるので、細孔容積が著しく小さくなり、光触媒活性が低下する。100時間を超えると、時間的に過剰で骨格のSiOまで析出してしまい、それに伴いTiOも溶出してしまので、Ti相対含有率が低くなり、光触媒活性が低下する。また比表面積は大きくなるが、これは酸処理時間が過剰で骨格のSiOが細孔中に析出し、微粒子化しているためであり、TiOが表面に現れているためではないので、光触媒活性が低下する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6および比較例1)
[TiO含有ガラスの作製]
Figure 2008142606
出発原料としてSiO、水酸化アルミニウム(Al(OH))(キシダ化学株式会社製、試薬特級)、TiO(林純薬工業株式会社製)、炭酸カルシウム(CaCO)、ほう酸(HBO)(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)、ZrO、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO・6HO)(関東化学株式会社製、試薬特級)およびりん酸水素マグネシウム三水和物(MgHPO・3HO)(半井化学薬品株式会社製)を用いた。
表1に示す組成に換算されるように出発原料を秤量し、混合した。この粉末を白金るつぼに入れて、省エネ型昇温電気炉(株式会社モトヤマ製、RH−2025D,SUPER−BURN)で昇温速度750℃/時間、溶融温度1500℃、保持時間3.5時間の条件で溶融した。溶融後、黒鉛の型に流し込み幅2cm、長さ6cm、厚み1cmの直方体に成形後、卓上マッフル炉(株式会社デンケン製、KDF P90)で600℃から徐冷し、TiO含有ガラスを作製した。
[TiO含有ガラスの結晶化]
Figure 2008142606
作製したTiO含有ガラスを白金るつぼに入れ卓上マッフル炉で昇温速度200℃/時間、降温速度100℃/時間、表2に示す結晶化温度、保持時間15時間の条件下で結晶化を行った。これを金槌で粉砕し、2〜3mmに分級し、TiO含有結晶化ガラスの粉末を得た。
[TiO含有結晶化ガラスの酸処理]
表2に示す濃度に調製した硝酸(HNO)(比重1.38、関東化学株式会社製、試薬特級)中にTiO含有結晶化ガラスを導入し、結晶化ガラス1gあたりHNO水溶液1000mlの割合で、オイルバス(ADVANTEC製、OC−270)中、98℃の条件下で表2に示す時間、酸処理を行って、実施例1〜6および比較例1のTiO含有結晶化ガラスを得た。
[結晶相の同定]
結晶相について、波長が1.5405ÅのCuKα線を用いたX線回折装置(X−ray diffraction:XRD、RIGAKU製、RINT−2200)を用いてX線強度を測定した。作製した多孔質TiO含有結晶化ガラスをメノウ乳鉢で粉砕したものを測定試料とした。測定条件は管電圧40kV、管電流20mA、走査速度1.00°/minで入射X線に対する反射X線の角度(2θ)は10°〜60°とした。図3(a)〜図5は、X線強度を示すグラフであり、横軸は入射X線に対する反射X線の角度(2θ)を、縦軸はX線強度を表す。
図3(a)は、結晶化前のガラスならびに酸処理前の実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示すグラフである。プロット1はルチル型TiO、プロット2はCaTiO、プロット3はMgAl、プロット4はMgTi、プロット5はCaTi、プロット6はAlTiSiO12のピークを示す。グラフ11は結晶化前のガラス、グラフ12は実施例2の、グラフ13は実施例1の、グラフ14は比較例1のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示す。
図3(b)は酸処理後の実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示すグラフである。プロット1〜6は、図3(a)と同じものを示す。グラフ15は実施例2の、グラフ16は実施例1の、グラフ17は比較例1のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示す。酸処理後のTiO含有結晶化ガラスのX線強度から、実施例1および2においてルチル型TiO、CaTiおよびAlTiSiO12、比較例1においてルチル型TiO、CaTiO、MgAlおよびMgTiが存在していることが確認された。また組成が複雑なため、結晶化温度が高くなるに伴い不明なピークが多数確認されたが、ピークが鋭くなっていることから、結晶性が高くなっていると推測できる。酸処理前と比べて、酸処理後のTiO含有結晶化ガラスのX線強度から、入射X線に対する反射X線の角度(2θ)が30°付近にピークのあるハローが消失しているので、酸処理によって非晶質部分が溶出したと推測できる。
図4は、実施例1,3および4のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示すグラフである。プロット1〜6は、図3(a)と同じものを示す。グラフ18は実施例4の、グラフ19は実施例1の、グラフ20は実施例3のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示す。いずれの酸処理時間においてもルチル型TiOのピークを確認した。またピーク位置、強度ともに酸処理時間に対して顕著な差はなかった。
図5は、実施例1,5および6のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示すグラフである。プロット1〜6は、図3(a)と同じものを示す。グラフ21は実施例6の、グラフ22は実施例1の、グラフ23は実施例5のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示す。すべての試料においてルチル型TiOのピークを確認した。硝酸濃度が低いほど入射X線に対する反射X線の角度(2θ)が20°〜30°の非晶質特有のハローが消失していることから、硝酸濃度が低いほど非晶質部分が溶出しやすいと考察される。
[結晶化度の算出]
表3は、実施例1〜6および比較例1のTiO含有結晶化ガラスにおける、結晶化度の値を示す。X線強度の結果を基に非晶質特有のハローの強度を差し引いた各実施例のTiO含有結晶化ガラスのTiOの強度と、実施例3のTiO含有結晶化ガラスのTiOの強度との比を結晶化度とした。ルチル型TiOのX線強度のピークは、27.446°付近に現れた。比較例1のTiO含有結晶化ガラスの結晶化度を100%とした。結晶化温度が高くなるに伴い、結晶化度は増大した。これは温度増加に伴い、結晶相を形成しやすくなったためであると考えられる。
Figure 2008142606
[細孔特性]
窒素ガス吸着法によって細孔特性を評価した。高精度ガス吸着装置(日本ベル株式会社製、BELSORP−mini)を用いて液体窒素温度(77K)下での窒素吸着等温線を作成し、BET式からBET比表面積を、Dollimore−Heal法(DH法)によってKelvin式を用いて細孔直径分布を求めた。実施例1〜6および比較例1における、平均細孔直径、比表面積および細孔容積の値を表4に示す。
Figure 2008142606
実施例2においては、実施例1と比較して大きな比表面積および小さな細孔容積を示した。これは実施例2においては結晶化温度が低いので、結晶性が低く非晶相が過剰に存在していると考えられる。そのため細孔が多数形成されるが、構造が脆く、崩れ始めている状態であることを示唆している。比較例1においては結晶化温度が高いので、過度の結晶化によって非晶相が減少し、細孔の形成が抑制されたため比表面積、細孔容積ともに小さくなったと考えられる。
実施例3においては、細孔容積が著しく小さかったが、これは酸処理時間が不十分で非晶相の溶出が不完全であるためと考えられる。また実施例4においては、大きな比表面積を示したが、これは酸処理時間が過剰で骨格のSiOが細孔中に析出し、微粒子化していることを示唆している。
実施例5においては、実施例1と比較して平均細孔直径および細孔容積が小さくなった。これは骨格のSiOまで酸に溶解し、構造が崩れ始めていることを示唆している。実施例6においては、細孔中にゲル状SiOが析出したため、細孔容積が減少したと考えられる。一方、比表面積はいずれの酸濃度においてもほぼ一定であった。この結果は非晶相の溶出の度合いが酸濃度によって決定されるため、細孔容積に差が生じていると考えられる。それゆえ実施例1における分相構造の界面つまり分相構造を酸処理することによって得られる細孔表面が滑らかであると示唆される。
また図6〜図8は細孔直径分布を示すグラフであり、横軸は細孔直径を、縦軸は細孔直径分布を表す。図6は、実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスの細孔直径分布を示すグラフである。グラフ31は実施例2の、グラフ32は実施例1の、グラフ33は比較例1のTiO含有結晶化ガラスの細孔直径分布を示す。実施例1においては、数十nmの比較的大きな細孔直径の細孔が形成されていることが確認された。また大きな細孔を有していることから形成された細孔構造が維持されていると考えられる。実施例2においては、細孔直径が10nm以下のメソ孔およびマイクロ孔が多く存在し、細孔直径が2nm付近に分布のピークがあると判断できる。構造が脆いため細孔が崩れた結果、細孔直径が小さくなったと考察される。一方比較例1においては、結晶化温度が高いので、過度の結晶化によって非晶相が減少し、細孔の形成が抑制されたため、比表面積、細孔容積ともに小さくなったと考えられる。
図7は、実施例1,3および4のTiO含有結晶化ガラスの細孔直径分布を示すグラフである。グラフ34は実施例4の、グラフ35は実施例3の、グラフ36は実施例1のTiO含有結晶化ガラスの細孔直径分布を示す。実施例3においては、細孔直径が4nm以下のメソ孔およびマイクロ孔の分布が高くなっており、細孔容積が著しく小さかったが、これは酸処理時間が不十分で非晶相の溶出が不完全であるためと考えられる。また実施例4においても、細孔直径が4nm以下のメソ孔およびマイクロ孔の分布が高くなっており、これは酸処理時間が過剰で骨格のSiOが細孔中に析出し、微粒子化していることを示唆している。
図8は、実施例1,5および6のTiO含有結晶化ガラスの細孔直径分布を示すグラフである。グラフ37は実施例6の、グラフ38は実施例5の、グラフ39は実施例1のTiO含有結晶化ガラスの細孔直径分布を示す。細孔直径分布については、いずれの実施例においても大きな差異は見られなかった。
[Ti相対含有量]
蛍光X線装置(セイコー電子工業株式会社製、SEA2001)を用いて大気圧下、エネルギー分散方式によってTiO含有結晶化ガラス中のTi相対含有率を決定した。作製した結晶化前の母体ガラスおよび実施例1〜6および比較例1のTiO含有結晶化ガラスをメノウ乳鉢で粉砕したものを試料とした。
図9は、実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有率を示すグラフである。グラフ41は出発原料の、グラフ42は実施例2の、グラフ43は実施例1の、グラフ44は比較例1のTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有量を示す。結晶化前の試料ではTi相対含有率およそ23wt%を示し、出発原料のTi相対含有率である22.87wt%と一致した。実施例1と比較して実施例2では結晶化が不十分であるために非晶相に残存したTiが溶出し、Ti相対含有率が低下した。比較例1においては、酸処理後のTi相対含有率が他の結晶化温度の場合に比較して少なかった。これは過度の結晶化によって非晶質部分が減少し、非晶相の溶出量が減少したためTi相対含有率が低下したと考えられる。
図10は、実施例1,3および4のTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有率を示すグラフである。グラフ45は出発原料の、グラフ46は実施例3の、グラフ47は実施例1の、グラフ48は実施例4のTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有量を示す。実施例1においてTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有率が最大となった。これは実施例3においては時間的に不十分で非晶相が残存しているために、また実施例4においては時間的に過剰で骨格のSiOまで析出してしまい、それに伴いTiOも溶出してしまったためにTi相対含有率が低くなったと考えられる。
図11は、実施例1,5および6のTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有率を示すグラフである。グラフ49は出発原料の、グラフ50は実施例5の、グラフ51は実施例1の、グラフ52は実施例6のTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有量を示す。非晶相中には20〜30wt%程度のSiOが含まれており、SiOは酸に対する溶解度が低いために非晶相の溶出時に分相構造によってできた細孔中にゲル状として析出し二次構造をつくる。この細孔中に堆積したゲル状SiOによって細孔直径は小さくなる。この現象は酸濃度が高いほど強く現れることが知られている。したがって、実施例6においては、細孔中に析出するゲル状SiOが多く堆積したため、SiOの残存量が多くなりTi相対含有率が低くなったと考えられる。一方実施例5においては、酸にSiOが過剰に溶解し、それに伴いTiも溶出してしまい、Ti相対含有率が低下したと考えられる。
[光触媒活性の評価]
メチレンブルー(Methylene blue:MB、CHROMA−Gesellschaf製)の分解率から実施例1〜6および比較例1のTiO含有結晶化ガラスならびに比較例2の試料の光触媒活性を評価した。比較例2としてHQA−51(直径3mm、細孔直径50nm、新東Vセラックス株式会社製)を用いた。HQA−51はSiOゲル内部にTiO薄膜をコートしたものである。図12は、光触媒活性を評価するために用いられる測定装置1を示す概略図である。測定装置1は、照射装置2、貯蔵容器3、循環ポンプ4、送液管5を含んで構成され、照射装置2は、反応容器6および低圧水銀ランプ7が備えられている。反応容器6は、石英ガラスからなり、管状である。測定装置1を使用するときには、貯蔵容器3にメチレンブルー水溶液8を、反応容器6には光触媒用材料9を入れ、循環ポンプ4によって反応容器6内にメチレンブルー水溶液を循環させた。
この測定装置1を用い、低圧水銀ランプ7(10W、セン特殊光源株式会社製、UVL10DL−12)を照射下、メチレンブルー水溶液8を閉鎖系で循環させた。メチレンブルー水溶液8の流速は0.089L/minであった。反応容器6の中に充填した光触媒用材料9と、送液されたメチレンブルー水溶液8とを接触させると光触媒反応が起こった。初期のメチレンブルーの細孔への吸着の効果を分離するために、測定開始前に光触媒用材料9を濃度が20ppmのメチレンブルー水溶液に含浸し、吸着飽和の状態から開始した。メチレンブルーの初期濃度を20ppmとし、所定時間毎にメチレンブルーの664nmにおける吸光度を分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、U−1100形)で測定し、下記に示す式(1)によって分解率Rを算出した。ただしメチレンブルーの初期の吸光度をA、所定時間経過後の吸光度をAとする。またメチレンブルーの最大吸収波長は664nmである。分解率Rは担持された光触媒と担体とを合わせた光触媒材料1gあたりの分解率とした。したがって、Mは用いた試料重量(g)である。
R={(A−A)/A}×100 …(1)
図13〜図17は光触媒活性を示すグラフであり、横軸は時間を、縦軸は光触媒活性を表す。図13は、実施例1のTiO含有結晶化ガラス、結晶化前のTiO含有ガラスおよび酸処理前の結晶化ガラスの1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。グラフ61は実施例1の、グラフ62は結晶化前のTiO含有結晶化ガラスの、グラフ63は酸処理前の結晶化ガラスの光触媒活性を示す。結晶化前のTiO含有ガラスではTiOが非晶質であるため光触媒活性が低くなった。酸処理前の結晶化ガラスは非多孔質であり、結晶化したTiOが非晶相で覆われているため活性表面が小さいことが光触媒活性が低くなった原因と考えられる。実施例1のTiO含有結晶化ガラスでは、酸処理によって非晶相が溶出し多孔質化され、結晶化したTiOが露出し、活性表面が増大したため光触媒活性が高くなったと考えられる。
図14は、実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスの1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。グラフ64は実施例1の、グラフ65は実施例2の、グラフ66は比較例1のTiO含有結晶化ガラスの光触媒活性を示す。実施例1において、最も高い光触媒活性を得た。これは細孔直径および細孔容積が大きいために物質拡散が容易になり、光触媒と反応物質との接触効率が高くなったためであると考えられる。実施例2においては低い結晶化度、構造の脆さが、比較例1においては小さい比表面積および細孔容積が、光触媒活性が低くなった原因であると考えられる。比較例1においては、TiO以外の多数の結晶の生成が見られ、これらが励起子の電荷分離を抑制した可能性も考えられる。
図15は、実施例1,3および4のTiO含有結晶化ガラスの1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。グラフ67は実施例1の、グラフ68は実施例3の、グラフ69は実施例4のTiO含有結晶化ガラスの光触媒活性を示す。実施例1において光触媒活性は高くなったが、これは大きな細孔直径および細孔容積によって物質拡散が容易になり、またTiO相対含有量が多いためにTiO露出表面が増大し、光触媒と反応物質との接触効率が高くなったためであると考えられる。また実施例3および4においてはそれぞれ残存した非晶相、析出したゲル状SiOによって表面を覆われ、光触媒活性表面の減少によって光触媒活性が低くなったと考えられる。
図16は、実施例1,5および6のTiO含有結晶化ガラスの1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。グラフ70は実施例1の、グラフ71は実施例6の、グラフ72は実施例5のTiO含有結晶化ガラスの光触媒活性を示す。メチレンブルー分子の大きさを考慮すると、光触媒反応には細孔直径10nm程度の細孔が有効であるといえる。したがって実施例1および6において、適当な細孔を有するため、光触媒活性が高くなったと考えられる。メチレンブルー分子の大きさは、長軸径が1.6nm、短軸径が0.84nm、厚さが0.47nmである。
図17は、実施例1のTiO含有結晶化ガラスおよび比較例2の試料の1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。グラフ73は実施例1のTiO含有結晶化ガラスの、グラフ74は比較例2の試料の光触媒活性を示す。実施例1のTiO含有結晶化ガラスは、比較例2の試料よりも高い光触媒活性を示した。
実施例1〜6および比較例1のTiO含有結晶化ガラスならびに比較例2の試料の光触媒活性の評価を表5に示す。
◎:非常に良好。10時間における光触媒活性が40%/g以上。
○:良好。10時間における光触媒活性が20%/g以上40%/g未満。
△:実用上問題なし。10時間における光触媒活性が10%/g以上20%/g未満。
×:不良。10時間における光触媒活性が10%/g未満。
[成形性の評価]
成形性を評価するために、結晶の有無および白濁の有無を目視で確認した。
実施例1〜6および比較例1のTiO含有結晶化ガラスならびに比較例2の試料の成形性の評価を表5に示す。
○:良好。結晶が出ず、白濁していない。
×:不良。結晶が出て、白濁している。
実施例1〜6および比較例1のTiO含有結晶化ガラスは、成形性が良好であった。比較例1の試料は、成形性が不良であった。
[総合評価]
総合評価を表5に示す。
○:良好。いずれの評価も◎または○である。
△:実用上問題なし。いずれの評価も×ではない。
×:不良。いずれかの評価が×である。
Figure 2008142606
実施例1〜6は、光触媒活性が高く、成形性も高い光触媒材料を得ることができた。比較例1は、成形性は高かったが、光触媒活性が低かった。比較例2は、光触媒活性も成形性も低かった。
TiO含有結晶化ガラスの製造方法を説明する図である。 TiO含有結晶化ガラスの製造方法を説明するフロー図である。 図3(a)は結晶化前のガラスならびに酸処理前の実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示すグラフ、図3(b)は酸処理後の実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示すグラフである。 実施例1,3および4のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示すグラフである。 実施例1,5および6のTiO含有結晶化ガラスのX線強度を示すグラフである。 実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスの細孔直径分布を示すグラフである。 実施例1,3および4のTiO含有結晶化ガラスの細孔直径分布を示すグラフである。 実施例1,5および6のTiO含有結晶化ガラスの細孔直径分布を示すグラフである。 実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有率を示すグラフである。 実施例1,3および4のTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有率を示すグラフである。 実施例1,5および6のTiO含有結晶化ガラスのTi相対含有率を示すグラフである。 光触媒活性を評価するために用いられる測定装置1を示す概略図である。 実施例1のTiO含有結晶化ガラス、結晶化前のTiO含有ガラスおよび酸処理前の結晶化ガラスの1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。 実施例1〜2および比較例1のTiO含有結晶化ガラスの1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。 実施例1,3および4のTiO含有結晶化ガラスの1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。 実施例1,5および6のTiO含有結晶化ガラスの1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。 実施例1のTiO含有結晶化ガラスおよび比較例2の試料の1gあたりの光触媒活性を示すグラフである。
符号の説明
1 測定装置
2 照射装置
3 貯蔵容器
4 循環ポンプ
5 送液管
6 反応容器
7 低圧水銀ランプ
8 メチレンブルー水溶液
9 光触媒用材料

Claims (11)

  1. チタニア、シリカ、アルミナおよび少なくとも1種類以上のアルカリ土類金属酸化物を含んで構成される光触媒用組成物。
  2. 前記チタニアの含量が、10モル%以上40モル%以下、
    前記シリカの含量が、20モル%以上40モル%以下、
    前記アルミナの含量が、5モル%以上20モル%以下、
    前記アルカリ土類金属酸化物の含量が、25モル%以上40モル%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光触媒用組成物。
  3. 前記アルカリ土類金属酸化物は、カルシア、バリアまたはマグネシアのうち少なくともいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光触媒用組成物。
  4. 前記カルシアの含量が、15モル%以上30モル%以下、
    前記バリアの含量が、15モル%以上30モル%以下、
    前記マグネシアの含量が、1モル%以上10モル%以下であることを特徴とする請求項3に記載の光触媒用組成物。
  5. さらに五酸化二りんを含んで構成され、
    前記五酸化二りんの含量が、1モル%以上5モル%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光触媒用組成物。
  6. さらに酸化ほう素またはジルコニアのうち少なくともいずれか1つ以上を含んで構成され、
    前記酸化ほう素の含量が、1モル%以上10モル%以下、
    前記ジルコニアの含量が、0.5モル%以上5モル%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の光触媒用組成物。
  7. 少なくともチタニア、シリカおよびアルミナを含んで構成され、
    結晶化度が5%以上100%未満であることを特徴とする光触媒用材料。
  8. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の光触媒用組成物を溶融させて、結晶化度が5%以上100%未満になるように結晶化させる結晶化工程と、
    前記結晶化工程によって得られた結晶化ガラスを酸またはアルカリ処理によって多孔質化させる酸またはアルカリ処理工程とを含んで構成されることを特徴とする光触媒用材料を製造する製造方法。
  9. 前記結晶化工程において、
    請求項1〜6のいずれか1つに記載の光触媒用組成物を750℃以上900℃未満の温度下で結晶化させることを特徴とする請求項7に記載の光触媒用材料を製造する製造方法。
  10. 前記酸またはアルカリ処理工程において、
    前記結晶化ガラスが、
    0.5N以上5N以下の濃度の酸または0.5N以上1N以下の濃度のアルカリによって処理されることを特徴とする請求項8または9に記載の光触媒用材料を製造する製造方法。
  11. 前記酸またはアルカリ処理工程において、
    前記結晶化ガラスが5.0時間以上100時間以下の時間、酸またはアルカリ処理されることを特徴とする請求項9または10に記載の光触媒用材料を製造する製造方法。
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