JP2001145971A - 積層体、その製造方法およびその製造設備 - Google Patents

積層体、その製造方法およびその製造設備

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JP2001145971A JP32946899A JP32946899A JP2001145971A JP 2001145971 A JP2001145971 A JP 2001145971A JP 32946899 A JP32946899 A JP 32946899A JP 32946899 A JP32946899 A JP 32946899A JP 2001145971 A JP2001145971 A JP 2001145971A
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知之 田原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】殺菌性、抗菌性、防汚性、NOx浄化性などを
長時間持続して発現する皮膜を有する金属板と、その製
造方法と製造設備の提供。 【解決手段】金属板などの基材表面に、抗菌剤を配合し
た塗料からなる被覆剤を塗布し、得られた皮膜を有する
基材を特定温度に加熱保持して、酸化チタンなどの光触
媒粒子を、皮膜表面にスプレー塗布し、光触媒粒子が、
皮膜表面に分散固定した層を形成せしめた積層板の製
法、製造設備と積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺菌性、抗菌性、
防黴性、防汚性などを有する抗菌剤を含有する皮膜表面
に光触媒粒子を分散付着することによって、光触媒粒子
が作用し、抗菌剤の抗菌、防汚、防黴、NOx 浄化など
の機能を発現することができる機能性積層体、その製造
方法およびその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、殺菌、抗菌、防汚、防黴作用
などを示す抗菌剤として、金属状態またはイオン状態の
銀、金、亜鉛などが知られている。抗菌剤を、成形体ま
たは構造体の表面に施す方法として、例えば陶磁器また
はほうろう製品の表面に、リン酸銀粉末を被覆し、焼成
する陶磁器またはほうろう体の抗菌・防黴方法が提案さ
れている(特開平6ー34584号公報)。
【0003】金属または金属イオンなどの抗菌剤は、暗
所でも抗菌作用を発揮する利点があるが、表面が汚れた
り、菌の死骸が堆積すると、効果が半減する欠点があ
る。また金属イオンは、脱離、剥離などにより、経時的
に減少して、活性が低下するため、金属イオンを構造体
などの表面に、継続して供給するシステムが要望され
る。
【0004】一方、酸化チタンなどの光触媒に特定の波
長が照射されると、光触媒機能により生じた電子(−)
と正孔(+)の還元力または酸化力により、有害物質、
悪臭物質、有機物質の分解、浄化作用や殺菌、抗菌作用
が生じる。この光触媒作用を利用したものとして、基材
の上に光触媒層を設けたもの(特開平7−171408
号公報)や、建造物の内壁材表面に光触媒を担持させ、
壁材に当たる光により、室内を抗菌処理する方法が提案
されている(特開平6−209985号公報)。光触媒
は、汚物や死骸をも光分解し得るので、清浄な表面を保
持し、抗菌作用を持続し得るが、十分な光量がなけれ
ば、その作用を発現しえない欠点がある。
【0005】このため、抗菌剤と光触媒を複合して相互
の短所を補完しあう方法も提案されている。例えばほう
ろう層に、抗菌剤と光触媒を含有させたほうろう体や、
抗菌剤と光触媒を含有させたコーテイング剤をほうろう
層表面に塗布するものなどが開示されている。しかし、
層の内部に埋没した光触媒は十分に機能しない。また、
表面に露出し、濃縮された抗菌剤は、脱離しやすく、そ
のため、殺菌、抗菌作用が長期に、かつ安定して発現し
ないという問題点があった。
【0006】他の例として、金属基材表面に、予め光触
媒層を形成し、その上に抗菌性金属皮膜を形成した高機
能性材料が提案されている(特開平6−209985号
公報)。しかし、表面に露出しているもの以外は、全く
作用しないという問題点があった。すなわち、従来技術
はいずれも、抗菌作用が不十分であったり、抗菌作用の
持続性がないという問題点があり、抗菌作用とその持続
性という要求特性を同時に満足するものはなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
弱点を解決し、抗菌作用などとそれらの持続性が十分な
積層体と、この積層体を製造する方法および製造する設
備を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術の
弱点を解決すべく、種々検討した結果、基材の上に抗菌
剤を分散して含有する皮膜を形成し、皮膜内部から抗菌
剤を徐々に表層に滲出させれば、殺菌、抗菌作用を長期
に渡って持続でき、さらに、光触媒粒子を抗菌剤を含有
した皮膜の表面に高密度で分散させ、かつ固定すれば、
光触媒粒子による表面浄化作用によって、殺菌、抗菌作
用がさらに持続できることを見いだした。
【0009】また、光触媒粒子による光反応型の抗菌、
防汚、防黴などの作用と共に、NOx 浄化機能も発揮す
ることを知見した。したがって、本発明は、これらの知
見の複合により、最も効果的に抗菌剤の抗菌、防黴作
用、光触媒粒子による光反応型抗菌、防汚、NOx 浄化
作用などを発現したものである。
【0010】第一の本発明は、基材の上の抗菌剤を含有
する皮膜表面に、光触媒粒子が目付量として0.5〜8
g/m2 で、被覆率20〜80面積%の割合で分散して
いることを特徴とする積層体である。
【0011】好ましい第一の発明は、(1)前記抗菌剤
が、銅、銀、コバルトおよび亜鉛からなる群から選ばれ
る少なくとも1種の金属またはその化合物であることを
特徴とする積層体である。
【0012】また(2)前記抗菌剤を含有する基材の皮
膜が、ほうろう、フッ素樹脂塗料および無機塗料からな
る群から選ばれる少なくとも1種の被覆剤からなること
を特徴とする積層体であり、(3)前記光粒子触媒が、
酸化チタン、酸化亜鉛および酸化スズからなる群から選
ばれる少なくとも1種の金属化合物であることを特徴と
する積層体であり、(4)前記抗菌剤を含有する皮膜
が、下塗り塗料層または下塗りほうろう層を介して基板
上に形成されていることを特徴とする積層体である。
【0013】第二の本発明は、(1)基材に抗菌剤を含
有する被覆剤を塗布して皮膜を形成し、該皮膜表面に光
触媒粒子をスプレー塗布して、積層体を製造する方法で
あって、前記皮膜が形成された基材を100℃以下の温
度に加熱保持して、該皮膜表面に光触媒粒子をスプレー
塗布した後、得られた積層体を焼成することを特徴とす
る積層体の製造方法であり、(2)基材に抗菌剤を含有
する被覆剤を塗布して皮膜を形成し、該皮膜表面に光触
媒粒子をスプレー塗布して、積層体を製造する方法であ
って、基材に前記被覆剤を塗布後、焼成し、ついで皮膜
が形成された基材を100℃以下の温度に加熱保持し
て、該皮膜表面に光触媒粒子をスプレー塗布した後、得
られた積層体を焼成することを特徴とする積層体の製造
方法である。
【0014】また(3)基材に抗菌剤を含有する被覆剤
を塗布して皮膜を形成し、該皮膜表面に光触媒粒子をス
プレー塗布して、積層体を製造する方法であって、基材
に前記被覆剤を塗布後、焼成し、ついで被覆剤が形成さ
れた基材を100℃超250℃以下の温度に加熱保持し
て、該皮膜表面に光触媒粒子をスプレー塗布することを
特徴とする積層体の製造方法である。
【0015】好ましい第二の発明は、(1)光触媒粒子
をスプレー塗布するスプレー圧力が1.96〜19.6
Paであることを特徴とする積層体の製造方法であり、
(2)基材に抗菌剤を含有する被覆剤を塗布して皮膜を
形成する前に、基材を、予め表面処理することを特徴と
する積層体の製造方法である。
【0016】第三の発明は、(1)基材に抗菌剤を含有
する被覆剤を塗布する被覆剤塗布装置と、該被覆剤塗布
装置で被覆剤が塗布された基材を加熱保持する加熱保持
装置と、該加熱保持装置で加熱保持された皮膜表面に光
触媒粒子をスプレー塗布するスプレー塗布装置と、該ス
プレー塗布装置で光触媒粒子がスプレー塗布された積層
体を焼成する積層体焼成装置を設けたことを特徴とする
積層体の製造設備である。
【0017】また、(2)基材に抗菌剤を含有する被覆
剤を塗布する被覆剤塗布装置と、該被覆剤塗布装置で被
覆剤が塗布された基材を焼成する基材焼成装置と、該基
材焼成装置で焼成された基材を加熱保持する加熱保持装
置と、該加熱保持装置で加熱保持された皮膜表面に光触
媒粒子をスプレー塗布するスプレー塗布装置と、該スプ
レー塗布装置で光触媒粒子がスプレー塗布された積層体
を焼成する積層体焼成装置を設けたことを特徴とする積
層体の製造設備である。
【0018】さらに、(3)基材に抗菌剤を含有する被
覆剤を塗布する被覆剤塗布装置と、該被覆剤塗布装置で
被覆剤が塗布された基材を焼成する基材焼成装置と、該
基材焼成装置で焼成された基材を加熱保持する加熱保持
装置と、該加熱保持装置で加熱保持された皮膜表面に光
触媒粒子をスプレー塗布するスプレー塗布装置を設けた
ことを特徴とする積層体の製造設備である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第一は、抗菌剤を含有す
る皮膜を有する基材の表面に、抗菌剤が皮膜内部から徐
々に滲出し、これに、皮膜の表面に濃縮固定された光触
媒粒子が作用し、抗菌剤が有する抗菌作用などの機能
を、十分に、安定してかつ長期的に継続して発揮できる
ようにした構成の積層体である。
【0020】第一の発明の積層体の1例を図1に示す。
基材が鋼板で、皮膜がほうろうで、光触媒粒子が酸化チ
タンの場合である。基材の鋼板1の上に、下塗りほうろ
う皮膜2があり、その上に抗菌剤(銀化合物)5を含有
した上塗りほうろう皮膜3(抗菌剤含有上塗りほうろう
皮膜)があり、上塗りほうろう皮膜3の表面に酸化チタ
ン粒子4が分散固定されている4層構造の積層体であ
る。そして上塗りほうろう皮膜3中の抗菌剤5の一部が
上塗りほうろう皮膜3の表面に露出している。したがっ
て、抗菌剤5の粒子が、酸化チタン粒子層と接触する構
造である。
【0021】基材は特に制限されるものではないが、金
属、樹脂、セラミックス、陶磁器、ガラスやこれらの複
合体(例えば、金属の表面を、樹脂、セラミックス、ガ
ラスなどで被覆したもの)などが例示される。抗菌剤を
含有した皮膜を形成する場合や光触媒粒子を分散固定す
る場合は、通常焼成するので、基材は焼成に耐え得る金
属、ほうろう、陶磁器が好適である。金属は、極低炭素
鋼、ステンレス鋼、アルミニウム鋼、亜鉛めっき鋼、亜
鉛−アルミニウム合金鋼などが好ましい。基材は板状
体、棒状体、各種形状の構造体などであり、その構造に
拘らないが、板状体であるのが好ましい。板状体などの
大きさ、厚さは特に制限されない。
【0022】基材と抗菌剤を含有する皮膜との間に、下
塗り塗料層または下塗りほうろう層(以後、下塗り層と
も称す)を有していることが好ましい。下塗り層は、基
材と抗菌剤を含有する皮膜との接着性の向上、基材と該
皮膜とを密着するための基材の耐久性(耐候性、耐食
性)の向上などを目的として基材と抗菌剤を含有する皮
膜との間に形成される。下塗り層の膜厚は、上記目的を
達成できれば十分であり、通常10〜120μm、好ま
しくは20〜80μmである。
【0023】下塗り塗料は、特に限定されないが、ポリ
エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂など
の樹脂を主成分とする通常使用される下塗り用塗料であ
り、硬化剤、硬化促進剤、その他の一般的な配合剤が含
まれていてもよい。下塗りほうろうはホウケイ酸系釉薬
に、密着剤としてCo,Ni,Mnなどの金属を含有し
た通常使用される下引釉であり、ミル添加物も一般的な
調合でよい。
【0024】抗菌剤を含有する被覆剤は、基材の耐食
性、耐候性、密着性向上のために、基材表面に直接、ま
たは下塗り層の上に塗布され、皮膜に形成される。該皮
膜は、ほうろう、フッ素樹脂塗料および無機塗料からな
る群から選ばれる少なくとも1種の被覆剤からなること
が好ましい。皮膜厚は、基材の種類、厚さ、用途などを
考慮して適宜決められるが、一般的には10〜150μ
m、好ましくは、ほうろうの場合は60〜120μm、
塗料の場合は20〜60μmである。
【0025】被覆剤としてのフッ素樹脂塗料は、上塗用
フッ素樹脂塗料として一般的に使用されているものが使
用され、二フッ化、三フッ化、四フッ化のフッ素系樹脂
などの樹脂を主成分とするものが例示される。フッ素系
樹脂塗料は、硬化剤、硬化促進剤、粘度調整剤、顔料、
その他の着色剤などの通常の配合剤を含んでいても差支
えない。
【0026】被覆剤としてのほうろうは、TiO2 、S
iO2 、ZrO2 などのMO2 系化合物、P2 5 ,V
2 5 などのM2 5 系化合物、Sb2 3 ,Al2
3 ,B2 3 などのM2 3 系化合物、Na2 O,K2
O,Li2 OなどのM2 O系化合物、ZnO,BaO,
CaOなどのMO系化合物、ZrF4 ,AlF3 などの
フッ化物系化合物などが例示される。M2 4 系化合
物、特にP2 5 を50重量%以上含有する釉薬は焼成
温度を低くできるので好ましい。被覆剤としての無機塗
料は、ガラス釉薬、アルカリシリケ−ト、シリコ−ン樹
脂、金属アルコキシド樹脂、セメント、モルタルなどで
ある。
【0027】抗菌剤は、殺菌性、抗菌性、防黴性などの
作用・機能を発現する物質であり、無機、有機を問わな
い。抗菌剤を含有する皮膜を有する基材を焼成する場合
は、該抗菌剤にも耐熱性が必要であり、無機化合物、特
に金属または金属化合物であるのが好ましい。
【0028】例えば、銀、亜鉛、銅、コバルト、チタ
ン、タングステンからなる群から選ばれた少なくとも1
種の金属または金属化合物を、ゼオライト、アパタイ
ト、シリカ、ガラス、チタニア、リン酸ジルコニウム、
リン酸アルミニウム、リン酸カルシウムなどの担体に担
持させたものがあり、好ましいのは銀ゼオライト、銀リ
ン酸カルシウム、銀リン酸ジルコニウムである。
【0029】有機系抗菌剤としては、塩化ベンザルニコ
ムなどのアンモニウム塩、脂肪酸エステル、含窒素・含
イオウ複素環化合物などが例示される。有機系抗菌剤
は、被覆剤がフッ素樹脂塗料である場合に好適である。
抗菌剤が被覆剤に配合して使用される場合の抗菌剤の配
合量は、被覆剤の0.1〜20重量%、好ましくは0.
5〜5重量%である。抗菌剤の粒径は被覆剤と緊密・良
好に混合できればよく、好適には0.5〜10μm程度
である。
【0030】光触媒粒子は受光により光触媒作用を発揮
する粒子であり、抗菌剤含有皮膜表面に、分散して固定
されている。したがって、光触媒粒子は実質的に凝集す
ることなく、抗菌剤粒子と相互に分散し、皮膜表面に露
出している。この光触媒粒子が露出して分散している面
積率が被覆率であり、被覆率は20〜80面積%、特に
40〜60面積%であるのが好ましい。被覆率は、抗菌
剤を含有する皮膜とその表面に光触媒粒子が分散固定さ
れた積層体の表面を走査型電子顕微鏡で観察することに
より求められる。被覆率が20面積%未満の場合は、表
面に露出する光触媒粒子が少ないため、抗菌性、防黴性
は発現されるが、光反応型の抗菌性、防汚性、防黴性、
NOx 浄化性が十分に発揮されない。一方80面積%を
越える被覆率の場合は、抗菌剤による抗菌性、防黴性が
長期に持続しない。
【0031】光触媒粒子の目付量は0.5〜8g/m2
である。0.5g/m2 未満では、光触媒粒子の皮膜上
での分散が悪く、抗菌性などの長期持続性が劣ることが
あり、8g/m2 を超えると、光触媒粒子層が厚くな
り、皮膜との密着性が悪くなり、抗菌剤による効果が十
分に発揮されないことがある。光触媒粒子の一次粒子の
粒径は1〜100nmであり、好ましくは5〜100n
mである。1nm未満では、バインダーとの分散が悪
く、光触媒粒子が均一にスプレー塗布できない、一方1
00nmを越えると、光触媒粒子の活性度が低下し、光
反応型の光触媒としての機能が十分に発揮されない。
【0032】光触媒粒子は、受光により活性酸素を生成
し光活性を示すものであればよく、光触媒として知られ
るTiO2 、SnO2 、ZnO2 ,SrTiO3 、Fe
2 3 ,WO3 ,KNbO3 ,KTaO3 などの金属酸
化物、GaP,CdS,CdSe,MoSなどの金属化
合物が例示される。これらのうちでも酸化チタンTiO
2 が好ましく、特にアナタ−ゼ型酸化チタンが高活性で
あり、好ましい。光触媒粒子を抗菌剤含有皮膜表面に分
散固定するに際し、紫外線透過性のバインダ−を用いて
もよく、酸化チタンゾルおよび/またはパウダ−と、バ
インダ−を混合した酸化チタンゾル液を用いることがで
きる。より具体的には、市販のCZG220(多木化学
社)などが例示される。
【0033】第二の発明は製造方法に関するものであ
り、抗菌剤を含有する皮膜を有する基材を所定の温度に
加熱保持して、光触媒粒子をスプレー塗布し、光触媒粒
子が目付量0.5〜8g/m2 、被覆率20〜80面積
%である積層体を得るものである。スプレー圧力は1.
96〜19.6Paであるのが特に好ましい。また、抗
菌剤を含有する皮膜を有する基材を100℃以下の温度
に加熱保持する場合は、光触媒粒子をスプレー塗布した
後、得られた積層体を焼成し、前記基材を100℃超2
50℃以下の温度に加熱保持した場合は、光触媒粒子の
スプレー塗布後に焼成する必要はない。基板上に抗菌剤
を含有する被覆剤を塗布、焼成して、基材上に皮膜を形
成後、光触媒粒子をスプレー塗布することが好ましい。
【0034】基材に抗菌剤を含有する皮膜を形成するに
際し、基材を予め表面処理するのが好ましい。表面処理
は、通常実施される脱脂、化成処理、粗面化処理などで
あり、必要に応じこれらを組み合わせて実施される。化
成処理としては、リン酸塩処理、クロメート処理など、
粗面化処理としては化学的エッチング法、電解エッチン
グ法、バレル研削法、ヘヤーライン法、ショットブラッ
シュ法などが例示される。
【0035】基材に、抗菌剤を含有する被覆剤を塗布す
るには、ロールコータ塗布、スプレー塗布などの従来公
知の方法により実施される。下塗り塗料の焼成は、常温
乾燥から200℃の温度で、5〜30分間行なうのが一
般的であるが、これに限定されない。
【0036】被覆剤よりなる皮膜が形成された基材の焼
成は、被覆剤の種類により異なるが、フッ素樹脂塗料を
用いた場合は、塗料の融点とその融点から50℃高い温
度の間の温度で、5〜30分間実施される。ほうろうを
用いた場合は、温度500〜800℃で数秒〜数分間が
一般的である。なお、抗菌剤を含有する被覆剤を塗布す
る前に、下塗り塗料または下塗りほうろうを塗布、焼成
しても差支えない。塗布、焼成条件は、前述の被覆剤の
場合と同じ条件を用いることができる。
【0037】抗菌剤を含有する皮膜の加熱保持の第一の
態様は、抗菌剤を含有する皮膜を有する基材を加熱保持
設備で、100℃以下の温度に加熱保持し、該皮膜に光
触媒粒子をスプレー塗布し、焼成する場合である。皮膜
を有する基材を、100℃以下、好ましくは50〜10
0℃の温度に2〜10分加熱保持しながら光触媒粒子を
スプレー塗布して層を形成するのは、光触媒粒子層と被
覆剤からなる皮膜との密着性、光触媒粒子の分散性の向
上を図るとともに、光触媒粒子層の皮膜内部への沈降を
抑制し、図1に示すように皮膜最表面に光触媒粒子が露
出するようにするためである。すなわち、被覆率を20
〜80面積%に維持するためである。
【0038】抗菌剤を含有する皮膜の加熱保持の第二の
態様は、抗菌剤を含有する皮膜を有する基材の皮膜を焼
成した後に、該皮膜を有する基材を加熱保持設備で、1
00℃超250℃以下、より好ましくは120〜200
℃の温度に、2〜10分間加熱保持して、該皮膜表面に
光触媒粒子をスプレー塗布し、そのまま冷却する場合で
ある。
【0039】皮膜を有する基材を、100℃超250℃
以下の温度に加熱保持しながら光触媒粒子をスプレー塗
布して層を形成するのも、上記第一の場合と同様の目的
を達成するためである。100℃未満では、光触媒粒子
の皮膜への密着性が劣り、逆に250℃超では、光触媒
粒子が皮膜中に埋没し、被覆率が上記特定範囲にならな
いためである。
【0040】光触媒粒子は、上記温度に加熱保持された
皮膜を有する基材の皮膜表面に、スプレー塗布される。
スプレー温度は、特に規制されないが、一般的には常温
である。光触媒粒子層の厚さは0.01〜5μmが好ま
しい。光触媒粒子は、有機物の分解を促進する場合があ
るので、有機樹脂塗料を含有した無機塗料を抗菌剤含有
被覆剤として用いた場合、必要に応じて、有機樹脂塗料
を含有した無機塗料よりなる皮膜表面に、無機系樹脂の
プライマー層を介して光触媒粒子をスプレー塗布するの
が望ましい。
【0041】スプレー圧力を調整して、基材の皮膜表面
に、スプレー塗布により、被覆率20〜80面積%の光
触媒粒子層を形成するには、スプレー条件を適正化する
ことが好ましく、例えば、スプレーパターンを扁平でか
つ幅300〜500mmに広げ、スプレー圧力を1.9
6〜19.6Paに調整すればよい。この場合のスプレ
ーノズルは口径が0.4〜2mm、好ましくは0.4〜
0.8mmである。1.96Pa未満では光触媒粒子の
該皮膜への付着が少なく、被覆率が20面積%以下にな
りやすく、逆に19.6Paを超えると被覆率が80面
積%を越えやすく、抗菌剤の抗菌作用が長期間持続しな
い。
【0042】光触媒粒子層が形成された積層体は引続
き、炉で焼成される。焼成条件は、基材の種類(金属、
セラミックス、ガラス、ほうろう、塗装など)によって
異なるが、一般的には塗装の場合は100℃超250℃
未満、他の基材の場合は100〜600℃で数秒〜数分
間である。また焼成条件は、光触媒粒子の種類によって
も異なるが、酸化チタンを用いた場合は、800℃以上
になるとルチル型に変わるので、800℃以下で実施す
るのが好ましい。
【0043】ただし、基材上の抗菌剤を含有する皮膜表
面に、光触媒粒子をスプレー塗布して得られた、光触媒
粒子層を有する積層体は、焼成されるが、温度100℃
超250℃以下で加熱保持して、スプレー塗布された場
合に限り、焼成に替えて冷却される。冷却条件は格別規
制されない。
【0044】第三の本発明は、基材に抗菌剤を含有する
被覆剤を塗布する被覆剤塗布装置、抗菌剤を含有する皮
膜を有する基材を加熱保持する加熱保持装置、および皮
膜表面に光触媒粒子をスプレー塗布するスプレー塗布装
置を設けた設備列からなる積層体の製造設備である。必
要ならば、被覆剤の被覆剤塗布装置の前に、基材の表面
処理装置、基材の下塗り塗料または下塗りほうろうの塗
布装置および該下塗り塗料または下塗りほうろうの焼成
装置を設けてもよい。また、被覆剤塗布装置の後に、基
材を焼成する基材焼成装置を設けてもよい。さらにま
た、光触媒粒子のスプレー塗布装置の後に、光触媒粒子
がスプレー塗布された積層体を焼成する積層体焼成装置
を設けてもよい。
【0045】各設備は構造、方式などに格別の制限はな
く、既知の設備が使用できる。例えば、加熱保持装置と
しては、電気炉、インダクションヒーター(IH炉)、
ガス炉などが挙げられるが、電気炉、IH炉が好まし
い。各装置、炉は直線または曲線状に配列され、基材が
配列された各設備、炉を順次移動して進む構造になって
いるのが好ましい。
【0046】第三の発明の製造設備を図2〜4により説
明する。まず第一の製造設備(図2)は、第一の製造方
法に対応する設備であり、基材11に表面処理を施す表
面処理装置12、基材に下塗り塗料または下塗りほうろ
うを塗布する下塗り塗布装置13、塗布された下塗り塗
料または下塗りほうろうを焼成する下塗り焼成装置1
4、抗菌剤を含有する被覆剤を塗布する被覆剤塗布装置
15、抗菌剤を含有する被覆剤が塗布された基材を加熱
保持する加熱保持装置16、皮膜表面に光触媒粒子をス
プレー塗布するスプレー塗布装置17および光触媒粒子
が分散された積層体を焼成する積層体焼成装置18から
なる積層板の製造設備である。下塗り塗料または下塗り
ほうろうを塗布する下塗り塗布装置13、塗布された下
塗り塗料または下塗りほうろうを焼成する下塗り焼成装
置14を省略することもできる。
【0047】第二の製造設備(図3)は、第二の製造方
法に対応する設備であり、基材11に表面処理を施す表
面処理装置12、下塗り塗料または下塗りほうろうを塗
布する下塗り塗布装置13、塗布された下塗り塗料また
は下塗りほうろうを焼成する下塗り焼成装置14、抗菌
剤を含有する被覆剤を塗布する被覆剤塗布装置15、抗
菌剤を含有する被覆剤が塗布された基材を焼成する基材
焼成装置19、皮膜を有する基材を加熱保持する加熱保
持装置16、光触媒粒子をスプレー塗布するスプレー塗
布装置17および光触媒粒子が分散された積層体を焼成
する積層体焼成装置18からなる積層板の製造設備であ
る。下塗り塗料または下塗りほうろうを塗布する下塗り
塗布装置13、塗布された下塗り塗料またはほうろうを
焼成する下塗り焼成装置14を省略することもできる。
【0048】第三の製造設備(図4)は、第三の製造方
法に対応する設備であり、基材11に表面処理を施す表
面処理装置12、下塗り塗料または下塗りほうろうを塗
布する下塗り塗布装置13、塗布された下塗り塗料また
は下塗りほうろうを焼成する下塗り焼成装置14、抗菌
剤を含有する被覆剤を塗布する被覆剤塗布装置15、抗
菌剤を含有する被覆剤が塗布された基材を焼成する基材
焼成装置19、皮膜を有する基材を加熱保持する加熱保
持装置16および光触媒粒子をスプレー塗布するスプレ
ー塗布装置17からなる積層板の製造設備である。下塗
り塗料または下塗りほうろうを塗布する下塗り塗布装置
13、塗布された下塗り塗料または下塗りほうろうを焼
成する下塗り焼成装置14を省略することもできる。ま
たスプレー装置17の後に、冷却装置(図示せず)を設
けてもよい。
【0049】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、さらに具体
的に説明する。 (実施例1)図2に示す第一の積層体製造設備におい
て、基材としての表1に示す鋼板に、表1に示す下塗り
塗料をスプレー塗布し、表1に示す焼成温度で焼成し、
引続き、表1に示す抗菌剤を含有する被覆剤をスプレー
塗布し、表1に示す焼成温度で焼成し、皮膜を有する鋼
板を得た。該鋼板を、表1に示す炉において、表1に示
す温度、時間で、加熱保持後、光触媒粒子(酸化チタ
ン)をスプレーガン(ノズルの孔径0.8μm)を用い
て、表1に示す目付量、圧力でスプレー塗布し、表1に
示す焼成温度で焼成した。得られた積層体の外観、密着
性(被覆剤皮膜と光触媒粒子層との層間)、抗菌性、防
黴性、屋外防汚性、NOx 浄化性を表2に示した。表中
番号6〜12が実施例であり、番号1〜5が比較例であ
る。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】積層体の物性、品質、機能性を下記の方法
で調査した。 (1)外観 積層体の表面の色調を目視観察し、4段階評価した。 ◎: 虹彩色なし ○: 虹彩色ほとんどなし △: 虹彩色の色むらあり ×: 虹彩色の色むら多い
【0053】(2)密着性 積層体の密着性をJIS K 5400(塗料一般試験
方法)に準拠した碁盤目セロファンテープ試験(碁盤目
数100)で調査して、6段階評価した。主として、上
塗り被覆剤からなる皮膜と光触媒粒子層との層間剥離強
度を調査することになる。 10: 光触媒粒子層の剥離なし 8: 光触媒粒子層の剥離が5%以下 6: 光触媒粒子層の剥離が5%超15%以下 4: 光触媒粒子層の剥離が15%超35%以下 2: 光触媒粒子層の剥離が35%超65%以下 0: 光触媒粒子層の剥離が65%超
【0054】(3)被覆率 積層体表面を走査型電子顕微鏡で観察して、観察面積内
に分散露出している光触媒粒子の面積を測定し、観察面
積に対する割合を面積率として求めた。
【0055】(4)抗菌性 無機抗菌剤研究会による銀等無機抗菌剤の自主規格およ
び抗菌試験法(抗菌過去製品の抗菌力試験法I フィル
ム密着法)に準じて、大腸菌含有液の一定量を滴下した
積層板3枚に、フィルムを被せ、温度35±1℃、相対
湿度90%以上の条件で保存し、24時間後に、SCD
LP培地を用いて、生残菌を洗い出し、SA培地を用い
た寒天平板培養法で生菌数を測定した。
【0056】(5)防黴性 JIS Z 2911(かび抵抗性試験方法)に準拠し
て、積層板3枚に、混合胞子懸濁液(試験液を寒天培地
で培養後、蔗糖を3重量%添加した溶液に浮遊、混合し
て調製した)を噴霧後、温度28±1℃、相対湿度97
%で28日間培養した。14日、28日後に下記の基準
で3段階評価した。 3: 積層体表面に菌糸の発育が認められない 2: 菌糸の発育が、積層体表面の全面積の1/3を超
えて認められない 1: 菌糸の発育が、積層体表面の全面積の1/3を超
えて認められる
【0057】(6)屋外防汚性 積層体を工場地帯のビル屋上に置き、1カ月、3カ月後
の汚染度(ΔE)を色差計(“ミノルタ”CR−33
1)で測定した。ΔEの値が大きいほど汚染の度合いが
大きいことを示す。
【0058】(7)NOx 浄化性 ガラス窓付きの容量約190lのボックス内に積層板を
セットし、所定量のNOx /空気(初期のNO濃度50
ppm)を導入する。BLBを12時間照射後、積層板
を取り出し、表面を水洗して得た水溶液中の硝酸イオン
をイオンクロマトグラフで測定し,硝酸生成量(mmo
l/m2 )に換算した。
【0059】(実施例2)図3に示す第二の製造設備に
おいて、実施例1と同様に、表3に示す鋼板に、表3に
示す下塗り塗料(下塗り塗料、ほうろう用釉薬)、表3
に示す抗菌剤を含有する被覆剤(上塗り塗料、釉薬)を
それぞれスプレー塗布し、加熱保持し、さらに光触媒粒
子をスプレー塗布して、積層板を製造した。製造条件を
表3に示した。また評価結果を表4に示した。表中番号
15〜18と番号21〜23が実施例で、番号13〜1
4と番号19〜20が比較例である。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】(実施例3)図4に示す第三の製造設備に
おいて、実施例1と同様にして積層板を製造した。鋼
板、塗料、抗菌剤、被覆剤、炉と各工程の製造条件を表
5に示した。また評価結果を表6に示した。表中番号2
6〜29が実施例であり、番号24〜25が比較例であ
る。
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【発明の効果】本発明の積層体は、抗菌性、防黴性、屋
外防汚性、NOx 浄化性などの機能性が、光触媒粒子の
作用により優れ、かつこれらの機能が長期に持続する。
また該積層体を、既存の各設備、炉の結合で製造するこ
とができるので、設備投資が少なくて済むという経済的
効果も顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層体の断面構造の1例を示す図。
【図2】 本発明の積層体の製造設備の1例を示す説明
図。
【図3】 本発明の積層体の製造設備の1例を示す説明
図。
【図4】 本発明の積層体の製造設備の1例を示す説明
図。
【符号の説明】 1・・・・鋼板 2・・・・下塗りほうろう皮膜 3・・・・抗菌剤を含有する上塗りほうろう皮膜 4・・・・酸化チタン粒子 5・・・・抗菌剤 11・・・基材 12・・・表面処理装置 13・・・下塗り塗料またはほうろう塗布装置 14・・・下塗り塗料またはほうろう焼成装置 15・・・抗菌剤を含有する被覆剤塗布装置 19・・・抗菌剤を含有する被覆剤が塗布された基材の
焼成装置 16・・・加熱保持装置 17・・・光触媒粒子のスプレー塗布装置 18・・・光触媒粒子がスプレー塗布された積層体の焼
成装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/86 ZAB B01J 23/06 A B01J 23/06 23/50 23/50 23/72 23/72 35/02 J 23/75 B32B 15/04 Z 35/02 B01D 53/36 ZABJ B32B 15/04 B01J 23/74 311A (72)発明者 永石 博 千葉県習志野市東習志野2丁目18番13号 川鉄建材株式会社技術研究所内 (72)発明者 高村 日出夫 千葉県習志野市東習志野2丁目18番13号 川鉄建材株式会社技術研究所内 (72)発明者 田原 知之 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 鈴木 利英 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA06 AB02 BA07X BA13X BA16Y BA21Y BA41X BB01 CA06 EA01 4F100 AA00B AA17B AA21 AB03 AB15B AB17B AB24B AK17B AT00A BA02 CA12B CA30B CC00B DE01B EH461 EH462 EJ482 EJ641 EK01 JC00 JL06 JM02B YY00B 4G069 AA01 AA04 AA08 AA09 AA11 BA04A BA04B BA04C BB04A BB04B BB04C BC22A BC35A CA08 CA13 DA06 EA01X EA02X EA08 FA02 FB24 4H011 AA02 BA01 BA06 BB18 BC18 DA08 DC11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の上の抗菌剤を含有する皮膜表面に、
    光触媒粒子が目付量として0.5〜8g/m2 で、被覆
    率20〜80面積%の割合で分散していることを特徴と
    する積層体。
  2. 【請求項2】前記抗菌剤が、銅、銀、コバルトおよび亜
    鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属または
    その化合物であることを特徴とする請求項1に記載の積
    層体。
  3. 【請求項3】前記抗菌剤を含有する皮膜が、ほうろう、
    フッ素樹脂塗料および無機塗料からなる群から選ばれる
    少なくとも1種の被覆剤からなることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】前記光触媒が、酸化チタン、酸化亜鉛およ
    び酸化スズからなる群から選ばれる少なくとも1種の金
    属化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】前記抗菌剤を含有する皮膜が、下塗り塗料
    層または下塗りほうろう層を介して基板上に形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに
    記載の積層体。
  6. 【請求項6】基材に抗菌剤を含有する被覆剤を塗布して
    皮膜を形成し、該皮膜表面に光触媒粒子をスプレー塗布
    して、積層体を製造する方法であって、前記皮膜が形成
    された基材を100℃以下の温度に加熱保持して、該皮
    膜表面に光触媒粒子をスプレー塗布した後、得られた積
    層体を焼成することを特徴とする積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】基材に抗菌剤を含有する被覆剤を塗布して
    皮膜を形成し、該皮膜表面に光触媒粒子をスプレー塗布
    して、積層体を製造する方法であって、基材に前記被覆
    剤を塗布後、焼成し、ついで皮膜が形成された基材を1
    00℃以下の温度に加熱保持して、該皮膜表面に光触媒
    粒子をスプレー塗布した後、得られた積層体を焼成する
    ことを特徴とする積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】基材に抗菌剤を含有する被覆剤を塗布して
    皮膜を形成し、該皮膜表面に光触媒粒子をスプレー塗布
    して、積層体を製造する方法であって、基材に前記被覆
    剤を塗布後、焼成し、ついで皮膜が形成された基材を1
    00℃超250℃以下の温度に加熱保持して、該皮膜表
    面に光触媒粒子をスプレー塗布することを特徴とする積
    層体の製造方法。
  9. 【請求項9】光触媒粒子をスプレー塗布するスプレー圧
    力が1.96〜19.6Paであることを特徴とする請
    求項6〜請求項8のいずれかに記載の積層体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】基材に抗菌剤を含有する被覆剤を塗布し
    て皮膜を形成する前に、基材を、予め表面処理すること
    を特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の積
    層体の製造方法。
  11. 【請求項11】基材に抗菌剤を含有する被覆剤を塗布す
    る被覆剤塗布装置と、該被覆剤塗布装置で被覆剤が塗布
    された基材を加熱保持する加熱保持装置と、該加熱保持
    装置で加熱保持された被覆剤表面に光触媒粒子をスプレ
    ー塗布するスプレー塗布装置と、該スプレー塗布装置で
    光触媒粒子がスプレー塗布された積層体を焼成する積層
    体焼成装置を設けたことを特徴とする積層体の製造設
    備。
  12. 【請求項12】基材に抗菌剤を含有する被覆剤を塗布す
    る被覆剤塗布装置と、該被覆剤塗布装置で被覆剤が塗布
    された基材を焼成する基材焼成装置と、該基材焼成装置
    で焼成された基材を加熱保持する加熱保持装置と、該加
    熱保持装置で加熱保持された被覆剤表面に光触媒粒子を
    スプレー塗布するスプレー塗布装置と、該スプレー塗布
    装置で光触媒粒子がスプレー塗布された積層体を焼成す
    る積層体焼成装置を設けたことを特徴とする積層体の製
    造設備。
  13. 【請求項13】基材に抗菌剤を含有する被覆剤を塗布す
    る被覆剤塗布装置と、該被覆剤塗布装置で被覆剤が塗布
    された基材を焼成する基材焼成装置と、該基材焼成装置
    で焼成された基材を加熱保持する加熱保持装置と、該加
    熱保持装置で加熱保持された被覆剤表面に光触媒粒子を
    スプレー塗布するスプレー塗布装置を設けたことを特徴
    とする積層体の製造設備。
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