JP2000229563A - 車両のアンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

車両のアンチロックブレーキ制御装置

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JP2000229563A
JP2000229563A JP11033701A JP3370199A JP2000229563A JP 2000229563 A JP2000229563 A JP 2000229563A JP 11033701 A JP11033701 A JP 11033701A JP 3370199 A JP3370199 A JP 3370199A JP 2000229563 A JP2000229563 A JP 2000229563A
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control
hydraulic pressure
brake
valve means
pressure
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Masashi Kobayashi
正史 小林
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Nissin Kogyo Co Ltd
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Nissin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車輪ブレーキの液圧を制御する液圧制御弁手段
の作動を、減圧制御モード、保持制御モード、増圧・保
持制御モードをこの順で繰返すようにして周期的に制御
するにあたって、基本的には路面の摩擦係数に応じて制
御周期を定めてABS制御時間を確保するものの、車体
速度に応じて制御周期を変化せしめるようにして、ブレ
ーキ操作の操作フィーリングが悪化するのを極力防止す
る。 【解決手段】制御ユニットは、走行路面の摩擦係数に基
づいて定めた基本制御周期に、アンチロックブレーキ制
御開始時の推定車体速度が小となるのに応じて小となる
1以下の第1係数と、アンチロックブレーキ制御中の推
定車体速度が小となるのに応じて小となる1以下の第2
係数とを乗じて得た制御周期で液圧制御弁手段の作動を
周期的に制御し、その制御周期の増減を前記増圧・保持
制御モードで液圧制御弁手段を液圧保持状態とする時間
の増減で調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪ブレーキの液
圧を増圧、保持および減圧の3つの状態に切換えて制御
可能な液圧制御弁手段の作動を、減圧制御モード、保持
制御モード、ならびに増圧・保持制御モードをこの順で
繰返すようにして周期的に制御し、制動時に車輪がロッ
ク状態に陥ることを防止するようにした車両のアンチロ
ックブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる装置は、たとえば特開平2
−290764号公報で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のもでは、リ
ザーバからマスタシリンダにブレーキ液を還流させるポ
ンプが装備されていないアンチロックブレーキ制御装置
において、走行路面の摩擦係数が低いときにリザーバが
満杯になってしまってアンチロックブレーキ制御(以
下、ABS制御と言う)を続行できなくなる事態が生じ
るのを防止するために、摩擦係数が低い状態では液圧制
御弁手段の制御周期を長くしてリザーバへの単位時間当
たりのブレーキ液排出量を少なくすべく、路面の摩擦係
数が低いときには、増圧・保持制御モードの開始時期を
遅延せしめ、保持制御モードを比較的長い時間維持する
ようにしている。
【0004】このように、路面の摩擦係数が低いときに
保持制御モードを比較的長い時間維持するようにする
と、ABS制御の制御周期を長くし、摩擦係数が低い場
合に必要となる比較的長時間のABS制御実行が可能と
なるのであるが、保持制御モード時には、マスタシリン
ダおよび車輪ブレーキ間が遮断されているので、保持制
御モードが比較的長時間となることによって、ブレーキ
ペダルが比較的長時間にわたってストロークせず、ドラ
イバによるブレーキ操作の操作フィーリングが悪化して
しまう。
【0005】ところで、ABS制御の開始時に車体速度
が低いときには、高速走行状態でABS制御が開始され
たときに比べてABS制御時間は短くてすむはずであ
り、またABS制御実行中の車体速度の低下によっても
ABS制御時間を短くすることができるはずである。し
かるに、上記従来のものでは、車体速度にかかわらず、
路面の摩擦係数のみによってABS制御の制御周期を定
めるようにしているので、車体速度によってはABS制
御の制御周期を不必要に長くしている場合があり、ドラ
イバによるブレーキ操作の操作フィーリングがより一層
悪化してしまうことになる。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、基本的には路面の摩擦係数に応じてABS制
御の制御周期を定めてABS制御時間を確保するもの
の、車体速度に応じて制御周期を変化せしめるようにし
て、ブレーキ操作の操作フィーリングが悪化するのを極
力防止し得るようにした車両のアンチロックブレーキ制
御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間を
連通するとともに車輪ブレーキおよびリザーバ間を遮断
する増圧状態、車輪ブレーキを前記マスタシリンダおよ
びリザーバから遮断する液圧保持状態、ならびにマスタ
シリンダおよび車輪ブレーキ間を遮断するとともに車輪
ブレーキおよびリザーバ間を連通する減圧状態を切換可
能な液圧制御弁手段と;該液圧制御弁手段を減圧状態と
する減圧制御モード、前記液圧制御弁手段を液圧保持状
態とする保持制御モード、ならびに前記液圧制御弁手段
を増圧状態および液圧保持状態に交互に切換える増圧・
保持制御モードをこの順に繰返すようにしてアンチロッ
クブレーキ制御実行時に前記液圧制御弁手段の作動を周
期的に制御する制御ユニットと;を備える車両のアンチ
ロックブレーキ制御装置において、前記制御ユニット
は、走行路面の摩擦係数に基づいて定めた基本制御周期
に、アンチロックブレーキ制御開始時の推定車体速度が
小となるのに応じて小となる1以下の第1係数と、アン
チロックブレーキ制御中の推定車体速度が小となるのに
応じて小となる1以下の第2係数とを乗じて得た制御周
期で前記液圧制御弁手段の作動を周期的に制御するとと
もに、その制御周期の増減を前記増圧・保持制御モード
で前記液圧制御弁手段を液圧保持状態とする時間の増減
で調節することを特徴とする。
【0008】このような構成によれば、基本制御周期
が、路面の摩擦係数に基づいて定められることにより、
走行路面の摩擦係数が低いときにリザーバが満杯になっ
てしまってABS制御を続行できなくなる事態が生じる
のを防止することが可能である。しかもABS制御開始
時の推定車体速度が小となるのに応じて小となる1以下
の第1係数と、ABS制御中の推定車体速度が小となる
のに応じて小となる1以下の第2係数とが、摩擦係数に
基づく基本制御周期に乗じられて最終的な制御周期が得
られ、その最終的な制御周期の増減が増圧・保持制御モ
ードにおいて液圧制御弁手段を液圧保持状態とする時間
の増減により調節されるので、ABS制御開始時の推定
車体速度が低いときには、増圧・保持制御モードで液圧
制御弁手段を液圧保持状態とする時間が減少し、またA
BS制御実行中の推定車体速度の低下によっても増圧・
保持制御モードで液圧制御弁手段を液圧保持状態とする
時間が減少することになり、路面の摩擦係数に基づいて
基本的な制御周期が定められるにもかかわらず、液圧制
御弁手段が液圧保持状態となる時間が必要以上に長くな
ることを防止し、ドライバによるブレーキ操作の操作フ
ィーリングが悪化するのを極力回避することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】図1〜図7は本発明の第1実施例を示すも
のであり、図1はアンチロックブレーキ制御装置の液圧
回路図、図2は液圧制御弁手段の制御系を示すブロック
図、図3は車体速度、車輪速度およびブレーキ液圧の変
化を示す図、図4は制御ユニットでの制御周期決定手順
を示すフローチャート、図5はABS制御開始時の推定
車体速度に応じた第1係数の設定マップを示す図、図6
はABS制御中の推定車体速度に応じた第2係数の設定
マップを示す図、図7はブレーキペダルのストロークを
従来のものと対比して示す図である。
【0011】先ず図1において、このブレーキ液圧制御
装置は、たとえば前輪駆動の四輪車両に搭載されるもの
であり、リザーバRを備えてタンデム型に構成されるマ
スタシリンダMと、駆動輪である左前輪および右前輪に
それぞれ装着される左および右前輪用の車輪ブレーキB
FL,BFRと、従動輪である左後輪および右後輪にそれぞ
れ装着される左および右後輪用の車輪ブレーキBRL,B
RRとを備え、左後輪用の車輪ブレーキBRLに比例減圧弁
L が接続され、右後輪用の車輪ブレーキBRRに比例減
圧弁1R が接続される。
【0012】マスタシリンダMは、ブレーキペダル3の
踏込みに応じたブレーキ液圧を出力する一対の出力ポー
ト4A,4Bを備え、両出力ポート4A,4Bに第1お
よび第2出力液圧路5A,5Bが個別に接続される。而
して第1出力液圧路5Aは、前後一組である左前輪およ
び右後輪にそれぞれ個別に装着される左前輪および右後
輪用の車輪ブレーキBFL,BRRに対応するものであり、
第2出力液圧路5Bは、前後一組である右前輪および左
後輪にそれぞれ個別に装着される右前輪および左後輪用
の車輪ブレーキBFR,BRLに対応するものである。
【0013】第1出力液圧路5Aは、第1出力液圧路5
A側へのブレーキ液の流通を許容する第1チェック弁1
0Aを介して、ブレーキ液を貯溜する第1リザーバ7A
に接続されており、第2出力液圧路5Bは、第2出力液
圧路5B側へのブレーキ液の流通を許容する第2チェッ
ク弁10Bを介して、ブレーキ液を貯溜する第2リザー
バ7Bに接続される。
【0014】左前輪用の車輪ブレーキBFLと第1出力液
圧路5Aおよび第1リザーバ7Aとの間には液圧制御弁
手段6FLが設けられ、右後輪用の車輪ブレーキBRRに接
続されている比例減圧弁1R と第1出力液圧路5Aおよ
び第1リザーバ7Aとの間には液圧制御弁手段6RRが設
けられる。また右前輪用の車輪ブレーキBFRと第2出力
液圧路5Bおよび第2リザーバ7Bとの間には液圧制御
弁手段6FRが設けられ、左後輪用の車輪ブレーキBRL
接続されている比例減圧弁1L と第2出力液圧路5Bお
よび第2リザーバ7Bとの間には液圧制御弁手段6RL
設けられる。
【0015】左前輪用の車輪ブレーキBFLに対応した液
圧制御弁手段6FLは、第1出力液圧路5Aおよび左前輪
用の車輪ブレーキBFL間に設けられる常開型電磁弁11
FLと、該常開型電磁弁11FLに並列に接続される一方向
弁12FLと、左前輪用の車輪ブレーキBFLおよび第1リ
ザーバ7A間に設けられる常閉型電磁弁13FLとで構成
される。
【0016】この液圧制御弁手段6FLは、常開型電磁弁
11FLを消磁、開弁するとともに常閉型電磁弁13FL
消磁、閉弁してマスタシリンダMおよび左前輪用の車輪
ブレーキBFL間を連通するとともに車輪ブレーキBFL
よび第1リザーバ7A間を遮断する増圧状態と、常開型
電磁弁11FLを励磁、閉弁するとともに常閉型電磁弁1
FLを励磁、開弁してマスタシリンダMおよび左前輪用
の車輪ブレーキBFL間を遮断するとともに左前輪用の車
輪ブレーキBFLおよび第1リザーバ7A間を連通する減
圧状態と、常開型電磁弁11FLを励磁、閉弁するととも
に常閉型電磁弁13FLを消磁、閉弁してマスタシリンダ
Mおよび第1リザーバ7Aと左前輪用の車輪ブレーキB
FLとの間をともに遮断する液圧保持状態とを切換えるよ
うに制御される。
【0017】右前輪用の車輪ブレーキBFRに対応した液
圧制御弁手段6FRは、第2出力液圧路5Bおよび右前輪
用の車輪ブレーキBFR間に設けられる常開型電磁弁11
FRと、該常開型電磁弁11FRに並列に接続される一方向
弁12FRと、右前輪用の車輪ブレーキBFRおよび第2リ
ザーバ7B間に設けられる常閉型電磁弁13FRとで構成
され、マスタシリンダMおよび右前輪用の車輪ブレーキ
FR間を連通するとともに右前輪用の車輪ブレーキBFR
および第2リザーバ7B間を遮断する増圧状態と、マス
タシリンダMおよび右前輪用の車輪ブレーキBFR間を遮
断するとともに右前輪用の車輪ブレーキBFRおよびリザ
ーバ7B間を連通する減圧状態と、マスタシリンダMお
よびリザーバ7Bと右前輪用の車輪ブレーキBFRとの間
をともに遮断する液圧保持状態とを切換えるように制御
される。
【0018】右後輪用の車輪ブレーキBRRに対応した液
圧制御弁手段6RRは、第1出力液圧路5Aおよび右後輪
用の車輪ブレーキBRR間に設けられる常開型電磁弁11
RRと、該常開型電磁弁11RRに並列に接続される一方向
弁12RRと、右後輪用の車輪ブレーキBRRおよび第1リ
ザーバ7A間に設けられる常閉型電磁弁13RRとで構成
される。
【0019】この液圧制御弁手段6RRは、常開型電磁弁
11RRを消磁、開弁するとともに常閉型電磁弁13RR
消磁、閉弁してマスタシリンダMおよび右後輪用の車輪
ブレーキBRR間を連通するとともに車輪ブレーキBRR
よび第1リザーバ7A間を遮断する増圧状態と、常開型
電磁弁11RRを励磁、閉弁するとともに常閉型電磁弁1
RRを励磁、開弁してマスタシリンダMおよび右後輪用
の車輪ブレーキBRR間を遮断するとともに右後輪用の車
輪ブレーキBRRおよび第1リザーバ7A間を連通する減
圧状態と、常開型電磁弁11RRを励磁、閉弁するととも
に常閉型電磁弁13RRを消磁、閉弁してマスタシリンダ
Mおよび第1リザーバ7Aと右後輪用の車輪ブレーキB
RRとの間をともに遮断する液圧保持状態とを切換えるよ
うに制御される。
【0020】さらに左後輪用の車輪ブレーキBRLに対応
した液圧制御弁手段6RLは、第2出力液圧路5Bおよび
左後輪用の車輪ブレーキBRL間に設けられる常開型電磁
弁11RLと、該常開型電磁弁11RLに並列に接続される
一方向弁12RLと、左後輪用の車輪ブレーキBRLおよび
第2リザーバ7B間に設けられる常閉型電磁弁13RL
で構成され、マスタシリンダMおよび左後輪用の車輪ブ
レーキBRL間を連通するとともに車輪ブレーキBRLおよ
び第2リザーバ7B間を遮断する増圧状態と、マスタシ
リンダMおよび左後輪用の車輪ブレーキBRL間を遮断す
るとともに左後輪用の車輪ブレーキBRLおよび第2リザ
ーバ7B間を連通する減圧状態と、マスタシリンダMお
よび第2リザーバ7Bと左後輪用の車輪ブレーキBRL
の間をともに遮断する液圧保持状態とを切換えるように
制御される。
【0021】図2において、各液圧制御弁手段6FL,6
FR,6RL,6RRの常開型電磁弁11 FL,11FR,1
RL,11RRおよび常閉型電磁弁13FL,13FR,13
RL,13 RRは、制御ユニット15により制御されるもの
であり、該制御ユニット15は、左、右前輪および左、
右後輪の車輪速度をそれぞれ個別に検出する車輪速検出
器16FL,16FR,16RL,16RRの検出値に基づい
て、ブレーキ操作時に各車輪ブレーキBFL,BFR
RL,BRRのブレーキ液圧を制御するABS制御を実行
することができる。
【0022】しかも制御ユニット15は、そのABS制
御時には、液圧制御弁手段6FL〜6 RRを減圧状態とする
減圧制御モード、液圧制御弁手段6FL〜6RRを液圧保持
状態とする保持制御モード、ならびに液圧制御弁手段6
FL〜6RRを増圧状態および液圧保持状態に交互に切換え
る増圧・保持制御モードをこの順に繰返すようにして、
液圧制御弁手段6FL〜の作動を周期的に制御するもので
ある。而して、図3で示すように、車体速度Vに対して
車輪速度VWの落ち込みが大きくなったとき、すなわち
車輪のスリップ率が大になったときに、制御ユニット1
5は、液圧制御弁手段6FL〜6RRを減圧状態とする減圧
制御モードを選択する。また車輪速度VWの落ち込みが
止まって復帰状態になったときに、制御ユニット15
は、液圧制御弁手段6FL〜6RRを液圧保持状態とする保
持制御モードを選択する。さらに車輪速度VWが或る程
度まで復帰したときに、制御ユニット15は、液圧制御
弁手段6FL〜6RRを増圧状態および液圧保持状態に交互
に切換える増圧・保持制御モードを選択する。
【0023】増圧・保持制御モードにおいて、液圧制御
弁手段6FL〜6RRを増圧状態とするにあたっては、図3
の実線で示すように段階的な増圧を図るようにしてもよ
く、図3の破線で示すように瞬間的に増圧するようにし
てもよく、図3の二点鎖線で示すように時間経過に応じ
て直線的に増圧するようにしてもよい。また増圧・保持
制御モードは、液圧制御弁手段6FL〜6RRの増圧状態お
よび保持状態が交互に切換えられるものであればよく、
図3で示したように、増圧状態の後に1回の保持状態を
挟んで再び増圧状態となるものには限定されず、複数回
の増圧状態と、複数回の保持状態とが交互に生じるもの
であってもよい。
【0024】ところで、減圧制御モード、保持制御モー
ドおよび増圧・保持制御モードの開始時期は、車輪速度
VWの状態に応じて定まるものであり、減圧制御モー
ド、保持制御モードおよび増圧・保持制御モードをこの
順に繰返すアンチロックブレーキ制御実行時の制御周期
Tが定まった状態では、その定まった制御周期Tを維持
するために、増圧・保持制御モードにおいて液圧制御弁
手段6FL〜6RRを保持状態とする時間ΔTが調節され
る。
【0025】前記制御周期Tは、図4で示す手順に従う
制御ユニット15の処理によって定められるものであ
り、図4のステップS1では、車輪速検出器16FL〜1
RRの検出値に基づいて推定した路面の摩擦係数μに応
じて基本制御周期TBを定める。而して基本制御周期T
Bは、摩擦係数μが低くなるのに応じて大となるように
定められる。これは、走行路面の摩擦係数μが低いとき
には、減圧制御モード、保持制御モードおよび増圧・保
持制御モードをこの順に繰返すABS制御の繰返し回数
が多くなるので、リザーバ7A,7Bが満杯になってし
まってABS制御を続行できなくなる事態が生じるのを
防止するために、液圧制御弁手段6FL〜6 RRの制御周期
を長くしてリザーバ7A,7Bへの単位時間当たりのブ
レーキ液排出量を少なくするためである。
【0026】次のステップS2では、ABS制御が開始
された時点で車輪速検出器16FL〜16RRの検出値に基
づいて推定した推定車体速度に応じて第1係数K1を定
める。而して制御ユニット15には、図5で示すよう
に、第1係数K1のマップが予め設定されており、この
第1係数K1は、ABS制御開始時の推定車体速度が小
となるのに応じて小となるようにして1以下に設定され
ている。
【0027】ステップS3では、ABS制御中に車輪速
検出器16FL〜16RRの検出値に基づいて推定した推定
車体速度に応じて第2係数K2を定める。而して制御ユ
ニット15には、図6で示すように、第2係数K2のマ
ップが予め設定されており、この第2係数K2は、AB
S制御中の推定車体速度が小となるのに応じて小となる
ようにして1以下に設定されている。
【0028】最後のステップS4では、ステップS1で
得た基本制御周期TBに、ステップS2で得た第1係数
K1と、ステップS3で得た第2係数K2とを乗じて制
御周期Tを得る演算を実行し、これにより、ABS制御
での制御周期Tが定まることになる。
【0029】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、ABS制御時には、液圧制御弁手段6FL〜6RR
減圧状態とする減圧制御モード、液圧制御弁手段6FL
RRを液圧保持状態とする保持制御モード、ならびに液
圧制御弁手段6FL〜6RRを増圧状態および液圧保持状態
に交互に切換える増圧・保持制御モードをこの順に繰返
すようにして、液圧制御弁手段6FL〜6RRの作動が周期
的に制御されるのであるが、その制御周期Tは、路面の
摩擦係数μに応じて定められる基本制御周期TBに基づ
くものであり、基本制御周期TBは、摩擦係数μが低く
なるのに応じて大となるように定めらているので、走行
路面の摩擦係数μが低いときにリザーバ7A,7Bが満
杯になってしまってABS制御を続行できなくなる事態
が生じるのを防止することが可能である。
【0030】しかもABS制御開始時の推定車体速度が
小となるのに応じて小となる1以下の第1係数K1と、
ABS制御中の推定車体速度が小となるのに応じて小と
なる1以下の第2係数K2とが、前記基本制御周期TB
に乗じられて最終的な制御周期Tが得られ、その最終的
な制御周期Tの増減が増圧・保持制御モードにおいて液
圧制御弁手段6FL〜6RRを液圧保持状態とする時間ΔT
の増減により調節される。したがって、ABS制御開始
時の推定車体速度が低いときには、増圧・保持制御モー
ドで液圧制御弁手段6FL〜6RRを液圧保持状態とする時
間ΔTが減少し、またABS制御実行中の推定車体速度
の低下によっても増圧・保持制御モードで液圧制御弁手
段6FL〜6RRを液圧保持状態とする時間ΔTが減少する
ことになり、路面の摩擦係数μに基づいて基本制御周期
TBが定められるにもかかわらず、液圧制御弁手段6FL
〜6RRが液圧保持状態となる時間が必要以上に長くなる
ことが防止され、この結果、ドライバによるブレーキ操
作の操作フィーリングが悪化するのを極力回避すること
ができる。
【0031】すなわち摩擦係数μだけに基づいて制御周
期Tを定めるようにした従来のものでは、車体速度が低
い状態になってもブレーキ液圧を保持している時間が長
いので、図7の破線で示ように、ブレーキペダルの踏込
みストロークが理想的な踏込みストロークからかけ離れ
たものとなる。それに対し、本発明に従うものでは、A
BS制御開始時の推定車体速度が低いとき、ならびにA
BS制御中の推定車体速度が低くなるのに応じてブレー
キ液圧を保持している時間が短くなるので、図7の実線
で示すように、ブレーキペダルの踏込みストロークが理
想的な踏込みストロークに近接したものとなり、ブレー
キ操作の操作フィーリングが悪化するのを極力回避する
ことができるのである。
【0032】図8は本発明の第2実施例を示すものであ
り、吸入弁17Aおよび吐出弁18Aを内蔵した第1ポ
ンプ8Aの吸入口が第1リザーバ7Aに接続され、第1
ポンプ8Aの吐出口は、左前輪用の車輪ブレーキBFL
よび制御弁手段6FL間に接続される。また吸入弁17B
および吐出弁18Bを内蔵した第2ポンプ8Bの吸入口
が第2リザーバ7Bに接続され、第2ポンプ8Bの吐出
口は、右前輪用の車輪ブレーキBFRおよび制御弁手段6
FR間に接続される。第1および第2ポンプ8A,8Bに
は第1および第2アクチュエータ9A,9Bが個別に連
結されており、両ポンプ8A,8Bは相互に独立して作
動可能である。
【0033】上記第1および第2ポンプ8A,8Bは、
ABS制御時の減圧時、液圧保持時、ならびに右後輪お
よび左後輪用の車輪ブレーキBRR,BRLの増圧時には非
作動状態にあり、左前輪および右前輪用の車輪ブレーキ
FL,BFRの増圧時に駆動され、ABS制御時に左前輪
および右前輪用の車輪ブレーキBFL,BFRのブレーキ液
圧がポンプ8A,8Bの吐出圧で増圧されることにな
る。
【0034】このように、ABS制御時に左、右前輪用
の車輪ブレーキBFL,BFRのブレーキ液圧増圧を各ポン
プ8A,8Bの吐出圧で行なうのは、左、右前輪用の車
輪ブレーキBFL,BFRの消費液量が、左、右後輪用の車
輪ブレーキBRL,BRRよりも多いためであり、消費液量
の多い側である左、右前輪用の車輪ブレーキBFL,B FR
のブレーキ液圧増圧を各ポンプ8A,8Bの吐出圧で行
なうようにして、ABS制御の効率を高めることができ
るのである。
【0035】また前記各ポンプ8A,8Bの吐出口が、
駆動輪である左、右前輪用の車輪ブレーキBFL,B
FRと、それらの車輪ブレーキBFL,BFRに対応した制御
弁手段6 FL,6FRとの間にそれぞれ接続されていること
により、ブレーキペダル3を操作しない非ブレーキ操作
時に、左、右前輪の駆動力を低減するようにしたトラク
ション制御や車両安定制御を行なうこともできる。
【0036】この第2実施例においても、第1および第
2ポンプ8A,8Bは、第1および第2リザーバ7A,
7BからマスタシリンダMにブレーキ液を還流させるも
のではなく、走行路面の摩擦係数μが低いときにリザー
バ7A,7Bが満杯になってしまってABS制御を続行
できなくなる事態が生じるのを防止するために、摩擦係
数が低い状態では液圧制御弁手段6FL,6FR,6RL,6
RRの制御周期を長くする必要があるが、上記第1実施例
と同様に、ABS制御開始時の推定車体速度が小となる
のに応じて小となる1以下の第1係数K1と、ABS制
御中の推定車体速度が小となるのに応じて小となる1以
下の第2係数K2とを、路面の摩擦係数μに基づく基本
制御周期TBに乗じて最終的な制御周期Tを得るととも
に、その最終的な制御周期Tの増減を増圧・保持制御モ
ードにおいて液圧制御弁手段6FL〜6RRを液圧保持状態
とする時間の増減により調節するようにする。
【0037】この結果、上記第1実施例と同様に、基本
的には路面の摩擦係数μに応じてABS制御の制御周期
を定めてABS制御時間を確保するものの、車体速度に
応じて制御周期を変化せしめるようにして、ブレーキ操
作の操作フィーリングが悪化するのを極力防止すること
ができる。
【0038】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0039】たとえば上記実施例では、液圧制御弁手段
が、常開型電磁弁および常閉型電磁弁を含むものであっ
たが、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間を連通する
とともに車輪ブレーキおよびリザーバ間を遮断する状態
と、車輪ブレーキを前記マスタシリンダおよびリザーバ
から遮断する状態と、マスタシリンダおよび車輪ブレー
キ間を遮断するとともに車輪ブレーキおよびリザーバ間
を連通する状態とを切換可能な3ポート3位置切換電磁
弁を含むものであってもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、路面の摩
擦係数に基づいて基本的な制御周期が定められるにもか
かわらず、液圧制御弁手段が液圧保持状態となる時間が
必要以上に長くなることを防止し、ドライバによるブレ
ーキ操作の操作フィーリングが悪化するのを極力回避す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のアンチロックブレーキ制御装置の
液圧回路図である。
【図2】液圧制御弁手段の制御系を示すブロック図であ
る。
【図3】車体速度、車輪速度およびブレーキ液圧の変化
を示す図である。
【図4】制御ユニットでの制御周期決定手順を示すフロ
ーチャートである。
【図5】ABS制御開始時の推定車体速度に応じた第1
係数の設定マップを示す図である。
【図6】ABS制御中の推定車体速度に応じた第2係数
の設定マップを示す図である。
【図7】ブレーキペダルのストロークを従来のものと対
比して示す図である。
【図8】第2実施例の図1に対応した液圧回路図であ
る。
【符号の説明】
FL,6FR,6RL,6RR・・・液圧制御弁手段 7A,7B・・・リザーバ 15・・・制御ユニット BFL,BFR,BRL,BRR・・・車輪ブレーキ M・・・マスタシリンダ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダ(M)および車輪ブレー
    キ(BFL,BFR,B RL,BRR)間を連通するとともに車
    輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)およびリザーバ
    (7A,7B)間を遮断する増圧状態、車輪ブレーキ
    (BFL,BFR,BRL,BRR)を前記マスタシリンダ
    (M)およびリザーバ(7A,7B)から遮断する液圧
    保持状態、ならびにマスタシリンダ(M)および車輪ブ
    レーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)間を遮断するととも
    に車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)およびリザ
    ーバ(7A,7B)間を連通する減圧状態を切換可能な
    液圧制御弁手段(6FL,6FR,6RL,6RR)と;該液圧
    制御弁手段(6FL,6FR,6RL,6RR)を減圧状態とす
    る減圧制御モード、前記液圧制御弁手段(6FL,6FR
    RL,6RR)を液圧保持状態とする保持制御モード、な
    らびに前記液圧制御弁手段(6FL,6FR,6RL,6RR
    を増圧状態および液圧保持状態に交互に切換える増圧・
    保持制御モードをこの順に繰返すようにしてアンチロッ
    クブレーキ制御実行時に前記液圧制御弁手段(6FL,6
    FR,6RL,6RR)の作動を周期的に制御する制御ユニッ
    ト(15)と;を備える車両のアンチロックブレーキ制
    御装置において、前記制御ユニット(15)は、走行路
    面の摩擦係数に基づいて定めた基本制御周期に、アンチ
    ロックブレーキ制御開始時の推定車体速度が小となるの
    に応じて小となる1以下の第1係数と、アンチロックブ
    レーキ制御中の推定車体速度が小となるのに応じて小と
    なる1以下の第2係数とを乗じて得た制御周期で前記液
    圧制御弁手段(6FL,6FR,6RL,6RR)の作動を周期
    的に制御するとともに、その制御周期の増減を前記増圧
    ・保持制御モードで前記液圧制御弁手段(6FL,6FR
    RL,6RR)を液圧保持状態とする時間の増減で調節す
    ることを特徴とする車両のアンチロックブレーキ制御装
    置。
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