JP2001219836A - 車両用アンチスキッド制御方法 - Google Patents

車両用アンチスキッド制御方法

Info

Publication number
JP2001219836A
JP2001219836A JP2000035659A JP2000035659A JP2001219836A JP 2001219836 A JP2001219836 A JP 2001219836A JP 2000035659 A JP2000035659 A JP 2000035659A JP 2000035659 A JP2000035659 A JP 2000035659A JP 2001219836 A JP2001219836 A JP 2001219836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
control cycle
brake fluid
pressure reduction
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000035659A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashige Sakamoto
忠重 坂元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bosch Braking Systems Co Ltd filed Critical Bosch Braking Systems Co Ltd
Priority to JP2000035659A priority Critical patent/JP2001219836A/ja
Publication of JP2001219836A publication Critical patent/JP2001219836A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンチスキッド制御中に低μ路面用の増圧レ
ートにより増圧が行われた場合、次の制御サイクルにお
ける減圧時間を制限して必要以上に減圧されないように
した車両用アンチスキッド制御方法を提供すること。 【解決手段】 アンチスキッド制御中に低μ路面用の増
圧レートによりホイールシリンダへのブレーキ液圧の増
圧が行われた場合には、次の制御サイクルで行われるホ
イールシリンダへのブレーキ液圧の減圧量を車輪のロッ
ク又はロック傾向が解除されるのに必要最小限の減圧量
となるべくブレーキ液圧の減圧時間を制限するようにし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用アンチスキッ
ド制御方法に関し、更に詳しくは低μ路面用の増圧レー
トにより増圧が行われた後、次の制御サイクルでの減圧
量が過大にならないようにした車両用アンチスキッド制
御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アンチスキッド制御装置の配管系統図の
一例を図3に示す。符号1はブースタ付きマスタシリン
ダを示し、ブレーキペダル2がブースタ3を介してマス
タシリンダ本体4に接続され、マスタシリンダ本体4に
ブレーキ液貯蔵用リザーバ5が設けられている。マスタ
シリンダ本体4には2つの液圧発生室が画成されてお
り、ブレーキペダル2を踏み込むと管路31a、31b
内に圧力が発生する。
【0003】管路31aは、2ポート2位置電磁切換弁
(増圧弁)7A、7Cを介して右側前輪FR及び左側後
輪RLのホイールシリンダに接続している。他方の管路
31bは、2ポート2位置電磁切換弁(増圧弁)7B、
7Dを介して左側前輪FL及び右側後輪RRのホイール
シリンダに接続している。すなわち、X配管が採用され
ている。
【0004】また、右側前輪FR及び左側後輪RLのホ
イールシリンダは2ポート2位置電磁切換弁(減圧弁)
8A、8C及び弛め管路Rを介してリザーバ30Aに接
続されている。同様に他方の系統の左側前輪FL及び右
側後輪RRのホイールシリンダは2ポート2位置電磁切
換弁(減圧弁)8B、8D及び弛め管路Rを介してリザ
ーバ30Bに接続されている。
【0005】リザーバ30A、30Bは公知の構造を有
し、シリンダ本体内に摺動可能にピストンがばねにより
図において上方に付勢されて、ブレーキ液貯蔵室と空気
室とを画成している。これらリザーバ30A、30Bに
それぞれ管路31aa、31baが接続され、この管路
中にマスタシリンダ1側への方向を順方向とする逆止弁
32a、32bが設けられている。また、増圧弁7A〜
7Dには並列にマスタシリンダ1側への方向を順方向と
する逆止弁gが設けられている。
【0006】各車輪FR、RL、RR、FLには近接し
てそれぞれ車輪速度センサW1、W2、W3、W4が配
設され、これらの検出信号はコントロールユニット(E
CU;Electronic Control Unit )20に供給される。
コントロールユニット20はこれらセンサの出力を受け
てブレーキを弛めるべきか、保持するべきか、増圧する
べきかを判断し、この判断結果に基づいて増圧弁7A〜
7D及び減圧弁8A〜8Dのソレノイド部sを励磁、ま
たは非励磁する。
【0007】ホイールシリンダの液圧を上昇させる場合
には、ソレノイド部sはすべて非励磁となっており(図
示の状態)、増圧弁7A〜7Dは連通位置をとる。従っ
て、運転者がブレーキペダル2を踏むことによって発生
した圧液は増圧弁7A〜7Dを通ってホイールシリンダ
に供給されブレーキがかけられる。
【0008】コントロールユニット20がブレーキを弛
めるべきである(なお、説明をわかりやすくするために
全輪が同じスキッド状態で変化するものとする)と判断
すると、減圧弁8A〜8Dのソレノイド部sが励磁され
て連通状態とされ、他方、増圧弁7A〜7Dのソレノイ
ド部sも励磁されて遮断状態とされる。これによって、
ホイールシリンダの圧液は減圧弁8A〜8Dを通ってリ
ザーバ30A、30Bに排出されブレーキが弛められ
る。
【0009】コントロールユニット20がブレーキを保
持すべきであると判断すると、増圧弁7A〜7Dのソレ
ノイド部sを励磁し、減圧弁8A〜8Dのソレノイド部
sは非励磁のままで、ホイールシリンダの圧液は一定の
液圧に保持される。
【0010】そして、アンチスキッド制御中に減圧した
後、ブレーキ液圧を再増圧させる場合には、増圧弁7A
〜7Dのソレノイド部sを断続的に励磁して、ホイール
シリンダの液圧を階段的に上昇させることでブレーキ力
を上昇させる。このとき、減圧弁8A〜8Dは非励磁の
ままで遮断状態である。
【0011】以上のようなブレーキ液圧の減圧、保持、
増圧はコントロールユニット20で車輪のスキッド状態
に応じて制御される。そして、運転者がブレーキペダル
2への踏力を解除すると、ブレーキ液弛めの際にホイー
ルシリンダから排出されてリザーバ30A、30Bに貯
蔵されていたブレーキ液は、内蔵するばねのばね力によ
り逆止弁32a、32bを開弁させてマスタシリンダ1
側へ戻される。
【0012】以上のようなアンチスキッド制御におい
て、例えば、特表平7−507522号公報には、アン
チスキッド制御時の減圧弁の駆動時間、すなわちブレー
キ液圧の減圧時間を、前の制御サイクルの減圧弁駆動時
間を基として学習により補正演算して求める方法が示さ
れている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ここで、前の制御サイ
クルがアンチスキッド制御における最初の制御サイクル
(第1制御サイクル)である場合には、運転者がブレー
キペダルを踏むことによりホイールシリンダへのブレー
キ液圧が増圧され、それゆえにブレーキ液圧が過大とな
る傾向にあるので、アンチスキッド制御全体における他
の増圧時よりも車輪のスリップは大きく、よって減圧量
もアンチスキッド制御中最も大きい。更に、低μ路面上
でのブレーキ操作である場合には車輪はロックしやすい
ので減圧量も大となる。
【0014】上記公報のような方法で決定される次の制
御サイクルの減圧時間は、前の制御サイクルの減圧時間
に大きく依存しており、その影響を大きく受ける。従っ
て、前の制御サイクルがアンチスキッド制御開始時の第
1制御サイクルである場合、更に路面が低μである場合
には、次の第2制御サイクルにおける減圧時間は第1制
御サイクルの減圧時間に基づいて計算されるため大きめ
となり、必要以上の減圧が行われる傾向にある。第3制
御サイクルの減圧時間もその前の制御サイクルである第
2制御サイクルの減圧時間に基づいて計算されるのでや
はり減圧量が大きめとなり、アンチスキッド制御全体に
おいてその前半部分での減圧量が過大となってしまう傾
向にある。
【0015】低μ路面上でのアンチスキッド制御であっ
て、第1制御サイクルにおける減圧後の再増圧に低μ路
面用の増圧レートが選択された場合、高μ路面に比べて
ブレーキ液圧上昇速度は小さく、更に低μ路面であるの
で低いホイールシリンダ液圧でも車輪がロック傾向にな
りやすく、次の第2制御サイクルにおける減圧はホイー
ルシリンダの液圧が低い圧力からの減圧となる。例え
ば、第2制御サイクルにおいては10barから減圧す
るとして、3barまで減圧すればロック傾向が十分に
解除されるとした場合、上記従来例のような方法で決定
された減圧時間では必要以上に、例えば1barにまで
減圧されてしまうことになる。
【0016】減圧後のホイールシリンダ液圧の差は3b
ar−1bar=2barと液圧差としては小さいが、
図5に示すようにホイールシリンダのP−V特性(Vは
ホイールシリンダの消費液量、Pはそのときの液圧)に
より、同じ液圧差ΔPでも、低圧域における液圧差ΔP
は高圧域に比べて大きな液量差ΔVとなる。上述したよ
うに低μ路面用の増圧レートにより増圧されたホイール
シリンダの液圧はそれほど大きくはなく、従って小さな
液圧の変化でもホイールシリンダから排出される液量は
大きなものとなる。
【0017】液圧ポンプを用いないアンチスキッド制御
装置(図3)では、アンチスキッド制御中、減圧した分
だけブレーキペダル2のストロークは進む。すなわち、
減圧の度にリザーバ30A、30Bにブレーキ液が流れ
込んで蓄積される。そして、液圧ポンプを用いないアン
チスキッド制御装置では、リザーバ30A、30Bの容
量は制限されている。これは、アンチスキッド制御中に
ブレーキペダル2をフルストロークしても十分な車体減
速度が得られるようにしているためである。すなわち、
アンチスキッド制御中にブレーキペダル2をフルストロ
ークさせたとき、ホイールシリンダのブレーキ液量は、
(マスタシリンダ1からの供給量−リザーバ30A、3
0Bに排出された液量)である。よって、リザーバ30
A、30Bの容量を制限する、つまりリザーバ30A、
30Bへの排出量を制限することでアンチスキッド制御
中にブレーキペダル2をフルストロークさせたときに、
ホイールシリンダには、ある車体減速度(例えば0.6
G)が得られるだけのブレーキ液量が確保できるように
している。
【0018】従って、減圧時にホイールシリンダから排
出されるブレーキ液量が大きいと、その分早く、制限さ
れた容量のリザーバ30A、30Bにブレーキ液が蓄積
されていきアンチスキッド制御中に満杯となってしま
う。このような状態となると、車輪がロック傾向を示し
てコントロールユニット20の判断により減圧弁8A〜
8Dを連通状態にさせてもリザーバ30A、30Bへは
ブレーキ液は流れ込めず、よってホイールシリンダの液
圧を減圧することができず車輪がロックしてしまう。
【0019】また、図4に示される、液圧ポンプを用い
たブレーキ液循環型のアンチスキッド制御装置において
もブレーキ液の減圧量を必要以上に大きくすることは好
ましくない。図4において、リザーバ30A’、30
B’のブレーキ液貯蔵室は液圧ポンプ10の吸込側に接
続されている。液圧ポンプ10は公知のように構成さ
れ、モータ11、偏心機構12、逆止弁34a、34b
及び33a、33bから成っており、一対のプランジャ
が相反する方向に往復動することにより逆止弁33a、
33bを開弁させて管路31a、31b側に圧液を供給
するように構成されている。
【0020】従って、リザーバ30A’、30B’に排
出されるブレーキ液量が大きいと、液圧ポンプ10によ
って戻されるブレーキ液量も大きくなり、ペダルキック
バックの増大を引き起こす。
【0021】また、液圧ポンプ10がリザーバ30
A’、30B’からブレーキ液を吸い込んで吐き出す単
位時間あたりの量(液圧ポンプ10がリザーバ30
A’、30B’からブレーキ液をかき出すレート)は決
まっており、特に液圧ポンプ10のモータ11としては
設置スペースを小とするために小さい方が好ましく、そ
の小さいモータ11ではその分かき出すレートも小さく
なる。従って、ホイールシリンダから排出されるブレー
キ液量が大きく、リザーバ30A’、30B’に入って
くる単位時間あたりのブレーキ液量の方が、液圧ポンプ
10のかき出すレートよりも大きいとリザーバ30
A’、30B’にはどんどんブレーキ液が蓄積され、上
述のポンプなしの場合のアンチスキッド制御装置と同様
の問題が生じる。従って、特に液圧ポンプ10(そのモ
ータ11)が小さい場合にはブレーキ液の減圧量を小さ
くしなければならない。
【0022】また、液圧ポンプの有無に関わらず、減圧
量がアンチスキッド制御中に必要以上に大きいと車体減
速度の変動も大となり運転者や同乗者に不快感を与え
る。
【0023】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、アン
チスキッド制御中に低μ路面用の増圧レートにより増圧
が行われた場合、次の制御サイクルにおける減圧時間を
制限して必要以上に減圧されないようにした車両用アン
チスキッド制御方法を提供することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するに
あたり本発明では、アンチスキッド制御中に低μ路面用
の増圧レートによりホイールシリンダへのブレーキ液圧
の増圧が行われた場合には、次の制御サイクルで行われ
るホイールシリンダへのブレーキ液圧の減圧量を車輪の
ロック又はロック傾向が解除されるのに必要最小限の減
圧量となるべくブレーキ液圧の減圧時間を制限するよう
にしている。
【0025】低μ路面用の増圧の後の制御サイクルにお
ける減圧時間を制限して減圧量を必要最小限にしたこと
で、アンチスキッド制御の傾向については従来と変わる
ことなく、すなわち減圧する前は低μ路用の増圧が行わ
れたのでホイールシリンダの液圧はそれほど大きくはな
く、短時間でも十分車輪速度を回復させることができ、
そしてリザーバへの排出量のみを減らすことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、配管系統図は従来と
同様であり(図3又は図4)、その詳細な説明は省略す
る。
【0027】図2は、本実施の形態によるアンチスキッ
ド制御の動作を示すタイムチャートである。なお、本実
施の形態では4輪がそれぞれ独立に制御されるものと
し、以下の説明では1つの車輪(例えば、右側前輪FR
とする)について適用して述べるが、他の車輪について
も右側前輪FRと同様なことが言える。
【0028】車両が低μ路面上を走行中に、時刻t0
運転者がブレーキペダル2を踏み込むと、このとき増圧
弁7A及び減圧弁8Aは非励磁であり、つまり増圧弁7
Aが連通され減圧弁8Aが遮断された増圧状態であるの
で、ホイールシリンダW/Cの液圧は上昇され、車体速
度V及び車輪速度Wはそれぞれ図示のように低下してい
く。
【0029】そして、時刻t1 で車輪のスリップ率が所
定値に達し、これを越えようとすると増圧弁7A及び減
圧弁8Aが共に遮断された保持状態とされ、ホイールシ
リンダW/Cの液圧は一定の液圧に保持される。
【0030】更に車輪速度Wが低下していき、車輪のス
リップ率が、スリップ率しきい値λ AVに達し、これを越
えようとすると増圧弁7Aが遮断され減圧弁8Aが連通
された減圧状態となり、ホイールシリンダW/Cの液圧
は減圧される。この減圧状態の時間(減圧時間)tAV1
は次のようにして求められる。このとき車輪速度を回復
するまでに要した減圧時間をtAV1 とする。
【0031】ここで、第1制御サイクルにおける減圧時
間tAV1 は、路面μに依存し、路面μが小の場合、減圧
時間tAV1 大として実施される。
【0032】この減圧により、車輪が減速から加速に転
じ車輪速度Wが回復し始めると(時刻t3 )、増圧弁7
A及び減圧弁8Aが共に遮断された保持状態とされ、ホ
イールシリンダW/Cの液圧は一定の液圧に保持され
る。この保持状態は、車輪速度Wが車体速度V近くまで
回復する(時刻t4 )まで保たれる。
【0033】時刻t4 からは、車輪速度Wが回復したた
めブレーキ液圧の再増圧が行われる。この再増圧は増圧
状態と保持状態とを交互に切り換えて階段状にブレーキ
液圧を上昇させる。
【0034】このとき、路面が低μか高μであるかに応
じて増圧レートが選択される。本実施の形態の場合、運
転者は低μ路面上でブレーキペダルを踏み込んでいるの
で、低μ路面用の増圧レートが選択される。この選択、
つまり低μ路面であるとの判断は次の条件によりなされ
る。この第1制御サイクルにおいて再増圧の前に行われ
た減圧の時間tAV1 が第2の所定値より大であり、かつ
その減圧後の最大車輪加速度amax が第3の所定値より
小である。つまり、低μ路面では車輪のスリップが大き
くなるのでその分減圧時間tAV1 は大きくとられ、更に
低μ路面では車輪速度の回復も遅くなるからである。以
上のような条件により低μ路面用増圧レートが選択され
ると、この増圧レートは高μ路面用の増圧レートより小
であり、すなわちブレーキ力の上昇速度は高μ路面のと
きよりも小さくされることで、低μ路面における低い車
輪ロック圧に適合させ、車輪がロック又はロック傾向と
なるのを防ぐようにしている。
【0035】この再増圧により、車輪がまたロック傾向
になると、すなわちスリップ率がスリップ率しきい値λ
AVに達し、これを越えようとすると第2回目の減圧が開
始される(時刻t5 )。ここから、アンチスキッド制御
において第2制御サイクル目となる。この第2制御サイ
クルの減圧時間tAV2 は以下のようにして決定される。
【0036】図1のフローチャートにおいて、今、第2
制御サイクルであるのでステップS1でNoとなりステ
ップS3へと進む。ここではまず従来と同様な方法で減
圧時間tAV1 ’(仮の減圧時間)が演算される。 tAV1 ’=TAVI−TAVK
【0037】ここで、前制御サイクル内で最大スリップ
値及び減圧後の最大車輪加速度がそれぞれ求められ、最
大スリップ値は予め設定された目標スリップ値と比較さ
れ、その差が演算される。そしてこの差の関数として車
輪加速度目標値が求められる。この車輪加速度目標値は
最大車輪加速度と比較され、その差が演算される。そし
てこの差の関数として減圧時間の修正が求められる。上
記最大スリップ値及び最大車輪加速度が求められた制御
サイクルにおける減圧時間をTAVIとすると、次の制
御サイクルにおける減圧時間TAV’は、TAV’=T
AVI−TAVKで計算される。すなわち、前の制御サ
イクルで行った減圧時間TAVIを、上述のようにして
求めた修正値TAVKで修正して次の制御サイクルの減
圧時間TAV’が決定される。例えば、最大車輪加速度
が車輪加速度目標値より大きかった場合には、前の制御
サイクルにおける減圧は大き過ぎたので、次の制御サイ
クルの減圧時間は修正値TAVKにより前の制御サイク
ルの減圧時間より小さくされる。
【0038】以上のようにしてステップS3でtAV1
を求めたら、次にステップS4へ進み、今、第2制御サ
イクル中であるのでYesとなりステップS5へ進む。
【0039】ステップS5では、第1制御サイクルにお
ける増圧レートは低μ路用かどうかの判断がされ、ここ
での判断はYesであるのでステップS6へと進む。
【0040】ステップS6では、第2制御サイクルの減
圧時間tAV2 を、第1の所定値K以下の値に制限するよ
うにして求める。すなわち、ステップS3で求めたt
AV1 ’とKとを比較して、tAV1 ’>Kであるならばt
AV2 =Kとし、tAV1 ’≦KであるならばtAV2 =t
AV1 ’とする。これにより、tAV2 はKより大きな値に
は設定されない。
【0041】第1の所定値Kは、そのときの車輪速度を
回復させ、ロック傾向を解除させるための必要最小限の
時間として予め実験的に求められた値である。
【0042】以上述べたように、第2制御サイクルにお
ける減圧時間tAV2 を制限して減圧量を必要最小限とし
たことで、アンチスキッド制御の傾向については従来と
変わることはなく、すなわち減圧する前は低μ路用の増
圧が行われたのでホイールシリンダの液圧はそれほど大
きくはないので短時間でも十分に車輪速度を回復させる
ことができ、そしてリザーバへの排出量のみを減らすこ
とができる。従来は、図2において破線で示されるよう
に、前制御サイクルの減圧時間tAV1 に基づいて大きめ
に設定されていたためロック又はロック傾向が解除され
た後も不必要に減圧されていた。
【0043】そして、時刻t6 で第2制御サイクルの減
圧は終了し、以後第1制御サイクルと同様に車輪速度W
が回復するまでは保持状態をとり、回復したら再び階段
状に増圧が行われる。
【0044】そして、時刻t7 で車輪が再びロック傾向
になり、スリップ率がしきい値に達しこれを越えようと
すると減圧が開始され、第3制御サイクルが開始され
る。この第3制御サイクルの減圧時間tAV3 の求め方
は、第2制御サイクルの減圧時間tAV2 に基づいて求め
られる。図1において、ステップS1でNoとなり、ス
テップS3へと進み、ここで上述したように減圧時間が
求められる。ここでの前制御サイクルは第2制御サイク
ルであるので、ステップS3で求められる減圧時間(t
AV2 ’とする)は第2制御サイクルの減圧時間tAV2
増減した値である。
【0045】次にステップS4に進んで、今、第3制御
サイクル中であるのでNoとなる。従って、第3制御サ
イクルの減圧時間tAV3 =tAV2 ’である。すなわち、
従来と同様の方法で第3制御サイクルの減圧時間tAV3
は決定されるが、第2制御サイクルの減圧時間tAV2
上述したように必要最小限の時間に短縮された値である
ので、tAV2 を増減して得られたtAV2 ’(=tAV3
も必要以上に長い時間とはならない。よって、第3制御
サイクルにおいても余分な減圧量を抑制してリザーバに
流れ込むブレーキ液量を必要最小限の量に制限できる。
【0046】第4制御サイクルについても、その減圧時
間tAV4 は第3制御サイクルと同じフローで決定され、
すなわちステップS3で第3制御サイクルの減圧時間t
AV3を増減して決められる。やはり、短めに決められた
AV3 を基としているのでt AV4 も必要以上に長くなる
ことはない。第5制御サイクル以降も同様である。
【0047】従って、従来は第1制御サイクルにおける
大きめの減圧時間に基づいて、第2制御サイクル以降の
減圧時間を決めており、アンチスキッド制御サイクル全
体においてその初期段階で減圧量が大きめになる傾向が
あったが、第1制御サイクルで低μ路用の増圧レートで
増圧したというのがわかっていれば、ホイールシリンダ
の液圧はそれほど大きくはないので、短時間の減圧でも
十分ロック傾向を解除でき、よって本実施の形態では第
2制御サイクルの減圧時間を制限して、これにより以降
の制御サイクルの減圧時間も短縮されて過大な減圧を防
ぐことができる。
【0048】以上のことにより、液圧ポンプを用いない
アンチスキッド制御においては、リザーバへの排出量を
最小限に抑制することで低減させて、アンチスキッド制
御可能な最高速度を向上させることができた。すなわ
ち、車輪ロックを起こさないで停止させることのできる
最高初速(図2において時刻t0 のときの車体速度V)
を上げることができた。
【0049】液圧ポンプを用いたアンチスキッド制御に
おいては、より小型のモータを用いた液圧ポンプを使用
できその設置スペースを小さくできる。更にペダルキッ
クバックが低減される。
【0050】また、必要以上の減圧を行わないことでア
ンチスキッド制御中の車体減速度の変動を低減でき、運
転者や同乗者の快適性が向上する。
【0051】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0052】以上の実施の形態では、K以下の値になる
ように制限したのは第2制御サイクルにおける減圧時間
AV2 であったが、アンチスキッド制御中における低μ
路用の増圧が第1制御サイクルではなく、例えば第2制
御サイクルで初めて行われた場合には、第3制御サイク
ルの減圧時間tAV3 をK以下の値になるように制限す
る。すなわち、低μ路用の増圧が行われた制御サイクル
の次の制御サイクルにおける減圧時間を制限するように
する。
【0053】また、以上の実施の形態ではステップS3
で求められた減圧時間を第1の所定値Kと比較すること
によって、減圧時間tAV2 をK以下に制限するようにし
たが、これに限ることなく、例えばステップS3で求め
られた減圧時間に、1より小さいある値をかけて減圧時
間tAV2 を制限するようにしてもよい。
【0054】また、以上の実施の形態では、アンチスキ
ッド制御中、車両は終始低μ路面を走行しているとして
いるが、例えば第2制御サイクルにおいて時刻t6 〜t
7 の間に、車両が低μ路から高μ路へと移行して、時刻
7 に至る前に車輪速度Wが加速に転じ回復した場合、
その時点で減圧は終了する。すなわち減圧時間tAV2
り小さい減圧時間となり、次の第3制御サイクルではt
AV2 ではなく実際に出力されたtAV2 より小さいその減
圧時間を基に決定される。
【0055】また、以上の実施の形態では、低μ路面の
判断を、tAV1 が第2の所定値より大、かつ減圧後の最
大車輪加速度amax が第3の所定値より小であるという
条件で判断したが、これに限ることはない。低μ路面で
ブレーキを作動したときは車体に加わる減速度は小さ
く、高μ路面でブレーキを作動したときは車体に加わる
減速度は大きいので、車両に取り付けられた車体減速度
センサの検出出力に基づいて行うようにしてもよい。
【0056】また、図3及び図4に示す配管系統図にお
いて、それぞれのホイールシリンダへの増圧、保持、減
圧を2つの2ポート2位置電磁切換弁により制御した
が、これに代えて1つの3ポート3位置電磁切換弁で行
ってもよい。また、四輪車に限らず二輪車にも本発明は
適用可能である。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、低μ
路用の増圧が行われた後に、必要以上の減圧が行われる
ことを防いで、アンチスキッド制御中の車体減速度の変
動を低減して快適性を向上させることができる。また、
液圧ポンプなしのアンチスキッド制御においてはリザー
バへの排出量を低減させて、アンチスキッド制御により
ロックさせないで停止させることのできる制御最高速度
を向上させることができる。液圧ポンプ付きのアンチス
キッド制御においては、ペダルキックバックを低減さ
せ、更に液圧ポンプのモータとして、より小さなものを
使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による減圧時間決定のフロ
ーチャートである。
【図2】本発明の実施の形態によるアンチスキッド制御
動作のタイムチャートである。
【図3】液圧ポンプを用いないアンチスキッド制御装置
の配管系統図である。
【図4】液圧ポンプを用いたアンチスキッド制御装置の
配管系統図である。
【図5】ホイールシリンダ内の液量と液圧との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
2 ブレーキペダル 4 マスタシリンダ本体 7A 電磁切換弁(増圧弁) 7B 電磁切換弁(増圧弁) 7C 電磁切換弁(増圧弁) 7D 電磁切換弁(増圧弁) 8A 電磁切換弁(減圧弁) 8B 電磁切換弁(減圧弁) 8C 電磁切換弁(減圧弁) 8D 電磁切換弁(減圧弁) 30A リザーバ 30B リザーバ amax 最大車輪加速度 K 第1の所定値 tAV1 第1減圧時間 tAV2 第2減圧時間 tAV3 第3減圧時間 tAV4 第4減圧時間 V 車体速度 W 車輪速度 λAV スリップ率しきい値 λmax 最大スリップ率
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月1日(2001.2.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】更に車輪速度Wが低下していき、車輪のス
リップ率が、スリップ率しきい値λ AVに達し、これを越
えようとすると増圧弁7Aが遮断され減圧弁8Aが連通
された減圧状態となり、ホイールシリンダW/Cの液圧
は減圧される。この減圧状態の時間(減圧時間)tAV1
車輪状態に応じて求められる。このとき車輪速度を回
復するまでに要した減圧時間をtAV1 とする。これは、
図1のフローチャートにおけるステップS1及びステッ
プS2に相当する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速度を検出する車輪速度センサと、
    該車輪速度センサの検出信号を処理してブレーキ液圧制
    御信号を発生するためのコントロールユニットと、ホイ
    ールシリンダへのブレーキ液圧を変化させるために前記
    ブレーキ液圧制御信号が供給される液圧制御弁とを備
    え、アンチスキッド制御中に前記ホイールシリンダへの
    ブレーキ液圧を減圧させる場合には、前の制御サイクル
    のブレーキ液圧の減圧時間を、前記コントロールユニッ
    トにて前記車輪速度センサの検出信号を処理して形成さ
    れる該前の制御サイクルの最大車輪加速度及び/又は最
    大スリップ率に基づいて修正することにより、次の制御
    サイクルのブレーキ液圧の減圧時間とするようにした車
    両用アンチスキッド制御方法において、 前記前の制御サイクルで低μ路面用の増圧レートにより
    前記ホイールシリンダへのブレーキ液圧の増圧が行われ
    た場合には、前記次の制御サイクルで行われる前記ホイ
    ールシリンダへのブレーキ液圧の減圧量を車輪のロック
    又はロック傾向が解除されるのに必要最小限の減圧量と
    なるべくブレーキ液圧の減圧時間を制限するようにした
    ことを特徴とする車両用アンチスキッド制御方法。
  2. 【請求項2】 前記前の制御サイクルは、ブレーキ操作
    後に最初に車輪がロック又はロック傾向になった後に行
    われる第1制御サイクルであることを特徴とする請求項
    1に記載の車両用アンチスキッド制御方法。
  3. 【請求項3】 前記前の制御サイクルのブレーキ液圧の
    減圧時間を修正して得られた減圧時間が第1の所定値よ
    り大である場合には、前記次の制御サイクルのブレーキ
    液圧の減圧時間を第1の所定値とし、 前記前の制御サイクルのブレーキ液圧の減圧時間を修正
    して得られた減圧時間が前記第1の所定値以下である場
    合には、前記次の制御サイクルのブレーキ液圧の減圧時
    間を前記前の制御サイクルのブレーキ液圧の減圧時間を
    修正して得られた減圧時間とすることにより前記次の制
    御サイクルのブレーキ液圧の減圧時間を前記第1の所定
    値以下に制限するようにしたことを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の車両用アンチスキッド制御方法。
  4. 【請求項4】 前記低μ路面用増圧レートを、該低μ路
    面用増圧が行われる制御サイクル中で該低μ路面用増圧
    の前に行われたブレーキ液圧の減圧時間が第2の所定値
    より大、かつ該減圧後の最大車輪加速度が第3の所定値
    より小であることにより選択したことを特徴とする請求
    項1乃至請求項3の何れかに記載の車両用アンチスキッ
    ド制御方法。
JP2000035659A 2000-02-08 2000-02-08 車両用アンチスキッド制御方法 Pending JP2001219836A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000035659A JP2001219836A (ja) 2000-02-08 2000-02-08 車両用アンチスキッド制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000035659A JP2001219836A (ja) 2000-02-08 2000-02-08 車両用アンチスキッド制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001219836A true JP2001219836A (ja) 2001-08-14

Family

ID=18559829

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000035659A Pending JP2001219836A (ja) 2000-02-08 2000-02-08 車両用アンチスキッド制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001219836A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018516035A (ja) * 2015-03-05 2018-06-14 エネルジカ モーター カンパニー エス.ピー.エー. 車輪アンチロックシステムを備えている電気モータサイクル
JP2020083168A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 制御装置及び制御方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018516035A (ja) * 2015-03-05 2018-06-14 エネルジカ モーター カンパニー エス.ピー.エー. 車輪アンチロックシステムを備えている電気モータサイクル
JP2020083168A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 制御装置及び制御方法
JP7282506B2 (ja) 2018-11-29 2023-05-29 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 制御装置及び制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6142581A (en) Hydraulic circuit having a rotary type pump and brake apparatus for a vehicle provided with the same
US10384661B2 (en) Vehicle braking control device
JP3528415B2 (ja) 制動圧力制御装置
US6217133B1 (en) Brake force control apparatus
US20060208566A1 (en) Braking force control apparatus of wheeled vehicle
JP4192741B2 (ja) ブレーキ装置
JP2002067917A (ja) 車両用制動制御装置
JP2001219836A (ja) 車両用アンチスキッド制御方法
JP4484986B2 (ja) ブレーキ液圧源装置およびブレーキ装置
JP3518145B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JPH10138895A (ja) 車両用ブレーキ装置
JP4360278B2 (ja) 車両用制動力制御装置
JP4432237B2 (ja) 車両用制動制御装置
JPH09254764A (ja) 車両の制動力制御装置
JP3016436B2 (ja) アンチスキッドブレーキ制御方法
JP3250478B2 (ja) 車両制動制御装置
JP2004168078A (ja) 制動力制御装置
JPH10203339A (ja) ブレーキ制御装置
JPH09226553A (ja) ブレーキ制御装置
JP3913992B2 (ja) 自動二輪車のアンチロックブレーキ制御方法
JP3574153B2 (ja) 制動力配分制御装置
JP3716484B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JP3412311B2 (ja) 制動力制御装置
JP4613434B2 (ja) 車両用アンチロックブレーキ装置
JP2004217131A (ja) 制動システム

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050104