JP2000227123A - 自在継手及び自在継手の内方継手部材の加熱処理方法 - Google Patents

自在継手及び自在継手の内方継手部材の加熱処理方法

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JP2000227123A
JP2000227123A JP11027675A JP2767599A JP2000227123A JP 2000227123 A JP2000227123 A JP 2000227123A JP 11027675 A JP11027675 A JP 11027675A JP 2767599 A JP2767599 A JP 2767599A JP 2000227123 A JP2000227123 A JP 2000227123A
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JP
Japan
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thin portion
inner joint
torque transmitting
ball
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JP11027675A
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English (en)
Inventor
Tatsushi Suzuki
達志 鈴木
Yoshinari Sakai
良成 酒井
Tetsuji Kawakado
哲治 川角
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製品寿命を向上させることができる等速ジョイ
ントを提供する。 【解決手段】被動軸16に連結され、複数のボール溝1
7を内周面に備えた外方継手部材12と、駆動軸19に
連結され、複数のボール溝20を外周面に備えた内方継
手部材14と、各ボール溝17,20に嵌合された複数
のトルク伝達用ボール15と、外方継手部材12と内方
継手部材14間に配置され、前記トルク伝達用ボール1
5を保持するケージ13とを備えた等速ジョイント11
において、内方継手部材14の薄肉部34と非薄肉部と
は、高周波焼入れによる硬化層31の厚みを薄肉部34
側の方が薄くなるようにした。このため、薄肉部33の
靱性が向上すると共に、トルク伝達ボール15の転動に
より生じる繰り返し引張り応力に対する疲労強度が向上
する。従って、内方継手部材14の製品寿命、ひいては
等速ジョイント11の製品寿命を向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に使用さ
れる自在継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9はBJ(Birfield Joi
nt)型の等速ジョイント51を示しており、同等速ジ
ョイント51は自動車の駆動力伝達軸等に使用される。
等速ジョイント51は、外方継手部材52、内方継手部
材53、ケージ54、トルク伝達ボール55を備えてい
る。外方継手部材52は被動軸56に連結されており、
同外方継手部材52の内部にはケージ54が嵌合されて
いる。ケージ54の内部には内方継手部材53が嵌合さ
れており、同内方継手部材53には駆動軸57がスプラ
イン結合されている。
【0003】外方継手部材52のボール溝52aと内方
継手部材53のボール溝53aとの間には、ケージ54
のボール保持窓54aにて保持されたトルク伝達ボール
55が内方継手部材53の周方向に等間隔に配置されて
いる。そして、前記駆動軸57が回転駆動されると、こ
の回転トルクは内方継手部材53、トルク伝達ボール5
5及び外方継手部材52を介して被動軸56へ伝達され
る。このとき、トルク伝達ボール55は、被動軸56の
作動角θの変位に伴って、内方継手部材53の外周に形
成されたボール溝53aを転動する。
【0004】回転トルク伝達中、ボール溝53aにはト
ルク伝達ボール55の転動により繰り返し引張応力及び
摩擦等が生じる。この引張応力及び摩擦等に抗するた
め、ボール溝53aは浸炭焼入れによって硬化されてい
る。即ち、図10に示すように、ボール溝53aには硬
化層59が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図10に示
すように、浸炭焼入れにおいて、硬化層59は内方継手
部材53の肉厚に関係なく一定の硬化深度に形成されて
いる。即ち、内方継手部材53において、最も肉厚が薄
く、応力集中しやすい薄肉部60では、硬化層59の占
める割合が多くなっている。このため、薄肉部60の靱
性は内方継手部材53における他の部分に比べて低くな
っている。
【0006】図9及び図10に示すように、被動軸56
が最大の作動角θをなした状態で回転する場合、トルク
伝達ボール55からボール溝53aへ加わる接触圧力の
作用点は薄肉部60近傍まで移動してきて、同薄肉部6
0には最大引張り応力が発生する。そして、被動軸56
の作動角θの変位に伴うトルク伝達ボール55の転動に
より、薄肉部60には0〜最大値まで変動する引張り応
力が繰り返し発生する。
【0007】この結果、靱性の低い薄肉部60には早期
に亀裂等の疲労破壊が発生するおそれがあった。従っ
て、内方継手部材53の製品寿命、ひいては等速ジョイ
ント51の製品寿命が短くなるおそれがあった。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その主な目的は、製品寿命を向上さ
せることができる等速ジョイントを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、第1軸に連結され、複数のボール溝を内周面に備え
た外方継手部材と、第2軸に連結され、複数のボール溝
を外周面に備えた内方継手部材と、外方継手部材及び内
方継手部材の各ボール溝に嵌合された複数のトルク伝達
用ボールと、外方継手部材と内方継手部材間に配置さ
れ、前記トルク伝達用ボールを保持するケージとを備え
た自在継手において、前記内方継手部材の薄肉部と非薄
肉部とは硬化層の厚みを、薄肉部側の方が薄くなるよう
に加熱処理されていることをその要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記加熱処理は、高周波誘導加熱処理
であることをその要旨とする。請求項3に記載の発明
は、請求項1及び請求項2に記載の発明において、前記
薄肉部側は、硬化層が形成されていないことをその要旨
とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記ボ
ール溝において、同ボール溝とトルク伝達ボールとが接
触するトルク伝達ボールの転動範囲にのみ硬化層を形成
したことをその要旨とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求
項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記薄
肉部は、内方継手部材の端部であることをその要旨とす
る。請求項6に記載の発明は、第1軸に連結され、複数
のボール溝を内周面に備えた外方継手部材と、第2軸に
連結され、複数のボール溝を外周面に備えた内方継手部
材と、外方継手部材及び内方継手部材の各ボール溝に嵌
合された複数のトルク伝達用ボールと、外方継手部材と
内方継手部材間に配置され、前記トルク伝達用ボールを
保持するケージとを備えた自在継手の内方継手部材の加
熱処理方法において、前記内方継手部材の薄肉部と非薄
肉部とに対して、高周波誘導加熱コイルを配置する際
に、非薄肉部に対して近接配置した状態で、高周波誘導
加熱処理を行うことをその要旨とする。
【0013】請求項7に記載の発明は、第1軸に連結さ
れ、複数のボール溝を内周面に備えた外方継手部材と、
第2軸に連結され、複数のボール溝を外周面に備えた内
方継手部材と、外方継手部材及び内方継手部材の各ボー
ル溝に嵌合された複数のトルク伝達用ボールと、外方継
手部材と内方継手部材間に配置され、前記トルク伝達用
ボールを保持するケージとを備えた自在継手の内方継手
部材の加熱処理方法において、前記内方継手部材の薄肉
部に対して、当て金を当接した状態で、高周波誘導加熱
コイルにて内方継手部材の非薄肉部の高周波誘導加熱処
理を行うことをその要旨とする。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、前記当て金は、加熱処理中に、薄肉部
の発熱を放熱する冷やし金であることをその要旨とす
る。請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明に
おいて、前記当て金は、非磁性体であることをその要旨
とする。
【0015】請求項10に記載の発明は、請求項7及び
請求項9に記載の発明において、前記当て金は、低電気
抵抗を有するものであることをその要旨とする。請求項
11に記載の発明は、請求項7〜請求項10のうちいず
れか一項に記載の発明において、前記高周波誘導加熱コ
イルからの磁束の密度は、薄肉部近傍では疎、非薄肉部
では密となるように設定したことをその要旨とする。 (作用)従って、請求項1に記載の発明においては、内
方継手部材の薄肉部と非薄肉部とは、硬化層の厚みを薄
肉部側の方が薄くなるように加熱処理されている。この
ため、薄肉部における硬化層と非硬化層との割合のバラ
ンスが保持され、同薄肉部の靱性が向上すると共に、ト
ルク伝達ボールの転動により生じる繰り返し引張り応力
に対する疲労強度が向上する。従って、内方継手部材の
製品寿命、ひいては自在継手の製品寿命は向上すること
となる。
【0016】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の発明の作用に加えて、前記熱処理硬化手段は
高周波誘導加熱処理とされる。このため、浸炭処理(浸
炭焼入れ)の場合は加工ラインに組み込むことが難しい
が、高周波誘導加熱処理の場合には加熱処理工程を加工
ラインに組み込むことが可能となる。従って、製造工程
が短縮されると共に、製造コストが低減されることとな
る。
【0017】請求項3に記載の発明においては、請請求
項1及び請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記薄
肉部側は硬化層が形成されていない。このため、薄肉部
は高靱性を有した非硬化層に保持される。従って、薄肉
部の靱性は向上し、繰り返し引張り応力に対する疲労強
度を向上する。
【0018】請求項4に記載の発明においては、請求項
1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に
加えて、前記内方継手部材のボール溝において、トルク
伝達ボールの転動範囲にのみ硬化層が形成される。この
ため、内方継手部材の外周面及びボール溝の各部分にお
ける必要な強度及び寿命は確保される。従って、内方継
手部材の製品寿命は向上することとなる。
【0019】請求項5に記載の発明においては、請求項
1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に
加えて、前記薄肉部は内方継手部材の端部である。この
ため、硬化層の効果深度を薄肉部と非薄肉部とで異なら
せることが容易となる。従って、硬化層形成の作業効率
は向上する。
【0020】請求項6に記載の発明においては、前記内
方継手部材の薄肉部と非薄肉部とに対して、高周波誘導
加熱コイルを配置する際に、非薄肉部に対して近接配置
した状態で、高周波加熱処理が行われる。このため、高
周波電流の表皮効果により、非薄肉部は高周波誘導電流
密度が高くなると共に、加熱されやすくなる。また、薄
肉部は高周波誘導電流密度が低くなると共に、加熱され
にくくなる。従って、非薄肉部には深い硬化層、薄肉部
には浅い硬化層が形成されることとなる。
【0021】請求項7に記載の発明においては、請求項
6に記載の発明の作用に加えて、高周波誘導加熱コイル
に高周波電流を流したとき、当て金には高周誘導電流が
流れ、同誘導電流により発生する磁束は、高周波誘導加
熱コイルにより発生する磁束を打ち消すように作用す
る。このため、薄肉部に作用する高周波誘導加熱コイル
からの磁束は遮断される。従って、薄肉部の昇温は妨げ
られることとなる。
【0022】請求項8に記載の発明においては、請求項
7に記載の発明の作用に加えて、冷やし金の放熱効果に
より、内方継手部材における冷やし金の接触する部分は
ジュール発熱が妨げられる。このため、内方継手部材に
おける冷やし金の接触する部分には硬化層が形成されに
くくなる。従って、冷やし金により硬化層の形成範囲及
び硬化深度を設定及び調節することが可能となる。
【0023】請求項9に記載の発明においては、請求項
7に記載の発明の作用に加えて、当て金は非磁性体にて
形成される。このため、当て金自身は磁気を帯びること
がない。従って、確実に高周波誘導加熱コイルからの磁
束を遮断することができる。
【0024】請求項10に記載の発明においては、請求
項7及び請求項9に記載の発明の作用に加えて、当て金
は電気抵抗の小さな材料にて形成される。このため、高
周波誘導電流による当て金のジュール発熱は低減され
る。従って、薄肉部の昇温はいっそう妨げられる。
【0025】請求項11に記載の発明においては、請求
項7〜請求項10のうちいずれか一項に記載の発明の作
用に加えて、薄肉部近傍はジュール発熱による昇温が少
なく、非薄肉部はジュール発熱による昇温が著しい。こ
のため、薄肉部近傍には浅い硬化層が形成され、非薄肉
部には深い硬化層が形成される。従って、薄肉部の靱性
は向上することとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車等に使用さ
れる等速ジョイントに具体化した一実施形態を図1〜図
3に従って説明する。
【0027】図1に示すように、自在継手としての等速
ジョイント11は、外方継手部材12、ケージ13、内
方継手部材14、トルク伝達ボール15を備えている。
外方継手部材12には第1軸としての被動軸16が連結
されており、同外方継手部材12の内周面には複数のボ
ール溝17が周方向に等間隔に形成されている。外方継
手部材12の内部にはケージ13が嵌合されており、同
ケージ13の外周面(凸球面)は外方継手部材12の内
周面(凹球面)に対して相対的に回転可能とされてい
る。また、ケージ13の外周面には複数のボール保持窓
18が周方向に等間隔に形成されている。
【0028】ケージ13の内部には内方継手部材14が
嵌合されており、同内方継手部材14には第2軸として
の駆動軸19がスプライン結合されている。内方継手部
材14の外周面(凸球面)はケージ13の内周面(凹球
面)に対して相対的に回転可能とされている。また、内
方継手部材13の外周面には複数のボール溝20が周方
向に等間隔に形成されている。
【0029】前記ボール溝17とボール溝20との間に
は、複数のトルク伝達ボール15が配置されており、同
トルク伝達ボール15はケージ13のボール保持窓18
にて保持されている。即ち、トルク伝達ボール15は前
記両ボール溝17, 20をボール保持窓18を介して往
復転動可能とされている。
【0030】図2に示すように、内方継手部材14は焼
入れ硬化能を有する鋼材にて形成されており、ボール溝
20の駆動軸挿入側(図2における右側)端部(以下、
「薄肉部」という。)34の肉厚が最も薄くなってい
る。そして、内方継手部材14の外周面表層には高周波
誘導加熱処理としての高周波焼入により硬化層31が形
成されている。尚、内方継手部材14の薄肉部34以外
の部分、即ち薄肉部34よりも肉厚が大きくされている
部分を非薄肉部という。
【0031】内方継手部材14において、硬化層31か
ら内方継手部材14の内周面までの間(以下、「内質
部」という。)は焼入れされない非硬化層33とされて
いる。硬化層31は非硬化層33に比べて硬度が高く、
高い耐摩耗性を有している。また、非硬化層33は硬化
層31に比べて高い靱性を有している。
【0032】図2〜図4に示すように、前記硬化層31
は反駆動軸挿入側(図2における左側)端面35から薄
肉部34近傍までは一定の硬化深度d1が保持されてい
る。そして、薄肉部34近傍から駆動軸挿入側端面34
aへ向かって徐々に浅くされ、駆動軸挿入側端面34a
では最も浅い硬化深度d2に保持されている。
【0033】即ち、ボール溝20の薄肉部34近傍にお
ける硬化層31の占める割合は減少されていると共に、
非硬化層33の割合は増大されている。このため、ボー
ル溝20の薄肉部34近傍における靱性の向上が図られ
ていると共に、トルク伝達ボール15の転動に伴う繰り
返し引張応力に対する疲労強度の向上が図られている。
【0034】尚、前記硬化層31の硬化深度(深さ)
は、ボール溝20の円弧状底面の当該部分において、同
底面に直交する方向での厚みをいう。次に、高周波焼入
れによる硬化層31の形成方法について説明する。
【0035】高周波焼入による硬化層31の硬化深度
は、使用する周波数、被焼入物体である内方継手部材1
4外周面の単位表面積当たりの電力密度(磁束密度)等
に著しく左右される。即ち、周波数を高くして大電力を
加えれば内方継手部材14の外周面は熱伝導によって内
部の温度が上昇する前に急速に焼入温度まで達する。こ
の結果、薄く高硬度の硬化層31が形成される。一方、
周波数を低くして低電力を加えれば内方継手部材14は
熱伝導により外周面から徐々に加熱される。この結果、
深い硬化層31が形成される。
【0036】尚、低い周波数の高周波電流を使用して
も、大電力を短時間に加えることにより薄い硬化層31
を形成することが可能である。逆に、高い周波数の高周
波電流を使用しても電力密度を低くして使用すれば、深
い硬化層31を形成することが可能である。従って、内
方継手部材14の外周面に加える電力密度に差をつける
ことにより、深い硬化層31と浅い硬化層31とを同時
に形成することが可能となる。
【0037】そこでまず、図5に示すように、内方継手
部材14を、同内方継手部材14の外周面形状に対応す
る適切な形状に形成された焼入れコイル41内に近接し
て配置する。
【0038】次に、焼入コイル41に高周波電流を流す
と共に、高周波電力の周波数、及び焼入れコイル41と
内方継手部材14外周面との間隙を適宜調節して、高周
波磁束がボール溝20の薄肉部34近傍では疎、それ以
外の部分では密に集中するようにする。
【0039】次に、周波数を高くして、焼入れコイル4
1と内方継手部材13における薄肉部34以外の部分と
の間隙を極力小さくする。すると、高周波電流の表皮効
果により、薄肉部34以外の部分は高周波誘導電流密度
が高く加熱されやすくなり、薄肉部34は高周波誘導電
流密度が低く加熱されにくくなる。尚、高周波電流の表
皮効果とは、高周波電流はその周波数が高いほど導電体
の表面のみを流れる性質のことである。
【0040】このため、内方継手部材14のボール溝2
0を含む外周面表層には高周波誘導電流が流れ、同外周
面表層は高周波誘導電流のジュール熱(抵抗熱)によっ
て急速に加熱される。内方継手部材14の外周面が焼入
温度(鋼のオーステナイト化温度)に達すると、同外周
面表層は焼入れ前の通常組織からオーステナイト組織へ
と変態する。
【0041】そして、内方継手部材14の外周面が焼入
温度に達したとき、焼入れコイル41への通電を遮断す
ることにより加熱を停止し、外部から冷却液を噴射して
内方継手部材14を冷却する。この結果、内方継手部材
14の外周面表層はオーステナイト組織状態から硬質の
マルテンサイト組織へと変態し、硬化層31が形成され
る。
【0042】従って、前記高周波誘導電流密度の差によ
り、内方継手部材14における薄肉部34以外の部分に
は深い硬化深度d1の硬化層31が形成され、薄肉部3
4近傍には浅い硬化深度d2の硬化層31が形成され
る。また、内方継手部材14の内質部は焼入れ温度に達
するまで加熱されないことにより硬化せず、高い靱性を
有する元の通常組織(非硬化層33)のまま保持され
る。
【0043】また、内方継手部材14の冷却時に発生す
る急冷による内部熱応力は非硬化層33により緩和され
ると共に、マルテンサイト変態に伴う体積膨張は高靱性
を有する非硬化層(内質部)33により阻止される。こ
の結果、内方継手部材14の薄肉部34には圧縮残留応
力が発生する。従って、薄肉部34近傍における前記ト
ルク伝達ボール15の転動により生じる繰り返し引張り
応力に対する疲労強度は向上することとなる。
【0044】次に、等速ジョイント11の駆動時におけ
る作用について説明する。図1に示すように、駆動軸1
9が回転駆動されると、この回転トルクは内方継手部材
14、トルク伝達ボール15及び外方継手部材12を介
して被動軸16へ伝達される。トルク伝達ボール15
は、被動軸16の作動角θの変位に伴って、内方継手部
材のボール溝20内を往復転動する。この結果、ボール
溝20には0〜最大値まで変動する引張り応力が繰り返
し発生する。
【0045】図1及び図2に示すように、ボール溝20
における薄肉部34は、トルク伝達ボール15の転動に
よる繰り返し引張り応力及び摩擦等に充分耐え得る面と
されている。従って、トルク伝達ボール15の転動によ
り、薄肉部34に繰り返し引張り応力が加わっても、同
薄肉部34には早期に亀裂等の疲労破壊が発生すること
はない。
【0046】従って、本実施形態によれば、以下の効果
を得ることができる。 ・ 内方継手部材14の薄肉部34と非薄肉部とは、硬
化層31の厚みを薄肉部34側の方が薄くなるように加
熱処理した。このため、薄肉部34における硬化層31
と非硬化層33との割合のバランスが保持され、同薄肉
部34の靱性が向上すると共に、トルク伝達ボール15
の転動により生じる繰り返し引張り応力に対する疲労強
度が向上する。従って、内方継手部材14の製品寿命、
ひいては等速ジョイント11の製品寿命を向上させるこ
とができる。
【0047】・ 内方継手部材14の外周面表層には高
周波焼入れにて硬化層31を形成した。このため、加熱
処理工程を加工ラインに組み込むことが可能となる。従
って、製造工程を短縮することができると共に、製造コ
ストを低減することができる。
【0048】・ 薄肉部34は内方継手部材14の端部
とした。このため、硬化層31の硬化深度を薄肉部34
と非薄肉部とで異ならせることが容易となる。従って、
硬化層31形成の作業効率を向上させることができる。
【0049】・ 内方継手部材14の薄肉部34と非薄
肉部とに対して、焼入れコイル41を配置する際に、非
薄肉部に対して近接配置した状態で、高周波焼入れが行
われる。このため、高周波電流の表皮効果により、非薄
肉部は高周波誘導電流密度が高くなると共に、加熱され
やすくなる。また、薄肉部34は高周波誘導電流密度が
低くなると共に、加熱されにくくなる。従って、非薄肉
部には深い硬化層31、薄肉部34には浅い硬化層31
が形成されることとなる。
【0050】・ 焼入れコイル41に高周波電流を流す
ことにより生じる磁束の密度は、薄肉部34近傍では
疎、非薄肉部では密となるように設定した。このため、
薄肉部34近傍はジュール発熱による昇温が少なく、非
薄肉部はジュール発熱による昇温が著しい。従って、薄
肉部34近傍には浅い硬化層31が形成され、非薄肉部
には深い硬化層31が形成されることにより、薄肉部3
4の靱性を向上させることができる。
【0051】・ 内方継手部材14は、同内方継手部材
14の外周面形状に対応して形成された焼入れコイル4
1内に近接して配置され、この状態で高周波焼入れが施
される。このため、内方継手部材14の圧縮強度、耐摩
耗性及び疲労強度等が向上する。即ち、焼入れコイル4
1の形状が適切であれば、複雑な形状を有した内方継手
部材14等のような部材の表面硬化を行うことができ
る。
【0052】・ 薄肉部34の硬化層31を非硬化層よ
りも薄く形成することにより、薄肉部34における硬化
層31の占める割合を低くすると共に、非硬化層33の
占める割合を高くした。このため、薄肉部34における
硬化層31と非硬化層33とのバランスがとれることに
より薄肉部34の靱性が向上する。そして、焼入れ加熱
後の急冷による内部熱応力は非硬化層33により緩和さ
れると共に、マルテンサイト変態に伴う体積膨張は非硬
化層33により阻止される。従って、薄肉部34のトル
ク伝達ボール15の転動に伴う引張り応力に対する疲労
強度を向上させることができると共に、焼入れ時におけ
る薄肉部34近傍の焼割れを防止することができる。
【0053】・ 薄肉部34の強度向上に伴い、内方継
手部材14全体の強度が向上する。このため、トルク伝
達時、内方継手部材14に作用する繰り返し引張り応力
に対する疲労強度はバランスよく向上する。従って、等
速ジョイント11を小型化及び軽量化することができ
る。
【0054】尚、前記実施形態は以下のように変更して
実施してもよい。 (1) 高周波焼入れは、高周波電流の表皮効果と、被
焼入物体内に誘導された高周波誘導電流のジュール熱を
利用した焼入法である。従って、図6に示すように、薄
い硬化層31を形成する薄肉部34に、高周波電流の磁
束を遮断するための当て金としての冷やし金42を当接
した状態で焼入れを行ってもよい。冷やし金42はステ
ンレス等の非磁性体であると共に、電気抵抗の小さな金
属材料にて形成する。
【0055】このようにすれば、焼入れコイル41に高
周波電流を流したとき、冷やし金42には誘導電流が流
れ、同誘導電流により生じる磁束は、焼入れコイル41
により生じる磁束を打ち消すように作用する。このた
め、冷やし金42の端面からの磁束は冷やし金42中を
通過し難くなり、冷やし金42を回避して内方継手部材
14に作用する。即ち、冷やし金42の放熱作用によ
り、内方継手部材の冷やし金に接触する部分のジュール
発熱は妨げられ、薄肉部34の温度上昇が阻止される。
従って、薄肉部34には浅い硬化層31が形成されるこ
により、薄肉部34の靱性を向上させることができる。
【0056】また、冷やし金42は磁束を遮断すること
により、内方継手部材14のジュール発熱を阻止するも
のである。従って、冷やし金42の内径及び厚み等を変
えることにより、内方継手部材14に作用する磁束の幅
等を調節することが可能である。即ち、冷やし金42に
より硬化層31の硬化深度及び範囲等を設定及び調整を
することができる。
【0057】さらに、冷やし金42は非磁性体であるこ
とにより、冷やし金42自身は磁気を帯びることがな
い。従って、確実に焼入れコイル41から生じる磁束を
遮断することができる。また、冷やし金42の電気抵抗
は低いことにより、高周波誘導電流による冷やし金42
自身のジュール発熱は低減され、薄肉部34の昇温をい
っそう阻止することができる。
【0058】(2) 図7に示すように、薄肉部34近
傍には焼入れを施さず、非硬化層33の状態に保持して
もよい。即ち、焼入れを行わない部分を覆うように冷や
し金42を装着し、この状態で焼入れ処理を行う。する
と、冷やし金42の放熱作用により、薄肉部34近傍に
は硬化層31は形成されず、高靱性を有する非硬化層3
3の状態に保持される。このため、薄肉部34の靱性及
び疲労強度は向上する。従って、内部継手部材14の製
品寿命、ひいては等速ジョイント11の製品寿命を向上
させることができる。
【0059】(3) 図8に示すように、トルク伝達ボ
ール15の転動範囲のみに硬化層31を形成してもよ
い。トルク伝達ボール15の転動範囲とは、図1に示す
被動軸16が最大変位角度をなして揺動したとき、トル
ク伝達ボール15が内方継手部材14の外周面及びボー
ル溝20に接触する範囲のことである。言い換えれば、
被動軸16が最大変位角度をなして揺動したときに占め
るトルク伝達ボール15の位置である。即ち、トルク伝
達ボール15の転動範囲外の部分には冷やし金42をあ
てがい、この状態で焼入れ処理を行う。すると、冷やし
金42の放熱作用により、トルク伝達ボール15の転動
範囲外の部分には硬化層31は形成されず、非硬化層3
3の状態で保持される。このため、トルク伝達ボール1
5の転動範囲には、硬化層31が形成され、必要な強度
及び寿命は確保される。また、ボール溝20における薄
肉部34には硬化層31が形成されないことにより、同
薄肉部34の靱性及び疲労強度は向上する。従って、内
方継手部材14の製品寿命を向上させることができる。
【0060】(4) ボール溝20の薄肉部34近傍の
溝底のみ硬化深度が浅くなるように硬化層31を形成し
てもよい。このようにしても、薄肉部34近傍の靱性を
向上させることができる。
【0061】(5) UFJ(Undercut Fr
ee Joint)型の等速ジョイント等、薄肉部を有
する他の型の等速ジョイントに応用してもよい。このよ
うにしても、本実施形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0062】以上、一実施形態について説明したが、実
施形態から把握できる請求項以外の技術的思想につい
て、以下にそれらの効果と共に記載する。 (1) 薄肉部(34)近傍における硬化層(31)の
硬化深度は、非硬化層よりも浅く設定した自在継手の内
方継手部材。このようにすれば、薄肉部(34)の繰り
返し引張り応力に対する疲労強度を向上させることがで
きる。
【0063】(2) 薄肉部(34)近傍は非硬化層
(33)に保持されるようにし、非薄肉部には硬化層
(31)を形成した自在継手の内方継手部材。このよう
にすれば、薄肉部の靱性を向上させることができる。
【0064】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、薄肉部
の靱性が向上すると共に、トルク伝達ボールの転動によ
り生じる繰り返し引張り応力に対する疲労強度が向上す
ることにより、内方継手部材の製品寿命、ひいては自在
継手の製品寿命を向上させることができる。
【0065】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、加熱処理工程を加工ライ
ンに組み込むことが可能となることにより、製造工程を
短縮することができると共に、製造コストを低減するこ
とができる。
【0066】請求項3に記載の発明によれば、請請求項
1及び請求項2に記載の発明の効果に加えて、薄肉部は
高靱性を有した非硬化層に保持されることにより、薄肉
部の靱性を向上させると共に、繰り返し引張り応力に対
する疲労強度を向上させることができる。
【0067】請求項4に記載の発明によれば、請請求項
1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の効果に
加えて、内方継手部材の外周面及びボール溝の各部分に
おける必要な強度及び寿命が確保されることにより、内
方継手部材の製品寿命を向上させることができる。
【0068】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加
えて、硬化層の効果深度を薄肉部と非薄肉部とで異なら
せることが容易となることにより、硬化層形成の作業効
率を向上させることができる。
【0069】請求項6に記載の発明によれば、高周波電
流の表皮効果により、非薄肉部は高周波誘導電流密度が
高くなって加熱されやすくなると共に、薄肉部は高周波
誘導電流密度が低くなって加熱されにくくなることによ
り、非薄肉部には深い硬化層、薄肉部には浅い硬化層を
形成することができる。
【0070】請求項7に記載の発明によれば、請求項6
に記載の発明の効果に加えて、薄肉部に作用する高周波
誘導加熱コイルからの磁束が遮断されることにより、薄
肉部の昇温を妨げることができる。
【0071】請求項8に記載の発明によれば、請求項7
に記載の発明の効果に加えて、内方継手部材における冷
やし金の接触する部分には硬化層が形成されにくくなる
ことにより、冷やし金により硬化層の形成範囲及び硬化
深度を設定及び調節することができる。
【0072】請求項9に記載の発明によれば、請求項7
に記載の発明の効果に加えて、当て金自身は磁気を帯び
ることがないことにより、確実に高周波誘導加熱コイル
からの磁束を遮断することができる。
【0073】請求項10に記載の発明によれば、請求項
7及び請求項9に記載の発明の効果に加えて、高周波誘
導電流による当て金のジュール発熱が低減されることに
より、薄肉部の昇温をいっそう妨げることができる。
【0074】請求項11に記載の発明によれば、請求項
7〜請求項10のうちいずれか一項に記載の発明の効果
に加えて、薄肉部近傍には浅い硬化層が形成され、非薄
肉部には深い硬化層が形成されることにより、薄肉部の
靱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における等速ジョイントの縦断面
図。
【図2】本実施形態における内部継手部材の片側縦断面
図。
【図3】図2における1−1線片側断面図。
【図4】図2における2−2線片側断面図。
【図5】内部継手部材と焼入れコイルとの配置関係を示
す片側配置図。
【図6】(a)は、別の実施形態における内部継手部材
の片側縦断面図。(b)は、別の実施形態における内部
継手部材の片側横断面図。
【図7】別の実施形態における内部継手部材の片側縦断
面図。
【図8】別の実施形態における内部継手部材の片側縦断
面図。
【図9】従来の等速ジョイントの縦断面図。
【図10】従来の内部継手部材の片側縦断面図。
【符号の説明】
11…等速ジョイント(自在継手)、12…外方継手部
材、13…ケージ、14…内方継手部材、15…トルク
伝達ボール、16…被動軸(第1軸)、17…ボール
溝、18…ボール保持窓、19…駆動軸(第2軸)、2
0…ボール溝、31…硬化層、33…非硬化層、34…
駆動軸挿入側端部(薄肉部)、35…反駆動軸挿入側端
面、41…焼入れコイル(高周波誘導加熱コイル)、4
2…冷やし金(当て金)、d1,d2…硬化深度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川角 哲治 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 4K042 AA25 BA04 DA01 DB01 DC01 DD04 DE02 EA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1軸(16)に連結され、複数のボー
    ル溝(17)を内周面に備えた外方継手部材(12)
    と、 第2軸(19)に連結され、複数のボール溝(20)を
    外周面に備えた内方継手部材(14)と、 外方継手部材(12)及び内方継手部材(14)の各ボ
    ール溝(17,20)に嵌合された複数のトルク伝達用
    ボール(15)と、 外方継手部材(12)と内方継手部材(14)間に配置
    され、前記トルク伝達用ボール(15)を保持するケー
    ジ(13)とを備えた自在継手(11)において、 前記内方継手部材(14)の薄肉部(34)と非薄肉部
    とは、硬化層(31)の厚みを薄肉部(34)側の方が
    薄くなるように加熱処理されている自在継手。
  2. 【請求項2】 前記加熱処理は、高周波誘導加熱処理で
    ある請求項1に記載の自在継手。
  3. 【請求項3】 前記薄肉部(34)側は、硬化層(3
    1)が形成されていない請求項1及び請求項2に記載の
    自在継手。
  4. 【請求項4】 前記ボール溝(20)において、同ボー
    ル溝(20)とトルク伝達ボール(15)とが接触する
    トルク伝達ボール(15)の転動範囲にのみ硬化層(3
    1)を形成した請求項1〜請求項3のうちいずれか一項
    に記載の自在継手。
  5. 【請求項5】 前記薄肉部(34)は、内方継手部材
    (14)の端部である請求項1〜請求項4のうちいずれ
    か一項に記載の自在継手。
  6. 【請求項6】 第1軸(16)に連結され、複数のボー
    ル溝(17)を内周面に備えた外方継手部材(12)
    と、 第2軸(19)に連結され、複数のボール溝(20)を
    外周面に備えた内方継手部材(14)と、 外方継手部材(12)及び内方継手部材(14)の各ボ
    ール溝(17,20)に嵌合された複数のトルク伝達用
    ボール(15)と、 外方継手部材(12)と内方継手部材(14)間に配置
    され、前記トルク伝達用ボール(15)を保持するケー
    ジ(13)とを備えた自在継手(11)の内方継手部材
    (14)の加熱処理方法において、 前記内方継手部材(14)の薄肉部(34)と非薄肉部
    とに対して、高周波誘導加熱コイル(41)を配置する
    際に、非薄肉部に対して近接配置した状態で、高周波誘
    導加熱処理を行う自在継手(11)の内方継手部材(1
    4)の加熱処理方法。
  7. 【請求項7】 第1軸(16)に連結され、複数のボー
    ル溝(17)を内周面に備えた外方継手部材(12)
    と、 第2軸(19)に連結され、複数のボール溝(20)を
    外周面に備えた内方継手部材(14)と、 外方継手部材(12)及び内方継手部材(14)の各ボ
    ール溝(17,20)に嵌合された複数のトルク伝達用
    ボール(15)と、 外方継手部材(12)と内方継手部材(14)間に配置
    され、前記トルク伝達用ボール(15)を保持するケー
    ジ(13)とを備えた自在継手(11)の内方継手部材
    (14)の加熱処理方法において、 前記内方継手部材(14)の薄肉部(34)に対して、
    当て金(42)を当接した状態で、高周波誘導加熱コイ
    ル(41)にて内方継手部材(14)の非薄肉部の高周
    波誘導加熱処理を行う自在継手(11)の内方継手部材
    (14)の加熱処理方法。
  8. 【請求項8】 前記当て金(42)は、加熱処理中に、
    薄肉部(34)の発熱を放熱する冷やし金(42)であ
    る請求項7に記載の自在継手(11)の内方継手部材
    (14)の加熱処理方法。
  9. 【請求項9】 前記当て金(42)は、非磁性体である
    請求項7に記載の自在継手(11)の内方継手部材(1
    4)の加熱処理方法。
  10. 【請求項10】 前記当て金(42)は、低電気抵抗を
    有するものである請求項7及び請求項9に記載の自在継
    手(11)の内方継手部材(14)の加熱処理方法。
  11. 【請求項11】 前記高周波誘導加熱コイル(41)か
    らの磁束の密度は、薄肉部(34)近傍では疎、非薄肉
    部では密となるように設定した請求項7〜請求項10の
    うちいずれか一項に記載の自在継手(11)の内方継手
    部材の加熱処理方法。
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