JP2007170423A - 等速自在継手及びその内方部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内方部材の軸孔の内径面に熱処理を施す場合、内方部材の強度を確保すると共にシャフトとのスプライン嵌合のガタを抑制する。
【解決手段】 外輪との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備され、内径に形成された軸孔12にシャフトを挿入してスプライン嵌合する内輪6であって、軸孔12の内径面17に高周波焼入れによる硬化層19を形成し、かつ、軸孔12の軸方向中央部位22での硬化層19の深さbを軸方向両端部位20,21での硬化層19の深さa,cよりも大きくする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用され、例えば4WD車やFR車などで使用されるドライブシャフトやプロペラシャフトに組み込まれる固定型あるいは摺動型の等速自在継手及びその等速自在継手の一部を構成する内方部材に関する。
例えば、自動車のドライブシャフト等の連結用継手として使用されている固定型等速自在継手(ツェパー型等速自在継手:BJ)は、球面状の内径面に曲線状のトラック溝を軸方向に形成した外方部材としての外輪と、球面状の外径面に曲線状のトラック溝を軸方向に形成した内方部材としての内輪と、外輪のトラック溝とこれに対応する内輪のトラック溝とが協働して形成されるボールトラックに配された複数のトルク伝達用ボールと、それらのボールを保持するポケットを備えた保持器とで構成される。複数のボールは、保持器に形成されたポケットに収容されて円周方向等間隔に配置されている。
この等速自在継手をドライブシャフトに使用する場合、外輪の一端から軸方向に一体的に延びる軸部(従動軸)を車輪軸受装置に連結すると共に、内輪の軸孔にスプライン嵌合されたシャフト(駆動軸)を摺動型等速自在継手に連結するようにしている。この外輪の軸部と内輪側のシャフトの二軸間で外輪と内輪とが角度変位すると、保持器のポケットに収容されたボールは常にどの作動角においても、その作動角の二等分面内に維持され、継手の等速性が確保される。ここで、作動角とは、外輪の軸部と内輪のシャフトとがなす角度を意味する。
等速自在継手の内輪については、高強度化を図るため、例えば浸炭焼入れ等の熱処理により硬化層を形成し、製品寿命を向上させ、ひいては等速自在継手の製品寿命を向上させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−227123号公報 実公平6−33220号公報 特開2001−343023号公報 特開2001−287122号公報 特開2001−323920号公報
ところで、前述した等速自在継手における内輪は、通常、焼入れ硬化能を有する鋼材にて形成されており、図9および図10に示すように保持器の内径面と接触する外径面104と、ボールが転動するために高面圧に晒されるトラック溝105と、シャフトがスプライン嵌合される軸孔112の内径面117を含む全周に亘って、浸炭焼入れによる硬化層118が形成されている。
なお、図9は図10のF−F線に沿う断面図であり、図10は図9のE−O−E線に沿う断面図である。同図においては、断面を表すハッチングを省略し、硬化層118を形成部位をハッチングで表している。
このように内輪106の外径面104、トラック溝105および軸孔112の内径面117に浸炭焼入れによる硬化層118を形成することにより、内輪106の強度を確保しているが、特に、シャフトがスプライン嵌合により連結固定される軸孔112の内径面117については、浸炭焼入れによる硬化層118の形成でもって内輪106の強度を確保することが重要である。
一方、近年の自動車においては、乗り心地を良くするために駆動系のガタを小さくすることが求められている。内輪106とシャフトのスプライン嵌合については、一般的に、シャフトのスプラインに捩れ角を付加することで内輪106とシャフトのスプライン嵌合のガタ量を低減するようにしている。しかしながら、捩れ角は、捩れる方向(自動車の前進と後退の二方向)に対して非対称の形状となるため、捩れトルクの負荷方向に対してシャフトの強度が変化してしまう。
これを防止する目的で、自動車に使用される左右一組のドライブシャフトに対して、シャフトのスプラインの捩れ角の方向を左右別々に設定することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このような手段を採用すると、左右同じシャフトで生産可能なものでも、スプラインのみ左右別形状となって製品の種類が増えてしまうことになる。また、捩れ角の方向の違いは目視での確認が困難なために製品管理が困難になり、また、左右別々に生産ラインが必要となるために生産性が悪くなるという問題がある。
この問題を解決するため、シャフトのスプラインに、捩れ角に代えて左右対称形状のクラウニングを設けることにより、内輪106とシャフトのスプライン嵌合のガタをなくし、捩れトルクの負荷方向に強度が依存しないようにしたものが提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。しかしながら、これらの手段は、前述した特許文献2と同様、いずれもシャフトに関するものであり、内輪106のスプラインに関して解決手段を講じたものがないというのが現状であった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、内方部材の軸孔の内径面に熱処理を施す場合、内方部材の強度を確保すると共にシャフトとのスプライン嵌合のガタを抑制し得る等速自在継手及びその内方部材を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、外方部材との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備され、内径に形成された軸孔にシャフトを挿入してスプライン嵌合する内方部材であって、軸孔の内径面に熱処理による硬化層を形成し、かつ、軸孔の軸方向中央部位での硬化層の深さを軸方向両端部位での硬化層の深さよりも大きくしたことを特徴とする。ここで、「軸孔の軸方向両端部位」とは、軸孔の軸方向中央部位を除く部位を意味する。
硬化層を軸孔に形成するに際して、その軸孔の軸方向中央部位での硬化層の深さを軸方向両端部位での硬化層の深さよりも大きくする場合、軸孔の軸方向中央部位で局部的に深くなるように形成したり、あるいは、軸孔の軸方向両端部位から軸方向中央部位に向けて漸次深くなるように形成したりすることが可能である。
この硬化層は、高周波焼入れによる熱処理で形成されていることが望ましい。高周波焼入れによる熱処理では、内方部材の強度を高める上で深い硬化層を形成することが容易であり、生産ラインのインライン化を実現することができる点で好適である。また、スプラインが形成された軸孔の内径面と、保持器の内径面と接触する外径面およびボールが転動するトラック溝とを一工程で同時に熱処理することも可能であるため、生産性がよくコスト面で有利である。さらに、硬化層における焼入れ深さにより、内方部材に対するシャフトの締め代を調整することが可能となる。なお、硬化層は、軸孔の円周方向に沿って不連続に形成したり、あるいは全周に亘って形成したりすることが可能である。
前述の構成からなる内方部材に、外方部材と、その外方部材と内方部材の間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材とを付加すれば、等速自在継手を構成することが可能となる。
この等速自在継手のように内方部材とシャフトがスプライン嵌合されている構造の場合、そのシャフトに捩りトルクが負荷されると、捩りの支点となるシャフトのスプライン根元部に応力が集中する。また、内方部材とシャフトのスプライン嵌合状態でガタ発生を抑制するためにスプラインに捩れ角を付加したシャフトを使用した場合、さらに、シャフトのスプライン根元部に応力が集中することになる。
この応力集中により捩り強度が低下する。また、捩れ角を付加した場合、捩れ角が捩れ方向に対して非対称な形状となってしまうため、捩る方向により応力集中の状況が異なり、捩りに対して強度が強い方向と弱い方向が発生してしまう。
そこで、本発明では、内方部材の軸孔の軸方向中央部位での硬化層の深さを軸方向両端部位での硬化層の深さよりも大きくなるように形成する。内方部材の軸孔の内径面に熱処理を施すと、その軸孔の内径部が熱処理に伴ったマルテンサイト変態によって体積が膨張し、その内径が小さくなる。この熱処理を深くすればするほど、体積膨張は大きくなり、軸孔の内径は小さくなる。従って、軸孔の軸方向中央部位での硬化層の深さを軸方向両端部位での硬化層の深さよりも大きくしたことにより、軸孔の軸方向両端部位での内径よりも軸方向中央部位の内径が小さくなる。
このように軸孔の軸方向両端部位での内径よりも軸方向中央部位の内径が小さくなることから、内方部材とシャフトがスプライン嵌合されている構造の場合、軸方向両端部位よりも内径が小さい軸方向中央部位でシャフトが内方部材に対してきつい圧入状態となる。
その結果、シャフトに捩りトルクが負荷されると、従来、捩りの支点となるシャフトのスプライン根元部、つまり内方部材の軸孔の軸方向端部位に応力が集中していたのが、本発明では、圧入力が最も大きな状態となっている軸方向中央部位に応力が集中し、シャフトのスプライン根元部にかかる応力集中を分散、緩和することができ、内方部材の強度確保を図ることができる。
また、内方部材の熱処理変形を利用したシャフトの圧入構造としたことにより、シャフトに捩れ角を付加することなく、内方部材とシャフトのスプライン嵌合でガタをなくすことが可能となる。
本発明によれば、軸孔の内径面に熱処理による硬化層を形成し、かつ、軸孔の軸方向中央部位での硬化層の深さを軸方向両端部位での硬化層の深さよりも大きくしたことにより、内方部材とシャフトをスプライン嵌合した場合、軸孔の軸方向中央部位での内径が軸方向両端部位よりも小さくなることから、その軸方向中央部位で応力が集中し、シャフトのスプライン根元部に対応する軸孔の軸方向端部位にかかる応力集中を分散、緩和することができるので、内方部材の強度を確保することができる。また同時に、内方部材の熱処理変形を利用したシャフトの圧入構造としたことにより、内方部材とシャフトのスプライン嵌合でガタをなくすことが可能となる。その結果、製品寿命を向上させることができると共に製品の信頼性も大幅に向上させることができる。
本発明の実施形態を以下に詳述する。なお、以下の実施形態は、8個ボールの固定式(ツェパー型)等速自在継手(BJ)に適用した場合を例示するが、他の等速自在継手、例えば、固定式(アンダーカットフリー型)等速自在継手(UJ)、摺動式(クロスグルーブ型)等速自在継手(LJ)や摺動式(ダブルオフセット型)等速自在継手(DOJ)、摺動式(トリポード型)等速自在継手(TJ)も適用可能である。また、6個ボールの固定式等速自在継手にも適用可能である。
図7および図8に示す実施形態の等速自在継手は、球面状の内径面1に曲線状のトラック溝2を軸方向に形成した外方部材としての外輪3と、球面状の外径面4に曲線状のトラック溝5を軸方向に形成した内方部材としての内輪6と、外輪3のトラック溝2とこれに対応する内輪6のトラック溝5とが協働して形成されるボールトラックに配された8個のトルク伝達用ボール7と、それらのボール7を保持するポケット8を備えた保持器9とで構成される。8個のボール7は、保持器9に形成されたポケット8に一個ずつ収容されて円周方向等間隔に配置されている。
外輪3のトラック溝2の曲率中心Oと内輪6のトラック溝5の曲率中心Oとは、ボール7の中心を含む継手中心面Oに対して軸方向に等距離だけ反対側にオフセットされ、そのため、ボールトラックは開口側が広く、奥側に向かって漸次縮小した楔形状になっている。また、外輪3の内径面1および内輪6の外径面4の球面中心はいずれも継手中心面Oと一致する。
前述の構成からなる等速自在継手を自動車のドライブシャフトに使用する場合、前述の外輪3のマウス部10の底部から一体的に延びる軸部11(従動軸)を車輪軸受装置(図示せず)に連結すると共に、内輪6の軸孔12にスプライン嵌合されたシャフト13(駆動軸)を摺動型等速自在継手(図示せず)を連結する。この内輪6とシャフト13をスプライン嵌合により連結したことにより両者間でトルク伝達可能となっている。
この等速自在継手では、外輪3の軸部11と内輪側のシャフト13の二軸間で作動角度変位を許容しながらトルク伝達が可能な構造となっている。つまり、外輪3と内輪6とが角度θだけ角度変位すると、保持器9に案内されたボール7は常にどの作動角θにおいても、その作動角θの二等分面(θ/2)内に維持され、継手の等速性が確保される。
内輪6の軸孔12に挿入されてスプライン嵌合したシャフト13は、その先端部に設けられた環状溝14に嵌め込まれたスナップリング15を、内輪6の軸孔12の奥側端部に設けられた段部16に係止させることにより、抜け止めされている。
この等速自在継手の内輪6は、高周波焼入れによる硬化処理が可能な鋼材、例えば機械構造用炭素鋼で製作されている。内輪6は、図1および図2に示すように保持器9の内径面と接触する外径面4と、ボール7が転動するために高面圧に晒されるトラック溝5と、シャフト13がスプライン嵌合される軸孔12の内径面17とに、高周波焼入れによる硬化層18,19が形成されている。
このように高周波焼入れによって内輪6を熱処理すれば、内輪6の強度を高める上で深い硬化層18,19を形成することができ、生産ラインのインライン化を実現することができる。また、シャフト13がスプライン嵌合される軸孔12の内径面17と、保持器9の内径面と接触する外径面4と、ボール7が転動するトラック溝5とを一工程で同時に熱処理することも可能となるため、生産性がよくコスト面でも有利である。さらに、硬化層18,19における焼入れ深さにより、内輪6に対するシャフト13の締め代を調整することができる。
ここで、図1は図2のB−O−B線に沿う断面図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図であるが、同図においては、断面を表すハッチングを省略し、硬化層18,19を形成部位をハッチングで表している。
内輪6の軸孔12の内径面17に形成された硬化層19は、軸孔12の軸方向中央部位22での深さbを軸方向両端部位20,21での深さa,cよりも大きくしている。前述の軸方向両端部位20,21は、軸方向中央部位22を除く部位である。
図1に示す実施形態では、軸孔12の軸方向中央部位22で局部的に深くなるように硬化層19を形成することにより、軸孔12の軸方向中央部位22での深さbを軸方向両端部位20,21での深さa,cよりも大きくしている(b>a,c)。なお、このように硬化層19を軸方向中央部位22で局部的に深く形成する以外に、図6に示す他の実施形態のように軸孔12の軸方向両端部位20,21(硬化層の深さa,c)から軸方向中央部位22(硬化層の深さb)へ向けて漸次深くなるように軸方向断面でテーパ状に硬化層19’を形成するようにしてもよい。
内輪6の軸孔12の内径面17に形成された硬化層19は、図2に示すように円周方向に沿って全周に亘って形成したり、あるいは、図3に示すように円周方向に沿って不連続に形成することも可能である。図3に示す硬化層19は、円周方向に沿って等間隔に複数配列した状態で断続的に形成された場合を例示している。なお、図6に示す実施形態の硬化層19’についても同様である。
この等速自在継手のように内輪6とシャフト13がスプライン嵌合されている構造の場合、そのシャフト13に捩りトルクが負荷されると、捩りの支点となるシャフト13のスプライン根元部23に応力が集中する(図4参照)。また、内輪6とシャフト13のスプライン嵌合状態でガタ発生を抑制するためにスプラインに捩れ角を付加したシャフト13を使用した場合には、シャフト13のスプライン根元部23に応力がさらに集中することになる。この応力の集中により捩り強度が低下し、また、捩れ角を付加した場合、捩れ角が捩れ方向に対して非対称な形状となってしまうため、捩る方向により応力集中の状況が異なり、捩りに対して強度が強い方向と弱い方向が発生してしまう。
そこで、この実施形態の内輪6では、図1に示すように軸孔12の軸方向中央部位22での硬化層19の深さbを軸方向両端部位20,21での硬化層19の深さa,cよりも大きくしたことにより、シャフト13のスプライン根元部23での応力集中を緩和する。つまり、内輪6の軸孔12の内径面17に高周波焼入れを施すと、その軸孔12の内径部が高周波焼入れに伴ってマルテンサイト変態によって体積が膨張し、その内径が小さくなる。高周波焼入れを深くすればするほど、体積膨張は大きくなり、軸孔12の内径は小さくなる。
このように軸孔12の内径面17に形成された硬化層19を軸方向両端部位20,21よりも軸方向中央部位22で深くしたことにより、図5に示すように軸孔12の軸方向中央部位22での内径Rが軸方向両端部位20,21での内径R,Rよりも小さくなる。この状態で、シャフト13を内輪6の軸孔12に挿入すると、軸孔12の軸方向中央部位22での内径Rが軸方向両端部位20,21での内径R,Rよりも小さくなっていることから、シャフト13が内輪6の軸方向中央部位22できつい圧入状態となる。
その結果、シャフト13に捩りトルクを負荷した場合、圧入力が最も大きな状態となっている内輪6の軸孔12の軸方向中央部位22に応力が集中し、シャフト13のスプライン根元部23に対応する内輪6の軸孔12の軸方向端部位20に加わる応力集中を分散させて緩和させることができ、内輪6の強度を確保することができる。
また、内輪6の高周波焼入れを利用したシャフト13の圧入構造としたことにより、シャフト13に捩れ角を付加することなく、スプライン嵌合のガタをなくすことが可能となる。このように捩れ角を付加しないシャフト13と内輪6をスプライン嵌合させることにより、内輪6とシャフト13の強度を確保しつつ、かつ、捩れ方向に強度が依存しないスプライン嵌合が可能となる。これは、従来の場合(左右のドライブシャフトについてシャフトのスプラインに捩れ角を別々に設ける手段)に対して、製品点数の削減、生産性の面で有利である。
また、シャフト13は、図4に示すように内輪6の奥側端面でスナップリング15により抜け止めされた構造を有する。この実施形態では、前述のスナップリング15が内輪6に係止される部分に高周波焼入れによる硬化層19が形成されていることから、等速自在継手の補修などでシャフト13を繰り返し抜き差ししても、スナップリング15と内輪6との当接面(内輪6の段部16)で欠けや変形が生じにくく、軸方向へのガタの増加やシャフト13の抜け力低下を防止することができる。
本発明の実施形態で、軸孔の内径面に硬化層を局部的に深く形成した内輪を示し、図2のB−O−B線に沿う断面図である。 図1のA−A線に沿う断面図で、硬化層の形成パターンの一例を示す。 図2の変形例で、硬化層の形成パターンの他例を示す。 図1の内輪にシャフトをスプライン嵌合させた状態を示す断面図である。 図1の内輪の一部および硬化層の形成パターンと軸孔内径の関係を示す説明図である。 本発明の他の実施形態を示す断面図である。 固定型等速自在継手の構造例で、図8のD−O−D線に沿う断面図である。 図7のC−C線に沿う断面図である。 内輪の従来例で、図10のF−F線に沿う断面図である。 図9のE−O−E線に沿う断面図である。
符号の説明
3 外方部材(外輪)
6 内方部材(内輪)
7 トルク伝達部材(ボール)
12 軸孔
13 シャフト
17 軸孔の内径面
19 硬化層
20,21 軸方向両端部位
22 軸方向中央部位

Claims (7)

  1. 外方部材との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備され、内径に形成された軸孔にシャフトを挿入してスプライン嵌合する内方部材であって、前記軸孔の内径面に熱処理による硬化層を形成し、かつ、前記軸孔の軸方向中央部位での硬化層の深さを軸方向両端部位での硬化層の深さよりも大きくしたことを特徴とする等速自在継手の内方部材。
  2. 前記硬化層は、軸孔の軸方向中央部位で局部的に深くなるように形成した請求項1に記載の等速自在継手の内方部材。
  3. 前記硬化層は、軸孔の軸方向両端部位から軸方向中央部位に向けて漸次深くなるように形成した請求項1に記載の等速自在継手の内方部材。
  4. 前記硬化層は、高周波焼入れによる熱処理で形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の等速自在継手の内方部材。
  5. 前記硬化層は、軸孔の円周方向に沿って不連続に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の等速自在継手の内方部材。
  6. 前記硬化層は、軸孔の円周方向に沿って全周に亘って形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の等速自在継手の内方部材。
  7. 外方部材と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内方部材と、前記外方部材と内方部材の間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材とを具備した等速自在継手。
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