JP2007002943A - 等速自在継手及びその内方部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内方部材の軸孔の雌スプライン部に熱処理を施す場合、内方部材の強度を確保すると共に雌スプライン部の精度も同時に確保する。
【解決手段】 外輪との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備され、内径に形成された軸孔22にシャフトを挿入してスプライン嵌合する内輪であって、前記軸孔22のシャフト非挿入側内径端部29、つまり、シャフト挿入に対して奥側となる内径端部29のみに熱処理による硬化層28を形成し、そのシャフト非挿入側内径端部である奥側内径端部29を除く内径面には硬化層28を形成しない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用され、例えば4WD車やFR車などで使用されるドライブシャフトやプロペラシャフトに組み込まれる固定型あるいは摺動型の等速自在継手及びその等速自在継手の一部を構成する内方部材に関する。
例えば、自動車のドライブシャフト等の連結用継手として使用されている固定型等速自在継手(ツェパー型等速自在継手:BJ)は、球面状の内径面に曲線状のトラック溝を軸方向に形成した外方部材としての外輪と、球面状の外径面に曲線状のトラック溝を軸方向に形成した内方部材としての内輪と、外輪のトラック溝とこれに対応する内輪のトラック溝とが協働して形成されるボールトラックに配された複数のトルク伝達用ボールと、それらのボールを保持するポケットを備えた保持器とで構成される。複数のボールは、保持器に形成されたポケットに収容されて円周方向等間隔に配置されている。
この等速自在継手をドライブシャフトに使用する場合、外輪の一端から軸方向に一体的に延びる軸部(従動軸)を車輪軸受装置に連結すると共に、内輪の軸孔にスプライン嵌合された中間シャフト(駆動軸)を摺動型等速自在継手に連結するようにしている。この外輪の軸部と内輪側の中間シャフトの二軸間で外輪と内輪とが角度変位すると、保持器のポケットに収容されたボールは常にどの作動角においても、その作動角の二等分面内に維持され、継手の等速性が確保される。ここで、作動角とは、外輪の軸部と内輪の中間シャフトとがなす角度を意味する。
等速自在継手の内輪については、熱処理を施すことにより、製品寿命を向上させ、ひいては等速自在継手の製品寿命を向上させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−227123号公報
ところで、前述した等速自在継手における内輪は、通常、焼入れ硬化能を有する鋼材にて形成されており、図15および図16に示すように保持器の内径面と接触する外径面104と、ボールが転動するために高面圧に晒されるトラック溝105とに、高周波焼入れによる硬化層121が形成されている。
なお、図15は図16のJ−J線に沿う断面図であり、図16は図15のI−I線に沿う断面図である。同図においては、断面を表すハッチングを省略し、硬化層121を形成部位をハッチングで表している。
一方、内輪106の軸孔122の内径面に雌スプライン部123を軸方向に沿って形成すると共に、図示しないが、中間シャフトの外径面に雄スプライン部を軸方向に沿って形成し、内輪106の軸孔122に中間シャフトを挿入することにより、内輪106の雌スプライン部123と中間シャフトの雄スプライン部を噛み合わせることで内輪106と中間シャフトをトルク伝達可能なように連結固定している。
ここで、中間シャフトがスプライン嵌合する内輪106の軸孔122の雌スプライン部123には、通常、熱処理による硬化層が形成されていない。この内輪106の雌スプライン部123に高周波焼入れによる深い硬化層を形成すると、その熱処理変形によってスプライン嵌合の精度を確保することが困難となるためである。
しかしながら、雌スプライン部123に高周波焼入れによる硬化層が形成されていない内輪106と、その雌スプライン部123に高周波焼入れによる硬化層が形成されている内輪とを比較した場合、高周波焼入れによる硬化層が形成されていない内輪106は、強度が低いものになってしまう。
このように内輪106の軸孔122の雌スプライン部123に高周波焼入れによる硬化層を形成すれば、内輪106の強度を確保することができるが、その場合、熱処理変形により雌スプライン部123の精度を確保することが困難となる。逆に、内輪106の軸孔122の雌スプライン部123に高周波焼入れによる硬化層を形成しなければ、雌スプライン部123の精度を確保することができるが、内輪106の強度を向上させることが困難となる。
以上のように内輪106の軸孔122の雌スプライン部123における熱処理の有無は、内輪106の強度の点と雌スプライン部123の精度の点で一長一短があり、それら強度と精度をうまく両立させる手段がないというのが現状であった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、内方部材の軸孔の雌スプライン部に熱処理を施す場合、内方部材の強度を確保すると共に雌スプライン部の精度も同時に確保し得る等速自在継手及びその内方部材を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、外方部材との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備され、内径に形成された軸孔にシャフトを挿入してスプライン嵌合する内方部材であって、前記軸孔のシャフト挿入側内径端部あるいはシャフト非挿入側内径端部の少なくともいずれか一方のみに熱処理による硬化層を形成したことを特徴とする。
前述の構成において、軸孔のシャフト挿入側内径端部あるいはシャフト非挿入側内径端部の「少なくともいずれか一方」としたのは、シャフト挿入側内径端部に硬化層を形成する場合や、シャフト非挿入側内径端部に硬化層を形成する場合だけでなく、シャフト挿入側内径端部とシャフト非挿入側内径端部の両方に硬化層を形成する場合も含む意味である。また、「一方のみ」としたのは、シャフト挿入側内径端部あるいはシャフト非挿入側内径端部に硬化層を形成し、かつ、その硬化層が形成された内径端部を除く軸孔内径部位には、硬化層を形成しないことを意味する。
この硬化層は、高周波焼入れによる熱処理で形成されていることが望ましい。高周波焼入れによる熱処理では、内方部材の強度を高める上で深い硬化層を形成することが容易であり、生産ラインのインライン化を実現することができる点で好適である。
また、硬化層は、軸孔の円周方向に沿って不連続に形成したり、あるいは全周に亘って形成したりすることが可能である。さらに、内方部材の外径面に硬化層を形成する場合、軸孔の内径面に形成した硬化層が、内方部材の外径面に形成された硬化層と繋がっているか否かは任意である。
前述の構成からなる内方部材に、外方部材と、その外方部材と内方部材の間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材とを付加すれば、等速自在継手を構成することが可能となる。
この等速自在継手のように内方部材とシャフトがスプライン嵌合されている構造の場合、そのシャフトに捩りトルクが負荷されると、捩りの支点となるシャフトのスプライン根元部に応力が集中する。また、内方部材とシャフトのスプライン嵌合状態でガタ発生を抑制するために雄スプライン部に捩れ角を付加したシャフトを使用した場合、さらに、シャフトのスプライン根元部に応力が集中することになる。
そこで、本発明では、まず第一に、内方部材の軸孔のシャフト非挿入側内径端部のみに熱処理による硬化層を形成した場合、シャフトのスプライン根元部での応力集中を緩和する。なお、シャフト非挿入側内径端部を除く内径部は、未熱処理部分として維持する。このように軸孔のシャフト非挿入側内径端部のみを熱処理することで、そのシャフト非挿入側内径端部が熱処理によりマルテンサイト変態によって体積が膨張し、雌スプライン部の内径が小さくなる。この状態で、シャフトを内方部材の軸孔に挿入すると、シャフト非挿入側内径端部でシャフトが圧入状態となる。その結果、捩りトルクを負荷した場合、シャフトのスプライン根元部に加えてスプライン先端部の二点で応力集中が発生することから、応力集中を緩和させることができる。
第二に、内方部材の軸孔のシャフト挿入側内径端部のみに熱処理による硬化層を形成した場合、シャフトのスプライン根元部での応力集中に対する強度を向上させる。なお、シャフト挿入側内径端部を除く内径部は、未熱処理部分として維持する。このように軸孔のシャフト挿入側内径端部のみを熱処理することで、そのシャフト挿入側内径端部の強度を向上させる。
以上のようにして、シャフトのスプライン根元部での応力集中に対して、内方部材の雌スプライン部の強度を確保することができると共に、その雌スプライン部の一部のみを熱処理してその残部を未熱処理部分としていることから、雌スプライン部の精度も確保することができ、ガタ量の管理も容易となる。
本発明によれば、軸孔のシャフト挿入側内径端部あるいはシャフト非挿入側内径端部の少なくともいずれか一方のみに熱処理による硬化層を形成したことにより、内方部材の軸孔の雌スプライン部に熱処理を施す場合、内方部材の強度を確保すると共に雌スプライン部の精度も同時に確保することができるので、ガタ量の管理も容易となり、製品寿命を向上させることができると共に製品の信頼性も大幅に向上させることができる。
本発明の実施形態を以下に詳述する。なお、以下の実施形態は、8個ボールの固定型(ツェパー型)等速自在継手(BJ)に適用した場合を例示するが、他の等速自在継手、例えば、固定型(アンダーカットフリー型)等速自在継手(UJ)、摺動型(クロスグルーブ型)等速自在継手(LJ)や摺動型(ダブルオフセット型)等速自在継手(DOJ)、摺動型(トリポード型)等速自在継手(TJ)も適用可能である。また、6個ボールの固定型等速自在継手にも適用可能である。
図13および図14に示す実施形態の等速自在継手は、球面状の内径面1に曲線状のトラック溝2を軸方向に形成した外方部材としての外輪3と、球面状の外径面4に曲線状のトラック溝5を軸方向に形成した内方部材としての内輪6と、外輪3のトラック溝2とこれに対応する内輪6のトラック溝5とが協働して形成されるボールトラックに配された8個のトルク伝達用ボール7と、それらのボール7を保持するポケット8を備えた保持器9とで構成される。8個のボール7は、保持器9に形成されたポケット8に一個ずつ収容されて円周方向等間隔に配置されている。
外輪3のトラック溝2の曲率中心O1と内輪6のトラック溝5の曲率中心O2とは、ボール7の中心を含む継手中心面Oに対して軸方向に等距離だけ反対側にオフセットされ、そのため、ボールトラックは開口側が広く、奥側に向かって漸次縮小した楔形状になっている。また、外輪3の内径面1および内輪6の外径面4の球面中心はいずれも継手中心面Oと一致する。
前述の構成からなる等速自在継手を自動車のドライブシャフトに使用する場合、前述の外輪3のマウス部10の底部から一体的に延びる軸部11(従動軸)を車輪軸受装置(図示せず)に連結すると共に、内輪6の軸孔22にスプライン嵌合された中間シャフト12(駆動軸)を摺動型等速自在継手(図示せず)を連結する。
この等速自在継手では、外輪3の軸部11と内輪側の中間シャフト12の二軸間で作動角度変位を許容しながらトルク伝達が可能な構造となっている。つまり、外輪3と内輪6とが角度θだけ角度変位すると、保持器9に案内されたボール7は常にどの作動角θにおいても、その作動角θの二等分面(θ/2)内に維持され、継手の等速性が確保される。
前述した内輪6と中間シャフト12の連結構造では、内輪6の軸孔22の内径面に雌スプライン部23を軸方向に沿って形成すると共に、中間シャフト12の外径面に雄スプライン部24を軸方向に沿って形成し、内輪6の軸孔22に中間シャフト12を挿入することにより、内輪6の雌スプライン部23と中間シャフト12の雄スプライン部24を噛み合わせることで内輪6と中間シャフト12をトルク伝達可能なようにスプライン嵌合させている。
このようにして、内輪6の軸孔22に挿入されてスプライン嵌合した中間シャフト12は、その先端部に設けられた環状溝25に嵌め込まれたスナップリング26を、内輪6の軸孔22の奥側端部に設けられた段部27に係止させることにより、抜け止めされている。なお、中間シャフト12は、図13に示す内輪6の右側端部から左側端部に向けて挿入される。
この等速自在継手の内輪6は、高周波焼入れによる硬化処理が可能な鋼材、例えば機械構造用炭素鋼で製作されている。内輪6は、図1および図2に示すように保持器9の内径面と接触する外径面4と、ボール7が転動するために高面圧に晒されるトラック溝5と、軸孔22の雌スプライン部23のシャフト非挿入側内径端部(図1の左側端部)、つまりシャフト挿入側(図1の右側端部)と反対側の奥側内径端部29とに、高周波焼入れによる硬化層21,28が形成されている。内輪6の軸孔22の雌スプライン部23については、その奥側内径端部27を除く残部には、高周波焼入れによる硬化層が形成されていない。
ここで、図1は図2のB−B線に沿う断面図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図であるが、同図においては、断面を表すハッチングを省略し、硬化層21,28を形成部位をハッチングで表している。
また、内輪6の外径面4およびトラック溝5に形成された硬化層21と、内輪6の軸孔22の雌スプライン部23の奥側内径端部29に形成された硬化層28とは、図1に示すように繋がった状態であっても、図3に示すように繋がっていない状態であっても、いずれでもよい。
さらに、内輪6の軸孔22の雌スプライン部23の奥側内径端部29に形成された硬化層28は、図4に示すように円周方向に沿って全周に亘って形成したり、あるいは、図5に示すように円周方向に沿って不連続に形成することも可能である。図5に示す硬化層28は、円周方向に沿って等間隔に複数配列した状態で断続的に形成された場合を例示している。
なお、図4および図5に示す硬化層28は、内輪6の外径面4およびトラック溝5に形成された硬化層21と、内輪6の軸孔22の雌スプライン部23の奥側内径端部29に形成された硬化層28とが繋がっていない場合(図3参照)を例示しているが、図1に示すように内輪6の外径面4およびトラック溝5に形成された硬化層21と、内輪6の軸孔22の雌スプライン部23の奥側内径端部29に形成された硬化層28とが繋がっている場合についても同様である。
この等速自在継手のように内輪6と中間シャフト12がスプライン嵌合されている構造の場合、その中間シャフト12に捩りトルクが負荷されると、捩りの支点となる中間シャフト12のスプライン根元部30に応力が集中する(図6参照)。また、内輪6と中間シャフト12のスプライン嵌合状態でガタ発生を抑制するために雄スプライン部24に捩れ角を付加した中間シャフト12を使用した場合には、中間シャフト12のスプライン根元部30に応力がさらに集中することになる。
そこで、この実施形態の内輪6では、図1および図3に示すように軸孔22の奥側内径端部29のみに熱処理による硬化層28を形成し、その奥側内径端部29を除く残部に硬化層を形成しないようにしたことにより、中間シャフト12のスプライン根元部30での応力集中を緩和する。このように軸孔22の奥側内径端部29のみを熱処理することで、その奥側内径端部29が熱処理によりマルテンサイト変態によって体積が膨張し、その部位の雌スプライン部23の内径が小さくなる。
そのため、図7に示すように奥側内径端部29での雌スプライン部23の内径R2が小さく、入口側内径端部32での雌スプライン部23の内径R1が大きくなり、その奥側内径端部29で雌スプライン部23がテーパ状となる。この状態で、中間シャフト12を内輪6の軸孔22の入口側内径端部32から挿入すると、その奥側内径端部29での雌スプライン部23の内径が小さくなっているので、奥側内径端部29で中間シャフト12が圧入状態となる。その結果、捩りトルクを負荷した場合、中間シャフト12のスプライン根元部30に加えてスプライン先端側部位31(内輪6の軸孔22の奥側内径端部29と対応する部位)の二点で応力集中が発生し、この応力集中を二箇所に分散させたことから、応力集中を緩和させることができる。
以上のようにして、中間シャフト12のスプライン根元部30での応力集中に対して、内輪6の雌スプライン部23の強度を確保することができると共に、その雌スプライン部23の一部のみを熱処理してその残部を未熱処理部分としていることから、雌スプライン部23の精度も確保することができ、ガタ量の管理も容易となる。
また、中間シャフト12は、内輪6の奥側端面でスナップリング26により抜け止めされた構造を有する。この実施形態では、前述のスナップリング26が内輪6に係止される部分に熱処理による硬化層28が形成されていることから、等速自在継手の補修などで中間シャフト12を繰り返し抜き差ししても、スナップリング26と内輪6との当接面(内輪6の段部27)で欠けや変形が生じにくく、軸方向へのガタの増加や中間シャフト12の抜け力低下を防止することができる。
前述の実施形態では、内輪6の軸孔22の奥側内径端部29に位置する雌スプライン部23に熱処理による硬化層28を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、図8および図9に示す実施形態も可能である。なお、図8は図9のE−Eに沿う断面図であり、図9は図8のD−D線に沿う断面図であるが、同図においては、断面を表すハッチングを省略し、硬化層の形成部位をハッチングで表している。
この実施形態の内輪6は、図8および図9に示すように外径面4およびトラック溝5に硬化層21を形成すると共に、内輪6の軸孔22のシャフト挿入側内径端部、つまり、入口側内径端部32のみに熱処理による硬化層33を形成する。内輪6の軸孔22の雌スプライン部23については、その入口側内径端部32を除く内径面には、高周波焼入れによる硬化層が形成されていない。
また、内輪6の外径面4およびトラック溝5に形成された硬化層21と、内輪6の軸孔22の雌スプライン部23の入口側内径端部32に形成された硬化層33とは、図8に示すように繋がった状態であっても、図10に示すように繋がっていない状態であっても、いずれでもよい。
さらに、内輪6の軸孔22の雌スプライン部23の入口側内径端部32に形成された硬化層33は、図11に示すように円周方向に沿って全周に亘って形成したり、あるいは、図12に示すように円周方向に沿って不連続に形成することも可能である。図12に示す硬化層33は、円周方向に沿って等間隔に複数配列した状態で断続的に形成された場合を例示している。
なお、図11および図12に示す硬化層33は、内輪6の外径面4およびトラック溝5に形成された硬化層21と、内輪6の軸孔22の雌スプライン部23の入口側内径端部32に形成された硬化層33とが繋がっていない場合(図10参照)を例示しているが、図8に示すように内輪6の外径面4およびトラック溝5に形成された硬化層21と、内輪6の軸孔22の雌スプライン部23の入口側内径端部32に形成された硬化層33とが繋がっている場合についても同様である。
この実施形態の内輪6では、図8および図10に示すように軸孔22の入口側内径端部32のみに熱処理による硬化層33を形成し、その入口側内径端部32を除く残部に硬化層を形成しないようにしたことにより、その内輪6の入口側内径端部32に対応する部位、つまり、中間シャフト12のスプライン根元部30での応力集中に対する強度を向上させる。
以上のようにして、中間シャフト12のスプライン根元部30での応力集中に対して、内輪6の雌スプライン部23の強度を確保することができると共に、その雌スプライン部23の一部のみを熱処理してその残部を未熱処理部分としていることから、雌スプライン部23の精度も確保することができ、ガタ量の管理も容易となる。
内輪の軸孔の雌スプライン部の奥側内径端部に硬化層を形成した実施形態で、図2のB−B線に沿う断面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1の実施形態の変形例を示す断面図である。 図3のC−C線に沿う断面図で、硬化層の形成パターンの一例を示す。 図3のC−C線に沿う断面図で、硬化層の形成パターンの他例を示す。 図1の内輪に中間シャフトをスプライン嵌合させた状態を示す断面図である。 図1の内輪の一部とその内輪の軸孔に形成された雌スプライン部を模式的に示す断面図である。 内輪の軸孔の雌スプライン部の入口側内径端部に硬化層を形成した実施形態で、図9のE−E線に沿う断面図である。 図8のD−D線に沿う断面図である。 図8の実施形態の変形例を示す断面図である。 図10のF−F線に沿う断面図で、硬化層の形成パターンの一例を示す。 図10のF−F線に沿う断面図で、硬化層の形成パターンの他例を示す。 固定型等速自在継手の構造例で、図14のH−H線に沿う断面図である。 図13のG−G線に沿う断面図である。 内輪の従来例で、図16のJ−J線に沿う断面図である。 図15のI−I線に沿う断面図である。
符号の説明
3 外方部材(外輪)
4 内方部材(内輪)の外球面
5 内方部材(内輪)のトラック溝
6 内方部材(内輪)
7 トルク伝達部材(ボール)
21 硬化層
22 軸孔
23 雌スプライン部
28 硬化層
29 シャフト非挿入側内径端部
32 シャフト挿入側内径端部
33 硬化層

Claims (5)

  1. 外方部材との間で角度変位を許容しながらトルクを伝達する等速自在継手に装備され、内径に形成された軸孔にシャフトを挿入してスプライン嵌合する内方部材であって、前記軸孔のシャフト挿入側内径端部あるいはシャフト非挿入側内径端部の少なくともいずれか一方のみに熱処理による硬化層を形成したことを特徴とする等速自在継手の内方部材。
  2. 前記硬化層は、高周波焼入れによる熱処理で形成されている請求項1に記載の等速自在継手の内方部材。
  3. 前記硬化層は、軸孔の円周方向に沿って不連続に形成されている請求項1又は2に記載の等速自在継手の内方部材。
  4. 前記硬化層は、軸孔の円周方向に沿って全周に亘って形成されている請求項1又は2に記載の等速自在継手の内方部材。
  5. 外方部材と、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内方部材と、前記外方部材と内方部材の間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材とを具備した等速自在継手。

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