JP2007211926A - 等速自在継手の内方部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電力を効率良く使用してCO2を削減し、生産効率の向上、インライン化および低コスト化を図り、さらにスプライン部の変形を抑制して充分な強度を確保する。
【解決手段】 外方部材との間で角度変位および軸方向変位を許容しながら転動部材を介してトルクを伝達する等速自在継手に装備され、円筒状のボス部7と、そのボス部7の軸孔内径面にスプラインが形成されたスプライン部8と、ボス部7の外径面の円周方向等間隔に配設されて放射状に延びる脚軸部4とからなる等速自在継手のトリポード部材5であって、脚軸部4とスプライン部8とに表面硬度差を設け、脚軸部4の表面硬度をHv600以上、スプライン部8の表面硬度をHv350以下とし、脚軸部4の高周波焼入れ後にスプライン部8のスプラインをブローチ加工により形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】 外方部材との間で角度変位および軸方向変位を許容しながら転動部材を介してトルクを伝達する等速自在継手に装備され、円筒状のボス部7と、そのボス部7の軸孔内径面にスプラインが形成されたスプライン部8と、ボス部7の外径面の円周方向等間隔に配設されて放射状に延びる脚軸部4とからなる等速自在継手のトリポード部材5であって、脚軸部4とスプライン部8とに表面硬度差を設け、脚軸部4の表面硬度をHv600以上、スプライン部8の表面硬度をHv350以下とし、脚軸部4の高周波焼入れ後にスプライン部8のスプラインをブローチ加工により形成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用され、例えば4WD車やFR車などで使用されるドライブシャフトやプロペラシャフトに組み込まれる等速自在継手の内方部材及びその製造方法に関する。
例えば、自動車のドライブシャフト等の連結用継手として使用される摺動式等速自在継手の一種にトリポード型等速自在継手がある。このトリポード型等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し、しかも、軸方向の相対変位をも許容することができる構造を備えている。
一般的に、トリポード型等速自在継手は、内周面に三本のトラック溝が軸方向に形成され、各トラック溝の両側にそれぞれ軸方向のローラ案内面を有する外方部材としての外輪と、半径方向に突出した三本の脚軸部を有する内方部材としてのトリポード部材と、そのトリポード部材の脚軸部と外輪のローラ案内面との間に回転自在に収容された転動部材としてのローラとを主要な部材として構成される。この等速自在継手では、前述した駆動側の軸が外輪に連結され、従動側の軸としてシャフトがトリポード部材に連結される。
このようにトリポード部材の脚軸部と外輪のローラ案内面とがローラを介して二軸の回転方向に係合することにより、駆動側から従動側へ回転トルクが等速で伝達される。また、各ローラが脚軸部に対して回転しながらローラ案内面上を転動することにより、外輪とトリポード部材間の相対的な軸方向変位や角度変位が吸収される。
この等速自在継手を構成するトリポード部材15は、図6および図7に示すように三本の脚軸部14を有するボス部17の軸孔内径面にトルク伝達用のスプライン部18を形成した構成を有し、そのスプライン部18は、トリポード部材15に圧入されるシャフトの外周面に形成されたスプライン部と係合され、両スプライン部の係合によりトルク伝達が行われる(例えば、特許文献1参照)。
図6は浸炭鋼を鍛造(熱間、亜熱間、温間、冷間)し、機械加工して浸炭焼入れした後に研削することにより製造されたトリポード部材15を示し、図7は中炭素鋼を鍛造(熱間、亜熱間、温間、冷間)し、機械加工して脚軸部14およびスプライン部18を高周波焼入れ(図中クロスハッチングで示す)した後に研削することにより製造されたトリポード部材15を示す。
実開平5−1028号公報
ところで、一般的に環境対策としてCO2の削減が重要な課題となっている。このため、電力の効率的使用が望まれている。一方、前述した等速自在継手の製造における熱処理についても、エネルギー効率の高い処理が要求されている。浸炭処理は、機械部品の表面硬化処理として多用されているが、高温雰囲気(900℃前後)で長時間保持されるために多くの電力を消費する課題があった。
また、浸炭処理は長時間の処理となるため、多くの待ち時間を要したり、在庫を多く保管する必要がある等、製造工程でワークを連続して流せないため、生産効率が著しく低下する課題があった。
さらに、浸炭処理では、浸炭炉周囲が暑く作業環境を大幅に悪化させるものであった。また、大きな炉内を均一な雰囲気に保つ必要があるため、長期に亘り連続操業する必要があり、処理しない場合でも浸炭炉を起動する無駄が発生し、一旦停止後の立ち上がり時間も長く作業性が低下する課題があった。
また、浸炭処理では、浸炭後の表層部に表面異常層が生成し、強度のばらつきを招く問題や、結晶粒の粗大化が発生し変形を招き強度が低下する問題があった。
ここで、前述した等速自在継手の構成部品であるトリポード部材15は、円筒状のボス部17と、そのボス部17の軸孔内径面にスプラインが形成されたスプライン部18と、ボス部17の外径面の円周方向等間隔で放射状に延びるように突設された脚軸部14とで構成されている(図6および図7参照)。
従来、トリポード部材15のスプライン部18は、トルクを伝達するために高応力状態となることから熱処理により表面硬化されていた。
しかしながら、この浸炭処理されたトリポード部材15(図6参照)の強度レベルを確認するため、静捩り試験などを実施することにより、破壊したスプライン部18を破面解析すると、スプライン部18に連結されたシャフトと嵌合するスプライン(歯)が全体の50%前後であることが判明した。
これは、ボス部17から脚軸部14が放射状に延びているため、熱処理後の膨張が局部的に大きくなり、スプライン部18における脚軸部14と対応した部位が外周側に変形し、その脚軸部14と対応した部位間のスプライン(歯)のみがシャフトと嵌合した状態となり、そこに過大な応力集中が生じて強度が低下する問題があった。
また、従来、高周波焼入れされたトリポード部材15(図7参照)では、外周部の一部が局部高周波焼入れされるため、その焼入れ部が大きく膨張し、その結果、スプライン部18が大きく変形して強度が低下し、シャフトの組み付けが困難となる問題があった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、電力を効率良く使用してCO2を削減し、生産効率の向上、インライン化および低コスト化を図り、さらにスプライン部の変形を抑制して充分な強度を確保し得る等速自在継手の内方部材及びその製造方法を提供することにある。
前述した目的を達成するための技術的手段として、本発明は、外方部材との間で角度変位および軸方向変位を許容しながら転動部材を介してトルクを伝達する等速自在継手に装備され、円筒状のボス部と、そのボス部の軸孔内径面にスプラインが形成されたスプライン部と、ボス部の外径面の円周方向等間隔に配設されて放射状に延びる脚軸部とからなる等速自在継手の内方部材であって、脚軸部とスプライン部とに表面硬度差を設け、脚軸部の表面硬度をHv600以上、スプライン部の表面硬度をHv350以下としたことを特徴とする。
また、本発明は、外方部材との間で角度変位および軸方向変位を許容しながら転動部材を介してトルクを伝達する等速自在継手に装備され、円筒状のボス部と、そのボス部の軸孔内径面にスプラインが形成されたスプライン部と、ボス部の外径面の円周方向等間隔に配設されて放射状に延びる脚軸部とからなる等速自在継手の内方部材の製造方法であって、脚軸部の高周波焼入れ後にスプライン部のスプラインをブローチ加工により形成することを特徴とする。
本発明では、脚軸部とスプライン部とに表面硬度差を設け、脚軸部の表面硬度をHv600以上、スプライン部の表面硬度をHv350以下としたことにより、脚軸部の高周波焼入れ後にスプライン部のスプラインをブローチ加工により形成することが可能となり、スプライン部の熱処理変形を防止することができ、その結果、スプライン部の真円度(変形量)を40μm以下に確保することができる。
脚軸部は転動部材を回転自在に軸支する部位であることから、その表面硬度をHv600以上とする必要がある。この脚軸部の表面硬度がHv600よりも小さいと、脚軸部の強度を確保することが困難となる。一方、スプライン部は、トルク伝達部位であることから熱処理により硬化処理する必要があるが、その熱処理変形を防止するため、その表面硬度をHv350以下とする。このスプライン部の表面硬度がHv350よりも大きいと、熱処理変形が生じ易くなる。
従って、脚軸部の表面硬度がHv600以上で、かつ、スプライン部の表面硬度がHv350以下となるように脚軸部とスプライン部とに表面硬度差を設ければ、脚軸部の高周波焼入れ後にスプライン部のスプラインをブローチ加工により形成することができると共にスプライン部の熱処理変形を防止することができることになる。
ここで、脚軸部の先端部をHv390以下とすれば、その先端部の外径を中央部より大きくして転動部材を先端部からかち込むことが可能となり、また、脚軸部に転動部材を組み付けた後にその先端部を加締めることが可能となる。脚軸部の先端部がHv390より大きいと、その先端部が硬く延性が著しく低下することから、かち込みや加締め加工が困難となる。
前述の構成からなる内方部材に、外方部材と、その外方部材と内方部材の間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材とを付加すれば、等速自在継手を構成することが可能となる。
本発明によれば、脚軸部とスプライン部とに表面硬度差を設け、脚軸部の表面硬度をHv600以上、スプライン部の表面硬度をHv350以下としたことにより、脚軸部の高周波焼入れ後にスプライン部のスプラインをブローチ加工により形成することが可能となり、スプライン部の熱処理変形を防止することができ、スプライン部の真円度(変形量)を40μm以下に確保することができる。
その結果、浸炭炉が廃止でき、電力を効率良く使用してCO2を削減して作業環境の改善が図れ、生産効率の向上、インライン化および低コスト化を図ることができると共に、スプライン部の精度および強度を向上させることができ、シャフトとの均一な嵌合が実現容易となり、シャフトとの連結構造で充分な強度を確保することができる。
図1および図2はトリポード型等速自在継手の全体構成を示す。この等速自在継手は、外方部材としての外輪3と、内方部材としてのトリポード部材5と、転動部材としてのローラ6とで主要部が構成され、駆動側と従動側で連結すべき二軸のうち、駆動側の軸(図示せず)が外輪3に連結され、従動側の軸であるシャフト9がトリポード部材5に連結されて作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し、しかも、軸方向の相対変位をも許容することができる構成を備えている。
外輪3は、一端が開口し、他端が閉塞した略円筒カップ状をなし、その他端に駆動側の軸(図示せず)が連結され、内周面に軸方向の三本のトラック溝1が中心軸の周りに120°間隔で形成されている。各トラック溝1は、その円周方向で向かい合った側壁にそれぞれ凹曲面状のローラ案内面2が軸方向に形成されている。トリポード部材5は、半径方向に突出した三本の脚軸部4を有し、シャフト9にスプライン嵌合により保持されている。ローラ6は、複数の針状ころ(図示せず)を介して脚軸部4に回転自在に装着され、トリポート部材5の脚軸部4と外輪3のローラ案内面2との間に収容されている。
なお、脚軸部4の外周面は針状ころの内側軌道面とされ、ローラ6の内周面は針状ころの外側軌道面とされている。ローラ6の外周面は、ローラ案内面2に適合する凸球面とされている。針状ころは、総ころ状態で組み込まれ、脚軸部4の先端部付近に装着されたサークリップ(図示せず)により抜け止めされている。
この等速自在継手では、トリポード部材5の脚軸部4と外輪3のローラ案内面2とがローラ6を介して二軸の回転方向に係合することにより、駆動側から従動側へ回転トルクが等速で伝達される。また、各ローラ6が脚軸部4に対して回転しながらローラ案内面2上を転動することにより、外輪3とトリポード部材5との間の相対的な軸方向変位や角度変位が吸収される。
等速自在継手の一部を構成するトリポード部材5は、図3に示すように円筒状のボス部7と、そのボス部7の中心軸の周りに120°間隔で一体的に突設された前述の脚軸部4と、前述のボス部7の軸孔の内径面にスプラインが形成されたスプライン部8とで構成されている。軸端の外径面にスプラインが形成されたシャフト9(図2参照)をボス部7の軸孔に圧入することにより、両者のスプライン同士を係合させることでトリポード部材5とシャフト9が連結されてトルク伝達が可能となる。
このトリポード部材5は、脚軸部4とスプライン部8とに表面硬度差を設け、脚軸部4の表面硬度をHv600以上、スプライン部8の表面硬度をHv350以下とし、脚軸部4の高周波焼入れ(図3のクロスハッチング部分)後にスプライン部8のスプラインをブローチ加工により形成する。
このように脚軸部4とスプライン部8とに表面硬度差を設け、脚軸部4の表面硬度をHv600以上、スプライン部8の表面硬度をHv350以下としたことにより、脚軸部4の高周波焼入れ後にスプライン部8のスプラインをブローチ加工により形成することが可能となり、スプライン部8の熱処理変形を防止することができ、その結果、スプライン部8の真円度(変形量)を40μm以下に確保することができる。このスプライン部8の真円度の向上により、シャフト9との均一な嵌合が実現できてその嵌合構造の強度を大幅に向上させることができる。
脚軸部4はローラ6を回転自在に軸支する部位であることから、その表面硬度をHv600以上とする必要がある。この脚軸部4の表面硬度がHv600よりも小さいと、脚軸部4の強度を確保することが困難となる。一方、スプライン部8は、トルク伝達部位であることから熱処理により硬化処理する必要があるが、その熱処理変形を防止するため、その表面硬度をHv350以下とする。このスプライン部8の表面硬度がHv350よりも大きいと、熱処理変形が生じ易くなる。
従って、脚軸部4の表面硬度がHv600以上で、かつ、スプライン部8の表面硬度がHv350以下となるように脚軸部4とスプライン部8とに表面硬度差を設ければ、脚軸部4の高周波焼入れ後にスプライン部8のスプラインをブローチ加工により形成することができると共にスプライン部8の熱処理変形を防止することができることになる。
高周波焼入れによるスプライン部8の変形に関しては、高周波焼入れで使用するコイルの最適化と周波数の最適化によりスプライン部8への熱影響を可及的に抑制し、そのスプライン部8の硬度増加を抑えこむことにより、高周波焼入れ後にブローチ加工によりスプラインの形成を可能にした。また、前述したようにスプライン部8の真円度の向上により、浸炭処理が不要となる。
この浸炭処理が不要となることから、スプライン部8は、浸炭の表面異常層が発生したり、組織の粗大化の発生がないため、強度のばらつきも大幅に減少する。また、高周波焼入れにより短時間(例えば数十秒)の加熱焼入れとなるため、後工程にスムーズにワークを流すことができるので製造工程のインライン化が図れる。さらに、高周波焼入れ後、高周波加熱により焼戻すことでさらに時間の短縮化が図れる。
浸炭処理を利用する場合、炭素の比較的低い浸炭鋼(例えば、JIS SCM420やSCR420)を冷間鍛造で成形してトリポード部材の素形材とするが、この実施形態のように高周波焼入れを利用した場合、炭素の比較的高いS48C、S53C、JASO ASB53(炭素鋼にB添加)、AISI 10B50(炭素鋼にB添加)、AISI 15B48(マンガン鋼にB添加)などの鋼材が必要となる。
この素材は、浸炭鋼より変形抵抗が大きいため、浸炭と同工程で鍛造すると、製品の割れ、肉の不充足、型寿命の低下などを来たすことがある。そのため、高炭素の素材を加熱し鍛造することにより、トリポード部材5の素形材を成形すれば、その問題が解消される。加熱温度は、脱炭・酸化スケールの発生がなく、型寿命がよく、製品の歩留まりの観点から500〜700℃が好ましい。この加熱は、炉加熱より高周波加熱の方が、時間の短縮、スケールの減少に効果があり好ましい。
冷間で鍛造する場合には、素材として硬度を低下させ変形能を向上させた球状化焼鈍しが好ましく、1工程から2工程で鍛造することが好ましい。2工程で実施する場合、1工程での加工硬化を低減するため、中間焼鈍しをするときがあるが、中間焼鈍し後に表層部に脱炭層が発生することから、この実施形態では好ましくない。
また、素材の鍛造性を向上させるため、素材硬さを増加させるSi、Cr、Mnを適宜減少させ、硬さを低下させた特殊鋼を適用することにより、鍛造性をさらに向上させることができることは言うまでもない。これらSi、Cr、Mnは焼入れ性を向上させる元素であることから、焼入れ性の不足についてはB(素材硬さを増加させない)を添加してもよい。さらに、強度を増加させるためには、Nb、Ti、V、Moの組織を微細化する元素を例えば0.05〜0.2%添加してもよい。Crを例えば0.5〜1.0%増量添加し、球状化焼鈍しの球状化率を向上させ、鍛造性を向上させることも有効な手段である。
一般に、高周波焼入れは、コイルの形状により局部加熱が可能なため、必要な部位を硬化させ、不要な部位を硬化させないことが容易である。そこで、脚軸部4の先端部をHv390以下とする。このようにすれば、その先端部の外径を中央部より大きくしてローラ6を先端部からかち込むことが可能となり、また、脚軸部4にローラ6を組み付けた後にその先端部を加締めることが可能となる。このようにかち込みや加締め加工により、部品点数の削減、旋削溝加工の廃止、脚軸部4の短軸化が可能となる。なお、脚軸部4の先端部がHv390より大きいと、その先端部が硬く延性が著しく低下することから、かち込みや加締め加工が困難となる。
表1は、従来浸炭品、従来高周波品と本発明品1〜4とについて、真円度、脚軸部(J部)およびスプライン部(S部)の表面硬度、硬化深さ、静捩り強度を比較したものである。
従来浸炭品は、浸炭鋼SCM420を従来の加工方法で加工したトリポード部材15(図6参照)で、鋼材→素形材の加工(鍛造)→旋削→ブローチ加工→浸炭→研削の各工程を経たものである。従来高周波品は、S50C鋼で浸炭処理の部分を単純に高周波焼入れしたトリポード部材15(図7参照)で、鋼材→素形材の加工(鍛造)→旋削→ブローチ加工→高周波焼入れ(J部およびS部)→研削の各工程を経たものである。
これに対して、本発明品は、S48C球状化焼鈍し処理材からなるトリポード部材5(図3参照)で、鋼材→素形材の加工(温間鍛造650℃加熱)→旋削→高周波焼入れ(J部)→ブローチ加工→研削の各工程を経たものである。なお、本発明品1〜4は、それぞれJ部での表面硬度および硬化深さを異ならせたものであり、本発明品4は、脚軸部4の先端部を加締め加工したものである(図4および図5:加締め部分A.B参照)。
この表1から、従来浸炭品や従来高周波品と比較して、本発明品によれば、真円度(スプライン部の変形量)を向上させることができ、静捩り強度が向上することが明らかである。
1 外方部材(外輪)
4 脚軸部
5 内方部材(トリポード部材)
6 転動部材(ローラ)
7 ボス部
8 スプライン部
4 脚軸部
5 内方部材(トリポード部材)
6 転動部材(ローラ)
7 ボス部
8 スプライン部
Claims (5)
- 外方部材との間で角度変位および軸方向変位を許容しながら転動部材を介してトルクを伝達する等速自在継手に装備され、円筒状のボス部と、そのボス部の軸孔内径面にスプラインが形成されたスプライン部と、前記ボス部の外径面の円周方向等間隔に配設されて放射状に延びる脚軸部とからなる等速自在継手の内方部材であって、前記脚軸部とスプライン部とに表面硬度差を設け、脚軸部の表面硬度をHv600以上、スプライン部の表面硬度をHv350以下としたことを特徴とする等速自在継手の内方部材。
- 前記脚軸部の先端部をHv390以下とし、その先端部の外径を中央部より大きくして転動部材を前記先端部からかち込むようにした請求項1に記載の等速自在継手の内方部材。
- 前記脚軸部の先端部をHv390以下とし、脚軸部に転動部材を組み付けた後にその先端部を加締めた請求項1に記載の等速自在継手の内方部材。
- 前記外方部材と、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内方部材と、前記外方部材と内方部材の間に介在してトルクを伝達する転動部材とを具備した等速自在継手。
- 外方部材との間で角度変位および軸方向変位を許容しながら転動部材を介してトルクを伝達する等速自在継手に装備され、円筒状のボス部と、そのボス部の軸孔内径面にスプラインが形成されたスプライン部と、前記ボス部の外径面の円周方向等間隔に配設されて放射状に延びる脚軸部とからなる等速自在継手の内方部材の製造方法であって、前記脚軸部を高周波焼入れした後、スプライン部のスプラインをブローチ加工により形成することを特徴とする等速自在継手の内方部材の製造方法。
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JP2009068509A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-04-02 | Ntn Corp | トリポード型等速自在継手 |
WO2013154015A1 (ja) * | 2012-04-11 | 2013-10-17 | Ntn株式会社 | 等速自在継手の内方部材およびその製造方法 |
JP2018200109A (ja) * | 2018-08-24 | 2018-12-20 | Ntn株式会社 | トリポード型等速自在継手 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090512 |