JPH10267027A - チューブシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

チューブシャフトおよびその製造方法

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JPH10267027A
JPH10267027A JP7490597A JP7490597A JPH10267027A JP H10267027 A JPH10267027 A JP H10267027A JP 7490597 A JP7490597 A JP 7490597A JP 7490597 A JP7490597 A JP 7490597A JP H10267027 A JPH10267027 A JP H10267027A
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JP
Japan
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tube shaft
stub
friction
pipe
peripheral surface
Prior art date
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Pending
Application number
JP7490597A
Other languages
English (en)
Inventor
Shintaro Harada
慎太郎 原田
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
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Publication of JPH10267027A publication Critical patent/JPH10267027A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 捩じりに対する静的強度および疲労強度が安
定して高いチューブシャフトと、その製造方法を提供す
ることである。 【解決手段】 パイプ2の両端にスタブ3を摩擦圧接し
て、一体にしたのちに調質処理を行い、摩擦圧接部4近
傍を含む全体の金属組織をソルバイト組織もしくはトル
ースタイト組織にすることにより、捩じりに対する静的
強度のみでなく、疲労強度にも優れたチューブシャフト
1を提供したのである。また、調質処理でソルバイト組
織もしくはトルースタイト組織にしたのちに、スタブ外
周表面層を高周波焼入れ、焼き戻し処理することによ
り、スプライン5を転造したスタブ外周表面層の焼入れ
効果も高めたのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のプロペ
ラシャフトやドライブシャフトのシャフトに使用される
チューブシャフトとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動力を車輪に伝達するための
プロペラシャフトやドライブシャフトのシャフトには、
騒音や振動を低減して乗り心地をよくするためと、シャ
フトの剛性を高めるとともに、車体を軽量化して燃費を
よくするために、チューブシャフトが使用されている。
【0003】自動車の車輪は路面状態により上下動する
ので、その動きに追随できるように、プロペラシャフト
やドライブシャフトが使用されており、その両端には、
自在継手としてのユニバーサルジョイントや等速ジョイ
ントが取り付けられている。
【0004】従来、上述したチューブシャフトは、切断
されたパイプの両端にスタブを摩擦圧接して形成されて
いる。図3にその製造工程を示す。スタブの製造は、ま
ずスタブ材を所要の長さに切断したのち、旋削により所
要の寸法に加工される。つぎに、スタブの両端に自在継
手を取り付けるためのスプラインが転造されたのち、ス
タブの外周表面層が高周波焼入れ、焼戻し処理される。
最後に摩擦圧接される端面が洗浄される。
【0005】一方、パイプ材を所要の長さに切断して得
られたパイプも、スタブと同様に摩擦圧接される端面が
洗浄される。この両端面に前記スタブが摩擦圧接されて
チューブシャフトが製造される。
【0006】前記スタブ材としてはS43C、S45C
やS53C等の低、中炭素鋼が、パイプ材としてはS4
3C、S45CやSTKM13等の低、中炭素鋼の構造
用鋼管鋼が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】プロペラシャフトやド
ライブシャフトに使用されるチューブシャフトは、自動
車エンジンの駆動力を車輪に長時間伝達するために、捩
じりに対する静的強度と疲労強度が要求される。
【0008】従来のチューブシャフトは、図3に示した
ように、中央部のパイプには熱処理をしないので、この
部分の強度を確保するために、パイプの径や肉厚を増大
して捩じり強度を確保している。したがって、チューブ
シャフトを用いることによる軽量化の効果が小さいとい
う問題がある。
【0009】また、摩擦圧接部近傍は、摩擦熱で焼入れ
硬化して硬度が上がる部分と、その周辺部で熱影響によ
り焼きなまされて硬度が下がる部分とがあり、その硬度
のばらつきが大きいため、静的強度や疲労強度が安定せ
ず、狙いとするシャフトの強度が得られないという問題
がある。
【0010】そこで、この発明の課題は、捩じりに対す
る静的強度と疲労強度が安定して高いチューブシャフト
と、その製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、切断されたパイプの両端にスタブを
摩擦圧接して形成されるチューブシャフトにおいて、摩
擦圧接部近傍を含む全体の金属組織をソルバイト組織も
しくはトルースタイト組織とするとともに、前記両端の
スタブの外周表面層を焼入れ硬化処理した構成を採用し
たのである。
【0012】また、上記のチューブシャフトを製造する
に際して、前記パイプとスタブを摩擦圧接して一体にし
たのちに、調質処理により摩擦圧接部近傍を含む全体の
金属組織をソルバイト組織もしくはトルースタイト組織
にし、そののちにスタブ部の外周表面層を高周波焼入
れ、焼戻し処理する方法を採用したのである。
【0013】すなわち、チューブシャフトの金属組織
を、摩擦圧接部近傍を含めて全体を均質なソルバイト組
織もしくはトルースタイト組織とすることにより、強
度、靱性に優れた材質とすることができるとともに、摩
擦圧接部近傍の硬度が安定し、チューブシャフトの静的
強度および疲労強度を著しく高めることができる。
【0014】また、調質処理により金属組織をソルバイ
ト組織もしくはトルースタイト組織にしたのちに、自在
継手が取り付けられるスタブ部の外周表面層を高周波焼
入れ、焼戻し処理することにより、高周波焼入れによる
表面層の硬化処理を、より有効に行うことができる。
【0015】すなわち、高周波焼入れをする前の金属組
織をソルバイト組織もしくはトルースタイト組織とし
て、炭化物を微細に分散させることにより、昇熱速度が
速くて、十分な拡散時間がない高周波焼入れでも、効果
的な焼入れ処理を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態を説
明する。図1は、実施形態のチューブシャフト1を示
す。所要の長さに切断されたパイプ2の両端に、所要の
寸法に加工されたスタブ3が摩擦圧接部4で接合されて
いる。チューブシャフト1の両端部には等速ジョイント
を取り付けるためのスプライン5が転造されている。
【0017】パイプの素材は構造用鋼管鋼のSTKM1
3であり、スタブの素材はS45Cである。チューブシ
ャフト1の金属組織は、摩擦圧接部4も含めて均質なソ
ルバイト組織となっており、図中に示すA部の外周表面
層が焼入れ硬化処理されている。
【0018】図2は、図1に示したチューブシャフトの
製造工程を示す。スタブの製造工程で、摩擦圧接前に高
周波焼入れ、焼戻しの工程がないことを除いては、摩擦
圧接までの工程は、図3に示した従来工程と同じであ
る。
【0019】以下に実施例および比較例を挙げる。
【0020】
【実施例】
(実施例)図2に示す製造工程と同じ方法で、図1に示
すようなチューブシャフトを製造した。このチューブシ
ャフトの表面が酸化、脱炭しないように窒素ガス雰囲気
中で、焼入れ温度を850℃、焼戻し温度を600℃と
して調質処理を行った。
【0021】最後の高周波焼入れ、焼戻し処理は、図1
に示したチューブシャフト1のA部の外周に、高周波電
源に接続したコイルをセットして行った。
【0022】(比較例1)図3に示す従来工程と同じ方
法で製造したチューブシャフトを用意した。
【0023】(比較例2)パイプとスプライン転造後の
スタブに、それぞれ実施例と同じ条件で、調質、高周波
焼入れ、焼戻し処理を施したのち、摩擦圧接してチュー
ブシャフトを製造した。
【0024】上記、実施例および比較例のチューブシャ
フトを用いて、捩じり試験と捩じり疲労試験を行った。
【0025】この結果、静的捩じり強度に関しては、摩
擦圧接前に調質処理した比較例2のチューブシャフト
も、実施例のチューブシャフトと同様に、比較例1の従
来品に較べて優れた改善効果が認められたが、硬度のば
らつきが大きく、疲労強度は著しい改善効果が認められ
なかった。これに対して、実施例のチューブシャフト
は、同一負荷トルクでの疲労試験において、破断までの
繰り返し捩じり回数が、前記比較例2の約5倍となる好
結果が得られた。
【0026】また、実施例のチューブシャフトの硬度
は、パイプ部でHRC(ロックウェル硬さCスケール)
30、スタブの外周部でHRC60であり、十分に規格
を満足する値が得られた。
【0027】
【発明の効果】以上のように、この発明のチューブシャ
フトは、パイプとスタブを摩擦圧接して一体にしたのち
に、調質処理により摩擦圧接部近傍を含む全体の金属組
織をソルバイト組織もしくはトルースタイト組織にした
ので、捩じりに対する静的強度のみでなく、疲労強度も
安定して著しく改善することができる。また、調質処理
でソルバイト組織もしくはトルースタイト組織にしたの
ちに、スタブ外周表面層を高周波焼入れ、焼戻し処理し
たので、自在継手を取り付けるスタブ外周表面層の硬度
を安定して規格に入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のチューブシャフトの一部切欠正面図
【図2】実施形態のチューブシャフトの製造工程を示す
【図3】従来のチューブシャフトの製造工程を示す図
【符号の説明】
1 チューブシャフト 2 パイプ 3 スタブ 4 摩擦圧接部 5 スプライン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切断されたパイプの両端にスタブを摩擦
    圧接して形成されるチューブシャフトにおいて、摩擦圧
    接部近傍を含む全体の金属組織がソルバイト組織もしく
    はトルースタイト組織であるとともに、前記両端のスタ
    ブの外周表面層が焼入れ硬化処理されたことを特徴とす
    るチューブシャフト。
  2. 【請求項2】 切断されたパイプの両端にスタブを摩擦
    圧接してチューブシャフトを製造する方法において、前
    記パイプとスタブを摩擦圧接して一体にしたのちに、調
    質処理により摩擦圧接部近傍を含む全体の金属組織をソ
    ルバイト組織もしくはトルースタイト組織にし、そのの
    ちにスタブ部の外周表面層を高周波焼入れ、焼戻し処理
    することを特徴とするチューブシャフトの製造方法。
JP7490597A 1997-03-27 1997-03-27 チューブシャフトおよびその製造方法 Pending JPH10267027A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144944A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Toyoda Mach Works Ltd 摩擦圧接シャフトおよび該摩擦圧接シャフトの製造方法
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