JP2000226423A - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂の製造方法

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JP2000226423A
JP2000226423A JP11026420A JP2642099A JP2000226423A JP 2000226423 A JP2000226423 A JP 2000226423A JP 11026420 A JP11026420 A JP 11026420A JP 2642099 A JP2642099 A JP 2642099A JP 2000226423 A JP2000226423 A JP 2000226423A
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JP
Japan
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novolak
resin
phenol
phosphate
phenol resin
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JP11026420A
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English (en)
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Tatsuhiro Yoshida
達弘 吉田
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Sumitomo Durez Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Durez Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2核体成分量の低減されたノボラック型フェ
ノール樹脂を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表されるリン酸エステル
存在下で、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒を
用いて反応させるノボラック型フェノール樹脂の製造方
法であり、2核体成分量が10%以下のノボラック型フ
ェノール樹脂を容易に得ることができる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2核体成分量の低
減されたノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ノボラック型フェノール樹脂
は、フェノール類及びアルデヒド類を酸性触媒下で反応
させることにより得られ、各種用途に使用されている。
しかし、このような従来のノボラック型フェノール樹脂
は、2核体成分が多くその分子量分布が広いために樹脂
の硬化時間が不均一となったり、溶融粘度が高い等の欠
点があった。ノボラック型フェノール樹脂中に含まれる
2核体は、例えばエポキシ樹脂硬化剤用途に使用した場
合、反応して得られるエポキシ樹脂硬化物が三次元構造
とならず線状構造となり機械的特性の優れた硬化物が得
られないという欠点をも有していた。
【0003】上記欠点を解決すべく従来においても種々
の方法が試みられてきた。例えば、フェノール類及びア
ルデヒド類を酸性触媒存在下で反応させる際に、有機溶
剤中で反応させ、その溶剤組成を良溶媒と貧溶媒の混合
溶媒とすることで、分子量分布の狭いノボラック樹脂を
得ている。またその他の方法として、フェノール類及び
アルデヒド類を塩基性触媒下で、一旦レゾール型フェノ
ール樹脂を合成し、その後系を酸性にしノボラック化す
ることで未反応モノマーや2核体成分量の少ないノボラ
ック樹脂を得る方法、ノボラック樹脂製造時に高温の水
蒸気や不活性ガスを吹き込み2核体成分を反応系より留
去する方法、1分子中にカルボキシル基とアルコール性
水酸基を両方持つカルボン酸を触媒として使用し分子量
分布の狭いノボラック樹脂を得る方法、ノボラック樹脂
にリン酸を添加し加熱処理することで2核体成分を分解
し系外へ留去する方法等が提示されている。しかしなが
らこれらの方法では、溶媒を除去する工程、蒸気やガス
を吹き込む工程、触媒や添加剤の残留物を除去するため
の工程が必要となり、かつその工程が煩雑であり時間も
かかるため、このこと自体がコストアップの要因となっ
ている。また上記方法にてせっかく分子量分布が狭い、
あるいは2核体成分量が少ないノボラック樹脂を得て
も、触媒や添加剤などの残留物により従来用途の特性を
満足しないという欠点も場合により有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的簡略な工程で製造可能でありかつ安価な、2核体成分
量が少ないノボラック型フェノール樹脂の製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決すべく鋭意検討した結果、フェノール類とアルデヒド
類とを酸性触媒を用いて得られるノボラック型フェノー
ル樹脂の製造方法において、一般式(1)で表されるリ
ン酸エステルを添加して反応させることにより、2核体
成分量が10%以下であるノボラック型フェノール樹脂
を容易に得ることができることを見出した。
【0006】
【化1】 (式中、R1 及びR2 は炭素数1〜10までのアルキル
基又はフェニル基を示し、同一であっても異なっていて
もよい。またx、y、zはx+y+z=3、1≦x≦
2、0≦y≦2、0≦z≦2を満たす整数である。)
【0007】2核体成分量が10%を越えると、硬化物
の機械的特性が低下する傾向が顕著となる場合があるた
め、2核体成分量を10%以下とすることは重要であ
り、このことを実現するためにはリン酸エステルについ
て以下のような点を満たすことが好ましい。
【0008】本発明において、一般式(1)で表される
リン酸エステルは、具体的に例示すると、メチルホスフ
ェート、ジメチルホスフェート、エチルホスフェート、
ジエチルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ジ
イソプロピルホスフェート、ブチルホスフェート、ジブ
チルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、
ビス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、イソデシル
ホスフェート、ジイソデシルホスフェート、フェニルホ
スフェート、ジフェニルホスフェート等が挙げられる。
【0009】リン酸エステルの添加量は特に限定されな
いが、原料であるフェノール類仕込み量に対して0.1
〜20重量%の範囲内であることが好ましく、より好ま
しくは1〜10重量%である。添加量が20重量%より
多くなると、高分子量化がおこり溶融粘度が高くなって
しまったり、高温反応時にゲル化反応が起こる場合があ
り、また使用用途によっては、リン酸エステル残留物が
所期の特性を損なうといった問題も起こり得るので好ま
しくない。添加量が0.1重量%より少ない場合は、所
期の目的である2核体成分量の低減が十分ではなくなり
好ましくない。
【0010】またリン酸エステルを添加するタイミング
は特に限定されず、原料仕込み時に添加してもよく、ま
たフェノール類とアルデヒド類との還流反応後でもよい
が、好ましくは、原料仕込み時に添加する場合である。
【0011】本発明で使用されるフェノール類として
は、フェノール、クレゾール、t−ブチルフェノール、
t−オクチルフェノール、キシレノール等が挙げられ、
これらを単独又は併用して使用することができる。ま
た、アルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、
ブチルアルデヒドバレルアルデヒド、トリオキサン等が
挙げられ、これらを単独又は併用して使用することがで
きる。
【0012】本発明で使用される酸性触媒としては、シ
ュウ酸、塩酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン
酸、酢酸等が挙げられ、酸であれば特に限定されない
が、水洗工程を必要としないシュウ酸が好ましい。
【0013】本発明のノボラック型フェノール樹脂の製
造方法は、好ましくはリン酸エステルの存在下でフェノ
ール類とアルデヒド類を酸性触媒を用いて還流温度以下
の温度で反応させ、反応系を減圧脱水濃縮することによ
り樹脂を得る。この方法は従来のノボラック型フェノー
ル樹脂の製造方法と、リン酸エステルを添加するという
以外はほとんど変わりなく、煩雑な工程を必要としな
い。
【0014】本発明のノボラック型フェノール樹脂の2
核体成分量や特性値は下記の方法に従って測定を行っ
た。 1.2核体成分量:高速液体クロマトグラフ(東ソー
(株)製、カラム:G1000HXL1本、G2000
HXL2本、G3000HXL1本)を使用し、流量
1.0ml/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム
温度40℃の分析条件で示差屈折計を検出器に用いて測
定を行い、次式により算出した。 2核体成分量(%)=[リテンションタイム31〜35
分間のピーク面積]/[リテンションタイム20〜37
分間のピーク面積]X100 2.重量平均分子量及び分散度:上記高速液体クロマト
グラフを用い、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子
量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求め、分散度は
Mw/Mnにて算出した。 3.軟化点:JIS K 7234に記載された環球法
により求めた。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施
例及び比較例に記載されている「部」及び「%」は、す
べて「重量部」及び「重量%」を示す。
【0016】実施例1 温度計、攪拌装置、冷却管を備えた反応容器に、フェノ
ール100部、37%ホルマリン45部、シュウ酸0.
2部、ブチルホスフェート2部を仕込み、攪拌を開始
し、徐々に100℃まで昇温し、還流反応を4時間行っ
た。その後反応系を常圧脱水を行い150℃まで昇温
し、次に10torrまで徐々に減圧しながら反応系を
200℃まで昇温し、ノボラック型フェノール樹脂74
gを得た。
【0017】実施例2、3 実施例1と同様にして表1に示す配合にて反応を行い、
目的とするノボラック型フェノール樹脂を得た。
【0018】比較例1 温度計、攪拌装置、冷却管を備えた反応容器に、フェノ
ール100部、37%ホルマリン45部、シュウ酸0.
2部を仕込み、攪拌を開始し、徐々に100℃まで昇温
し、還流反応を4時間行った。その後反応系を常圧脱水
を行い150℃まで昇温し、次に10torrまで徐々
に減圧しながら反応系を200℃まで昇温し、ノボラッ
ク型フェノール樹脂79gを得た。
【0019】比較例2 表1に示す配合にて、実施例1と同様にして反応を行
い、ノボラック型フェノール樹脂を得た。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示す結果から、各実施例で得られた
ノボラック型フェノール樹脂は、収量を実質的に低下さ
せることなく、2核体成分量を大きく減少させることが
できる。
【0022】
【発明の効果】ノボラック型フェノール樹脂の合成反応
に及ぼすリン酸エステルの影響に関する機構は、未だ明
らかではなく現在も検討中である。しかしながら上記の
実施例から明らかなように、本発明の製造方法は、煩雑
な工程を含まず、従来のノボラック型フェノール樹脂と
同様な簡略な工程であり、かつ2核体成分量の低減され
たノボラック型フェノール樹脂を効率よく得ることがで
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とアルデヒド類とを酸性触
    媒を用いて得られるノボラック型フェノール樹脂の製造
    方法において、一般式(1)で表されるリン酸エステル
    の存在下で反応させることを特徴とするノボラック型フ
    ェノール樹脂の製造方法。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は炭素数1〜10までのアルキル
    基又はフェニル基を示し、同一であっても異なっていて
    もよい。x、y、zはx+y+z=3、1≦x≦2、0
    ≦y≦2、0≦z≦2を満たす整数である。)
  2. 【請求項2】 得られるノボラック型フェノール樹脂の
    2核体成分量が10%以下である請求項1記載のノボラ
    ック型フェノール樹脂の製造方法。
JP11026420A 1999-02-03 1999-02-03 ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 Pending JP2000226423A (ja)

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