JP2005179453A - エポキシ樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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幸治 杠
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Abstract

【課題】 成形時の流動特性、硬化物の耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物を与えることができるエポキシ樹脂と、その製造方法を提供する
【解決手段】 下記一般式[1]で表される成分を70%以上含有することを特徴とするエポキシ樹脂。
【化1】
Figure 2005179453

一般式[1]中、
mは1〜4の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
nは0〜3の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換アラルキル基、及び、アルコキシ基から選ばれるものであり、一分子内において同一であっても異なってもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂及びその製造方法に関するものである。
近年、半導体素子は大型化、高集積化の傾向が強まり、従来のエポキシ樹脂組成物で半導体を封止して半導体パッケージを作製した場合、チップやリードフレームと、封止樹脂との線膨張率の差によって発生する熱応力により、チップにクラックが生じたり、ボンディング線が切断されたりするなど、半導体部品の信頼性が低下するという問題があった。
また、半導体実装の高集積化に伴い、半導体パッケージを溶融半田中に浸漬したり、赤外リフロー装置などで実装したりする方法が採られており、いずれも200℃を超える熱処理を行うことから、この処理を行う際に半導体パッケージにクラックが発生するという問題があった。
さらに、環境負荷物質の撤廃の一環として、鉛を含まない半田への代替が進められているが、このような鉛フリー半田は融点が高いため、表面実装時のリフロー温度は、従来に比べて約20℃高く、260℃程度になり、熱負荷がさらに大きくなるという問題があった。
このような問題に対して、熱応力を小さくするとともに、実装時に発生するパッケージクラックを防ぐために、エポキシ樹脂組成物に配合するシリカ等の無機充填剤の含有量を増加させ、線膨張係数を小さくして、熱時のパッケージ強度を高めることが有効であることが知られている。
特にパッケージクラックの場合は、パッケージが吸湿した水分が実装時の熱処理によってパッケージ内部で急激に気化して、発生する応力がパッケージの強度を超えたときにクラックが発生すると考えられる。従って、無機充填剤の含有量を増加させることは、パッケージの熱時強度を高めるだけでなく、樹脂成分が吸湿する水分の絶対量を低減し、実装時のパッケージクラックを防止するのに有効である(例えば、非特許文献1、2参照。)。
このような半導体封止材料には、従来、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が広く使用されている。しかしながら、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、分子量分布の広いものが一般的であり、高分子量成分を多く含有するため樹脂の溶融粘度が高く、無機充填材の配合量増加に伴い、成形時の流動性が低下して、良好な成形性を有するパッケージ成形品が得られなくなることがあるという問題があった。
尾形正次ら,"低熱膨張性エポキシ樹脂系成形材料"第38回熱硬化性樹脂講演討論会,123−126(1988) 石井利昭ら,"エポキシ成形材料の流動性に及ぼす球形充填剤の粒度分布の影響"第43回熱硬化性樹脂講演討論会,141−144(1993)
本発明は、成形時の流動特性、硬化物の耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物を与えることができるエポキシ樹脂と、その製造方法を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(9)により達成される。
(1)下記一般式[1]で表される成分を70%以上含有することを特徴とするエポキシ樹脂。
Figure 2005179453
一般式[1]中、
mは1〜4の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
nは0〜3の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換アラルキル基、及び、アルコキシ基から選ばれるものであり、一分子内において同一であっても異なってもよい。
(2)上記一般式[1]で表される成分よりも高分子量である成分を10%以下含有する上記(1)に記載のエポキシ樹脂。
(3)上記一般式[1]で表される成分は、Rが水素または炭素数1〜6のアルキル基である上記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂。
(4)上記一般式[1]で表される成分は、下記式[2]ないし[4]のいずれかで表される化合物である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂。
Figure 2005179453
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法であって、
(a)下記一般式[5]で表されるフェノール化合物と、下記式[6]で表されるジメチロールパラクレゾールとを、酸性触媒の存在下で反応させてフェノール樹脂を合成する工程、及び、
(b)上記フェノール樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させる工程、
を有することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
Figure 2005179453
一般式[4]中、
mは1〜4の整数を示す。
nは0〜3の整数を示す。
Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換アラルキル基、及び、アルコキシ基から選ばれるものであり、同一であっても異なってもよい。
Figure 2005179453
(6)上記一般式[5]で表されるフェノール化合物は、Rが水素または炭素数1〜6のアルキル基である上記(5)に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
(7)上記一般式[5]で表されるフェノール化合物は、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、及び、2,3,6−トリメチルフェノールから選ばれるものである上記(5)又は(6)に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
(8)上記フェノ−ル化合物(P)と上記ジメチロールパラクレゾール(MC)とを、反応モル比(P/MC)=4/1〜30/1として反応させる上記(5)ないし(7)のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
(9)上記酸性触媒として、ヘテロポリ酸を用いる上記(5)ないし(8)のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
本発明は、上記特定の構造を有するエポキシ樹脂、及びその製造方法である。本発明のエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物は、流動性に優れ、硬化物の耐熱性に優れたものである。
以下に、本発明のエポキシ樹脂、及び、エポキシ樹脂の製造方法について説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、下記一般式[1]で表される成分を70%以上含有することを特徴とする。
Figure 2005179453
上記一般式[1]中、
mは1〜4の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
nは0〜3の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換アラルキル基、及び、アルコキシ基から選ばれるものであり、一分子内において同一であっても異なってもよい。
上記一般式[1]のRのうち、炭素数1〜6のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
置換または無置換フェニル基としては例えば、フェニル基のほか、トルイル基、キシリル基、トリメチルフェニル基などのアリール基が挙げられる。
置換または無置換アラルキル基としては例えば、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂は、上記一般式[1]で表される成分を70%以上含有する。このようなエポキシ樹脂は、分子量分布が狭く、溶融粘度が低いので、エポキシ樹脂組成物として用いた場合に良好な流動特性を有する。また、エポキシ基の数が少ない低核体成分の割合が少ないので、硬化性が良好になり、耐熱性にも優れたものとすることができる。
上記一般式[1]で表される成分の含有量が70%未満である場合、他の成分の割合が増大することになる。他の成分とは、一般式[1]で表される成分よりも高分子量である成分や、エポキシ基の数が少ない低核体成分である。ここで、一般式[1]で表される成分よりも高分子量である成分としては特に限定されないが、例えば、下記一般式[7]で
表される成分、あるいは、このエポキシ樹脂を合成する際に用いるジメチロールパラクレゾールの自己縮合物がエポキシ化した成分、などが挙げられる。
Figure 2005179453
一般式[5]中、
mは1〜4の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
nは0〜3の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
xは1以上の整数を示す。
Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換アラルキル基、及び、アルコキシ基から選ばれるものであり、同一であっても異なってもよい。
上記一般式[1]で表される成分よりも高分子量である成分が多い場合は、溶融粘度が高くなり、流動性が低下するようになる。また、上記エポキシ基の数が少ない低核体成分が多い場合は、架橋反応に関与できない成分が硬化性の低下を招き、硬化物の耐熱性が充分ではないことがある。
本発明のエポキシ樹脂は、このような目的のためには、上記一般式[1]で表される成分を80%以上含有することがさらに好ましい。
さらに、本発明のエポキシ樹脂は、特に限定されないが、上記一般式[1]で表される成分よりも高分子量である成分の含有量が10%以下であることが好ましい。これにより、さらに良好な流動特性を付与することができる。
本発明のエポキシ樹脂において、上記各成分の割合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量分布の測定を行い、得られた分子量分布曲線から、各成分に該当する面積比率より算出したものである。
GPC装置は、下記の仕様のものを使用した。
・本体:TOSOH社製・「HLC−8120」
・分析用カラム:TOSOH社製・「G1000HXL」1本、「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本
・測定条件:テトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で、示差屈折計を検出器として測定し、分子量は標準ポリスチレンにより換算した。
上記一般式[1]におけるRの中でも、Rが水素又は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。これにより、低吸水性を向上させることができるので、このエポキシ樹
脂を半導体素子のパッケージ封止材料に用いた場合、吸湿によるパッケージクラックの発生を抑制することができる。
さらに、上記一般式[1]で表される成分が、下記式[2]ないし[4]のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
Figure 2005179453
次に、本発明のエポキシ樹脂の製造方法について説明する。
本発明のエポキシ樹脂の製造方法は、上記本発明のエポキシ樹脂を製造する方法であって、
(a)下記一般式[5]で表されるフェノール化合物と、下記式[6]で表されるジメチロールパラクレゾール(MC)とを、酸性触媒の存在下で反応させてフェノール樹脂を合成する工程、及び、
(b)上記フェノール樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させる工程、
を有することを特徴とする。
Figure 2005179453
一般式[5]中、
mは1〜4の整数を示す。
nは0〜3の整数を示す。
Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換アラルキル基、及び、アルコキシ基から選ばれるものであり、同一であっても異なってもよい。
Figure 2005179453
一般式[5]中、Rは、一般式[1]で表される成分の説明において記載したものと同
じものを適用できる。
まず、上記(a)工程について説明する。
上記一般式[5]で表されるフェノール化合物としては、上記のものを用いることができるが、これらの中でも、Rが水素または炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。これにより、低吸水性を向上させることができるので、得られるエポキシ樹脂を半導体素子のパッケージ封止材料に用いた場合、吸湿によるパッケージクラックの発生を抑制することができる。
さらに、上記一般式[5]で表されるフェノール化合物が、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、及び、2,3,6−トリメチルフェノールから選ばれるものであることが好ましい。
これらのフェノール類は1官能性であるので、ジメチロールパラクレゾール(MC)との反応により、上記一般式[1]で表される成分を高い比率で得ることができる。これにより、分子量分布が狭く、好適な核体数である成分の含有量が多いエポキシ樹脂を簡易に得ることができるので、成形溶融時の流動性や、硬化物の耐熱性に優れたものとすることができる。
上記一般式[5]で表されるフェノ−ル化合物(P)とジメチロールパラクレゾール(MC)との反応モル比としては特に限定されないが、反応モル比(P/MC)=4/1〜30/1とすることが好ましい。さらに好ましくは8/1〜30/1である。
これにより、上記一般式[1]で表される成分の含有量をより高くすることができる。反応モル比が上記下限値より小さいと、用いるフェノール化合物の種類や反応条件によっては、上記一般式[1]で表される成分よりも高分子量である成分の生成が多くなることがある。また、反応モル比が上記上限値より大きい条件で行うと、未反応のフェノ−ル化合物の減圧蒸留に時間を要し、経済的でないことがある。
なお、ここで用いられるジメチロールパラクレゾールは、市販品を用いてもよいし、合成したものを用いることもできる。
ジメチロールパラクレゾールの合成方法としては特に限定されないが、例えば、パラクレゾールと(PC)ホルムアルデヒド(F)を、モル比(F/PC)=2以上として、水酸化ナトリウムなどの塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる。さらに、酸性物質による中和、水洗等により精製を行うことができる。
上記(a)工程で用いられる酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、蓚酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸、塩酸、硫酸などの無機酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機スルホン酸、有機ホスホン酸、あるいは、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸などのヘテロポリ酸などが使用できる。
これらの中でも、無機酸、有機スルホン酸、ヘテロポリ酸などの強酸が好ましく、特に、ヘテロポリ酸が好ましい。これにより、ジメチロールパラクレゾールの自己縮合を抑制することができる。
上記酸性触媒の使用量は特に限定されないが、反応速度の制御を容易にする観点から、フェノール化合物に対して0.1〜10重量%とすることが好ましい。
ここで酸性触媒の代わりに塩基性触媒を用いると、一般的に分子量分布が広い樹脂が得られるので、本発明の製造方法に適用するにあたっては好ましい形態ではない。
上記(a)工程における反応方法としては特に限定されないが、例えば、温調装置、温
度計などを備えた反応容器に、フェノール化合物と酸性触媒を仕込み、ジメチロールパラクレゾールを逐次添加する。逐次添加する際の温度は特に限定されないが、反応速度等の点から90〜120℃程度が好ましい。添加に所要する時間も特に限定されないが、反応の制御、速度、及び、得られる化合物の純度の点から、0.5時間〜6時間が好ましい。この後、100℃〜150℃程度で、1〜8時間反応を行う。
反応後、塩基性物質により酸性触媒を中和した後、水洗を行う。この後、常圧下で脱水、さらに減圧下で脱モノマ−を行い、目的とする化合物を得ることができる。
中和に使用する塩基性物質としては特に限定されないが、樹脂中のイオン性不純物の原因とならない有機塩基が好ましく、特にアミン類が好適に使用される。
また、水洗の方法は、樹脂を含む有機相と中和塩を含む水相とに分離した後、水相を系外に除去できればよく、特に限定されるものではないが、メチルイソブチルケトン等の有機溶媒を用いて、生成したフェノール樹脂を溶解し、水相と分離させる方法が効率的で好ましい。
次に、本発明の製造方法においては、
(b)上記フェノール樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させる。
フェノール樹脂とエピクロルヒドリンとの反応方法としては特に限定されないが、例えば、得られたフェノール樹脂に対してエピクロルヒドリン2〜10倍重量を添加し、必要に応じてイソプロピルアルコール等の溶媒を適宜加えた後、20〜50℃で水酸化ナトリウム水溶液をエピクロルヒドリン1モルに対して0.1〜0.5モル添加する。これを50〜80℃で反応させた後、大過剰の水で水洗し、副生塩、過剰の水酸化ナトリウムを除去し、減圧下で過剰のエピクロロヒドリンを蒸留除去する。このようにして、本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
以上の説明のように、本発明のエポキシ樹脂は、流動特性が良好で、硬化物の耐熱性に優れたものである。本発明のエポキシ樹脂は、硬化剤等と併せて用いることもできるし、さらに無機充填材等を併用してエポキシ樹脂組成物として用いることもできる。また、従来用いられている通常のエポキシ樹脂とともに併用することもできる。そして、これらいずれの形態においても、上記の特性を付与することができるものである。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、合成例、実施例、及び、比較例に記載されている「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
1.フェノール樹脂の合成
<合成例1>
攪拌装置、冷却管、加熱装置、温度計を備えた反応容器に、2,6−キシレノール(26XY)300部、酸性触媒として12−タングスト(VI)リン酸水和物0.75部を仕込み、ここへジメチロールパラクレゾール(MC)51.6部(モル比:26XY/MC=8/1)を100℃で4時間かけて逐次添加した後、100〜110℃で4時間反応を行った。
その後、塩基性物質(25%水酸化ナトリウム水溶液)0.5部を添加して酸性触媒を中和し、メチルイソブチルケトン100部、水200部を加え、10分間攪拌した後、静置して、有機相と水相とを分離させた。水相を系外に除去し、この水洗を合計3回行った。次いで、系内を150℃まで昇温しながら水、メチルイソブチルケトンを蒸留除去させた。続いて減圧下で脱モノマーを行い、フェノール樹脂132.0部を得た。
<合成例2>
実施例1において、2,6−キシレノール300部のかわりに、2,4−キシレノール(24XY)300部(モル比:24XY/MC=8/1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で反応を行い、フェノール樹脂127.1部を得た。
<合成例3>
実施例1において、2,6−キシレノール300部のかわりに、2,6−キシレノール600部(モル比:26XY/MC=16/1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で反応を行い、フェノール樹脂133.2部を得た。
<合成例4>
合成例1と同様の反応装置を用い、2,4−キシレノール(24XY)300部、塩基性触媒として50重量%水酸化ナトリウム水溶液100部を仕込み、ジメチロールパラクレゾール51.6部(モル比24XY/MC=8/1)を100℃で4時間かけて逐次添加した後、100〜110℃で4時間反応を行った。
その後、酸性物質(酢酸)75部を添加して塩基性触媒を中和し、メチルイソブチルケトン100部、水200部を加え、10分間攪拌した後、静置し有機層と水層を分離させた。水層を系外に除去し、この水洗を合計3回行った。次いで、系内を150℃まで昇温しながら水、メチルイソブチルケトンを蒸留除去させた。続いて減圧下で脱モノマーを行い、フェノール樹脂126.0部を得た。
2.エポキシ樹脂の製造
<実施例1>
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置に、合成例1で得られたフェノール樹脂100部、エピクロルヒドリン280部、及びイソプロピルアルコール100部を仕込み、攪拌し溶解させた後、系内の温度を35℃に保ち、50%水酸化ナトリウム水溶液56部を1時間かけて添加した。その間系内の温度は徐々に上昇し添加終了時は65℃となるようにした。系内の温度を65℃に保ったまま1時間反応させた後、水350部を加え水洗し、副生塩、過剰の水酸化ナトリウムを除去した。次に減圧下で過剰のエピクロルヒドリン、及びイソプロピルアルコールを蒸留除去して、エポキシ当量183g/eqのエポキシ樹脂139部を得た。
<実施例2>
実施例1において、合成例1で得られたフェノール樹脂のかわりに、合成例2で得られたフェノール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、エポキシ当量187g/eqのエポキシ樹脂134部を得た。
<実施例3>
実施例1において、合成例1で得られたフェノール樹脂のかわりに、合成例3で得られたフェノール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、エポキシ当量182g/eqのエポキシ樹脂141部を得た。
<比較例1>
実施例1において、合成例1で得られたフェノール樹脂のかわりに、合成例4で得られたフェノール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、エポキシ当量194g/eqのエポキシ樹脂128部を得た。
実施例1〜3、比較例1で得られたエポキシ樹脂について、表1に示す。
Figure 2005179453
3.エポキシ樹脂の評価
3.1 エポキシ当量
JIS K 7236に準拠して測定した。
3.2 溶融粘度
RESEARCH EQUIPMENT LTD.製 I.C.I. CONE & PLATE VISCOMETERを用いて測定した。
3.3 GPC測定
(1)GPC装置は、下記の仕様のものを使用した。
・本体:TOSOH社製・「HLC−8120」
・分析用カラム:TOSOH社製・「G1000HXL」1本、「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本
・測定条件:テトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で、示差屈折計を検出器として測定し、分子量は標準ポリスチレンにより換算した。
(2)上記条件により得られた分子量分布曲線より、下記成分の割合を算出した。
(2.1)3核体成分の割合:一般式[1]で表される成分の含有割合を、該当成分の面積比率から算出した。
(2.2)高分子量成分の割合:一般式[1]で表される成分よりも高分子量である成分の含有割合を、該当成分の面積比率から算出した。
(2.3)低分子量成分の割合:一般式[1]で表される成分よりも低分子量である成分の含有割合を、該当成分の面積比率から算出した。
3.エポキシ樹脂組成物の調製
<実施例11〜15>
実施例1〜3で得られたエポキシ樹脂、硬化剤(フェノール・p−キシリレングリコールジエチルエーテル重縮合物/住友ベークライト社製・「PR−54443」、水酸基当量172g/eq)、トリフェニルホスフィン、溶融球状シリカ、及び、ステアリン酸を表2の割合(部)で配合し、これを常温でミキサーにより混合した後、二軸ロール混練装置で混練したものを冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
<比較例11〜14>
実施例で得られたエポキシ樹脂の代わりに、比較例1で得られたエポキシ樹脂、あるいは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製・「エピクロン N−665」・エポキシ当量215g/eq)を用いて、実施例11〜15と同様にエポキシ樹脂組成物を得た。
4.エポキシ樹脂組成物の硬化成形物の作製
上記実施例11〜15、及び、比較例11〜14で得られたエポキシ樹脂組成物を、100kg/cm、175℃、10分間の条件でトランスファー成形し、さらに180℃、6時間の条件で後硬化して硬化成形物を得た。
実施例11〜15、比較例11〜14について、成形前のエポキシ樹脂組成物のスパイラルフロー、及び、硬化成形物のガラス転位温度、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005179453
4.評価方法
(1)スパイラルフロー:EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力70kg/cm、硬化時間2分間で測定した。
(2)ガラス転移温度:熱機械分析装置(TMA)を用いて測定した。
(3)曲げ強さ:JIS K 6911に準拠して測定した。
(4)曲げ弾性率:JIS K 6911に準拠して測定した。
実施例1〜3は、本発明の製造方法により製造され、一般式[1]で表される成分が70%以上含有されている本発明のエポキシ樹脂であり、高分子量成分の割合が大きい比較例1のエポキシ樹脂と比べて、溶融粘度が低いものである。
そして、実施例11〜15は、本発明のエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物であり、比較例1のエポキシ樹脂、あるいは、従来から用いられているビスフェノール型エポキシ樹脂を用いた比較例11〜14のエポキシ樹脂組成物と比較して、優れた流動性を有し、かつ、曲げ弾性率を維持しながら曲げ強度が向上しており、耐熱性に優れたものとすることができた。
また、実施例15のように、無機充填材を高い比率で配合しても、実用上充分な特性を付与することができた。
本発明は、上記のような特定の構造を有するエポキシ樹脂、及びその製造方法である。
本発明のエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物は、流動性に優れ、硬化物の耐熱性に優れたものであり、例えば、半導体等の高性能電子部品の封止材料、一般成形材料、粉体塗料、積層板用樹脂として好適に用いることができ、電気電子部品の性能向上に寄与するものと期待される。

Claims (9)

  1. 下記一般式[1]で表される成分を70%以上含有することを特徴とするエポキシ樹脂。
    Figure 2005179453
    一般式[1]中、
    mは1〜4の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
    nは0〜3の整数を示し、一分子内において同一であっても異なってもよい。
    Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換アラルキル基、及び、アルコキシ基から選ばれるものであり、一分子内において同一であっても異なってもよい。
  2. 上記一般式[1]で表される成分よりも高分子量である成分を10%以下含有する請求項1に記載のエポキシ樹脂。
  3. 上記一般式[1]で表される成分は、Rが水素または炭素数1〜6のアルキル基である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂。
  4. 上記一般式[1]で表される成分は、下記式[2]ないし[4]のいずれかで表される化合物である請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂。
    Figure 2005179453
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法であって、
    (a)下記一般式[5]で表されるフェノール化合物と、下記式[6]で表されるジメチロールパラクレゾールとを、酸性触媒の存在下で反応させてフェノール樹脂を合成する工程、及び、
    (b)前記フェノール樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させる工程、
    を有することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
    Figure 2005179453
    一般式[4]中、
    mは1〜4の整数を示す。
    nは0〜3の整数を示す。
    Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換アラルキル基、及び、アルコキシ基から選ばれるものであり、同一であっても異なってもよい。
    Figure 2005179453
  6. 前記一般式[5]で表されるフェノール化合物は、Rが水素または炭素数1〜6のアルキル基である請求項5に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  7. 前記一般式[5]で表されるフェノール化合物は、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、及び、2,3,6−トリメチルフェノールから選ばれるものである請求項5又は6に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  8. 前記フェノ−ル化合物(P)と前記ジメチロールパラクレゾール(MC)とを、反応モル比(P/MC)=4/1〜30/1として反応させる請求項5ないし7のいずれかに記載
    のエポキシ樹脂の製造方法。
  9. 上記酸性触媒として、ヘテロポリ酸を用いる請求項5ないし8のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
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JP2007222309A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Hoya Corp 眼内レンズ挿入器具
JP2008169133A (ja) * 2007-01-10 2008-07-24 Yunimatekku Kk チオール化合物誘導体の製造方法

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