JP2000225383A - フッ素の固定化方法、フッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方法、土中埋設用材料およびその製造方法 - Google Patents

フッ素の固定化方法、フッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方法、土中埋設用材料およびその製造方法

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JP2000225383A
JP2000225383A JP11140013A JP14001399A JP2000225383A JP 2000225383 A JP2000225383 A JP 2000225383A JP 11140013 A JP11140013 A JP 11140013A JP 14001399 A JP14001399 A JP 14001399A JP 2000225383 A JP2000225383 A JP 2000225383A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製鋼スラグをはじめとする、フッ素を含む産
業廃棄物中に含有されるフッ素の溶出を効果的に抑制す
ることができない。 【解決手段】 カルシウムを含む化合物およびアルミニ
ウムを含む化合物からなる固定剤、例えば、合成された
カルシウムアルミネート化合物、天然に産するカルシウ
ムアルミネート鉱物、および、カルシウムアルミネート
を含む二次精錬スラグの1種または2種以上を用いて、
カルシウムアルミネートを含む平均粒径が150 μm以下
の粉末20〜80重量部と、例えば溶銑予備処理スラグ、転
炉スラグ、電気炉スラグまたは二次精錬スラグといった
フッ素を含む製鋼スラグ100 重量部とを、水の存在下で
反応させることにより、フッ素を含む製鋼スラグ、また
はAl精錬スラグ等のフッ素を含む産業廃棄物を安定化処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素の固定化方
法と、製鋼工程で不可避的に発生する、例えば溶銑予備
処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさらには二次精
錬スラグ等といった、フッ素を含む産業廃棄物の安定化
処理方法と、土中埋設用材料およびその製造方法とに関
する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、近年、各種の産業廃棄物
の排出総量が増加するに伴って、環境保護の観点から、
その適正かつ効率的な処理が強く求められている。
【0003】産業廃棄物の一例である製鋼スラグの我が
国における排出総量は、例えば1996年の1年間におい
て、約970 万トンにも達した。この排出総量のうちの42
%強に相当する約410 万トンの製鋼スラグが、土木工事
および埋め立てに用いられた。
【0004】ところで、製鋼過程においては、スラグの
融点を下げて流動性を向上させ、スラグと溶鋼との反応
性を高めるために、蛍石CaF2が添加される。このため、
一般的に、製鋼スラグにはフッ素が不可避的に含有され
る。近年、このフッ素を長期間にわたって多量に摂取す
ると、歯牙フッ素症、骨フッ素症さらには運動障害性フ
ッ素症等の各種障害を引き起こすことが、わかってき
た。このため、我が国においても、フッ素は水質および
地下水環境基準項目に指定されている。
【0005】したがって、産業廃棄物として多量に発生
する製鋼スラグを、前述した土木工事や埋め立てに用い
る場合には、製鋼スラグにフッ素溶出の抑制処理を行っ
て、埋め立て後の製鋼スラグからのフッ素の溶出に起因
した環境汚染の防止に充分に配慮することが望ましい。
【0006】しかし、従来の我が国の産業廃棄物最終処
分基準では、埋め立て処分品についてのフッ素溶出量規
制値が制定されていないこともあり、産業廃棄物からの
フッ素溶出の抑制法は、これまで全く検討されていなか
った。
【0007】産業廃棄物を対象とするものではないが、
溶液中に高濃度に含まれるフッ素を除去する方法とし
て、石灰をフッ素含有溶液に添加することにより、安定
なフッ化カルシウムを沈殿させることにより、フッ素を
除去する技術が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶液中のフッ
素濃度が低下するに伴って、溶液中でのフッ化カルシウ
ムの生成反応が進行し難くなる。このため、この技術で
は、廃水処理基準値を下回ることはできるものの、工業
的規模で産業廃棄物に含まれるフッ素の濃度を所望の程
度に抑制することは、現実には困難である。
【0009】ここに、本発明の目的は、フッ素の固定化
方法と、製鋼工程で不可避的に発生する、例えば溶銑予
備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさらには二次
精錬スラグ等といった、フッ素を含む製鋼スラグからの
フッ素溶出を抑制して、製鋼スラグを確実に安定化処理
することができるフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理
方法と、土中埋設用材料およびその製造方法とを提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明の要旨と
するところは、最も広義には、カルシウムを含む化合物
およびアルミニウムを含む化合物を用いて、フッ素を捕
捉することを特徴とするフッ素の固定化方法である。
【0011】具体的には、本発明は、カルシウムを含む
化合物およびアルミニウムを含む化合物の一方または双
方を含む粉末を固定剤として用い、フッ素を含む産業廃
棄物の安定化処理を行うことを特徴とする、フッ素を含
む産業廃棄物の安定化処理方法である。
【0012】上記の本発明では、粉末が、カルシウム
アルミネートを含む粉末であること、産業廃棄物が、
製鋼スラグ、ステンレス鋼の酸洗スラッジ、Al精錬スラ
グ、瓦工場やりん肥料工場等から排出される残渣、都市
ゴミダストまたは、直接溶融炉から排出されるスラグお
よびダストであることが、それぞれ例示される。
【0013】また、上記の本発明では、粉末が、合成さ
れたカルシウムアルミネート化合物およびその副生物、
天然に産するカルシウムアルミネート鉱物、および、カ
ルシウムアルミネートを含む二次精錬スラグの1種また
は2種以上に由来することが、例示される。
【0014】また、上記の本発明では、溶出するフッ素
の処理基準値が0.8mg/L 以下である場合には、粉末の最
大粒径が150 μm以下であることが、フッ素の安定化を
確実に行うためには、望ましい。
【0015】また、これらの本発明では、製鋼スラグ
が、製鋼工程で発生する、溶銑予備処理スラグ、転炉ス
ラグ、電気炉スラグまたは二次精錬スラグであることが
例示される。
【0016】また、これらの本発明では、製鋼スラグ10
0 重量部に対して、カルシウムアルミネートを含む粉末
を5〜80重量部、より望ましくは20〜80重量部添加する
ことが、フッ素の安定化を確実に行うとともに処理コス
トの上昇を抑制するために、望ましい。
【0017】また、これらの本発明では、上記の安定化
処理が、フッ素を含む製鋼スラグとカルシウムアルミネ
ートを含む粉末とを水の存在下で反応させることによっ
て、行われることが、例示される。
【0018】上記の本発明では、フッ素を含む製鋼スラ
グとカルシウムアルミネートを含む粉末との反応が、
(i) 水の存在の下で60℃以上に加温するか、またはオー
トクレーブ処理を行って100 ℃以上に加温加圧するこ
と、(ii)水の存在の下でオートクレーブ処理または蒸気
養生を行うことにより80℃以上に加温加圧することによ
り、行われることが、フッ素の安定化を確実に行うため
に、望ましい。
【0019】さらに、これらの本発明では、上記の安定
化処理の際に、さらにセメントを固定剤として用いるこ
とが、より望ましい。また、別の面からは、本発明は、
フッ素を含む製鋼スラグに、カルシウムを含む化合物お
よびアルミニウムを含む化合物を含む粉末を添加してな
ることを特徴とする土中埋設用材料である。
【0020】さらに、別の面からは、本発明は、フッ素
を含む製鋼スラグに、カルシウムを含む化合物およびア
ルミニウムを含む化合物を含む粉末を添加することを特
徴とする土中埋設用材料の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるフッ素の固
定化方法、フッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方法、
土中埋設用材料およびその製造方法の実施形態を、添付
図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の実施
形態の説明では、フッ素を含む産業廃棄物が、製鋼スラ
グである場合を例にとる。
【0022】図1は、本実施形態の安定化処理方法によ
り、塊状の製鋼スラグ1a〜1dに安定化処理を施す状況を
模式的に示す説明図である。同図に示す本実施形態で
は、合成されたカルシウムアルミネート化合物2a、天然
に産するカルシウムアルミネート鉱物2b、および、カル
シウムアルミネートを含む二次精錬スラグ2cの1種また
は2種以上に由来する、カルシウムアルミネートを含む
粉末2を固定剤として用い、フッ素を含む製鋼スラグ1a
〜1dの安定化処理を行っている。
【0023】また、図2は、本実施形態の安定化処理方
法により、粉状の二次精錬スラグ1d' に安定化処理を施
す状況を模式的に示す説明図である。同図に示す本実施
態様でも、合成されたカルシウムアルミネート化合物2
a、天然に産するカルシウムアルミネート鉱物2b、およ
び、カルシウムアルミネートを含む二次精錬スラグ2cの
1種または2種以上に由来する、カルシウムアルミネー
トを含む粉末2を固定剤として用い、フッ素を含む粉状
の二次精錬スラグ1d' の安定化処理を行っている。そこ
で、以降の説明では、製鋼スラグ1、固定剤2、製鋼ス
ラグ1の安定化処理について、順次説明する。
【0024】[製鋼スラグ1]本実施形態において安定化
処理が行われる製鋼スラグ1は、図1に示すフッ素を含
む溶銑予備処理スラグ1a、フッ素を含む転炉スラグ1b、
フッ素を含む電気炉スラグ1cおよびフッ素を含む二次精
錬スラグ(塊状)1dと、図2に示すフッ素を含む二次精
錬スラグ(粉状)1d' の5種である。
【0025】本発明では、製鋼スラグ1が生成される製
鋼工程の形態は、何らの限定を要さない。このような製
鋼スラグ1として、例えばトーピード、溶銑鍋または
転炉により生成される溶銑予備処理スラグ1a、上吹き
操業、底吹き操業または上下吹き操業等により生成され
る転炉スラグ1b、高周波加熱またはアーク加熱により
生成される電気炉スラグ1c、高周波加熱またはアーク
加熱により生成される二次精錬スラグ1dが例示される。
なお、本発明における「製鋼スラグ」には、これらのス
ラグだけではなくて、これらの操業の際に生じるフッ素
を含むダストも包含される。
【0026】製鋼スラグ1a〜1dの性状は、主に塊状であ
る。しかし、一部の二次精錬スラグでは、スラグ中のP2
O5濃度が低いことに起因して冷却時に相変態を起こし、
粉状の二次精錬スラグ1d' となる。
【0027】製鋼スラグ1の組成は、当然のことなが
ら、例えば操業法や溶鋼組成等の各種要因により、変動
する。しかし、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、
電気炉スラグ1c、二次精錬スラグ(塊状)1dおよび二次
精錬スラグ(粉状)1d' のいずれもが、フッ素を含んで
いる。例えば、溶銑予備処理スラグ1aは0.1 〜7.1 重量
%のフッ素を、転炉スラグ1bは0.2 〜3.5 重量%のフッ
素を、電気炉スラグ1cは1.0 〜8.9 重量%のフッ素を、
さらに二次精錬スラグ1dおよび1d' では0.1 〜5.7 重量
%のフッ素を、それぞれ含有する。
【0028】製鋼スラグ1に含まれるこれらのフッ素
は、製鋼スラグ1a〜1d' 中において、例えばCaF2、Ca5F
(PO4)3、3CaO・2SiO2・CaF2、 (2CaO・SiO2)2・CaF2
(3CaO・SiO2)3または11CaO・7Al2O3・CaF2等として存在
する。これらの鉱物相のうちのいずれの鉱物相が存在す
るかは、スラグ組成、操業法さらにはスラグ冷却条件と
いった各種要因により、変動する。また、2CaO・SiO2
3CaO・SiO2、2CaO・SiO2・Al2O3 または2CaO・TiO2の各
鉱物相中には0.5 〜12重量%のフッ素が含まれる。
【0029】[固定剤2]本実施形態では、カルシウムア
ルミネートを含む粉末2として、合成されたカルシウム
アルミネート化合物2a、天然に産するカルシウムアルミ
ネート鉱物2b、および、カルシウムアルミネートを含む
二次精錬スラグ2cの1種または2種以上に由来する粉末
2を、固定剤として用いる。
【0030】本発明では、「カルシウムアルミネート」
とは、例えばCaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、 12CaO・7Al
2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 若しくは3CaO・Al2O
3 、若しくはこれらの混合物、またはこれらの水和物等
を意味する。
【0031】合成されたカルシウムアルミネート化合物
2aとしては、例えばCaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、 12Ca
O・7Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 、3CaO・Al2O
3 、2CaO・Al2O3・SiO2若しくは3CaO・2Al2O3・MgO 、7
CaO・5Al2O3・MgO 、25CaO ・17Al2O3・8MgO、若しくは
これらの混合物等が例示される。これらは、いずれも、
いわゆる高温焼成法により合成される。これらを水と反
応させることにより生じる水和物としては、 CaO・Al2O
3・8.5H2O、 CaO・Al2O3・10H2O 、4CaO・3Al2O3・3H
2O、2CaO・Al2O3・6H2O、2CaO・Al2O3・8H2O、3CaO・Al
2O3・6H2O、3CaO・Al2O3・xH2O(x=8〜12) 、4CaO・Al
2O3・13H2O 、α−4CaO・Al2O3・19H2O 、3CaO・Al2O3
・Ca(OH)2・18H2O 、4CaO・Al2O3・xH2O、3CaO・Al2O3
・3Ca(OH)2・32H2O 等がある。
【0032】天然に産するカルシウムアルミネート鉱物
2bとしては、例えば、12CaO・7Al2O3組成の鉱物としてM
ayeniteが、 CaO・Al2O3・8.5H2O組成の鉱物としてTuni
siteが、3CaO・Al2O3・6H2O組成の鉱物としてKatoite
やHydrogrossular等がある。
【0033】二次精錬スラグ2cとは、真空精錬法、取鍋
精錬法または簡易取鍋精錬等の二次精錬 (炉外精錬) を
行った際に生成されたスラグを意味し、石灰(CaO) およ
びアルミナ(Al2O3) を主成分として含むものである。こ
のような二次精錬スラグ2cについて、X線回折法等の適
宜方法により鉱物相を同定すると、二次精錬スラグ2c中
の石灰およびアルミナ濃度が高い場合には、CaO・Al2O3
相、 12CaO・7Al2O3相、3CaO・Al2O3 相および、2CaO
・Al2O3・SiO2相が主要鉱物相として認められる。
【0034】固定剤として用いる二次精錬スラグ中のSi
O2の濃度が高い場合には、二次精錬スラグから溶出した
Siイオンが、二次精錬スラグから溶出したCaイオンと直
ちに反応し、CaO−SiO2−H2O 化合物を生成する。ま
た、二次精錬スラグから溶出したSiイオンが、二次精錬
スラグから溶出したCaイオンおよびAlイオンと直ちに反
応し、CaO−Al2O3−SiO2−H2O 化合物を生成する。それ
らの結果、フッ素の固定化に有効なCaO−Al2O3−H2O 化
合物の生成量が減少し、固定化されるフッ素イオン量が
少なくなる。このことから、二次精錬スラグをフッ素の
固定剤として用いるためには、二次精錬スラグ中のSiO2
の濃度は10重量%以下、より好適には5重量%以下であ
ることが望ましい。
【0035】また、固定剤として用いる二次精錬スラグ
中の鉄酸化物の濃度が高い場合には、二次精錬スラグか
ら溶出したFeイオンが、二次精錬スラグから溶出したCa
イオンおよびAlイオンと直ちに反応し、CaO−Al2O3−Fe
2O3−H2O 化合物を生成する。その結果、フッ素の固定
化に有効なCaO−Al2O3−H2O 化合物の生成量が減少し、
固定化されるフッ素イオンの量が少なくなる。このこと
から、二次精錬スラグをフッ素の固定剤として用いるた
めには、二次精錬スラグ中の全鉄酸化物の濃度は5重量
%以下、より好適には3重量%以下であることが望まし
い。
【0036】本発明では、「カルシウムアルミネート」
である、例えばCaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、 12CaO・7
Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 若しくは3CaO・Al2
O3、若しくはこれらの混合物、またはこれらの水和物の
いずれによっても、製鋼スラグ1に含まれるフッ素を、
容易かつ確実に固定することができる。
【0037】本実施形態では、固定剤である粉末2の平
均粒径が大きくなるにしたがい、水存在下において、こ
れらの粉末2と製鋼スラグ1から溶出したフッ素との反
応界面積が減少し、製鋼スラグ1からのフッ素溶出量よ
り粉末2へのフッ素吸着量が少なくなる。したがって、
溶出するフッ素の処理基準値が0.8mg/L 以下である場合
には、粉末2の平均粒径が150 μmを超えると、製鋼ス
ラグ1に含まれるフッ素の固定化が不十分になるおそれ
がある。また、水存在下において、粉末2からのカルシ
ウムおよびアルミニウムの溶出速度が小さくなり、製鋼
スラグ1から溶出したフッ素との反応による固定化が不
十分になるおそれがある。
【0038】そこで、溶出するフッ素の処理基準値が0.
8mg/L 以下である場合には、粉末2の平均粒径は150 μ
m以下であることが望ましい。同様の観点から、粉末2
の平均粒径は50μm以下であることがより望ましい。こ
のような観点からは、粉末2の平均粒径の下限は限定を
要さないが、10μm未満の平均粒径であると、粉末2の
取り扱いが面倒になるため10μm以上であることが望ま
しい。
【0039】また、固定剤である粉末2の添加量が少な
過ぎると、水存在下において、これらの粉末2と製鋼ス
ラグ1から溶出したフッ素との反応界面積が十分でない
ために、製鋼スラグ1からのフッ素溶出量より粉末2へ
のフッ素吸着量が少なくなり、フッ素の固定化が不十分
になるおそれがある。また、水存在下において、粉末2
からのカルシウムおよびアルミニウムの溶出量が少なく
なり、製鋼スラグ1から溶出したフッ素との反応による
固定化が不十分になるおそれがある。これらの傾向は、
フッ素濃度の高い製鋼スラグ1において、よりいっそう
顕著になる。一方、粉末2の添加量が多過ぎると、フッ
素の安定化効果が飽和するとともに、コスト高となって
減容化を阻害する。
【0040】そこで、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラ
グ1b、電気炉スラグ1c、または、二次精錬スラグ1d (塊
状) および二次精錬スラグ1d (粉状) 1d' の安定化処理
を行う際には、フッ素を含む製鋼スラグ100 重量部に対
して、粉末2を5〜80重量部、より好適には20〜80重量
部添加することが、望ましい。
【0041】[塊状の製鋼スラグ1a〜1dの安定化処理]図
1に示すように、本実施形態では、上述した粉末2を用
い、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラ
グ1cまたは二次精錬スラグ1dの安定化処理を行う。
【0042】塊状の製鋼スラグである溶銑予備処理スラ
グ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1cまたは二次精錬ス
ラグ1dの安定化処理は、これらスラグ1a〜1dに粉末2を
適量添加した後、機械3を用いて十分混合することによ
り、これら製鋼スラグ1a〜1dから溶出したフッ素を固定
化して、安定化処理品である土中埋設用材料5を得る処
理である。
【0043】また、製鋼スラグ1a〜1dと粉末2との混合
の際に、水を適量添加し、60℃以上に加温することによ
り、製鋼スラグ1中のフッ素の固定化が促進される。こ
の際、オートクレーブ4を用いて100 ℃以上に加温加圧
することが、製鋼スラグ1中のフッ素の固定化を促進さ
せるためには、より望ましい。
【0044】さらに、製鋼スラグ1に粉末2を適量添加
し、機械3を用いて十分混合した後、水を適量添加して
から、オートクレーブまたは蒸気養生装置4により80℃
以上に加温加圧して、製鋼スラグ1中のフッ素を固定化
して、安定化処理品である土中埋設用材料5を得ること
としてもよい。
【0045】[粉状の製鋼スラグ1d' の安定化処理]図2
に示すように、本実施形態では、上述した粉末2を用
い、粉状の二次精錬スラグ1d' の安定化処理を行う。
【0046】粉状の製鋼スラグである二次精錬スラグ1
d' の安定化処理は、二次精錬スラグ1d' と粉末2とに
水を適量添加した後、例えば混練機や造粒機あるいは混
練および造粒の二つの機能を併せ持つ機械6等を用い
て、粉状二次精錬スラグ1d' と粉末2を混練して所望の
形状 (例えば円柱状) の造粒物である土中埋設用材料
7’とする処理である。
【0047】また、造粒物7を60℃以上に加温すること
により、二次精錬スラグ1d' 中のフッ素の固定化が促進
される。この際、オートクレーブ4を用いて100 ℃以上
に加温加圧することが、二次精錬スラグ1d' 中のフッ素
の固定化を促進させるためには、より望ましい。
【0048】さらに、造粒物7を、オートクレーブまた
は蒸気養生装置4によりオートクレーブ処理または蒸気
養生を行うことにより、80℃以上に加温加圧して、二次
精錬スラグ1d' 中のフッ素を固定化してもよい。
【0049】なお、安定化処理の際に、二次精錬スラグ
1d' および粉末2と共存させる水は、本発明では、転動
造粒、攪拌造粒等により凝集造粒現象を生じさせて造粒
物7を形成するために用いられる。そのため、土中埋設
用材料である造粒物7’に求める強度や硬度等に応じ
て、水とともに適当な溶媒を用いてもよい。このような
溶媒としては、例えば、デキストリン、リグニン等を例
示することができる。
【0050】[安定化処理の作用]このような安定化処理
により、図1に示す溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ
1b、電気炉スラグ1c、二次精錬スラグ (塊状)1d 、およ
び図2に示す二次精錬スラグ (粉状)1d'にそれぞれ含ま
れるフッ素が固定化される機構を説明する。
【0051】本発明者らは、フッ化水素酸を蒸留水で希
釈した溶液を攪拌しながら、高温焼成によって合成した
CaO・Al2O3 、 12CaO・7Al2O3または3CaO・Al2O3 の小
塊を浸漬して3〜12時間反応させ、反応後の CaO・Al2O
3 、12CaO・7Al2O3または3CaO・Al2O3 の小塊表面の鉱
物相をX線マイクロアナライザにより同定した。また、
フッ化水素酸を蒸留水で希釈した溶液に、高温焼成によ
って合成した CaO・Al2O3 、 12CaO・7Al2O3または3CaO
・Al2O3 の粉末を添加し、3〜12時間攪拌して、反応後
の粉末について、その鉱物相をX線回折法により同定し
た。
【0052】その結果、 CaO・Al2O3 粉末の場合にはCa
Al2(OH)8-xFx 、Ca3Al2(OH)8-xFx・yH2O、Ca2Al(OH)7-x
Fx・3H2Oが、また、 12CaO・7Al2O3粉末および3CaO・Al
2O3 粉末の場合には3CaO・Al2O3・Ca(OH)2-xFx・18H2O
、CaAl(OH)5-xFx・H2O 、Ca3Al2(OH)12-xFx 、Ca3Al
2(OH)2F10・H2O がそれぞれ存在することが認められ
た。
【0053】このようにしてカルシウムアルミネートを
含む粉末によりフッ素が安定化されることは、下記の反
応機構により説明される。例えば、 CaO・Al2O3 粉末が
水共存下でフッ素イオンと反応してCaAl2(OH)8-xFx
生成する場合、 pH に応じて、CaO ・Al2O3 粉末からカ
ルシウムおよびアルミニウムが溶出してイオンとなる反
応(式または' 式)と、カルシウムイオンおよびア
ルミニウムイオンがフッ素イオンと反応してCaAl2(OH)
8-xFx が生成する反応(式または' 式)とが進行す
る。
【0054】 (pHが5.1 超の場合) CaO・Al2O3 → Ca2++2AlO2 - ・・・・ Ca2++2AlO2 - + xF-+xH++(4-x)H2O → CaAl2(OH)8-xFx ・・・ (pHが5.1 以下の場合) CaO・Al2O3 +8H+ → Ca2++2Al3+ +4H2O ・・・・ ' Ca2++2Al3+ +xF- +(8−x)OH- → CaAl2(OH)8-xFx ・・・' 一方、12CaO・7Al2O3粉末が水共存下でフッ素イオンと
反応して3CaO・Al2O3・Ca(OH)2-xFx・18H2O が生成する
場合、 12CaO・7Al2O3粉末からカルシウムおよびアルミ
ニウムが溶出してイオンとなる反応(式または'
式)と、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンが
フッ素イオンと反応して3CaO・Al2O3・Ca(OH)2-xFx ・1
8H2O が生成する反応(式または' 式)とが進行す
る。
【0055】 (pHが5.1 超の場合) 12CaO・7Al2O3+5H2O → 12Ca2++14AlO2 -+10OH- ・・・ 4Ca2+ + 2AlO2 -+xF-+(6−x)OH-+16H2O → 3CaO・Al2O3・Ca(OH)2-xFx・18H2O ・・・ (pHが5.1 以下の場合) 12CaO・7Al2O3+ 66H+ →12Ca2++14Al3++33H2O ・・・・' 4Ca2+ +2Al3+ +xF-+ (14−x)OH- +12H2O → 3CaO・Al2O3・Ca(OH)2-xFx・18H2O ・・・' 本発明によれば、このようにして、カルシウムを含む化
合物およびアルミニウムを含む化合物を用いてフッ素が
捕捉されて、フッ素が固定化される。すなわち、カルシ
ウムアルミネートを含む粉末、すなわち、合成されたカ
ルシウムアルミネート化合物2a、天然に産するカルシウ
ムアルミネート鉱物2b、および、カルシウムアルミネー
トを含む二次精錬スラグ2cの1種または2種以上に由来
する、カルシウムアルミネートを含む粉末2を、固定剤
として用いることにより、溶銑予備処理スラグ1a、転炉
スラグ1b、電気炉スラグ1c、二次精錬スラグ (塊状)1d
および二次精錬スラグ (粉状)1d'の安定化処理が行われ
る。
【0056】ここで、本発明における「Caを含む化合
物」とは、例えばCaO(酸化カルシウム) 、Ca(OH)2(水酸
化カルシウム) 、CaCO3(炭酸カルシウム) 、ソーダ石
灰、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2等を意味し、また、「Alを
含む化合物」とは、例えばAl2O3(酸化アルミニウム) 、
Al(OH)3(水酸化アルミニウム) 、NaAlO2(アルミン酸ナ
トリウム) 、MgO・Al2O3 等を意味する。
【0057】なお、粉状の二次精錬スラグ1d' の安定化
処理に際しては、セメント8を粉末2とともに固定剤と
して複合添加することが望ましい。セメント8を粉末2
とともに複合添加することにより、造粒物7の周囲に、
セメント8の緻密組織を生成することができ、固定化処
理をさらに完全なものとすることができる。
【0058】通常、ポルトランドセメント中には2CaO・
SiO2、3CaO・SiO2、2CaO・Al2O3 ・SiO2相とともに、3C
aO・Al2O3 相が8〜11%含まれている。このことから、
セメントを添加することにより、製鋼スラグの周囲にセ
メントの緻密組織が生成しフッ素が溶出し難くなる効
果、またはフッ素固定相の周囲にセメントの緻密組織が
生成してフッ素固定相の再溶解が起こらなくなる効果の
他に、セメント中の3CaO・Al2O3 相によるフッ素の固定
化が起こる。しかし、セメントを過度に添加すると、土
中埋設材料が強く固化し、土中埋設材料の掘り起こしを
困難にするとともにコストの上昇をもたらす。これらの
ことから、セメントによってもフッ素の固定化は可能で
あるものの、セメントの使用量は制限される。
【0059】したがって、セメント8の緻密性を確保す
るためには、ブレーン比表面積値が1000cm2/g 以上の微
粒子セメント (例えばポルトランドセメント) を、粉末
2の30重量%以下添加することが望ましい。
【0060】このようにして得られた土中埋設用材料で
ある安定化処理品5、7’は、いずれも、水質および地
下水環境基準値である「フッ素溶出量:0.8 mg/L以下」
を十分に満足するため、路盤材や埋め戻し材等として土
木現場において、環境汚染を防止しながら有効に利用す
ることができる。
【0061】このように、本実施形態によれば、溶銑予
備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1cまたは
二次精錬スラグ (塊状)1d および二次精錬スラグ (粉
状)1d'といった、フッ素を含む製鋼スラグを、確実に安
定化処理することができる。また、この処理に際して、
低コストの二次精錬スラグ2cを用いることもできる。し
たがって、この場合には、処理コストの顕著な低減が可
能となる。
【0062】また、安定化処理に用いるカルシウムアル
ミネートを含む粉末2は、製鋼スラグ1に含まれるフッ
素と効果的に反応するため、粉末2の使用量の増加も可
及的に抑制される。このため、この面からも、処理コス
トの低減が可能となる。
【0063】さらに、本発明を実施例を参照しながら詳
細に説明する。なお、以降の各実施例の説明では、溶出
するフッ素の処理基準値を0.8mg/L 以下に設定した場合
を、例にとる。
【0064】
【実施例】(実施例1)スラグヤードで採取された溶銑予
備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグおよび二次精
錬スラグの化学組成を表1にそれぞれ示す。
【0065】
【表1】
【0066】これらの各スラグについて、平成3年環境
庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。フッ素の
溶出量と、水質および地下水環境基準値とを表2に対比
して示す。
【0067】
【表2】
【0068】表2に示す結果から、溶銑予備処理スラ
グ、転炉スラグ、電気炉スラグ、二次精錬スラグ (塊
状) および二次精錬スラグ (粉状) のいずれも、フッ素
の溶出量が水質および地下水環境基準値を大幅に超える
ため、フッ素の固定化処理を行う必要があることが明ら
かであった。
【0069】そこで、本発明にしたがい、これらの製鋼
スラグのうちで溶銑予備処理スラグ100 重量部に対し
て、粒度 (最大粒径) が250 μm以下150 μm超、150
μm以下100 μm超、100 μm以下32μm超、または32
μm以下の4水準の CaO・Al2O3 、 12CaO・7Al2O3また
は3CaO・Al2O3 合成品の粉末を、50重量部添加し、水の
存在の下で反応させた。
【0070】得られた処理品について、平成3年環境庁
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中の
フッ素濃度と CaO・Al2O3 、 12CaO・7 Al2O3 または3C
aO・Al2O3 合成品の粒度との関係を図3にグラフで示
す。
【0071】図3に示すグラフから、スラグ粒度が150
μm以下であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質およ
び地下水環境基準値である0.8 mg/Lを下回ることがわか
る。なお、フッ素の処理基準値が例えば2.4mg/L である
場合には、スラグ粒度が例えば400 μm程度であって
も、この処理基準値を満足することができる。
【0072】(実施例2)本発明にしたがい、溶銑予備処
理スラグ100 重量部に対して、粒度150 μm以下の CaO
・Al2O3 、 12CaO・7Al2O3または3CaO・Al2O3 合成品の
粉末を5〜100重量部添加し、水の存在の下で反応させ
た。
【0073】得られた処理品について、平成3年環境庁
告示第46号で規定された溶出試験を行った。CaO・Al2O3
、 12CaO・7Al2O3または3CaO・Al2O3 合成品 (固定剤)
の重量/溶銑予備処理スラグ重量の比と、溶出液中の
フッ素濃度との関係を図4にグラフで示す。
【0074】図4に示すグラフにおいて、 CaO・Al2O
3 、 12CaO・7Al2O3または3CaO・Al2O3 合成品の重量/
溶銑予備処理スラグ重量の比が0.2 を下回ると、溶出液
中のフッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である
0.8 mg/Lを上回ることがわかる。これにより、溶銑予備
処理スラグ100 重量部に対して、 CaO・Al2O3 、 12CaO
・7Al2O3または3CaO・Al2O3 の合成品の粉末が20重量部
以上であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地
下水環境基準値を下回ることがわかる。また、CaO・Al2
O3 、 12CaO・7Al2O3または3CaO・Al2O3 合成品の重量
/溶銑予備処理スラグ重量の比が0.8 を超えると、フッ
素溶出の抑制効果が飽和し、処理コスト増となることが
わかる。したがって、溶銑予備処理スラグ100 重量部に
対してCaO・Al2O3 、 12CaO・7Al2O3または3CaO・Al2O
3 合成品の粉末を20〜80重量部添加することが望ましい
ことがわかる。
【0075】なお、フッ素の処理基準値が例えば2.4mg/
L である場合には、例えば、CaO・Al2O3 、 12CaO・7Al
2O3または3CaO・Al2O3 合成品の重量/溶銑予備処理ス
ラグ重量の比が0.2 を下回っても、この処理基準値を満
足することができる。
【0076】(実施例3)本発明にしたがい、溶銑予備処
理スラグ100 重量部に対して、粒度150 μm以下の CaO
・Al2O3・8.5H2O合成品、Ca3Al2(OH)12合成品、また
は、溶出しない程度のフッ素を含む二次精錬スラグの粉
末を50重量部添加し、水の存在下で反応させた。なお、
二次精錬スラグの組成は、F:0.1 重量%未満、CaO:47.9
重量%、SiO2:5.1重量%、Al2O3:35.0重量%、T.Fe:1.0
重量%、MgO:8.0 重量%、MnO:1.3重量%、P2O5:0.010
重量%、S:0.16重量%であった。
【0077】得られた処理品について、平成3年環境庁
告示第46号で規定された溶出試験を行った。 CaO・Al2O
3・8.5H2O合成品、Ca3Al2(OH)12合成品、または、二次
精錬スラグを用いて安定化処理を行った溶銑予備処理ス
ラグについて、溶出液中のフッ素濃度を表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】本発明にかかるいずれの固定剤を用いた場
合も、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水環境
基準値である0.8 mg/Lを下回ることがわかる。
【0080】(実施例4)本発明にしたがい、転炉スラ
グ、電気炉スラグまたは二次精錬スラグ (塊状)100 重
量部に対して、粒度が150 μm以下の CaO・Al2O3 、 1
2CaO・7Al2O3、3CaO・Al2O3 の合成品、4CaO・3Al2O3
3H2O、Ca3Al2(OH)12合成品、または、二次精錬スラグの
粉末を50重量部添加し、水の存在下で反応させた。得ら
れた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定
された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度を表4
に示す。
【0081】
【表4】
【0082】本発明にかかるいずれの固定剤を用いて場
合も、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水環境
基準値である0.8 mg/Lを下回ることがわかる。
【0083】(実施例5)転炉スラグ中には遊離石灰が含
まれている。この遊離石灰が水と反応することによって
Ca(OH)2 となり、体積膨張が起こる。このため、転炉ス
ラグをそのまま路盤材として使用すると、転炉スラグ中
の遊離石灰が雨水や地下水等と反応して膨張し、路盤隆
起の原因となる。そこで、この体積膨張に起因した路盤
隆起を防ぐため、転炉スラグを路盤材として用いる前
に、予め転炉スラグ中の遊離石灰をCa(OH)2 にするエー
ジング処理が行われている。
【0084】本実施例では、カルシウムアルミネートに
よる転炉スラグ中のフッ素の安定化処理に及ぼす、エー
ジング処理の影響を調べるために、転炉スラグ100 重量
部に対して、粒度が150 μm以下の 12CaO・7Al2O3、Ca
3Al2(OH)12合成品、または、二次精錬スラグの粉末を20
重量部添加して混合した後、適量の水を加え、20℃で96
時間、80℃ (エアバス中) で24時間、または、120 ℃
(オートクレーブ中) で6時間養生した。得られた処理
品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶
出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度を表5に示す。
【0085】
【表5】
【0086】本発明にかかるいずれの固定剤を用いた場
合も、エージング処理には影響を受けず、溶出液中のフ
ッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である0.8 mg
/Lを下回ることがわかる。
【0087】以上の実施例1〜本実施例 (実施例5) よ
り、(i)CaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、12CaO・7Al2O3、9
CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 、3CaO・Al2O3 、(ii)これ
らの混合物の合成品、 (iii)CaO・Al2O3・8.5H2O、 CaO
・Al2O3・10H2O 、4CaO・3Al2O3・3H2O、2CaO・Al2O3
6H2O、Ca3Al2(OH)12等の水和物、(iv)石灰(CaO)および
アルミナを主成分とし、二次精錬スラグの1種および2
種以上を組み合わせて、固定剤として用いることによ
り、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグお
よび二次精錬スラグのそれぞれからのフッ素溶出を確実
に抑制できることがわかる。また、これら以外に、(v)
鉱物として存在するMayenite(12CaO・7Al2O3) 、Tunisi
te(CaO・Al2O3・8.5H2O) 、Katoite(Ca3Al2(OH)12) 等
を固定剤として用いることもできる。
【0088】(実施例6)冷却過程で粉化した二次精錬ス
ラグは、微細な粒子であるため、同一重量において塊状
スラグより表面積がはるかに大きい。このため、スラグ
中のフッ素濃度の絶対値が低くても、溶出試験における
フッ素溶出速度および溶出量は多くなり、フッ素の安定
化は困難である。そこで、本実施例においては、より固
定化が困難な粉状の二次精錬スラグについての実施例を
示す。
【0089】本発明にしたがい、粉状の二次精錬スラグ
100 重量部に対して、粒度が250 μm以下150 μm超、
150 μm以下100 μm超、100 μm以下32μm超、また
は32μm以下の4水準の CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3
または3CaO・Al2O3 合成品の粉末を30重量部添加し、水
の存在下で反応させた。
【0090】得られた処理品について、平成3年環境庁
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中の
フッ素濃度と、 CaO・Al2O3 、12CaO ・7Al2O3または3C
aO・Al2O3 の合成品の粒度との関係を図5にグラフで示
す。
【0091】図5に示すグラフから、スラグ粒度が150
μm以下であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質およ
び地下水環境基準値である0.8 mg/Lを下回ることがわか
る。なお、フッ素の処理基準値が例えば2.4mg/L である
場合には、スラグ粒度には関係なく、この処理基準値を
満足することができる。
【0092】(実施例7)本発明にしたがい、粉状の二次
精錬スラグ100 重量部に対して、粒度が150 μm以下の
CaO・Al2O3・8.5H2O合成品、Ca3Al2(OH)12合成品、ま
たは、二次精錬スラグを5〜100 重量部添加し、水の存
在下で反応させた。
【0093】得られた処理品について、平成3年環境庁
告示第46号で規定された溶出試験を行った。 CaO・Al2O
3 ・8.5H2O合成品、Ca3Al2(OH)12合成品、または、二次
精錬スラグの重量と粉状二次精錬スラグ重量との比と、
溶出液中のフッ素濃度との関係を図6にグラフで示す。
【0094】図6に示すグラフにおいて、 CaO・Al2O3
・8.5H2O合成品、Ca3Al2(OH)12合成品、または二次精
錬スラグの重量/粉状二次精錬スラグ重量の比が0.2 以
上であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下
水環境基準値である0.8 mg/Lを下回ることがわかる。ま
た、0.8 超では、フッ素溶出の抑制効果は飽和してい
る。なお、4CaO・3Al2O3・3H2O合成品、 CaO・Al2O3
成品、12CaO・7Al2O3合成品を用いた場合についても確
認したが、同様の傾向であった。
【0095】なお、フッ素の処理基準値が例えば2.4mg/
L である場合には、固定剤重量/粉状二次精錬スラグ重
量の値には関係なく、この処理基準値を満足することが
できる。
【0096】(実施例8)本発明にしたがい、粉状の二次
精錬スラグ100 重量部に対して、粒度が150 μm以下の
CaO・Al2O3合成品の粉末を10重量部添加し、混合した
後、適量の水を加えて混練してから円柱状に成型した。
その後、20℃、80℃ (エアバス中) 、120 ℃ (オートク
レーブ中) で養生した。
【0097】得られた処理品について、平成3年環境庁
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出試験に
おける溶出液中のフッ素濃度と養生時間との関係を、図
7にグラフで示す。
【0098】図7にグラフで示すように、80℃および12
0 ℃の養生温度において、短い養生時間で、溶出液中の
フッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である0.8
mg/Lを下回り、養生時間の経過とともに、溶出液中のフ
ッ素濃度が低下したことがわかる。なお、フッ素の処理
基準値が例えば2.4mg/L である場合には、養生時間には
関係なく、この処理基準値を満足することができる。
【0099】(実施例9)本発明にしたがい、粉状二次精
錬スラグ100 重量部に対して、粒度が150 μm以下の 1
2CaO・7Al2O3合成品、3CaO・Al2O3・Ca(OH)2・18H2O 合
成品、または、二次精錬スラグの粉末を10重量部または
20重量部添加し、さらにブレーン比表面値が1000cm2/g
以上の微粒子ポルトランドセメントを5〜30重量部加え
た後、適量の水で混練して円柱状に成型した後、大気中
で48時間養生した。
【0100】得られた処理品について、平成3年環境庁
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出試験に
おける溶出液中のフッ素濃度とセメント添加量との関係
を表6に示す。
【0101】
【表6】
【0102】セメントを添加することにより、 12CaO・
7Al2O3合成品、3CaO・Al2O3・Ca(OH)2・18H2O 合成品、
または、二次精錬スラグによるフッ素固定相の周囲にセ
メントの緻密組織が生成し、溶出液中のフッ素濃度は、
水質および地下水環境基準値である0.8 mg/Lを下回っ
た。また、20重量部までのセメントの添加でフッ素の溶
出抑制効果が飽和したことから、これ以上のセメントの
添加は、コスト上昇および容積増大をもたらし、好まし
くないことがわかる。
【0103】(実施例10)塊状の溶銑予備処理スラグ
100 重量部に対して、ブレーン比表面積値が1000cm2/g
以上の微粒子ポルトランドセメントを5〜100 重量部加
えた。
【0104】得られた処理品について、平成3年環境庁
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出試験に
おける溶出液中のフッ素濃度とセメント添加量との関係
を表7にまとめて示す。
【0105】
【表7】
【0106】セメントを添加することにより、製鋼スラ
グの周囲にセメントの緻密組織が生成し、フッ素が溶出
し難くなる。また、フッ素の固定相の周囲にセメントの
緻密組織が生成し、フッ素固定相の再溶解が起こらなく
なる。さらに、セメント中に含まれる鉱物相のうちで主
に3CaO・Al2O3 相がフッ素イオンを固定化する。このた
め、表7に示すように、30重量部以上のセメントを添加
することにより、溶出液中のフッ素濃度が水質および地
下水環境基準値である0.8 mg/Lを下回った。
【0107】しかし、セメントの過度の添加により土中
埋設材料が強く固化し、土中埋設材料の掘り起こしを困
難にするとともにコストの上昇をもたらす。
【0108】これらのことから、セメントによりフッ素
の固定化は可能であるものの、前述した実施例9に示す
ように、セメントは、カルシウムアルミネート化合物ま
たは二次精錬スラグとともに併用することが有効であ
る。
【0109】(実施例11)黒鉛発熱体を有する高周波
炉により、二次精錬スラグにSiO2試薬またはFeO試薬を
混合したものをマグネシアるつぼを用いて溶解した。こ
れを徐冷した後、100 μm以下に粉砕することにより、
種々のSiO2濃度および鉄酸化物濃度を有する二次精錬ス
ラグを得た。そして、得られた二次精錬スラグの5〜20
重量部を溶銑予備処理スラグ100重量部に加えた。
【0110】なお、溶解に用いた二次精錬スラグの組成
は、F:1.3 重量%、CaO:49.8重量%、SiO2:4.7重量%、
Total Fe:1.6重量%、MgO:7.6 重量%、MnO:2.2 重量
%、P2O5:0.014重量%、S:0.14重量%であった。
【0111】得られた処理品について、平成3年環境庁
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出試験に
おける溶出液中のフッ素濃度と二次精錬スラグ組成およ
び添加量との関係を表8にまとめて示す。
【0112】
【表8】
【0113】表8に示す結果から、フッ素の処理基準値
が例えば0.8mg/L である場合に、二次精錬スラグをフッ
素固定剤として用いるためには、二次精錬スラグ中のSi
O2濃度は10重量%以下、より好適には5重量%以下とす
ることが望ましく、また、全酸化鉄濃度は5重量%以
下、より好適には3重量%以下とすることが望ましいこ
とがわかる。
【0114】なお、フッ素の処理基準値が例えば2.4mg/
L である場合には、二次精錬スラグ中のSiO2濃度または
酸化鉄濃度には関係なく、この処理基準値を満足するこ
とができる。
【0115】(変形形態)以上の各実施形態および実施
例の説明では、産業廃棄物が製鋼スラグである場合を例
にとった。しかし、本発明はかかる形態に限定されるも
のではなく、フッ素を含む産業廃棄物であれば等しく適
用される。このような産業廃棄物としては、製鋼スラグ
以外に、ステンレス鋼の酸洗スラッジ、Al精錬スラグ、
瓦工場やりん肥料工場等から排出される残渣、都市ゴミ
ダストまたは直接溶融炉から排出されるスラグおよびダ
スト等が例示される。
【0116】また、以上の各実施形態および実施例の説
明では、産業廃棄物の処理を行う場合を例にとったが、
本発明はかかる形態に限定されるものではなく、産業廃
棄物以外に、フッ素を含む廃水や排ガスからフッ素を固
定化して除去することにも、適用できる。
【0117】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1〜
請求項15の本発明によれば、製鋼工程で不可避的に発生
する溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさ
らには二次精錬スラグといった、フッ素を含む製鋼スラ
グからのフッ素溶出を抑制し、確実に安定化処理するこ
とが可能となった。また、この処理に際して、低コスト
の二次精錬スラグを用いることもできるため、処理コス
トの上昇を可及的に低減できる。
【0118】このように、本発明によれば、近年大きな
社会問題とされている産業廃棄物 (とりわけ製鋼スラ
グ) を確実に処理し、環境汚染の防止を図ることができ
る。かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著し
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の安定化処理方法により、塊状の製鋼
スラグに安定化処理を施す状況を模式的に示す説明図で
ある。
【図2】実施形態の安定化処理方法により、粉状の二次
精錬スラグに安定化処理を施す状況を模式的に示す説明
図である。
【図3】実施例1において、溶出液中のフッ素濃度と C
aO・Al2O3 、 12CaO・7 Alまたは3CaO・
Al2O3 合成品の粒度との関係を示すグラフである。
【図4】実施例2において、CaO ・Al2O3 、 12CaO・7A
l2O3または3CaO・Al2O3 合成品(固定剤) の重量/溶銑
予備処理スラグ重量の比と、溶出液中のフッ素濃度との
関係を示すグラフである。
【図5】実施例6において、溶出液中のフッ素濃度と、
CaO・Al2O3 、12CaO ・7Al2O3または3CaO・Al2O3 の合
成品の粒度との関係を示すグラフである。
【図6】実施例7において、CaO ・Al2O3 ・8.5H2O合成
品、Ca3Al2(OH)12合成品、または、二次精錬スラグの重
量と粉状二次精錬スラグ重量との比と、溶出液中のフッ
素濃度との関係を示すグラフである。
【図7】実施例8において、溶出試験における溶出液中
のフッ素濃度と養生時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1a:溶銑予備処理スラグ 1b:転炉スラグ 1c:電気炉スラグ 1d:二次精錬スラグ (塊状) 1d' :二次精錬スラグ (粉状) 2:固定剤 2a:カルシウムアルミネート合成品またはその水和物 2b:天然鉱石 2c:二次精錬スラグ 3:混合装置 4:オートクレーブまたは蒸気養生装置 5:安定化処理品 6:混練および造粒の二つの機能を合わせ持つ機械 7, 7':造粒物 8:セメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遊佐 一巳 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 甲田 憲司 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 水渡 英昭 宮城県仙台市太白区八木山本町1丁目25− 1 (72)発明者 井上 亮 宮城県仙台市泉区南中山4丁目29−4

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウムを含む化合物およびアルミニ
    ウムを含む化合物を用いて、フッ素を捕捉することを特
    徴とするフッ素の固定化方法。
  2. 【請求項2】 カルシウムを含む化合物およびアルミニ
    ウムを含む化合物を含む粉末を固定剤として用い、フッ
    素を含む産業廃棄物の安定化処理を行うことを特徴とす
    るフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方法。
  3. 【請求項3】 前記粉末は、カルシウムアルミネートを
    含む粉末である請求項2記載のフッ素を含む産業廃棄物
    の安定化処理方法。
  4. 【請求項4】 前記産業廃棄物は、製鋼スラグ、ステン
    レス鋼の酸洗スラッジ、Al精錬スラグ、瓦工場やりん肥
    料工場等から排出される残渣、都市ゴミダストまたは、
    直接溶融炉から排出されるスラグおよびダストである請
    求項2または請求項3記載のフッ素を含む産業廃棄物の
    安定化処理方法。
  5. 【請求項5】 前記粉末は、合成されたカルシウムアル
    ミネート化合物およびその副生物、天然に産するカルシ
    ウムアルミネート鉱物、および、カルシウムアルミネー
    トを含む二次精錬スラグの1種または2種以上に由来す
    る請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のフ
    ッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方法。
  6. 【請求項6】 前記カルシウムアルミネートを含む二次
    精錬スラグは、10重量%以下のシリカと、3重量%以下
    の鉄酸化物とを含む請求項5記載のフッ素を含む産業廃
    棄物の安定化処理方法。
  7. 【請求項7】 前記粉末の最大粒径は150 μm以下であ
    る請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載のフ
    ッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方法。
  8. 【請求項8】 前記製鋼スラグは、製鋼工程で発生す
    る、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグま
    たは二次精錬スラグである、請求項4から請求項7まで
    のいずれか1項に記載のフッ素を含む産業廃棄物の安定
    化処理方法。
  9. 【請求項9】 前記製鋼スラグ100 重量部に対して、前
    記粉末を5〜80重量部添加する請求項4から請求項8ま
    でのいずれか1項に記載のフッ素を含む産業廃棄物の安
    定化処理方法。
  10. 【請求項10】 前記安定化処理は、前記製鋼スラグと
    前記粉末とを水の存在下で反応させることによって、行
    われる請求項4から請求項9までのいずれか1項に記載
    のフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方法。
  11. 【請求項11】 前記製鋼スラグと前記粉末との反応
    は、水の存在の下で60℃以上に加温するか、またはオー
    トクレーブ処理を行って100 ℃以上に加温加圧すること
    により、行われる請求項4から請求項9までのいずれか
    1項に記載のフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方
    法。
  12. 【請求項12】 前記製鋼スラグと前記粉末との反応
    は、水の存在の下でオートクレーブ処理または蒸気養生
    を行うことにより80℃以上に加温加圧することにより、
    行われる請求項4から請求項9までのいずれか1項に記
    載のフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方法。
  13. 【請求項13】 前記安定化処理の際に、さらにセメン
    トを固定剤として用いる請求項1から請求項12までの
    いずれか1項に記載のフッ素を含む産業廃棄物の安定化
    処理方法。
  14. 【請求項14】 フッ素を含む製鋼スラグに、カルシウ
    ムを含む化合物およびアルミニウムを含む化合物を含む
    粉末を添加してなることを特徴とする土中埋設用材料。
  15. 【請求項15】 フッ素を含む製鋼スラグに、カルシウ
    ムを含む化合物およびアルミニウムを含む化合物を含む
    粉末を添加することを特徴とする土中埋設用材料の製造
    方法。
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