JP2005132721A - フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低コストの高炉スラグの融体を原料として、アルミナレンガ屑や低品位アルミ灰等の産業廃棄物からなる粒子または粉末を有効に利用して、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤を、安価に製造する。
【解決手段】 高炉スラグの融体に、アルミナを含むレンガからなる産業廃棄物であるアルミナレンガ屑、アルミニウム地金またはスクラップの溶解に際して発生するアルミニウムドロスから金属アルミニウムを回収した後の残灰およびダスト灰である低品位アルミ灰、窯業から発生するアルミナ廃棄物、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグおよびアルミナを含む天然鉱物の1種または2種以上の組み合わせからなる粒子または粉末と、石灰石または生石灰とを添加することによって、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、製鋼工程で不可避的に発生する溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさらには二次精錬スラグといった、フッ素を含む製鋼スラグを改質することによる、フッ素を含む製鋼スラグの安定化処理の際に用いるのに好適な、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤の製造法に関する。
例えば1997年の1年間において、我が国の製鋼スラグの排出総量は約1370万トンにも達した。この製鋼スラグのうちの約840万トンが土木工事、路盤材および埋め立てに用いられた。一方、我が国の高炉スラグの排出総量は約2350万トンにも達した。この高炉スラグのうちの約1630万トンがセメントおよびコンクリートに用いられた。
ところで、製鋼工程においては、スラグの融点を下げて流動性を向上させ、スラグと溶鋼との反応性を高めるために、螢石CaFが添加される。この螢石に含有されるフッ素は、長期間多量に摂取すると歯牙フッ素症、骨フッ素症さらには運動障害性フッ素症等の各種障害を引き起こすことが知られており、我が国でも水質環境基準の指針値が制定されている。このため、製鋼スラグを、前述した土木工事や路盤材さらには埋め立てに用いる場合には、製鋼スラグにフッ素溶出の抑制処理を行って、埋め立て後の製鋼スラグからのフッ素の溶出に起因した環境汚染の防止に充分に配慮する必要がある。
しかし、我が国の産業廃棄物最終処分基準では、従来、埋め立て処分品についてのフッ素溶出量規制値が制定されていなかったこともあって、産業廃棄物からのフッ素溶出の抑制法は全く検討されていなかった。
製鋼スラグを対象とするものではないが、溶液中に高濃度に含まれるフッ素を除去する方法として、石灰を溶液に添加することにより、安定なフッ化カルシウムを沈殿させ、フッ素を除去する技術が知られている。しかし、フッ素濃度が低下するに伴って、溶液中でのフッ化カルシウムの生成反応は進行し難くなる。また、これとは異なる方法として、活性アルミナ粒子にフッ素イオンを吸着させる方法も知られている。
しかし、いずれの方法においても、いわゆる水質汚濁防止法の排水基準値を下回ることはできるものの、環境保護を考慮して、工業的規模で製鋼スラグから溶出するフッ素濃度を所望の程度に低下させることは、現実には困難である。
ここに、本発明の目的は、製鋼工程で不可避的に発生する、例えば溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさらには二次精錬スラグ等といった、フッ素を含む製鋼スラグを改質処理することにより、フッ素を含む製鋼スラグからのフッ素溶出を抑制して、製鋼スラグを確実に安定化処理することができる、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤の製造法を提供することである。
本発明は、高炉スラグの融体に、アルミナを含むレンガからなる産業廃棄物であるアルミナレンガ屑、アルミニウム地金またはスクラップの溶解に際して発生するアルミニウムドロスから金属アルミニウムを回収した後の残灰およびダスト灰である低品位アルミ灰、窯業から発生するアルミナ廃棄物、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグおよびアルミナを含む天然鉱物の1種または2種以上の組み合わせからなる粒子または粉末と、石灰石または生石灰とを添加することを特徴とするフッ素を含む製鋼スラグの安定化剤の製造法である。略述すると、本発明では、高炉スラグの融体に、カルシウム化合物およびアルミニウム化合物を添加して高炉スラグを改質することによって、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤を製造する。
そして、このようにして改質した高炉スラグを、フッ素を含む製鋼スラグの安定化処理剤として用いる。そして、製鋼スラグを改質することにより、製鋼スラグ中にフッ素を含む安定な化合物を生成させるとともに、製鋼スラグの雨水や地下水等への溶解に際して、製鋼スラグから溶出する成分を用いてフッ素を捕捉する。
すなわち、アルミニウム化合物およびホウ素化合物の1種または2種の組合せを製鋼スラグ融体に添加することにより製鋼スラグを改質し、フッ素を含む製鋼スラグの安定化処理を行う。
この製鋼スラグの安定化処理法は、具体的には、(a)製鋼スラグ融体にアルミニウム化合物を添加し、凝固過程において安定なCaO−Al2O3−F系化合物をスラグ中に析出させるとともに、製鋼スラグの雨水や地下水等への溶解に際して、製鋼スラグから溶出するカルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを用いて、フッ素イオンを捕捉する方法、(b)製鋼スラグ融体にアルミニウム化合物およびホウ素化合物を添加し、製鋼スラグの雨水や地下水等への溶解に際して、製鋼スラグから溶出するカルシウムイオン、アルミニウムイオンおよびホウ素イオンを用いて、フッ素イオンを捕捉する方法、(c)Al濃度を高めた製鋼スラグについて、還元により鉄濃度およびマンガン濃度を低下させることにより、雨水や地下水等への溶解を促進し、製鋼スラグから溶出するカルシウムイオン量およびアルミニウムイオン量を増加させて、フッ素イオンを捕捉する方法、(d)製鋼スラグ融体にアルミニウム化合物、または、アルミニウム化合物とシリカを添加し、これを急冷してガラス化することにより、製鋼スラグの雨水や地下水等への溶解を抑制する方法、(e)高炉スラグにカルシウム化合物およびアルミニウム化合物を添加し、塩基度を上昇させるとともにAl濃度を高め、これを微粉砕することにより、改質された高炉スラグの雨水や地下水等への溶解を促進し、改質された高炉スラグから溶出するカルシウムイオン量およびアルミニウムイオン量を増加させて、製鋼スラグから溶出したフッ素イオンを捕捉する方法である。
上記の方法では、(i)アルミニウム化合物が、アルミナレンガ屑、低品位アルミ灰、窯業から発生するアルミナ廃棄物、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグおよび天然鉱物の1種または2種以上の組合せに由来すること、(ii)ホウ素化合物が、合成Bおよび天然鉱物の1種または2種の組合せに由来すること、(iii)製鋼スラグが、製鋼工程で発生する溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグまたは二次精錬スラグであること、(iv)カルシウム化合物が、石灰石または生石灰であることが、それぞれ例示される。
本明細書において、「フッ素を実質的に含まず」とは、溶出しない程度のフッ素を含むことを意味する。
また、上述した方法では、溶融スラグ中のAl濃度が20〜40質量%であることが、フッ素の安定化を確実に行うために望ましい。
また、上述した方法では、溶融スラグ中のAl濃度が20〜60質量%であると同時にB濃度が2〜5質量%であることが、フッ素の安定化を確実に行うために望ましい。
また、これらの方法では、製鋼スラグが、溶融状態でアルミニウム化合物およびホウ素化合物の1種または2種の組合せをシリカとともに添加された後、急冷されてガラス化されることにより改質されることが望ましく、溶融スラグ中のCaO/SiO濃度比が0.5〜1.5、Al濃度が15〜40質量%であることが、フッ素の安定化を確実に行うためには望ましい。
また、これらの方法では、製鋼スラグが、製鋼スラグ融体にアルミニウム化合物およびホウ素化合物の1種または2種の組合せを添加された後、炭素またはアルミ灰を添加されて酸化鉄および酸化マンガンを還元除去されることにより、例えば、スラグ中の全Fe濃度およびMnO濃度をそれぞれ3質量%以下、Al濃度を20〜60質量%、B濃度を2〜5質量%に、改質することが、フッ素の安定化を確実に行うためには望ましい。
また、これらの方法では、高炉スラグ融体にカルシウム化合物およびアルミニウム化合物を添加した後、必要に応じて、融点を降下させるために例えばホウ素化合物や塩化カルシウム等の融点降下剤を添加することによって、スラグ中のSiO濃度を20質量%以下、Al濃度を30〜50質量%にした後、粉砕して得られる改質された高炉スラグを、安定化剤として用いることが、製鋼スラグから溶出したフッ素の安定化を確実に行うために望ましい。
本発明により、低コストの高炉スラグの融体を原料として、産業廃棄物(アルミナレンガ屑、低品位アルミ灰、アルミナ廃棄物、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグおよびアルミナを含む天然鉱物の1種または2種以上の組み合わせ)からなる粒子または粉末を有効に利用して、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤を、安価に製造することが可能である。
以下、本発明にかかるフッ素を含む製鋼スラグの安定化剤の製造法の実施形態を、この製鋼スラグの安定化処理方法とともに、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。

図1は、上述した安定化処理法により、融体の製鋼スラグ1a〜1dに改質処理を施す状況を模式的に示す説明図である。また、図2は、上述した安定化処理法により、融体の製鋼スラグ1a〜1dの組成を変化させた後、急冷しガラス化処理することにより、融体の製鋼スラグ1a〜1dに改質処理を施す状況を模式的に示す説明図である。さらに、図3は、上述した安定化処理法により、融体の高炉スラグ7に改質処理を施す状況を模式的に示す説明図である。
図1に示す例では、アルミナレンガ屑2a、低品位アルミ灰2b、窯業から発生するアルミナ廃棄物2c、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグ2d、アルミナを含む天然鉱物2e、酸化ホウ素合成物2f、酸化ホウ素を含む天然鉱物2g、黒鉛2h、アルミ灰2iの粒子または粉末2を改質剤として用い、フッ素を含む製鋼スラグ融体1の安定化処理を行っている。
図2に示す例では、アルミナレンガ屑2a、低品位アルミ灰2b、窯業から発生するアルミナ廃棄物2c、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグ2d、アルミナを含む天然鉱物2e、酸化ホウ素合成物2f、酸化ホウ素を含む天然鉱物2g、脱珪スラグ2j、珪石2kの粒子または粉末2を改質剤として用い、フッ素を含む製鋼スラグ融体1の安定化処理を行っている。
さらに、図3に示す例では、アルミナレンガ屑2a、低品位アルミ灰2b、窯業から発生するアルミナ廃棄物2c、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグ2d、アルミナを含む天然鉱物2e、石灰石2m、生石灰2n、酸化ホウ素合成物2f、酸化ホウ素を含む天然鉱物2g、塩化カルシウム2pの粒子または粉末2’を改質剤として用いて、高炉スラグ7の成分調整を行った後、粉砕を行っている。
そこで、以降の説明では、製鋼スラグ1、改質剤2、製鋼スラグ1の改質処理、高炉スラグ7、改質剤2’、高炉スラグ7の改質処理について、順次説明する。
[製鋼スラグ1]
改質処理が行われる製鋼スラグ融体1は、フッ素を含む溶銑予備処理スラグ1a、フッ素を含む転炉スラグ1b、フッ素を含む電気炉スラグ1cおよびフッ素を含む二次精錬スラグ1dの4種である。
製鋼スラグ1を発生する製鋼プロセスの形態に関しては、何ら限定を要さない。このような製鋼スラグ1として、(a)例えば、トーピード、溶銑鍋または転炉において生成される溶銑予備処理スラグ1a、(b)上吹き操業、底吹き操業または上下吹き操業等により生成される転炉スラグ1b、(c)高周波加熱またはアーク加熱により生成される電気炉スラグ1c、(d)高周波加熱またはアーク加熱により生成される二次精錬スラグ1dが例示される。
製鋼スラグ1の組成は、当然のことながら、例えば操業法や溶鋼組成等の各種要因により変動する。しかし、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、二次精錬スラグ1dのいずれもがフッ素を含んでいる。例えば、溶銑予備処理スラグ1aでは0.1〜7.1質量%のフッ素を、転炉スラグ1bは0.2〜3.5質量%のフッ素を、電気炉スラグ1cは1.0〜8.9質量%のフッ素を、さらに二次精錬スラグ1dでは0.1〜5.7質量%のフッ素を、それぞれ含有する。
[改質剤2]
改質剤の粒子または粉末2のうち、アルミニウム系改質剤として、アルミナレンガ屑2a、低品位アルミ灰2b、窯業から発生するアルミナ廃棄物2c、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグ2d、アルミナを含む天然鉱物2e、ホウ素系改質剤として、酸化ホウ素合成物2f、酸化ホウ素を含む天然鉱物2g、シリコン系改質剤として、脱珪スラグ2j、珪石2k、還元剤として黒鉛2h、アルミ灰2iの粒子または粉末2を改質剤として用いる。
アルミナレンガ屑2aとは、アルミナを含むレンガからなる産業廃棄物であり、例えば高アルミナレンガ屑の場合には90質量%以上のAlを含んでいる。
アルミ灰2iとは、アルミニウム地金、スクラップの溶解に際して発生するアルミニウムドロス(スラグ)であり、40〜60質量%の金属Alを含んでいる。また、低品位アルミ灰2bとは、このアルミニウムドロスから金属アルミニウムを回収した後の残灰およびダスト灰であり、その主成分は約39質量%以上のAl、約35質量%以下のAlN、約10質量%以下の金属Alである。
フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグ2dとは、螢石等のフッ素を含む原料を添加せずに、真空精錬法、取鍋精錬法または簡易取鍋精錬法等の二次精錬(炉外精錬)を行った際に生成されたスラグを意味し、アルミナを20〜35質量%含むものである。二次精錬スラグについて、X線回折法等の適宜方法により鉱物相を同定すると、二次精錬スラグ中のCaO濃度およびAl濃度が高い場合には、CaO・Al相、12CaO・7Al相および3CaO・7Al相が主要鉱物相として認められる。
アルミナを含む天然鉱物2eとしては、例えば、NaAl11組成の鉱物として
Diaoyudaoiteが、CaAl1219組成の鉱物としてHiboniteが、12CaO・7Al組成の鉱物としてMayeniteが、CaO・Al・8.5HO組成の鉱物としてTunisiteがある。
酸化ホウ素合成物2fとは、約70質量%のBを含む化学合成品である。
ホウ酸を含む天然鉱物2gは数多く存在し、例えば、Na(OH)・8HO組成の鉱物としてBoraxが、Ca11・7HO組成の鉱物としてMeyerhofferiteが、NaCaB・5HO組成の鉱物としてProbertiteが、Mg1220・15HO組成の鉱物としてAdmontiteが、CaAlB組成の鉱物としてJohachidoliteが、CaMgB組成の鉱物としてKurchatoviteがある。
脱珪スラグ2jとは、高炉から出銑された溶銑への酸化鉄添加または酸素吹き付けにより溶銑中のシリコンを除去する操作を行った際に生成されたスラグを意味し、SiOを主成分として含むものである。
アルミナレンガ屑2a、低品位アルミ灰2b、窯業から発生するアルミナ廃棄物2c、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグ2d、アルミナを含む天然鉱物2eの1種または2種の組合せをアルミニウム系改質剤として用い、製鋼スラグ融体に添加する。添加後の製鋼スラグ中のAl濃度が25質量%以上であることにより、製鋼スラグの凝固に際して11CaO・7Al・CaF相が析出し、フッ素が固定化される。また、12CaO・7Al、3CaO・Al相が析出し、雨水や地下水等への製鋼スラグの溶解に際して、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンが溶出し易くなるため、これらイオンとフッ素イオンとの反応によりフッ素が捕捉される。しかし、過度のアルミニウム系改質剤の添加は、雨水や地下水等への製鋼スラグの溶解性を逆に損ねるために、製鋼スラグ中のAl濃度は40質量%以下であることが望ましい。
逆に、急冷により製鋼スラグをガラス化する際には、雨水や地下水等への製鋼スラグの溶解性を極力抑制することが要求されるため、製鋼スラグ中のAl濃度は高いほうが望ましいが、過度にAl濃度を上昇させることにより製鋼スラグ融体の粘性が上昇し、また体積が増加して、作業性の悪化を招くことから、60質量%以下にすることが望ましい。
酸化ホウ素合成物2f、酸化ホウ素を含む天然鉱物2gをホウ素系改質剤として用い、製鋼スラグ融体に添加する。添加後の製鋼スラグ中のB濃度が2質量%以上であることにより、雨水や地下水等への製鋼スラグの溶解に際して、ホウ酸イオンが溶出し、水中でカルシウム等の金属イオンおよびフッ素イオンと反応して、フッ素が捕捉される。しかし、過度のホウ素系改質剤の添加によって、雨水や地下水等への製鋼スラグからのホウ素溶出量が過剰になり、水質環境基準値である1mg/Lを超過するため、製鋼スラグ中のB濃度は5質量%以下であることが望ましい。
急冷により製鋼スラグをガラス化する際には、脱珪スラグ2j、珪石2kをシリコン系改質剤として用い、製鋼スラグ融体に添加することができる。製鋼スラグの簡便で確実なガラス化のためには、製鋼スラグ中のSiO濃度は高いほうが望ましいが、過度にSiO濃度を上昇させることにより製鋼スラグ融体の粘性が上昇し作業性の悪化を招くことから、溶融スラグ中のCaO/SiO濃度比は0.5〜1.5とすることが望ましい。この際の製鋼スラグ中のAl濃度は高いほうが望ましいが、過度にAl濃度を上昇させることにより製鋼スラグ融体の粘性が上昇するとともに体積が増加し、作業性の悪化を招くことから、15〜40質量%にすることが望ましい。
製鋼スラグ中の酸化鉄濃度および酸化マンガン濃度を低下させることにより、雨水や地下水等への製鋼スラグの溶解性を向上させて、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンを溶出し易くし、これらイオンとフッ素イオンとの反応によりフッ素が捕捉される。このために、スラグ中の全Fe濃度およびMnO濃度がそれぞれ3質量%以下になるように、還元剤として黒鉛2hおよびアルミ灰2iの1種または2種の組合せを製鋼スラグ融体中に添加する。その際、アルミニウム系改質剤またはホウ素系改質剤を添加し、Al濃度を25〜40質量%、B濃度を2〜5質量%にすることにより、雨水や地下水等への二次精錬スラグの溶解において溶出したフッ素の安定化が確実に行われる。また、この方法で得られた、Al濃度が高く、酸化鉄および酸化マンガンをほとんど含まない製鋼スラグは、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンが溶出し易く、これらイオンとフッ素イオンとの反応によりフッ素を捕捉する能力が大きいため、これを粉砕し、改質処理を施さない製鋼スラグと混和することにより、改質処理を施さない製鋼スラグから雨水や地下水等によって溶出したフッ素イオンを固定化する安定化剤として用いることができる。
[製鋼スラグの改質処理]
[ガラス化処理を伴わない改質処理]
図1に示すように、上述した粒子または粉末2を用い、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、または、二次精錬スラグ1dの改質処理を行う。
製鋼スラグである溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、または、二次精錬スラグ1dの改質処理は、これらスラグが溶融状態で存在する改質炉3に粒子または粉末2を適量添加した後、攪拌混合することにより改質し、これをのろ畑4で冷却・凝固する処理である。
製鋼スラグ1を改質する改質炉3の形態に関しては、何ら限定を要さない。このような改質炉3として、例えば、トーピード、溶銑鍋、転炉、取鍋またはスラグ鍋が例示され、当然のことながら、例えば操業スケジュール等の各種要因により変動する。簡便な手段として、出銑・出鋼した後に、トーピード、溶銑鍋または転炉等にそのまま溶融スラグを残留させることによって、改質処理が行われる。あるいは、スラグ鍋に出銑された後に、スラグ鍋内で改質処理が行われる。
特に、酸化ホウ素合成品2fまたは酸化ホウ素を含む天然鉱物2gを添加する場合には、出銑した後に残留するスラグが次に装入する溶鋼と反応して、溶鋼中のホウ素濃度が上昇し、鋼材特性に悪影響を及ぼす可能性があることから、スラグ鍋においてこれらホウ素系改質剤を添加することが望ましい。
また、改質剤2を添加した後に製鋼スラグ融体を攪拌混合する方法に関しては、何ら限定を要さない。このような攪拌方法としては、機械的攪拌やガスバブリング等が例示される。
また、改質された製鋼スラグの冷却・凝固工程に関しては、何ら限定を要さず、直接のろ畑4に搬送し出銑して冷却・凝固する方法、一旦ドライピット5で凝固させた後のろ畑4に搬送する方法が例示される。
[ガラス化による改質処理]
図2に示すように、ガラス化処理を伴わない改質処理で行われたと同様の方法により、製鋼スラグ融体の成分調整を行った後、急冷により製鋼スラグをガラス化する。
ガラス化による改質処理は、改質炉3中において、改質剤2を添加することによって改質された製鋼スラグ融体を、急冷凝固装置6によって急冷し、ガラス化した後、のろ畑4に搬送する処理である。
ここで、改質剤2のうち、アルミニウム系改質剤2a〜2e、シリコン系改質剤2j〜2kの両者を兼ね備えた改質剤として、石炭灰(SiO50〜65質量%−Al20〜30質量%)を使用することもできる。
改質された製鋼スラグ融体をガラス化する急冷凝固装置6の形態に関しては、何ら限定を要さない。このような急冷凝固装置6として、エアスプレーによる風砕処理装置や、吹製缶内での高圧水スプレーによる冷却装置等が例示される。
[高炉スラグ7]
高炉スラグ7の組成は、例えば操業法や溶銑組成等の各種要因によって若干変動するに過ぎず、影響を与えない。
[改質剤2']
本実施形態では、アルミニウム系改質剤として、アルミナレンガ屑2a、低品位アルミ灰2b、窯業から発生するアルミナ廃棄物2c、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグ2d、アルミナを含む天然鉱物2e、カルシウム系改質剤として、石灰石2m、生石灰2n、融点降下剤として、酸化ホウ素合成物2f、酸化ホウ素を含む天然鉱物2g、塩化カルシウム2pの粒子または粉末2'を改質剤として用いる。
本実施形態では、アルミナレンガ屑2a、低品位アルミ灰2b、窯業から発生するアルミナ廃棄物2c、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグ2d、アルミナを含む天然鉱物2eの1種または2種以上の組合せをアルミニウム系改質剤として用い、さらに、石灰石2mおよび生石灰2nの1種または2種の組合せをカルシウム系改質剤として用い、高炉スラグ融体に添加する。添加後の高炉スラグ中のAl濃度が35〜50質量%、CaO濃度が40〜55質量%となり、改質剤により高炉スラグが希釈されてSiO濃度が20質量%以下であることにより、雨水や地下水等への製鋼スラグの溶解に際して、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンが溶出し易くなるため、これらイオンが製鋼スラグから溶出したフッ素イオンと反応することによりフッ素が捕捉される。
本実施形態では、通常の高炉スラグ組成である40〜48質量%CaO−35〜38質量%SiO−15〜20質量%Alから、Al濃度が35〜50質量%、CaO濃度が40〜55質量%、SiO濃度が20質量%以下の組成まで変化させる際に、1549℃の高融点領域を通過する必要がある。このため、酸化ホウ素合成物2f、酸化ホウ素を含む天然鉱物2g、塩化カルシウム2pの1種または2種以上の組合せを融点降下剤として用い、高炉スラグ融体の融点を低下させ、より低温で高炉スラグ組成の調整を可能にする。高炉スラグ融体の融点を低下させるのに有効な融点降下剤の量は、例えば添加後の高炉スラグ中のB濃度が2〜5質量%またはCaCl濃度が0.5〜2質量%である。この際、成分調整された高炉スラグ中にBが含まれることにより、付随的な効果として、雨水や地下水等への高炉スラグの溶解に際して、ホウ素イオンが溶出し、水中でカルシウム等の金属イオンおよびフッ素イオンと反応して、フッ素が捕捉される。
[高炉スラグの改質処理]
図3に示すように、上述した粒子または粉末2を用い、高炉スラグ7の改質処理を行う。
高炉スラグ7の改質処理は、高炉スラグが溶融状態で存在する改質炉3に粒子または粉末2を適量添加した後、攪拌混合することにより改質し、これをのろ畑4で冷却・凝固した後、粉砕機8により粉砕する処理である。
高炉スラグ1を改質する改質炉3の形態に関しては、何ら限定を要さない。このような改質炉3として、スラグ鍋または溶銑鍋が例示される。
また、改質剤2を添加した後に製鋼スラグ融体を攪拌混合する方法に関しては、何ら限定を要さない。このような攪拌方法としては、機械的攪拌やガスバブリング等が例示される。
また、改質された製鋼スラグの冷却・凝固工程に関しては何ら限定を要さず、直接のろ畑4に搬送し出滓して冷却・凝固する方法、一旦ドライピット5で凝固させた後のろ畑4に搬送する方法が例示される。
また、粉砕機8に関しては何ら限定を要さず、ローラーミルによる粗粉砕とボールミルによる微粉砕とを組み合わせた工程が例示される。
[安定化の作用]
[アルミニウム化合物による改質作用]
このような改質処理により、図1に示す溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、または、二次精錬スラグ1dに含まれるフッ素が、製鋼スラグ融体の冷却・凝固の際に固定化される機構を説明する。
本発明者らは、製鉄所で採取した溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグおよび二次精錬スラグのそれぞれを再溶解し、Al試薬またはアルミナレンガ屑を添加することにより、Al濃度を種々変化させた。これを溶解炉内で徐冷して得たスラグ試料を研磨し、X線マイクロアナライザーにより、スラグ断面における各鉱物相の面積率の変化を測定した。その結果、改質処理を行わない製鋼スラグ中において、フッ素はCaF、CaF(PO、3CaO・2SiO・CaF、(2CaO・SiO・CaF、(3CaO・SiO・CaFまたは11CaO・7Al・CaFの各鉱物相として存在したが、改質処理によりAl濃度が高くなるにつれて、CaF相、3CaO・SiO・CaF相、(2CaO・SiO・CaF相、(3CaO・SiO・CaF相が減少・消失し、11CaO・7Al・CaF相の量が増加することを見出した。また、12CaO・7Al相または3CaO・Al相の量も増加した。
本発明者らは、CaF試薬粉末、CaF(PO試薬粉末、および、固相焼結によって合成した3CaO・2SiO・CaF粉末および11CaO・7Al・CaF粉末を水溶液に添加し、pH調整を行いながら、これらフッ素化合物の溶解度を求めた。その結果、11CaO・7Al・CaF化合物からのフッ素溶出量が他のフッ素化合物と比べて著しく低いことを見出した。
以上の実験結果から、製鋼スラグ融体にアルミニウム化合物を添加し、製鋼スラグ中の含フッ素相を主に11CaO・7Al・CaFとすることにより、製鋼スラグからのフッ素溶出は抑制される。さらに、12CaO・7Al相または3CaO・Al相の量が増加することにより、水溶液中へのカルシウムおよびアルミニウムの溶出量が多くなる。
また、本発明者らは、製鉄所で採取した製鋼スラグを再溶解し、Al試薬またはアルミナレンガ屑を添加することによりAl濃度を種々変化させた後、黒鉛棒で攪拌しながら炭素粉またはアルミ灰を添加して、製鋼スラグ融体からの酸化鉄および酸化マンガンの還元除去を行った。これを溶解炉内で徐冷して得たスラグ試料を研磨し、X線マイクロアナライザーにより、スラグ断面における各鉱物相の面積率の変化を測定した。その結果、改質処理を行わない製鋼スラグ中において存在していたカルシウムフェライトが消失し、12CaO・7Al相または3CaO・Al相の量が増加した。この改質方法によっても、水溶液中へのカルシウムおよびアルミニウムの溶出量が多くなる。
また、図3において、高炉スラグ融体にカルシウム化合物およびアルミニウム化合物を添加して高炉スラグ組成を調整した後、冷却・凝固することにより、スラグ中に12CaO・7Al相、3CaO・Al相または2CaO・Al・SiO相を析出させることができる。この改質方法によっても、水溶液中へのカルシウムおよびアルミニウムの溶出量が多くなる。
次に、本実施形態の改質処理により、図1に示す溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、または、二次精錬スラグ1dに含まれるフッ素が水中に溶出した際に固定化される機構を説明する。
フッ化水素酸を蒸留水で希釈した溶液を攪拌しながら、高温焼成によって合成した3CaO・Al、12CaO・7AlまたはCaO・Alの小塊を浸漬して3〜12時間反応させ、反応後の3CaO・Al、12CaO・7AlまたはCaO・Alの小塊表面の鉱物相をX線マイクロアナライザーにより同定した。また、フッ化水素酸を蒸留水で希釈した溶液に、高温焼成によって合成した3CaO・Al、12CaO・7AlまたはCaO・Alの粉末を添加し、3〜12時間攪拌して、反応後の粉末について、その鉱物相をX線回折法により同定した。その結果、12CaO・7Alおよび3CaO・Al粉末の場合には3CaO・Al・Ca(OH)2−x・18HO、CaAl(OH)5−x・HO、CaAl(OH)12−x、CaAl(OH)10・HOが、また、CaO・Al粉末の場合にはCaAl(OH)8−X、CaAl(OH)8−X・yHO、CaAl(OH)7−X・3HO、CaAl(OH)12−Xが存在することが認められた。
カルシウムアルミネートを含有する粉末による、このようなフッ素の安定化は、下記の反応機構により説明される。
製鋼スラグについて平成3年環境庁告示第46号による溶出試験を行うと、溶出液のpHは10以上となるため、溶出液中でアルミニウムイオンはAl3+ではなく、AlO として存在する。
例えば、3CaO・Al粉末が水共存下でフッ素イオンと反応してCaAl(OH)12−Xが生成する場合、3CaO・Al粉末からカルシウムおよびアルミニウムが溶出してイオンとなる反応(1)式と、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンがフッ素イオンと反応してCaAl(OH)12−xが生成する(2)式が進行する。
3CaO・Al+2HO→3Ca2++2AlO +4OH・・・・・・(1)
3Ca2++2AlO +xF+(4−x)OH+4HO→CaAl(OH)12−X ・・・・・・・(2)
一方、12CaO・7Al粉末が水共存下でフッ素イオンと反応して3CaO・Al・Ca(OH)2−x・18HOが生成する場合、12CaO・7Al粉末からカルシウムおよびアルミニウムが溶出してイオンとなる反応(3)式と、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンがフッ素イオンと反応して3CaO・Al・Ca(OH)2−x・18HOが生成する(4)式が進行する。
12CaO・7Al+5HO→12Ca2++14AlO
10OH ・・・・・・・(3)
4Ca2++2AlO +xF+(6−x)OH+16HO→
3CaO・Al・Ca(OH)2−x・18HO・・・・・・・(4)
また、CaO・Al粉末が水共存下でフッ素イオンと反応してCaAl(OH)8−Xが生成する場合、CaO・Al粉末からカルシウムおよびアルミニウムが溶出してイオンとなる反応(5)式と、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンがフッ素イオンと反応してCaAl(OH)8−Xが生成する(6)式が進行する。
CaO・Al→Ca2++2AlO ・・・・・・・(5)
Ca2++2AlO +xF+xH+(4−x)HO→CaAl(OH)8−X
・・・・・・・(6)
このようにして、製鋼スラグ中のAl濃度を増加させることにより、スラグ中の3CaO・Al相または12CaO・7Al相の量が増加し、製鋼スラグからのカルシウムおよびアルミニウムの溶出が多くなるため、結果的に溶液中に溶出したフッ素が固定化される。また、製鋼スラグを還元して酸化鉄および酸化マンガンの濃度を著しく低下させることにより、スラグ中の3CaO・Al相または12CaO・7Al相の量が増加し、製鋼スラグからのカルシウムおよびアルミニウムの溶出が多くなるため、結果的に溶液中に溶出したフッ素が固定化される。さらに、図3において、高炉スラグ中のCaO濃度およびAl濃度を増加させることにより、スラグ中の3CaO・Al相または12CaO・7Al相の量が増加し、高炉スラグからのカルシウムおよびアルミニウムの溶出が多くなるため、結果的に溶液中に溶出したフッ素が固定化される。
[ホウ素化合物による改質作用]
フッ化水素酸を蒸留水で希釈した溶液を攪拌しながら、Ca(OH)試薬を蒸留水に溶解することにより作製したCaイオン溶液、アルミン酸ナトリウム試薬を蒸留水に溶解することにより作製したAlイオン溶液、およびHBO試薬を蒸留水に溶解することにより作製したホウ素イオン溶液を同時に滴下した。3〜12時間反応させ、溶液を濾過して反応生成物を回収し、X線回折法およびX線マイクロアナライザーにより同定した。その結果、CaAl(OH)18−x・30HO、CaAl(OH)12−x・36HO、Ca[B(OH)4−x]・yHOが存在することが認められた。
ホウ素によるこのようなフッ素の安定化は、下記の反応機構により説明される。
水溶液のpHによってホウ素イオンの存在形態は大きく変化し、製鋼スラグについて環境庁告示第46号による溶出試験を行った際の溶出液のpHである10〜12では、B 2−またはHBO として存在するとみなされる。
例えば、溶液中でカルシウムイオン、アルミニウムイオンおよびホウ素イオンがフッ素イオンと反応してCaAl(OH)18−x・30HOが生成する場合、その反応式は(7)式または(8)式で表される。
6Ca2++2AlO +B 2−+xF+(8−x)OH+35HO→
CaAl(OH)18−x・30HO ・・・・・・・(7)
6Ca2++2AlO +4HBO +xF+(6−x)OH+32HO→
CaAl(OH)18−x・30HO ・・・・・・・(8)
また、溶液中でカルシウムイオン、アルミニウムイオンおよびホウ素イオンがフッ素イオンと反応してCaAl(OH)12−x・36HOが生成する場合、その反応式は(9)式または(10)式で表される。
12Ca2++4AlO +B 2−+2xF+(18−2x)OH+75HO→
2[CaAl(OH)12−x・36HO] ・・・・・・(9)
6Ca2++2AlO +2HBO +xF+(8−x)OH+36HO→
CaAl(OH)12−x・36HO ・・・・・・・(10)
このようにして、製鋼スラグ中にBをアルミニウム化合物とともに添加することにより、製鋼スラグからのカルシウムおよびアルミニウムの溶出と同時にホウ素が溶出するため、結果的に溶液中に溶出したフッ素が固定化される。また、製鋼スラグ融体および高炉スラグ融体中にBが含まれることにより、これらスラグ融体の融点を降下させる作用が大きい。
[ガラス化処理による改質作用]
本発明者らは、製鉄所で採取した溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグおよび二次精錬スラグのそれぞれを再溶解し、Al試薬およびSiO試薬を添加することにより製鋼スラグ中のAl濃度およびSiO濃度を種々変化させた。これを水冷銅板上で急冷し、ガラス試料とした。得られたガラス状製鋼スラグの小塊を白金線に固定し、ポリプロピレンビーカ内の蒸留水に浸漬して、超音波を印加しながら、ガラス状製鋼スラグの単位表面積当たりの重量減少の経時変化を求めた。その結果、改質処理を行わない製鋼スラグと比較して、ガラス化処理した製鋼スラグの重量減少は著しく遅かった。また、スラグを浸漬した水溶液中のCa、Al、Siおよびフッ素濃度を定量した結果からも、ガラス化した製鋼スラグが水に溶解し難いことが明らかとなった。
これらの実験結果から、図2に示す形態により、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、または、二次精錬スラグ1dに、アルミニウム系改質剤2a〜2e、または、アルミニウム系改質剤2a〜2eとシリコン系改質剤2j〜2k、または、アルミニウム系改質剤2a〜2eとシリコン系改質剤2j〜2kとホウ素系改質剤2f〜2gを添加した後、急冷してガラス化することにより、製鋼スラグ1a〜1dは水に溶解し難くなり、結果的に製鋼スラグからのフッ素溶出は抑制される。
このように、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1cおよび二次精錬スラグ1dといった、フッ素を含む製鋼スラグを、確実に安定化処理することができる。また、この処理に際して、低コストのフッ素を含まない二次精錬スラグ2c、高炉スラグ7を用いることもできるため、処理コストの低減が可能となる。
さらに、本発明を実施例を参照しながら詳細に説明する。
スラグヤードで採取された溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、および、二次精錬スラグの化学組成を表1に示す。
Figure 2005132721
これらの各スラグについて、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。フッ素の溶出量と、水質環境基準の指針値との対比を表2に示す。
Figure 2005132721
表2に示す結果から、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグおよび二次精錬スラグのいずれも、フッ素の溶出量が水質環境基準の指針値を大幅に超えるため、環境保護を考慮してスラグ改質処理によるフッ素の安定化を行うことが望ましいことが明らかであった。
そこで、本発明にしたがい、これらの製鋼スラグのうちで溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグBを、黒鉛発熱体を有する高周波炉でマグネシアるつぼを用いて再溶解し、アルミナレンガ屑を添加して機械攪拌を行った後、炉内で徐冷し冷却・凝固させた。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度とスラグ中のAl濃度との関係を図4にグラフで示す。
図4に示すグラフから、スラグ中のAl濃度が25質量%以上であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。
次に、溶銑予備処理スラグ融体に、低品位アルミ灰、アルミナレンガ屑、窯業から発生したアルミナ廃棄物、およびフッ素を実質的に含まない二次精錬スラグの1種または2種の組合せを添加し、窒素ガスのバブリングにより攪拌した後、エアスプレーにより風砕処理し、水中に落下させた。得られたガラス試料を乾燥し、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶銑予備処理スラグ融体と、低品位アルミ灰、アルミナレンガ屑、窯業から発生するアルミナ廃棄物、またはフッ素を実質的に含まない二次精錬スラグとの配合量と、溶出液中のフッ素濃度との関係を表3に示す。
Figure 2005132721
表3に示す結果から、溶銑予備処理スラグ融体にアルミニウム化合物を添加し、急冷してガラスにすることにより、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。
次に、溶銑予備処理スラグを黒鉛発熱体を有する高周波炉で、マグネシアるつぼを用いて溶解し、これに低品位アルミ灰またはアルミナレンガ屑を添加し、さらに脱珪スラグまたは珪石を添加して、機械的に攪拌した後、ステンレス鋼板上に注いで急冷することにより、ガラス試料とした。二次精錬スラグAについても同様のガラス化処理を行った。
得られたガラス試料について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶銑予備処理スラグ融体または二次精錬スラグA融体と、低品位アルミ灰、アルミナレンガ屑、脱珪スラグ、珪石との配合量と、溶出液中のフッ素濃度との関係を表4に示す。
Figure 2005132721
表4に示す結果から、溶銑予備処理スラグ融体および二次精錬スラグA融体にアルミニウム化合物およびシリカを添加し、急冷してガラスにすることにより、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。
しかし、二次精錬スラグA融体80質量部に脱珪スラグ20質量部のみを添加した場合には、ガラス化処理を施してもスラグのガラス化が充分ではなく、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることができなかった。
次に、表1に示した組成の二次精錬スラグAを、黒鉛発熱体を有する高周波炉において黒鉛るつぼを用いて溶解し、酸化鉄および酸化マンガンを還元除去した後、炉内で徐冷した。また、二次精錬スラグA90質量部を、黒鉛発熱体を有する高周波炉においてマグネシアるつぼを用いて溶解し、アルミ灰10質量部を添加して酸化鉄および酸化マンガンを還元除去した後、炉内で徐冷した。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度を表5に示す。
Figure 2005132721
表5に示す結果から、二次精錬スラグA融体中の酸化鉄および酸化マンガンを還元除去することにより、溶出液へのカルシウムおよびアルミニウムの溶出が促進され、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。
次に、表1に示した組成の二次精錬スラグAを、黒鉛発熱体を有する高周波炉において黒鉛るつぼを用いて溶解し、酸化鉄および酸化マンガンを還元除去した後、炉内で徐冷した。得られたスラグを、振動ミルにより粉砕し、ふるい分けることにより、150〜250μm、100〜150μm、100μm以下の3種類のスラグ粉末を得た。さらに、ボールミルにより粉砕し、10μm以下のスラグ粉末を得た。
これらのスラグ粉末50質量部と、2mm以下に破砕した溶銑予備処理スラグ100質量部とを混合し、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度と、改質した二次精錬スラグ粉末の最大粒度との関係を図5にグラフで示す。
図5に示すグラフから、改質した二次精錬スラグ粒度が150μm以下であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。このことからも、改質した二次精錬スラグ粉末は、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤としても用いることができる。
次に、表1に示した組成の二次精錬スラグA90質量部とアルミナレンガ屑10質量部とを、黒鉛発熱体を有する高周波炉において黒鉛るつぼを用いて溶解し、酸化鉄および酸化マンガンを還元除去した後、炉内で徐冷した。また、二次精錬スラグA90質量部とアルミナレンガ屑10質量部とを、黒鉛発熱体を有する高周波炉においてマグネシアるつぼを用いて溶解し、アルミ灰10質量部を添加して酸化鉄および酸化マンガンを還元除去した後、炉内で徐冷した。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度を表6に示す。
Figure 2005132721
表6に示す結果から、二次精錬スラグ融体にアルミナを加え、さらに、スラグ中の酸化鉄および酸化マンガンを還元除去することにより、溶出液へのカルシウムおよびアルミニウムの溶出が促進され、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを大きく下回ることがわかる。
次に、表1に示した組成の二次精錬スラグA90質量部とアルミナレンガ屑10質量部とを、黒鉛発熱体を有する高周波炉において黒鉛るつぼを用いて溶解し、酸化鉄および酸化マンガンを還元除去した後、炉内で徐冷した。得られたスラグを、振動ミルにより粉砕し、ふるい分けることにより、150〜250μm、100〜150μm、100μm以下の3種類のスラグ粉末を得た。さらに、ボールミルにより粉砕し、10μm以下のスラグ粉末を得た。
これらのスラグ粉末25質量部または50質量部と、2mm以下に破砕した溶銑予備処理スラグ100質量部とを混合し、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度と、改質した二次精錬スラグ粉末の最大粒度との関係を図6にグラフで示す。
図6に示すグラフから、改質した二次精錬スラグ粉末25質量部と、2mm以下に破砕した溶銑予備処理スラグ100質量部とを混合した場合、粒度が150μm以下であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。このことからも、改質した二次精錬スラグ粉末は、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤としても用いることができる。
さらに、高炉スラグ50重量部を、黒鉛発熱体を有する高周波炉において黒鉛るつぼを用いて溶解した後、これにアルミナレンガ屑25質量部および石灰石25質量部とを添加し、機械的に攪拌した後、炉内で徐冷した。得られた処理品を、振動ミルにより粉砕し、100μm以下のスラグ粉末を得た。
本発明により製造されたこれらのスラグ粉末と、2mm以下に破砕した溶銑予備処理スラグとを種々の重量比で混合し、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度と、改質した高炉スラグ粉末/溶銑予備処理スラグ重量比との関係を図7にグラフで示す。
図7に示すグラフから、溶銑予備処理スラグ100重量部に、改質した高炉スラグ粉末を50重量部以上加える本実施例により、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。
次に、電気炉スラグまたは二次精錬スラグAを、黒鉛発熱体を有する高周波炉でマグネシアるつぼを用いて溶解し、酸化ホウ素合成品を添加して機械攪拌を行った後、炉内で徐冷し冷却・凝固させた。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度と、スラグ中のAl濃度およびB濃度との関係を表7に示す。
Figure 2005132721
表7に示す結果から、スラグ中のAl濃度が2質量%以上であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。
次に、溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグBを、黒鉛発熱体を有する高周波炉でマグネシアるつぼを用いて溶解し、これにアルミナレンガ屑および酸化ホウ素合成品を添加して機械攪拌を行った後、炉内で徐冷し冷却・凝固させた。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度と、スラグ中のAl濃度およびB濃度との関係を表8に示す。
Figure 2005132721
表8に示す結果から、スラグ中のAl濃度が20質量%と低くても、B濃度が2質量%以上であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質環境基準の指針値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。
実施の形態における安定化処理法により、製鋼スラグに改質処理を施す状況を模式的に示す説明図である。 実施の形態における安定化処理法により、製鋼スラグをガラス化する状況を模式的に示す説明図である。 実施の形態における安定化処理法により、高炉スラグに改質処理を施す状況を模式的に示す説明図である。 実施例1において、溶出液中のフッ素濃度と溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグ中のAl濃度との関係を示すグラフである。 実施例1において、溶出液中のフッ素濃度と二次精錬スラグの粒度との関係を示すグラフである。 実施例1において、溶出液中のフッ素濃度と二次精錬スラグの粒度との関係を示すグラフである。 実施例1において、溶出液中のフッ素濃度と、改質された高炉スラグ/溶銑予備処理スラグ重量比との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 製鋼スラグ
1a 溶銑予備処理スラグ
1b 転炉スラグ
1c 電気炉スラグ
1d 二次精錬スラグ
2 改質剤
2a アルミナレンガ屑
2b 低品位アルミ灰
2c 窯業から発生するアルミナ廃棄物
2d フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグ
2e アルミナを含む天然鉱物
2f 酸化ホウ素合成物
2g 酸化ホウ素を含む天然鉱物
2h 黒鉛(炭素)
2i アルミ灰
2j 脱珪スラグ
2k 珪石
2m 石灰石
2n 生石灰
2p 塩化カルシウム
3 改質炉
4 のろ畑
5 ドライピット
6 急冷凝固装置
7 高炉スラグ融体
8 粉砕機

Claims (1)

  1. 高炉スラグの融体に、
    アルミナを含むレンガからなる産業廃棄物であるアルミナレンガ屑、アルミニウム地金またはスクラップの溶解に際して発生するアルミニウムドロスから金属アルミニウムを回収した後の残灰およびダスト灰である低品位アルミ灰、窯業から発生するアルミナ廃棄物、フッ素を実質的に含まない二次精錬スラグおよびアルミナを含む天然鉱物の1種または2種以上の組み合わせからなる粒子または粉末と、
    石灰石または生石灰と
    を添加することを特徴とするフッ素を含む製鋼スラグの安定化剤の製造法。
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