JP4661732B2 - フッ素を含む産業廃棄物の安定化処理技術 - Google Patents

フッ素を含む産業廃棄物の安定化処理技術 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素を含む産業廃棄物の安定化処理技術に関する。より具体的には、本発明は、製鋼工程で不可避的に発生する産業廃棄物である、フッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグの安定化処理技術に関する。
周知のように、製鋼工程では、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさらには二次精錬スラグ等の各種の製鋼スラグが不可避的に発生する。この製鋼スラグのわが国における排出総量は、例えば1997年の1年間において約1000万トンにも達し、そのうちの約570万トンが産業廃棄物として土木工事および埋め立てに用いられた。
ところで、これらの製鋼スラグには、製鋼過程において、一般的に、スラグの融点を下げて流動性を向上させ、スラグと溶鋼との反応性を高めるために、螢石CaFが添加される。このため、製鋼スラグにはフッ素が不可避的に含有される。
近年、このフッ素を長期間にわたって多量に摂取すると、歯牙フッ素症、骨フッ素症さらには運動障害性フッ素症等の各種障害が引き起こされることが判明してきた。このため、フッ素は我が国でも水質および地下水環境基準項目の一つに指定されている。このため、前述したように、大量に発生する製鋼スラグを土木工事および埋め立てに用いる際には、製鋼スラグからフッ素が溶出することによる環境汚染が発生する恐れがあるため、製鋼スラグにフッ素溶出の抑制処理を施し、フッ素溶出に十分な配慮を払う必要がある。
しかし、我が国のこれまでの産業廃棄物最終処分基準では、埋め立て処分品についてのフッ素溶出量規制値が制定されていなかったため、製鋼スラグをはじめとする産業廃棄物からのフッ素溶出の抑制法はこれまで全く検討されていなかった。
製鋼スラグからのフッ素溶出の抑制を目的とするものではないが、これまで、溶液中に高濃度に含まれるフッ素を除去する方法として、石灰をこの溶液に添加することにより、安定なフッ化カルシウムを沈殿させることにより、フッ素を固定化する技術が知られている。
また、活性アルミナ粒子にフッ素イオンを吸着させることによって、フッ素を固定化する技術も知られている。
しかし、これらの技術によれば、実験室レベルではフッ素を固定化して水質汚濁防止法の排水環境基準値を下回ることはできるものの、前述したように大量に発生する製鋼スラグ等の産業廃棄物に含まれるフッ素を工業的規模で十分に固定化して、環境汚染の発生を防止することは困難である。
そこで、本発明者らは、先に特願平10−339500号により、カルシウムおよびアルミニウムを含む化合物であるカルシウムアルミネートを含む粉末を安定化剤として用い、フッ素を含む製鋼スラグの安定化処理を行う発明を提案した。この発明は、略述すると、フッ素を含む製鋼スラグに、水の存在下で、3CaO・Alおよび12CaO・7Al等のカルシウムアルミネートの粉末を安定化剤として添加すると、溶液中にフッ素を含む難溶性の化合物が生成されることを利用して、製鋼スラグからのフッ素溶出を抑制するものである。
また、本発明者らは、先に特願平11−148568号により、特願平10−339500号において提案した発明において安定化剤として用いるカルシウムアルミネートを含む粉末を、二次精錬スラグからなる粉末により代用するために、二次精錬スラグを調質する発明を提案した。この発明は、略述すると、二次精錬スラグの組成を、SiO濃度:10%以下(本明細書においては、特にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味するものとする。)、全鉄濃度:3%以下、Al濃度:30〜55%とすることにより、3CaO・Alおよび12CaO・7Al等のカルシウムアルミネートの粉末と同様の作用で、製鋼スラグからのフッ素溶出を抑制するものである。
しかし、本発明者らがさらに鋭意検討を重ねた結果、製鋼工程では、かかる組成とすることができる二次精錬スラグは、得られる二次精錬スラグの全量のうちの極限られた量であり、むしろ、SiO濃度:10%以上、全鉄濃度:3%以下、Al濃度:25〜35%の組成を有する二次精錬スラグが多量に生成していることを知見した。このため、現在の工業的規模では、カルシウムアルミネートを含む粉末を、二次精錬スラグからなる粉末により代用することは困難であり、多量に生成するSiO濃度が高い二次精錬スラグを、製鋼スラグからのフッ素溶出抑制に利用することはできなかった。
ここに、本発明の目的は、製鋼工程で不可避的に発生する、例えば溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグといった、フッ素を含む産業廃棄物の安定化処理技術を提供することである。
ここに、本発明は、カルシウムシリケートを含む粉末および硫酸根を含む粉末の混合物をフッ素固定剤として用い、製鋼工程で発生する産業廃棄物である、フッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグの安定化処理を行うことを特徴とする、フッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法である。この本発明にかかるフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法では、CaO−SiO−HO−S系化合物が生成され、この反応生成物をフッ素固定剤として用いるものである。
この本発明にかかるフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法では、カルシウムシリケートを含む粉末が、合成されたカルシウムシリケート化合物、天然に産するカルシウムシリケート鉱物およびカルシウムシリケートを含む脱珪スラグのうちの1種または2種以上の組合せからなることが、例示される。
また、これらの本発明にかかるフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法では、硫酸根を含む粉末が、石膏、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムおよび硫酸鉄のうちの1種または2種以上の組合せからなることが、例示される。
また、これらの本発明にかかるフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法では、カルシウムシリケートを含む粉末の平均粒径が2mm以下であることが、フッ素の安定化を確実に行うためには、望ましい。一方、硫酸根を含む粉末は、水への溶解が速やかであることから、硫酸根を含む粉末の大きさには限定を要さない。
また、これらの本発明にかかるフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法では、フッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグ100質量部に対して、カルシウムシリケートを含む粉末を20〜80質量部添加するとともに、硫酸根を含む粉末を10〜80質量部添加することが、フッ素の安定化を確実に行うとともに処理コストの上昇を抑制するために、望ましい。
また、これらの本発明にかかるフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法では、安定化処理が、フッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグと、カルシウムシリケートを含む粉末および硫酸根を含む粉末の混合物とを、水の存在の下で反応させることによって行われることが、例示される。また、これらの本発明にかかるフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法では、安定化処理が、水の存在下でオートクレーブ処理または蒸気養生を行うことにより60℃以上に加温加圧することにより、行われることが、フッ素の安定化を確実に行うために、望ましい。
これらの本発明にかかるフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法では、安定化処理が、フッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグが製鋼工程における処理炉から排滓されて高温状態にある時に行われることが、フッ素の固定化効率を高めるためには望ましい。また、フッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグが製鋼工程における処理炉から排滓されて高温状態にある時に、特に、硫酸根を含む粉末を添加することにより、製鋼スラグの安定化処理において、製鋼スラグから連続的に硫酸イオンが供給されることになるため、フッ素の固定化効率を高めるためには、さらに望ましい。
本発明によれば、製鋼工程で不可避的に発生する溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグといった、フッ素を含む製鋼スラグを、確実に安定化処理することができる。また、この処理に際して、低コストの二次精錬スラグまたは脱珪スラグを用いることもできるため、処理コストの上昇も確実に抑制できる。さらに、コンクリート屑および石炭灰等の産業廃棄物を用いることも可能であり、産業廃棄物の再資源化の面からも好ましい。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の安定化処理方法により、フッ素を含む産業廃棄物である製鋼スラグ1a〜1dに対して安定化処理を施す状況を模式的に示す説明図である。
同図に示す本実施形態では、合成されたカルシウムアルミネート化合物、カルシウムシリケート化合物またはカルシウムアルミニウムシリケート化合物2a、天然に産するカルシウムアルミネート鉱物、カルシウムシリケート鉱物またはカルシウムアルミネートシリケート鉱物2b、および、カルシウムアルミネートまたはカルシウムアルミニウムシリケート化合物を含む二次精錬スラグまたはカルシウムシリケートを含む脱珪スラグ2cの1種または2種以上に由来する、カルシウムアルミネート、カルシウムシリケートまたはカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末2と、石膏3a、硫酸アルミニウム3b、硫酸マグネシウム3c、硫酸ナトリウム3dおよび硫酸鉄3eの1種または2種以上に由来する、硫酸根を含む粉末3とをともに固定剤として用い、フッ素を含む製鋼スラグ1a〜1dの安定化処理を行っている。
また、フッ素を含む製鋼スラグ1a〜1d、カルシウムアルミネート、カルシウムシリケートまたはカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末2a〜2c、硫酸根を含む粉末3a〜3eに、徐冷高炉スラグ4a、高炉水砕スラグ4b、コンクリート屑4c、石炭灰4dの1種または2種以上に由来する、増容材4を添加し土中埋設用材料7としている。
そこで、以降の説明では、製鋼スラグ1、カルシウムアルミネート、カルシウムシリケートまたはカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末2、硫酸根を含む粉末3、増容材4、および安定化処理について順次説明する。
[製鋼スラグ1]
本実施形態において安定化処理が行われる製鋼スラグ1は、図1に示すフッ素を含む溶銑予備処理スラグ1a、フッ素を含む転炉スラグ1b、フッ素を含む電気炉スラグ1cおよびフッ素を含み全鉄濃度の高い二次精錬スラグ1dのうちの少なくとも1種である。
本発明では、製鋼スラグ1が発生する製鋼工程の形態は、何ら限定を要さない。このような製鋼スラグ1として、例えば、(1)トーピード、溶銑鍋または転炉により生成される溶銑予備処理スラグ1a、(2)上吹き操業、底吹き操業または上下吹き操業により生成される転炉スラグ1b、(3)高周波加熱またはアーク加熱により生成される電気炉スラグ1c、さらには(4)高周波加熱またはアーク加熱により生成される二次精錬スラグ1dが例示される。
製鋼スラグ1の組成は、当然のことながら、例えば操業法や溶鋼組成等の各種要因により、変動する。しかし、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1cおよび二次精錬スラグ1dのいずれもが、フッ素を含んでいる。例えば、溶銑予備処理スラグ1aは0.1〜7.8%のフッ素を、転炉スラグ1bは0.2〜3.8%のフッ素を、電気炉スラグ1cは0.7〜9.2%のフッ素を、さらに二次精錬スラグ1dは0.1〜6.4%のフッ素を、それぞれ含有する。
製鋼スラグに含まれるこれらのフッ素は、各製鋼スラグ1a〜1d中において、例えば、CaF、CaF(PO、3CaO・2SiO・CaF、(2CaO・SiO・CaF、(3CaO・SiO・CaFまたは11CaO・7Al・CaFとして存在するが、いずれの鉱物相が存在するかは、スラグ組成、操業法やスラグの冷却条件の各種要因により変動する。
また、2CaO・SiO、3CaO・SiO、2CaO・SiO・Al、2CaO・TiOまたは12CaO・7Alの各鉱物相中には0.5〜12%のフッ素が含まれる。
[カルシウムアルミネートを含む粉末2]
本発明では、カルシウムアルミネートを含む粉末2として、合成されたカルシウムアルミネート化合物2a、天然に産するアルミネート鉱物2bおよびカルシウムアルミネートを含む二次精錬スラグ2cのうちの1種または2種以上に由来する粉末2を用いる。
本発明では、「カルシウムアルミネート」とは、例えば、CaO・Al、5CaO・3Al、12CaO・7Al、9CaO・5Al、2CaO・Al、3CaO・Al、若しくはこれらの混合物、またはこれらの水和物等を意味する。
合成されたカルシウムアルミネート化合物2aとしては、例えばCaO・Al、5CaO・3Al、12CaO・7Al、9CaO・5Al、2CaO・Al、3CaO・Al若しくは3CaO・Al・MgO、4CaO・Al・Fe、またはこれらの混合物等が例示される。これらは、いずれも、いわゆる高温焼成法により容易に合成される。これらを水と反応させることにより生じる水和物としては、CaO・Al・8.5HO、CaO・Al・10HO、4CaO・3Al・3HO、2CaO・Al・6HO、2CaO・Al・8HO、CaAl(OH)12、3CaO・Al・xHO(x=8〜12)、3CaO・Al・Ca(OH)・18HO、3CaO・Al・3Ca(OH)・32HO、4CaO・Al・13HO、α−4CaO・Al・19HO、4CaO・Al・xHO等がある。
天然に産するカルシウムアルミネート鉱物2bとしては、例えば、12CaO・7Al組成の鉱物としてMayeniteが、CaO・Al・8.5HO組成の鉱物としてTunisiteが、CaAl(OH)12組成の鉱物としてKatoiteやHydrogrossularがある。
二次精錬スラグ2cとは、真空精錬法、取鍋精錬法または簡易取鍋精錬法等の二次精錬(炉外精錬)を行った際に生成されたスラグを意味し、CaO(石灰)およびAl(アルミナ)を主成分として含むものである。このような二次精錬スラグ2cについて、X線回折法等の適宜方法により鉱物相を同定すると、二次精錬スラグ2c中のAl濃度およびSiO濃度に応じて、例えばAl濃度が高くSiO濃度が低い場合には3CaO・Al相および12CaO・7Al相が、Al濃度およびSiO濃度がともに高い場合には2CaO・Al・SiO相が主要鉱物相として認められる。一部の二次精錬スラグでは、スラグ中のSiO濃度が高くP濃度が低いことに起因して、冷却時に析出した2CaO・SiO相が温度降下とともに相変態を起こし、粉状の二次精錬スラグとなる。このため、この粉状の二次精錬スラグをフッ素の安定化剤として用いる場合には、安定化剤の粉砕工程を省略できる。
本発明では、「カルシウムアルミネート」である、例えばCaO・Al、5CaO・3Al、12CaO・7Al、9CaO・5Al、2CaO・Al、3CaO・Al若しくは3CaO・Al・MgO、4CaO・Al・Fe、若しくはこれらの混合物、またはこれらの水和物のいずれにおいても、硫酸イオンと反応することによりエトリンガイト3CaO・Al・3CaSO・32HOおよびモノサルフェート3CaO・Al・CaSO・yHO(y=12または14)が生成し、製鋼スラグ1に含まれるフッ素を、容易かつ確実に固定化することができる。
本実施形態では、カルシウムアルミネートを含む粉末2の平均粒径が2mmを超えると、水存在下において、これらの粉末2と水との反応界面積が少なくなることにより、粉末2からのCaイオンおよびAlイオンの供給が遅くなる。その結果、硫酸イオンとの反応によるエトリンガイトおよびモノサルフェートの生成量が少なくなり、これら反応生成物の生成の際に反応生成物中に取り込まれるフッ素量が製鋼スラグ1からのフッ素溶出量より少なくなって、フッ素の固定化が不十分になるおそれがある。そこで、粉末2の平均粒径は2mm以下であることが望ましく、同様の観点から、0.2mm以下であることがより望ましい。このような観点からは、粉末2の平均粒径の下限は限定を要さないが、0.02mm未満の平均粒径であると、粉末2の取り扱いが面倒になるとともにエトリンガイトおよびモノサルフェートの生成反応が短時間で終了しやすくなる。そこで、粉末2の平均粒径の下限は、0.02mmであることが望ましい。
また、カルシウムアルミネートを含む粉末2の添加量が少ないと、水存在下において、これらの粉末2と硫酸イオンとの反応によるエトリンガイトの生成量およびモノサルフェートの生成量がいずれも十分でないために、製鋼スラグ1からのフッ素溶出量よりエトリンガイトおよびモノサルフェートへのフッ素取り込み量が少なくなって、フッ素の固定化が不十分になるおそれがある。これらの傾向は、製鋼スラグに含まれるフッ素の濃度が高くなればなるほど顕著になる。一方、粉末2および硫酸根を有する化合物の添加量が多過ぎると、フッ素の安定化効果が飽和するとともに、コスト高となって減容化を阻害する。
そこで、本実施形態では、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、または、二次精錬スラグ1dの安定化処理を行う際には、フッ素を含む製鋼スラグ100質量部に対して、カルシウムアルミネートを含む粉末2を20〜80質量部添加することが望ましく、30〜80質量部添加することがより望ましい。
[カルシウムシリケートを含む粉末2’]
本発明では、カルシウムシリケートを含む粉末2’として、合成されたカルシウムシリケート化合物2a’、天然に産するカルシウムシリケート鉱物2b’、カルシウムシリケートを含む脱珪スラグ2c’の1種または2種以上に由来する粉末2’を用いる。
本発明では、「カルシウムシリケート」とは、例えば、CaO・SiO、3CaO・2SiO、8CaO・5SiO、2CaO・SiO、3CaO・SiO、若しくはこれらの混合物、またはこれらの水和物等を意味する。
合成されたカルシウムシリケート化合物2a’としては、例えばCaO・SiO、3CaO・2SiO、8CaO・5SiO、2CaO・SiO、3CaO・SiO若しくはCaO・MgO・SiO、3CaO・MgO・2SiO、5CaO・MgO・3SiO、7CaO・MgO・4SiO、3CaO・Fe・3SiO、CaFeSiO、CaTiSiO、またはこれらの混合物等が例示される。これらは、いずれも、いわゆる高温焼成法により容易に合成される。これらを水と反応させることにより生じる水和物としては、CaO・SiO・xHO(x=1/6、1/3または1)、3CaO・2SiO・yHO(y=0.5〜11/3)、8CaO・5SiO・2HO、5CaO・3SiO・2HO、2CaO・SiO・zHO(z=0.3〜1)、5CaO・2SiO・HO、3CaO・SiO・1.5HO等があり、これらの他に、CaO−SiO−HO系化合物と称されるゲル状非晶質化合物がある。
天然に産するカルシウムシリケート鉱物2b’としては、例えば、CaO・SiO組成の鉱物としてWollastoniteが、3CaO・2SiO組成の鉱物としてRankiniteが、2CaO・SiO組成の鉱物としてLarniteやBredigiteが、3CaO・SiO組成の鉱物としてHatruriteが、CaO・MgO・SiO組成の鉱物としてMonticelliteが、3CaO・MgO・2SiO組成の鉱物としてMerwiniteが、7CaO・MgO・4SiO組成の鉱物としてBredigiteが、CaFeSiO組成の鉱物としてKirschsteiniteが、CaTiSiO組成の鉱物としてTitaniteが、それぞれある。また、CaO・SiO・HO組成の鉱物としてSuoluniteが、3CaO・2SiO・3HO組成の鉱物としてAfwilliteが、2CaO・SiO・HO組成の鉱物としてHillebranditeが、5CaO・2SiO・HO組成の鉱物としてChondroditeやReinhardbraunsiteがそれぞれあり、3CaO・SiO・1.5HO組成の鉱物としてJaffeiteがある。
脱珪スラグ2c’とは、高炉出銑樋または溶銑鍋において溶銑の脱珪処理を行った際に生成されたスラグを意味し、SiOおよびCaOを主成分として含むものである。このような脱珪スラグ2c’について、X線回折法等の適宜方法により鉱物相を同定すると、脱珪スラグ2c’中のCaO濃度およびSiO濃度に応じて、例えばCaO濃度が高くSiO濃度が低い場合には2CaO・SiO相や3CaO・2SiO相が、CaO濃度が低くSiO濃度が高い場合には3CaO・2SiO相やCaO・SiO相が主要鉱物相として認められる。
本発明では、「カルシウムシリケート」である、例えばCaO・SiO、3CaO・2SiO、8CaO・5SiO、2CaO・SiO、3CaO・SiO若しくはCaO・MgO・SiO、3CaO・MgO・2SiO、5CaO・MgO・3SiO、7CaO・MgO・4SiO、3CaO・Fe・3SiO、CaFeSiO、CaTiSiO、若しくはこれらの混合物、またはこれらの水和物のいずれにおいても、硫酸イオンと反応することにより、例えばCa[(Si、S)O(OH、F)、Ca10(SiO(SO(OH、F)およびCaO−SiO−S−HO系ゲル状非晶質化合物が生成し、製鋼スラグ1に含まれるフッ素を、容易かつ確実に固定化することができる。さらに、これら反応生成物の他に、例えばCa(SiO(OH、F)、CaSi(OH、F)およびCaO−SiO−HO系ゲル状非晶質化合物等の硫酸イオンを含まない化合物が生成し、製鋼スラグ1から溶出したフッ素を固定化することができる。
本実施形態では、カルシウムシリケートを含む粉末2’の平均粒径が2mmを超えると、水存在下において、これらの粉末2’と水との反応界面積が少なくなることにより、粉末2’からのCaイオンおよびSiイオンの供給が遅くなる。その結果、硫酸イオンとの反応によるCaO−SiO−S−HO系化合物および硫酸イオンが関与しないCaO−SiO−HO系化合物の生成量が少なくなり、これら反応生成物の生成の際に反応生成物中に取り込まれるフッ素量が製鋼スラグ1からのフッ素溶出量より少なくなって、フッ素の固定化が不十分になるおそれがある。そこで、粉末2’の平均粒径は2mm以下であることが望ましく、同様の観点から、0.2mm以下であることがより望ましい。このような観点からは、粉末2’の平均粒径の下限は限定を要さないが、0.02mm未満の平均粒径であると、粉末2’の取り扱いが面倒になることから、粉末2’の平均粒径の下限は、0.02mmであることが望ましい。
また、カルシウムシリケートを含む粉末2’の添加量が少ないと、水存在下において、これらの粉末2’と硫酸イオンとの反応によるCaO−SiO−S−HO系化合物および硫酸イオンが関与しないCaO−SiO−HO系化合物の生成量が十分でないために、これら反応生成物へのフッ素取り込み量が製鋼スラグ1からのフッ素溶出量より少なくなって、フッ素の固定化が不十分になるおそれがある。これらの傾向は、製鋼スラグに含まれるフッ素の濃度が高くなればなるほど顕著になる。一方、粉末2’および硫酸根を有する化合物の添加量が多過ぎると、フッ素の安定化効果が飽和するとともに、コスト高となって減容化を阻害する。
そこで、本実施形態では、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、または、二次精錬スラグ1dの安定化処理を行う際には、フッ素を含む製鋼スラグ100質量部に対して、カルシウムシリケートを含む粉末2’を20〜80質量部添加することが望ましく、30〜80質量部添加することがより望ましい。
[カルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末2’’]
本発明では、カルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末2’’として、合成されたカルシウムアルミニウムシリケート化合物2a’’、天然に産するカルシウムアルミニウムシリケート鉱物2b’’、カルシウムアルミニウムシリケートを含む二次精錬スラグ2c’’の1種または2種以上に由来する粉末2’’を用いる。
本発明では、「カルシウムアルミニウムシリケート」とは、例えば、CaO・Al・SiO、Ca1.82Al3.64Si0.36、2CaO・Al・SiO、若しくはこれらの混合物、またはこれらの水和物等を意味する。
合成されたカルシウムアルミニウムシリケート化合物2a’’としては、例えばCaO・Al・SiO、Ca1.82Al3.64Si0.36、2CaO・Al・SiO若しくは4CaO・MgO・Al・3SiO、8CaO・MgO・3Al・5SiO、54CaO・MgO・Al・16SiO、CaAl1.5Fe0.5SiO、CaMg0.2AlFe0.6Si0.2、またはこれらの混合物等が例示される。これらは、いずれも、いわゆる高温焼成法により容易に合成される。これらを水と反応させることにより生じる水和物としては、CaAl(SiO1.25(OH)、CaAl(SiO(OH)、CaAlSiO(OH)、CaAlSiO(OH)等があり、これらの他に、CaO−Al−SiO−HO系化合物と称されるゲル状非晶質化合物がある。
天然に産するカルシウムアルミニウムシリケート鉱物2b’’としては、例えば、CaAlSiOやCaAl(Al、Si)組成の鉱物としてGehleniteが、CaAl(SiO1.25(OH)組成の鉱物としてHibschiteが、CaAl(SiO(OH)組成の鉱物としてGrossular hydroxylianが、CaAlSiO(OH)組成の鉱物としてKamaishiliteやBicchuliteが、CaAlSiO(OH)組成の鉱物としてVuagnatite等が、それぞれある。
前述したように、二次精錬スラグ2c’’とは、真空精錬法、取鍋精錬法または簡易取鍋精錬法等の二次精錬(炉外精錬)を行った際に生成されたスラグを意味し、CaO(石灰)およびAl(アルミナ)を主成分として含むものである。このような二次精錬スラグ2c’’中のAl濃度およびSiO濃度がともに高い場合には2CaO・Al・SiO相が主要鉱物相として認められる。
本発明では、「カルシウムアルミニウムシリケート」である、例えばCaO・Al・SiO、Ca1.82Al3.64Si0.36、2CaO・Al・SiO若しくは4CaO・MgO・Al・3SiO、8CaO・MgO・3Al・5SiO、54CaO・MgO・Al・16SiO、CaAl1.5Fe0.5SiO、CaMg0.2AlFe0.6Si0.2、若しくはこれらの混合物、またはこれらの水和物のいずれにおいても、硫酸イオンと反応することにより、エトリンガイト3CaO・Al・3CaSO・32HOおよびモノサルフェート3CaO・Al・CaSO・yHO(y=12または14)、Ca[(Si、S)O(OH、F)、Ca10(SiO(SO(OH、F)等の化合物が生成して、製鋼スラグ1に含まれるフッ素を、容易かつ確実に固定化することができる。さらに、これら反応生成物の他に、Ca(SiO(OH、F)およびCaSi(OH、F)等のCaO−SiO−HO系化合物およびゲル状CaO−SiO−HO系非晶質化合物、CaAlSiO(OH、F)等のCaO−Al−SiO−HO系化合物が生成し、製鋼スラグ1から溶出したフッ素を固定化することができる。
本実施形態では、カルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末2’’の平均粒径が2mmを超えると、水存在下において、これらの粉末2’’と水との反応界面積が少なくなることにより、粉末2’’からのCaイオン、AlイオンおよびSiイオンの供給が遅くなる。その結果、硫酸イオンとの反応によるエトリンガイト、モノサルフェート、Ca[(Si、S)O(OH、F)およびCa10(SiO(SO(OH、F)等のCaO−SiO−S−HO系化合物、および硫酸イオンが関与しないCa(SiO)2(OH、F)およびCaSi(OH、F)等のCaO−SiO−HO系化合物、CaAlSiO(OH、F)等のCaO−Al−SiO−HO系化合物の生成量が少なくなり、これら反応生成物の生成の際に反応生成物中に取り込まれるフッ素量が製鋼スラグ1からのフッ素溶出量より少なくなって、フッ素の固定化が不十分になるおそれがある。そこで、粉末2’’の平均粒径は2mm以下であることが望ましく、同様の観点から、0.2mm以下であることがより望ましい。このような観点からは、粉末2’’の平均粒径の下限は限定を要さないが、0.02mm未満の平均粒径であると、粉末2’’の取り扱いが面倒になることから、粉末2’’の平均粒径の下限は、0.02mmであることが望ましい。
また、カルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末2’’の添加量が少ないと、水存在下において、これらの粉末2’’と硫酸イオンとの反応によるエトリンガイト、モノサルフェート、CaO−SiO−S−HO系化合物、および、硫酸イオンが関与しないCaO−SiO−HO系化合物およびCaO−Al−SiO−HO系化合物の生成量が十分でないために、これら反応生成物へのフッ素取り込み量が製鋼スラグ1からのフッ素溶出量より少なくなって、フッ素の固定化が不十分になるおそれがある。これらの傾向は、製鋼スラグに含まれるフッ素の濃度が高くなればなるほど顕著になる。一方、粉末2’’および硫酸根を有する化合物の添加量が多過ぎると、フッ素の安定化効果が飽和するとともに、コスト高となって減容化を阻害する。
そこで、本実施形態では、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、または、二次精錬スラグ1dの安定化処理を行う際には、フッ素を含む製鋼スラグ100質量部に対して、カルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末2’’を20〜80質量部添加することが望ましく、30〜80質量部添加することがより望ましい。
[硫酸根を含む粉末3]
本実施形態では、硫酸根を含む粉末3として、例えば、石膏3a、硫酸アルミニウム3b、硫酸マグネシウム3c、硫酸ナトリウム3dおよび硫酸鉄3eのうちの1種または2種以上に由来する粉末3を用いる。これらの中で、石膏3aは、鉄鉱石の焼結工程における廃ガス中の硫黄除去装置において多量に生成する。また、鋼板の酸洗廃液である硫酸にpH調節用の石灰を投入した際に多量に晶出する。本実施形態では、鉄鋼業における副産物である石膏を用いるため、資源の有効利用の面からも好ましい。
石膏3a、硫酸アルミニウム3b、硫酸マグネシウム3c、硫酸ナトリウム3dおよび硫酸鉄3e等の硫酸根を含む粉末は、水への溶解が速やかであることから、本発明では、硫酸根を含む粉末3の粒度について何ら限定を要さない。
また、本実施形態では、カルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末のうちの1種または2種以上の組合せからなる粉末2の100質量部に対して、硫酸根を含む粉末3を20〜100質量部添加することが、エトリンガイトおよびCaO−SiO−S−HO系化合物を効率的に生成でき、望ましい。
さらに、本実施形態では、カルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末のうちの1種または2種以上の組合せからなる粉末2および硫酸根を含む粉末3を製鋼スラグ1に同時に添加する場合を示しているが、これとは異なり、カルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末のうちの1種または2種以上の組合せからなる粉末2および硫酸根を含む粉末3を混合することにより安定化処理剤を製造しておき、この安定化処理剤を、フッ素を含む製鋼スラグ1に添加してもよい。この場合に、カルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末のうちの1種または2種以上の組合せからなる粉末2の100質量部に対して、硫酸根を含む粉末3を20〜100質量部添加することが、望ましい。
[増容材4]
本実施形態では、増容材4として、例えば徐冷高炉スラグ4a、高炉水砕スラグ4b、コンクリート屑4cおよび石炭灰4dの1種または2種以上に由来する産業廃棄物を用いる。
この増容材4は、製鋼スラグ1、すなわち、フッ素溶出源の希釈材としての効果も有する。また、徐冷高炉スラグ4a、高炉水砕スラグ4b、コンクリート屑4cからはCaイオン、Siイオン、Alイオンが溶出し、直ちにCaO−SiO−HO化合物やCaO−Al−SiO−HO化合物を多量に生成させる。しかし、CaO−SiO−HO化合物やCaO−Al−SiO−HO化合物は、エトリンガイト、モノサルフェートおよびCaO−SiO−S−HO系化合物と比べて、フッ素イオンを取り込む能力が小さいため、これら化合物が大量に生成してもフッ素イオンが固定化される量は少ない。また、徐冷高炉スラグ4a、高炉水砕スラグ4b、コンクリート屑4cと石膏3aを混合し、水中で振とうした実験において、実験後の試料をX線回折した結果、エトリンガイト、モノサルフェートおよびCaO−SiO−S−HO系化合物の生成は認められなかった。
このように、増容材がフッ素の安定化反応機構に大きくは関与しないことから、増容材の粒度についてなんら限定を要さない。また、製鋼スラグ1の安定化処理だけを目的とし、後述する土中埋設材料7の製造を行わない場合には、必ずしも、増容材4を添加する必要はない。
また、本実施形態では、製鋼スラグ100質量部に対して、増容材を900質量部以下添加することが、路盤材および埋立材を製造する処理コストの上昇を抑制するとともに、製鋼スラグ、徐冷高炉スラグ、高炉水砕スラグ、コンクリート屑さらには石炭灰等の、いわゆる産業廃棄物の再資源化のために、望ましい。
なお、我が国の高炉スラグの総排出量は、例えば1997年の1年間に約2300万トンにも達しており、そのうちの69%に相当する約1600万トンが、セメントおよびコンクリートに再利用されているにすぎない。したがって、本実施形態により、高炉スラグの再利用をさらに促進することもできる。
[製鋼スラグ1a〜1dの安定化処理]
図1に示すように、本実施形態では、上述したカルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末のうちの1種または2種以上の組合せからなる粉末2および硫酸根を含む粉末3を用い、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1cまたは二次精錬スラグ1dの安定化処理を行う。
溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1cまたは二次精錬スラグ1dの安定化処理は、これらスラグにカルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末の1種または2種以上の組合せからなる粉末2および硫酸根を含む粉末3を適量添加した後、機械5を用いて十分混合することにより、これら製鋼スラグ1a〜1dから溶出したフッ素を固定化して、安定化処理品である土中埋設用材料6を得る処理である。この際、オートクレーブまたは蒸気養生装置9を用いて60℃以上でオートクレーブ処理または蒸気養生を行うことにより、製鋼スラグ1a〜1d中のフッ素を固定化してもよい。
また、製鋼スラグ1、カルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末のうちの1種または2種以上の組合せからなる粉末2、硫酸根を含む粉末3および増容材4を、機械5を用いて十分混合することにより、土中埋設用材料6を得るようにしてもよい。この際も、オートクレーブまたは蒸気養生装置9を用いて60℃以上でオートクレーブ処理または蒸気養生を行うことにより、製鋼スラグ1a〜1d中のフッ素を固定化してもよい。
また、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1cまたは二次精錬スラグ1dを粉砕し、例えば、混練機や造粒機あるいは混練および造粒の二つの機能をあわせ持つ機械7等を用いて、粉状の製鋼スラグ1とカルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末のうちの1種または2種以上の組合せからなる粉末2と硫酸根を含む粉末3と増容材4とを混練し、所望の形状(例えば円柱状)の造粒物8とすることにより土中埋設用材料6を得る処理である。この際も、オートクレーブまたは蒸気養生装置9を用いて60℃以上でオートクレーブ処理または蒸気養生を行うことにより、製鋼スラグ1a〜1d中のフッ素を固定化してもよい。
この際、増容材4として高炉水砕スラグ粉末を用いることにより、造粒物8が堅固になり、雨水や地下水との接触が造粒物8の表面だけに限定されるため、フッ素の溶出がさらに効果的に抑制されることになり、望ましい。
なお、安定化処理の際に、製鋼スラグ1、カルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末のうちの1種または2種以上の組合せからなる粉末2および硫酸根を含む粉末3と共存させる水は、本実施形態では、転動造粒や撹拌造粒等により凝集造粒現象を生じさせて造粒物8を形成するために用いられる。そのため、造粒物8に求める強度や硬度等に応じて、水とともに適当な溶媒を用いてもよい。このような溶媒としては、デキストリンやリグニン等を例示することができる。
この安定化処理は、フッ素を含む製鋼スラグ1が、製鋼工程における処理炉から排滓されて高温状態にある時に、行われることが、フッ素の固定化効率を高めるためには望ましい。フッ素を含む製鋼スラグ1が製鋼工程における処理炉から排滓されて高温状態にある時に、特に、硫酸根を含む粉末3を添加することにより、製鋼スラグ1の安定化処理において、製鋼スラグ1から連続的に硫酸イオンが供給されることになるため、フッ素の固定化効率を高めるためには、さらに望ましい。
[安定化の作用]
このような安定化処理により、図1に示す溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、二次精錬スラグ1dにそれぞれ含まれるフッ素が固定化される機構を説明する。
本発明者らは、フッ化水素酸を蒸留水で希釈した溶液を撹拌しながら、高温焼成によって合成したカルシウムアルミネート(3CaO・Al、12CaO・7AlまたはCaO・Al)の粉末を石膏粉末と共に添加し、3〜12時間撹拌して、反応後の粉末について、その鉱物相をX線回折法およびX線マイクロアナライザーにより同定した。その結果、いずれのカルシウムアルミネート粉末の場合においても、X線回折法からはエトリンガイト3CaO・Al・3CaSO・32HOおよびモノサルフェート3CaO・Al・CaSO・yHO(y=12または14)が主要相として同定され、X線マイクロアナライザーからはこれらのエトリンガイトおよびモノサルフェート中にフッ素が含有されていることが認められた。
このようにして、カルシウムアルミネートを含有する粉末と石膏粉末による、このようなフッ素の安定化は、下記の反応機構により説明される。例えば、3CaO・Al粉末が水共存下でフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応して3CaO・Al・3Ca[(SO1−x2x]・32HOが生成する場合、3CaO・Al粉末からカルシウムおよびアルミニウムが溶出してイオンとなる反応式(1)と、石膏が溶解してカルシウムイオンおよび硫酸イオンになる反応式(2)と、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンがフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応して3CaO・Al・3Ca[(SO1−x2x]・32HOが生成する反応式(3)が進行する。
3CaO・Al+2HO→3Ca2++2AlO2−+4OH ・・・・(1)
CaSO・2HO→Ca2++SO 2−+2HO ・・・・・(2)
6Ca2++2AlO2−+6xF+3(1−x)SO 2−+4OH+30H
→ 3CaO・Al・3Ca[(SO4)1−x2x]・32HO ・・・(3)
あるいは、3CaO・Al粉末が直接フッ素イオン、石膏、カルシウムイオンおよび水と反応して3CaO・Al・3Ca[(SO1−x2x]・32HOが生成する反応式(4)が進行する。
3CaO・Al+3(1−x)CaSO・2HO+6xF+3xCa2++(26+6x)HO→
3CaO・Al・3Ca[(SO1−x2x]・32HO ・・・(4)
一方、12CaO・7Al粉末(またはCaO・Al粉末)が水共存下でフッ素イオンと反応して3CaO・Al・3Ca[(SO1−x2x]・32HOが生成する場合、12CaO・7Al粉末(またはCaO・Al粉末)からカルシウムおよびアルミニウムが溶出してイオンとなる反応式(5)(または(6))と、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンがフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応して3CaO・Al・3Ca[(SO1−x2x]・32HOが生成する反応式(3)が進行する。
12CaO・7Al+5HO→12Ca2++14AlO2−+10OH
・・・・(5)
CaO・Al→Ca2++2AlO2− ・・・・(6)
本発明によれば、このようにして、カルシウムアルミネートを含む化合物を硫酸根を含む化合物とともに用いて、エトリンガイトおよびモノサルフェートが生成する際にフッ素が捕捉されることにより、フッ素が固定化される。すなわち、合成されたカルシウムアルミネート化合物2a、天然に産するカルシウムアルミネート鉱物2bおよびカルシウムアルミネートを含む二次精錬スラグ2cのうちの1種または2種以上に由来する、カルシウムアルミネートを含む粉末2を、石膏3a、硫酸アルミニウム3b、硫酸マグネシウム3c、硫酸ナトリウム3dおよび硫酸鉄3eの1種または2種以上に由来する、硫酸根を含む化合物とともに固定剤として用いることにより、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、二次精錬スラグ1dの安定化処理が行われる。
また、本発明者らは、フッ化水素酸を蒸留水で希釈した溶液を撹拌しながら、高温焼成によって合成したカルシウムシリケート(3CaO・SiOまたは2CaO・SiO)の粉末を石膏粉末と共に添加し、3〜12時間撹拌して、反応後の粉末について、その鉱物相をX線回折法およびX線マイクロアナライザーにより同定した。その結果、3CaO・SiO粉末の場合においては、X線回折法からはCa[(Si、S)O(OH、F)およびCa10(SiO(SO(OH、F)が同定され、さらに、硫酸イオンを含まないCa(SiO(OH、F)およびCaSi(OH)が同定された。X線マイクロアナライザーからは、Ca[(Si1−x)O(OH)1−y、Ca10(SiO(SO[(OH)1−y、Ca(SiO[(OH)1−yおよびCaSi[(OH)1−yが同定され、さらに、CaO−SiO−S−HO−F系ゲル状非晶質化合物が認められた。また、2CaO・SiO粉末の場合においては、X線回折法からはCa[(Si、S)O(OH、F)が同定され、X線マイクロアナライザーからは、Ca[(Si1−x)O(OH)1−yが同定され、さらに、CaO−SiO−S−HO−F系ゲル状非晶質化合物が認められた。
このようにして、カルシウムシリケートを含有する粉末と石膏粉末による、このようなフッ素の安定化は、下記の反応機構により説明される。例えば、3CaO・SiO粉末が水共存下でフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応してCa10(SiO(SO[(OH)1−yが生成する場合、3CaO・SiO粉末からカルシウムおよびシリコンが溶出してイオンとなる反応式(7)と、石膏が溶解してカルシウムイオンおよび硫酸イオンになる反応式(2)と、カルシウムイオンおよびシリコンイオンがフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応してCa10(SiO(SO[(OH)1−yが生成する反応式(8)が進行する。
3CaO・SiO+2HO→3Ca2++SiO 2−+4OH ・・・・(7)
10Ca2++3SiO 2−+3SO 2−+2yF+(8−2y)OH
Ca10(SiO(SO[(OH)1−y]2+3HO ・・・・(8)
2CaO・SiO粉末が水共存下でフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応してCa[(Si1−x)O(OH)1−yが生成する場合、2CaO・SiO粉末からカルシウムおよびシリコンが溶出してイオンとなる反応式(9)と、石膏が溶解してカルシウムイオンおよび硫酸イオンになる反応式(2)と、カルシウムイオンおよびシリコンイオンがフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応してCa[(Si1−x)O(OH)1−yが生成する反応が進行する。
2CaO・SiO+HO→2Ca2++SiO 2−+2OH ・・・・・・(9)
本発明によれば、このようにして、カルシウムシリケートを含む化合物を硫酸根を含む化合物とともに用いて、Ca10(SiO(SO[(OH)1−y、Ca[(Si1−x)O(OH)1−y等のCaO−SiO−S−HO−F系化合物が生成する際にフッ素が捕捉されることにより、フッ素が固定化される。また、硫酸イオンが関与しない反応による反応生成物であるCa(SiO(OH、F)およびCaSi(OH)等のCaO−SiO−HO−F系化合物が生成する際にフッ素が捕捉されることにより、フッ素が固定化される。すなわち、合成されたカルシウムシリケート化合物2a’、天然に産するカルシウムシリケート鉱物2b’およびカルシウムシリケートを含む脱珪スラグ2c’の1種または2種以上に由来する、カルシウムシリケートを含む粉末2’を、石膏3a、硫酸アルミニウム3b、硫酸マグネシウム3c、硫酸ナトリウム3dおよび硫酸鉄3eの1種または2種以上に由来する、硫酸根を含む化合物とともに固定剤として用いることにより、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、二次精錬スラグ1dの安定化処理が行われる。
また、本発明者らは、フッ化水素酸を蒸留水で希釈した溶液を撹拌しながら、高温焼成によって合成したカルシウムアルミニウムシリケート(2CaO・AlO3・SiO)の粉末を石膏粉末と共に添加し、3〜12時間撹拌して、反応後の粉末について、その鉱物相をX線回折法およびX線マイクロアナライザーにより同定した。その結果、エトリンガイト、モノサルフェート、Ca[(Si、S)O(OH、F)、Ca10(SiO(SO(OH、F)、Ca(SiO(OH、F)およびCaSi(OH、F)等のCaO−SiO−HO系化合物およびゲル状CaO−SiO−HO系非晶質化合物、CaAlSiO(OH、F)等のCaO−Al−SiO−HO系化合物が同定された。
カルシウムアルミニウムシリケートを含有する粉末と石膏粉末による、このようなフッ素の安定化は、前記のカルシウムアルミネートと石膏粉末によるフッ素の安定化における反応機構、および、前記のカルシウムシリケートと石膏粉末によるフッ素の安定化における反応機構により説明される。
本発明によれば、このようにして、カルシウムアルミニウムシリケートを含む化合物を硫酸根を含む化合物とともに用いて、エトリンガイト、モノサルフェート、および、Ca10(SiO(SO[(OH)1−y、Ca[(Si1−x)O(OH)1−y等のCaO−SiO−S−HO−F系化合物が生成する際にフッ素が捕捉されることにより、フッ素が固定化される。また、硫酸イオンが関与しない反応による反応生成物であるCa(SiO(OH、F)およびCaSi(OH)等のCaO−SiO−HO−F系化合物、CaAlSiO(OH、F)等のCaO−Al−SiO−HO系化合物が生成する際にフッ素が捕捉されることにより、フッ素が固定化される。すなわち、合成されたカルシウムアルミニウムシリケート化合物2a’’、天然に産するカルシウムアルミニウムシリケート鉱物2b’’およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む二次精錬スラグ2c’’のうちの1種または2種以上に由来する、カルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末2’’を、石膏3a、硫酸アルミニウム3b、硫酸マグネシウム3c、硫酸ナトリウム3dおよび硫酸鉄3eの1種または2種以上に由来する、硫酸根を含む化合物とともに固定剤として用いることにより、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、二次精錬スラグ1dの安定化処理が行われる。
このようにして得られた土中埋設用材料である安定化処理物6は、いずれも、水質および地下水環境基準値である「フッ素溶出量:0.8mg/L以下」を十分に満足するため、路盤材や埋め戻し材等として土木現場において、環境汚染を確実に防止しながら、長期間にわたって有効に用いることができる。
このように、本実施形態によれば、溶銑予備処理スラグ1a、転炉スラグ1b、電気炉スラグ1c、二次精錬スラグ1dといった、フッ素を含む製鋼スラグを、確実に安定化処理することができる。また、この処理に際して、低コストの二次精錬スラグまたは脱珪スラグ2cを用いることもできる。従って、二次精錬スラグまたは脱珪スラグ2cを用いる場合には、処理コストの低減が可能となる。
また、安定化に用いるカルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末、カルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末の1種または2種以上の組合せからなる粉末2は、製鋼スラグ1に含まれるフッ素および硫酸根を含む粉末3からもたらされる硫酸イオンと効果的に反応するため、粉末2の使用量の増加も抑制される。そのため、この面からも、処理コストの低減が可能となる。
さらに、実施例により本発明の効果を例証する。なお、以降の各実施例の説明では、溶出するフッ素の処理基準値を0.8mg/L以下に想定した場合を、例にとる。
(実施例1)
スラグヤードで採取された溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、および、二次精錬スラグの化学組成を表1に示す。
Figure 0004661732
これらの各スラグについて、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。フッ素の溶出量と、水質および地下水環境基準値とを対比して表2に示す。
Figure 0004661732
表2に示す結果から、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、二次精錬スラグA(塊状)および二次精錬スラグB(粉状)のいずれも、フッ素の溶出量が水質および地下水環境基準の規制値を大幅に超えるため、フッ素の固定化処理を行う必要があることが明らかであった。
一方、SiO濃度および全鉄濃度が低い二次精錬スラグC(塊状)からのフッ素溶出量は、水質および地下水環境基準の規制値以下であることから、特願平11−148569号により提案した発明におけるように、このSiO濃度および全鉄濃度が低い二次精錬スラグCを製鋼スラグの安定化剤に用いることができる。
これらの製鋼スラグのうち、溶銑予備処理スラグ100質量部に対して、粒度が2mm以下、0.5mm以下、0.1mm以下のCaO・Al合成品、12CaO・7Al合成品または3CaO・Al合成品の粉末を50質量部、石膏粉末を20質量部添加した。
得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度(mg/L)と、CaO・Al合成品、12CaO・7Al合成品または3CaO・Al合成品の粒度(mm)との関係を図2にグラフで示す。
図2に示すグラフから、CaO・Al合成品、12CaO・7Al合成品または3CaO・Al合成品の粒度が2mm以下であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。また、溶出試験後の溶出液をろ過し、溶出液中に懸濁していた粒子を回収して、その鉱物相をX線回折法により同定した結果、多量のエトリンガイト3CaO・Al・3CaSO・32HOおよび少量のモノサルフェート3CaO・Al・CaSO・yHO(y=12または14)が存在することが認められた。
(実施例2)
溶銑予備処理スラグ100質量部に対して、石膏20質量部と、粒度が0.1mm以下の二次精錬スラグCの粉末、3CaO・SiO合成品の粉末、または、2CaO・Al・SiO合成品の粉末を5〜80質量部添加した。
得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。二次精錬スラグCの粉末、3CaO・SiO合成品の粉末、または、2CaO・Al・SiO合成品の粉末の質量と、溶出液中のフッ素濃度との関係を図3にグラフで示す。
図3に示すグラフから、溶銑予備処理スラグ100質量部に対して、二次精錬スラグCの粉末、3CaO・SiO合成品の粉末、または、2CaO・Al・SiO合成品の粉末を20〜80質量部添加すれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。
また、溶出試験後の溶出液をろ過し、溶出液中に懸濁していた粒子を回収して、その鉱物相をX線回折法により同定した結果、二次精錬スラグCを用いた場合にはエトリンガイト3CaO・Al・3CaSO・32HOおよび少量のモノサルフェート3CaO・Al・CaSO・yHO(y=12または14)が存在することが認められた。3CaO・SiO合成品の場合には、X線回折法からはCa[(Si、S)O(OH、F)およびCa10(SiO(SO(OH、F)、Ca(SiO(OH、F)およびCaSi(OH)が同定され、X線マイクロアナライザーからはCa[(Si1−x)O(OH)1−y、Ca10(SiO(SO[(OH)1−y、Ca(SiO[(OH)1−y、CaSi[(OH)1−y、および、CaO−SiO−S−HO−F系ゲル状非晶質化合物が認められた。2CaO・SiO・Al合成品の場合には、X線回折法およびX線マイクロアナライザーにより、エトリンガイト、モノサルフェート、Ca[(Si、S)O(OH、F)、Ca10(SiO(SO(OH、F)、Ca(SiO(OH、F)およびCaSi(OH、F)等のCaO−SiO−HO系化合物およびゲル状CaO−SiO−HO系非晶質化合物、CaAlSiO(OH、F)等のCaO−Al−SiO−HO系化合物が同定された。
(実施例3)
溶銑予備処理スラグ100質量部または転炉スラグ100質量部に対して、粒度が0.5mm以下の二次精錬スラグA(塊状)、二次精錬スラグB(粉状)および二次精錬スラグC(塊状)を50質量部、石膏粉末を20質量部添加した。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。各試験における溶出液中のフッ素濃度を表3に示す。
Figure 0004661732
いずれの二次精錬スラグを用いた場合も、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。特に、表2においてフッ素溶出量が水質および地下水環境基準値を上回っていた二次精錬スラグAおよび二次精錬スラグBについて、これらを石膏と混合することにより、製鋼スラグ中のフッ素の安定化剤として用いることができる。また、溶出試験後の溶出液をろ過し、溶出液中に懸濁していた粒子を回収して、その鉱物相をX線回折法およびX線マイクロアナライザーにより同定した。その結果、二次精錬スラグAを用いた場合にはエトリンガイト3CaO・Al・3Ca(SO、F)・32HO、CaFe(SO、F)3(OH)12・xHOおよび少量のモノサルフェート3CaO・Al・Ca(SO、F)・yHO(y=12または14)が存在することが認められた。二次精錬スラグBを用いた場合には、エトリンガイト、モノサルフェート、Ca[(Si、S)O(OH、F)、Ca10(SiO(SO(OH、F)、Ca(SiO(OH、F)およびCaSi(OH、F)等のCaO−SiO−HO系化合物およびゲル状CaO−SiO−HO系非晶質化合物、CaAlSiO(OH、F)等のCaO−Al−SiO−HO系化合物が認められた。二次精錬スラグCを用いた場合には、実施例2でも述べたように、エトリンガイトおよびモノサルフェートが存在することが認められた。
(実施例4)
溶銑予備処理スラグ100質量部に対して、粒度が0.1mm以下の二次精錬スラグBを50質量部、石膏粉末または硫酸マグネシウム粉末または硫酸ナトリウム粉末を0〜80質量部添加した。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度と石膏添加量との関係を図4にグラフで示す。
図4に示すグラフから、石膏粉末または硫酸マグネシウム粉末または硫酸ナトリウム粉末の添加量が10〜80質量部であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である0.8mg/Lを下回ることがわかる。また、石膏粉末または硫酸マグネシウム粉末または硫酸ナトリウム粉末を50質量部以上添加しても、その効果は飽和している。これらのことから、石膏粉末または硫酸マグネシウム粉末または硫酸ナトリウム粉末の添加量は10〜50質量部で十分である。二次精錬スラグBの50質量部に対して、石膏粉末または硫酸マグネシウム粉末または硫酸ナトリウム粉末を10〜50質量部添加することは、二次精錬スラグBの100質量部に対して、石膏粉末または硫酸マグネシウム粉末または硫酸ナトリウム粉末を20〜100質量部添加することに等しい。
(実施例5)
溶銑予備処理スラグの100質量部に対して、粒度が0.1mm以下の二次精錬スラグBまたは二次精錬スラグCを25質量部、石膏を15質量部添加し、さらに、徐冷高炉スラグ、高炉水砕スラグ、コンクリート屑または石炭灰を0〜900質量部添加した。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度を表4に示す。
Figure 0004661732
表4に示す結果から、溶銑予備処理スラグに石膏のみまたは徐冷高炉スラグのみを添加することによりフッ素溶出量は低下するが、水質および地下水の環境基準値(0.8mg/L以下)を下回ることはできない。このフッ素濃度の低減は、石膏のみを添加した場合、溶液中のカルシウムイオン濃度が極めて高くなってCaFが析出するとともに、石膏から供給されたカルシウムイオンおよび硫酸イオンが、溶銑予備処理スラグから供給されたカルシウムイオンおよびシリコンイオンと反応し、CaO−SiO−HO−F系化合物が生成したことによるものである。また、高炉スラグのみを添加した場合、溶出液中でフッ素イオンが高炉スラグから供給されたカルシウムイオンおよびシリコンイオンと反応し、CaO−SiO−HO−F系化合物が生成したことによるものである。
しかし、二次精錬スラグBに石膏を添加し、さらに徐冷高炉スラグ、高炉水砕スラグ、コンクリート屑または石炭灰を添加する場合、二次精錬スラグBから供給されたカルシウムイオン、アルミニウムイオンおよびシリコンイオンが、石膏から供給された硫酸イオンと反応してエトリンガイト3CaO・Al・3Ca(SO、F)・32HO、少量のモノサルフェート3CaO・Al・Ca(SO、F)・yHO(y=12または14)、Ca[(Si、S)O(OH、F)、Ca10(SiO(SO(OH、F)が生成し、フッ素イオンを固定化する。また、二次精錬スラグCに石膏を添加し、さらに徐冷高炉スラグ、高炉水砕スラグ、コンクリート屑または石炭灰を添加すると、二次精錬スラグCから供給されたカルシウムイオンとアルミニウムイオンが、石膏から供給された硫酸イオンと反応してエトリンガイトおよびモノサルフェート等が生成し、フッ素イオンを固定化する。
これら硫酸イオンを含む反応生成物のフッ素固定化効果は、溶液中で同時に生成するCaO−SiO−HO−F系化合物およびCaO−Al−SiO−HO−F系化合物のフッ素固定化効果より著しく大きいため、結果的に高炉スラグはフッ素の固定化にわずかしか寄与せず、むしろ増容材の役割を果たすことになる。いずれの配合においても溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水の環境基準値(0.8mg/L以下)を下回ることがわかる。
(実施例6)
転炉を用いた溶銑予備処理の後に、予め粒度が10mm以下の二次精錬スラグCを25質量部、石膏を15質量部装入しておいたスラグ鍋に、1300〜1350℃の溶銑予備処理スラグ100質量部を転炉から排滓した。また、二次精錬スラグを添加せずに、石膏のみを15質量部装入しておいたスラグ鍋に、1300〜1350℃の溶銑予備処理スラグ100質量部を転炉から排滓する実験も行った。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度を表5に示す。
Figure 0004661732
表5において、15質量部の石膏が添加されることにより、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水の環境基準値(0.8mg/L以下)を下回ることがわかる。硫酸カルシウムは融点降下剤の役目も果たし、フッ素を含む製鋼スラグが製鋼工程における処理炉から排滓されて高温状態にある時に、カルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末およびカルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末のうちの1種または2種以上の組合せからなる粉末と、硫酸根を含む粉末を添加することにより、製鋼スラグの融体化が促進され、製鋼スラグ中にフッ素固定剤成分および硫酸成分がほぼ均一に含まれることになる。また、フッ素を含む製鋼スラグが製鋼工程における処理炉から排滓されて高温状態にある時に、硫酸根を含む粉末のみを添加することによっても、製鋼スラグ中に硫酸成分がほぼ均一に含まれることになる。このため、製鋼スラグの安定化処理において、製鋼スラグから連続的に硫酸イオンが供給されて、フッ素の固定化効率が高まることになる。
(実施例7)
予め石膏を5〜15質量部装入しておいたスラグ鍋に、1400〜1450℃の二次精錬スラグBの100質量部を排滓した。得られた処理品を2mm以下に粉砕し、その30質量部を溶銑予備処理スラグ100質量部と混合した後、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度を表6に示す。
Figure 0004661732
表6において、二次精錬スラグに5〜15質量部の石膏が添加されることにより、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水の環境基準値(0.8mg/L以下)を下回ることがわかる。硫酸カルシウムは融点降下剤の役目も果たし、フッ素を含む製鋼スラグが製鋼工程における処理炉から排滓されて高温状態にある時に、石膏を添加することにより、二次精錬スラグの融体化が促進される。その結果、二次精錬スラグ中に硫酸成分がほぼ均一に含まれることになる。このため、これを溶銑予備処理スラグと混合することにより、二次精錬スラグから連続的に硫酸イオンが供給されて、溶銑予備処理スラグから溶出したフッ素の固定化効率が高まることになる。
(実施例8)
溶銑予備処理スラグ、電気炉スラグ、または転炉スラグの100重量部に対して、粒度が0.1mm以下の二次精錬スラグBまたは脱珪スラグを35重量部、石膏を15重量部添加し、さらに、徐冷高炉スラグを0〜900重量部添加した。これらを配合した後、適量の水を加えてさらに混合してから60℃(エアバス中)、80℃(エアバス中)、120℃(オートクレーブ中)で3時間または6時間養生した。また、粒度が2mm以下の分状二次精錬スラグBの100重量部に対して、石膏を15重量部添加し、さらに、徐冷高炉スラグを0〜900重量部添加した。適量の水を加えて混練してから円柱状に圧粉成型し、60℃(エアバス中)、80℃(エアバス中)、120℃(オートクレーブ中)で3時間養生した。得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。各試験における溶出液中のフッ素濃度を表7に示す。
Figure 0004661732
表7において、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、または電気炉スラグに二次精錬スラグおよび石膏を添加し、適量の水を加えてさらに混合してから60℃以上で養生することにより、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水の環境基準値(0.8mg/L以下)を下回ることがわかる。また、二次精錬スラグに石膏を添加し、適量の水を加えてさらに混合してから60℃以上で養生することによっても、溶出液中のフッ素濃度は0.8mg/L以下を下回ることがわかる。これらの処理において、徐冷高炉スラグ等の増容材を加えることによって、溶出液中のフッ素濃度はさらに低下させることができる。
以上の実施例1〜実施例8より、CaO・Al、5CaO・3Al、12CaO・7Al、9CaO・5Al、2CaO・Al、3CaO・Al、2CaO・SiO・Al等のカルシウムアルミネート化合物、CaO・SiO、3CaO・2SiO、8CaO・5SiO、2CaO・SiO、3CaO・SiO等のカルシウムシリケート化合物、CaO・Al・SiO、Ca1.82Al3.64Si0.36、2CaO・Al・SiO等のカルシウムアルミニウムシリケート化合物、および、これらの混合物の合成品、水和物、二次精錬スラグ、脱珪スラグの1種または2種以上を組み合わせて、石膏粉末または硫酸マグネシウム粉末または硫酸ナトリウムと混合し、その混合物を固定剤として用いることにより、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさらには二次精錬スラグからのフッ素溶出を確実に抑制できることがわかる。さらに、徐冷高炉スラグ、高炉水砕スラグ、コンクリート屑、および、石炭灰の1種または2種以上を組合せたものを増容材として用いることが可能であることがわかる。
製鋼スラグについて、本発明を実施する形態の安定化処理法を模式的に示す説明図である。 実施例1において、溶出液中のフッ素濃度と、CaO・Al合成品、12CaO・7Al合成品、あるいは3CaO・Al合成品の粒度との関係を示す図である。 実施例2において、3CaO・SiO合成品、2CaO・SiO・Al合成品、あるいは、二次精錬スラグCの質量と、溶出液中のフッ素濃度との関係を示す図である。 実施例4において、石膏、硫酸マグネシウム、または硫酸ナトリウムの質量と、溶出液中のフッ素濃度との関係を示す図である。
符号の説明
1 :製鋼スラグ
1a:溶銑予備処理スラグ
1b:転炉スラグ
1c:電気炉スラグ
1d:二次精錬スラグ
2 :カルシウムアルミネートを含む粉末、カルシウムシリケートを含む粉末、カルシウムアルミニウムシリケートを含む粉末の1種または2種以上の組合せからなる粉末
2a:カルシウムアルミネート、カルシウムシリケート、カルシウムアルミニウムシリケートの合成品およびその水和物
2b:天然鉱石
2c:二次精錬スラグまたは脱珪スラグ
3 :硫酸根を含む粉末
3a:石膏
3b:硫酸アルミニウム
3c:硫酸マグネシウム
3d:硫酸ナトリウム
3e:硫酸鉄
4 :増容材
4a:徐冷高炉スラグ
4b:高炉水砕スラグ
4c:コンクリート屑
4d:石炭灰
5 :混合装置
6 :安定化処理品(土中埋設用材料)
7 :混練および造粒の二つの機能をあわせ持つ機械
8 :造粒物
9 :オートクレーブ装置または蒸気養生装置

Claims (8)

  1. カルシウムシリケートを含む粉末および硫酸根を含む粉末の混合物をフッ素固定剤として用い、製鋼工程で発生する産業廃棄物である、フッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグの安定化処理を行うことを特徴とする、フッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法。
  2. 前記カルシウムシリケートを含む粉末は、合成されたカルシウムシリケート化合物、天然に産するカルシウムシリケート鉱物、および、カルシウムシリケートを含む脱珪スラグの1種または2種以上の組合せからなる請求項1に記載されたフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法。
  3. 前記硫酸根を含む粉末は、石膏、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムおよび硫酸鉄のうちの1種または2種以上の組合せからなる請求項1又は請求項2に記載されたフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法。
  4. 前記カルシウムシリケートを含む粉末の平均粒径は2mm以下である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載されたフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法。
  5. 前記のフッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグ100質量部に対して、前記カルシウムシリケートを含む粉末を20〜80質量部添加するとともに、前記硫酸根を含む粉末を10〜80質量部添加する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載されたフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法。
  6. 前記安定化処理は、前記のフッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグと、前記カルシウムシリケートを含む粉末および前記硫酸根を含む粉末の混合物とを、水の存在の下で反応させることによって行われる、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載されたフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理法。
  7. 前記安定化処理は、水の存在下でオートクレーブ処理または蒸気養生を行うことにより60℃以上に加温加圧することにより、行われる請求項1から請求項までのいずれか1項に記載されたフッ素を含む産業廃棄物の安定化処理方法。
  8. 前記安定化処理は、前記フッ素を含む溶銑予備処理スラグまたは二次精錬スラグが、製鋼工程における処理炉から排滓されて高温状態にある時に、行われる請求項から請求項までのいずれか1項に記載されたフッ素を含む製鋼スラグの安定化処理法。
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