JP2000217884A - 車椅子用の座席ユニット及び車椅子 - Google Patents

車椅子用の座席ユニット及び車椅子

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JP2000217884A
JP2000217884A JP11022189A JP2218999A JP2000217884A JP 2000217884 A JP2000217884 A JP 2000217884A JP 11022189 A JP11022189 A JP 11022189A JP 2218999 A JP2218999 A JP 2218999A JP 2000217884 A JP2000217884 A JP 2000217884A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 段差が多く狭い日本の家屋や生活様式に好適
に適用して、被介護者を小さな労力で好適且つ容易に移
動でき、介護人の負担を軽減すること。 【解決手段】 利用者が腰掛ける車椅子の座席部12と
して設けられると共に、車椅子の車輪52が装着された
部分である車椅子用の車台ユニットから分離可能に設け
られ、底部16に昇降装置55の昇降する爪部60が挿
入される溝部18が形成され、昇降装置55で昇降可能
に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車椅子用座席ユニッ
ト及び車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車椅子は、持ち運び可能であ
ることが原則となっている。このため、図9に示すよう
に主に折り畳み式のものが利用されていた。その折り畳
み式の車椅子では、本体の車輪が装着された部分である
車台ユニット51に、利用者が座る部分である座席ユニ
ット11が、容易には分離不能に固着されているものが
多い。また、両ユニットが分離可能な場合でも、その目
的は、搬送及び収納のためであった。
【0003】また、従来から日本でも障害を持つ人は車
椅子を使用しているが、従来の車椅子は、欧米を中心と
する外国の生活に対応したものであって、日本の生活に
は馴染まないものであった。これは、文化的な背景の違
いによるもので、例えば、外国ではフローリング中心の
住宅構造である場合が多く、段差がない。そして、室内
でも靴を履いているか、サンダルを履いており、靴及び
サンダルを脱ぐのは、ベットに入るときのみである。
【0004】これに対して、日本人の多くは木造の和風
家屋に居住しており、和風家屋には車椅子の移動(走
行)の障害となる框(かまち)及び敷居が多い。また、
床が畳である。従って、そのような和風家屋の室内で
は、車椅子は使いにくいものになっている。すなわち、
日本は畳の感触を好む裸足の文化であり、靴を履いてき
た人は玄関で靴を脱ぎ、内と外とを分けている。また、
日本では多雨多湿であって木造建築であり、床を高くし
て通気性を良くするためにも、上がり框がある。そし
て、木造建築であるため、柱を組むことから敷居という
段差が生じることになる。このため、和風家屋は、ベッ
ドでの生活を余儀なくされている老人及び障害を持った
人等が、車椅子では生活しにくい空間になっているので
ある。
【0005】また、日本の住宅は、土地の値段が高いた
め、建ぺい率を高く設定する傾向がある。そのため、道
路から玄関までの距離が短く、場合によってはほとんど
ないことも多い。従って、折角バリアフリーの住宅を建
設しようとしても、出入りのためのスロープを造りにく
い。このような日本的な生活環境にあっては、昇降手段
であるリフトを利用することが提案されている。リフト
としては、車椅子ごと老人や障害者等の被介護者を昇降
させるものがあり、また、風呂等で、車椅子から移しか
えるなどして、被介護者を吊り上げて移動させるものが
ある。
【0006】ところが、従来の車椅子やリフトでは、被
介護者をその車椅子やリフト等に移しかえることに多大
の労力がかかるという課題があった。例えば、被介護者
を、布団又はベットから車椅子に乗せるためには、一般
的に介護人の人手に頼っている。この場合、被介護者を
かかえて(持ち上げて)移動することを要し、一人の介
護人で行うことは困難であった。また、被介護者を車椅
子に乗せるためリフトがある場合でも、先ず介護人をリ
フトシートに乗せ、そのリフトシートから落ちないよう
に吊り上げ、車椅子に降ろした後はリフトシートを取り
除くことを要し、多くの労力がかかった。従って、この
ような被介護者の車椅子又はリフトへ乗せる作業、或い
は車椅子から布団やベッドに降ろす作業などの被介護者
の移しかえ作業は、介護者の大きな負担になっている。
【0007】また、従来のリフトは、車椅子ごと被介護
者を昇降させるもの、車椅子に被介護者を乗せるための
もの、或いは、風呂や排泄場所で使用するものなど、そ
れぞれ別々に設けられていた。従って、それぞれの用途
ごとに機具を揃える必要が生じ、互換性がなく、高額な
費用を要するという課題もあった。
【0008】また、従来の車椅子は、特に大径の車輪を
備える車台ユニットが大きく、和風家屋の大きさや日本
の生活様式には馴染まないという課題もあった。すなわ
ち、和風家屋では廊下やトイレ等が小さく、車椅子では
容易に移動できず、用事を足すことができなかった。ま
た、和風家屋の構造では、畳で、こたつ及び座卓を使用
する生活になっているが、従来の車椅子を使用すると、
同じテーブルで食事ができなかった。
【0009】このため、本願発明者は、背景技術とし
て、利用者が腰掛ける車椅子の座席部として設けられる
と共に、車椅子の車輪が装着された部分である車椅子用
の車台ユニットから分離可能に設けられ、前記車台ユニ
ットから分離されている際には前記利用者にかかる左右
方向に分割可能に、左右方向の分割構造を備える車椅子
用座席ユニットを開発した。この車椅子用座席ユニット
によれば、分割された左右の部材を、左右から利用者の
下に差し込むように滑り込ませることで、利用者を容易
に乗せることができる。従って、日本の家屋や生活様式
に好適に適用でき、被介護者の移しかえ作業が容易にで
きる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記背
景技術では、利用者の乗った車椅子用座席ユニットを移
動する際において、昇降装置を好適に利用するための構
成が、十分に検討されていなかった。そこで、本発明の
目的は、日本の家屋や生活様式に好適に適用でき、被介
護者が容易に移動できる車椅子用座席ユニット及び車椅
子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために次の構成を備える。すなわち、本発明は、
利用者が腰掛ける車椅子の座席部として設けられると共
に、車椅子の車輪が装着された部分である車椅子用の車
台ユニットから分離可能に設けられ、底部に昇降装置の
昇降する爪部が挿入される溝部が形成され、前記昇降装
置で昇降可能に設けられている。
【0012】また、前記車台ユニットから分離されてい
る際には前記利用者にかかる左右方向に分割可能に、左
右方向の分割構造を備えることで、利用者を椅子用の座
席ユニットに容易に乗せることができる。
【0013】また、前記座席部の左右方向の幅を調整可
能に、前記左右方向の分割構造が、左右の一方の部材に
対して他方の部材が所定の区間で重なり合うように設け
られていることで、利用者である被介護者の体に好適に
フィットできるように調整できる。
【0014】また、本発明は、前記昇降装置の爪部が挿
入される溝部が形成されていると共に、下部本体に対し
て上部本体が回転可能に設けられたパレットユニット
が、前記底部の下側に敷かれて連結され、前記下部本体
に対して前記座席部が回転可能に構成されていることを
特徴とする車椅子用の座席ユニットにもある。これによ
れば、利用者の向きを容易に変えることができ、利用者
の移動をより好適にできるようになる。
【0015】また、排泄施設において利用者が姿勢を変
えないで済むように、前記座席部の底部が開口可能に設
けられていることと、前記パレットユニットの中央部が
上下方向に開口可能に設けられていることによれば、排
泄施設で好適に用を足すことができる。
【0016】また、本発明は、以上に記載の車椅子用の
座席ユニットが、走行可能に車輪を備える前記昇降装置
に、前記爪部で支持された状態に連結されて昇降可能に
設けられ、利用者が手動操作する主車輪が着脱可能に設
けられていることを特徴とする車椅子にもある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる好適な実施
の形態を添付図面と共に詳細に説明する。図1は本発明
にかかる車椅子用の座席ユニット及び車椅子の一実施例
を示す分解斜視図である。また、図2は図1の実施例の
使用方法を順に説明する斜視図である。10は車椅子用
の座席ユニットであり、利用者が腰掛ける車椅子の座席
部12として設けられると共に、車椅子の車輪が装着さ
れた部分である車椅子用の車台ユニット50から分離可
能に設けられ、底部16に昇降装置55の昇降する爪部
60が挿入される溝部18が形成され、昇降装置55で
昇降可能に設けられている。
【0018】座席ユニット10は、図3〜7に基づいて
後述するように、車台ユニット50から分離されている
際には利用者にかかる左右方向に分割可能に、左右方向
の分割構造を備えてもよい。なお、分割構造は、左右方
向に2分割に限らず、3分割等、適宜な形態に設計でき
るのは勿論である。そのような左右の分割構造を有する
ことで、利用者を椅子用の座席ユニットに容易に乗せる
ことができる。また、前記左右方向の分割構造が、座席
部12の左右方向の幅を調整可能に、左右の一方の部材
に対して他方の部材が所定の区間で重なり合うように設
けられれば、利用者である被介護者の体に好適にフィッ
トできる。
【0019】本実施例の溝部18は、座席ユニット10
の底部16における4辺の枠部の底面に凹状に形成され
ている。また、溝部18は、座席ユニット10の底部1
6の4方の側面について、それぞれ2つずつ形成されて
いる。これにより、4方のいずれの方向からも、リフト
である昇降装置55の2本の爪62が、2つの溝部18
に挿通できる。このように、溝部18が形成されること
で、昇降装置55の2本の爪62を挿入する際、その爪
62が好適に案内されて、座席ユニット10の下面に好
適に滑り込むことができる。すなわち、溝部18は、爪
62が進入できる好適な空間になっている。また、座席
ユニット10が、2本の爪62が設けられた爪部60に
支持された際、溝部18は横滑りを防止する段部として
も好適に作用する。
【0020】また、溝部18の形状は、本実施例に限ら
ず、例えば、後述するパレットユニット80のように透
孔状の挿入孔に形成されてもよい。又は、底部16の底
面に所定の間隔をおいて複数の突起部を設け、所定の2
つの突起部同士の間を、溝部18として利用してもよ
い。また、爪部60の形態が本実施例とは異なる場合、
その形態に合わせて溝部18を設計すればよい。例え
ば、爪62が幅広の一本の場合は、溝部18も底部16
の各側面について1つ形成しておけばよい。すなわち、
溝部18とは、爪62の進入を案内する案内空間部とし
て作用すると共に、爪部60上での横滑りを防止できる
段部として作用するものであればよい。
【0021】次に、車椅子用の車台ユニット50として
も機能する昇降装置55について詳細に説明する。64
は支柱であり、基部65に、一対が鉛直方向に延びた状
態に固定されており、爪部60の昇降動(上下動)をガ
イドする上下方向のガイド部材となっている。64aは
補強支柱であり、支柱64に平行に設けられている。ま
た、66は取手部であり、介護人が把持して昇降装置5
5を操作できるように形成されている。これらの構成
は、本実施例のようにパイプ材で好適に形成できる。ま
た、基部65の水平方向に長尺な一対の脚部65aの両
端には、車輪67、68が回転可能に装着されている。
後部の車輪68は、キャスター状に形成されている。す
なわち、水平軸を中心に回転可能な車輪68の回転軸を
支持する支持部68aが、鉛直軸を中心に旋回可能に装
着されている。従って、移動の際、後部の車輪68によ
って、昇降装置55の進行方向を好適に変えることがで
きる。
【0022】70は固定部であり、両端部において溶接
等によって支柱64及び補強支柱64aに固定されてい
る。また、72はシリンダ装置であり、シリンダ部が基
部65及び固定部70に対して移動不能に固定され、ロ
ッド72aが伸縮可能になっている。ロッド72aの先
端には、スプロケットが回転可能に内蔵されたスプロケ
ット支持部72bが固定されている。また、74はチェ
ーンであり、スプロケット支持部72b内のスプロケッ
トに掛け回されており、一端が爪部60に固定され、他
端が固定部70に固定されている。
【0023】従って、ロッド72aがシリンダ部から突
出して伸長することで、爪部60を上昇させることがで
きる。逆にロッド72aを収縮させることで、爪部60
を降下させることができる。なお、76は駆動装置であ
り、シリンダ装置72に高圧エア等の流体を供給してロ
ッド72aを伸縮作動させる。なお、駆動装置76は、
電動駆動式の自動装置であっても良いし、介護人の操作
による人力装置であってもよいのは勿論である。
【0024】また、爪部60には、図2に示すように2
本の爪62が、下部から水平方向へ延びた状態に形成さ
れている。2本の爪62の先端部は、溝部18又は後述
するパレットユニット80の挿入孔82にスムースに挿
入できるように、テーパ状に形成されている。また、爪
部60の支柱64との連繋部には、ローラ63a、63
bが内蔵されている。ローラ63a、63bが支柱64
に接触して回転することで、支柱64に対する爪部60
の滑り移動がスムースにできるようになっている。
【0025】また、78aは主車輪装着部であり、主車
輪52が着脱可能に装着される部分であって、一対が爪
部60の両端の下側にそれぞれ固定されている。従っ
て、この主車輪装着部78aは、爪部60の上下動に伴
って上下方向に移動できるように設けられている。ま
た、この主車輪装着部78aは、車椅子で用いられてい
る公知の連結機構によって構成すればよい。このように
主車輪装着部78aが設けられた場合は、爪部60に伴
って上昇されたところで主車輪52を着脱できる。そし
て、主車輪52が装着された状態で下降すれば、主車輪
52が、利用者及び座席ユニット10の重量と自重によ
って床面又は地面に接地した状態になる。従って、主車
輪52を手動操作することで、車椅子として好適に走行
できる。
【0026】また、図1には、補強支柱64aに固定さ
れて設けられた状態の補強支柱の主車輪装着部78bを
示してある。このように補強支柱64aに固定されて、
主車輪装着部78bが設けられた場合は、通常の車椅子
のように、本体(昇降装置55)全体を傾けて主車輪5
2の着脱を行えばよい。
【0027】80はパレットユニットであり、昇降装置
55の爪部60(爪62)が挿入される溝部である挿入
孔82が形成されていると共に、下部本体81に対して
上部本体83が回転可能に設けられている。本実施例で
は、挿入孔82が、矩形の下部本体81の4側面のそれ
ぞれに一対ずつ形成されており、4方向のいずれの側面
からも一対の爪62を挿入できる形態になっている。な
お、挿入孔82の形状は、前記溝部18と同様に、爪部
60の形態に対応させて適宜設計すれば良いのは勿論で
ある。また、挿通孔82は、下部本体81でなくて、上
部本体83に設けてもよいのは勿論である。84はベア
リングであり、そのリング状のベアリングを介して、下
部本体81に対して上部本体83が回転可能になってい
る。このパレットユニット80の回転機能は、所定の角
度位置で停止できるようになっている。例えば、クリッ
ク機構等で、90°毎にストッパ作用が働くように設け
られている。
【0028】このパレットユニット80は、座席ユニッ
ト10の底部16の下側(下面)に敷かれ、図示しない
結合手段によっ上部本体83が座席ユニット10に連結
される。従って、下部本体81に対して座席ユニット1
0の座席部12が回転可能になる。これによれば、座席
ユニット10に乗った利用者の向きを容易に変えること
ができ、利用者の移動をより好適にできるようになる。
また、パレットユニット80は、昇降装置55の爪部6
0が差し込まれて支持された状態で、図示しない結合手
段によって、その爪部60に連結されるように設けられ
ている。すなわち、爪部60に下部本体81が連結され
る。これによって、走行可能に車輪を備える昇降装置5
5に、昇降可能に座席ユニット10が固定され、利用者
が手動操作する主車輪52が着脱可能に設けられた車椅
子が好適に構成される。
【0029】また、86は開口部の蓋であり、パレット
ユニット80の中央部に上下方向に貫通して設けられた
開口を覆っている。この蓋86をとると共に座席部12
を開口すれば、排泄施設において利用者が姿勢を変えな
いで、好適に用を足すことができる。また、88は足乗
せ部であり、車椅子の一部を構成する。この足乗せ部8
8は、図示しない結合手段によって、昇降装置55の爪
部60(爪62)等の部分に装着されてもよいし、パレ
ットユニット80或いは座席ユニット10に装着される
ことで車椅子の一部を構成するようにしてもよい。
【0030】次に、以上の構成からなる実施例の利用方
法について、図2に基づき、利用者90をベッド92か
ら移動させる場合について説明する。先ず、図2(a)
に示すように、座席ユニット10の分割された左右の部
材(一方の分割フレーム22及び他方の分割フレーム2
4)を、左右から利用者の下に差し込むようにして滑り
込ませる(矢印T)。これにより、利用者を座席ユニッ
ト10上に乗せる。
【0031】次に、図2(b)に示すように、座席ユニ
ット10の背もたれ部を起こし、昇降装置55の一対の
爪62(爪部60)を、水平で且つに前方(矢印A方
向)へ移動させ、溝部18に挿入する。そして、爪部6
0を上昇(矢印B)させると、爪部60に乗った座席ユ
ニット10が上昇される。
【0032】次に、図2(c)に示すように、パレット
ユニット80を座席ユニット10の下側へ滑り込ませる
(矢印S)。そして、昇降装置55によって、座席ユニ
ット10をパレットユニット80上に降ろし(矢印
C)、両者を連結する。その後で、爪部60を、水平で
且つに後方(矢印D方向)へ移動させ、一対の爪62を
溝部18から抜く。
【0033】次に、図2(d)に示すように、爪部60
を、パレットユニット80の挿入孔82の高さまで一段
降下(矢印E)させる。また、パレットユニット80の
回転機能を用いて、座席ユニット10の方向を90°変
え、利用者90が昇降装置55に背を向ける状態とす
る。そして、爪部60を、水平で且つに前方(矢印F方
向)へ移動させ、爪62を挿入孔82に挿入して、爪部
60とパレットユニット80とを連結する。このように
して座席ユニット10が爪部60に乗った状態で、昇降
装置55よって爪部60及びパレットユニット80を介
して座席ユニット10を上昇(矢印G)させる。これに
より、座席ユニット10をベッド92の上面から持ち上
げることができる。そして、昇降装置55の後退走行に
よって、座席ユニット10をベッド92上から一旦後退
させる。その後は、昇降装置55を任意に走行させるこ
とで、利用者を任意に移動させることができる。
【0034】また、図1に示したように、主車輪52を
昇降装置55に取り付けることで、利用者自身の手動操
作によって走行できる車椅子になる。このように、溝部
18が設けられた座席ユニット10、及び/又は挿通孔
82が設けられたパレットユニット80によって、被介
護人の移動及び移しかえのために利用される昇降装置5
5が、好適に利用できるようになる。従って、被介護人
を小さな労力で好適に移動することができ、介護人の負
担を軽減できる。
【0035】また、昇降装置55には、車椅子の主車輪
52に比べて極めて小さな車輪67、68から成る走行
手段が設けられており、その走行手段によって、狭い廊
下や室内でも、好適に移動できる。さらに、昇降装置5
5は、昇降機能と走行機能とを共に有するので、玄関の
上がり框での昇降及びその昇降動作の前後の走行、その
他、お風呂、トイレ、コタツへの座席ユニット10の移
動等、種々の場面において好適に用いることができる。
すなわち、各場所で昇降装置55の昇降機能及び走行機
能を好適に共用でき、敷設費を低減できる。
【0036】なお、以上の実施例では、パレットユニッ
ト80を介して座席ユニット10を昇降装置55の爪部
60に固定する場合を説明したが、本発明はこれに限ら
ず、座席ユニット10を直に昇降装置55の爪部60に
固定するようにしてもよい。この場合は、回転機能を得
ることができないが、構造が簡単になると共に、容易に
着脱操作ができるようになる。また、以上の実施例のパ
レットユニット80の下面に車輪が露出するように、キ
ャスターを内蔵するようにすれば、パレットユニット8
0によって、短距離の移動をすることが可能になる。
【0037】次に、本発明にかかる車椅子用の座席ユニ
ットの一実施例について、図3〜7に基づいて詳細に説
明する。図3は座席ユニットの分解斜視図である。図4
は図3の実施例の平面図であり、図5は図3の実施例の
側面図である。また、図6は図3の実施例を座席状に折
り曲げた状態の側面図であり、図7はその背面図であ
る。車椅子用の座席ユニット10は、利用者が腰掛ける
車椅子の座席部12として設けられると共に、車椅子の
車輪(主車輪52及びキャスター54)が装着された部
分である車椅子用の車台ユニット50(図8参照)から
分離可能に設けられている。そして、車椅子用の座席ユ
ニット10は、車台ユニット50から分離されている際
には前記利用者にかかる左右方向に分割可能に、左右方
向の分割構造を備える。
【0038】また、本実施例では背もたれ部14を含む
座席部12の左右方向の幅を調整可能に、左右方向の分
割構造が、左右の一方の部材に対して他方の部材が所定
の区間で重なり合うように設けられている。分割構造
は、連結手段20(図4参照)を有するものであり、使
用時に分割及び連結が容易にできるものを意味する。こ
れにより、利用者である被介護者の体の幅に好適にフィ
ットできるように調整できる。
【0039】次に左右方向の分割構造によって分割され
る左右の部材の形態について詳細に説明する。図3に示
すように、22は一方の分割フレームであり、本実施例
では利用者の左側からフィットする部分である。これに
対して、24は、他方の分割フレームであり、本実施例
では利用者の右側からフィットする部分である。このよ
うに左右に分割されたフレームが、図4に示すように連
結されることで、車椅子用の座席ユニット10が構成さ
れる。
【0040】一方の分割フレーム22は、一方の分割シ
ート部30と、一方の分割背もたれ部36とによって構
成されている。32は一方のシート側枠であり、内側へ
延びる前部シート板32aと、シート渡し枠32bが一
体的に固定され、それらの構成と共に略コの字状でフレ
ーム状の一方の分割シート部30を形成している。ま
た、一方のシート側枠32には、長手方向に沿って長く
設けられて水平方向に貫通するスリット状のシート底板
挿通用孔32cが設けられている。この一方のシート側
枠32の後端部には、一方の分割背もたれ部36の下端
部が、折曲用の軸34で折曲回動可能に軸着されてい
る。
【0041】38は一方の背受側枠であり、内側へ延び
る上部の背受渡し枠38aと、上部の背受板38b及び
下部の背受板38cが一体的に固定され、それらの構成
と共に一方の分割背もたれ部36を形成している。ま
た、一方の背受側枠38には、長手方向に沿って長く設
けられてその長手方向に直交する水平方向へ貫通するス
リット状の中部背板挿入孔38dと、長手方向に直交す
る水平方向へ貫通する下部背枠挿入孔38e(図5参
照)が設けられている。
【0042】また、33aは一方の第1肘掛けフレーム
であり、33bは一方の第2肘掛けフレームである。一
方の第1肘掛けフレーム33aの一端部は、一方の背受
側枠38の中途部に、軸35aで回動可能に軸着されて
いる。また、一方の第2肘掛けフレーム33bの一端部
は、一方のシート側枠32の前端部に、軸35bで回動
可能に軸着されている。そして、一方の第1肘掛けフレ
ーム33aと一方の第2肘掛けフレーム33bとが、双
方の他端部同士で軸35cによって回動可能に軸着され
ている。従って、一方の第1肘掛けフレーム33a、一
方の第2肘掛けフレーム33b、一方のシート側枠3
2、及び一方の背受側枠38と、4つの軸34、35
a、35b、35cという構成によって、4節平行リン
クが形成されている。このため、一方の分割シート部3
0に対して、折曲用の軸34を中心に一方の分割背もた
れ部36を起こすと、図6に示すように一方の肘掛け3
9を自動的に所定の高さにセットできる。
【0043】以上の一方の分割フレーム22に対して、
他方の分割フレーム24は、他方の分割シート部40
と、他方の分割背もたれ部46とによって構成されてい
る。42は他方のシート側枠であり、長手方向に沿って
長く設けられてその長手方向に直交する水平方向へ貫通
するスリット状の前部シート板挿入孔42a及びシート
底板挿通用孔42cと、長手方向に直交する水平方向に
貫通するシート枠挿入孔42bとが設けられている。ま
た、この他方のシート側枠42の後端部には、他方の分
割背もたれ部46の下端部が、折曲用の軸44で折曲回
動可能に軸着されている。
【0044】48は他方の背受側枠であり、内側へ延び
る中部の背受板48d及び下部の背受渡し枠48eが一
体的に固定され、それらの構成と共に他方の分割背もた
れ部46を形成している。また、他方の背受側枠48に
は、その長手方向に直交する水平方向へ貫通する上部背
枠挿入孔48aと、長手方向に沿って長く設けられてそ
の長手方向に直交する水平方向へ貫通するスリット状の
上部背板挿入孔48b及び下部背板挿入孔48cが設け
られている。
【0045】また、43aは他方の第1肘掛けフレーム
であり、43bは他方の第2肘掛けフレームである。他
方の第1肘掛けフレーム43aの一端部は、他方の背受
側枠48の中途部に、軸45aで回動可能に軸着されて
いる。また、他方の第2肘掛けフレーム43bの一端部
は、他方のシート側枠42の前端部に、軸45bで回動
可能に軸着されている。そして、他方の第1肘掛けフレ
ーム43aと他方の第2肘掛けフレーム43bとが、双
方の他端部同士で軸45cによって回動可能に軸着され
ている。従って、他方の第1肘掛けフレーム43a、他
方の第2肘掛けフレーム43b、他方のシート側枠4
2、及び他方の背受側枠48と、4つの軸44、45
a、45b、45cという構成によって、4節平行リン
クが形成されている。このため、他方の分割シート部4
0に対して、折曲用の軸44を中心に他方の分割背もた
れ部46を起こすと、一方の肘掛け39と同様に他方の
肘掛け49を自動的に所定の高さにセットできる。
【0046】また、26はシート底板であり、座席部1
2の中央部を構成する部分であって、着脱(分離)可能
に設けられている。すなわち、シート底板26は、一方
の分割フレーム22及び他方の分割フレーム24のどち
らにも一体的に固定されておらず、図3に2点鎖線で示
したように、シート底板挿通用孔32c(或いはシート
底板挿通用孔42c)から内側へ挿入可能に設けられて
いる。なお、26aはストッパ部であり、シート底板2
6がセットされた際に、内側へ抜け落ちないように段状
に形成されている。
【0047】以上の構成によれば、前記各孔(挿通孔及
び挿通用孔)に、その孔に対応する前記各渡し枠及び各
板の先端部を挿入し、連結手段20(図4参照)によっ
て一方の分割フレーム22と他方の分割フレーム24と
を連結することで、好適に座席ユニット10を形成でき
る。連結手段20としては、例えば、各孔を形成する被
挿入側部材にピン孔を設けると共に、各枠及び各板であ
る挿入側部材の先端にも前記被挿入側の部材のピン孔に
対応させ、左右方向へ所定の間隔をおいて複数のピン孔
を設けておく。これによれば、各孔への各枠及び各板の
挿入長さを適宜調整し、被挿入側部材のピン孔と挿入側
部材のピン孔とを合わせ、双方のピン孔にかかるように
ピンを挿入して固定(ロック)すればよい。これによ
り、図4に示すように、座席部12及び背もたれ部14
の幅を好適に調整した状態に、一方の分割フレーム22
と他方の分割フレーム24とを連結でき、座席ユニット
10を好適に形成できる。
【0048】以上の実施例では、一方の分割フレーム2
2と他方の分割フレーム24とを結合させて車椅子用の
座席ユニット10を形成する手段として、スリット状の
透孔(貫通孔)及びその孔に差し込む枠材及び板材を利
用したが、本発明はこれに限定されず、例えば、凹状の
溝と、その溝に嵌め込むパイプ状の枠材等を利用するこ
とも可能である。また、連結手段20についても、例え
ば、螺子等の他の手段を用いてもよいのは勿論である。
そして、底部16の4片の枠部に相当する一方のシート
側枠32、前部シート板32a、シート渡し枠32b、
他方のシート側枠42には、前述したように、溝部18
が形成されている。
【0049】次に、以上のような左右方向の分割構造を
備える車椅子用の座席ユニット10の使用方法について
説明する。この車椅子用の座席ユニット10によれば、
寝たきりの老人や障害者或いは半身起きている人(被介
護者)に対し、左右に分離した一方の分割フレーム22
と他方の分割フレーム24を、それぞれの方向から被介
護者の下に差し込み、前述した連結手段20によってジ
ョイントをして座席ユニット10を完成する。これによ
り、障害者や老人等の被介護者は、必要以上に大きく動
かない状態で、座席ユニット10に乗ることができ、被
介護者の移しかえ作業が非常に簡単になる。すなわち、
被介護者を座席ユニット10に乗せる(移しかえ)作業
について、従来は被介護者を抱き抱えたり、リフトのつ
り下げ部材を介して移動させたりしていたが、本実施例
によれば、被介護者を左右に寝返りさせる程度で、非常
に簡単に行うことができる。
【0050】このようにして座席ユニット10に被介護
者を乗せた後は、その座席ユニット10を介して、被介
護者を移動させればよい。すなわち、座席ユニット10
に対応して、着脱の容易な吊り下げ部を有するリフトを
使用すれば、介護者の労力を格段に低減できる。そし
て、図8に示すように、座席ユニット10を車椅子用の
車台ユニット50に乗せて連結すれば、車椅子が完成
し、被介護者は好適に移動できる。
【0051】さらに、入浴の際、従来はリフトシートに
乗せてからの入浴であったが、本実施例によれば座席ユ
ニット10に乗ったままの入浴が可能になる。排泄も従
来は車椅子から降りて手すりにつかまって排泄場所へ行
き、排泄していたが、適宜なリフトを用いれば、座席ユ
ニット10に乗ったまま排泄場所に行き、排泄が可能と
なる。すなわち、座席部12の底部であるシート底板2
6が着脱可能に設けられていることで、トイレの上にリ
フト等で座席ユニット10ごと運ばれた後シート底板2
6を外せば、排泄施設において利用者が姿勢を変えない
で好適に用を足すことができる。
【0052】これにより、現在の社会問題となっている
介護人の老齢化や、介護人(介護施設の看護婦を含む多
くの人)の腰痛等を引き起こす負担について、好適に対
応できる。また、車椅子において車台ユニット50から
座席ユニット10が分割できることで、座席ユニット1
0が座椅子になり、和風家屋内で好適に利用できる。
【0053】このように、本実施例によれば、ベットか
ら車椅子への移動、車椅子から入浴施設への移動、車椅
子から排泄施設への移動、室内外の移動が1つの座席ユ
ニット10を基本におくことで可能になるため、互換性
のあるリフト等の設備を採用することができ、施設費を
低減できる。さらに、本実施例の座席ユニット10によ
れば、利用者に合った適度な幅の座席部12を形成でき
るように調整できるが、分割機構に幅調整機能を持たせ
たことから構造が複雑化せず、容易に製造できる。そし
て、その幅調整機能により、座席ユニット10の利用者
がぐらつくことを防止でき、利用者の乗り心地を好適に
向上できる。
【0054】また、入浴施設等で使用可能に、耐腐食性
に富む材質で構成することで、広い用途に好適に利用で
きる。例えば、その材質は、軽量で腐食に強い、アルミ
合金、チタン、プラスチック(強化プラスチックを含
む)を用いればよい。また、以上の実施例では、渡し枠
及び渡し板を、バランス良く一方の分割フレーム22と
他方の分割フレーム24とに割り振ったが、各渡し枠及
び渡し板の形状や分割形態の設定等は、本実施例に限定
されないのは勿論である。例えば、一方の分割フレーム
側に全ての渡し部材及び渡し板を一体的に固定して設
け、他方の分割フレーム側は対応する各孔が開口された
側枠にしてもよい。又は、一方の分割フレーム側に全て
の渡し枠を配し、他方の分割フレーム側に全ての渡し板
を配するような割り振りとしもよい。以上、本発明につ
き好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明は
この実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸
脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のこと
である。
【0055】
【発明の効果】本発明にかかる車椅子用の座席ユニット
によれば、車椅子の車台ユニットから分離可能に設けら
れ、底部に昇降装置の昇降する爪部が挿入される溝部が
形成されているため、昇降装置によって好適に昇降でき
る。このように座席ユニットに溝部が設けられること
で、被介護者の移動及び移しかえのために利用される昇
降装置が、好適に利用できるようになる。従って、段差
が多く狭い日本の家屋や生活様式に好適に適用して、被
介護者を小さな労力で好適且つ容易に移動でき、介護人
の負担を軽減できるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車椅子用の座席ユニット及び車
椅子の一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】図1の実施例の使用方法を順に説明する斜視図
である。
【図3】本発明にかかる車椅子用の座席ユニットの一実
施例にかかる詳細を説明する分解斜視図である。
【図4】図3の実施例の連結した状態の平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図3の実施例を座席状に折り曲げた状態の側面
図である。
【図7】図3の実施例を座席状に折り曲げた状態の背面
図である。
【図8】図3の実施例の座席ユニットを車台ユニットに
装着した状態を模式的に説明する斜視図である。
【図9】従来技術の車椅子を示す側面図である。
【符号の説明】
10 座席ユニット 12 座席部 14 背もたれ部 16 底部 18 溝部 20 連結手段 22 一方の分割フレーム 24 他方の分割フレーム 30 一方の分割シート部 34 一方の折曲用の軸 36 一方の分割背もたれ部 39 一方のひじかけ 40 他方の分割シート部 44 他方の折曲用の軸 46 他方の分割背もたれ部 49 他方のひじかけ 50 車台ユニット 55 昇降装置 60 爪部 62 爪 64 支柱 65 基部 67 車輪 68 後部の車輪 72 シリンダ装置 74 チェーン 78a 主車輪装着部 78b 補強支柱の主車輪装着部 80 パレットユニット 81 下部本体 82 挿入孔 83 上部本体 84 ベアリング 88 足乗せ部 90 利用者 92 ベッド
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月22日(1999.11.
22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 車椅子用の座席ユニット及び車椅子
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車椅子用座席ユニッ
ト及び車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車椅子は、持ち運び可能であ
ることが原則となっている。このため、図9に示すよう
に主に折り畳み式のものが利用されていた。その折り畳
み式の車椅子では、本体の車輪が装着された部分である
車台ユニット51に、利用者が座る部分である座席ユニ
ット11が、容易には分離不能に固着されているものが
多い。また、両ユニットが分離可能な場合でも、その目
的は、搬送及び収納のためであった。
【0003】また、従来から日本でも障害を持つ人は車
椅子を使用しているが、従来の車椅子は、欧米を中心と
する外国の生活に対応したものであって、日本の生活に
は馴染まないものであった。これは、文化的な背景の違
いによるもので、例えば、外国ではフローリング中心の
住宅構造である場合が多く、段差がない。そして、室内
でも靴を履いているか、サンダルを履いており、靴及び
サンダルを脱ぐのは、ベッドに入るときのみである。
【0004】これに対して、日本人の多くは木造の和風
家屋に居住しており、和風家屋には車椅子の移動(走
行)の障害となる框(かまち)及び敷居が多い。また、
床が畳である。従って、そのような和風家屋の室内で
は、車椅子は使いにくいものになっている。すなわち、
日本は畳の感触を好む裸足の文化であり、靴を履いてき
た人は玄関で靴を脱ぎ、内と外とを分けている。また、
日本では多雨多湿であって木造建築であり、床を高くし
て通気性を良くするためにも、上がり框がある。そし
て、木造建築であるため、柱を組むことから敷居という
段差が生じることになる。このため、和風家屋は、ベッ
ドでの生活を余儀なくされている老人及び障害を持った
人等が、車椅子では生活しにくい空間になっているので
ある。
【0005】また、日本の住宅は、土地の値段が高いた
め、建ぺい率を高く設定する傾向がある。そのため、道
路から玄関までの距離が短く、場合によってはほとんど
ないことも多い。従って、折角バリアフリーの住宅を建
設しようとしても、出入りのためのスロープを造りにく
い。このような日本的な生活環境にあっては、昇降手段
であるリフトを利用することが提案されている。リフト
としては、車椅子ごと老人や障害者等の被介護者を昇降
させるものがあり、また、風呂等で、車椅子から移しか
えるなどして、被介護者を吊り上げて移動させるものが
ある。
【0006】ところが、従来の車椅子やリフトでは、被
介護者をその車椅子やリフト等に移しかえることに多大
の労力がかかるという課題があった。例えば、被介護者
を、布団又はベッドから車椅子に乗せるためには、一般
的に介護人の人手に頼っている。この場合、被介護者を
かかえて(持ち上げて)移動することを要し、一人の介
護人で行うことは困難であった。また、被介護者を車椅
子に乗せるためリフトがある場合でも、先ず介護人をリ
フトシートに乗せ、そのリフトシートから落ちないよう
に吊り上げ、車椅子に降ろした後はリフトシートを取り
除くことを要し、多くの労力がかかった。従って、この
ような被介護者の車椅子又はリフトへ乗せる作業、或い
は車椅子から布団やベッドに降ろす作業などの被介護者
の移しかえ作業は、介護者の大きな負担になっている。
【0007】また、従来のリフトは、車椅子ごと被介護
者を昇降させるもの、車椅子に被介護者を乗せるための
もの、或いは、風呂や排泄場所で使用するものなど、そ
れぞれ別々に設けられていた。従って、それぞれの用途
ごとに機具を揃える必要が生じ、互換性がなく、高額な
費用を要するという課題もあった。
【0008】また、従来の車椅子は、特に大径の車輪を
備える車台ユニットが大きく、和風家屋の大きさや日本
の生活様式には馴染まないという課題もあった。すなわ
ち、和風家屋では廊下やトイレ等が小さく、車椅子では
容易に移動できず、用事を足すことができなかった。ま
た、和風家屋の構造では、畳で、こたつ及び座卓を使用
する生活になっているが、従来の車椅子を使用すると、
同じテーブルで食事ができなかった。
【0009】このため、本願発明者は、背景技術とし
て、利用者が腰掛ける車椅子の座席部として設けられる
と共に、車椅子の車輪が装着された部分である車椅子用
の車台ユニットから分離可能に設けられ、前記車台ユニ
ットから分離されている際には前記利用者にかかる左右
方向に分割可能に、左右方向の分割構造を備える車椅子
用座席ユニットを開発した。この車椅子用座席ユニット
によれば、分割された左右の部材を、左右から利用者の
下に差し込むように滑り込ませることで、利用者を容易
に乗せることができる。従って、日本の家屋や生活様式
に好適に適用でき、被介護者の移しかえ作業が容易にで
きる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記背
景技術では、利用者の乗った車椅子用座席ユニットを移
動する際において、昇降装置を好適に利用するための構
成が、十分に検討されていなかった。そこで、本発明の
目的は、日本の家屋や生活様式に好適に適用でき、被介
護者が容易に移動できる車椅子用座席ユニット及び車椅
子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために次の構成を備える。すなわち、本発明は、
利用者が腰掛ける車椅子の座席部及び背もたれ部を有す
る車椅子用の座席ユニットと、走行機能を有する車椅子
用の車台ユニットとを備える車椅子であって、前記車椅
子用の座席ユニットが、前記車椅子用の車台ユニットか
ら分離可能に設けられ、前記車椅子用の車台ユニット
が、利用者が手動操作する車椅子の主車輪に比べて小さ
な車輪から成る走行手段と、前記車椅子用の座席ユニッ
トを乗せて昇降する爪が形成された昇降装置としての爪
部とを備え、前記車椅子の主車輪が前記爪の昇降に伴っ
て昇降できるように、前記爪部に、前記車椅子の主車輪
を着脱可能に装着させる主車輪装着部が設けられてい
【0012】また、前記車椅子用の座席ユニットが、
記車台ユニットから分離されている際には前記利用者に
かかる左右方向に分割可能に、左右方向の分割構造を備
えることで、利用者を椅子用の座席ユニットに容易に乗
せることができる。
【0013】また、前記車椅子用の座席ユニットにおけ
左右方向の幅を調整可能に、前記左右方向の分割構造
が、左右の一方の部材に対して他方の部材が所定の区間
で重なり合うように設けられていることで、利用者であ
る被介護者の体に好適にフィットできるように調整でき
る。
【0014】また、本発明は、 利用者が腰掛ける車椅
子の座席部及び背もたれ部を有するユニットとして設け
られると共に、走行機能を有する車椅子用の車台ユニッ
トから分離可能に設けられ、底部に昇降装置の昇降する
爪部が挿入される溝部が形成され、前記昇降装置で昇降
可能に設けられている車椅子用の座席ユニットであっ
て、前記昇降装置のが挿入される溝部が形成されてい
ると共に下部本体に対して上部本体が回転可能に設けら
れたパレットユニットが、前記底部の下側に敷かれて連
結されるように設けられ、前記下部本体に対して回転可
能に構成されることを特徴とする車椅子用の座席ユニッ
トにもある。これによれば、利用者の向きを容易に変え
ることができ、利用者の移動をより好適にできるように
なる。
【0015】また、排泄施設において利用者が姿勢を変
えないで済むように、前記座席部及び前記パレットユニ
ットの中央部が上下方向に開口可能に設けられているこ
とによれば、排泄施設で好適に用を足すことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる好適な実施
の形態を添付図面と共に詳細に説明する。図1は本発明
にかかる車椅子用の座席ユニット及び車椅子の一実施例
を示す分解斜視図である。また、図2は図1の実施例の
使用方法を順に説明する斜視図である。10は車椅子用
の座席ユニットであり、利用者が腰掛ける車椅子の座席
部12として設けられると共に、車椅子の車輪が装着さ
れた部分である車椅子用の車台ユニット50から分離可
能に設けられ、底部16に昇降装置55の昇降する爪部
60が挿入される溝部18が形成され、昇降装置55で
昇降可能に設けられている。
【0017】座席ユニット10は、図3〜7に基づいて
後述するように、車台ユニット50から分離されている
際には利用者にかかる左右方向に分割可能に、左右方向
の分割構造を備えてもよい。なお、分割構造は、左右方
向に2分割に限らず、3分割等、適宜な形態に設計でき
るのは勿論である。そのような左右の分割構造を有する
ことで、利用者を椅子用の座席ユニットに容易に乗せる
ことができる。また、前記左右方向の分割構造が、座席
部12の左右方向の幅を調整可能に、左右の一方の部材
に対して他方の部材が所定の区間で重なり合うように設
けられれば、利用者である被介護者の体に好適にフィッ
トできる。
【0018】本実施例の溝部18は、座席ユニット10
の底部16における4辺の枠部の底面に凹状に形成され
ている。また、溝部18は、座席ユニット10の底部1
6の4方の側面について、それぞれ2つずつ形成されて
いる。これにより、4方のいずれの方向からも、リフト
である昇降装置55の2本の爪62が、2つの溝部18
に挿通できる。このように、溝部18が形成されること
で、昇降装置55の2本の爪62を挿入する際、その爪
62が好適に案内されて、座席ユニット10の下面に好
適に滑り込むことができる。すなわち、溝部18は、爪
62が進入できる好適な空間になっている。また、座席
ユニット10が、2本の爪62が設けられた爪部60に
支持された際、溝部18は横滑りを防止する段部として
も好適に作用する。
【0019】また、溝部18の形状は、本実施例に限ら
ず、例えば、後述するパレットユニット80のように透
孔状の挿入孔に形成されてもよい。又は、底部16の底
面に所定の間隔をおいて複数の突起部を設け、所定の2
つの突起部同士の間を、溝部18として利用してもよ
い。また、爪部60の形態が本実施例とは異なる場合、
その形態に合わせて溝部18を設計すればよい。例え
ば、爪62が幅広の一本の場合は、溝部18も底部16
の各側面について1つ形成しておけばよい。すなわち、
溝部18とは、爪62の進入を案内する案内空間部とし
て作用すると共に、爪部60上での横滑りを防止できる
段部として作用するものであればよい。
【0020】次に、車椅子用の車台ユニット50として
も機能する昇降装置55について詳細に説明する。64
は支柱であり、基部65に、一対が鉛直方向に延びた状
態に固定されており、爪部60の昇降動(上下動)をガ
イドする上下方向のガイド部材となっている。64aは
補強支柱であり、支柱64に平行に設けられている。ま
た、66は取手部であり、介護人が把持して昇降装置5
5を操作できるように形成されている。これらの構成
は、本実施例のようにパイプ材で好適に形成できる。ま
た、基部65の水平方向に長尺な一対の脚部65aの両
端には、車輪67、68が回転可能に装着されている。
後部の車輪68は、キャスター状に形成されている。す
なわち、水平軸を中心に回転可能な車輪68の回転軸を
支持する支持部68aが、鉛直軸を中心に旋回可能に装
着されている。従って、移動の際、後部の車輪68によ
って、昇降装置55の進行方向を好適に変えることがで
きる。
【0021】70は固定部であり、両端部において溶接
等によって支柱64及び補強支柱64aに固定されてい
る。また、72はシリンダ装置であり、シリンダ部が基
部65及び固定部70に対して移動不能に固定され、ロ
ッド72aが伸縮可能になっている。ロッド72aの先
端には、スプロケットが回転可能に内蔵されたスプロケ
ット支持部72bが固定されている。また、74はチェ
ーンであり、スプロケット支持部72b内のスプロケッ
トに掛け回されており、一端が爪部60に固定され、他
端が固定部70に固定されている。
【0022】従って、ロッド72aがシリンダ部から突
出して伸長することで、爪部60を上昇させることがで
きる。逆にロッド72aを収縮させることで、爪部60
を降下させることができる。なお、76は駆動装置であ
り、シリンダ装置72に高圧エア等の流体を供給してロ
ッド72aを伸縮作動させる。なお、駆動装置76は、
電動駆動式の自動装置であっても良いし、介護人の操作
による人力装置であってもよいのは勿論である。
【0023】また、爪部60には、図2に示すように2
本の爪62が、下部から水平方向へ延びた状態に形成さ
れている。2本の爪62の先端部は、溝部18又は後述
するパレットユニット80の挿入孔82にスムースに挿
入できるように、テーパ状に形成されている。また、爪
部60の支柱64との連繋部には、ローラ63a、63
bが内蔵されている。ローラ63a、63bが支柱64
に接触して回転することで、支柱64に対する爪部60
の滑り移動がスムースにできるようになっている。
【0024】また、78aは主車輪装着部であり、主車
輪52が着脱可能に装着される部分であって、一対が爪
部60の両端の下側にそれぞれ固定されている。従っ
て、この主車輪装着部78aは、爪部60の上下動に伴
って上下方向に移動できるように設けられている。ま
た、この主車輪装着部78aは、車椅子で用いられてい
る公知の連結機構によって構成すればよい。このように
主車輪装着部78aが設けられた場合は、爪部60に伴
って上昇されたところで主車輪52を着脱できる。そし
て、主車輪52が装着された状態で下降すれば、主車輪
52が、利用者及び座席ユニット10の重量と自重によ
って床面又は地面に接地した状態になる。従って、主車
輪52を手動操作することで、車椅子として好適に走行
できる。
【0025】また、図1には、補強支柱64aに固定さ
れて設けられた状態の補強支柱の主車輪装着部78bを
示してある。このように補強支柱64aに固定されて、
主車輪装着部78bが設けられた場合は、通常の車椅子
のように、本体(昇降装置55)全体を傾けて主車輪5
2の着脱を行えばよいが、前記爪部60に装着する場合
より若干難しい操作を要する。
【0026】80はパレットユニットであり、昇降装置
55の爪部60(爪62)が挿入される溝部である挿入
孔82が形成されていると共に、下部本体81に対して
上部本体83が回転可能に設けられている。本実施例で
は、挿入孔82が、矩形の下部本体81の4側面のそれ
ぞれに一対ずつ形成されており、4方向のいずれの側面
からも一対の爪62を挿入できる形態になっている。な
お、挿入孔82の形状は、前記溝部18と同様に、爪部
60の形態に対応させて適宜設計すれば良いのは勿論で
ある。また、挿通孔82は、下部本体81でなくて、上
部本体83に設けてもよいのは勿論である。84はベア
リングであり、そのリング状のベアリングを介して、下
部本体81に対して上部本体83が回転可能になってい
る。このパレットユニット80の回転機能は、所定の角
度位置で停止できるようになっている。例えば、クリッ
ク機構等で、90°毎にストッパ作用が働くように設け
られている。
【0027】このパレットユニット80は、座席ユニッ
ト10の底部16の下側(下面)に敷かれ、図示しない
結合手段によっ上部本体83が座席ユニット10に連結
される。従って、下部本体81に対して座席ユニット1
0の座席部12が回転可能になる。これによれば、座席
ユニット10に乗った利用者の向きを容易に変えること
ができ、利用者の移動をより好適にできるようになる。
また、パレットユニット80は、昇降装置55の爪部6
0が差し込まれて支持された状態で、図示しない結合手
段によって、その爪部60に連結されるように設けられ
ている。すなわち、爪部60に下部本体81が連結され
る。これによって、走行可能に車輪を備える昇降装置5
5に、昇降可能に座席ユニット10が固定され、利用者
が手動操作する主車輪52が着脱可能に設けられた車椅
子が好適に構成される。
【0028】また、86は開口部の蓋であり、パレット
ユニット80の中央部に上下方向に貫通して設けられた
開口を覆っている。この蓋86をとると共に座席部12
を開口すれば、排泄施設において利用者が姿勢を変えな
いで、好適に用を足すことができる。また、88は足乗
せ部であり、車椅子の一部を構成する。この足乗せ部8
8は、図示しない結合手段によって、昇降装置55の爪
部60(爪62)等の部分に装着されてもよいし、パレ
ットユニット80或いは座席ユニット10に装着される
ことで車椅子の一部を構成するようにしてもよい。
【0029】次に、以上の構成からなる実施例の利用方
法について、図2に基づき、利用者90をベッド92か
ら移動させる場合について説明する。先ず、図2(a)
に示すように、座席ユニット10の分割された左右の部
材(一方の分割フレーム22及び他方の分割フレーム2
4)を、左右から利用者の下に差し込むようにして滑り
込ませる(矢印T)。これにより、利用者を座席ユニッ
ト10上に乗せる。
【0030】次に、図2(b)に示すように、座席ユニ
ット10の背もたれ部を起こし、昇降装置55の一対の
爪62(爪部60)を、水平で且つに前方(矢印A方
向)へ移動させ、溝部18に挿入する。そして、爪部6
0を上昇(矢印B)させると、爪部60に乗った座席ユ
ニット10が上昇される。
【0031】次に、図2(c)に示すように、パレット
ユニット80を座席ユニット10の下側へ滑り込ませる
(矢印S)。そして、昇降装置55によって、座席ユニ
ット10をパレットユニット80上に降ろし(矢印
C)、両者を連結する。その後で、爪部60を、水平で
且つに後方(矢印D方向)へ移動させ、一対の爪62を
溝部18から抜く。
【0032】次に、図2(d)に示すように、爪部60
を、パレットユニット80の挿入孔82の高さまで一段
降下(矢印E)させる。また、パレットユニット80の
回転機能を用いて、座席ユニット10の方向を90°変
え、利用者90が昇降装置55に背を向ける状態とす
る。そして、爪部60を、水平で且つに前方(矢印F方
向)へ移動させ、爪62を挿入孔82に挿入して、爪部
60とパレットユニット80とを連結する。このように
して座席ユニット10が爪部60に乗った状態で、昇降
装置55よって爪部60及びパレットユニット80を介
して座席ユニット10を上昇(矢印G)させる。これに
より、座席ユニット10をベッド92の上面から持ち上
げることができる。そして、昇降装置55の後退走行に
よって、座席ユニット10をベッド92上から一旦後退
させる。その後は、昇降装置55を任意に走行させるこ
とで、利用者を任意に移動させることができる。
【0033】また、図1に示したように、主車輪52を
昇降装置55に取り付けることで、利用者自身の手動操
作によって走行できる車椅子になる。このように、溝部
18が設けられた座席ユニット10、及び/又は挿通孔
82が設けられたパレットユニット80によって、被介
護人の移動及び移しかえのために利用される昇降装置5
5が、好適に利用できるようになる。従って、被介護人
を小さな労力で好適に移動することができ、介護人の負
担を軽減できる。
【0034】また、昇降装置55には、車椅子の主車輪
52に比べて極めて小さな車輪67、68から成る走行
手段が設けられており、その走行手段によって、狭い廊
下や室内でも、好適に移動できる。さらに、昇降装置5
5は、昇降機能と走行機能とを共に有するので、玄関の
上がり框での昇降及びその昇降動作の前後の走行、その
他、お風呂、トイレ、コタツへの座席ユニット10の移
動等、種々の場面において好適に用いることができる。
すなわち、各場所で昇降装置55の昇降機能及び走行機
能を好適に共用でき、敷設費を低減できる。
【0035】なお、以上の実施例では、パレットユニッ
ト80を介して座席ユニット10を昇降装置55の爪部
60に固定する場合を説明したが、本発明はこれに限ら
ず、座席ユニット10を直に昇降装置55の爪部60に
固定するようにしてもよい。この場合は、回転機能を得
ることができないが、構造が簡単になると共に、容易に
着脱操作ができるようになる。また、以上の実施例のパ
レットユニット80の下面に車輪が露出するように、キ
ャスターを内蔵するようにすれば、パレットユニット8
0によって、短距離の移動をすることが可能になる。
【0036】次に、本発明にかかる車椅子用の座席ユニ
ットの一実施例について、図3〜7に基づいて詳細に説
明する。図3は座席ユニットの分解斜視図である。図4
は図3の実施例の平面図であり、図5は図3の実施例の
側面図である。また、図6は図3の実施例を座席状に折
り曲げた状態の側面図であり、図7はその背面図であ
る。車椅子用の座席ユニット10は、利用者が腰掛ける
車椅子の座席部12として設けられると共に、車椅子の
車輪(主車輪52及びキャスター54)が装着された部
分である車椅子用の車台ユニット50(図8参照)から
分離可能に設けられている。そして、車椅子用の座席ユ
ニット10は、車台ユニット50から分離されている際
には前記利用者にかかる左右方向に分割可能に、左右方
向の分割構造を備える。
【0037】また、本実施例では背もたれ部14を含む
座席部12の左右方向の幅を調整可能に、左右方向の分
割構造が、左右の一方の部材に対して他方の部材が所定
の区間で重なり合うように設けられている。分割構造
は、連結手段20(図4参照)を有するものであり、使
用時に分割及び連結が容易にできるものを意味する。こ
れにより、利用者である被介護者の体の幅に好適にフィ
ットできるように調整できる。
【0038】次に左右方向の分割構造によって分割され
る左右の部材の形態について詳細に説明する。図3に示
すように、22は一方の分割フレームであり、本実施例
では利用者の左側からフィットする部分である。これに
対して、24は、他方の分割フレームであり、本実施例
では利用者の右側からフィットする部分である。このよ
うに左右に分割されたフレームが、図4に示すように連
結されることで、車椅子用の座席ユニット10が構成さ
れる。
【0039】一方の分割フレーム22は、一方の分割シ
ート部30と、一方の分割背もたれ部36とによって構
成されている。32は一方のシート側枠であり、内側へ
延びる前部シート板32aと、シート渡し枠32bが一
体的に固定され、それらの構成と共に略コの字状でフレ
ーム状の一方の分割シート部30を形成している。ま
た、一方のシート側枠32には、長手方向に沿って長く
設けられて水平方向に貫通するスリット状のシート底板
挿通用孔32cが設けられている。この一方のシート側
枠32の後端部には、一方の分割背もたれ部36の下端
部が、折曲用の軸34で折曲回動可能に軸着されてい
る。
【0040】38は一方の背受側枠であり、内側へ延び
る上部の背受渡し枠38aと、上部の背受板38b及び
下部の背受板38cが一体的に固定され、それらの構成
と共に一方の分割背もたれ部36を形成している。ま
た、一方の背受側枠38には、長手方向に沿って長く設
けられてその長手方向に直交する水平方向へ貫通するス
リット状の中部背板挿入孔38dと、長手方向に直交す
る水平方向へ貫通する下部背枠挿入孔38e(図5参
照)が設けられている。
【0041】また、33aは一方の第1肘掛けフレーム
であり、33bは一方の第2肘掛けフレームである。一
方の第1肘掛けフレーム33aの一端部は、一方の背受
側枠38の中途部に、軸35aで回動可能に軸着されて
いる。また、一方の第2肘掛けフレーム33bの一端部
は、一方のシート側枠32の前端部に、軸35bで回動
可能に軸着されている。そして、一方の第1肘掛けフレ
ーム33aと一方の第2肘掛けフレーム33bとが、双
方の他端部同士で軸35cによって回動可能に軸着され
ている。従って、一方の第1肘掛けフレーム33a、一
方の第2肘掛けフレーム33b、一方のシート側枠3
2、及び一方の背受側枠38と、4つの軸34、35
a、35b、35cという構成によって、4節平行リン
クが形成されている。このため、一方の分割シート部3
0に対して、折曲用の軸34を中心に一方の分割背もた
れ部36を起こすと、図6に示すように一方の肘掛け3
9を自動的に所定の高さにセットできる。
【0042】以上の一方の分割フレーム22に対して、
他方の分割フレーム24は、他方の分割シート部40
と、他方の分割背もたれ部46とによって構成されてい
る。42は他方のシート側枠であり、長手方向に沿って
長く設けられてその長手方向に直交する水平方向へ貫通
するスリット状の前部シート板挿入孔42a及びシート
底板挿通用孔42cと、長手方向に直交する水平方向に
貫通するシート枠挿入孔42bとが設けられている。ま
た、この他方のシート側枠42の後端部には、他方の分
割背もたれ部46の下端部が、折曲用の軸44で折曲回
動可能に軸着されている。
【0043】48は他方の背受側枠であり、内側へ延び
る中部の背受板48d及び下部の背受渡し枠48eが一
体的に固定され、それらの構成と共に他方の分割背もた
れ部46を形成している。また、他方の背受側枠48に
は、その長手方向に直交する水平方向へ貫通する上部背
枠挿入孔48aと、長手方向に沿って長く設けられてそ
の長手方向に直交する水平方向へ貫通するスリット状の
上部背板挿入孔48b及び下部背板挿入孔48cが設け
られている。
【0044】また、43aは他方の第1肘掛けフレーム
であり、43bは他方の第2肘掛けフレームである。他
方の第1肘掛けフレーム43aの一端部は、他方の背受
側枠48の中途部に、軸45aで回動可能に軸着されて
いる。また、他方の第2肘掛けフレーム43bの一端部
は、他方のシート側枠42の前端部に、軸45bで回動
可能に軸着されている。そして、他方の第1肘掛けフレ
ーム43aと他方の第2肘掛けフレーム43bとが、双
方の他端部同士で軸45cによって回動可能に軸着され
ている。従って、他方の第1肘掛けフレーム43a、他
方の第2肘掛けフレーム43b、他方のシート側枠4
2、及び他方の背受側枠48と、4つの軸44、45
a、45b、45cという構成によって、4節平行リン
クが形成されている。このため、他方の分割シート部4
0に対して、折曲用の軸44を中心に他方の分割背もた
れ部46を起こすと、一方の肘掛け39と同様に他方の
肘掛け49を自動的に所定の高さにセットできる。
【0045】また、26はシート底板であり、座席部1
2の中央部を構成する部分であって、着脱(分離)可能
に設けられている。すなわち、シート底板26は、一方
の分割フレーム22及び他方の分割フレーム24のどち
らにも一体的に固定されておらず、図3に2点鎖線で示
したように、シート底板挿通用孔32c(或いはシート
底板挿通用孔42c)から内側へ挿入可能に設けられて
いる。なお、26aはストッパ部であり、シート底板2
6がセットされた際に、内側へ抜け落ちないように段状
に形成されている。
【0046】以上の構成によれば、前記各孔(挿通孔及
び挿通用孔)に、その孔に対応する前記各渡し枠及び各
板の先端部を挿入し、連結手段20(図4参照)によっ
て一方の分割フレーム22と他方の分割フレーム24と
を連結することで、好適に座席ユニット10を形成でき
る。連結手段20としては、例えば、各孔を形成する被
挿入側部材にピン孔を設けると共に、各枠及び各板であ
る挿入側部材の先端にも前記被挿入側の部材のピン孔に
対応させ、左右方向へ所定の間隔をおいて複数のピン孔
を設けておく。これによれば、各孔への各枠及び各板の
挿入長さを適宜調整し、被挿入側部材のピン孔と挿入側
部材のピン孔とを合わせ、双方のピン孔にかかるように
ピンを挿入して固定(ロック)すればよい。これによ
り、図4に示すように、座席部12及び背もたれ部14
の幅を好適に調整した状態に、一方の分割フレーム22
と他方の分割フレーム24とを連結でき、座席ユニット
10を好適に形成できる。
【0047】以上の実施例では、一方の分割フレーム2
2と他方の分割フレーム24とを結合させて車椅子用の
座席ユニット10を形成する手段として、スリット状の
透孔(貫通孔)及びその孔に差し込む枠材及び板材を利
用したが、本発明はこれに限定されず、例えば、凹状の
溝と、その溝に嵌め込むパイプ状の枠材等を利用するこ
とも可能である。また、連結手段20についても、例え
ば、螺子等の他の手段を用いてもよいのは勿論である。
そして、底部16の4片の枠部に相当する一方のシート
側枠32、前部シート板32a、シート渡し枠32b、
他方のシート側枠42には、前述したように、溝部18
が形成されている。
【0048】次に、以上のような左右方向の分割構造を
備える車椅子用の座席ユニット10の使用方法について
説明する。この車椅子用の座席ユニット10によれば、
寝たきりの老人や障害者或いは半身起きている人(被介
護者)に対し、左右に分離した一方の分割フレーム22
と他方の分割フレーム24を、それぞれの方向から被介
護者の下に差し込み、前述した連結手段20によってジ
ョイントをして座席ユニット10を完成する。これによ
り、障害者や老人等の被介護者は、必要以上に大きく動
かない状態で、座席ユニット10に乗ることができ、被
介護者の移しかえ作業が非常に簡単になる。すなわち、
被介護者を座席ユニット10に乗せる(移しかえ)作業
について、従来は被介護者を抱き抱えたり、リフトのつ
り下げ部材を介して移動させたりしていたが、本実施例
によれば、被介護者を左右に寝返りさせる程度で、非常
に簡単に行うことができる。
【0049】このようにして座席ユニット10に被介護
者を乗せた後は、その座席ユニット10を介して、被介
護者を移動させればよい。すなわち、座席ユニット10
に対応して、着脱の容易な吊り下げ部を有するリフトを
使用すれば、介護者の労力を格段に低減できる。そし
て、図8に示すように、座席ユニット10を車椅子用の
車台ユニット50に乗せて連結すれば、車椅子が完成
し、被介護者は好適に移動できる。
【0050】さらに、入浴の際、従来はリフトシートに
乗せてからの入浴であったが、本実施例によれば座席ユ
ニット10に乗ったままの入浴が可能になる。排泄も従
来は車椅子から降りて手すりにつかまって排泄場所へ行
き、排泄していたが、適宜なリフトを用いれば、座席ユ
ニット10に乗ったまま排泄場所に行き、排泄が可能と
なる。すなわち、座席部12の底部であるシート底板2
6が着脱可能に設けられていることで、トイレの上にリ
フト等で座席ユニット10ごと運ばれた後シート底板2
6を外せば、排泄施設において利用者が姿勢を変えない
で好適に用を足すことができる。
【0051】これにより、現在の社会問題となっている
介護人の老齢化や、介護人(介護施設の看護婦を含む多
くの人)の腰痛等を引き起こす負担について、好適に対
応できる。また、車椅子において車台ユニット50から
座席ユニット10が分割できることで、座席ユニット1
0が座椅子になり、和風家屋内で好適に利用できる。
【0052】このように、本実施例によれば、ベッド
ら車椅子への移動、車椅子から入浴施設への移動、車椅
子から排泄施設への移動、室内外の移動が1つの座席ユ
ニット10を基本におくことで可能になるため、互換性
のあるリフト等の設備を採用することができ、施設費を
低減できる。さらに、本実施例の座席ユニット10によ
れば、利用者に合った適度な幅の座席部12を形成でき
るように調整できるが、分割機構に幅調整機能を持たせ
たことから構造が複雑化せず、容易に製造できる。そし
て、その幅調整機能により、座席ユニット10の利用者
がぐらつくことを防止でき、利用者の乗り心地を好適に
向上できる。
【0053】また、入浴施設等で使用可能に、耐腐食性
に富む材質で構成することで、広い用途に好適に利用で
きる。例えば、その材質は、軽量で腐食に強い、アルミ
合金、チタン、プラスチック(強化プラスチックを含
む)を用いればよい。また、以上の実施例では、渡し枠
及び渡し板を、バランス良く一方の分割フレーム22と
他方の分割フレーム24とに割り振ったが、各渡し枠及
び渡し板の形状や分割形態の設定等は、本実施例に限定
されないのは勿論である。例えば、一方の分割フレーム
側に全ての渡し部材及び渡し板を一体的に固定して設
け、他方の分割フレーム側は対応する各孔が開口された
側枠にしてもよい。又は、一方の分割フレーム側に全て
の渡し枠を配し、他方の分割フレーム側に全ての渡し板
を配するような割り振りとしもよい。以上、本発明につ
き好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明は
この実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸
脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のこと
である。
【0054】
【発明の効果】本発明にかかる車椅子によれば、車椅子
用の座席ユニットが車椅子用の車台ユニットから分離で
き、また、車椅子の主車輪が昇降装置の爪の昇降に伴っ
て昇降できるように、前記爪が形成された爪部に、前記
車椅子の主車輪を着脱可能に装着させる主車輪装着部が
設けられている。このため、被介護者の移動及び移しか
えを好適にできると共に、爪部に伴って主車輪装着部が
上昇されたところで主車輪を容易に着脱でき、主車輪を
手動操作できる車椅子としても好適に走行できる。
た、本発明にかかる車椅子用の座席ユニットによれば、
車椅子の車台ユニットから分離可能に設けられ、底部に
昇降装置の昇降する爪部が挿入される溝部が形成されて
いるため、昇降装置によって好適に昇降できる。また、
回転機能を有するパレットユニットに連結されるように
設けられている。このように座席ユニットが設けられる
ことで、被介護者の移動及び移しかえのために利用され
る昇降装置が、好適に利用できるようになる。従って、
段差が多く狭い日本の家屋や生活様式に好適に適用し
て、被介護者を小さな労力で好適且つ容易に移動でき、
介護人の負担を軽減できるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車椅子用の座席ユニット及び車
椅子の一実施例を示す分解斜視である。
【図2】図1の実施例の使用方法を順に説明する斜視図
である。
【図3】本発明にかかる車椅子用の座席ユニットの一実
施例にかかる詳細を説明する分解斜視図である。
【図4】図3の実施例の連結した状態の平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図3の実施例を座席状に折り曲げた状態の側面
図である。
【図7】図3の実施例を座席状に折り曲げた状態の背面
図である。
【図8】図3の実施例の座席ユニットを車台ユニットに
装着した状態を模式的に説明する斜視図である。
【図9】従来技術の車椅子を示す側面図である。
【符号の説明】 10 座席ユニット 12 座席部 14 背もたれ部 16 底部 18 溝部 20 連結手段 22 一方の分割フレーム 24 他方の分割フレーム 30 一方の分割シート部 34 一方の折曲用の軸 36 一方の分割背もたれ部 39 一方のひじかけ 40 他方の分割シート部 44 他方の折曲用の軸 46 他方の分割背もたれ部 49 他方のひじかけ 50 車台ユニット 55 昇降装置 60 爪部 62 爪 64 支柱 65 基部 67 車輪 68 後部の車輪 72 シリンダ装置 74 チェーン 78a 主車輪装着部 78b 補強支柱の主車輪装着部 80 パレットユニット 81 下部本体 82 挿入孔 83 上部本体 84 ベアリング 88 足乗せ部 90 利用者 92 ベッド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 利用者が腰掛ける車椅子の座席部として
    設けられると共に、車椅子の車輪が装着された部分であ
    る車椅子用の車台ユニットから分離可能に設けられ、底
    部に昇降装置の昇降する爪部が挿入される溝部が形成さ
    れ、前記昇降装置で昇降可能に設けられていることを特
    徴とする車椅子用の座席ユニット。
  2. 【請求項2】 前記車台ユニットから分離されている際
    には前記利用者にかかる左右方向に分割可能に、左右方
    向の分割構造を備えることを特徴とする請求項1記載の
    車椅子用の座席ユニット。
  3. 【請求項3】 前記座席部の左右方向の幅を調整可能
    に、前記左右方向の分割構造が、左右の一方の部材に対
    して他方の部材が所定の区間で重なり合うように設けら
    れていることを特徴とする請求項2記載の車椅子用の座
    席ユニット。
  4. 【請求項4】 排泄施設において利用者が姿勢を変えな
    いで済むように、前記座席部の底部が開口可能に設けら
    れていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の車
    椅子用の座席ユニット。
  5. 【請求項5】 前記昇降装置の爪部が挿入される溝部が
    形成されていると共に、下部本体に対して上部本体が回
    転可能に設けられたパレットユニットが、前記底部の下
    側に敷かれて連結され、前記下部本体に対して前記座席
    部が回転可能に構成されていることを特徴とする請求項
    1、2、3又は4記載の車椅子用の座席ユニット。
  6. 【請求項6】 排泄施設において利用者が姿勢を変えな
    いで済むように、前記パレットユニットの中央部が上下
    方向に開口可能に設けられていることを特徴とする請求
    項5記載の車椅子用の座席ユニット。
  7. 【請求項7】 前記請求項1、2、3、4、5又は6記
    載の車椅子用の座席ユニットが、走行可能に車輪を備え
    る前記昇降装置に、前記爪部で支持された状態に連結さ
    れて昇降可能に設けられ、利用者が手動操作する主車輪
    が着脱可能に設けられていることを特徴とする車椅子。
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