JP2000215230A

JP2000215230A - 物件情報編集支援システム

Info

Publication number: JP2000215230A
Application number: JP5946399A
Authority: JP
Inventors: Kayo Imamura; 佳世今村
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1998-11-20
Filing date: 1999-03-05
Publication date: 2000-08-04

Abstract

(57)【要約】【課題】専門知識の無いユーザでも物件情報を編集設計
でき、物件の現状と編集後の様子、編集前後の価格など
を確認でき、購入の不安感を軽減できるシステムを提供
する。【解決手段】物件の３次元形状データを格納するデータ
ベースＤＢ１と、物件の特性データを格納するデータベ
ースＤＢ２と、物件情報の編集に必要なデータを格納す
るデータベースＤＢ３と、データベースＤＢ１から読み
出される３次元形状データに基づいて物件情報を編集す
る前後の物件の外観を表示する表示手段１と、データベ
ースＤＢ２から読み出される物件の特性データを制約条
件として、データベースＤＢ３から読み出される物件情
報編集用のデータを用いて物件情報の編集を行う編集手
段３を備え、さらに、物件を構成する部品や工事費の価
格情報を格納するデータベースＤＢ４や、顧客の希望条
件を入力してデータベースＤＢ２から顧客の希望条件を
満たす物件を探す検索手段２を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、物件の選択、増改
築、改装などに際して、顧客の要求を満たす物件情報の
編集を支援するシステムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、物件の情報を呈示するには、紙面
では平面間取り図や写真による情報提示が行われてい
た。コンピュータ・ネットワークを利用したものでも、
物件の平面図をもとに様々な角度からの写真を提示する
方法や、ＱｕｉｃｋＴｉｍｅＶＲ、ＲｅａｌＶＲを用い
た提示方法であった。これらはすべて「現状の」物件内
部の提示であり、これらの物件が改装、改築、増築など
が可能かどうかや、どこまで可能か、また、これらを行
った後の様子などを知る手段が無かった。

【０００３】一方、特開平９−１３８８１６号にはＣＧ
画像による室内装飾具の選択調整方法が開示されている
が、物件の特性データを制約条件として選択調整するも
のではなく、また、工事費を含めた選択調整後の価格を
表示するような機能は提案されていない。特開平８−１
３７９３１号にはユニット建物の基礎部分についての設
計支援システムにおいて、画面を見ながら選択された各
部品の単価を積算して部品の発注コストを求めるシステ
ムが提案されているが、施工業者が部品の発注コストを
求めるために利用するシステムであり、物件購入者に対
して工事費も含めた最終的な物件価格を呈示するような
機能は提案されていない。特開平９−２５９１６０号や
特開平９−３０５６４５号は物件購入者に対して物件を
提案するプレゼンテーションシステムを開示している
が、工事費も含めた最終的な物件価格を表示するような
機能は有していない。なお、特開平８−３２９１３９号
には、建築設計システムにおいて、ネットワークを介し
て接続された複数の端末間で変更後の建築図面を共有す
ることが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、物件毎で規
定される可能な変更個所と変更方法の情報をデータべー
スとして保持し、顧客（ユーザ）自身が物件の編集設計
を行うことができ、さらに、現状の物件の外観や、内
装、内部レイアウトおよび各部商品の機能の疑似体験を
可能とするだけでなく、編集設計後の物件の様子を体験
・確認することができると共に、編集設計後の物件の購
入価格を表示できるような物件情報編集支援システムを
提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の物件情報編集支
援システムにあっては、上記の目的を達成するために、
図１に示すように、物件の３次元形状データを格納する
第１のデータベースＤＢ１と、物件の特性データを格納
する第２のデータベースＤＢ２と、物件情報の編集に必
要なデータを格納する第３のデータベースＤＢ３と、第
１のデータベースＤＢ１から読み出される３次元形状デ
ータに基づいて物件情報を編集する前後の物件の外観を
表示する表示手段１と、第２のデータベースＤＢ２から
読み出される物件の特性データを制約条件として、第３
のデータベースＤＢ３から読み出される物件情報編集用
のデータを用いて物件情報の編集を行う編集手段３とを
備えることを特徴とするものである。さらに、物件を構
成する部品の価格情報を格納する第４のデータベースＤ
Ｂ４と、顧客の希望条件を入力して第２のデータベース
ＤＢ２から顧客の希望条件を満たす物件を探し出すため
の検索手段２を付加することが好ましい。ここで、顧客
の希望条件の入力は、感性キーワードで行うようにして
も構わない。

【０００６】物件の表示手段は、３次元立体視用の映像
生成機能を有し、生成された３次元空間におけるユーザ
の位置や動き、あるいはユーザが物に接触した力のかか
り方を計測する手段を設け、その計測結果に応じて３次
元空間の表示を変更するように構成すれば、より好まし
い。また、顧客による物件情報の変更内容を蓄積するた
めの第５のデータベースを設ければ、顧客の好む傾向を
把握することができる。

【０００７】本システムは、データべースを搭載した装
置で利用するほか、ネットワークを介して接続された遠
隔地の端末で利用できるようにしても良い。その場合、
各端末間で物件編集内容データを相互に送受信する手段
を設けて、遠隔地に居る２人以上が変更後の物件情報を
共有し、相談しながら物件編集を行えるようにすれば一
層好ましい。

【０００８】

【発明の実施の形態】図２に本発明の物件情報編集支援
システムの実施の形態を一例として示す。図中、Ａはデ
ータベース搭載端末であり、物件の３次元形状データを
格納したデータベースＤＢ１と、物件の特性データ（例
えば、変更可否情報、構成物の素材・強度の情報、物件
の価格、立地条件などの情報）を格納したデータベース
ＤＢ２と、編集用のデータを格納したデータベースＤＢ
３と、商品や工事の価格データを格納したデータベース
ＤＢ４とを搭載している。データベース搭載端末Ａを操
作している顧客ａ１，ａ２は、その場所で本システムを
利用することができる。また、遠隔地で別の端末Ｂ，Ｃ
を操作している顧客ｂや顧客ｃは、ネットワークＮを介
してデータベース搭載端末Ａと接続し、遠隔地で本シス
テムを利用することができる。すなわち、顧客ｂと顧客
ｃはデータべースについては、ネットワークＮを通じて
データべース搭載端末Ａにあるものを利用し、実際の編
集作業は、ローカル端末Ｂ，Ｃで行うものである。ま
た、本システムでは、任意の顧客の間、例えば顧客ｂと
顧客ｃの間で同じデータを共有して、互いに意見を交換
することができるように、ネットワークＮを介して双方
向に送受信する機能も有している。各端末Ａ〜Ｃは、一
般的なパーソナルコンピュータで実現することができ
る。

【０００９】データべース搭載端末Ａは、データベース
ＤＢ１〜ＤＢ４を利用して、顧客の望みに応じて、物件
の検索、物件の表示、表示された物件情報の編集、編集
後の物件の表示（つまり変更の確認のための表示）など
を行うためのソフトウェア（図１の破線で囲まれた部
分）を搭載している。本システムを利用する場合には、
まず、物件の特性データべースＤＢ２に格納された物件
の価格や立地条件、編集可否情報や構成物の素材や強度
などの情報を検索して、顧客の望む条件と価格帯を満た
す物件を検索し、たとえば図４の画面例で示したよう
に、物件を表示する。

【００１０】図４の画面例では、変更前のシステムキッ
チンの外観と価格を画面，で表示している。また、
編集用のデータを格納したデータベースＤＢ３を利用し
て、現在使用されている部材からの交換候補や新たに設
置可能な商品群などを画面と画面に表示している。
図示された例では、システムキッチンのキャビネットの
扉柄に関する代替候補を画面に表示しており、また、
カランに対する代替候補を画面に表示している。この
例の場合、顧客は好みに応じてキャビネットの扉柄やカ
ランを変更することができる。その変更操作（つまり、
物件情報の編集作業）は、端末の操作部を用いて、例え
ば、マウスによる選択や画面タッチによる選択により顧
客の意思を反映させて行うものである。

【００１１】顧客が物件の情報を変更すると、商品や工
事の価格データを格納したデータベースＤＢ４から変更
後の商品の価格や、変更に要する工事費などが読み出さ
れて、画面に表示された価格が変更される。この例で
は、選択した物件の価格が１５００万円であることを示
している。カランやキャビネットの扉に対しても、品番
毎に値段を登録してあるので、交換した場合は、商品代
金と提示されている工事代金をあわせた金額が購入価格
として表示される。また、変更後の外観を確認できるよ
うに、画面に表示されるシステムキッチンの画像は、
キャビネットの扉柄やカランの画像を顧客が選択した商
品の画像に置き換えて表示される。

【００１２】このような物件の変更前後の表示を可能と
するために、物件の３次元形状データを格納したデータ
ベースＤＢ１は、変更可能な各商品の３次元形状データ
をそれぞれ格納している。本システムの表示手段は、選
択された商品を組み合わせて構成される物件の外観を、
任意の視点から表示できるようにするＣＧ（コンピュー
タグラフィックス）のソフトウェアを含んでいる。この
ようなソフトウェアは、空間に配置される各部品の表面
の３次元座標と３原色に対する反射率の情報とに基づい
て、任意の座標に置かれた任意の発光色の光源から出た
光が、任意の視点に達するまでの光線の反射を計算する
ものであり、周知の技術で実現できる。なお、図４の画
面例では特に図示していないが、例えば、システムキッ
チンの照明器具の形態や発光色、取り付け位置などを変
更可能としたような場合にも、変更後の見え方がどのよ
うになるか、影の出来る位置も含めて表示することがで
きる。

【００１３】図４では、データベース搭載端末Ａでの物
件の表示及び編集について説明したが、他のローカル端
末Ｂ，Ｃについても、物件情報の編集手段と、編集前後
の物件の表示手段を持つ端末であれば、データべース搭
載端末Ａと同様に、ネットワーク接続された端末Ｂ，Ｃ
からでも同様に本システムを利用することができる。こ
の場合、端末Ｂ，Ｃはデータベース搭載端末Ａの表示及
び編集用のソフトウェアを遠隔操作しても良いし、デー
タベース搭載端末Ａから表示及び編集用のソフトウェア
をダウンロードしてデータベースのみをアクセスするよ
うにしても良い。このように、ネットワークを通じてシ
ステムの利用を可能としたことにより、世界中のどこか
らでも本システムを利用することができる。

【００１４】たとえば、東京にいる顧客ｂとアメリカに
いる顧客ｃが、大阪に新居を探したい場合、なかなか現
場に物件を見に行くことができない。このような場合、
図２のシステムでは、登録物件を双方からネットワーク
を通じて検索し確認することが出来る。また、該当物件
を改装して入居したい場合、仮想空間に提示された同一
の物件に対し、壁紙を貼り替えたり、キッチンセットを
入れ替えたりといった編集を行い、双方でその過程を共
有することで顔を突き合わせて相談しているかのごとく
に編集を進めることができる。このように、遠隔地にい
る２人が共同で物件購入を検討しなければならない場合
などに、同時に物件をみながら編集検討できるから、効
率的であり、便利である。

【００１５】図５はデータベース搭載端末に格納された
物件を一例として示す説明図である。この例では、和室
１、洋間３、リビングルーム１、キッチン、洗面、トイ
レ、ユニットバスを備えた４ＬＤＫの物件について、壁
システム、天井システム、床システムの基本仕様のほか
に、細部のユニットの変更や移動の可否、物件構成部材
の素材などを特性データベースに格納している。たとえ
ば、この物件については、トイレやユニットバスは、設
置する位置は変更できないが、ユニットの種類のみの変
更は可能であること、また、可動間仕切りは横１０ｍ、
縦５ｍの範囲で移動可能で、削除も可能であること、ク
ローゼットは削除は可能であるが、移動は不可であるこ
と、クロスは張り替え可能であるが、コンクリートうち
っぱなしは不可であること、システムキッチンは横３６
００ｍｍまでの拡張が可能であることなどを変更可否情
報として特性データベースに格納している。また、床
材、天井材、造作部材、和室構成材の素材なども特性デ
ータベースに格納している。さらに、照明、ホームエレ
クトロニクス、分電盤、情報配線の仕様なども特性デー
タベースに格納している。そのほか、床下収納、玄関収
納、内装ドア、防火ドアの仕様なども特性データベース
に格納している。なお、交換可能な商品の価格や工事費
用については、この物件のみに固有のデータではなく、
商品に固有のデータであるので、特性データベースとは
別の価格データベースに格納している。これにより、複
数の物件について、同じ商品が使用されている場合に
は、価格データベースを共用することができ、物件毎の
特性データを格納する特性データベースをコンパクトに
構成することができる。３次元形状データベースについ
ても同様である。

【００１６】この物件について物件情報を編集する場合
には、図５に例示したような特性データベースに格納さ
れた変更可否情報が制約条件となるので、実際に工事が
出来ないような変更をユーザが選択することを防止でき
る。すなわち、物件毎に固定壁や可動壁など変更可否情
報や物件構成物の素材・強度などを物件の特性データべ
ースとして持っているため、それら物件の増築・改築・
改装やレイアウト変更にいたるリフォームに該当する編
集を顧客（ユーザ）自身が間違いなく行うことができ
る。これらのデータべースからの情報を参照しながらシ
ステムが現実には工事が出来ないような編集がおこらな
いように制約をかけているので、専門知識の無いユーザ
も安心して設計をおこなうことができ、このシステムで
設計した結果はそのまま現実に発注することができる。

【００１７】また、物件の現状と編集後の様子は、３次
元映像として確認できる。これにより、事前に変更後の
様子が確認できるため購入の不安感を軽減できる。さら
に販売主にとっては物件の付加価値を向上させることが
できる。また、ユーザは変更後の物件の様子を見なが
ら、変更後の価格がどうなるかを知ることができる。図
５の例では、自分で動かせる壁などは、独自での移動の
場合は０円で、移動を依頼した場合には価格データベー
スに掲載された工事費のみを追加という形で計算する。
これにより、顧客は安心して改装の依頼を行うことがで
きる。このように、データべースに物件の現状での価格
と、施工部品の価格や工事費用などを登録することによ
り、物件の現状での価格を提示するとともに、変更後の
価格提示を行うことが出来るので、実際に増築・改築・
改装やレイアウト変更などの発注に結びつきやすくな
る。また、販売する側も顧客が注文を変更するたびに改
めて見積もり作業をやり直す必要がなく、効率的であ
る。

【００１８】図１は本システムをパーソナルコンピュー
タ上に実現する場合のブロック構成図である。データベ
ースＤＢ１〜ＤＢ４はハードディスク等の大容量記憶装
置のファイルとして実現される。表示手段１、検索手段
２、編集手段３、価格算出手段４は、コンピュータのソ
フトウェアにより実現される。操作部５はマウスやタブ
レットのような入力装置により実現される。表示部６は
モニターとグラフィックボードなどで構成される。

【００１９】図中に記された番号＃１〜＃１８は、単一
ユーザに対する本システムの処理の進行手順を概略的に
示している。プログラムをスタートさせた初期状態で
は、表示部６に物件検索のための条件入力を促す画面が
表示されているものとする。ユーザが操作部５から検索
手段２に検索条件を入力する（＃１）と、検索手段２は
入力された検索条件で物件の特性データベースＤＢ２を
検索する（＃２）。物件の特性データベースＤＢ２から
検索条件を満足する物件が見つかる（＃３）と、その物
件と本体価格を表示する指示が表示手段１に与えられる
（＃４）。表示手段１は物件名を指定して３次元形状デ
ータベースＤＢ１をアクセスし（＃５）、その物件の編
集前の外観を示す映像（たとえば図４の画面）を画像
データとして読み出す（＃６）。この画像データが表示
部６に表示される。このとき、編集前の物件の本体価格
（たとえば図４の画面）が同時に表示される。

【００２０】また、検索手段２は編集手段３に対して、
表示された物件（＝編集すべき物件）についての編集上
の制約条件を通知する（＃７）。編集手段３は物件の編
集上の制約条件を指定して編集用のデータベースＤＢ３
をアクセスし（＃８）、その物件についての変更候補を
読み出す（＃９）。例えば、図４の例では、キッチンの
カランやキャビネットの扉柄について、交換可能である
こと並びに現状の詳細な仕様が特性データベースに記憶
されているので、代替可能な商品を変更候補として読み
出す。読み出された変更候補は、編集手段３から表示手
段１に通知される（＃１０）。表示手段１は変更候補の
部品名を指定して３次元形状データベースをアクセスし
（＃１１）、変更候補の映像（たとえば図４の画面，
）を読み出して（＃１２）、表示部６に表示する。こ
の変更候補の映像を見ながら、ユーザが操作部５により
選択を行うことにより、物件情報の編集が行われる（＃
１３）。

【００２１】編集手段３は物件編集の内容（たとえば選
択された商品の品番）を表示手段１に通知し（＃１
４）、表示手段１は編集後の物件の外観をＣＧ技術によ
り合成して表示部６に表示する。同時に、編集手段３は
物件編集の内容を価格算出手段４に通知する（＃１
５）。価格算出手段４は、選択された商品名や工事の内
容を指定して価格データベースＤＢ４をアクセスし（＃
１６）、商品や工事の価格を読み出す（＃１７）。読み
出された商品の価格、工事費を本体価格に加算し、交換
前の商品の価格を差し引いて、最終的な物件の購入価格
を算出し、表示手段１に通知する（＃１８）。表示手段
１では、表示部６に物件編集後の最終的な物件の購入価
格を表示する。これにより、ユーザは物件を構成する商
品や設置される位置などを様々に変更しながら、変更後
の物件の外観と購入価格をその都度把握することができ
る。以上が単一のユーザに対する本システムの物件編集
処理手順である。

【００２２】図３は複数のユーザに対する本システムの
処理の進行手順を示している。物件編集部における処理
の流れは、ユーザが複数になる点を除けば、図１で説明
した＃４〜＃１８の流れと略同一である。図３の例で
は、さらに、物件編集部の前段にメニュー形式の物件検
索部を設けると共に、物件編集部の後段にデータ返送部
を設けている。以下、各部の動作について詳しく説明す
る。

【００２３】まず、物件検索部では、データべース内の
物件特性情報と検索メニューとをリンクし、顧客にシス
テム側からメニュー形式で物件を提示することにより、
顧客ニーズに沿った物件を効率的にかつ容易に検索でき
るようにしている。図３の例では、３段階の絞り込みに
より物件を検索している。まず、希望地域の絞り込み、
すなわち物件を探す区域が大阪か東京かなどの限定を行
う。複数の地域を選択することも可能である。次に、賃
貸か購入かの選択を行う。最後に、その他の希望条件の
入力を行う。この条件とは、家賃（購入費）がいくらの
範囲で、部屋は４ＬＤＫで、南向きの窓を持ち、１４階
以上などの条件である。この時、システムは、物件の特
性データべース内の価格情報や立地条件など、直接条件
検索できる情報だけでなく、室内の変更可否情報を加味
し、現在は６ＬＤＫであるが壁をとれば４ＬＤＫになる
とか、改装費込みでも予算内におさまるなどの条件まで
考慮して検索を行う。尚それぞれの条件は、必ずしも入
力の必要がない。３段階すべてを利用した検索を行って
も良いし、１段階目だけの条件での選択でも良い。この
ように、物件検索部では、検索項目がメニュー形式で提
示されるので、顧客（ユーザ）が自分のニーズに合った
物件を容易に検索できる。

【００２４】次に、物件編集部では、選択物件の３次元
映像を表示する。ここで、遠隔地に居る第２ユーザが第
１ユーザと共に物件の検討を行う場合には、第２ユーザ
によるアクセス認証を行う。具体的には、パスワードや
アドレスを用いて第２ユーザからアクセス依頼を行い、
アクセスが許可されれば、第１ユーザと同一の３次元映
像が第２ユーザにも表示される。第１ユーザがデータベ
ースから選択物件の情報を読み込むと、第２ユーザの端
末にも同一情報が読み込まれる。これにより、選択物件
の変更可否情報、編集用部材情報、価格情報などを第１
ユーザと第２ユーザとで共用することができる。データ
ベースから読み込まれた情報に基づいて、第１ユーザ又
は第２ユーザによる物件の体験・編集が行われると、同
じ編集結果が第１ユーザと第２ユーザとで送受信され
て、結果として編集後の３次元映像が第１ユーザと第２
ユーザに呈示される。

【００２５】最後に、データ返送部では、顧客のおこな
った物件編集内容をデータべース作成側に返すことによ
り、顧客の希望を添えた自動発注が可能となる。また、
壁を抜いた大きな区切りの部屋を望む顧客が多いのか、
細切れの部屋を望む顧客が多いのかや、何畳くらいの部
屋の大きさに人気があるのかなど、編集後のデータを分
析することにより現在の顧客ニーズの把握に役立つ。ま
た、６ＬＤＫから４ＬＤＫに部屋を変更したい顧客が多
いというデータがとれたならば、この変更に的を絞った
項目を各物件のデータべースに追加し、物件検索の効率
化に役立てることもできる。さらに、色々と編集は行っ
たけれども発注にいたらなかった顧客に対しては、物件
検索部等で、希望物件内容の条件だけでなく顧客の住所
や氏名等の情報を収集することにより、顧客に応じたダ
イレクトメールの作成や顧客情報リストの作成など営業
ツールとしての利用も可能である。このように、データ
返送部では、変更内容がデータべース作成側に戻される
ので、変更内容の分析から現在の顧客ニーズを把握でき
る。また、変更内容や変更方法から、より簡易な変更メ
ニューの作成や、変更結果から他の類似物件の提示のた
めのデータべース構築が可能となる。

【００２６】図６は、設計の初期案を作成する初期設計
のためのインターフェイスとして、感性キーワードを用
いて希望条件を入力する例を示している。本実施例で
は、設計対象物（例えば、リビングルーム）の最終的に
作成したいイメージを、予め用意された感性イメージの
中から選ぶ。この例では、画面に表示されたメルへン
調、ナチュラルエコロジー風、カントリー風の中から選
ぶ。選択画面では、それぞれのイメージ語の違いや特
徴が分かるような画像もイメージ図として表示する。例
えば、メルへン調が選ばれた場合、メルヘン調の初期案
が作成される。選択に応じた設計が行われている間、画
面にはイメージを想像させる映像（この場合、メルヘ
ン風の絵）を提示し、ユーザの満足する設計との差異な
どを考える時間を与え、以降の設計の時間短縮を図る。
また、希望のイメージが無い場合や、自由に設計を行い
たい場合は「自由気まま風」を選択する。「自由気まま
風」では、何も無い部屋が提示されるだけで、すべてを
ユーザ自身で設計する。

【００２７】図７は設計の過程で感性キーワードを用い
て設計の編集（変更）を行うインターフェイスを示した
ものである。画面左側には、現在の設計内容（この例で
はシステムキッチン）が表示されており、画面右側に
は、設計を編集するための編集インターフェイスが表示
されている。初期設計の段階で、メルへン調を選択した
場合には、設計を変更するための素材（ダイニングセッ
ト、床の色など）はメルへン調のイメージを損なわない
ものだけをシステム側で選択して提示する。メルへン調
以外のイメージに変えたい場合、イメージ変更の編集
で、どの程度どのように変更するのかを選択する。図示
された例では、「少し」「王室風に」イメージを変更す
る場合を示している。選択後、スタートボタンを押す
と、現在の設計の内容をべースに変更が行われる。な
お、最初に「自由気まま風」を選んだ場合は、編集用の
選択肢は、メルへン調、ナチュラルエコロジー風、カン
トリー風すべてのイメージのものが均一に用意される。

【００２８】上述の実施形態では、物件編集部で３次元
映像の表示手段を用いているが、これは、たとえば、頭
部搭載型のディスプレイや、ドーム型のディスプレイな
ど没入感の得られる３次元映像提示装置を用いることに
より、仮想現実感が得られる立体映像を提示するもので
ある。このとき、顧客（ユーザ）の頭の位置や手の位
置、身体の各部位を計測できる磁気センサーや赤外線セ
ンサーなどを用いてユーザの動きを計測し、その動きを
映像に反映させることにより、ユーザは現実にその物件
の内部に居るような感覚を体験でき、さらに編集設計後
の部屋も実際に住む時の感覚で見ることができるので、
思い違いなどの問題が解決される。また、物件情報の編
集作業も実際に部屋の内部のレイアウト変更を行うのと
同様の動作で編集作業を行うことができ、現実感を増し
た作業を行うことが出来る。

【００２９】また、ユーザの力のかかり具合を計測し
て、その結果を３次元空間の表示に反映させれば、つい
肘を強くぶつけてしまう場所や、子供がぶら下がりそう
な場所、何か物を取る時に支えたり載ったりする場所を
確認することができる。さらに、ユーザの力のかかり具
合の計測結果を、データベースに格納された部品の強度
と比較することにより、ぶつけたときの壁の傷つき具合
や、露出した柱にぶら下がった時のたわみ具合を予測
し、事前に補強の必要性があるかどうかを確認できるの
で、事故を未然に防ぐことができる。

【００３０】

【発明の効果】請求項１の発明は、物件毎に固定壁や可
変壁など変更可否情報や物件構成物の素材・強度などを
物件の特性データべースとして格納しているため、それ
ら物件の増築・改築・改装やレイアウト変更にいたるリ
フォームに該当する編集を顧客（ユーザ）自身が間違い
なく行うことができる。すなわち、これらのデータべー
スからの情報を参照しながらシステムが現実には工事が
出来ないような編集がおこらないように制約をかけてい
るので、専門知識の無いユーザも安心して設計をおこな
うことができ、このシステムで設計した結果はそのまま
現実に発注することができる。また、物件の現状と編集
後の様子は、事前に映像として確認できるため購入の不
安感を軽減できる。

【００３１】請求項２の発明は、データべースが登録さ
れている端末と、物件の表示手段および物件の編集手段
を有する端末とがネットワークを介して接続されている
ので、ネットワークを通じて世界のどこからでもシステ
ムを利用することができる。請求項３の発明は、データ
べースに物件の現状の価格と、施工部品の価格や工事費
用などを登録することにより、物件の現状の価格を提示
するとともに、変更後の価格提示を行うことが出来るの
で、実際に増築・改築・改装やレイアウト変更などの発
注に結びつきやすくなる。

【００３２】請求項４の発明は、顧客の希望条件を入力
して第２のデータベースから顧客の希望条件を満たす物
件を検索して表示する手段を付加したので、検索項目を
メニュー形式等で提示すれば顧客（ユーザ）が自分のニ
ーズに合った物件を容易に検索できる。請求項５の発明
によれば、希望が明確化されていないユーザに対して
も、設計の初期の段階から希望のイメージに近い設計か
らスタートすることができ、最終的に満足のいく設計ま
での到達時間を短縮できる。これは、ユーザの設計に対
する負担を軽減することになり、楽しく疲れのない設計
支援が実現される。また、設計の過程で現在の提示設計
図からより希望のものへの変更点の指示に感性キーワー
ドを利用することにより上記と同等の効果が得られる。

【００３３】請求項６の発明は、顧客による物件情報の
変更内容を蓄積するためのデータベースを設けたことに
より、変更内容の分析から現在の顧客ニーズが把握でき
る。また、変更内容や変更方法から、より簡易に操作で
きる変更メニューの作成や、他の類似物件を提示するた
めのデータべース構築ができる。請求項７の発明は、遠
隔地にいる２人が共同で物件購入を検討しなければなら
ない場合などに、同時に物件をみながら編集検討できる
から、効率的であり、便利である。

【００３４】請求項８の発明は、３次元立体視をおこな
うことにより生成した映像への没入感が高まり、現実に
その物件内にいるような感覚を体験できる。さらに、ユ
ーザの動きを計測し、その動きを映像に反映できること
から実際に部屋の内部のレイアウト変更を行うのと同様
の動作で作業を行うことができ、現実感を増した作業を
行うことが出来る。請求項９の発明は、ユーザが肘を強
く壁に打ちつけた時の壁の傷つき具合や、露出した柱に
ぶら下がった時のたわみ具合などを計測できるので、事
前に補強の必要性があるかどうかを確認できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の物件情報編集支援システムをパーソナ
ルコンピュータ上で実現した場合の概略構成を示すブロ
ック図である。

【図２】本発明の物件情報編集支援システムをネットワ
ークに接続された複数の端末で利用する場合の概略構成
を示す説明図である。

【図３】本発明の物件情報編集支援システムを複数のユ
ーザが共同で利用する場合の処理の手順を示す説明図で
ある。

【図４】本発明の物件情報編集支援システムによる画面
上の表示例を示す図である。

【図５】本発明の物件情報編集支援システムの特性デー
タベース上に格納される物件の特性データを例示的に説
明するための斜視図である。

【図６】本発明の物件情報編集支援システムの初期設計
案の作成に感性キーワードによる希望条件の入力を用い
た実施例の説明図である。

【図７】本発明の物件情報編集支援システムの設定の過
程で感性キーワードによる希望条件の入力を用いた実施
例の説明図である。

【符号の説明】

１表示手段２検索手段３編集手段４価格算出手段５操作部６表示部ＤＢ１３次元形状データベースＤＢ２物件の特性データベースＤＢ３編集用のデータベースＤＢ４価格データベース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｇ０６Ｆ 15/60 ６０２Ａ６８０Ｂ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】物件の３次元形状データを格納する第
１のデータベースと、物件の特性データを格納する第２のデータベースと、物件情報の編集に必要なデータを格納する第３のデータ
ベースと、第１のデータベースから読み出される３次元形状データ
に基づいて物件情報を編集する前後の物件の外観を表示
する表示手段と、第２のデータベースから読み出される物件の特性データ
を制約条件として、第３のデータベースから読み出され
る物件情報編集用のデータを用いて物件情報の編集を行
う編集手段とを備えることを特徴とする物件情報編集支
援システム。
【請求項２】請求項１において、データべースが登
録されている端末と、物件の表示手段および物件の編集
手段を有する端末とがネットワークを介して接続されて
いることを特徴とする物件情報編集支援システム。
【請求項３】請求項１又は２において、物件を構成
する部品の価格情報を格納する第４のデータベースを有
することを特徴とする物件情報編集支援システム。
【請求項４】請求項１乃至３のいずれかにおいて、
顧客の希望条件を入力して第２のデータベースから顧客
の希望条件を満たす物件を検索して表示する手段を付加
したことを特徴とする物件情報編集支援システム。
【請求項５】請求項４において、顧客の希望条件は
感性キーワードで入力されることを特徴とする物件情報
編集支援システム。
【請求項６】請求項１乃至５のいずれかにおいて、
顧客による物件情報の変更内容を蓄積するための第５の
データベースを有することを特徴とする物件情報編集支
援システム。
【請求項７】請求項１乃至６のいずれかにおいて、
物件の表示手段および物件の編集手段を有する２台以上
の端末がネットワークを介して接続されており、各端末
間で物件編集内容データを相互に送受信する手段を持つ
ことを特徴とする物件情報編集支援システム。
【請求項８】請求項１乃至７のいずれかにおいて、
物件の表示手段は、３次元立体視用の映像生成機能を有
し、生成された３次元空間におけるユーザの位置や動き
を計測する手段を設け、その計測結果に応じて３次元空
間の表示を変更する手段を設けたことを特徴とする物件
情報編集支援システム。
【請求項９】請求項８において、ユーザが物に接触
した力のかかり方を計測する手段と、その計測結果に応
じて３次元空間の表示を変更する手段を設けたことを特
徴とする物件情報編集支援システム。