JP6629636B2 - 図面作成装置、及び図面作成プログラム - Google Patents
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Description
図11(a)は、CADで平面表示された施工図400で、UBを設置する浴室と、建材としてのドア430と窓440が表示されている。
一方、図11(b)は、住宅機器メーカが提供しているUBのUB立体図300aを表したものである。この図11(b)に示されるように、従来提供されているUB立体図300aには壁、天井、ドアが付属していないのが一般的である。これは、施工図400にUB立体図300aを配置した図11(d)に示すように、UBの壁でドア430や窓440が隠れたり、ドアが重複して表示されないようにするためである。
このため、CADユーザは、図11(a)の施工図400やその立体図において、UBを配置する部屋の入り口を作成したり別途ドア430を配置する作業が必要であった。
しかし、住宅設備メーカーが提供しているUBは各製品でドアの位置、種別、サイズの組み合わせが予め決まっているため、より忠実に表現された施工図400や立体図を作成するための作業がユーザの負担になっている。
この作業を軽減し、UBの忠実な平面図を施工図400に表したのが図11(c)である。この図では、提供されているUB立体図300aを上方から透視した状態の図を作成し、これをUBの平面図として施工図400に配置したものである。
しかし、UB立体図300aは製品をできるだけ忠実に表現する場合が多いため、実際の施工図としては図11(c)に示すように煩雑になってしまっていた。
また、作成するサイズが合わないと、図11(c)に示すように隙間500aができたり、壁まではみ出す可能性がある。
さらに、この図11(a)の施工図400の立体図にUB立体図300aを配置すると、図11(d)に示すように、平面図の隙間500bに対応する隙間500aができてしまう場合もある。これらの隙間やズレを手作業で補正することも可能であるが、その作業が負担になる。
(2)請求項2に記載の発明では、前記ドア設定手段は、前記ユニットバスの前記ドアと平行で、最も近い壁に前記ドア表示を自動設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の図面作成装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記取得した施工図の浴室の壁にドア表示が存在する場合、当該施工図のドア表示を削除するドア削除手段と、をさらに具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の図面作成装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記ドア表示は、ドアに対応するドア開口部の表示とドアの表示であることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の図面作成装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記UB図取得手段は、前記UB平面図に対応し、壁を含む前記ユニットバスの立体図であるUB立体図を取得し、前記施工図に対応した立体図である施工立体図を作成する施工立体図作成手段と、前記施工図に設定したドア開口部に対応する、前記施工立体図のドア開口部に対応して、前記UB立体図のドア枠の枠幅を拡張するドア枠拡張手段と、を具備したことを特徴とする請求項4に記載の図面作成装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、前記建物に配置される窓の情報に基づいて、当該窓に対向する前記UB立体図の壁に窓開口部を設ける窓開口手段と、をさらに具備したことを特徴とする請求項5に記載の図面作成装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、建物の施工図に対応する立体図である施工立体図を取得する施工立体図取得手段と、前記建物に設置するユニットバスの立体図であるUB立体図を取得するUB立体図取得手段と、前記取得した施工立体図に、前記取得したUB立体図を配置する立体図配置手段と、前記建物に配置される窓の情報に基づいて、当該窓に対向する前記UB立体図の壁に窓開口部を設ける窓開口手段と、を具備したことを特徴とする図面作成装置を提供する。
(8)請求項8に記載の発明では、前記窓開口部に対応して、前記施工立体図の窓枠の枠幅を拡張する窓枠拡張手段と、をさらに具備したことを特徴とする請求項6、又は請求項7に記載の図面作成装置を提供する。
(9)請求項9に記載の発明では、建物の施工図を取得する施工図取得機能と、前記建物に設置するユニットバスの平面図であるUB平面図を取得するUB図取得機能と、前記取得した施工図に、前記取得したUB平面図を配置する平面図配置機能と、前記ユニットバスに配置されるドアの情報に基づいて、当該ドアに対向する前記施工図の壁に対してドア表示を自動設定するドア設定機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とする図面作成プログラムを提供する。
(10)請求項10に記載の発明では、建物の施工図に対応する立体図である施工立体図を取得する施工立体図取得機能と、前記建物に設置するユニットバスの立体図であるUB立体図を取得するUB立体図取得機能と、前記取得した施工立体図に、前記取得したUB立体図を配置する立体図配置機能と、前記建物に配置される窓の情報に基づいて、当該窓に対向する前記UB立体図の壁に窓開口部を設ける開口機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とする図面作成プログラムを提供する。
請求項7、請求項10に記載の発明によれば、施工立体図にUB立体図を配置し、建物に配置される窓の情報に基づいて、当該窓に対向する前記UB立体図の壁に窓開口部を設けるので、図面作成作業を軽減することができる。
(1)実施形態の概要
本実施形態の図面作成装置2では、CADで作成した施工図(平面図)にUB(ユニットバス)の平面図(UB平面図)を配置し、施工図から作成する立体図(施工立体図)にUBの立体図を(UB立体図)を配置する。
施工立体図に配置するUB立体図は、天井や壁面、ドアを含むとともに、UBに取り付け可能な各種オプション(バスタブ、シャワー、鏡、カウンタ−、ドア取り付け位置やドア種別、サイズ、色など)を含め、実製品をできるだけ忠実に再現した立体図を使用する。
一方、施工図に配置するUB平面図は、UB立体図の構成(基本形状と各オプション)に対応している一方で、施工図に配置した際に煩雑にならない程度に適宜省略された平面図を使用する。
図面提供サーバでは、各設備の基本形状や各オプションを表すXVL(eXtensible Virtual world description Language)形式の立体図をデータベースに記憶すると共に、各立体図に対応したSVG(Scalable Vector Graphics)形式の平面図も記憶している。各平面図は、施工図に配置するために作成されるため、製品をできるだけ忠実に再現している立体図に比べ、その製品であることが容易に分かる程度に簡略、抽象化されている。
そして、図面提供サーバでは、UB立体図を組み立てるとその基本形状や各種オプションに対応する各平面図を組み立てることでUB平面図も作成され、ダウンロード対象となる。
(a)ドア処理
施工図に既にドアが記述されている場合にはドアと、ドア用の開口部を削除する。また、UBのドアと対向する施工図の壁を開口し、UBのドア種別(開き戸、引き戸、押し戸等)に対応する平面表示記号をCAD用に準備されているデータを検索して、開口部に自動的に引き当てる。このドアを施工図に平面描画する際には、ドアのサイズや開き方(押し開き、引き開き)などについても、製品としてのUBに合わせて描画する。
また、この施工図の壁がUBに合わせてドア用開口部を作成することにより、施工立体図にも、UBのドアに対応した位置に新たにドア用の開口が形成され、この開口にUB立体図のドア枠が収まった状態になる。この際UB側のドア枠の見込みを、施工立体図側の壁の内法面(浴室と外側の壁の面、内のり)まで延長し、ドア枠の出分だけUBから外側に出す。これにより、UBの壁外側と浴室内の壁との間に隙間が存在する場合でも、施工立体図において、隙間を幅延長したドア枠で隠すことができる。
窓処理では、ドアとは逆に、施工立体図の窓に基づいて、対応するUB立体図の壁を検索して対応サイズで開口する。そして、施工立体図の窓枠をUB立体図の内法面まで延長し、窓枠の出分だけUBの壁から内側に出す。これによりドアと同様に、UB立体図と施工立体図との間に隙間があっても、延長した窓枠で隠すことができる。
図1は、本実施形態の図面作成装置2の構成を表したものである。
この図1に示すように、図面作成装置2は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、通信制御装置24、ディスプレイ25、キーボード26、マウス27、記憶装置28などを用いて構成されている。
ROM22は、CPU21が端末5を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶している。
RAM23は、CPU21が設備配置処理や、図面提供サーバとの通信を行う場合などの各種処理におけるワーキングメモリを提供する。
ディスプレイ25は、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、CADで作成中の施工図や、施工図から作成した立体図を表示したり、図面提供サーバが提供する仮想空間においてUB等の各種設備の組立(基本形状やオプションの指定、変更)を行う際に提供される各図面データを表示する。
ユーザは、ディスプレイ25を確認しながら、システムキッチンやUB等の各種設備の作成と設備情報のダウンロードを指示したり、ダウンロードした設備情報を施工図などに配置する作業を行う。
マウス27は、施工図の作成操作などに用いられる入力デバイスである。またマウス27は、図面提供サーバが提供する画面をマウス操作するのに用いられる。例えば、設備の基本形状やオプションを選択したり、設備の立体形状を表示させる際の視点を移動・回転させたりすることができる。
プログラム281には、図面提供サーバが提供する環境においてUB等の各種設備の詳細な立体図やCAD用の平面図を作成する際に使用するブラウザプログラムや、施工図の作成やダウンロードした各設備情報による図面を施工図や施工立体図に配置するCADが記憶されている。
設備マスタ283には、図面提供サーバからダウンロードした各種設備の設備情報が保存される。
図2は、施工図DB282に記憶されている施工図40の一部を表したものである。この図2では、本実施形態のUBの配置処理を説明するために、UBの配置が指定されている浴室42、浴室42の隣室45を含めた各部屋が壁41で形成されている。浴室42は4つの壁411〜414で囲まれ、壁414には建造物の建具として窓44(平面表示記号)が描かれている。
また、壁412は浴室(UB)への入り口として壁412に開口43が形成されると共に、開口43の位置に押し戸を表す平面表示記号であるドア記号431が表示されている。なお、作り付けの浴室ではなくUBを設置する場合、ドアはUBの設備であるが、CADで施工図を作成する場合、ユーザが便宜上、間取りと浴室の入り口のドアを先に決定する場面が多い。
図1(b)は設備マスタ283に保存されるデータ内容について表したものである。
図1(b)に示すように、設備マスタ283には、図面提供サーバからダウンロードした設備情報(後述の図8(6)、(7)参照)として、検索キー(基本ID、オプションID群のハッシュ値)、設備立体データ(XVL形式)、設備平面データ(SVG形式)、オプション情報(XMLデータ)が保存される。
検索キーは、ダウンロードした設備(設備を組み立てている全オプションの構成を含めた設備全体)を特定するための識別子として使用され、設備のオプション構成を変更する場合に、変更対象となる設備を特定するために図面提供サーバに送信される。
設備平面データ(SVG形式)は、設備の立体図に対応して作成された平面図を表示するデータである。
ここで、XVL形式は、3次元形状を表現する際に用いられるファイルフォーマットであり、仮想3次元空間の中で対象を立体的に表現することができる。
一方、SVG形式は、対象をベクトルデータで表示する際に用いられるファイルフォーマットであり、CADで操作することができる。
なお、本実施形態では、立体を表現するファイル形式としてXVL形式によるが、使用するCADにより施工図から立体形状を表現する際のファイル形式と同じであれば他の表現形式を使用するようにしてもよい。この点は平面図に対するSVG形式も同様である。
例えば各種表現形式として、DWF形式、DXF形式、DWG形式、JWC形式、JWW形式、IGES形式、SIMA形式、STEP形式、SXF形式、3DS形式を使用することも可能である。
なお、UBについて図面で説明する場合、同一のオプションを指定する符号として同一数字を使用するものとし、さらにa、bにより立体図と平面図を区別するものとして使用する。
UB立体図30aは、図3(a)に示すように、基本形状に組み込むオプションとして、天井や壁31a、ドア32a、バスタブ33a、カウンタ34a、その他(シャワーや鏡など)の各オプションの立体図が組み込まれている。このように、図面提供サーバからダウンロードされる各設備立体図は、実際の製品で使用される各オプションが実際に取り付けられる位置に配置された状態に忠実に描かれるようになっている。
図3(b)に示すように、UB平面図30bには、UB全体を囲う壁31b、バスタブ33b、カウンター34bで表現されている。
UB平面図30bでは、ドアについては表示対象となっていない。その代わりに、本実施形態のドア処理において、UBのドアに対向している施工図の壁を特定するために、UB立体図30aのドア位置に対応する位置に入り口位置情報32bが規定されている。この入り口位置情報32bはデータとして存在するだけであり、図3(b)では説明のために表示している。
なお、入り口位置情報32bは、UB平面図30bを描画する際に使用する他の情報と混同しないようにするため、特別なレイヤが割り当てられて、SVGデータに記憶される。
同様に、UB平面図30b(SVG形式)の特別なレイヤには、壁31の4面それぞれの内法面を特定する内法面情報も保存されている。この内法面情報は、窓処理で使用される。
図面提供サーバ側のデータには、図示しないが各オプションにも基準点が規定され、基本形状の基準点39aに対する位置関係情報から組立がなされている。
なお、図面提供サーバからのダウンロード対象は組立後の建具全体の立体図と平面図であるため、オプションの基準位置と位置関係情報はダウンロード対象ではない。但し、ダウンロード対象として、建具全体の立体図、平面図に加え、又は、変えて、建具の基本形状と全オプションに対する立体図と平面図をダウンロード可能にする場合には、図面作成装置2でUB立体図30a、UB平面図30bを組み立てるために、各オプションの基準位置や位置関係情報もダウンロード対象となる。
図4は、UBの配置処理の処理動作を表したフローチャートである。
図5は、UB立体図30aとUB平面図30bを配置した後の施工図40と、その施工立体図を表したものである。
図6は、配置後の施工立体図を他の角度から表したものである。
図7は、本実施形態による窓処理を行った場合の施工立体図の窓の状態と、行わない場合の窓の状態を表したものである。
以下の配置処理では、図2に表した施工図40に、図3で表したUB30を配置する場合を例に、配置処理後の施工図と、施工立体図を参照しながら各動作について説明する。
なお、配置対象であるUB平面図30bの向き(図3(b))と、配置後の向き(図5(a))は上下が逆になっているため、図5(a)には基準点39bを表示しているが、この基準点は上述したように実際の施工図にも表示されない。
そして、CPU21は、検出した両ドアは一致しているか否かについて判断する(ステップ15)。この判断は、ドアの位置、タイプ(引き戸、押し戸等)、形状等のドアに関する情報が一致している場合に一致していると判断する。
この既配置のドア削除において、CPU21は、ドアが配置されている壁412の開口43を削除する(壁にする)と共に、表示されているドア431を削除する。削除後の状態は、図5(a)の施工図において符号(43)に示すように、元の開口43とドア431は消えて連続する壁412となっている。
すなわち、CPU21は、UB平面図30bの入り口位置情報32bで特定したUBのドア(閉まった状態のドア)と平行で、最も近くに存在する施工図40の壁41を検索することで、該当する壁413を特定する。
そして、CPU21は、設備マスタ283のXMLデータに記憶されているドア情報(ドアの位置、ドアの方向、ドアの種別記号、サイズ、開き方向等)を読み出し、特定した施工図40の壁413に対し、ドアサイズ(幅と高さ)に応じた開口46を作成すると共に、ドア種別に対応したドア462を描画する。なお、施工図40の壁413に作成する開口46の情報には、ドア幅だけでなく高さも立体図作成用に保存される。
以上により、施工図40に対する処理が完了する。
すなわち、CPU21は、UB平面図30bを配置した後の施工図40(図5(a))から施工立体図を作成し、この施工立体図にUB立体図30aを配置する。図5(b)は、UB立体図30aを配置した後の施工立体図で、図5(a)の施工図40に示した矢印Aを視点としている。また図6は、施工図40に示した矢印Bを視点とする施工立体図である。
施工図40には壁413にUBのドアサイズに対応した開口46が既に形成されているので、この施工平面図40から作成する施工立体図にも開口46が形成される。その結果、図6に示されるように、浴室の隣室45から開口46を通してUB立体図30aのドア32aが見えている。
更に、CPU21は、施工立体図に対して、UBのドア枠321aの拡張処理を行うことで、ドア位置における壁41とUBの壁31aとの隙間を隠す。すなわち、UB側のドア枠321aの見込みを、施工立体図の壁413の内法面(浴室の外側にある隣室45側の壁の面)までと、更に、枠の出分だけUBから外方向に延長する。
これにより、UBの壁31aと浴室の壁413と間に隙間50が存在する場合であっても、施工立体図では、隙間50の幅を拡張したドア枠321aで隠すことができる。すなわち、図6に示すように、ドア枠321aの幅が拡張されることで、隙間が存在しない画像となる。
以上により、UBのドア32に対する平面図と立体図の処理が完了する。
すなわちCPU21は、施工図40から、壁41に設けられた窓を検出する(ステップ35)。図2に示した施工図40の例では、この窓検出で壁414に設けられた窓44が検出される。
そしてCPU21は、検出した窓44(建具)に対応するUBの壁を特定する(ステップ40)。すなわちCPU21は、窓44の窓の面に平行で、且つ、最も窓44の位置に近いUBの内法面を、UB平面図30b(SVG形式)の内法面情報を使用して検索する。この検索により、UB平面図30bの内法面311bとその壁312b(図3(b))が特定され、さらに、対応するUB立体図30aの内法面311aと、その壁312aが特定される。
窓開口処理を行わないと、図7(b)に示すように、UBの壁312aに開口が存在していないため、UB内に視点を置いた画像ではUBの壁312aだけが見えて、窓が見えない状態となる。そこで、窓処理において、UBの対応する壁の開口と、窓枠幅の拡張が行われる。
すなわちCPU21は、まず窓44のサイズに対応する開口を、施工立体図のUB立体図30aの壁312aに設ける。これにより、UB内からの視線に対する画像では、壁312aの開口を通して窓44が描画されることになる(図5(b)、図7(a)参照)。
そこで、窓枠440を拡張し、拡張した窓枠442とすることで、隙間を隠す。すなわち、窓枠442の見込みを、壁312aの内法面311aまでと、更に、枠の出分だけUBの内側方向に延長する。これにより、窓44とUBとの隙間を隠すことができる。
以上により、建物の窓44に対する立体図の処理が完了し、UB処理を終了する。
いずれにしても、配置をUBと建物のどちらにするかは処理前に決められていればよく、予めデフォルトとして決められていてもよく、ユーザが指定するようにしてもよい。
そして、UBと建物の両方にドアが記載されている場合には重複を回避するために、決められた側に配置されているドア表現を残し、他方を削除する。
なお、窓については、UBと建物の両方を残すようにしてもよい。この場合、それぞれ異なる壁面に配置されている場合には両方を残し、同一面である場合には、予め決められ、若しくは、ユーザが選択した窓を残し、又は、大きな方の窓を残すようにしてもよい。
この場合、UB平面図30bのドア位置と窓位置には開口表示だけする。ドアと窓の表示は施工図40側のドア462と、窓44の表示による。
次に、この図面提供サーバとの間で行う設備の作成、更新処理について説明する。以下の説明では、ダウンロードする設備としてシステムキッチンについて説明するが、UBについても同様に行われる。
図8は、図面提供サーバと図面作成装置2間で行われる、設備の作成と更新を行う処理の全体の流れについて表したものである。
なお、図面提供サーバにアクセスすることで設備を作成する装置は複数存在し、装置の種類としてはパーソナルコンピュータや携帯端末など各種存在する。そこで、以下の説明では、図面作成装置2を含めた端末5の処理として説明する。
図面提供サーバでは、設備(建材)を構成するための各種データとして、対象となるキッチン、洗面、お風呂等の各種設備毎に、その基本的な形状や大きさ等を決定するための基本形状と、各基本形状に取り付け可能な各種のオプションとで構成されている。各基本形状とオプションのそれぞれは、識別用の基本ID、オプションIDで管理され、基本形状の基本形状立体データと基本形状平面データ、及び、オプションのオプション立体データとオプション平面データが設備DB152(後述)に保存されている。
なお、以下の説明では、基本形状立体データとオプション立体データを纏めて立体データといい、基本形状平面データとオプション平面データを纏めて平面データというものとする。
(1)設備を新規作成する場合、ユーザは、例えばシステムキッチンや洗面化粧台などの対象となる設備の基本形状を選択する。図8では、基本形状として「I型左シンク」が選択された場合について表している。
端末5では、送信される設備立体データを確認しながら、希望によりオプションの変更を仮想3次元空間において行う。この変更処理に基づいて、図面提供サーバでは指示されたオプションのオプション立体データに変更した設備立体データを作成し、端末5の画面に表示させる。
設備立体データの作成では、基本形状立体データ(XVL形式)に、各オプションの取り付け位置情報(後述)を持ち、その位置で変更したオプション立体データを入れ替えることで、設備立体データ(XVL形式)を作成する。
図8では、選択されたシステムキッチンの基本形状「I型左シンク」に対して、デフォルトのオプションである「シンク:標準シンク」、「水栓金具:標準水栓」、「加熱機器:3口コンロ」が選択されている場合について表している。詳細は後述するが、基本形状と各オプションには予め親子関係の階層が規定されることで、親の変更により選択可能なオプションも変化するようになっている。
なお、基本形状自体の変更も可能であるが、基本形状を変更した場合にはオプションはリセットされ、新たな基本形状に対するデフォルトのオプションが表示される。
なお、平面データが存在しないオプションが使用されている場合、当該オプションのオプションIDはオプション情報に含まれることでハッシュ値作成の対象となるが、平面データによる表現対象からは外されている。すなわち、CADによる表現の対象外であるオプション、例えばスイッチやUBの鏡などの小さいものに対しては、立体データのみ存在し平面データは存在しない。
この平面データの作成の詳細については後述する。
オプションID群は、作成済み設備の変更要求に対して、当該設備立体データを作成するために保存される。
なお、ユーザが作成した設備立体データそのものについては、基本IDとオプションID群とから構築できるので保存対象から外すことで保存データ量を抑制しているが、保存対象に含めるようにしてもよい。
本実施形態では、設備を特定するサイズ一定の識別情報を検索キーとし、この検索キーに基本IDと、オプションID群のハッシュ値とを使用する。但し、識別情報の一部に使用するオプションID群のハッシュ値に変えて、元のデータから一定の計算手順により算出可能な規則性のない固定長のデータであればよく、その算出方法は問わない。計算式は一方向性関数でも、それ以外を使用してもよい。また、オプションID群を平文とする暗号文をハッシュ値に変えて使用することも可能である。暗号化の方式については、RC4、DES、3DES、AES等の共通鍵方式、RSA、ElGamal等の公開鍵方式のいずれも可能である。
また、本実施形態では、検索キー以外に、設備の全体を構成する設備立体データと設備平面データをダウンロード対象としているが、この両データに加えて、又は両データに変えて、設備を構成する基本形状とオプションの立体データと平面データを対象とするようにしてもよい。
更に、検索キー以外のダウンロード対象として、設備の全体又は/及び設備を構成する基本形状とオプションに対する、立体データと平面データのいずれか一方を対象とするようにしてもよい。ユーザの利用形態(利用データ)に応じたダウンロード対象の特定であり、このダウンロード対象についてはユーザが選択できるようにしてもよい。但し、いずれの場合においても、検索キーとなる基本IDとハッシュ値については常にダウンロード対象である。
但し、基本IDとオプションID群とを合わせてハッシュ値を算出する場合には、当該ハッシュ値を検索キーとして保存する。この場合でも、図面提供サーバの組立設備DB153には、ハッシュ値が検索キーとして、基本IDが設備の基本形状を特定するために保存される。
(8)端末5では、保存した設備情報(設備立体データ、設備平面データ、製品情報等)をCADで利用することができる。すなわち、ユーザは、CADに取り込んだ設備立体データを端末5の画面で確認することで、希望通りの設備であるか否かを判断したり、建築図面等に設備平面データを反映させたりする。
(10)図面提供サーバは、端末5から基本IDとハッシュ値を受信すると、この両者を検索キーとして組立設備DB153を検索し、対象となる設備を特定する。この際、組立設備DB153には設備の画像表示をするための設備立体データが存在しないので、特定した設備の基本IDと、オプションID群を使用して、設備DB15から各々の立体データを読み出し、(2)で説明したと同様にして設備立体データを組み立てる。
以下、ユーザによる設備立体データの変更の処理が行われる。この処理とそれ以降の処理は(1)以降で説明したのと同様である。
ユーザにシステムキッチンの立体形状を完成させてもらう場合、全体のベースとなるフロアキャビネットを選択してもらい、これにオプションを追加して積み上げていってもらう方式が可能である。
何れの方式でもよいが、図面作成システム1では、一般の顧客の利便性を考慮して操作が容易な後者の方式を選択した。
図面提供サーバは、システムキッチン立体データ100a、101a、・・・によって端末5のシステムキッチン立体図を表示させ、ユーザに選択してもらう。
なお、システムキッチン立体データ100aは、I型左シンクであり、システムキッチン立体データ101aは、I型右シンクである。
システムキッチン立体データ100aは、フロアキャビネット立体データ30a、3口コンロ立体データ70a、及びワークトップ立体データ40aを組合せて構成されている。
図面提供サーバは、システムキッチン立体データ100aを構成するこれら立体データの組合せを設備DB152に記憶しており、これに従って立体データを組み立てて端末5に表示させる。
ユーザは、デフォルトのシステムキッチン立体データに対して、オプションの追加や変更を行い、所望のシステムキッチンが得られるように試行錯誤する。
そのため、標準シンク立体データ50aを幅広シンク立体データ51aと交換する場合は、アセンブリごとの交換となる。
即ち、この場合、図面提供サーバは、ワークトップ、シンク、及び水栓をまるごと交換する。
また、図面提供サーバは、オプションが付け替えられた設備の3次元画像を表示するなどして、ユーザがオプションの追加や変更を試行錯誤する過程を端末5で見せる。
このため、図面提供サーバは、基本形状立体データに組み合わされるオプション立体データが更新される過程を立体的に表示する。
図面提供サーバは、基本形状にオプションを取り付けていき、更には、オプションの上に更なるオプションを取り付けたりする。
オプションの取り付け位置は様々であり、組合せによって生じる取り付け位置の数は膨大となる。
即ち、基本形状の立体データに設定された座標系上にオプションによる相対座標系が設定されることになる。
なお、この図では、座標系の関係が分かり易くなるように、実際の間隔ではなく、等間隔に表してある。
ここでは、平面データを作成する作図平面をフロアキャビネット座標系のzx平面とし、作図平面の原点がフロアキャビネット座標系の基準点30cと同一になるようにしておく。
まず、基準点40c、50c、60cをy方向に投影すると、フロアキャビネット座標系のzx平面上に投影点40g、50g、60gが得られる。
なお、図では、x座標値は、図の煩雑化を避けるために省略している。
この平面データの組合せを1つの平面データファイルにまとめれば(マージすれば)、目的の平面データが得られる。
(1)CADで作成した施工図に、ダウンロードしたUB平面図30bを自動的に配置することができる。
(2)CADで作成した施工図を元に作成した立体図に、ダウンロードしたUB立体図30aを自動的に配置することができる。
(3)施工図の浴室に入口が記載されていない場合であっても、配置したUB平面図30bに基づいて、UBのドアに対向する施工図の壁位置を自動的に検出し、検出した施工図の壁にドアサイズに対応した開口を自動的に形成することができる。
(4)施工図の浴室に、UBのドアと一致しないドアが記載されている場合には、当該施工図のドアと開口を自動的に消去することができる。
(5)UB平面図30bのドアに対応して開口処理をした施工図から作成した施工立体図の開口部に対して、設置したUB立体図30aのドア枠の幅を、施工立体図の隣室側の内法面から出るように拡幅しているので、建物とUBとの間に隙間が存在していても立体図上での隙間を隠すことができる。これにより、施工立体図で表現されている廊下や各室内などをウォークスルー表示(配置した視点位置と方向をマウスで移動することで、各視点位置と方向に応じて逐次画像を変化させる表示)をした場合にも、隙間が現れることなく実際の建築状況により近い自然な表示をすることができる。
(6)施工立体図の窓に対応する開口をUB立体図30aに設けることで、UB立体図30aを配置後の施工立体図において、UBの内側からの視線に対して窓を表示させることができる。
(7)更に、UB立体図30aに設けた開口に対して、施工立体図の窓枠の幅を拡張することで、UBと建物との間の隙間を隠すことができると共に、自然なウォークスルー表示を提供することができる。
5 端末
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 通信制御装置
25 ディスプレイ
26 キーボード
27 マウス
28 記憶装置
281 プログラム
282 施工図DB
283 設備マスタ
30a UB立体図
30b UB平面図
31a、31b、312a、312b 壁
311a、311b 内法面
32a、32b ドア
321a ドア枠
33a、33b バスタブ
34a、34b カウンタ
40 施工図
41、411〜414 壁
42 浴室
43 ドア
44 窓
45 隣室
440、442 窓枠
Claims (10)
- 建物の施工図を取得する施工図取得手段と、
前記建物に設置するユニットバスの平面図であるUB平面図を取得するUB図取得手段と、
前記取得した施工図に、前記取得したUB平面図を配置する平面図配置手段と、
前記ユニットバスに配置されるドアの情報に基づいて、当該ドアに対向する前記施工図の壁に対してドア表示を自動設定するドア設定手段と、
を具備したことを特徴とする図面作成装置。 - 前記ドア設定手段は、前記ユニットバスの前記ドアと平行で、最も近い壁に前記ドア表示を自動設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の図面作成装置。 - 前記取得した施工図の浴室の壁にドア表示が存在する場合、当該施工図のドア表示を削除するドア削除手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の図面作成装置。 - 前記ドア表示は、ドアに対応するドア開口部の表示とドアの表示である
ことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の図面作成装置。 - 前記UB図取得手段は、前記UB平面図に対応し、壁を含む前記ユニットバスの立体図であるUB立体図を取得し、
前記施工図に対応した立体図である施工立体図を作成する施工立体図作成手段と、
前記施工図に設定したドア開口部に対応する、前記施工立体図のドア開口部に対応して、前記UB立体図のドア枠の枠幅を拡張するドア枠拡張手段と、
を具備したことを特徴とする請求項4に記載の図面作成装置。 - 前記建物に配置される窓の情報に基づいて、当該窓に対向する前記UB立体図の壁に窓開口部を設ける窓開口手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項5に記載の図面作成装置。 - 建物の施工図に対応する立体図である施工立体図を取得する施工立体図取得手段と、
前記建物に設置するユニットバスの立体図であるUB立体図を取得するUB立体図取得手段と、
前記取得した施工立体図に、前記取得したUB立体図を配置する立体図配置手段と、
前記建物に配置される窓の情報に基づいて、当該窓に対向する前記UB立体図の壁に窓開口部を設ける窓開口手段と、
を具備したことを特徴とする図面作成装置。 - 前記窓開口部に対応して、前記施工立体図の窓枠の枠幅を拡張する窓枠拡張手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項6、又は請求項7に記載の図面作成装置。 - 建物の施工図を取得する施工図取得機能と、
前記建物に設置するユニットバスの平面図であるUB平面図を取得するUB図取得機能と、
前記取得した施工図に、前記取得したUB平面図を配置する平面図配置機能と、
前記ユニットバスに配置されるドアの情報に基づいて、当該ドアに対向する前記施工図の壁に対してドア表示を自動設定するドア設定機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする図面作成プログラム。 - 建物の施工図に対応する立体図である施工立体図を取得する施工立体図取得機能と、
前記建物に設置するユニットバスの立体図であるUB立体図を取得するUB立体図取得機能と、
前記取得した施工立体図に、前記取得したUB立体図を配置する立体図配置機能と、
前記建物に配置される窓の情報に基づいて、当該窓に対向する前記UB立体図の壁に窓開口部を設ける開口機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする図面作成プログラム。
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JP2016039429A JP6629636B2 (ja) | 2016-03-01 | 2016-03-01 | 図面作成装置、及び図面作成プログラム |
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