JP2000206301A - 光学材料およびそれを用いた光学製品 - Google Patents

光学材料およびそれを用いた光学製品

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JP2000206301A
JP2000206301A JP11002438A JP243899A JP2000206301A JP 2000206301 A JP2000206301 A JP 2000206301A JP 11002438 A JP11002438 A JP 11002438A JP 243899 A JP243899 A JP 243899A JP 2000206301 A JP2000206301 A JP 2000206301A
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Japan
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compound
optical material
optical
polymerizing
meth
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JP11002438A
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English (en)
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Yoshitaka Kitahara
義孝 北原
Takeshi Kyo
健 姜
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高屈折率、低分散で、透明性に優れ、かつ光
学歪がない等、光学特性に優れる上、耐溶剤性、耐衝撃
性、耐候性も良好な光学材料、およびこの光学材料から
なる光学製品を提供すること。 【解決手段】 (式中、k、mおよびnは、それぞれ独立に1〜3の整
数を示す。)で表されるテトラチオール化合物と、分子
中に少なくとも1個のイソシアネート基および少なくと
も1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を、予
め反応させて得られたチオカーバメイト結合をもつラジ
カル重合性化合物を含有する重合性組成物を、重合する
ことにより得られる重合硬化物からなることを特徴とす
る光学材料、およびこの光学材料からなる光学製品であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学材料及びそれ
を用いた光学製品に関し、さらに詳しくは、高屈折率、
低分散で、透明性に優れ、かつ光学歪がない等、光学特
性に優れる上、耐溶剤性、耐衝撃性、耐候性も良好な光
学材料、およびこの光学材料からなるレンズをはじめと
する光学レンズ、プリズム、光ファイバー、記録媒体用
基板、フィルター、さらにはグラス、花瓶などの光学製
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックはガラスに比べると、軽量
で割れにくく染色が容易なため、近年各種レンズ等の光
学部品に使用されるようになった。実用化されている光
学用プラスチック材料としては、ポリジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネート(CR−39)やポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)がある。しかしながら、
これらのプラスチック材料は屈折率が1.5以下である
ため、例えばレンズ材料に用いた場合、度数が強くなる
程レンズが厚くなり、軽量であるというプラスチックの
優位性が損なわれてしまうばかりか、審美性の点でも好
ましくなかった。また特に凹レンズにおいては、レンズ
の周囲の厚さ(コバ厚)が厚くなり、複屈折や色収差が
生じやすいなどの問題があった。
【0003】そこで、比重の小さいプラスチックの特徴
を生かし、レンズの肉厚を薄くできるようにするため、
屈折率の高いプラスチック材料が望まれていた。そのよ
うな性能を有する材料としては、例えば(1)イソシア
ネート基を有する重合性不飽和化合物と特定のチオール
化合物を反応させて得られる化合物を10〜90重量%
含む組成物(特開平4−80213号公報)、(2)分
子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基と2つ以上の
硫黄原子を含有する化合物と多官能イソシアネート化合
物と多官能ヒドロキシ又はメルカプト化合物との反応物
を主成分とするプラスチックレンズ(特開平8−198
932号公報)、(3)分子内にビスフェノールA骨格
とカーボネート構造を有するアクリル系単量体からなる
光学材料(特開平9−208529号公報)などが開示
されている。
【0004】しかしながら、前記(1)の組成物におい
ては、イソシアネート基を有する重合性不飽和化合物と
特定のチオール化合物を反応させて得られる化合物のみ
ではなりたたないため、他の成分を含有しており、した
がって、その組成物から得られる重合体は他成分の影響
を受け屈折率が大きく低下するか、屈折率を向上させよ
うと芳香環やハロゲン原子を導入することにより、アッ
ベ数や耐候性が低下するという欠点がある。また、前記
特開平4−80213号公報8頁左上欄13行〜右上欄
8行に具体例が記載されているようにチオウレタンアク
リレートの合成に時間を要するという問題もある。
【0005】一方、前記(2)のプラスチックレンズ及
び(3)の光学材料は、屈折率は高められているもの
の、屈折率を高めるために導入した芳香環の影響によ
り、アッベ数や耐候性に劣るなどの欠点を有しており、
さらに該(2)のプラスチックレンズにおいては、異な
る重合官能基を同時に反応させるため、重合の制御が困
難であって、脈理や光学歪などが生じやすいという問題
もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、高屈折率、低分散で、透明性に優れ、か
つ光学歪がない等、光学特性に優れる上、耐溶剤性、耐
衝撃性、耐候性も良好な光学材料、およびこの光学材料
からなる光学製品を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する光学材料を開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、特定のポリチオール化合物と、分子中に少な
くとも1個のイソシアネート基と少なくとも1個の(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物をあらかじめウレタ
ン反応させて得られたラジカル重合性化合物を少なくと
も含む重合性組成物を、重合させることにより得られる
硬化物からなる光学材料が、その目的に適合し得ること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、一般式(I)
【化2】 (式中、k、mおよびnは、それぞれ独立に1〜3の整
数を示す。)で表されるテトラチオール化合物と、分子
中に少なくとも1個のイソシアネート基および少なくと
も1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を、予
め反応させて得られたチオカーバメイト結合をもつラジ
カル重合性化合物を含有する重合性組成物を、重合する
ことにより得られる重合硬化物からなることを特徴とす
る光学材料を提供するものである。本発明はまた、前記
光学材料からなる光学製品をも提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光学材料は、チオカーバ
メイト結合をもつラジカル重合性化合物を含有する重合
組成物を重合させて得られる重合硬化物からなるもので
あって、上記チオカーバメイト結合をもつラジカル重合
性化合物は、テトラチオール化合物と分子中に少なくと
も1個のイソシアネート基および少なくとも1個の(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物を反応させることに
より得られる。なお、(メタ)アクリロイル基はアクリ
ロイル基とメタクリロイル基の両方を意味する。
【0010】このようなチオカーバメイト結合をもつラ
ジカル重合性化合物は、チオカーバメイト結合の含有率
が高いため、屈折率及びアッベ数がより高められてお
り、これを用いて光学材料を製造した場合、その光学材
料の屈折率及びアッベ数も高められる。さらに、チオカ
ーバメイト結合を含有する割合の高さは、これを用いて
製造した光学材料に、高耐衝撃性をはじめとする優れた
機械的物性を与えることができる。またラジカル重合性
基を4つ有することから、自己架橋性を有するため、こ
れを用いて光学材料を製造した場合、副成分として架橋
剤を加えなくても、その光学材料に高耐溶剤性や高耐熱
性を与えることができる。
【0011】前記チオカーバメイト結合をもつラジカル
重合性化合物の原料の1つであるテトラチオール化合物
は、一般式(I)
【化3】 で表される構造を有するものである。この一般式(I)
におけるk、mおよびnは、それぞれ1〜3の整数を示
し、それらはたがいに同一であってもよいし、異なって
いてもよい。
【0012】このような化合物の例としては、テトラキ
ス(5−メルカプト−2,4−ジチアペンチル)メタ
ン、テトラキス(6−メルカプト−3,5−ジチアヘキ
シル)メタン、テトラキス(7−メルカプト−4,6−
ジチアヘプチル)メタン、テトラキス(6−メルカプト
−2,5−ジチアヘキシル)メタン、テトラキス(7−
メルカプト−3,6−ジチアヘプチル)メタン、テトラ
キス(8−メルカプト−4,7−ジチアオクチル)メタ
ン、テトラキス(7−メルカプト−2,6−ジチアヘプ
チル)メタン、テトラキス(8−メルカプト−3,7−
ジチアオクチル)メタン、テトラキス(9−メルカプト
−4,8−ジチアノニル)メタン、テトラキス(6−メ
ルカプト−2,4−ジチアヘキシル)メタン、テトラキ
ス(7−メルカプト−3,5−ジチアヘプチル)メタ
ン、テトラキス(8−メルカプト−4,6−ジチアオク
チル)メタン、テトラキス(7−メルカプト−2,5−
ジチアヘプチル)メタン、テトラキス(8−メルカプト
−3,6−ジチアオクチル)メタン、テトラキス(9−
メルカプト−4,7−ジチアノニル)メタン、テトラキ
ス(8−メルカプト−2,6−ジチアオクチル)メタ
ン、テトラキス(9−メルカプト−3,7−ジチアノニ
ル)メタン、テトラキス(10−メルカプト−4,8−
ジチアデシル)メタン、テトラキス(7−メルカプト−
2,4−ジチアヘプチル)メタン、テトラキス(8−メ
ルカプト−3,5−ジチアオクチル)メタン、テトラキ
ス(9−メルカプト−4,6−ジチアノニル)メタン、
テトラキス(8−メルカプト−2,5−ジチアオクチ
ル)メタン、テトラキス(9−メルカプト−3,6−ジ
チアノニル)メタン、テトラキス(10−メルカプト−
4,7−ジチアデシル)メタン、テトラキス(9−メル
カプト−2,6−ジチアノニル)メタン、テトラキス
(10−メルカプト−3,7−ジチアデシル)メタン、
テトラキス(11−メルカプト−4,8−ジチアウンデ
シル)メタンを挙げることができるが、これらの中で特
に得られる光学材料の性能および入手の容易さなどの点
から、テトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘ
プチル)メタンが好ましい。
【0013】もう1つの原料である分子中に少なくとも
1個のイソシアネート基と少なくとも1個の(メタ)ア
クリロイル基を有する化合物の例としては、アクリロイ
ルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、2
−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナト
エチルメタクリレート、2−イソシアナトプロピルアク
リレート、2−イソシアナトプロピルメタクリレートな
どが挙げられるが、これらの中で、特に得られる光学材
料の性能および入手の容易さなどの点から、2−イソシ
アナトエチルメタクリレートが好ましい。上で例示した
ものは、少なくとも1個のイソシアネート基と少なくと
も1個の(メタ)アクリロイル基を有するものである
が、2個以上のイソシアネート基を有するものでも良
く、また2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するも
のでもよい。
【0014】前記チオカーバメイト結合をもつラジカル
重合性化合物は、上記のテトラキスチオール化合物と、
分子中に少なくとも1個のイソシアネート基と少なくと
も1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを、
通常−SH基/−NCO基の比率1.0:0.8〜1.
0:1.2の割合でウレタン反応させることにより得ら
れる。反応方法については特に制限はなく、一般的なウ
レタン反応の方法を用いることができる。
【0015】この反応においては、所望により、触媒を
適宜用いてもよい。この触媒としては、アミン化合物、
有機金属化合物などが効果的であり、具体的には、トリ
エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N
−ジメチルオクチルアミン、N,N,N′,N′−テト
ラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、4,4′−トリ
メチレンビス(1−メチルピペリジン)、1,8−ジア
ザビシクロ−(5,4,0)−7−ウンデセン、ジメチ
ルスズジクロライド、ジメチルスズビス(イソオクチル
チオグリコレート)、ジブチルスズジクロライド、ジブ
チルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブ
チルスズマレエートポリマー、ジブチルスズジリシノレ
ート、ジブチルスズビス(ドデシルメルカプチド)、ジ
ブチルスズビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジ
オクチルスズジクロライド、ジオクチルスズマレエー
ト、ジオクチルスズマレエートポリマー、ジオクチルス
ズビス(ブチルマレエート)、ジオクチルスズジラウレ
ート、ジオクチルスズジリシノレート、ジオクチルスズ
ジオレエート、ジオクチルスズジ(6−ヒドロキシ)カ
プロエート、ジオクチルスズビス(イソオクチルチオグ
リコレート)、ジドデシルスズジリシノレート、オレイ
ン酸銅、アセチルアセトン酸銅、アセチルアセトン酸
鉄、ナフテン酸鉄、乳酸鉄、クエン酸鉄、グルコン酸
鉄、オクタン酸カリウム、チタン酸2−エチルヘキシル
等が挙げられ、特に好ましくは、ジブチルスズジクロラ
イド、ジブチルスズジラウレートが挙げられる。これら
の触媒は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0016】また、反応温度および反応時間は、使用す
る原料の種類や触媒の使用の有無などにより異なるが、
一般にはそれぞれ−10〜50℃および0.1〜4時間
程度である。すなわち、特開平4−80213号公報記
載の方法よりも短時間で合成可能である。
【0017】該重合性組成物には、光学材料の物性を適
宜改良するために、前記チオカーバメイト結合をもつラ
ジカル重合性化合物以外に、ラジカル重合基を有し、か
つ上記化合物と共重合可能なラジカル重合性化合物を1
種もしくは2種以上含んでいてもよい。このラジカル重
合性化合物としては、具体的には、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
ジグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、、ネオペンチルクリ
コールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールビ
スグリシジル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)
アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロー
ルジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジア
リルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリ
ルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカー
ボネート、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレ
ン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、2,5−ビス
(2−チア−3−ブテニル)−1,4−ジチアン、2,
5−ビス((メタ)アクリロイルチオメチル)−1,4
−ジチアンなどが挙げられ、特に好ましくは、2,5−
ビス(2−チア−3−ブテニル)−1,4−ジチアンが
挙げられる。なお、上記(メタ)アクリレートは、アク
リレートとメタクリレートの両方を意味し、(メタ)ア
クリロキシ基は、アクリロキシ基とメタクリロキシ基の
両方を意味する。
【0018】重合性組成物中のチオカーバメイト結合を
もつラジカル重合性化合物の含有量は、好ましくは30
重量%以上、より好ましくは40重量%以上、特に好ま
しくは50重量%以上である。
【0019】本発明の光学材料には、吸光特性を改良す
るために紫外線吸収剤、色素や顔料等を、耐候性を改良
するために、酸化防止剤、着色防止剤等を、成形加工性
を改良するために、離型剤等を、所望により適宜加える
ことができる。
【0020】ここで、紫外線吸収剤としては、例えばベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系
等が、色素や顔料としては、例えばアントラキノン系や
アゾ系等が挙げられる。酸化防止剤や着色防止剤として
は、例えばモノフェノール系、ビスフェノール系、高分
子型フェノール系、硫黄系、リン系等が、離型剤として
は、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性
剤、酸性リン酸エステル、高級脂肪酸等が挙げられる。
【0021】本発明の光学材料となる重合硬化物を得る
ための重合性組成物の重合方法としては、熱や紫外線な
どを使用する公知のラジカル重合方法を用いることがで
きるが、得られる光学材料の光学的均一性や製造上の簡
便性から、特に紫外線照射による方法が望ましい。
【0022】その際、重合反応性向上のために、触媒を
適宜使用してもよく、公知の増感剤等が効果的である。
具体的には、ベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノ
ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4
−ジメチルアミノ安息香酸メチル、ベンゾイン、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、
ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジエトキシ
アセトフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、アシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの触媒は単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0023】前記紫外線照射における条件は、触媒の使
用の有無、触媒の種類、使用するラジカル重合性化合物
の種類等により異なるが、一般には、照射強度は0.1
〜100mW/cm2、照射時間は5秒〜30分であ
る。
【0024】1例として、本発明の光学材料の製造方法
について述べると以下の通りである。前記チオカーバメ
イト結合をもつラジカル重合性化合物、該化合物と共重
合可能なラジカル重合性化合物及び添加剤や触媒を含有
する均一混合物を、公知の注型重合法、すなわち紫外線
を透過するガラス製または樹脂製のモールドと樹脂製の
ガスケットを組み合わせた型の中に注入し、紫外線を照
射して硬化させる。この際、成形後の樹脂の取り出しを
容易にするためにあらかじめモールドを離型処理した
り、チオカーバメイト結合をもつラジカル重合性化合物
等を含む混合物中に離型剤を含有させてもよい。さらに
紫外線照射終了後、重合を完結させたり、材料内部に発
生する応力を緩和させるために、加熱することも好まし
く行われる。加熱温度及び時間は、紫外線照射エネルギ
ー量等により異なるが、一般にはそれぞれ30〜150
℃、0.2〜24時間である。このようにして得られた
本発明の光学材料は、通常1.55以上の屈折率を有し
ている。また、本発明の光学材料は通常の分散染料を用
い、水もしくは有機溶媒中で容易に染色が可能である
が、この際さらに染色を容易にするために、キャリアー
を加えたり加熱してもよい。
【0025】本発明はまた、このようにして得られた光
学材料からなる光学製品をも提供するものであり、この
光学製品としては特に制限はなく、例えば眼鏡レンズを
はじめとする光学レンズ、プリズム、光ファイバー、記
録媒体用基板、フィルター、さらにはグラス、花瓶など
を挙げることができるが、これらの中で、光学レンズ、
特に眼鏡レンズが好適である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例において得られた光学材料
(重合硬化物)の物性評価は以下のようにして行った。
【0027】(1)屈折率(nD )とアッベ数(νD ) カルニュー社製精密屈折率計を用いて20℃にて測定し
た。
【0028】(2)外観 肉眼により観察した。
【0029】(3)耐候性 サンシャインカーボンアークランプを装備したウエザー
メーターにレンズ(光学材料を用いた光学製品)をセッ
トし200時間経過したところでレンズを取り出し、試
験前のレンズと色相を比較し、下記の基準で耐候性を評
価した。 ○ :変化なし △ :わずかに黄変 ×:黄変
【0030】(4)耐溶剤性 アセトンを用いた拭き取りテストを行い、下記の基準で
耐溶剤性を評価した。 ○ :変化がない ×:表面にあれや膨潤がみられる
【0031】(5)光学歪 シュリーレン法による目視観察を行い、下記の基準で光
学歪を評価した。 ○ :歪が認められない ×:歪が認められる
【0032】実施例1 (1)チオカルバメート結合含有ラジカル重合性化合物
の製造 テトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチ
ル)メタン34.1g(0.05mol)と2−イソシ
アナトエチルメタクリレート31.0g(0.2mo
l)との混合物に、触媒としてジブチルスズジラウレー
ト0.25gを添加後、40℃で2時間攪拌した。放冷
後、無色透明でわずかに粘稠なチオカーバメイト結合を
もつラジカル重合性化合物を65.1g得た。
【0033】(2)本発明の光学製品の製造例 上記(1)で得られたチオカーバメイト結合をもつラジ
カル重合性化合物(表1中でTRMと表示)100重量
部及び2,2−ジエトキシアセトフェノン(表1中でD
EAと表示)0.2重量部の混合物を均一に撹拌し、二
枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、8mW/cm2
強度の紫外線を10分間照射した後、120℃で3時間
加熱することによりプラスチックレンズを得た。得られ
たプラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1か
ら、このプラスチックレンズは無色透明であり、屈折率
(nD )は1.61と高く、アッベ数(νD )も41と
非常に高く低分散であった。また、耐候性、耐溶剤性に
優れ、光学歪のないものであった。
【0034】実施例2 実施例1で得られたTRM50重量部、2,5−ビス
(2−チア−3−ブテニル)−1,4−ジチアン(表1
中でTBDと表示)50重量部及びDEA0.2重量部
の混合物を均一に撹拌し、二枚のレンズ成形用ガラス型
に注入し、8mW/cm2の強度の紫外線を10分間照
射した後、120℃で3時間加熱することによりプラス
チックレンズを得た。得られたプラスチックレンズの諸
物性を表1に示す。表1から、このプラスチックレンズ
は無色透明であり、屈折率(nD )は1.64と高く、
アッベ数(νD )も39と非常に高く低分散であった。
また、耐候性、耐溶剤性に優れ、光学歪のないものであ
った。
【0035】実施例3、4 表1に示した重合性組成物を使用した以外は実施例1と
同様の操作を行い、プラスチックレンズを得た。これら
のプラスチックレンズの諸物性を実施例1、2のプラス
チックレンズの諸物性と共に表1に示す。表1から、本
実施例3、4のプラスチックレンズは無色透明であり、
屈折率(nD )は1.58〜1.61と高く、アッベ数
(νD )も42〜45と非常に高く低分散であった。ま
た、耐候性、耐溶剤性に優れ、光学歪のないものであっ
た。
【0036】比較例1 2,4,6−トリブロモベンジルチオールと2−イソシ
アナトエチルメタクリレートを等モル反応させたチオウ
レタンメタクリレート(表1中でBBMと表示)100
重量部及びジイソプロピルパーオキシカーボネート(表
1中でIPPCと表示)2重量部の混合物を均一に撹拌
し、二枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、35℃で6
時間、50℃で4時間、70℃で3時間、85℃で5時
間、さらに100℃で1時間加熱することによりプラス
チックレンズを得た。得られたプラスチックレンズの諸
物性を表1に示す。表1から、このプラスチックレンズ
は、屈折率が1.64と高く、光学歪のないものであっ
たが、アッベ数が29と低く、黄色で、耐候性、耐溶剤
性に劣っていた。
【0037】比較例2 ビス(2−メルカプトエチレンチオメチレン)ベンゼン
のチオールメタクリレート(表1中でMBMと表示)7
5重量部、キシリレンジイソシアネート(表1中でXD
Iと表示)12重量部、ペンタエリスリトールテトラチ
オグリコレート(表1中でPETGと表示)13重量部
及びIPPC0.1重量部の混合物を均一に撹拌し、二
枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、80℃で6時間、
さらに115℃で10時間加熱することによりプラスチ
ックレンズを得た。得られたプラスチックレンズの諸物
性を表1に示す。表1から、このプラスチックレンズ
は、屈折率が1.63と高く、無色透明で、耐溶剤性に
優れたものであったが、アッベ数が30と低く、耐候性
に劣り、光学歪が見られた。
【0038】
【表1】 TRM:実施例1で得られたチオカーバメイト結合をも
つラジカル重合性化合物 TBD:2,5−ビス(2−チア−3−ブテニル)−
1,4−ジチアン MMA:メチルメタクリレート TCDA:トリシクロデカニルメタクリレート DEA:2,2−ジエトキシアセトフェノン BBM:2,4,6−トリブロモベンジルチオールと2
−イソシアナトエチルメタクリレートを等モル反応させ
たチオウレタンメタクリレート MBM:ビス(2ーメルカプトエチレンチオメチレン)
ベンゼンのチオールメタクリレート XDI:キシリレンジイソシアネート PETG:ペンタエリスリトールテトラチオグリコレー
ト IPPC:ジイソプロピルパーオキシカーボネート
【0039】
【発明の効果】本発明の新規な光学材料は、基本骨格中
に含まれるチオカーバメイト結合の割合が高いため、屈
折率、アッベ数が高く、耐熱性、耐候性、透明性に優
れ、光学歪が見られないことから、眼鏡レンズ、カメラ
レンズ等のレンズ、プリズム、光ファイバー、あるいは
光ディスクや磁気ディスク等に使用される記録媒体用基
板、フィルターなどの光学製品に好ましく用いられる。
さらに、高屈折率の特徴を生かしたグラス、花ビン等の
装飾品にも用いられる。また、本発明の光学材料は従来
のチオウレタンアクリレ−トレンズの製造時間と比べ製
造時間を短縮させることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、k、mおよびnは、それぞれ独立に1〜3の整
    数を示す。)で表されるテトラチオール化合物と、分子
    中に少なくとも1個のイソシアネート基および少なくと
    も1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を、予
    め反応させて得られたチオカーバメイト結合をもつラジ
    カル重合性化合物を含有する重合性組成物を、重合する
    ことにより得られる重合硬化物からなることを特徴とす
    る光学材料。
  2. 【請求項2】 テトラチオール化合物が、テトラキス
    (7ーメルカプトー2,5ジチアヘプチル)メタンであ
    る請求項1に記載の光学材料。
  3. 【請求項3】 分子中に少なくとも1個のイソシアネー
    ト基および少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を
    有する化合物が、2−イソシアナトエチルメタクリレー
    トである請求項1または2に記載の光学材料。
  4. 【請求項4】 重合性組成物が、チオカーバメイト結合
    をもつラジカル重合性化合物と共に、これと共重合可能
    なラジカル重合性化合物を含有する請求項1、2または
    3に記載の光学材料。
  5. 【請求項5】 共重合可能なラジカル重合性化合物が、
    2,5−ビス(2−チア−3−ブテニル)−1,4−ジ
    チアンである請求項4に記載の光学材料。
  6. 【請求項6】 光学的に透明である請求項1ないし5の
    いずれか1項に記載の光学材料。
  7. 【請求項7】 屈折率が1.55以上である請求項1な
    いし6のいずれか1項に記載の光学材料。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    の光学材料からなる光学製品。
  9. 【請求項9】 眼鏡レンズである請求項8に記載の光学
    製品。
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