JP2000352602A - 光学製品 - Google Patents

光学製品

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JP2000352602A
JP2000352602A JP11165541A JP16554199A JP2000352602A JP 2000352602 A JP2000352602 A JP 2000352602A JP 11165541 A JP11165541 A JP 11165541A JP 16554199 A JP16554199 A JP 16554199A JP 2000352602 A JP2000352602 A JP 2000352602A
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optical product
compound
optical
bis
meth
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JP11165541A
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English (en)
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Yoshitaka Kitahara
義孝 北原
Takeshi Kyo
健 姜
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高屈折率、低分散で、透明性に優れ、かつ光
学歪がない等、光学特性に優れる上、耐溶剤性、耐熱
性、耐衝撃性、耐候性も良好な光学製品を提供する。 【解決手段】 環内に少なくとも1個の硫黄原子を有す
る環状脂肪族ポリイソシアネート化合物と、分子中に少
なくとも1個の水酸基および少なくとも1個の(メタ)
アクリロイル基を有する化合物とを予め反応させて得ら
れたカルバメート結合をもつラジカル重合性化合物を含
む重合性組成物を重合することにより得られる重合硬化
物からなる光学製品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学製品に関し、
詳しくは、高屈折率、低分散で、透明性に優れ、かつ光
学歪がない等、光学特性に優れる上、耐溶剤性、耐熱
性、耐衝撃性、耐候性も良好な光学製品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】プラスチックはガラスに比べると、軽量
で割れにくく染色が容易なため、近年各種レンズ等の光
学部品に使用されるようになった。実用化されている光
学用プラスチック材料としては、ポリジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネート(CR−39)やポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)がある。しかしながら、
これらのプラスチック材料は屈折率が1.50以下であ
るため、例えばレンズ材料に用いた場合、度数が強くな
る程レンズが厚くなり、軽量であるというプラスチック
の優位性が損なわれてしまうばかりか、審美性の点でも
好ましくなかった。また特に凹レンズにおいては、レン
ズの周囲の厚さ(コバ厚)が厚くなり、複屈折や色収差
が生じやすいなどの問題があった。
【0003】そこで、比重の小さいプラスチックの特徴
を生かし、レンズの肉厚を薄くできるようにするため、
屈折率の高いプラスチック材料が望まれていた。そのよ
うな性能を有する材料としては、例えば(1)分子中に
チオール基または水酸基を有するラジカル重合性化合
物、ポリイソシアネート化合物、ジまたはトリチオール
化合物およびラジカル重合可能な不飽和化合物の共重合
体からなるプラスチックレンズ(特開平3−79614
号公報)、(2)水酸基を有する硫黄原子含有スチレン
化合物とイソシアネート化合物からなるプラスチックレ
ンズ用組成物(特開平6−128346号公報、特開平
9−165422号公報)、(3)分子内にビスフェノ
ールA骨格とカーボネート構造を有するアクリル系単量
体からなる光学材料(特開平9−208529号公報)
などが開示されている。
【0004】しかしながら、前記(1)のプラスチック
レンズにおいては、分子中にチオール基または水酸基を
有するラジカル重合性化合物、ポリイソシアネート化合
物およびジまたはトリチオール化合物のみでは十分に満
足しうる物性の重合体が得られないため、第4成分とし
てラジカル重合可能な不飽和化合物が必須となり、それ
らから得られる重合体は、第4成分の影響を受け屈折率
が大きく低下するか、屈折率を向上させようと芳香環等
を導入することにより、アッベ数や耐候性が低下すると
いう欠点がある。
【0005】一方、前記(2)のプラスチックレンズ用
組成物及び(3)の光学材料においては、屈折率は高め
られているものの、屈折率を高めるために導入した芳香
環の影響により、アッベ数や耐候性に劣るなどの欠点を
有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、高屈折率、低分散で、透明性に優れ、か
つ光学歪がない等、光学特性に優れる上、耐溶剤性、耐
熱性、耐衝撃性、耐候性も良好な光学製品を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する光学製品を開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、特定のポリイソシアネート化合物と、分子中
に少なくとも1個の水酸基と少なくとも1個の(メタ)
アクリロイル基を有する化合物とを予めウレタン反応さ
せて得られたラジカル重合性化合物を少なくとも含む重
合性組成物を、重合させることにより得られる硬化物か
らなる光学製品が、その目的に適合しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、環内に少なくとも1
個の硫黄原子を有する環状脂肪族ポリイソシアネート化
合物と、分子中に少なくとも1個の水酸基および少なく
とも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを
予め反応させて得られたカルバメート結合をもつラジカ
ル重合性化合物を含む重合性組成物を重合することによ
り得られる重合硬化物からなることを特徴とする光学製
品を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光学製品は、カルバメー
ト結合をもつラジカル重合性化合物を含む重合性組成物
を重合させて得られる重合硬化物からなるものであっ
て、上記カルバメート結合をもつラジカル重合性化合物
は、環内に少なくとも1個の硫黄原子を有する環状脂肪
族ポリイソシアネート化合物と、分子中に少なくとも1
個の水酸基および少なくとも1個の(メタ)アクリロイ
ル基を有する化合物とを反応させることにより得られ
る。なお、(メタ)アクリロイル基はアクリロイル基と
メタクリロイル基の両方を意味する。
【0010】このようなカルバメート結合をもつラジカ
ル重合性化合物は、原料の1つである特定の環状脂肪族
ポリイソシアネート化合物に由来する硫黄原子を有する
環構造を基本骨格に含むことにより、屈折率およびアッ
ベ数が高められているため、これを用いて光学製品を製
造した場合、その光学製品の屈折率およびアッベ数も高
められる。さらに、カルバメート結合をもつことによ
り、これを用いて製造した光学製品に、耐衝撃性をはじ
めとする優れた機械的物性を与えることができる。また
ラジカル重合性基を少なくとも2つもつことから、自己
架橋性を有するため、これを用いて光学製品を製造した
場合、副成分として架橋剤を加えなくても、その光学製
品に高耐溶剤性や高耐熱性を付与することができる。
【0011】前記カルバメート結合をもつラジカル重合
性化合物の原料の1つである環内に少なくとも1個の硫
黄原子を有する環状脂肪族ポリイソシアネート化合物の
例としては、2,3−ジイソシアナトテトラヒドロチオ
フェン、2,4−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェ
ン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、
3,4−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,
3−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェ
ン、2,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロ
チオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テト
ラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチ
ル)テトラヒドロチオフェン、4,5−イソシアナト−
1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチ
ル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナ
トエチル)−1,3−ジチオラン、2,2−ビス(イソ
シアナトメチル)−1,3−ジチオラン、2,2−ビス
(イソシアナトエチル)−1,3−ジチオラン、2,3
−ジイソシアナトチアン、2,4−ジイソシアナトチア
ン、2,5−ジイソシアナトチアン、2,6−ジイソシ
アナトチアン、3,4−ジイソシアナトチアン、3,5
−ジイソシアナトチアン、2,3−ビス(イソシアナト
メチル)チアン、2,4−ビス(イソシアナトメチル)
チアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チアン、
2,6−ビス(イソシアナトメチル)チアン、3,4−
ビス(イソシアナトメチル)チアン、3,5−ビス(イ
ソシアナトメチル)チアン、4,5−ジイソシアナト−
1,3−ジチアン、4,6−ジイソシアナト−1,3−
ジチアン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,
3−ジチアン、4,6−ビス(イソシアナトメチル)−
1,3−ジチアン、2,2−ビス(イソシアナトメチ
ル)−1,3−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナト
メチル)−1,3−ジチアン、5−イソシアナト−2−
イソシアナトメチル−1,3−ジチアン、2,3−ジイ
ソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアナ
ト−1,4−ジチアン、2,6−ジイソシアナト−1,
4−ジチアン、2,3−ビス(イソシアナトメチル)−
1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチ
ル)−1,4−ジチアン、2,6−ビス(イソシアナト
メチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシア
ナトエチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソ
シアナトメチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,
5−ビス(イソシアナトエチルチオメチル)−1,4−
ジチアン、2,5−ビス(4−イソシアナト−3−イソ
シアナトメチル−2−チアブチル)−1,4−ジチアン
などを挙げることができるが、これらの中で、特に得ら
れる光学材料の性能および入手の容易さなどの点から、
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチア
ン、2,5−ビス(イソシアナトエチル)−1,4−ジ
チアン、2,5−ビス(イソシアナトメチルチオメチ
ル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナト
エチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス
(4−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−2−チ
アブチル)−1,4−ジチアンが好ましい。
【0012】もう1つの原料である分子中に少なくとも
1個の水酸基および少なくとも1個の(メタ)アクリロ
イル基を有する化合物の例としては、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルア
クリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、
2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−
ジヒドロキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる
が、これらの中で、特に得られる光学材料の性能および
入手の容易さなどの点から、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートが好ましい。なお、水酸基および(メタ)ア
クリロイル基の数はそれぞれ2個以上であってもよい。
【0013】前記カルバメート結合をもつラジカル重合
性化合物は、上記の環内に少なくとも1個の硫黄原子を
有する環状脂肪族ポリイソシアネート化合物と、分子中
に少なくとも1個の水酸基と少なくとも1個の(メタ)
アクリロイル基を有する化合物とを、通常−OH基/−
NCO基のモル比1.0/0.8〜1.0/1.2の割
合でウレタン反応させることにより得られる。反応方法
については特に制限はなく、一般的なウレタン反応の方
法を用いることができる。
【0014】この反応においては、所望により、触媒を
適宜用いてもよい。この触媒としては、アミン化合物、
有機金属化合物等が効果的であり、具体的には、トリエ
チレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N−
ジメチルオクチルアミン、N,N,N′,N′−テトラ
メチル−1,6−ジアミノヘキサン、4,4′−トリメ
チレンビス(1−メチルピペリジン)、1,8−ジアザ
ビシクロー(5,4,0)−7−ウンデセン、ジメチル
スズジクロライド、ジメチルスズビス(イソオクチルチ
オグリコレート)、ジブチルスズジクロライド、ジブチ
ルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチ
ルスズマレエートポリマー、ジブチルスズジリシノレー
ト、ジブチルスズビス(ドデシルメルカプチド)、ジブ
チルスズビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジオ
クチルスズジクロライド、ジオクチルスズマレエート、
ジオクチルスズマレエートポリマー、ジオクチルスズビ
ス(ブチルマレエート)、ジオクチルスズジラウレー
ト、ジオクチルスズジリシノレート、ジオクチルスズジ
オレエート、ジオクチルスズジ(6−ヒドロキシ)カプ
ロエート、ジオクチルスズビス(イソオクチルチオグリ
コレート)、ジドデシルスズジリシノレート、オレイン
酸銅、アセチルアセトン銅、アセチルアセトン鉄、ナフ
テン酸鉄、乳酸鉄、クエン酸鉄、グルコン酸鉄、オクタ
ン酸カリウム、チタン酸2−エチルヘキシル等が挙げら
れ、特に好ましくは、ジブチルスズジクロライド、ジブ
チルスズジラウレートが挙げられる。これらの触媒は単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0015】また、反応温度及び反応時間は、使用する
原料の種類や触媒の使用の有無などにより異なるが、一
般にはそれぞれ、−10〜50℃、0.1〜20時間で
ある。
【0016】該重合性組成物には、光学製品の物性を適
宜改良するため、前記カルバメート結合をもつラジカル
重合性化合物以外に、ラジカル重合性基を有し、かつ上
記化合物と共重合可能なラジカル重合性化合物を1種も
しくは2種以上含んでいてもよい。これらの化合物とし
ては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、エチレングリコールビスグリシジル(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエト
キシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリ
レート、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネート、
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、スチレ
ン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレ
ン、ジブロモスチレン、2,5−ビス(2−チア−3−
ブテニル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス((メ
タ)アクリロイルチオメチル)−1,4−ジチアンなど
が挙げられ、特に好ましくは、2,5−ビス(2−チア
−3−ブテニル)−1,4−ジチアンが挙げられる。な
お、上記(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタ
クリレートの両者を意味し、(メタ)アクリロキシ基
は、アクリロキシ基とメタクリロキシ基の両者を意味
し、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基とメタ
クリロイル基の両者を意味する。重合性組成物中のカル
バメート結合をもつラジカル重合性化合物の含有量は、
好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%
以上、特に好ましくは50重量%以上である。
【0017】本発明の光学製品には、吸光特性を改良す
るために紫外線吸収剤、色素や顔料等を、耐候性を改良
するために、酸化防止剤、着色防止剤等を、成形加工性
を改良するために、離型剤等を、所望により適宜加える
ことができる。ここで、紫外線吸収剤としては、例えば
ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸
系等が、色素や顔料としては、例えばアントラキノン系
やアゾ系等が挙げられる。
【0018】酸化防止剤や着色防止剤としては、例えば
モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノ
ール系、硫黄系、リン系等が、離型剤としては、例えば
フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、酸性リ
ン酸エステル、高級脂肪酸等が挙げられる。
【0019】本発明の光学製品となる重合硬化物を得る
ための重合性組成物の重合方法としては、熱や紫外線な
どを用いた、公知のラジカル重合方法を用いることがで
きるが、得られる光学製品の光学的均一性や製造上の簡
便性から、特に紫外線照射による方法が望ましい。
【0020】その際、重合反応性向上のために、触媒を
適宜使用してもよく、この触媒としては、公知の増感剤
等が効果的である。具体的には、ベンゾフェノン、4,
4−ジエチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン、p−ジメチルアミノ安息
香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、
ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、o−ベンゾイル安
息香酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン、アシルフォスフィンオキサイ
ド等が挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記紫外線
照射における条件は、触媒の使用の有無、触媒の種類、
使用するラジカル重合性化合物の種類等により異なる
が、一般には、照射強度は0.1〜100mW/cm2
照射時間は5秒〜30分である。
【0021】1例として、本発明の光学製品の製造方法
について述べると以下の通りである。前記カルバメート
結合をもつラジカル重合性化合物、該化合物と共重合可
能なラジカル重合性化合物および添加剤や触媒を含む均
一混合物を、公知の注型重合法、すなわち紫外線を透過
するガラス製または樹脂製のモールドと樹脂製のガスケ
ットを組み合わせた型の中に注入し、紫外線を照射して
硬化させる。この際、成形後の樹脂の取り出しを容易に
するためにあらかじめモールドを離型処理したり、カル
バメート結合をもつラジカル重合性化合物等を含む混合
物中に離型剤を含有させてもよい。さらに紫外線照射終
了後、重合を完結させたり、材料内部に発生する応力を
緩和させるために、加熱処理することも好ましく行われ
る。加熱処理温度及び時間は、紫外線照射エネルギー量
等により異なるが、一般にはそれぞれ30〜150℃、
0.2〜24時間である。
【0022】このようにして得られた本発明の光学製品
は、通常1.55以上の屈折率を有している。また、本
発明の光学製品は通常の分散染料を用い、水もしくは有
機溶媒中で容易に染色が可能であるが、この際さらに染
色を容易にするために、キャリアーを加えたり加熱して
もよい。
【0023】光学製品としては特に制限はなく、例えば
眼鏡レンズをはじめとする光学レンズ、プリズム、光フ
ァイバー、記録用媒体基板、フィルター、さらにはグラ
ス、花瓶などを挙げることができるが、これらの中で、
光学レンズ、特に眼鏡レンズが好適である。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て得られた光学材料(重合硬化物)の物性評価は以下の
ようにして行った。
【0025】(1)屈折率(nD)とアッベ数(νD) カルニュー社製精密屈折率計KPR−200型を用いて
20℃にて測定した。 (2)外観 肉眼により観察した。 (3)耐候性 サンシャインカーボンアークランプを装備したウエザー
メーターにレンズ(光学製品)をセットし200時間経
過したところでレンズを取り出し、試験前のレンズと色
相を比較し、下記の基準で耐候性を評価した。 ○:変化なし ×:黄変 (4)耐溶剤性 アセトンを用いた拭き取りテストを行い、下記の基準で
耐溶剤性を評価した。 ○:変化がない ×:表面にあれや膨潤がみられる。 (5)光学歪 シュリーレン法による目視観察を行い、下記の基準で光
学歪を評価した。 ○:歪が認められない ×:歪が認められる
【0026】実施例1 (1)カルバメート結合をもつラジカル重合性化合物の
製造 2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチア
ン(表1中でBIMDと表示)34.5g(0.15m
ol)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート39.0
g(0.3mol)との混合物に、触媒としてジブチル
スズジラウレート0.38gを添加後、38℃で1.5
時間攪拌した。放冷後、無色透明でわずかに粘稠なカル
バメート結合をもつラジカル重合性化合物を73.5g
得た。
【0027】(2)光学製品の製造 上記(1)で得られたカルバメート結合をもつラジカル
重合性化合物(表1中でCRM−1と表示)100重量
部および2,2−ジエトキシアセトフェノン(表1中で
DEAと表示)0.2重量部の混合物を均一に撹拌し、
二枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、8mW/cm2
の強度の紫外線を10分間照射した後、120℃で3時
間加熱することによりプラスチックレンズを得た。得ら
れたプラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1か
ら、このプラスチックレンズは無色透明であり、屈折率
(nD)は1.56と高く、アッベ数(νD)も51と非
常に高い(低分散)ものであり、耐候性、耐溶剤性に優
れ、光学歪のないものであった。
【0028】実施例2 実施例1で得られたCRM−1 50重量部、2,5−
ビス(2−チア−3−ブテニル)−1,4−ジチアン
(表1中でTBDと表示)50重量部およびDEA0.
2重量部の混合物を均一に撹拌し、二枚のレンズ成形用
ガラス型に注入し、8mW/cm2の強度の紫外線を1
0分間照射した後、120℃で3時間加熱することによ
りプラスチックレンズを得た。得られたプラスチックレ
ンズの諸物性を表1に示す。表1から、このプラスチッ
クレンズは無色透明であり、屈折率(nD)は1.61
と高く、アッベ数(νD)も42と非常に高い(低分
散)ものであり、耐候性、耐溶剤性に優れ、光学歪のな
いものであった。
【0029】実施例3〜5 BIMDの代わりに表1に示した環内に少なくとも1個
の硫黄原子を有する環状脂肪族ポリイソシアネート化合
物を用いた以外は、実施例1または2と同様の操作を行
い、プラスチックレンズを得た。これらのプラスチック
レンズの諸物性を表1に示す。表1から、本実施例3〜
5のプラスチックレンズは無色透明であり、屈折率(n
D)は1.57〜1.63と高く、アッベ数(νD)も3
9〜46と非常に高い(低分散)ものであり、耐候性、
耐溶剤性に優れ、光学歪のないものであった。
【0030】比較例1 p−ヒドロキシエチルチオメチルスチレン2.05モル
に対しm-キシリレンジイソシアネート1モルを反応さ
せたウレタン−スチレン化合物(表1中でSUVと表
示)70重量部、ベンジルメタクリレート(表1中でB
ZMと表示)30重量部、2,4,6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(表1中でT
POと表示)0.05重量部及びt−ブチルパーオキシ
イソブチレート(表1中でTBBと表示)0.1重量部
の混合物を均一に撹拌し、二枚のレンズ成形用ガラス型
に注入し、紫外線照射した後、130℃で1時間熱処理
することによりプラスチックレンズを得た。得られたプ
ラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1から、こ
のプラスチックレンズは、屈折率が1.60と高く、無
色透明で、耐溶剤性に優れ、光学歪のないものであった
が、アッベ数が31と低く、耐候性に劣っていた。
【0031】比較例2 1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベン
ゼンのチオールメタクリレート(表1中でMBMと表
示)75重量部、m−キシリレンジイソシアネート(表
1中でXDIと表示)12重量部、ペンタエリスリトー
ルテトラチオグリコレート(表1中でPETGと表示)
13重量部及びジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト(表1中でIPPCと表示)0.1重量部の混合物を
均一に撹拌し、二枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、
80℃で6時間、さらに115℃で10時間加熱するこ
とによりプラスチックレンズを得た。得られたプラスチ
ックレンズの諸物性を表1に示す。表1から、このプラ
スチックレンズは、屈折率が1.63と高く、無色透明
で、耐溶剤性に優れたものであったが、アッベ数が30
と低く、耐候性に劣り、光学歪が見られた。
【0032】
【表1】
【0033】[注] BIMD:2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,
4−ジチアン IETMD:2,5−ビス(イソシアナトエチルチオメ
チル)−1,4−ジチアン BIBD:2,5−ビス(4−イソシアナト−3−イソ
シアナトメチル−2−チアブチル)−1,4−ジチアン CRM−1:BIMDを原料とするカルバメート結合を
もつラジカル重合性化合物 CRM−2:IETMDを原料とするカルバメート結合
をもつラジカル重合性化合物 CRM−3:BIBDを原料とするカルバメート結合を
もつラジカル重合性化合物 TBD:2,5−ビス(2−チア−3−ブテニル)−
1,4−ジチアン DEA:2,2−ジエトキシアセトフェノン SUV:p−ヒドロキシエチルチオメチルスチレンとm
−キシリレンジイソシアネートからなるウレタン−スチ
レン化合物 BZM:ベンジルメタクリレート TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
フォスフィンオキサイド TBB:t−ブチルパーオキシイソブチレート MBM:1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオメチ
ル)ベンゼンのチオールメタクリレート XDI:m−キシリレンジイソシアネート PETG:ペンタエリスリトールテトラチオグリコレー
ト IPPC:ジイソプロピルパーオキシジカーボネート
【0034】
【発明の効果】本発明の新規な光学製品は、これを構成
する重合硬化物が、環状構造とカルバメート結合をその
基本骨格中に有するため、屈折率、アッベ数が高く、耐
溶剤性、耐熱性、耐候性、透明性に優れ、光学歪がない
という特徴を有する。本発明の光学製品の具体例として
は、眼鏡レンズ、カメラレンズ等のレンズ、プリズム、
光ファイバー、光ディスク、磁気ディスク等に用いられ
る記録媒体用基板、フィルター、グラス、花瓶等が挙げ
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J027 AG33 BA03 CB10 CC05 CD04 4J034 CA01 CA02 CB01 CB02 CC02 FA01 FA02 FB01 FC01 FC02 FD01 HA01 HA07 HA11 HB03 HC23 HC24 HC25 HC45 HC46 HC71 QB08 RA13 4J100 AB02Q AB08Q AB09Q AG69Q AG70Q AL03Q AL04Q AL08P AL08Q AL09Q AL10Q AL62Q AL63Q AP02Q BA02Q BA03Q BA04Q BA08Q BA22Q BA38P BA51P BA51Q BC43Q BC45Q BC83P BC83Q CA01 CA04 DA62 DA63 JA33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環内に少なくとも1個の硫黄原子を有す
    る環状脂肪族ポリイソシアネート化合物と、分子中に少
    なくとも1個の水酸基および少なくとも1個の(メタ)
    アクリロイル基を有する化合物とを予め反応させて得ら
    れたカルバメート結合をもつラジカル重合性化合物を含
    む重合性組成物を重合することにより得られる重合硬化
    物からなることを特徴とする光学製品。
  2. 【請求項2】 環内に少なくとも1個の硫黄原子を有す
    る環状脂肪族ポリイソシアネート化合物が、2および5
    位にイソシアネート基を含む置換基が結合する1,4−
    ジチアン構造を有するものである請求項1に記載の光学
    製品。
  3. 【請求項3】 分子中に少なくとも1個の水酸基および
    少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合
    物が、2−ヒドロキシエチルメタクリレートである請求
    項1または2に記載の光学製品。
  4. 【請求項4】 重合性組成物が、カルバメート結合をも
    つラジカル重合性化合物と共に、これと共重合可能なラ
    ジカル重合性化合物を含むものである請求項1、2また
    は3に記載の光学製品。
  5. 【請求項5】 共重合可能なラジカル重合性化合物が、
    2,5−ビス(2−チア−3−ブテニル)−1,4−ジ
    チアンである請求項4に記載の光学製品。
  6. 【請求項6】 光学的に透明である請求項1ないし5の
    いずれか1項に記載の光学製品。
  7. 【請求項7】 屈折率が1.55以上である請求項1な
    いし6のいずれか1項に記載の光学製品。
  8. 【請求項8】 眼鏡レンズである請求項1ないし7のい
    ずれか1項に記載の光学製品。
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