JP2000355590A - ポリオール化合物およびその製造方法 - Google Patents

ポリオール化合物およびその製造方法

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JP2000355590A
JP2000355590A JP11165523A JP16552399A JP2000355590A JP 2000355590 A JP2000355590 A JP 2000355590A JP 11165523 A JP11165523 A JP 11165523A JP 16552399 A JP16552399 A JP 16552399A JP 2000355590 A JP2000355590 A JP 2000355590A
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polyol compound
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Yoshitaka Kitahara
義孝 北原
Takeshi Kyo
健 姜
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高屈折率、低分散で、透明性に優れ、かつ耐
溶剤性、耐熱性、耐衝撃性、耐候性も良好な光学材料を
与えることができる新規なポリオール化合物及び製造法
を提供すること。 【解決手段】 一般式(I) (式中、m及びnは、それぞれ独立に1〜3の整数を示
す。)で表されることを特徴とするポリオール化合物及
び一般式(II) (式中、mは1〜3の整数を示す。)で表される2,5
−ビス(メルカプトアルキル)−1,4−ジチアンに、
一般式(III) (式中、XはCl、BrまたはIを示し、nは1〜3の
整数を示す。)で表されるハロゲノアルキルアルコール
を反応させることを特徴とする、請求項1または2に記
載の、一般式(I)で表されるポリオール化合物の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオール化合物
およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、高屈折率、低分散で、透明性に優れ、かつ耐溶剤
性、耐熱性、耐衝撃性、耐候性にも良好な光学材料の原
料として有用なポリオール化合物、およびこのものを効
率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックはガラスに比べると、軽量
で割れにくく染色が容易なため、近年各種レンズ等の光
学部品に使用されるようになった。実用化されている光
学用プラスチック材料としては、ポリジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネート(CR−39)やポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)がある。しかしながら、
これらのプラスチック材料は屈折率が1.50以下であ
るため、例えばレンズ材料に用いた場合、度数が強くな
る程レンズが厚くなり、軽量であるというプラスチック
の優位性が損なわれてしまうばかりか、審美性の点でも
好ましくなかった。また特に凹レンズにおいては、レン
ズの周囲の厚さ(コバ厚)が厚くなり、複屈折や色収差
が生じやすいなどの問題があった。
【0003】そこで、比重の小さいプラスチックの特徴
を生かし、レンズの肉厚を薄くできるようにするため、
屈折率の高いプラスチック材料が望まれていた。そのよ
うな性能を有する材料としては、例えば(1)分子内に
アルコール性水酸基とハロゲンで置換された芳香環を有
する(メタ)アクリレート、これと共重合可能なラジカ
ル重合性化合物、およびイソシアネート化合物の重合体
からなるプラスチックレンズ(特開平6−211960
号公報)、(2)カルド構造を有するジオール化合物と
ラジカル重合可能なイソシアネート化合物からなる組成
物の硬化物(特開平10−45855号公報)、(3)
分子内にビスフェノールA骨格とカーボネート構造を有
するアクリル系単量体からなる光学材料(特開平9−2
08529号公報)などが開示されている。
【0004】しかしながら、前記(1)のプラスチック
レンズ、(2)の硬化物および(3)の光学材料におい
ては、屈折率は高められているものの、屈折率を高める
ために導入した芳香環の影響により、アッベ数や耐候性
に劣るなどの欠点を有している。さらに(1)のプラス
チックレンズ及び(2)の硬化物においては、ハロゲン
で置換された芳香環や芳香環によるカルド構造のため着
色が見られると同時に、製造の際のハンドリング性が悪
いという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、高屈折率、低分散で、透明性に優れ、か
つ耐溶剤性、耐熱性、耐衝撃性、耐候性も良好な光学材
料を与えることができる新規なポリオール化合物、およ
びこのものを効率よく製造する方法を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、高屈折率、
低分散及び高耐熱性に寄与する1,4−ジチアン環を主
骨格に持ち、かつ側鎖に硫黄原子を介して水酸基を有す
る特定構造のポリオール化合物が文献未載の新規な化合
物であり、その目的に適合しうることを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、一般式(I)
【化6】 (式中、mおよびnは、それぞれ独立に1〜3の整数を
示す。)で表されることを特徴とするポリオール化合物
を提供するものである。
【0008】また、このポリオール化合物は、下記の本
発明の方法(製造方法1および製造方法2)により、製
造することができる。
【0009】まず、本発明の製造方法1は、一般式(I
I)
【化7】 (式中、mは1〜3の整数を示す。)で表される2,5
−ビス(メルカプトアルキル)−1,4−ジチアンに、
一般式(III)
【化8】 (式中、XはCl、BrまたはIを示し、nは1〜3の
整数を示す。)で表されるハロゲノアルキルアルコール
を反応させることを特徴とする、前記一般式(I)で表
されるポリオール化合物の製造方法である。
【0010】次に、本発明の製造方法2は、一般式(I
V)
【化9】 (式中、YはCl、BrまたはIを示し、mは1〜3の
整数を示す。)で表される2,5−ビス(ハロゲノアル
キル)−1,4−ジチアンに、一般式(V)
【化10】 (式中、nは1〜3の整数を示す。)で表されるメルカ
プトアルキルアルコールを反応させることを特徴とす
る、前記一般式(I)で表されるポリオール化合物の製
造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリオール化合物は、一
般式(I)
【化11】 で表される新規化合物である。一般式(I)から明らか
なように、この新規化合物は、脂環式スルフィドである
1,4−ジチアン環に、1つの硫黄原子を有するヒドロ
キシアルキル基がジチアン環の2位と5位に結合した構
造を有している。
【0012】前記一般式(I)において、mおよびn
は、それぞれ独立に1〜3の整数を示すが、mは1、か
つnは2が好ましい。なお、2つのmは同一でも異なっ
ていてもよいし、2つのnは同一でも異なっていてもよ
い。
【0013】このように、一般式(I)で表されるポリ
オール化合物は、1、4−ジチアン環だけでなく、1、
4−ジチアン環以外にも硫黄原子を含むことにより、ポ
リオール化合物自体の屈折率およびアッベ数がより高め
られるので、このポリオール化合物を用いて光学材料を
製造した場合、その光学材料の屈折率およびアッベ数も
高められる。またこのポリオール化合物中の1、4−ジ
チアン環は剛直であるため、これを用いて光学材料を製
造した場合、その光学材料に優れた耐熱性や機械特性を
与え得る。
【0014】この一般式(I)で表されるポリオール化
合物の製造方法としては、所望の構造を有するポリオー
ル化合物が得られる方法であればよく、特に制限はない
が、以下に示す本発明の方法1および2に従えば極めて
効率よく製造することができる。
【0015】製造方法1 この製造方法1においては、一般式(II)
【化12】 (式中、mは1〜3の整数を示す。)で表される2,5
−ビス(メルカプトアルキル)−1,4−ジチアンと、
一般式(III)
【化13】 (式中、XはCl、BrまたはIを示し、nは1〜3の
整数を示す。)で表されるハロゲノアルキルアルコール
を原料として用い、これらを、例えば水酸化ナトリウム
のようなハロゲン化水素捕捉剤の存在下に反応させるこ
とにより、目的の前記一般式(I)で表されるポリオー
ル化合物が得られる。
【0016】上記反応においては、前記一般式(II)で
表される2,5−ビス(メルカプトアルキル)−1,4
−ジチアン1モルに対して、前記一般式(III)で表さ
れるハロゲノアルキルアルコールを、実質上2モルの割
合で反応させればよい。また、必要に応じ、適当な溶媒
を使用することができる。さらに、反応系が2層になる
場合には、例えば、トリメチルオクチルアンモニウムク
ロライドやメチルトリフェニルホスホニウムブロマイド
等の相間移動触媒を用いても構わない。
【0017】製造方法2 この製造方法2においては、一般式(IV)
【化14】 (式中、YはCl、BrまたはIを示し、mは1〜3の
整数を示す。)で表される2,5−ビス(ハロゲノアル
キル)−1,4−ジチアンと、一般式(V)
【化15】 (式中、nは1〜3の整数を示す。)で表されるメルカ
プトアルキルアルコールを原料として用い、これらを、
例えば水酸化ナトリウムのようなハロゲン化水素捕捉剤
の存在下に反応させることにより、目的の前記一般式
(I)で表されるポリオール化合物が得られる。
【0018】上記反応においては、前記一般式(IV)で
表される2,5−ビス(ハロゲノアルキル)−1,4−
ジチアン1モルに対して、前記一般式(V)で表される
メルカプトアルキルアルコールを、実質上2モルの割合
で反応させればよい。また、必要に応じ、適当な溶媒を
使用することができる。さらに、反応系が2層になる場
合には、例えば、トリメチルオクチルアンモニウムクロ
ライドやメチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等
の相間移動触媒を用いても構わない。
【0019】本発明の一般式(I)で表されるポリオー
ル化合物の例としては、2,5−ビス(3−ヒドロキシ
−2−チアプロピル)−1,4−ジチアン、2,5−ビ
ス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)−1,4−ジチ
アン、2,5−ビス(5−ヒドロキシ−2−チアペンチ
ル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビ
ス(5−ヒドロキシ−3−チアペンチル)−1,4−ジ
チアン、2,5−ビス(6−ヒドロキシ−3−チアヘキ
シル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(5−ヒドロ
キシ−4−チアペンチル)−1,4−ジチアン、2,5
−ビス(6−ヒドロキシ−4−チアヘキシル)−1,4
−ジチアン、2,5−ビス(7−ヒドロキシ−4−チア
ヘプチル)−1,4−ジチアンなどを挙げることができ
るが、これらの中で特に得られる光学材料の性能および
入手の容易さなどの点から、2,5−ビス(4−ヒドロ
キシ−2−チアブチル)−1,4−ジチアンが好まし
い。
【0020】本発明のポリオール化合物は、カルバメー
ト結合をもつラジカル重合性化合物の硬化体からなる光
学材料の原料としてだけでなく、一般的なポリオール化
合物がモノマーとなりうる、例えばポリウレタン、ポリ
エステル、ポリカーボネート等からなる光学材料の原料
としても用いることができる。
【0021】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら
限定されるものではない。得られたポリオール化合物お
よび光学材料(重合体)の物性は、以下に示す方法に従
って評価した。
【0022】(1)1H−NMRスペクトル(プロトン
核磁気共鳴スペクトル) 日本電子製FT−NMR装置EX270型を用いて測定
した。 (2)融点 マックサイエンス社製DSC装置3110型を用いて、
昇温速度10℃/分で測定した。 (3)屈折率(nD)とアッベ数(νD) カルニュー社製精密屈折率計KPR−200型を用いて
20℃にて測定した。 (4)外観 肉眼により観察した。
【0023】(5)耐候性 サンシャインカーボンアークランプを装備したウエザー
メーターにレンズ(光学材料を用いた光学製品)をセッ
トし200時間経過したところでレンズを取り出し、試
験前のレンズと色相を比較し、下記の基準で耐候性を評
価した。 ○:変化なし ×:黄変 (6)耐溶剤性 アセトンを用いた拭き取りテストを行い、下記の基準で
耐溶剤性を評価した。 ○:変化がない ×:表面にあれや膨潤がみられる。 (7)光学歪 シュリーレン法による目視観察を行い、下記の基準で光
学歪を評価した。 ○:歪が認められない ×:歪が認められる
【0024】実施例1 2,5−ビス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)−
1,4−ジチアンの製造1 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
21.2g(0.1mol)と水40mlの懸濁液に、
氷浴下、水酸化ナトリウム20重量%水溶液40g、2
−ブロモエタノール25.0g(0.2mol)の順に
滴下した。その後室温で18時間攪拌し、さらに50℃
で3時間反応させた。その後、酢酸エチルでの抽出、抽
出液の希アルカリ水溶液、水の順での洗浄を行い、硫酸
マグネシウムを用いて乾燥してから、酢酸エチルを十分
留去することにより、反応生成物を24.5g(0.0
8mol)得た。この反応生成物は、 1H−NMRスペ
クトルにより、目的のポリオール化合物であることが確
認された。またこの新規ポリオール化合物の融点は45
℃であった。この新規ポリオール化合物の 1H−NMR
スペクトルを図1に示す。
【0025】実施例2 2,5−ビス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)−
1,4−ジチアンの製造2 水酸化ナトリウム20重量%水溶液40gに、氷浴下、
2−メルカプトエタノール15.4g(0.2mol)
を滴下し調製した溶液と、2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアン21.7g(0.1mol)の
テトラヒドロフラン50ml溶液とを混合して懸濁液を
得た。この懸濁液に、トリメチルオクチルアンモニウム
クロライド0.5gを加えて、15時間還流攪拌した。
その後、一旦テトラヒドロフランを留去してから、酢酸
エチルでの抽出、抽出液の希アルカリ水溶液、水の順で
の洗浄を行い、硫酸マグネシウムを用いて乾燥してか
ら、酢酸エチルを十分留去することにより、反応生成物
を18.0g(0.06mol)得た。この反応生成物
は、 1H−NMRスペクトルにより、目的のポリオール
化合物であることが確認された。またこの新規ポリオー
ル化合物の融点は45℃であった。この新規ポリオール
化合物の 1H−NMRスペクトルを図2に示す。
【0026】応用例1 (1)カルバメート結合をもつラジカル重合性化合物の
製造 実施例1で得られた2,5−ビス(4−ヒドロキシ−2
−チアブチル)−1,4−ジチアン45.0g(0.1
5mol)と2−イソシアナトエチルメタクリレート4
6.5g(0.3mol)との混合物に、触媒としてジ
ブチルスズジラウレート0.38gを添加後、40℃で
2時間攪拌した。放冷後、無色透明でわずかに粘稠なカ
ルバメート結合をもつラジカル重合性化合物を91.5
g得た。
【0027】(2)光学製品の製造 上記(1)で得られたカルバメート結合をもつラジカル
重合性化合物(表1中でHRMと表示)100重量部及
び2,2−ジエトキシアセトフェノン(表1中でDEA
と表示)0.2重量部の混合物を均一に撹拌し、二枚の
レンズ成形用ガラス型に注入し、8mW/cm2の強度
の紫外線を10分間照射した後、120℃で3時間加熱
することによりプラスチックレンズを得た。得られたプ
ラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1から、こ
のプラスチックレンズは無色透明であり、屈折率(n
D)は1.58と高く、アッベ数(νD)も47と非常
に高い(低分散)ものであり、耐候性、耐溶剤性に優
れ、光学歪のないものであった。
【0028】応用例2 応用例1で得られたHRM 50重量部、2,5−ビス
(2−チア−3−ブテニル)−1,4−ジチアン(表1
中でTBDと表示)50重量部及びDEA0.2重量部
の混合物を均一に撹拌し、二枚のレンズ成形用ガラス型
に注入し、8mW/cm2の強度の紫外線を10分間照
射した後、120℃で3時間加熱することによりプラス
チックレンズを得た。得られたプラスチックレンズの諸
物性を表1に示す。表1から、このプラスチックレンズ
は無色透明であり、屈折率(nD)は1.63と高く、
アッベ数(νD)も40と非常に高い(低分散)もので
あり、耐候性、耐溶剤性に優れ、光学歪のないものであ
った。
【0029】応用例3、4 表1に示した重合性組成物を使用した以外は応用例1と
同様の操作を行い、プラスチックレンズを得た。これら
のプラスチックレンズの諸物性を表1に示す。表1か
ら、これらのプラスチックレンズは無色透明であり、屈
折率(nD)は1.56〜1.59と高く、アッベ数
(νD)も46〜49と非常に高い(低分散)ものであ
り、耐候性、耐溶剤性に優れ、光学歪のないものであっ
た。
【0030】応用比較例1 2,4,6−トリブロモベンジルチオールと2−イソシ
アナトエチルメタクリレートを等モル反応させたチオウ
レタンメタクリレート(表1中でBBMと表示)100
重量部及びジイソプロピルパーオキシジカーボネート
(表1中でIPPCと表示)2重量部の混合物を均一に
撹拌し、二枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、35℃
で6時間、50℃で4時間、70℃で3時間、85℃で
5時間、さらに100℃で1時間加熱することによりプ
ラスチックレンズを得た。得られたプラスチックレンズ
の諸物性を表1に示す。表1から、このプラスチックレ
ンズは、屈折率が1.64と高く、光学歪のないもので
あったが、アッベ数が29と低く、黄色で、耐候性、耐
溶剤性に劣っていた。
【0031】応用比較例2 テトラブロモビスフェノールAとエピクロロヒドリンか
ら得られるエポキシ樹脂にメタクリル酸を反応させて得
られるエポキシメタクリレート(表1中でTBBEと表
示)35重量部、ビスフェノールSビス(2−(2’−
メタクリロイルオキシエトキシ)エチル)エーテル(表
1中でBPSと表示)12重量部、スチレン(表1中で
Stと表示)35重量部、m−キシリレンジイソシアネ
ート(表1中でXDIと表示)8重量部及びo−フェニ
ルフェニルグリシジルエーテル(表1中でPPGと表
示)10重量部に、触媒としてジブチルスズジラウレー
ト(表1中でDBTDLと表示)0.025重量部及び
アゾビスイソブチロニトリル(表1中でAIBNと表
示)0.1重量部を加えた混合物を均一に撹拌し、二枚
のレンズ成形用ガラス型に注入し、35℃から90℃ま
で17時間かけて加熱し、さらに90℃で1時間保持す
ることによりプラスチックレンズを得た。得られたプラ
スチックレンズの諸物性を表1に示す。表1から、この
プラスチックレンズは、屈折率が1.63と高く、透明
で、耐溶剤性に優れたものであったが、黄色で、アッベ
数が30と低く、耐候性に劣り、光学歪が見られた。
【0032】
【表1】
【0033】
【注】HRM:応用例1で得られたカルバメート結合を
もラジカル重合性化合物 TBD:2,5−ビス(2−チア−3−ブテニル)−
1,4−ジチアン MMA:メチルメタクリレート TCDA:トリシクロデカニルメタクリレート DEA:2,2−ジエトキシアセトフェノン BBM:2,4,6−トリブロモベンジルチオールと2
−イソシアナトエチルメタクリレートを等モル反応させ
たチオウレタンメタクリレート TBBE:テトラブロモビスフェノールAとエピクロル
ヒドリンから得られたエポキシ樹脂にメタクリル酸を反
応させて得られたエポキシメタクリレート BPS:ビスフェノールSビス(2−(2’−メタクリ
ロイルオキシエトキシ)エチル)エーテル St:スチレン XDI:m−キシリレンジイソシアネート PPG:o−フェニルフェニルグリシジルエーテル IPPC:ジイソプロピルパーオキシジカーボネート DBTDL:ジブチルスズジラウレート AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
【0034】
【発明の効果】本発明の新規なポリオール化合物は、
1,4−ジチアン環を主骨格に持ちかつ硫黄原子を側鎖
に有しているため、屈折率及びアッベ数が高く、しかも
2つの水酸基を有することから、分子中に少なくとも1
個のイソシアネート基および少なくとも1個の(メタ)
アクリロイル基を有する化合物と反応しカルバメート結
合をもつラジカル重合性化合物となり、このラジカル重
合性化合物が容易に重合反応し光学材料を与える。また
このポリオール化合物を用いて得られた光学材料は、耐
熱性にも寄与する1,4−ジチアン環とそれ以外にも硫
黄原子を基本骨格中に有するため、屈折率、アッベ数が
高く、耐溶剤性、耐熱性、耐候性、透明性に優れ、かつ
光学歪が見られない。したがって、眼鏡レンズ、カメラ
レンズ等のレンズ、プリズム、光ファイバー、光ディス
クおよび磁気ディスク等に用いられる記録媒体用基板、
フィルターなどの光学製品に好ましく用いられる。さら
に、高屈折率の特徴を生かしたグラス、花ビン等の装飾
品にも用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリオール化合物の 1H−
NMRスペクトルを示す図。
【図2】実施例2で得られたポリオール化合物の 1H−
NMRスペクトルを示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 63/688 C08G 63/688 64/00 64/00 Fターム(参考) 2H050 AA13 AB42Z 4C023 PA07 4J029 AE04 BH02 DB06 DB17 4J034 CA04 CB03 CB07 CC29 CC39 CC45 CC52 CC62 CC65 CD08 RA13 4J100 AL65P BA38P BA51P BC83P CA01 JA33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、mおよびnは、それぞれ独立に1〜3の整数を
    示す。)で表されることを特徴とするポリオール化合
    物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、mが1であり、
    かつnが2である請求項1に記載のポリオール化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(II) 【化2】 (式中、mは1〜3の整数を示す。)で表される2,5
    −ビス(メルカプトアルキル)−1,4−ジチアンに、
    一般式(III) 【化3】 (式中、XはCl、BrまたはIを示し、nは1〜3の
    整数を示す。)で表されるハロゲノアルキルアルコール
    を反応させることを特徴とする、請求項1または2に記
    載の、一般式(I)で表されるポリオール化合物の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 一般式(IV) 【化4】 (式中、YはCl、BrまたはIを示し、mは1〜3の
    整数を示す。)で表される2,5−ビス(ハロゲノアル
    キル)−1,4−ジチアンに、一般式(V) 【化5】 (式中、nは1〜3の整数を示す。)で表されるメルカ
    プトアルキルアルコールを反応させることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の、一般式(I)で表され
    るポリオール化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I)において、mが1であり、
    かつnが2である請求項3または4に記載のポリオール
    化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004108786A1 (ja) * 2003-06-09 2004-12-16 Hoya Corporation ポリオール化合物、透明成形体、及び透明成形体の製造方法
JP2010242093A (ja) * 2010-06-18 2010-10-28 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc 光学材料用組成物

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