JP2000198979A - 塩素劣化防止剤とポリウレタン組成物 - Google Patents

塩素劣化防止剤とポリウレタン組成物

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JP2000198979A
JP2000198979A JP30631299A JP30631299A JP2000198979A JP 2000198979 A JP2000198979 A JP 2000198979A JP 30631299 A JP30631299 A JP 30631299A JP 30631299 A JP30631299 A JP 30631299A JP 2000198979 A JP2000198979 A JP 2000198979A
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polyurethane
resistance
salt
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Harumi Takahata
晴美 高畑
Keiko Katsuki
桂子 香月
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Kyowa Chemical Industry Co Ltd
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Kyowa Chemical Industry Co Ltd
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  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタン組成物に配合したと
きに、耐酸性に優れ、変退色がなく、塩素水浸漬中にお
ける膨潤等のない、優れた耐塩素性を有するポリウレタ
ン製品を提供できる塩素劣化防止剤、および該塩素劣化
防止剤を配合したポリウレタン組成物の提供。 【解決手段】 ハイドロタルサイト類化合物を下
記式(1) [式中、Rは炭素原子数10〜30のアルキル基または
アルケニル基、R’は炭素原子数1〜6のアルキレン
基、nは1または2を示す]、または下記式(2) [式中、Rは式(1)と同じ意味を表し、Mはアルカリ
金属または水素を示す]のアルコールリン酸エステル、
そのジアルコールアミン塩またはアルカリ金属塩で表面
処理したことを特徴とする塩素劣化防止剤、および該防
止剤を含有するポリウレタン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素劣化防止剤お
よび該防止剤を含有するポリウレタン組成物に関する。
さらに詳しくは、本発明は種々の塩素水環境における劣
化を防止したポリウレタン弾性繊維用、ポリウレタンフ
ィルム用、ポリウレタン成型品用として有用な劣化防止
剤および該防止剤を含有するポリウレタン組成物に関す
る。すなわち本発明は、塩素水環境で使用できる、例え
ば塩素殺菌された水に対する耐久性、安定性に優れ、塩
素水浸漬処理時の膨潤のない、高度のゴム弾性、引張応
力、回復性等の機械的強度、さらに熱的挙動についても
優れた性質を有し、さらに長期にわたって安定紡糸がで
き、タンニン液処理工程における変色のない、塩素浸漬
処理時の膨潤のない、塩素劣化防止剤、および該防止剤
を含有するポリウレタン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】4,4’− ジフェニルメタンジイソシア
ネート、比較的低重合度のポリヒドロキシ重合体および
多官能活性水素含有化合物から得られるポリウレタン弾
性糸は、高度のゴム弾性を有し、引張応力、回復性等の
機械的性質に優れ、さらに熱的挙動についても優れた性
質を有するために、ファンデーション、ソックス、スポ
ーツウェア等の機能性繊維素材として大いに注目されて
いる。
【0003】しかしながら、このような主として長鎖状
のセグメント化ポリウレタンよりなる製品に、塩素漂白
を用いる洗濯を行うと、セグメント化ポリウレタンの物
理的性質の相当な低下が起こることが知られている。ま
た、ポリウレタン弾性糸とポリアミド糸からなる水着
は、水泳プール中で活性塩素濃度0.5〜3ppmを含
む塩素水中に暴露されると、ポリウレタン弾性糸の物理
的性質の低下や、ポリアミド糸に付着した染料の変退色
が生じることが知られている。
【0004】そこで、水泳プール中で多用される競泳用
水着については、ポリウレタン弾性糸の耐塩素性能の改
善をはかるため、低重合度のポリヒドロキシ重合体とし
て分子結合により耐塩素性に優れたポリエステルを用い
たポリウレタンが主として用いられた。しかるに脂肪族
ポリエステルは生物活性が高く、ポリエステル系ポリウ
レタンはかびに侵されやすいという欠点を有しており、
またその耐塩素性能も充分なものでなかった。さらに、
塩素による染料の変退色防止法としては、染色処理後に
さらにタンニン液で処理を行うことが現在では広く行わ
れるようになっている。
【0005】ポリウレタン弾性糸の塩素が誘発する劣化
に対する耐性の改善に関しては、従来から各種添加剤が
提案されている。例えば特開昭57-29609号公報には酸化
亜鉛が開示されている。しかしながら酸化亜鉛は、殊に
酸性条件下(pH3〜4)での織物の染色工程中にフィ
ラメントから洗浄除去されるという重大な欠点を有す
る。その結果、繊維の塩素化された水への耐久性はかな
り減少する。さらに、生物活性浄化プラント中のバクテ
リア培地は、染色工程から生じる亜鉛を含む廃液により
死滅される。その結果かかる浄化プラントの操作様式は
重大な損害を蒙ることとなる。かかる欠点を改善したポ
リウレタン組成物として、ハイドロタルサイトを用いて
耐塩素性を改善することが特願昭58-6584(特開昭59-13
3248)、特願平2-92986(特開平3-292364)、特願平3-2
43446(特開平5-78569)に報告されている。ハイドロタ
ルサイトはポリウレタン弾性糸に分散された状態で酸性
(pH=3〜4)での染色処理に対しても優れた耐酸性
能を有している。
【0006】しかしながら、これ等のハイドロタルサイ
トは表面処理されてないもの(特開昭59-133248)、シ
ランカップリング剤によって処理されたもの(特開平3-
292364)、脂肪酸で処理されたもの(特開平5-78569)等
であるので、ポリウレタン弾性糸に分散された状態での
染色処理工程で、酢酸処理時にハイドロタルサイト中の
マグネシウムおよびアルミニウムが溶出し、耐塩素性能
を低下させることが判明し、耐酸性の優れた耐塩素性剤
が求められるようになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリウレタ
ン組成物に配合したときに、耐酸性に優れ、長期にわた
って安定紡糸ができ、タンニン液処理工程における変
色、塩素水浸漬中における膨潤等のない、優れた耐塩素
性を有するポリウレタン繊維等のポリウレタン製品を提
供できる塩素劣化防止剤、および該塩素劣化防止剤を配
合したポリウレタン組成物の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、ハイドロタルサイト類化合物を下記式(1) [式中、Rは炭素原子数10〜30のアルキル基または
アルケニル基、R’は炭素原子数1〜6のアルキレン
基、nは1または2を示す]、または式(2) [式中、Rおよびnは式(1)と同じ意味のを表し、M
はアルカリ金属または水素を示す]のアルコールリン酸
エステル、そのジアルコールアミン塩、またはアルカリ
金属塩で表面処理することにより耐酸性の優れた塩素劣
化防止剤が得られることを見いだした。
【0009】さらに本発明は、上記塩素劣化防止剤をポ
リウレタン100重量部に対し、0.1〜10重量部配
合することにより、長期にわたって安定紡糸ができ、タ
ンニン液処理工程における変色や塩素水浸漬中における
膨潤のない優れた耐塩素性を有するポリウレタン繊維、
フィルム、成型品等が得られるポリウレタン組成物を提
供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明により提供されるポリウレ
タン組成物は、染色後さらにタンニン液処理を行って
も、耐塩素安定効果を損なうことが少ないために、繰り
返し長期にわたって塩素を含有するプール中で使用する
水着の素材として極めて有用である。
【0011】さらに塩素水中で用いられる繊維製品用素
材として、さらにファンデーション、ソックス、スポー
ツウェア等の衣料用の機能素材およびフィルム、エラス
トマー、フィルム材料等として優れた高度のゴム弾性を
有し引張応力、回復性等の機械的性質、熱的挙動等に優
れた製品を提供する。
【0012】ハイドロタルサイト類化合物を表面処理す
るときの表面処理剤のハイドロタルサイト類化合物に対
する添加量は0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重
量%である。表面処理剤の添加量が上記範囲より少ない
場合には耐水、耐酸性の改善効果が不十分であり、また
上記範囲より多い場合には耐水、耐酸性の改善効果をさ
らに向上させるものではなく逆に耐塩素劣化防止剤を配
合したポリウレタン組成物の引張応力、回復性等の機械
的強度および耐塩素性を低下させる。
【0013】表面処理剤によるハイドロタルサイト類化
合物の表面処理方法はあらかじめ水に懸蜀状態にあるハ
イドロタルサイト類化合物を該表面処理剤が溶解する温
度以上に保ち、撹拌下に当該表面処理剤の水溶液を注加
し、さらに十分に両者を混合する。表面処理剤は水媒体
中で解離して、 を生成し、これらがハイドロタルサイト類化合物の表面
の金属原子と結合してその表面を被覆し、表面に突出し
た親油性のRO基により、強固な耐水、耐酸性を発揮す
るもの推定される。表面処理剤をハイドロタルサイト類
化合物に添加したときの添加量と結合量との関係は、一
般にジアルコールアミン塩の場合には70〜90重量
%、アルカリ金属塩の場合には添加量の約95重量%で
ある。表面処理したハイドロタルサイト類化合物スラリ
ーを引き続き脱水、乾燥、粉砕あるいは脱水、造粒、乾
燥することにより、樹脂に充填できる状態とする。本発
明で用いるハイドロタルサイト類化合物は結晶がよく成
長し、かつ凝集の少ないものであることが、良好な成形
性、機械的強度、耐塩素性を発揮せしめる点で好まし
い。BET比表面積が3〜30m2/g、特に好ましくは5
〜20m2/gの範囲にあり、かつ平均2次粒子径が
0.1〜5μm、特に好ましくは0.3〜3μmの範囲
にあるハイドロタルサイト類化合物が好ましく使用され
る。また平均2次粒子径が上記範囲の下限より小さいと
ポリウレタンの成形性、機械的強度、耐水、耐酸性等が
低下し、上記範囲の上限より大きいと耐塩素性、引張応
力が低下する。
【0014】本発明の塩素劣化防止剤は、上記成分以外
に慣用の他の添加剤を配合することができる。このよう
な添加剤の例としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光
安定剤、耐ガス安定剤、着色剤、艶消し剤、充填剤等が
挙げられる。
【0015】上記表面処理されたハイドロタルサイト類
化合物は、通常ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤を
反応せしめたポリウレタン重合体溶液中に添加される。
またこれらの薬剤中にあらかじめ添加したり、あるいは
重合中に添加することもできる。
【0016】本発明に用いられるポリウレタン(以下セ
グメント化ポリウレタンともいう)とは、両末端にヒド
ロキシル基を有し、分子量が600〜4000である、
実質的に線状の重合体、例えばホモまたは共重合体から
なるポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポ
リエステルアミドジオール、ポリ炭酸エステルジオー
ル、ポリアクリルジオール、ポリチオエステルジオー
ル、ポリチオエーテルジオール、ポリ炭化水素ジオール
またはこれらの混合物、またはこれらの共重合物と、有
機ジイソシアネートと、多官能性活性水素原子を有する
鎖延長剤、例えばポリオール、ポリアミン、ヒドロキシ
ルアミン、ヒドラジン、ポリヒドラジド、ポリセミカル
バジド、水、またはこれらの混合物等を主成分とするも
のである。本発明で得られるポリウレタン組成物は、ジ
メチルアセトアミド、ジメチルフォルムアミド、ジメチ
ルスルフォキシドといった極性溶媒に溶解せしめた紡糸
原液の、紡糸工程中での吐出圧の上昇、糸切れの発生が
極めて少なく、長期にわたって安定した紡糸を行うこと
ができる。本発明のポリウレタン組成物から得られた弾
性繊維は、塩素が誘発する劣化に対して優れた耐性を示
し、しかもタンニン液処理を行ってもポリウレタン弾性
糸が変色したり、塩素水中で糸が膨潤したりすることが
ない。即ち、本発明によるポリウレタン弾性糸は、染色
後、さらにタンニン液処理を行っても、耐塩素安定化効
果を損なうことがないため、繰り返し長期にわたって塩
素を含有するプール中で着用される競泳用の素材として
極めて有用である。
【0017】測定方法: BET比表面積:液体窒素吸着法により測定した。 平均2次粒子径:ハイドロタルサイト類化合物の1重量
%水スラリーを、超音波で3分間分散処理した後、マイ
クロトラック(日機装社製)により測定した。 耐酸性:試料0.50gを5mlのエチルアルコールに
浸し、これに1モル/リットルのタンニン酸水溶液50
mlを投入し、30℃で1時間振盪させた後、濾液中の
Mg,AlおよびZnの濃度を測定した。 耐塩素性評価試験:40デニール糸の200本をカセに
束ねた後、約10cmの長さに揃えて切り、その中央を木
綿の紐で強く束ねた試験糸を、酢酸および酢酸ナトリウ
ムでpH3.5に調整した沸騰水中に1時間浸漬した後、1
0分間流水で水洗した。さらにイオン交換水6リットル
に大日本製薬(株)製タンニン酸4.5gおよび酢酸
2.7gを加えた液に、試験糸を処理液が25℃の時点
で投入し、その後、処理液を50℃まで昇温し、そのま
ま30分間浸漬処理を行った。10分間流水で水洗した
後、1昼夜20℃で風乾した。ついで次亜塩素酸ナトリ
ウム液をイオン交換水で希釈して有効塩素濃度3ppmと
し、かつ塩酸でpHを約7に調整した液に、上記処理を終
わった糸を水温30℃で50%伸長下に浸漬した。継時
的に試料を採取し、それぞれ強力保持率を求め、強力保
持率が50%となるまでの時間で評価した。 強力保持率=TS/TS0×100(%) ただし、TSは浸漬処理後の強力、TS0は浸漬処理前の強
力を示す。
【0018】以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。以下の各例において、部および%は特に断りの無
い限りそれぞれ重量部および重量%を示す。
【0019】実施例1 Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2Oであるハイ
ドロタルサイト類化合物(BET比表面積10.5m2
/g、平均2次粒子径0.4μm)2kgを10リット
ルの水にケミスターラーを用いて均一に分散させた後、
80℃に加温した。別に80℃の温水1リットルにジス
テアリルアルコールリン酸エステルのナトリウム塩; をハイドロタルサイト類化合物に対して1%に相当する
23gを溶解した。この水溶液を上記ハイドロタルサイ
ト類化合物スラリーに撹拌下に加え、さらに十分撹拌を
継続して表面処理した。続いて減圧下に脱水した後、乾
燥、粉砕した。この試料を用いて、耐酸性を測定した。
測定結果を表1に示す。
【0020】さらに平均分子量1600のポリテトラメ
チレングリコール133.3部および4、4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート31.2部を、窒素ガス気
流中で90分間撹拌しつつ反応させて、イソシアネート
基の残有しているプレポリマーを得た。ついで、これを
室温まで冷却した後、乾燥ジメチルホルムアミド270
部に加え、溶解してプレポリマー溶液とした。
【0021】一方エチレンジアミン2.34部およびジ
エチルアミン0.37部を乾燥ジメチルホルムアミド1
57部に溶解し、これに前記プレポリマー溶液を室温で
添加して、粘度1500ポイズ(30℃)のポリウレタ
ン溶液を得た。得られた粘稠な重合体溶液に、二酸化チ
タン4%、4、4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)2%、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5
−クロロ−ベンゾトリアゾール0.7%および表1に示
す塩素劣化防止剤を加えた。この重合体溶液を紡糸速度
400m/minで乾式紡糸して6フィラメント、40デニ
ールの糸とした。本発明で用いる処理されたハイドロタ
ルサイト類化合物は、いずれも30分間の紡糸中1回も
糸切れがなかった。表2に糸の耐塩素性評価試験結果を
示す。
【0022】実施例2、3 ハイドロタルサイト類化合物に対する表面処理剤の量
を、表1に示すように変化させた以外は、実施例1と同
様に操作して試験した。測定結果を表1および表2に示
す。
【0023】実施例4 ハイドロタルサイト類化合物をMg3ZnAl2(OH)
12CO3・2H2Oとし、表面処理剤の量を3%とした以
外は、実施例1と同様に操作して試験した。測定結果を
表1および表2に示す。
【0024】実施例5 ハイドロタルサイト類化合物をZn4Al2(OH)12
3・3H2O(BET比表面積9m2/g、平均2次粒
子径1.1μm)を用い、表面処理剤の量を3%とした
以外は、実施例1と同様に操作して試験した。測定結果
を表1および表2に示す。
【0025】実施例6 (Li0.8Mg0.1Zn0.1)Al2(OH)6.0(CO3)0.6
1.2H2O(BET比表面積9.5m2/g,平均2次粒子径
0.7μm)のハイドロタルサイト類化合物を実施例1
と同様に処理をし、実施例1と同様に操作して試験し
た。測定結果を表1および表2に示す。
【0026】比較例1 Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(BET比
表面積10.5m2/g、平均2次粒子径0.4μm)
のハイドロタルサイト類化合物を表面処理をしないで試
料とし、耐酸性を試験した。測定結果を表1および表2
に示す。
【0027】比較例2 ハイドロタルサイト類化合物Mg4.5Al2(OH)13
3・3.5H2O(BET比表面積10.5m2/g、
平均2次粒子径0.4μm)を水に分散させた中に、ハ
イドロタルサイト類化合物に対して1%のステアリン酸
を加え、加熱溶融しながら撹拌した。これを脱水、乾
燥、粉砕した。この試料を用いて耐水、耐酸性を測定し
た。測定結果を表1および表2に示す。
【0028】比較例3 ハイドロタルサイト類化合物に対するステアリン酸の量
を3%に変化させた以外は比較例2と同様に試験した。
測定結果を表1および表2に示す。
【0029】比較例4 ハイドロタルサイト類化合物をMg3ZnAl(OH)
12CO3・2H2Oとし、表面処理をしないで試験した。
測定結果を表1および表2に示す。
【0030】比較例5 比較例4のハイドロタルサイト類化合物に、3%のステ
アリン酸で比較例2と同様に操作して表面処理した後、
試験した。測定結果を表1および表2に示す。
【0031】比較例6 実施例5で使用したのと同じハイドロタルサイト類化合
物に、3%のステアリン酸で比較例2と同様に操作して
表面処理した後、試験した。測定結果を表1および表2
に示す。
【0032】 表1 表面処理剤 耐酸性 種類 添加量(%) 溶出Mg 溶出Al 溶出Zn 溶出Li (ppm) (ppm) (ppm) (ppm) 実施例1 A 1 935 533 − − 実施例2 A 3 744 357 − − 実施例3 A 6 268 170 − − 実施例4 A 3 501 410 370 − 実施例5 A 3 451 921 − 実施例6 A 3 102 390 87 620 比較例1 − − 1540 883 − − 比較例2 B 1 1291 745 − − 比較例3 B 3 1273 727 − − 比較例4 − − 1003 823 679 − 比較例5 B 3 740 643 550 − 比較例6 B 3 646 1507 − 注:A:ジステアリルアルコールリン酸エステルのナトリウム塩 B:ステアリン酸
【0033】 注:耐塩素性は強力半減時間で示す。単位:時間
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、塩素含有水等による物
理的性質の低下、変退色、繊維の膨潤等の諸物性の低下
がない耐塩素劣化性に優れたポリウレタン組成物を提供
できる塩素劣化防止剤、および該塩素劣化防止剤を含有
するポリウレタン組成物が提供される。さらに本発明に
よれば、耐塩素劣化性に優れたポリウレタン繊維、フィ
ルム、成形品等の製品が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 6/94 D01F 6/94 A // C07F 9/09 C07F 9/09 Z (C08K 9/04 3:26 5:521)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドロタルサイト類化合物を下記式
    (1) [式中、Rは炭素原子数10〜30のアルキル基または
    アルケニル基、R’は炭素原子数1〜6のアルキレン
    基、nは1または2を示す]、または下記式(2) [式中、Rは式(1)と同じ意味を表し、Mはアルカリ
    金属または水素を示す]のアルコールリン酸エステル、
    そのジアルコールアミン塩またはアルカリ金属塩で表面
    処理したことを特徴とする塩素劣化防止剤。
  2. 【請求項2】 ハイドロタルサイト類化合物が、式
    (1)または式(2)のアルコールリン酸エステル、そ
    のジアルコールアミン塩またはアルカリ金属塩0.5〜
    10重量%で表面処理されていることを特徴とする請求
    項1記載の塩素劣化防止剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の塩素劣化防止剤をポリウ
    レタン100重量部に対し0.1〜10重量部配合した
    ことを特徴とするポリウレタン組成物。
  4. 【請求項4】 ハイドロタルサイト類化合物が下記式
    (3) (MgyZnz1-xAlx(OH)2・(CO3x/2・mH2O (3) [式中、x,yおよびzは次の範囲の数である。0<x
    ≦0.5,0≦y≦1,0≦z≦1,y+z=1,0≦
    m≦1]の化合物であることを特徴とする請求項1記載
    の塩素劣化防止剤。
  5. 【請求項5】 ハイドロタルサイト類化合物が下記式
    (4) (LiaMgbZnc)Al2(OH)6+(a+2b+2c-2d)(CO3d・mH2O (4) [式中、a,b,c,dおよびmは次の範囲の数であ
    る。0<a≦1,0≦b≦0.5,0≦c≦0.5,0≦
    a+2b+2c≦1.2,0<d≦0.6,0≦m≦1]の
    化合物であることを特徴とする請求項1記載の塩素劣化
    防止剤。
  6. 【請求項6】 ハイドロタルサイト類化合物が、BET
    比表面積が3〜30m2/gであり、かつ平均2次粒子径が
    0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1記載の
    塩素劣化防止剤。
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