JP2887402B2 - ポリウレタン組成物 - Google Patents
ポリウレタン組成物Info
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Description
る劣化を防止したポリウレタン弾性繊維用組成物に関す
る。
低重合度のポリヒドロキシ重合体及び多官能活性水素含
有化合物から得られるポリウレタン弾性糸は、高度のゴ
ム弾性を有し、引張応力、回復性等の機械的性質に優
れ、さらに熱的挙動についても優れた性質を有するため
に、ファンデーシヨン、ソックス、スポーツウェア等の
衣料用機能素材として大いに注目されている。
セグメント化ポリウレタンよりなる製品に、塩素漂白を
用いる洗濯を行うと、セグメント化ポリウレタンの物理
的性質の相当な低下が起こることが知られている。
水着は、水泳プール中で活性塩素濃度0.5〜3ppmを含む
塩素水中に暴露されると、ポリウレタン弾性糸の物理的
性能の低下やポリアミド糸に付着した染料が塩素によっ
て変褪色し、水着の好ましくない変色を生じる問題があ
った。
ては、ポリウレタン弾性糸の耐塩素性能の改善を図ると
共に塩素による水着の変褪色防止法として、染色処理後
にさらにタンニン液で処理を行い、塩素による染色の変
褪色保護処理が現在広く行われている。
性の改善に関しては、従来から各種添加剤が提案されて
いる。かかる改善策の1つとして、本出願人は、先にハ
イドロタルサイト類化合物を用いて塩素劣化性を改善し
たポリウレタン組成物を提案した(特開昭59−133248号
公報)。
に分散された状態で、酸性(pH=3〜4)での染色処理
を行った場合においても、耐塩素性能を低下させない優
れた特徴を有する。
よるポリアミド糸染料の変褪色を防止するために、染色
後に行われるタンニン液処理工程中、ハイドロタルサイ
ト類化合物がタンニンと反応して糸を褐色に変着色させ
たり、塩素水中で糸を膨潤させたり、さらには耐塩素安
定化効果を大幅に低下させてしまう欠点があることが分
かった。さらには、紡糸工程中で糸切れが発生し、長期
にわたって安定した紡糸をすることが困難であることが
分かった。
るポリウレタン組成物の上記欠点を除去し、染色処理を
行った後のタンニン液処理においても、糸の好ましから
ざる変化(変着色、及び膨潤)や対塩素性能の低下を防
止し、水着用として優れたポリウレタン組成物を提供す
ることにある。
糸しうるポリウレタン組成物を提供することにある。
結果、高級脂肪酸及び/又はカップリング剤によって処
理された平均粒径1μ以下のハイドロタルサイト類化合
物を用いることによって、タンニンとの反応を防止し、
しかも驚くべきことに、これらの処理によってハイドロ
タルサイト類化合物の耐塩素性能がさらに向上し、さら
には紡糸工程での糸切れが減少するという事実を見出し
た。
のであって、ポリウレタンに対して、少なくとも高級脂
肪酸及び/又はシランカップリング剤によって処理され
た平均粒径1μ以下のハイドロタルサイト類化合物を0.
1〜10重量%含ませた、ポリウレタン組成物である。
2+ xAl2(OH)2x+6-nz(An-)z・mH2O (但し、式中、M2+はMg及びZnよりなる群から選ばれた
少なくとも一種の金属元素を示し、An-は、:OH-,F-,C
l-,Br-,NO3 -,CO3 2-,SO4 2-,Fe(CN)6 3-,CH3COO-,シュウ
酸イオン、サリチル酸イオンなどのn価のアニオンを表
わす。
の直鎖又は分岐した炭化水素基を有するモノ又はジカル
ボン酸である。
カン酸、オクタデカン酸、オレイン酸が挙げられ、特に
好ましいものは、オクタデカン酸、オレイン酸である。
方法は、例えばハイドロタルサイト類化合物の粒子の表
面に高級脂肪酸をコーティングする方法があるが、その
他各種の公知の方法を用いることができる。具体的な1
例を挙げれば、ハイドロタルサイト類化合物を水又は適
当な有機溶剤(例えばアルコール)中に分散させた中に
ハイドロタルサイト類化合物に対して0.01〜20重量%の
高級脂肪酸を加え、加熱溶融しながら撹拌処理を行った
後に溶剤を除去するか、あるいはハイドロタルサイト類
化合物に対し0.01〜20重量%の高級脂肪酸を加えて撹拌
又は、場合によっては加熱撹拌する方法によって行うこ
とができる。
理前後の重量変化を測定することにより、高級脂肪酸の
処理量(付着量)を知ることができる。
ト類化合物を製造する工程において、ハイドロタルサイ
ト類化合物が未だ湿潤している未乾燥の状態で高級脂肪
酸を処理することが好ましい。
次のような化学式で表される。
気中の水分、あるいはハイドロタルサイト類化合物の水
分によって、加水分解されてシラノール基(SiOH)を生
成し、これがハイドロタルサイト類化合物表面と反応
し、表面を改質するためにタンニンに対して不活性にな
ると考えられる。
合可能な有機残基であって、アルキル基、アルコキシ
基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、アミノ基、メ
ルカプトン基等がある。
の最新技術”株式会社シーエムシー発行」の121頁〜133
頁に記載されている。
合物のシランカップリング剤による処理前後の重量変化
を測定することによって、ハイドロタルサイト類化合物
へのシランカップリング剤の処理又は反応量を知ること
ができる。
との処理方法としては、各種の公知シランカップリング
反応が用いられるが、具体的な1例として挙げれば、ハ
イドロタルサイト類化合物に対して、0.01〜20重量%の
アルキルシラン化合物を0.5〜10重量%の適当な溶剤、
例えばアルコール溶液中でハイドロタルサイト類化合物
が完全に湿潤する状態に保った後、100〜150℃の温度で
常圧又は真空下、10分〜5時間加熱処理を行う方法を用
いることができる。また、ハイドロタルサイト類化合物
の粒径は、小さい程耐塩素性に効果があり、平均粒径1
μ以下であることが必要である。平均粒径1μより大き
いもの、又は、本発明の如く高級脂肪酸及び/又は、シ
ランカップリング剤によって処理されていないものは、
耐塩素性の効果が充分でないばかりでなく、紡糸工程で
の紡口フィルター詰まりや、紡糸筒中での糸切れを起こ
す。
やポリウレタンに用いられる有機溶剤(ジメチルアセト
アミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシ
ド等)と親和性に乏しく、ポリウレタン又はポリウレタ
ンの上記有機溶剤中でハイドロタルサイト類化合物が凝
集するためであるが、本発明に述べる処理を行ったハイ
ドロタルサイト類化合物を用いた場合に、驚くべきこと
に全く凝集がみられず、安定な紡糸が可能となった。
化ポリウレタンと称することがある)とは、両末端にヒ
ドロキシル基を有し、分子量が600〜4,000である実質的
に線状の重合体、例えばホモ又は共重合からなるポリエ
ステル、ポリラクトン、ポリエーテル、ポリエステルア
ミド、ポリ炭酸エステル、ポリチオエーテル、ポリ炭化
水素またはこれらの混合物又はこれらの共重合物と有機
ジイソシアネートと、多官能性活性水素原子を有する鎖
伸長剤、例えばヒドラジン、ポリヒドラジド、ポリセミ
カルバジド、ポリオール、ポリアミン、ヒドロキシルア
ミン、水、又はこれらの混合物等とを主成分とするもの
である。
%、好ましくは0.5〜3重量%の処理された平均粒径1
μ以下のハイドロタルサイト類化合物を含有せしめる
が、これらの化合物の10重量%以上の添加は、繊維の物
理的性能に悪影響を及ぼすため、必要最小限の添加量と
することが好ましい。但し、0.1重量%未満の添加量で
は、塩素劣化防止作用が不充分である。
ポリウレタン弾性糸に通常用いられる他の化合物、例え
ば紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、耐ガス安定
剤、着色剤、つや消し剤、充填剤等と併用してもよい。
物は、通常ポリウレタンプレポリマー、鎖伸長剤および
溶剤を反応させたポリウレタン重合耐溶液中に添加され
るが、これらの各薬剤中に予め添加したり、または重合
中に添加することも可能である。
は、塩素が誘発する劣化に対して優れた耐性を有し、し
かもタンニン液処理を行ってもポリウレタン弾性糸が、
変着色や、塩素水中で糸が膨潤したりすることがなく、
塩素劣化に対する優れた耐性が維持される。
タンニン液処理を行っても、耐塩素安定化効果を損なう
ことがないために、繰り返し長期にわたって塩素を含有
するプール中で着用される競泳用水着の素材として極め
て有用なものである。
の他に、フィルム、エラストマー、フォーム材料にも使
用することができる。
に述べる方法を用いて行った。
乾燥済みのヨウ化カリウムを2g加えて振りまぜる。同容
積のイオン交換水で希釈した酢酸10mlを加えてふりまぜ
る。1/100Nのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、溶液が
橙色から薄黄色に変化した時点で澱粉溶液を加える。ヨ
ウ素澱粉反応による青色が消えるまで1/100Nのチオ硫酸
ナトリウム溶液で滴定する。
滴定し、滴定量を求める。次式により有効塩素濃度は算
出される。
の滴定量(ml) Vb:イオン交換水を滴定した時の1/100Nチオ硫酸ナトリ
ウムの滴定量(ml) f :1/100Nチオ硫酸ナトリウムのファクター Ws:塩素水の重量(g) (染色条件処理) 試験糸を50%伸長下に酢酸及び酢酸ナトリウムで酸性
(PH3.5)に調整した沸騰水中に所定時間(1時間)浸
漬処理した。次いで、この酸性処理後の10分間流水中で
水洗する。
特製タンニン酸4.5g及び酢酸2.7gを加えた液に、試験糸
を処理液が25℃の時点で投入し、その後、処理液を50℃
まで昇温し、そのまま、30分間、浸漬処理を行う。
々木薬品(株)製)をイオン交換水で希釈して有効塩素
濃度(後記測定法を参照)3ppmとし、HClでPHを7に調
整した液に、水温30℃で50%伸長下に浸漬し、経時的に
試料を採取し、それぞれ強力保持率(TS/TS0×100%、T
S0:ブランク強力、Ts:処理後強力)を求めた。
し、次いでタンニン液処理を行った後、上記の有効塩素
濃度3ppm、水温30℃の条件で48時間放置した後の塩素水
中で測定した糸長がlcmであった時、糸の膨潤度は次の
式で表す。
後、約10cmの長さにそろえて切り、その中央を木綿のヒ
モで強く束ねたもの)を、前述の染色処理条件で処理を
行った後、10分間流水にて水洗処理を行い、さらに前述
のタンニン液中で処理を行った後、10分間流水にて水流
処理を行った後、一昼夜20℃で風乾した。
タンニン液処理後の変着色度は、以下の基準で級判定し
たものである。
わずかに着色し、3級はうすく着色し、4級は着色、5
級は強く着色していることを意味する。
よって平均粒径を求めた。
明するが、本発明は、これらの実施例により限定される
ものではない。
の全重量に対する重量%を意味する。
3.3部(重量部、以下同じ)および4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート31.2部を、窒素ガス気流中95℃に
おいて90分間撹拌しつつ反応させて、イソシアネート基
残有のプレポリマーを得た。次いで、これを室温まで冷
却した後、乾燥ジメチルホルムアミド270部を加え、溶
解してプレポリマー溶液とした。
0.37部を乾燥ジメチルホルムアミド157部に溶解し、こ
れに前記プレポリマー溶液を室温で添加して、粘度1,50
0ポイズ(30℃)のポリウレタン溶液を得た。
4%(重量%、以下同じ)、4,4′−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)2%、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール0.7%お
よび第1表に示す塩素劣化防止剤を加えた。
ラメント、40デニールの糸とした。
紡糸中紡筒中で各々20、25、18、14回糸切れを起こした
が、本発明で用いる処理されたハイドロタルサイト類化
合物は、いずれも30分間の紡糸中1回も糸切れしなかっ
た。
子量1,500のポリエステルジオール125部及び4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート31.2部を、窒素ガス気
流中95℃において90分間撹拌しつつ反応させて、イソシ
アネート基残有のプレポリマーを得た。
ルムアミド281部を加え、溶解してプレポリマー溶液と
した。
0.37部を乾燥ジメチルホルムアミド185部に溶解し、こ
れに前記プレポリマー溶液を室温で添加して、粘度1,51
0ポイズ(30℃)のポリウレタン溶液を得た。
ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)2%、および第2表に示す塩素劣化防止剤を加え
た。
デニールの糸を得た。この糸を実施例1と同様に糸の染
色処理及びタンニン液処理後の変着色及び膨潤度及び塩
素水浸漬試験した結果を第2表に示す。
N′−ジメチルアセトアミド1,150gを、窒素ガス気流中
で40℃において3時間撹拌しつつ反応させてプレポリマ
ーのN,N′−ジメチルアセトアミド溶液を得た。
−ジメチルアセトアミド1,900gを加え、室温で撹拌しな
がら溶解させて均一なプレポリマー溶液とした。
ミン3.13g、N,N′−ジメチルアセトアミド1780gからな
る溶液を準備しておき、これにプレポリマー溶液を激し
く撹拌しながら滴加する。滴加と同時に徐々に粘度が上
がり、滴加終了後約30分撹拌後、30℃で1,600ポイズの
粘稠液を得た。
−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)2%、及び第3表に示す塩素劣化防止剤を加え
た。
ニールの糸を得た。この糸を実施例1と同様に染色処理
とタンニン液処理を行い、変着色度及び糸の膨潤度、塩
素水浸漬試験した後の結果を第3表に示す。
均粒径1μ以下のハイドロタルサイト含有ポリウレタン
組成物は、染色処理後、ナイロン染色褪色防止加工(タ
ンニン液処理)を行った後でも、塩素劣化に対する優れ
た耐性を損なわず、さらにポリウレタンを好ましくない
変着色や膨潤を生じさせず、さらに紡糸工程稠において
は、紡筒中での糸切れを発生しないという優れた特性を
もっていることは明らかである。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリウレタン(A)に対して、少なくとも
高級脂肪酸及び/又はシランカップリング剤によって処
理された平均粒径1μ以下のハイドロタルサイト類化合
物(B)を0.1〜10重量%含ませたことを特徴とする、
ポリウレタン組成物。
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