JP2006342448A - ポリウレタン系弾性繊維及びその製造方法 - Google Patents
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また、このポリウレタン系弾性繊維は、上記の化学構造式1で表されるヒンダードアミン系化合物を含有する紡糸溶液を溶液紡糸することにより製造することができるものである。
本発明のポリウレタン系弾性繊維は、ポリウレタン系重合体を紡糸することにより得られる繊維である。
1)ハイドロタルサイト類化合物、
2)フンタイト及びハイドロマグネサイトの混合物、
3)Ca、Mg、Zn、Al、Baから選択された金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物のいずれか、並びに、
4)Ca、Mg、Zn、Al、Baから選択された金属の炭酸塩、酸化物、複合酸化物、及び水酸化物の群から選択された2種以上からなる固溶体。
本発明法においては、最初に、ポリウレタン系重合体を溶質とする溶液を調製するのが好ましい。
以下において、ヒンダードアミン系化合物のDMAcへの溶解性、ポリウレタン系弾性繊維のSET%、耐塩素水性、NOx耐黄変性、塩素耐黄変性は次の方法で測定した。
ヒンダードアミン系化合物のDMAcへの溶解性は、次の方法により評価した。
濃度60wt%のヒンダードアミン化合物を含む溶液500gとなるように、ヒンダードアミン化合物及びDMAcを所定割合でガラス容器中にて混合し、温度35℃に保ちながら5分間、プロペラ型インペラを有する攪拌機によって攪拌する。この攪拌直後に溶液が透明であれば、溶解性が“良好”と判定し、溶液が濁っていれば、溶解性が”不良”と判定する。
残留歪み率(SET%)は、試料糸を“インストロン”4502型引張試験機を用い、引張テストを繰り返すことにより測定した値であり、下記により定義される。
5cm(L1)長の試料糸を50cm/分の引張速度で300%伸長させ回復させる操作を5回繰返す。次に、300%伸長状態を30秒間保持した後、伸長を回復せしめ応力が0になった際の試料糸の長さを(L2)とする。
SET%=100×((L2)−(L1))/(L1)
このSET%が小さいほど残留歪みが小さく、伸長回復特性が優れている。
次亜塩素酸ナトリウム液をイオン交換水で希釈して有効塩素濃度3ppmとし、さらに尿素を添加して尿素濃度3ppmとし、硫酸の緩衝溶液でpHを7.2に調整し、塩素水を準備する。この塩素水を28℃に温度調節した恒温槽に入れ、試料糸の下端に5gの荷重をかけて塩素水中に浸漬させ、試料糸が切れるまでの時間を測定する。切断までの時間が長いほど耐塩素水性が優れている。
ポリウレタン系弾性繊維をステンレス板に10g巻き取った試料カードを作製し、これをスコットテスターを使用して、NO2ガスが規定濃度(7ppm)となるように混合したガス(主成分は湿度60%RHの空気)中に常温で50時間放置する(NO2ガス暴露)。このガス暴露の前後に、カラーマスター(D25、DP−9000型シグナルプロセッサー)を使用して“b”カラーを測定する。“b”カラーの処理前後の差“△b”を求める。この値が小さいほどにNOx耐黄変性が優れている。
ポリウレタン系弾性繊維を“テフロン(登録商標)”板に10g巻き取った試料カードを作製し、これを40℃±2℃に恒温された塩素水(次亜塩素酸ナトリウム濃度が600ppm)中に30分間浸積し、続いて10分間純水で水洗する。この30分間の塩素水への浸積と10分間の水洗とを1サイクルとし、これを10サイクル繰り返し処理する。続いて、試料カードを自然乾燥させ、カラーマスター(D25、DP−9000型シグナルプロセッサー)を使用して“b”カラーを測定する。“b”カラーの処理前後の差“△b”を求める。この値が小さいほどに塩素耐黄変性が優れている。
分子量1800のPTMGとMDIとをモル比にてMDI/PTMG=1.58/1となるように容器に仕込み、90℃で反応せしめ、得られた反応生成物をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させた。次に、エチレンジアミン及びジエチルアミンを含むDMAc溶液を前記反応物が溶解した溶液に添加して、ポリマ分が35重量%であるポリウレタンウレア溶液(溶液A1)を調製した。
ヒンダードフェノール系化合物: ポリウレタン系弾性繊維中の含有量が1.2重量%となる量の、パラクレゾールとジビニルベンゼンの共重合体
溶液A1に添加したヒンダードアミン系化合物(DEAM/DDM)は、DMAcへの溶解性が良好であった。
無機系塩素劣化防止剤として、酸化亜鉛の代わりに、Mg3Ca(CO3)4(フンタイト)及びMg4(CO3)4・Mg(OH)2・4H2O(ハイドロマグネサイト)の50:50の混合物(英国 Microfine Minerals Ltd.製)(繊維中の平均粒径が1μm以下となる粒径を有するもの)を用い、ポリウレタン系弾性繊維中の含有量が4重量%となる量で添加した以外は、実施例1と同様にして紡糸溶液B2を調製した後、同様に乾式紡糸してポリウレタン系弾性繊維を製造した。
無機系塩素劣化防止剤として、酸化亜鉛の代わりに、3ZnO・ZnAl2O4の粉体(繊維中の平均粒径が1μm以下となる粒径を有するもの)を用い、ポリウレタン系弾性繊維中の含有量が4重量%となる量で添加した以外は、実施例1と同様にして紡糸溶液B3を調製した後、同様に乾式紡糸してポリウレタン系弾性繊維を製造した。
無機系塩素劣化防止剤として、酸化亜鉛の代わりに、ハイドロタルサイト(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)の粉体(繊維中の平均粒径が1μm以下となる粒径を有するもの)を用い、ポリウレタン系弾性繊維中の含有量が4重量%となる量で添加した以外は、実施例1と同様にして紡糸溶液B3を調製した後、同様に乾式紡糸してポリウレタン系弾性繊維を製造した。
実施例1と同様にして紡糸溶液B4を調製した後、同様に乾式紡糸してポリウレタン系弾性繊維を製造した。
実施例1で調製したポリウレタンウレア溶液A1に、下記の添加剤2種を加え、2時間攪拌し、紡糸溶液B5とした。
ヒンダードフェノール系化合物: ポリウレタン系弾性繊維中の含有量が1.2重量%となる量の、パラクレゾールとジビニルベンゼンの共重合体。
得られたポリウレタン系弾性繊維は、ヒンダードアミン系化合物を含有しないものであり、NOx耐黄変性が非常に劣ったものであった。その結果を併せて表1に示す。
ヒンダードアミン系化合物として、DEAM/DDMの代わりに、DEAM(三洋化成工業(株)製)を用い、ポリウレタン系弾性繊維中の含有量が0.5重量%となる量を添加した以外は、実施例1と同様にして紡糸溶液B6を調製した後、同様に乾式紡糸してポリウレタン系弾性繊維を製造した。
ヒンダードアミン系化合物として、DEAM/DDMの代わりに、DIPAM/DM(デュポン社製)を用い、ポリウレタン系弾性繊維中の含有量が0.5重量%となる量を添加した以外は、実施例1と同様にして紡糸溶液B7を調製した後、同様に乾式紡糸してポリウレタン系弾性繊維を製造した。
実施例1で調製したポリウレタンウレア溶液A1に、下記の添加剤1種を加え、2時間攪拌し、紡糸溶液B8とした。
Claims (8)
- ヒンダードアミン系化合物を0.1〜3重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン系弾性繊維。
- さらに無機系塩素劣化防止剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタン系弾性繊維。
- 無機系塩素劣化防止剤が、ハイドロタルサイト類化合物、フンタイト及びハイドロマグネサイトの混合物、Ca、Mg、Zn、Al、Baから選択された金属の炭酸塩、酸化物、複合酸化物、水酸化物のいずれか、並びに、Ca、Mg、Zn、Al、Baから選択された金属の炭酸塩、酸化物、複合酸化物及び水酸化物のうちの2種以上からなる固溶体、の群から選択された少なくとも1種の金属化合物であることを特徴とする請求項3に記載のポリウレタン系弾性繊維。
- 無機系塩素劣化防止剤が、フンタイト及びハイドロマグネサイトの混合物、ハイドロタルサイト類化合物、酸化亜鉛、MgOとZnO固溶体、ZnOにAlが固溶した酸化亜鉛系固溶体、並びに、ZnとAlの複合酸化物であるxZnO・ZnAl2O4(ただしxは2〜5の整数を示す。)から選択された少なくとも1種の金属化合物であることを特徴とする請求項3に記載のポリウレタン系弾性繊維。
- 無機系塩素劣化防止剤を0.1〜10重量%含有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のポリウレタン系弾性繊維。
- 紡糸方法が乾式紡糸であることを特徴とする請求項7に記載のポリウレタン系弾性繊維の製造方法。
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