JP2009144276A - ポリウレタン糸およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリウレタン糸製造時には紡糸口金詰まりや紡糸時糸切れを防ぎ、かつ、紙おむつ用ギャザー等に使用する際には優れたホットメルト接着性を発現することができるポリウレタン糸およびその製造方法を提供する。
【解決手段】紡糸方法が乾式であり、主要構成成分がポリマージオールおよびジイソシアネートであるポリウレタン糸を製造するに際して、エーテル型界面活性剤である非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルを含有するポリウレタン糸。
【選択図】なし

Description

本発明はポリウレタン糸およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、紡糸における口金滑性の向上による紡糸性の向上および、ギャザーラッピングにおける、ホットメルト接着性向上などに特に優れた特性を有するポリウレタン糸およびその製造方法に関する。
紙おむつの腰部や脚部等のいわゆるゴム部として、重ね合わせた不織布の間にラミネートして使用されるポリウレタン糸については、従来から各種の提案がなされている。
たとえば、紙おむつの製造工程性、すなわちポリウレタン糸がラミネートされるまでの工程での糸道変更用ガイドとの摩擦性を低減させるために、各種無機金属化合物がポリウレタン糸中に添加されることがある。しかしながら、このように無機金属化合物を添加する場合、ポリウレタン糸製造時に紡糸口金が詰まり紡糸性が悪化しやすい。
また、特許文献1に記載されるように、ポリエチレンオキシドおよび/またはその誘導体をポリウレタン溶液に添加し、紡糸する際にも、同様に紡糸口金詰まりによる紡糸性悪化の問題があり、この問題を解決するために、シリコーンオイル、変性シリコーン、及び金属石けんを添加する方法が試みられている(特許文献2)。しかし、この手法では、添加されたシリコーンオイルや変成シリコーンと、重ね合わせた不織布の間にポリウレタン糸をラミネートするために使用されるホットメルト接着剤との相溶性が悪く、ポリウレタン糸のホットメルト接着性においては満足いくものは得られない。
ポリウレタン糸のホットメルト接着性を改善するためには、(a)数平均分子量300〜2000、かつ、融点が20℃以下であるホモ又は共重合ポリアルキレンエーテルジオール、(b)末端にOH基を有し、炭素数が8〜25の高級アルコール、(c)25℃における動粘度が5〜50センチストークスの鉱物油、及び(d)25℃における動粘度が5〜50センチストークスのジメチルシリコーンからなる処理剤を、特定の割合でポリウレタン糸に付着させる手法も試みられている(特許文献3)。しかしながら、この手法でも、ジメチルシリコーンが少なからずホットメルト接着性を阻害するため、ポリウレタン糸のホットメルト接着性が十分満足いくものとはならない。
特開2002−212834号公報 特開2007−100248号公報 特開2005−344215号公報
本発明の課題は、ポリウレタン糸製造時には紡糸口金詰まりや紡糸時糸切れを防ぎ、かつ、紙おむつ用ギャザー等に使用する際には優れたホットメルト接着性を発現することができるポリウレタン糸およびその製造方法を提供することにある。
本発明のポリウレタン糸は前記課題を解決するため、以下の解決手段を有する。すなわち、非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルを含有することを特徴とするポリウレタン糸である。
また、本発明のポリウレタン糸の製造方法は前記課題を解決するため、以下の解決手段を有する。すなわち、主構成成分がポリマージオールおよびジイソシアネートであるポリウレタン糸を製造するに際して、非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルを含有させて紡糸することを特徴とするポリウレタン糸の製造方法である。
本発明によれば、ポリウレタン糸が非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルを含有するので、製造時には紡糸性に優れ、生産性の向上に寄与し、また紙おむつのギャザー等に使用する場合はホットメルト接着性に優れたものとなる。
以下本発明について、さらに詳細に述べる。
本発明のポリウレタン糸は、非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルを含有することを特徴とするものであるが、まず係る糸を構成するポリウレタンについて述べる。
本発明に使用されるポリウレタンは任意のものであってよく、特に限定されるものではない。また、その合成法も特に限定されるものではない。すなわち、例えば、ポリマージオールとジイソシアネートとジアミンからなるポリウレタンウレアであってもよく、また、ポリマージオールとジイソシアネートとジオールからなるポリウレタンであってもよい。また、鎖伸長剤として水酸基とアミノ基を分子内に有する化合物を使用したポリウレタンウレアであってもよい。なお、本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のポリマージオールやイソシアネートなどが使用されることも好ましい。
ここで、本発明のポリウレタン糸を構成する代表的な構造単位について述べる。
本発明に使用されるポリマージオールはポリエーテル系ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリカーボネートジオールなどが好ましい。そして、特に柔軟性、伸度をポリウレタン糸に付与する観点からポリエーテル系ジオールが使用されることが好ましい。
ポリエーテル系ジオールとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールの誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)、THFおよび3−MeTHFの共重合体である変性PTMG(以下、3M−PTMGと略する)、THFおよび2,3−ジメチルTHFの共重合体である変性PTMG、特許公報第2615131号公報などに開示される側鎖を両側に有するポリマージオール等が好ましく使用される。これらポリエーテル系ジオールを1種または2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。
また、ポリウレタン糸として耐摩耗性や耐光性を得る観点からは、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、特開昭61−26612号公報などに開示されている側鎖を有するポリエステルポリオールなどのポリエステル系ジオールや、特公平2−289516号公報などに開示されているポリカーボネートジオールなどが好ましく使用される。
こうしたポリマージオールは単独で使用されてもよいし、2種以上混合もしくは共重合して使用されてもよい。本発明に使用されるポリマージオールは、糸にした際の伸度、強度、弾性回復力、耐熱性などを優れたものにする観点から数平均分子量は1000以上8000以下が好ましく、1800以上6000以下がより好ましい。
次に本発明に使用されるジイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性体(カーボジイミド変性体、ウレタン変性体、ウレトジオン変性体など)およびこれらの2種以上の混合物などが好ましい。
前記芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記する)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。
前記脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが好ましい。
前記脂環族ジイソシアネートの具体例としては、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、H12MDIと称する。)、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが好ましい。
これらのうち、各種用途において、最終製品の強度を向上させ、優れた耐熱性や強度を得る観点から、芳香族ジイソシアネートが好ましく、特に好ましいものはMDIである。
また、ポリウレタン糸の黄変を抑制する観点からは脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
そして、これらのジイソシアネートは単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
次に本発明における鎖伸長剤は、低分子量ジアミンおよび低分子量ジオールのうち少なくとも1種以上が使用されるのが好ましい。なお、エタノールアミンのような水酸基とアミノ基を分子中に有するものであってもよい。
低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドなどが好ましい。これらの中から1種または2種以上が使用されることも好ましい。
伸度および弾性回復性、さらに耐熱性に優れたポリウレタン糸を得る観点から、特にエチレンジアミンが好ましい。さらにこれらの鎖伸長剤に架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミン等を効果を失わない程度に加えることも好ましい。
低分子量ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1−メチル−1,2−エタンジオールなどが好ましい。これらの中から1種または2種以上が使用されることも好ましい。
ジオール伸長のポリウレタンとしては耐熱性が高く、また、強度の高いポリウレタン糸を得る観点から、特にエチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオールが好ましい。
また、本発明において、耐久性や強度の高いものを得る観点から、ポリウレタン糸の数平均分子量は40000以上150000以下の範囲にあることが好ましい。なお、本発明における分子量はGPCで測定し、ポリスチレンにより換算する。
そして、本発明のポリウレタン糸は、工程通過性も含め、実用上の問題がなく、かつ、熱セット性に優れたものを得る観点から、ジオールとジイソシアネートからなり、かつポリウレタン糸の高温側の融点が200℃以上260℃以下の範囲となるものが好ましい。本発明における高温側の融点とは、DSCで糸を測定した際のセカンドランの値をいい、ポリウレタンのいわゆるハードセグメントの融点が該当する。
さらに、本発明のポリウレタン糸は、伸度が高く、工程通過性も含め、実用上の問題がなく、かつ、熱セット性に優れたものを得る観点から、ポリマージオールとして分子量が1800以上6000以下の範囲にあるPTMG、ジイソシアネートとしてMDI、ジオールとしてエチレングライコール、1,3プロパンジオールおよび1,4ブタンジオールからなる群から選ばれた少なくとも1種が使用されて合成され、かつ、高温側の融点が200℃以上260℃以下の範囲となるものがより好ましい。なお、ポリウレタン糸の高温側の融点を200℃以上260℃以下にする観点から、事前にテストをし、ジイソシアネートとポリマージオール、ジオールの比率を選択することが好ましく行われる。
本発明においては、以上のような基本構成を有するポリウレタン糸に、非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルを含有させる。
本発明に用いる非イオン系界面活性剤は、エーテル型界面活性剤が好ましく、さらにはエチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシド重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体のうち少なくとも1種であることが好ましい。エチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシド重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体のうちの少なくとも1種を含有することで、紡糸性を高めつつ、ホットメルト接着性をさらに良好なものとすることができる
本発明において、エチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシドの重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体としては、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドの分子、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体分子を、1万ないし数十万ほどに連結させて得られる高分子重合体が好ましい。
また、エチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシドの重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体として、例えば、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを開環重合させたもの、また、一旦、高分子量に重合させたものを分解することによって低分子量化させたものなども好ましい。より具体的には、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールの末端水酸基を第1級アルコールとして反応させて得られた生成物で、エステル基、アミン基、アセタール基などからなる群のうちから少なくとも1種選ばれた官能基を含有したポリエチレングリコールの誘導体またはポリプロピレングリコールの誘導体等が好ましい。これらの中で、特に好ましいものは、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールとアルキルとのエーテルである。
本発明においてエチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシドの重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体は、その重合過程において適当な触媒種、懸濁剤、溶媒を選択することにより分子の炭素骨格構造が変化する場合があるが、直鎖型であってもよく、また、分岐型であってもよい。
本発明において、エチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシド重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体の数平均分子量は、100以上10000以下の範囲であるのが好ましい。ここでの数平均分子量はGPCで測定して求めることができ、ポリスチレン換算値である。
一方、本発明に用いるシリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサンに代表されるものである。ポリジメチルシロキサンには、1)ジメチルシロキサン単位から成るポリジメチルシロキサン、2)ジメチルシロキサン単位と炭素数2〜4のアルキル基を含むジアルキルシロキサン単位とから成るポリジアルキルシロキサン類、3)ジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位とから成るポリシロキサン類等が包含される。
また、シリコーンオイルは、25℃における粘度が10×10-6〜10×10-12 /Sのものが好ましい。シリコーンオイル粘度は、JIS−K2283(石油製品動粘度試験方法)に記載された方法で測定される25℃での粘度値である。
本発明においては、末端封鎖剤が1種または2種以上混合使用されることも好ましい。末端封鎖剤として、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどが好ましい。
また、本発明において、ポリウレタンに各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。例えば、耐光剤、酸化防止剤などにBHTや住友化学工業株式会社製の“スミライザーGA−80”などのヒンダードフェノール系薬剤、各種のチバガイギー社製“チヌビン”などのベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学工業株式会社製の“スミライザーP−16”などのリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、酸化鉄、酸化チタンなどの各種顔料、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、カーボンブラックなどの無機物、フッ素系またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などの各種の帯電防止剤などが含まれることも好ましく、またこれらがポリマと反応させられることも好ましい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、例えば、日本ヒドラジン株式会社製のHN−150などの酸化窒素補足剤、例えば、住友化学工業株式会社製の“スミライザーGA−80”などの熱酸化安定剤、例えば、住友化学工業株式会社製の“スミソーブ300♯622”などの光安定剤が使用されることも好ましい。
次に本発明のポリウレタン糸の製造方法について詳細に説明する。
本発明においては、主構成成分がポリマージオールおよびジイソシアネートであるポリウレタン糸を製造するに際して、非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルを含有させて紡糸する。非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルは、ポリウレタンの重合段階で合わせて添加してもよいが、予めポリウレタン溶液を作製しておき、その後で添加するのが好ましい。
ポリウレタン溶液の製法、また、溶液の溶質であるポリウレタンの製法は溶融重合法でも溶液重合法のいずれであってもよく、他の方法であってもよい。しかし、より好ましいのは溶液重合法である。溶液重合法の場合には、ポリウレタンにゲルなどの異物の発生が少なく、紡糸しやすく、低繊度のポリウレタン糸を得やすい。また、当然のことであるが、溶液重合の場合、溶液にする操作が省けるという利点がある。
本発明に特に好適なポリウレタンとしては、ポリマージオールとして分子量が1800以上6000以下のPTMG、ジイソシアネートとしてMDI、ジオールとしてエチレングライコール、1,3プロパンジオールおよび1,4ブタンジオールのうちの少なくとも1種を使用して合成され、かつ、高温側の融点が200℃以上260℃以下の範囲のものが挙げられる。
かかるポリウレタンは、例えば、DMAc、DMF、DMSO、NMPなどやこれらを主成分とする溶剤の中で、前記原料を用い合成するのが好ましい。例えば、こうした溶剤中に、各原料を投入、溶解させ、適度な温度に加熱し反応させてポリウレタンを得る、いわゆるワンショット法、また、ポリマージオールとジイソシアネートを、まず溶融反応させ、しかる後に、反応物を溶剤に溶解し、前記ジオールと反応させてポリウレタンを得る方法などが好ましい。
鎖伸長剤にジオールを用いる場合、ポリウレタンの高温側の融点を200℃以上260℃以下の範囲に調節する代表的な方法は、ポリマージオール、MDI、ジオールの種類と比率をコントロールすることにより達成され得る。ポリマージオールの分子量が低い場合には、MDIの割合を相対的に多くすることにより、高温の融点が高いポリウレタンを得ることができ、同様にジオールの分子量が低いときはポリマージオールの割合を相対的に少なくすることにより、高温の融点が高いポリウレタンを得ることができる。
ポリマージオールの分子量が1800以上の場合、高温側の融点を200℃以上にするには、(MDIのモル数)/(ポリマージオールのモル数)=1.5以上の割合で、重合を進めることが好ましい。
なお、かかるポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒等の触媒が1種もしくは2種以上混合して使用されることも好ましい。アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノールアミンなどが好ましい。また、有機金属触媒としては、オクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチルなどが好ましい。
こうして得られるポリウレタン溶液の濃度は、通常、30重量%以上80重量%以下の範囲が好ましい。
本発明においては、かかるポリウレタン溶液に非イオン系界面活性剤、特にエチレンオキシド重合体の末端変成誘導体、プロピレンオキシド重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体のうちの少なくとも1種と、シリコーンオイルとを添加するのが好ましい。
非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルのポリウレタン溶液への添加方法としては、任意の方法が採用できる。その代表的な方法としては、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方法、ホモミキサーによる方法、2軸押し出し機を用いる方法など各種の手段が採用できる。ここで、添加される非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルは、ポリウレタン溶液への均一な添加を行う観点から、溶液にして添加することが好ましい。
なお、非イオン系界面活性剤のポリウレタン溶液への添加により、添加後の混合溶液の溶液粘度が添加前のポリウレタンの溶液粘度に比べ予想以上に高くなる現象が発生するおそれがあり、この現象を防止する観点からジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどの末端封鎖剤を1種または2種以上混合して使用することも好ましい。
非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルのポリウレタン溶液への添加の際に、前記した、例えば、耐光剤、耐酸化防止剤などの薬剤や顔料などを同時に添加してもよい。
以上のように構成した紡糸原液を、たとえば乾式紡糸、湿式紡糸、もしくは溶融紡糸し、巻き取ることで、本発明のポリウレタン糸を得ることができる。中でも、細物から太物まであらゆる繊度において安定に紡糸できるという観点から、乾式紡糸が好ましい。
本発明のポリウレタン糸の繊度、断面形状などは特に限定されるものではない。例えば、糸の断面形状は円形であってもよく、また扁平であってもよい。
そして、乾式紡糸方式についても特に限定されるものではなく、所望する特性や紡糸設備に見合った紡糸条件等を適宜選択して紡糸すればよい。
たとえば、本発明のポリウレタン弾性糸のセット性(永久歪率)と応力緩和の特性は、特にゴデローラーと巻取機の速度比の影響を受けやすいので、糸の使用目的に応じて適宜決定されるのが好ましい。すなわち、所望のセット性と応力緩和を有するポリウレタン弾性糸を得る観点から、ゴデローラーと巻取機の速度比は1.15以上1.65以下の範囲として巻き取ることが好ましい。そして、特に低いセット性と、低い応力緩和を有するポリウレタン弾性糸を得る際には、ゴデローラーと巻取機の速度比は1.15以上1.40以下の範囲がより好ましく、1.15以上1.35以下の範囲がさらに好ましい。一方、高いセット性と、高い応力緩和を有するポリウレタン弾性糸を得る際には、ゴデローラーと巻取機の速度比は1.25以上1.65以下の範囲として巻き取ることが好ましく、1.35以上1.65以下の範囲がより好ましい。
本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。
まず、紡糸性およびホットメルト接着性の評価、エチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシドの重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体の定量法、シリコーンオイルの定量法を説明する。
[紡糸性の評価]
連続紡糸時間を表示した。
[ホットメルト接着性の評価]
2倍に伸長させた940デシテックスの弾性繊維1本にホットメルト接着剤を0.1g/m付着させ、両サイドをポリプロピレンの不織布で挟み込み、その上からローラーにて圧着させる。これを30cm長(L1)に切断し、40℃、80%RHの雰囲気下で48時間放置後の弾性繊維の長さ(L2)を測定する。ホットメルト接着性保持率を次の式で算出した。数値が大きいほどホットメルト接着性は良好である。なお、測定は30本の弾性繊維について行い、それら30本のホットメルト接着性保持率の平均値で評価する。
ホットメルト接着性保持率(%)=100×(L2)/(L1)
[エチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシドの重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体の含有量]
試料糸中のエチレンオキシド重合体の末端変性誘導体の含有量の算出方法を下記に示す。なお、n数は1とし、また、プロピレンオキシドの重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体についても同様に測定する。
まず、試料糸(A)1gにDMAc50mlを加え、試料糸を完全に溶解した後、エタノール100mlをゆっくりと加え、エチレンオキシド重合体の末端変性誘導体を沈殿させ、残るポリウレタン溶液を蒸発乾固し、試料糸中のポリウレタン(B)を単離しておいた。
次に、予め決定された重量比のポリウレタン(B)とエチレンオキシド重合体の末端変性誘導体の混合物のIRスペクトルから検量線を作成した。その手順はエチレンオキシド重合体の末端変性誘導体含有量が0重量%、1重量%、3重量%、6重量%、10重量%、20重量%、40重量%の試料を作製し、それぞれのIRスペクトルにおける特性吸収ν(CO)1700cm-1〜1800cm-1とν(−O−)YYYcm-1のピーク面積比(X)を求めた。IRスペクトル測定にはパーキンエルマー社製FT−IRを使用し、またその測定サンプルはDMAcによるキャストフィルムを使用した。ピーク面積比(X)に対するエチレンオキシド重合体の末端変性誘導体の含有率(重量%)の検量線を作成し、その傾き(α)を得た。
最後に、糸試料(A)をn−ヘキサンで洗浄後、同様の条件にて、IRスペクトルを測定した。得られたスペクトルにおいてν(CO)1700cm-1〜1800cm-1とν(−O−)YYYcm-1のピーク面積比(Xs)を求めた。
含有量は下記式により算出した。
誘導体含有量(重量%)=(α)×(Xs)
[シリコーンオイルの含有量]
試料糸中のシリコーンオイルの含有量の算出方法を下記に示す。なお、n数は1とする。
まず、試料糸1gをn−ヘキサンで洗浄後、テトラクロロエチレン20mlに24時間浸漬の後にポリウレタン糸を濾別して測定サンプル溶液を得る。次に、予め0重量%、1重量%、3重量%、6重量%のシリコーンオイルを含むテトラクロロエチレン溶液の1260cm-1の吸光度を測定し、検量線を作成しておいた。吸光度測定にはパーキンエルマー社製FT−IRを使用した。同様の条件にて測定サンプル溶液の吸光度(A)を測定した。含有量は下記式により算出した。
シリコーンオイル含有量(重量%)= 0.1088A−0.024
[実施例1]
分子量1800のPTMG、MDI、エチレンジアミンおよび末端封鎖剤としてジエチルアミンからなるポリウレタンウレアのDMAc溶液(35重量%)を重合し、溶液A1とした。次に、理研ビタミン(株)製ポリオキシエチレンセチルエーテル(数平均分子量600)のDMAc溶液(35重量%)を調整した。これをB1とした。さらに、米国特許第3555115号明細書に記載されているt−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタンと米国特許第3553290号明細書に記載されているp−クレゾ−ルとジビニルベンゼンの縮合重合体の2対1重量比の混合物のDMAc溶液(35重量%)を調整し、酸化防止剤溶液C1とした。さらに無変性のポリジメチルシロキサンからなり、25℃における粘度が20×10-62 /SであるシリコーンオイルをD1とした。
A1、B1、C1、D1を95重量%、1重量%、2重量%、2重量%で均一に混合し、溶液P1とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメント、ポリオキシエチレンセチルエーテルの含有量が1重量%であるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。
得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性はB1未配合の比較例1に比べ、はるかに優秀であった。ホットメルト接着性はB1未配合の比較例1より1.18倍増加した。
[実施例2]
理研ビタミン(株)製ポリオキシエチレンセチルエーテル(数平均分子量1200)(のDMAc溶液(35重量%)を調整した。これをB2とした。また、酸化チタンとして、石原産業(株)製‘タイペーク’(登録商標)PF−711をE1とした。
A1、B2、C1、D1、E1を94.5重量%、1重量%、2重量%、2重量%、0.5重量%で均一に混合し、溶液P2とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメント、ポリオキシエチレンセチルエーテルの含有量が1重量%であるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。
得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性はB2未配合の比較例1に比べ、はるかに優秀であった。ホットメルト接着性はB2未配合の比較例1より1.17倍増加した。
[実施例3]
ポリオキシプロピレン 2−エチルヘキシルエ−テル(数平均分子量5000)のDMAc分散液(35重量%)を調整した。これをB3とした。
A1、B3、C1、D1を95重量%、1重量%、2重量%、2重量%で均一に混合し、溶液P3とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメント、ポリオキシプロピレン 2−エチルヘキシルエ−テルの含有量が1重量%であるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。
得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性はB3未配合の比較例1に比べ、はるかに優秀であった。ホットメルト接着性はB3未配合の比較例1より1.17倍増加した。
[実施例4]
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン 2−エチルヘキシルエ−テル(数平均分子量8000)のDMAc分散液(35重量%)を調整した。これをB4とした。
A1、B4、C1、D1を95重量%、1重量%、2重量%、2重量%で均一に混合し、溶液P4とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメント、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン 2−エチルヘキシルエ−テルの含有量が1重量%であるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。
得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性はB4未配合の比較例1に比べ、はるかに優秀であった。ホットメルト接着性はB4未配合の比較例1より1.14倍増加した。
[実施例5]
ポリオキシエチレンソルビタントリオレート(数平均分子量1000)のDMAc分散液(35重量%)を調整した。これをB5とした。
A1、B5、C1、D1を95重量%、1重量%、2重量%、2重量%で均一に混合し、溶液P5とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメント、ポリオキシエチレンソルビタントリオレートの含有量が1重量%であるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。
得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性はB5未配合の比較例1に比べ、はるかに優秀であった。ホットメルト接着性はB5未配合の比較例1より1.11倍増加した。
[比較例1]
ポリマ溶液A1、添加剤溶液C1を98重量%、2重量%で混合し、均一溶液P6とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメントであるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性は劣悪であり、また、ホットメルト接着性も満足いくものではなかった。
[比較例2]
ポリマ溶液A1、添加剤溶液C1、D1を96重量%、2重量%、2重量%で混合し、均一溶液P7とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメントであるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性は問題なかったが、ホットメルト接着性において満足いくものではなかった。
[比較例3]
A1、B1、C1を97重量%、1重量%、2重量%で混合し、均一溶液P8とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメントであるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性は劣悪であった。
[比較例4]
ポリマ溶液A1、添加剤溶液C1、酸化チタンE1を97.5重量%、2重量%、0.5重量%で混合し、均一溶液P9とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメントであるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性は劣悪であり、また、ホットメルト接着性も満足いくものではなかった。
[比較例5]
ポリエチレンオキシド(数平均分子量4500000)のDMAc分散液(35重量%)を調整した。これと、A1、C1を3重量%、95重量%、2重量%で混合し、均一溶液P10とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメントであるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性は劣悪であり、また、ホットメルト接着性も満足いくものではなかった。
[比較例6]
シリコーンオイル100重量%と、アミノ変性シリコーン2.0重量%とを混合してシリコーン混合物とした。ここで、シリコーンオイルには、無変性のポリジメチルシロキサンからなり、25℃における粘度が20×10-62 /Sであるシリコーンオイルを用いた。次に、シリコーン混合物100重量%に対し、ジステアリン酸マグネシウム塩17.5重量%を加えて25〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩がコロイド状に分散された分散液を調製し、これをスラリー状改質剤とした。これと、A1、C1を2重量%、96重量%、2重量%で混合し、均一溶液P11とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメントであるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。ホットメルト接着性においては満足いくものは得られなかった。
[比較例7]
均一溶液P6をゴデローラーと巻取機の速度比1.4として300m/分のスピードで乾式紡糸することにより、940デシテックス、50フィラメントであるポリウレタン糸の3000g巻糸体を得た。ここで紡糸油剤として、ポリプロピレングリコール(数平均分子量700)を75%、イソステアリルアルコールを5%、鉱物油(15センチストークス)を10%、ジメチルシリコーン(10センチストークスのポリジメチルシロキサン)を10%を混合したものを使用し、繊維に対して2.8重量%を付着させた。得られた糸の紡糸性、ホットメルト接着性を表1に示した。紡糸性、ホットメルト接着性とも満足いくものは得られなかった。
Figure 2009144276
本発明のポリウレタン糸は紡糸性に優れ、生産性の向上に寄与する。また、本発明のポリウレタン糸を使用したギャザーはホットメルト接着性に優れたものとなる。これらの優れた特性を有することから、本発明のポリウレタン糸は単独での使用はもとより、各種繊維との組み合わせにより、例えば、ソックス、ストッキング、丸編、トリコット、水着、スキーズボン、作業服、煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウエットスーツ、ブラジャー、ガードル、手袋や靴下等の各種繊維製品の締め付け材料、紙おしめなどサニタニー品の漏れ防止用締め付け材料、防水資材の締め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、ワイピングクロス、コピークリーナー、ガスケットなど、種々の用途に使用することが可能である。

Claims (6)

  1. 非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルを含有することを特徴とするポリウレタン糸。
  2. 前記非イオン系界面活性剤がエーテル型界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン糸。
  3. 前記非イオン系界面活性剤が、エチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシド重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン糸。
  4. 前記エチレンオキシド重合体の末端変性誘導体、プロピレンオキシド重合体の末端変性誘導体、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の末端変性誘導体のうちの少なくとも1種の数平均分子量が100以上10000以下であることを特徴とする請求項3に記載のポリウレタン糸。
  5. 主構成成分がポリマージオールおよびジイソシアネートであるポリウレタン糸を製造するに際して、非イオン系界面活性剤およびシリコーンオイルを含有させて紡糸することを特徴とするポリウレタン糸の製造方法。
  6. 紡糸方法が乾式であることを特徴とする請求項5に記載のポリウレタン糸の製造方法。
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