JP2000194819A - 表面印刷画像書換えカ―ド - Google Patents

表面印刷画像書換えカ―ド

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JP2000194819A
JP2000194819A JP37266198A JP37266198A JP2000194819A JP 2000194819 A JP2000194819 A JP 2000194819A JP 37266198 A JP37266198 A JP 37266198A JP 37266198 A JP37266198 A JP 37266198A JP 2000194819 A JP2000194819 A JP 2000194819A
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card
film
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adhesive
images
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JP37266198A
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Yoshiaki Odai
佳明 尾台
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カードの表面に張付けられた文字、画像の印
刷された記録層を剥がし取り、再度新たな文字、画像が
印刷される記録層を張付けて新たな文字、画像の記録を
行うことが、短時間に、また多数回行うことができる表
面印刷画像書換えカードを得る。 【解決手段】 ICカード部2上に、一方の面に文字、
画像を記録するための昇華型熱転写記録5が形成され、
他面に圧力により接着可能な感圧型の接着剤3が塗布さ
れた変形したら変形が元に戻らない塑性変形特性を有す
るプラスチック材料によるフィルム4を、上記接着剤を
介して張り合わせたICカード1の構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、券面の文字、画
像の書換えが多数回繰り返してできるICカード、磁気
カード、光カードなどのカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、例えば特開平9−169183
号公報に記載の従来の画像書換え可能なICカードの構
成を示す縦断面図である。図において、1はICカー
ド、2は表面に何も印刷されていないICカード部であ
る。ICカード部2は内部にメモリを含む集積回路及び
アンテナ機構が埋め込まれている。51は熱溶融性接着
剤、52は染色性の良いフィルムであり、例えば軟質あ
るいは硬質の塩化ビニール、ポリエリレンテレフタレー
ト(PET)などのフィルムである。ICカード部2と
フィルム52は、その間に介在する熱溶融性接着剤51に
よって互いに接着されている。
【0003】フィルム52は、あらかじめ熱溶融性接着
剤51が薄く均一に被着されており、これらの厚さは、一
例を挙げると、フィルム52が30μm、熱溶融性接着
剤51が20μm程度である。熱溶融性接着剤51は、室温
では接着性を有しないものである。また、カード部2
は、接着性を上げるためにフィルムと接着する面は研磨
がされている。なお、ICカード部2の厚みは、例えば
0.8mm程度である。
【0004】図10は、ICカード1の製造方法につい
て示した説明図である。図10において、53及び54は熱
ローラである。熱ローラ53、54は、表面の平滑性の高い
硬質の金属やゴム等で形成されており、両者とも例えば
約75℃の温度に保たれている。この75℃という温度
は、上述の熱溶融性接着剤51が接着性を有し、かつ、I
Cカード部2にたわみなどの変形を生じさせない温度で
ある。因みに、フィルム52が例えば塩化ビニール性の
場合、これは形状改変可能な温度が66℃程度のもので
あるが、熱ローラ53、54の間を短時間に通過させたとき
には熱による形状改変が生じない。
【0005】また、熱ローラ53、54は上述のICカード
部2、熱溶融性接着剤51、及びフィルム52がこの間を
通り圧着されるように、お互いに転接可能に配置されて
いる。その間隙はICカード部2の厚みにフィルム52
及び熱溶融性接着剤51を加えたものより多少狭く設定さ
れている。例えばICカード部2の厚み0.8mm+2
0μm程度にこの間隙を設定する。
【0006】ICカード部2は、研磨された面とフィル
ム52の熱溶融性接着剤51を塗布された面とが互いに向
き合うように重ね合わされており、なおかつ、進行方向
にずれが生じないように位置合わせがされている。これ
らが、互いに逆回転している熱ローラ53、54の間に、巻
き込まれる側から挿入される。その結果、熱ローラ53、
54の熱によって熱溶融性接着剤51が溶融し、フィルム5
2とICカード部2は接着される。
【0007】ここで、熱ローラ53、54の間隙は、上述し
たように、ICカード部2の厚みにフィルム52及び熱
溶融性接着剤51の厚みを加えたものより多少狭く設定さ
れているために、フィルム52とICカード部2は圧着
される。これにより、より強固な接着性を得ることがで
きる。
【0008】そして、ICカード部2よりはみ出したフ
ィルムの部分が切断処理され、最終的にICカード1が
完成する。印刷は、ICカード1の表面を形成するフィ
ルム52に対して行われる。この印刷は、例えばオフセ
ット印刷によって行われる。また、小規模な印刷には昇
華型熱転写方式によるプリンタなどによるデジタル印刷
が行われる。上記のように、フィルム52の材質は印刷
性の良いフィルムとされているため、このような顔料や
染料による印刷が容易に行える。
【0009】さらに、フィルム52の印刷は、インクジ
ェット方式のプリンタ、あるいは溶融型熱転写方式によ
るプリンタも使用することができる。
【0010】以上のようにして形成されたICカード1
を、熱溶融性接着剤51を溶かすような溶剤に長時間浸す
ことによって、熱溶融性接着剤51によって接着及び圧着
されたフィルム52を剥離し、ICカード部2を分離す
ることができる。このようにして印刷面が除去され、印
刷の消去が行われると、フィルム52が剥離されたIC
カード部2は新たなICカード部として再生利用が可能
となる。
【0011】また、特開昭64−49646号公報に
は、以上とは全く別の方式で、カード表面の画像を書換
えようとする例が示されている。これは、磁気カード、
ICカード等の例えばプラスチックを基材とするカード
の表面に直接印刷された画像を、バフを使用してカード
の印刷面を物理的に研磨することにより、消去するもの
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の画像書換え可能なカードの溶剤を用いた画像書換
えは、溶剤を使用しなければならず、人体への影響が懸
念されるとともに環境面での制約が大きく、取り扱いが
面倒であるという問題点があった。また、溶剤で接着剤
を溶かすのに時間がかかるため、カードの書換え処理に
長時間を要するという問題点もあった。
【0013】さらに、バフを用いてカード表面の印刷を
研磨し、新たにカード表面の画像の書換えをする方式に
おいては、研磨剤剤入りのバフによりカード表面の印刷
面を研磨するためカード基材にまで傷がついてしまうこ
とがあり、多数回の画像消去、画像記録の繰り返しがで
きないという問題点があった。
【0014】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、短時間でカード表面の文字や
画像の消去、文字や画像の記録による文字、画像の書換
えができ、また多数回繰り返して文字、画像の書換えが
できるカードを得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、カード基
材と、変形したら変形が元に戻らない塑性変形特性を有
するプラスチック材料によるフィルムと、上記カード基
材の一方の面に塗布され、圧力により上記フィルムを上
記カード基材に接着する感圧型の接着剤と、上記フィル
ムの上記カード基材との接着面と反対の面に形成され、
文字、画像が印刷される記録層と、を備えたものであ
る。
【0016】第2の発明は、上記接着剤及び上記フィル
ムは導電性を有し、上記カード基材は、複数の金属端子
と、上記複数の金属端子中の任意の金属端子間における
上記接着剤及び上記フィルムの導電性に基づいた抵抗値
を検出する回路部と、上記検出された抵抗値を記憶する
メモリーと、上記回路部で抵抗値を検出した後に、再度
抵抗値を検出し、上記再度検出した抵抗値と上記メモリ
ーに記憶された抵抗値とに基づき不正使用の有無を検出
する抵抗値チェック手段と、を備えたものである。
【0017】第3の発明は、複数の金属端子と、上記複
数の金属端子中の任意の金属端子間を連結した細導線
と、上記細導線により連結された金属端子間の導通状態
を検出する回路部と、上記検出された導通状態を記憶す
るメモリーと、上記回路部で導通状態を検出した後に、
再度導通状態を検出し、上記再度検出した導通状態と上
記メモリーに記憶した導通状態とに基づき不正使用の有
無を検出する導通状態チェック手段と、を有するカード
基材を備えたものである。
【0018】第4の発明は、カード基材と、表面硬度の
高い硬鋼による硬質板と、上記カード基材の一方の面に
塗布され、上記硬質板を上記カード基材に接着する接着
剤と、上記硬質板の上記カード基材との接着面と反対の
面に形成され、文字、画像が印刷される記録層と、を備
えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、実施の形態
1を図を参照して説明する。図1は、実施の形態1のI
Cカードの構成を示す縦断面図である。図1において、
1は券面に文字、画像が印刷されたICカードである。
2は従来例と同様のICカード部、3は感圧型接着剤
(粘着剤)であり、例えば天然ゴム系の粘着剤である。
また、4は従来例と異なり非常に変形しやすく、変形し
たら元どおりには戻らず変形が残るようなフィルムであ
り、染色性は必ずしも必要ではない。具体的には無延伸
のポリプロピレン、ポリエチレン、パラフィン、シリコ
ンゴム等の材質によるフィルムで、ヤング率が2×10
4ないし4×105kg/m2程度のものである。
【0020】フィルム4は、粘着剤3によってICカー
ド部2に張り合わされている。フィルム4の変形のし易
さの程度は、手によって、非常に丁寧にフィルム4をI
Cカード部2から剥がそうとしたときに、剥がす力によ
ってフィルム4が変形し、元にもどらなくなる程度に設
定されている。5は上記フィルム4の表面に形成され
た、一般的な昇華型熱転写記録に用いられる昇華型熱転
写記録層であり、例えばポリエステル樹脂からなってい
る。それぞれの厚さは、例えば、ICカード部2は0.
8mm、粘着剤3は20μm、フィルム4は30μm、
昇華型熱転写記録層5は5μmである。
【0021】また、図2は実施の形態1のICカード用
画像書換え装置の構成図である。図において、6a〜6
fはICカード1あるいはICカード部2を搬送する搬
送ローラである。7は表面がプラスチックのブラシをな
す剥離ローラであり、フィルム剥離手段8の中心的な役
割を果たす。また、9は対向ローラ、10はカードの先
端を検出するための光センサ、11は剥離したフィルム
をためるための、ごみ回収容器である。12はフィルム
張り合わせローラであり、張り合わせ手段14の中心的
な役割を果たす。13はフィルム張り合わせローラ12
と対向する対向ローラである。画像形成手段は、一般的
なプリンタを用いれば良く、ここでは図示しない。
【0022】次に、動作について説明する。ICカード
1は、昇華型熱転写記録層5に、例えば顔写真等のフル
カラー画像や文字等が記録(印画、印字)されて使用さ
れる。カード所有者が、カード不用になり、回収して別
の所有者の顔写真や文字データを記録したい場合、以下
のようにカードの書換えを行う。
【0023】図2において、装置の左側から、文字、画
像を書換えたいICカード1を挿入する。ICカード1
は、図中矢印の方向に回転する搬送ローラ6a、6b、
6c、6dによって、右方向に搬送され、剥離ローラ7
の位置に達する。ここで、剥離ローラ7は、対向ローラ
9との間でICカード1を狭持し、ICカード1に押し
付けられている。しかも、剥離ローラ7は図中矢印の方
向に高速で回転しているため、剥離ローラ7の表面のブ
ラシがICカード1のエッジに当たり、フィルム4がは
がれ始める。フィルム4は粘着剤3によってICカード
部2に張り合わされているため、特に溶剤等を用いなく
ても、大きな力であれば剥がすことが可能である。
【0024】ICカード1がさらに右方向に搬送される
に従って、ICカード1の表面全体にわたってフィルム
4が剥がされる。剥離ローラ7の表面はブラシ状であ
り、高速回転しているので、剥がれたフィルム4は剥離
ローラ7には付着せず、ICカード1の通過後に落下
し、ごみ回収容器11にたまるようになっている。
【0025】続いて、フィルム4が剥がされたICカー
ド部2は、さらに右方向に搬送され、その先端が光セン
サ10によって検出され、そこから所定の距離だけ搬送
することにより、張り合わせローラ12の真下で停止す
る。張り合わせローラ12の表面には新しいフィルム4
が位置決めされてセットされており、フィルム4には図
示していないが片面には粘着剤3が塗布され、もう一方
の面には文字、画像が何も記録されていない昇華型熱転
写記録層5が形成されている。
【0026】ここで、図示しない上下機構によって、張
り合わせローラ12が下に移動し、対向ローラ13との
間で、フィルム4を重ねながらICカード部2を狭持
し、その後、圧力を加えながら図中矢印の方向に回転し
て、ICカード部2の表面にフィルム4が張り合わされ
ていく。最後に、図示していないが、一般的な昇華型熱
転写法によりフィルム4の表面の昇華型熱転写記録層5
に新しい文字、画像を記録して書換えが終了する。
【0027】なお、本実施の形態においては、張り合わ
せローラ12の表面にセットされたフィルム4の表面に
はあらかじめ昇華型熱転写記録層5が形成された場合を
示したが、必ずしもこの時点で、昇華型熱転写記録層5
が形成されていなくても良い。その場合、フィルム4が
ICカード部2に張り合わされた後に、熱転写法等によ
り昇華型熱転写記録層5を形成し、その後通常の印字を
行っても良い。あるいは、昇華型再転写法と呼ばれる方
法でも良く、これは、昇華型熱転写記録層5の塗布され
た中間媒体に一旦画像を昇華型熱転写により記録したの
ち、最終媒体上に昇華型熱転写記録層5ごと転写してし
まうもので、昇華型熱転写記録層5のないフィルム4の
上にも文字、画像が形成できる。
【0028】以上のように本実施の形態によれば、人体
への影響が懸念され、環境上にも問題のある溶剤等を用
いることなく、短時間でICカード1表面の文字、画像
を書換えることができる。また、多数回の文字や画像の
消去、文字や画像の記録といった文字、画像の書換えが
できる。さらに、ICカード1の構成中のフィルム4は
非常に変形しやすく、変形したら元どおりには戻らず変
形が残るようなフィルムであることから、昇華型熱転写
記録層5に文字や画像が記録されたフィルム4をICカ
ード部2から無理に剥がそうとすると、フィルム4が伸
びて変形してしまい元には戻らないため、別の基材であ
るICカード部2に張付けて使用することができず、不
正使用を防止することができる。
【0029】実施の形態2.以下、実施の形態2を図を
参照して説明する。図3は、実施の形態2のICカード
の構成を示す縦断面図である。図3において、15は硬
質板であり、硬鋼(炭素含有量約0.4ないし0.5
%、ブリネル硬さ160ないし200)等からできてお
り、厚さは約0.1mmである。また、16は上記硬質
板15をICカード部2に接着するための接着剤であ
り、エポキシ系、アクリル系、ゴム系等の接着剤が用い
られている。
【0030】図4は、この発明の実施の形態2における
ICカード用画像書換え装置の構成図である。図におい
て、17はグラインダーであり、硬質ゴムの中に、アル
ミニウム(純度99%、ブリネル硬さ約23)の微粒子
が埋め込まれており、図中矢印の方向に高速回転するこ
とにより、接触した表面を研磨することができる。ま
た、18は熱ローラであり、内部にヒーター19が設け
られている。20は記録層シートであり、厚さ15μm
のPETシートの表面に昇華型熱転写記録層5が塗布さ
れている。この記録シート20は供給ロール21から供
給されて巻き取りロール22によって巻き取られる。ま
た、23はフェルトなどからなるクリーナーである。
【0031】次に、動作について説明する。実施の形態
1と同様に、文字、画像の書換えを行いたいICカード
1を装置の左側から挿入する。ICカード1は搬送ロー
ラ6a、6b、6c、6dによって右方向に搬送され、
グラインダー17によって昇華型熱転写記録層5が削り
とられる。グラインダー17はICカード1に圧接さ
れ、カード表面と摩擦を生じるように矢印の方向に高速
回転している。昇華型熱転写記録層5は主としてポリエ
ステル樹脂等でできているため、グラインダー表面のア
ルミニウム微粒子によって簡単に研磨されるが、硬質板
15の硬度はグラインダーの表面に突出している微粒子
の硬度より格段に高いため、硬質板15は全く削られる
ことがない。
【0032】こうして昇華型熱転写記録層5が削られた
ICカード1は、さらに右方向に搬送されながら、クリ
ーナー23で表面を清掃されたのち、再び昇華型熱転写
記録層5が形成される。この昇華型熱転写記録層5の形
成は熱転写と同様の原理で行われる。すなわち、記録シ
ート20の昇華型熱転写記録層5が塗布された面をIC
カード1の硬質板15に密着させ、熱ローラ18により
熱及び圧力をかけて昇華型熱転写記録層5を硬質板15
の上に張り合わせ(転写)ていく。そののち、通常の昇
華型熱転写記録により、昇華型熱転写記録層5に新しい
文字や画像を記録することにより書換えが終了する。
【0033】以上のように本実施の形態によれば、硬質
板15によってICカード部2が保護されICカード部
2が削れることがないため、多数回の書換えができる。
【0034】なお、本実施の形態では、硬質板が接着剤
でICカード部2に張り合わされている例を示したが、
ネジ止め等別の手段で固定されていても良い。また、I
Cカード部2の構成素材自体が硬質板15と同様の性質
を有する構成でも良く、これによっても同様の効果を得
ることができる。
【0035】さらに、本実施の形態では、グラインダー
17による研磨を行う例を示したが、記録層除去手段は
これに限らず、例えば切削によっても良い。この場合、
カッター状の刃物でも良いし、フライス盤に用いられる
ようなエンドミルでも良く、いずれも硬質板15の硬度
より十分に硬度の低い材質で作られたものであれば、同
様の効果を得ることができる。
【0036】実施の形態3.以下、実施の形態3を図を
参照して説明する。図5は、実施の形態3のICカード
の構成を示す縦断面図であり、図6は実施の形態3のI
Cカードの構成を示す横断面図である。このICカード
の主要な構成は実施の形態1と同様であるが、図におい
て、24は導電性接着剤、25は導電性フィルムであ
り、このフィルムは特に変形しやすいものでなくても良
い。また、26a、26bは金属端子であり、それぞれ
ICカード部2内の図示しない回路部に接続されてい
る。
【0037】次に、動作について説明する。図示しない
ICカード部2内の回路部では、金属端子26aと金属
端子26bとの間の抵抗値を検出できるものとする。導
電性接着剤24によりICカード部2に導電性フィルム
25が張り合わされICカード1が作製された後、金属
端子26aと金属端子26bとの間の抵抗値が検出され
て、ICカード部2内の図示しないメモリーに記憶され
る。
【0038】ICカード1の使用が開始され、電源がオ
ンになるたびに、あるいは処理が行われるたびに、金属
端子26aと金属端子26bとの間の抵抗値が検出さ
れ、メモリーに記憶された初期値と比較される。このと
き、抵抗値が大きく変化した場合は、不正使用の可能性
があるため、ICカード1を使えなくするなど適切な処
置が講じられる。例えば、ICカード1の文字や画像が
形成された導電性フィルム25を剥がすなどして不正を
行った場合には、導電性フィルム25がなくなるため、
金属端子26a−26b間の抵抗値が増加するので、簡
単に不正が行われたことが判断できる。
【0039】なお、同様に、金属端子26a−26c
間、金属端子26a−26d間、金属端子26b−26
c間、金属端子26b−26d間などの抵抗値も検出で
きるようにしておけば、導電性フィルム25が部分的に
剥がされた場合等にも対応できる。また、導電性接着剤
24や導電性フィルム25の経年変化などによって、上
記抵抗値が徐々に変化することが考えられる。従って、
例えば、抵抗値は初期値と比べるだけでなく、前回の値
と比較する、あるいは変化の様子まで記録し、不自然な
抵抗値変化のみ不正と判断するようにすれば、正規の使
用状態で不正と判断される間違いも防ぐことができる。
また、文字や画像の書換えのため、導電性フィルム25
が張り替えられたときは上記抵抗値はリセットされるこ
とが望ましい。
【0040】以上のように本実施の形態によれば、IC
カード1は表面の文字や画像を改ざん、偽造又は剥がし
て使用するなどの不正使用をした場合に、ICカード1
内で抵抗値の変化が検出され、不正使用の確認ができる
ことから、機能停止などの適切な処置が取れるため、不
正使用の防止をすることができる。また、端子を多数個
設けて何個所もの抵抗値を検出するようにしたので、部
分的な導電性フィルム25の剥離などによる不正使用を
防止することができる。さらに、導電性フィルム25を
剥がした後にダミーの抵抗等を接続して元の状態を再現
しようとしても抵抗値を再現することが難しく不正使用
の防止をすることができる。
【0041】なお、導電性フィルム25に導電性がない
場合でも、このフィルムを剥がすときに導電性接着剤2
4に変化が与えられる(導電性接着剤も少しははがれ
る)場合は、同様の効果を奏する。また、本実施の形態
では金属端子26の数が4つの場合について説明したが
この数に限るものではない。さらに、本実施の形態にお
いては、ICカード部2の上に導電性フィルム25が張
り合わされた構成のものを示したが、導電性フィルム2
5はなく、ICカード部2上に昇華型熱転写記録層5が
直接形成されていても良い。この場合は昇華型熱転写記
録層5が導電性を有する必要がある。何らかの不正行為
により、昇華型熱転写記録層5が削り取られると、抵抗
値が変化し不正を検出することができる。
【0042】実施の形態4.以下、この発明の実施の形
態4を図を参照して説明する。図7は、実施の形態4の
ICカードの構成を示す縦断面図、図8は実施の形態4
のICカードの構成を示す横断面図である。このICカ
ードの主要な構成は実施の形態1と同様である。図にお
いて、フィルム27は特に変形しやすいものでなくても
良い。
【0043】28は金属端子、29は細導線であり、こ
こでは直径20μmの銅製の導線が用いられている。金
属端子28は図8に示すように、例えば数十個設けら
れ、任意の金属端子28間を細導線29で連結してあ
る。この連結パターン(導通状態)は、個々のICカー
ド1によって変えることが望ましい。
【0044】次に、動作について説明する。ICカード
1は、ICカード部2内の図示しない回路部で端子間の
導通検出、すなわち導通されているか断線しているかが
検出でき、さらに導通検出に基づいて金属端子28間を
細導線29で連結した導通状態、すなわち連結パターン
を検出できるものとする。ICカード部2上の金属端子
28間を任意の連結パターンで細導線29を連結した
後、接着剤3を介してフィルム27が張り合わされてI
Cカード1が完成する。このとき、各金属端子28間の
細導線29による連結パターンが検出されて、ICカー
ド部2内の図示しないメモリーに記憶される。
【0045】ICカード1の使用が開始され、電源がオ
ンになるたびに、あるいは処理が行われるたびに、金属
端子28間の導通検出が行われ、初期の連結パターンと
比較される。連結パターンが初期と異なる場合は不正使
用の可能性があるため、ICカード1を使えなくするな
ど適切な処置が講じられる。細導線29は非常に細くて
切れやすいため、例えば、文字や画像が形成されたフィ
ルム27を剥がすなどして不正を行った場合は、接着剤
3とともに細導線29が引っ張られて断線してしまい、
連結パターンの変化が生じる。
【0046】なお、端子の数が多く連結パターンが複雑
であるので、フィルム27を剥がした後、再現しようと
しても元どおりには再現することが難しい。また、文字
や画像書換えのためフィルム27を張り替えるときは、
配線からやり直すことになる。さらに、配線パターンが
見えないようにフィルム27は、白色など不透明なもの
であることが望ましい。
【0047】以上のように本実施の形態によれば、IC
カード1は表面の文字や画像を改ざん、偽造、又は剥が
して使用するなどの不正使用をした場合に、ICカード
1内で細導線29の断線の有無が検出され、この断線の
有無により連結パターンの変化が確認され、これにより
不正使用の確認されることから、機能停止などの適切な
処置を取ることができるため、不正使用の防止をするこ
とができる。また、細導線29を複数本設けて導通パタ
ーンを複雑にしたので、部分的なフィルム27の剥離な
どでも細導線29の断線が起こり得るため、連結パター
ンの変化を検出することができる。さらに、フィルム2
7を剥がした後に断線部分を連結して元の状態を再現し
ようとしても初期の連結パターンと全く同じパターに再
現することは難しく、不正使用の防止をすることができ
る。
【0048】なお、実施の形態1、2、3、4では、カ
ードとしてICカードの例を示したが、これは接触型、
非接触型(ワイヤレス)どちらでも、それ以外でも良
い。また、昇華型熱転写記録層5の上には最終的に保護
層が形成されるような構成でも構わない。さらに、実施
の形態1、2においては、ICカードに限らず、磁気カ
ード、光カード等でも良い。
【0049】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0050】第1の発明では、カード基材上に、変形し
たら変形が元に戻らない塑性変形特性を有するプラスチ
ックのフィルムを感圧型の接着剤で接着し、このフィル
ムのカード基材との接着面と反対の面に、文字、画像が
印刷される記録層を形成することにより、カード基材を
傷つけることなくカード基材と文字、画像が印刷される
記録層とを容易に剥離し、再度記録層の貼り付けと記録
層への文字、画像の記録が簡単に行えるので、短時間で
カード表面の文字、画像を書換えることができ、多数回
繰り返して文字、画像の書換えができる。
【0051】第2の発明では、導電性の接着剤及びフィ
ルムを有し、カード基材に設けた金属端子間の接着剤及
びフィルムの導電性に基づいた抵抗値を検出し、記憶し
た後に、再度抵抗値を検出し、これらの抵抗値に基づい
て不正使用の有無を検出することにより、カードの機能
停止等の適切な処置が取れるので、不正使用の防止をす
ることができる。
【0052】第3の発明では、カード基材に金属端子と
金属端間を連結した細導線を設け、細導線により連結さ
れた金属端子間の導通状態を検出し、記憶した後に、再
度導通状態を検出し、これらの導通状態に基づいて不正
使用の有無を検出することにより、カードの機能停止等
の適切な処置が取れるので、不正使用の防止をすること
ができる。
【0053】第4の発明では、カード基材上に、表面硬
度の高い硬鋼による硬質板を接着剤で接着し、この硬質
板のカード基材との接着面と反対の面に、文字、画像が
印刷される記録層を形成することにより、硬質板によっ
てカード基材が保護されカード基材が何度も使用できる
ので、多数回繰り返して文字、画像の書換えができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるICカードの構成を示
す縦断面図。
【図2】 実施の形態1におけるICカード用画像書換
え装置の構成図。
【図3】 実施の形態2におけるICカードの構成を示
す縦断面図。
【図4】 実施の形態2におけるICカード用画像書換
え装置の構成図。
【図5】 実施の形態3におけるICカードの構成を示
す縦断面図。
【図6】 実施の形態3におけるICカードの構成を示
す横断面図。
【図7】 実施の形態4におけるICカードの構成を示
す縦断面図。
【図8】 実施の形態4におけるICカードの構成を示
す横断面図。
【図9】 従来のICカードの構成を示す縦断面図。
【図10】 従来のICカード1の製造方法を示す説明
図。
【符号の説明】
1 ICカード、2 ICカード部、3 感圧型接着
剤、4 フィルム、5昇華型熱転写記録層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カード基材と、変形したら変形が元に戻
    らない塑性変形特性を有するプラスチック材料によるフ
    ィルムと、上記フィルムの一方の面に塗布され、圧力に
    より上記フィルムを上記カード基材に接着する感圧型の
    接着剤と、上記フィルムの上記カード基材との接着面と
    反対の面に形成され、文字、画像が印刷される記録層
    と、を備えたことを特徴とする表面印刷画像書換えカー
    ド。
  2. 【請求項2】 上記接着剤及び上記フィルムは導電性を
    有し、 上記カード基材は、複数の金属端子と、上記複数の金属
    端子中の任意の金属端子間における上記接着剤及び上記
    フィルムの導電性に基づいた抵抗値を検出する回路部
    と、上記検出された抵抗値を記憶するメモリーと、上記
    回路部で抵抗値を検出した後に、再度抵抗値を検出し、
    上記再度検出した抵抗値と上記メモリーに記憶された抵
    抗値とに基づき不正使用の有無を検出する抵抗値チェッ
    ク手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の表
    面印刷画像書換えカード。
  3. 【請求項3】 上記カード基材は、 複数の金属端子と、上記複数の金属端子中の任意の金属
    端子間を連結した細導線と、上記細導線により連結され
    た金属端子間の導通状態を検出する回路部と、上記検出
    された導通状態を記憶するメモリーと、上記回路部で導
    通状態を検出した後に、再度導通状態を検出し、上記再
    度検出した導通状態と上記メモリーに記憶した導通状態
    とに基づき不正使用の有無を検出する導通状態チェック
    手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の表面
    印刷画像書換えカード。
  4. 【請求項4】 カード基材と、表面硬度の高い硬鋼によ
    る硬質板と、上記硬質板の一方の面に塗布され、上記硬
    質板を上記カード基材に接着する接着剤と、上記硬質板
    の上記カード基材との接着面と反対の面に形成され、文
    字、画像が印刷される記録層と、を備えたことを特徴と
    する表面印刷画像書換えカード。
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