JP3508896B2 - リライタブル記録装置 - Google Patents
リライタブル記録装置Info
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Description
を繰り返し行うことのできる記録媒体特に熱を用いて可
視像の書き直しを繰り返すことができる記録媒体に、可
視像を記録及び/又は消去するリライタブル記録装置に
関する。 【0002】 【従来の技術】可視像の記録、消去を繰り返すことがで
きる記録媒体即ち、書き換え可能な記録媒体としては、
主にフォトクロミック材料、エレクトロミック材料、カ
ー効果による光の位相差を偏光板を用いて取り出す形の
光磁気材料及び特にサーモクロミック材料が注目され研
究されてきたが、このような記録媒体は、裏面に磁気記
録層を有する各種のカード類、例えばテレホンカードや
所謂オレンジカードのような交通機関の切符販売カード
の如きプリペイドカード、クレジットカードや銀行のキ
ャッシュカードやIDカード等のカード類用に、OHP
シート用に、また電子黒板等のハードイメージディスプ
レイ用等の他に、光学系中での光スイッチ等多くの用途
に使うことが期待され、かつ、レーザ技術による画像情
報の記憶・表示手段として期待され、また、現在では例
えばカード用として一部実用化されるに至っているた
め、その簡便かつ確実な書き換え装置の実現に対して存
在していた不断の要求は、市場レベルで益々大きくなっ
てきている。 【0003】熱により可視像の記録/消去を繰り返し行
うことのできる記録媒体を用いて、可視像の記録/消去
を繰返すリライタブル記録装置は従来公知である。我々
は既に、改良された或る種の記録媒体を提案すると共
に、ヒートローラからなる予備加熱手段とサーマルヘッ
ドとを有し、また磁気ヘッドをも有する、図21aに示
されるようなリライタブル記録装置を提案(実開平2−
3876号公報参照)している。 【0004】一方、同種の、熱により可視像の記録/消
去を繰返すことのできる記録媒体を用いて可視像の記録
/消去を繰返すリライタブル記録装置の他の例として
は、図21bに示されるような特開平5−41781号
公報記載の装置を挙げることができる。この装置は、前
記ヒートローラからなる消去用予備加熱手段に代えて、
加熱平面内に線状発熱抵抗体を配置した予備加熱面を有
する消去用予備加熱体及びこれと共働する加圧用プラテ
ンローラを消去用予備加熱手段として用いる。予備加熱
面は細長い長方形となっており、線状の発熱抵抗体が該
細長い長方形の加熱面中の中央よりも記録用ヘッド側つ
まり記録媒体進行方向下流側に、加熱面の長辺に平行し
て設けられ、この加熱面は前記線状発熱抵抗体の位置で
プラテンローラ表面と線接触するようにプラテンローラ
に押し当てられて搬送路を横断するようにリライタブル
記録装置中に配置され、記録媒体は該線接触地点に搬入
される。線状の発熱抵抗体を加熱面中の中央よりも記録
用ヘッド側つまり記録媒体進行方向下流側に加熱面の長
辺に平行に設けることにより、加熱面の記録媒体進行方
向上流側を、記録媒体の消去用加熱面への進入をガイド
する領域として確保することができる。予備加熱体の加
熱面は、記録媒体の搬送方向に対して例えば45°の角
度をなすようにプラテンローラに押し当てられ配置され
ている。またこの角度は、記録媒体が曲げに対して強い
反力を持つようなものの場合、曲げが大きいとその強い
反力によって消去用予備加熱体の加熱面の線状発熱抵抗
体とプラテンローラとの押し付け力を弱める虞れがある
ので、記録媒体の搬送方向に対して小さい方がより好ま
しいと説明されている。而して、この予備加熱体まで搬
送された弾力性シート状記録媒体は、その先端部が加熱
面の前記ガイド領域に突き当たると曲げられて加熱面に
沿って進行し、加熱面中の前記下流側で発熱抵抗体によ
り像消去のための予備加熱に処せられる。線状発熱体へ
の通電をパルス通電とし、線状発熱体の立上げ時期には
立上後の通常発熱時期よりも通電量を多くするように、
印加すべきパルス数とパルス幅(ミリ秒)については予
じめプログラムしておく。消去用予備加熱体は常時発熱
させられているのではなく可視像を消去するときだけ発
熱させられる。したがって、例えば電気炉のように、温
度センサでモニターされた温度情報を通電制御のため制
御部に帰還させるものにはなっていないけれども、装置
の小型化、低価格化、消費電力節減を実現できる。 【0005】しかしながら、無視できない熱容量のヒー
トローラやプラテンローラを加熱部構成部材として採用
し記録媒体を所望の迅速さ小熱量で全面ムラなく均一に
加熱することは難しく、安定な温度となるまで時間がか
かり、記録媒体の連続高速処理ができず、また、蓄熱し
たローラなどにより次の可逆性感熱記録媒体に像消去域
より温度の高くない印字域が生じその部分が後程発色す
ること等種々問題のあることがこの種の装置について判
明し、原因として、第1に、ローラ表面を均一温度に加
熱すること自体がローラ材質の不均一性や表面平滑性、
ローラ中心部と端部の温度勾配等種々の要因によりなか
なか難しく、第2に、ローラが安定温度に達するまでの
時間に装置の使用環境の違いによる差が生じ、第3にロ
ーラが安定温度に達するまでの時間がローラ表面の各域
により違いがあり、第4に弾性加圧ローラを用いてさえ
も記録媒体の各領域について挟持搬送する圧力に差があ
りかつこの差は記録媒体がシート大のサイズの場合には
カード大のサイズの場合よりも顕著となり、第5に記録
媒体との接触によりローラ表面が温度低下する際の低下
度にもローラ表面の各域により違いがあり2枚目以降の
記録媒体の連続的な予備加熱の際の各域の不均一加熱の
原因となり、第6にローラにおける蓄熱は、以降の記録
媒体の像消去処理の際に望ましくない放熱を生じカブリ
の原因となり、第7に記録媒体がシート大のサイズの場
合にはカード大のサイズの場合よりも上記不均一は顕著
となる等々の問題が判明した。 【0006】このような予備加熱体はその加熱発熱体に
通電するとすぐに発熱するが、この加熱面上に接触して
いるヒートローラやプラテンローラなどに熱が奪われ
て、ある一定の時間に達しないと記録媒体中の像を消去
できない。よって、処理の高速化が難しいことが判っ
た。これに対応するため両面加熱をすることも考えられ
るが、厚手のカードには効果がなく、省費電力も大きく
なり、大型の装置となってしまう。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術における難点を改善し、熱により可視像の記録
/消去を繰り返すことができる記録媒体、書き換え可能
な記録媒体を用いて可視像の記録/消去を繰返えす改良
されたリライタブル記録装置を提供することにあり、特
に、可視像の均一な記録/消去、記録ムラのない書き換
えを迅速にかつ連続して繰返すことができ、小型軽量
で、保守性に優れ、省電力型で、使用環境の違いにより
書換え効率及び可視像画質に著しい悪影響を生じないリ
ライタブル記録装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】このような本発明の目的
は、(1)「少なくとも搬送ローラおよび予備加熱ユニ
ットを具備し、該予備加熱ユニットがプラテンローラと
予備加熱体からなり、可逆性感熱記録媒体を搬送ローラ
によって前記予備加熱体に搬送し、前記記録媒体をプラ
テンローラで支持搬送しながら、前記記録媒体に記録さ
れた可視像を前記予備加熱体による加熱によって消去す
るのに用いるリライタブル記録消去装置であって、前記
予備加熱体が加熱面を有するものであり、前記記録媒体
を加熱する際の前記予備加熱体の熱がプラテンローラに
伝達してプラテンローラに蓄熱しないように、前記予備
加熱体とプラテンローラとは非接触に配置されたことを
特徴とするリライタブル記録消去装置」、(2)「少な
くとも搬送ローラおよび予備加熱ユニットを具備し、前
記予備加熱ユニットがプラテンローラと予備加熱体とか
らなり、可逆性感熱記録媒体を搬送ローラによって前記
予備加熱体に搬送し、前記記録媒体をプラテンローラで
支持搬送しながら、前記予備加熱体を前記記録媒体に接
触させ加熱して前記記録媒体に予め記録されている可視
像を消去する方法に用いるリライタブル記録消去装置で
あって、前記予備加熱体が加熱面を有するものであり、
かつプラテンローラとして少なくとも前記予備加熱体の
加熱面に対面する表面部分に凹状窪み又は格子状穴部が
設けられたものを用いて、加熱面との接触域を小さくす
ることを特徴とするリライタブル記録消去装置」により
達成される。 【0009】我々は、上記課題について、従来技術、例
えば前記2つの従来技術における問題点の解決のため鋭
意検討を重ねた結果、本発明の装置を完成した。本発明
のリライタブル記録装置は上記のような必要性を満たし
ている。 【0010】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明
する。ここで、図1、及び図2は、本発明のリライタブ
ル記録装置の1具体例を表わし、図3は、本発明におけ
る他の特徴ある装置態様を表わし、図4、図5、図6、
図7及び図8は、リライタブル記録媒体を全面均一に予
備加熱するための本発明のリライタブル記録装置におけ
る改良された機構を表わし、図9は、好ましくない加熱
ムラや放熱の原因となる予備加熱域での記録媒体とプラ
テンローラとの不均一接触を避けるための、本発明のリ
ライタブル記録装置における改良された機構を表わし、
図10、図11及び図12は、プラテンローラと記録材
料との不都合な接触を極力避けるための本発明のリライ
タブル記録装置における改良されたプラテンローラ構造
を表わし、図13は、本発明のリライタブル記録装置に
おける改良された前記機構をさらに搬送ローラにまで適
用する場合の具体的1例を示し、図14、図15、図1
6、図17及び図18は、本発明のリライタブル記録装
置における予備加熱体(1)の例を示し、図19は、リ
ライタブル記録装置の小型化のための本発明の他の特徴
を示す。図20には、サーマルヘッドと予備加熱体とを
一体化してさらに小型化した例を示す。図21には、従
来のプラテンローラ及び/又は搬送ローラであって本発
明においては採用を避けるべきローラ機構を念のため示
している。 【0011】従来技術の1例としての図21aのリライ
タブル装置(実開平2−3876号公報記載の装置)に
おいて、裏面の磁気記録層に磁気情報が記録されており
表面に可視像が記録されている情報記録カード(5)
は、表面側の可視像の書き換えのため、予備加熱手段駆
動部(9)により駆動される予備加熱手段(1)により
可視像が消去されつぎにサーマルヘッド駆動部(8)に
より駆動されるサーマルヘッド(2)により再度可視像
の書込みが行われる。予備加熱手段(1)としてはヒー
トローラが使われているが、この装置の難点は既に前記
したとおりである。図21bのリライタブル装置(例え
ば特開平5−41781号公報記載の装置)において
は、一点破線で図示されている搬送路で矢印方向に搬送
する手段として、記録媒体(5)を余熱手段たる消去用
発熱ヘッド(1)や記録用サーマルヘッド(2)に押し
付けながら搬送するプラテンローラ(3)(3)、搬送
ローラ(4)が設けられ、かつ搬送路には適宜搬送ガイ
ドが設けられ、また、搬送途中の記録媒体(5)の位置
を検出する位置検出センサ(6)が設けられている。予
備加熱体(1)の加熱面は、その中に設けられた線状発
熱抵抗体の位置でプラテンローラ(3)の表面と線接触
するようにプラテンローラ(3)に押し当てられて搬送
路を横切るようにリライタブル記録装置中に配置され、
プラテンローラ(3)と共働し、該線接触点に搬送され
た記録媒体(5)を挟持してさらに前進させる。予備加
熱体(1)の加熱面は、記録媒体(5)の搬送方向に対
して例えば45°の角度をなすように、プラテンローラ
(3)に押し当てられ配置されている。またこの角度
は、記録媒体(5)が曲げに対して強い反力を持つよう
なものの場合、曲げが大きいとその強い反力によって消
去用予備加熱体(1)の加熱面の発熱抵抗体とプラテン
ローラ(3)との押し付け力を弱める虞れがあるので、
より好ましくは記録媒体(5)の搬送方向に対して小さ
くする。しかしながら、この種のリライタブル装置は、
予備加熱体(1)の位置にプラテンローラ(3)が予備
加熱体(1)に接触して設けられているので、この装置
動作時にはそのプラテンローラ(3)に熱の蓄熱が生
じ、この装置を長時間連続使用すると、記録媒体(5)
を裏面加熱して消去域を印字域の温度とし全面発色させ
てしまう虞れがあり、また、使用環境によっては、装置
が立上り安定するまでに時間がかかり処理が遅れたり、
温度の低いプラテンローラ(3)が予備加熱体(1)、
記録媒体(5)から速やかな伝熱により熱を奪って周囲
環境に放熱してしまい可視像の消去不良を生じ、記録媒
体(5)に均一に熱を伝えることができず特にサイズが
大きい記録媒体(5)の場合にこの傾向が顕著になり、
かつ記録媒体(5)は予備加熱位置における接触抵抗で
搬送スピードが変化し搬送不良が生じ易くカス付着を生
じる等々の欠点がある点は既に記述したとおりである。 【0012】斯くして本発明においては、予備加熱の際
にはプラテンローラをなくしている。「プラテンローラ
をなくする」とは本発明においては、(i)プラテンロ
ーラを予備加熱ユニット中に使用しないこと、(ii)
プラテンローラを予備加熱ユニット中に使用する場合に
は予備加熱地点での接触を避けて配置すること、及び、
(iii)プラテンローラ表面全周に凹状窪みを形成し
て少なくとも像記録媒体の記録領域に相当している部
分、予備加熱体の加熱面に対面する表面部分は加熱面に
接触しないようにすること又は少なくともプラテンロー
ラ表面を格子状穴部のあるものとして予備加熱体の加熱
面に対面する部分は加熱面との接触域をなるべく小さく
すること等を意味する。 【0013】図1、及び図2は、本発明のリライタブル
記録装置の1具体例を示す。図1のリライタブル装置に
おいては、一点破線で図示されている搬送路で矢印方向
に搬送する手段としての搬送ローラ(4)(4)は、記
録媒体(5)を消去用発熱ヘッド(1)の加熱面に向け
て搬送する。図1中では理解を容易にするため誇張され
て示されているが、いずれにしても、予備加熱ヘッド
(1)の発熱面とプラテンローラ(3)とは若干の間隔
を以って配置されており、したがって、記録媒体(5)
は消去用発熱ヘッド(1)の加熱面に80°以下のかな
り加熱面に沿った角度を以って進入させられ、自らの剛
性もあって、加熱面にのみ着実に当接しそこで加熱面か
らの熱を均一に当てられるが、記録媒体がこの地点に存
在しないときは予備加熱体(1)とプラテンローラ
(5)との接触はない。この点は、本発明における基本
的な態様の1つである。そして、例えば加熱面に垂直に
近くないような角度を以って進入する記録媒体(5)を
さらに確実に加熱面領域内に案内するため、加熱面の後
端は後部にまで相当程度延出している。 【0014】この点を説明する図2において、一点破線
で図示されている搬送路を矢印方向に搬送された記録媒
体(5)は、搬送ローラ(4)(4)によりプラテンロ
ーラと接触してない予備加熱体(1)の位置にさらに進
行させられここで余熱されて像消去に附され、ついで加
熱位置例えば記録用サーマルヘッド(2)の位置に進行
させられここで作像のため加熱される。搬送ローラ
(4)(4)前に設けられた位置検出センサ(6)によ
り、記録材料(1)が搬送路に存在することがモニター
され、記録材料(1)が予備加熱体(1)へ進入させら
れる際にのみ予備加熱体(1)へ通電され及び/又は通
電量が増加される。この点も本発明の他の基本的な特徴
の1つであり、斯くして節電のみならず、記録材料にお
ける好ましくない記録ムラ、地肌濃度上昇等を避けるこ
とができる。また、この場合予備加熱体(1)の位置と
サーマルヘッド(2)の位置との間の距離は、プラテン
ローラを配置しなくても、予備加熱位置から出た記録媒
体(5)がその弾性、剛性により次の加熱位置例えばサ
ーマルヘッド(2)の位置に確実に達することができる
程度に短かいものであり、これによって、リライタブル
記録装置中に記録媒体(5)を確実に搬送するための搬
送ガイド部材が省略でき、而して装置の一層の小型化を
達成できる。 【0015】図3は、本発明における他の特徴ある装置
態様を説明するためのものであって、該装置のその部分
の1部を特徴的に拡大して示す。この図は本装置の理解
を容易にするため誇張して示されている。ここで、搬送
ローラ(4)(4)により搬送された記録媒体(5)
は、位置検出センサ(6)で検知され、この検出信号に
よって、図示されてないコントローラが予備加熱体
(1)に記録媒体(5)が接触する直前か又は接触と同
時にのみ予備加熱体(1)を発熱させる。かような発熱
体への通電制御自体は先に説示した(特開平5−417
81号公報)ようにこの分野で従来公知である。而して
プラテンローラ(3)への不要かつ場合により有害な放
熱が防止される。さらにこの図3によれば、予備加熱体
(1)とプラテンローラ(3)の間には間隙が設けられ
ており、両者は記録媒体(5)がこの間隙に存在しない
とき非接触状態にあることが理解される。予備加熱を繰
り返す場合は既に記述したようにプラテンローラ(3)
への放熱は、有害なものになり易いが、前記間隙はこの
放熱を確実に軽減する。また、前記間隙はリライタブル
記録材料が厚手のものの場合にもその搬送を確実なもの
とする。この例においては、搬送される記録媒体(5)
の位置を位置検出センサー(6)でモニターし、その出
力信号を発熱体への通電を制御するコントローラに入力
して、発熱体への通電を例えば簡単にON−OFF制御
することにより、予備加熱体(1)に記録媒体(5)が
接触する前か後で発熱させることによって、プラテンロ
ーラ(3)への放熱を防止する。この機構により、リラ
イタブル記録装置への通電を長時間続けると予備加熱体
(1)の近傍に位置するプラテンローラ(3)に蓄熱が
生じるという先に述べたような問題点を解消し、記録媒
体の存在がモニターされた時のみタイミングを取りなが
ら予備加熱体(1)を発熱させることができる。厚手カ
ードを書き直しする等の場合は搬送不良が生じ易いので
この機構が極めて有益である。この機構を採用したリラ
イタブル記録装置の場合、プラテンローラ(3)も予備
加熱体(1)の近傍に配置することができ、而して装置
の小型化を実現することができ、また、後述の図10、
図11,図12に示されるような改良プラテンローラ採
用の効果を一層顕著なものとする。 【0016】図4、図5、図6、図7及び図8は、本発
明におけるリライタブル記録装置において、プラテンロ
ーラや記録材料搬送ガイドを取去っても記録媒体(5)
の全面が均一に予備加熱されることを保証するための機
構例を示したものである。図4の機構においては、記録
媒体(5)の予備加熱体(1)への挿入角度(x°)が
適切な範囲になるような位置に予備加熱体(1)と搬送
ローラ(4)(4)とが配置されており、この機構によ
り、記録媒体(5)が、予備加熱体(1)に均一に接触
することができ予備加熱体(1)より熱が均一に伝わり
斯くして可視像の均一消去が予備加熱体(1)の全面で
可能になる。記録媒体(5)がテレホンカード、所謂オ
レンジカードのようにベースとして100μ以上の厚さ
のプラスチックフィルム(ポリエステル、ポリアミド、
ポリイミド、ポリプロピレンなど)、紙、合成紙を使っ
たものである場合、前記挿入角度(x°)が0.1°よ
り小さいと予備加熱体(1)に記録媒体(5)が均一に
接触せず、80.0°より大きいと搬送不良が生じる。
さらに、挿入角度(x°)が0.1°〜80.0°の範
囲の場合、予備加熱体(1)への挿入をより確実にし、
かつ予備加熱体(1)の加熱面との接触を効果的なもの
とするため、記録媒体(5)の予備加熱体(1)への挿
入速度を好ましくは予備加熱体(1)からの搬出速度よ
り大きくすることができる。 【0017】図5は、記録媒体(5)を予備加熱体
(1)に全面均一に接触させるための別の機構例を示し
たものである。この機構は図中に示されるように、予備
加熱体(1)の先端部が、予備加熱体(1)の後に置か
れたプラテンローラ(3)と前に置かれた搬送ローラ
(4)(4)との搬送路の中まで進入する如く配置さ
れ、該先端部が搬送路を通過する記録媒体(5)の全面
を充分均一に加熱するように、記録媒体(5)を偏奇湾
曲させる押圧力を予備加熱体(1)の加熱面から記録媒
体(5)の被加熱面に与える。記録媒体(5)はこの押
圧力により撓んで、本来真っ直な搬送路から外れた偏奇
湾曲路を経由する。また、記録媒体(5)は前記押圧力
に抗する弾性応力により予備加熱体(1)の加熱面に均
一に接触させられる。A4版やB5版などの大サイズで
50μ以上の厚さのベースを用いたプラスチックシート
(ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピ
レンなど)、紙、合成紙のシートによる記録媒体(5)
は、幅が広いため屡々部分的接触ムラを生じ、可視像の
消去不良を齎らし易い。図5の機構を用いた我々の実査
によれば、特に、予備加熱体(1)先端部の搬送路中へ
の進入度(y)を0.01mm未満としたときは可視像
の消去不良が発生した。また、搬送ローラ(4)(4)
からプラテンローラ(3)への搬送不良が生じ、記録媒
体(5)にシワが生じた。したがって、図5の機構にお
ける予備加熱体(1)先端部の搬送路中への進入度
(y)は0.01mm以上であることが好ましい。 【0018】図6は、記録媒体(5)を予備加熱体
(1)に均一に接触させるためのさらに別の機構例を示
したものである。この例においては記録媒体(5)は搬
送ローラ(4)(4)を経て凸状に湾曲させられた加熱
面を有する予備加熱体(1)の発熱部分に記録媒体
(5)の被加熱面が線接触させられて予備加熱され、つ
ぎに、サーマルヘッド(2)とプラテンローラ(3)と
からなる加熱ユニットに搬送される。記録媒体(5)を
予備加熱体(1)により予備加熱する場合、記録媒体
(5)の被加熱面を予備加熱体(1)の発熱体と面接触
させるよりもむしろ線接触させながら記録媒体(5)を
搬送して、記録媒体(5)の被加熱面の均一な予備加熱
を図ることも、場合により有効である。特に、予備加熱
体(1)の発熱体に高発熱量の線状発熱体を採用し、カ
ード類のように剛性ある弾性体を主に迅速に予備加熱し
たい場合然りである。 【0019】図7は、記録媒体(5)を予備加熱体
(1)に均一に接触させるためのさらに別の機構例を示
したものである。この例においては予備加熱体(1)の
左側端は自由端となっており他端は特定角度位置まで段
階的に回動可能となるようにカム付ヒボット軸に軸止め
されている。図7中、回動可能角度は誇張されて鎖線で
示められている。この構造により、予備加熱体(1)の
加熱面は搬送ローラ(4)(4)を経て進出する記録媒
体(5)の剛性や弾性の差に応じて記録媒体(5)と接
触する角度を変更できる。この場合、予備加熱体(1)
の回動角度の違いにより記録媒体(5)と接触する加熱
面の位置はズレる。従来の、予備加熱体の加熱面の中に
設けられた線状発熱抵抗体の位置でのみプラテンローラ
の表面と線接触するようにプラテンローラが配置された
リライタブル記録装置の場合には、このようなズレは全
く許容されない。 【0020】図8は、記録媒体(5)を予備加熱体
(1)に均一に接触させるためのさらに別の機構例を示
したものである。この図8中でも回転可能角度は誇張さ
れて鎖線で示されている。この例においては予備加熱体
(1)の右側端は回転可能となるようにヒボット軸に軸
止めされており、自由端となっている他端には発条体
(バネ)が設けられており、その結果、記録媒体(5)
の剛性や弾性に抗して記録媒体(5)の被加熱面を予備
加熱体(1)の発熱体に充分接触させられる。この例に
おいても、従来の装置の場合には許容されない加熱面の
「接触位置ズレ」が許容される。搬送を確実にするため
の搬送ガイド部材が省略でき、而して装置の一層の小型
化を達成できる。 【0021】図9は、プラテンローラ(3)を予備加熱
ユニット中に使用する場合に前記(ii)の予備加熱地
点を避ける位置に配置した具体例を示す。この例におい
てはプラテンローラ(3)の両軸は二又アームの先端に
支承されこの二又アームの下端部はカム付きピボット軸
に支承されてAの位置かBの位置を採るようにピボット
回転でき、これによって、プラテンローラ(3)は常に
予備加熱体(1)の加熱地点を避けて配置される。また
図のように、プラテンローラ(3)とピボット軸との間
に小さなカムを設けてもよい。 【0022】図10、図11及び図12は、前記「(i
ii)プラテンローラ表面に凹状窪みを形成して少なく
とも予備加熱体の加熱面に対面する表面部分は加熱面に
接触しないようにすること又は少なくともプラテンロー
ラ表面を格子状穴部のあるものとして予備加熱体の加熱
面に対面する部分は加熱面との接触域をなるべく小さく
すること」の具体例の1つを示す。 【0023】ここで図10は、プラテンローラ表面全周
に凹状窪みを形成して少なくとも予備加熱体の加熱面に
対面する表面部分は加熱面に接触しないようにした典型
例である。凹状窪みを設ける領域は記録媒体(5)の有
効画像領域に等しく、而して画像領域の拡大を図ること
ができる。この例におけるプラテンローラ(3)は両端
部に鍔状部分を有し該鍔状部分のみが予備加熱体(1)
の加熱面と接触し該鍔状部分の間の予備加熱体の加熱面
に対面する表面部分は凹状に窪んでおり、加熱面とは接
触しない空間を形成しているが、鍔状部分を有し該鍔状
部分のみが予備加熱体(1)の加熱面と接触する。鍔状
部分先端の接触周面は、左右両側部のみに接触面積を残
している。 【0024】図11は、これをさらに改良した例を表わ
し、鍔状部分は外周側になるほど薄くなっており、最外
周部分先端の接触周面は僅かな接触面積のみを有する。 【0025】図12は、少なくともプラテンローラ表面
に、格子状骨格部分に囲繞された凹状窪み部分を形成し
て、予備加熱体の加熱面に対面する部分は加熱面との接
触域をなるべく小さくした具体的1例である。この例に
おいてはプラテンローラ(3)の格子状骨格部分のみが
予備加熱体(1)の加熱面と接触する。この接触地点に
進入した記録媒体(5)は、プラテンローラ(3)の格
子状骨格部分と予備加熱体(1)の加熱面との間に確実
に挟持されるので搬送不良を生じない。 【0026】図13は、本発明によるプラテンローラ
(3)の構造を、搬送ローラ(4)(4)にも採用した
1例の要部を示す。この例において、1対の搬送ローラ
(4)(4)の表面全周に凹状窪みが形成され、少なく
とも記録媒体(5)の可視像消去/形成領域に対面する
表面部分は該可視像消去/形成領域に接触しないように
している。この例における搬送ローラ(4)(4)は両
端部に鍔状部分を有し該鍔状部分のみが記録媒体(5)
と接触し該鍔状部分の間の、記録媒体(5)の可視像消
去/形成領域面に対面する表面部分は凹状に窪んでお
り、可視像消去/形成領域面とは接触しない空間を形成
している。リライタブル記録装置中での記録媒体(5)
の的確な搬送を保障するため、予備加熱体(1)とサー
マルヘッド(2)との間に搬送ローラ(4)(4)を配
置する場合には、配置された搬送ローラ(4)(4)に
よる局部的冷却を来たしサーマルヘッド域で印字ムラが
生じる虞れがあるが、にも拘らず搬送ローラを取り除く
ことができない場合にこの図12に示される搬送ローラ
(4)(4)を採用すると前印字ムラ発生を減少させ
る。また、この搬送ローラ(4)(4)は、本発明のリ
ライタブル記録装置の入口、出口の搬送ローラ系として
好ましく使用される。 【0027】図14、図15、図16は、本発明のリラ
イタブル記録装置における予備加熱体(1)の例を示
す。 【0028】図14の予備加熱体(1)例は、絶縁性か
つ断熱性基体として焼結したアルミナ絶縁体を採用し、
この基体表面に線状のセラミック抵抗発熱体を設け、こ
のセラミック抵抗発熱体部分をガラス材料で被覆したも
のである。ガラス層は記録媒体(5)との繰り返し摩擦
から、加熱面を保護し、かつ、記録材料(5)との摩擦
を緩和する。図15の予備加熱体(1)例は、線状のセ
ラミック抵抗発熱体を表面に有する予備加熱基体のセラ
ミック抵抗発熱体部分をガラス材料で被覆しさらに発熱
面全域とその縁部の上側面をテフロン樹脂のような低摩
擦性材料で被覆することにより摩擦係数0.1以下の表
面を有する予備加熱体(1)としたものである。このよ
うな予備加熱体(1)は、記録媒体(5)との摩擦がよ
り少ないので記録媒体(5)の搬送をより円滑化し、ゴ
ミ付着、カス発生をより抑制しクリーニングの必要回数
をより低くする。 【0029】図16の予備加熱体(1)例は、線状のセ
ラミック抵抗発熱体を表面に有する予備加熱基体のセラ
ミック抵抗発熱体部分をガラス材料で被覆しその上にア
ルミニウム板を耐熱性接着剤で接着し該アルミニウム板
反対側の表面を鏡面仕上げして予備加熱体(1)とした
ものである。このような予備加熱体(1)は、記録媒体
(5)との摩擦が少ないので記録媒体(5)の搬送を円
滑化し、ゴミ付着、カス発生を抑制しクリーニングの必
要回数を低くし、予備加熱体(1)の寿命を長期化し、
かつ、予備加熱体(1)の寿命を延長させる。 【0030】図17は、上述のような予備加熱体(1)
を製作するための1具体例を説明するためのものであ
る。この例においては図15で示されるような予備加熱
体を、図16で示される予備加熱体に改造することがで
きる。しかしその場合、予備加熱体の裸表面とアルミニ
ウム板との間を接着させるための接着剤は、必ずしも離
型性に富むテフロン樹脂である必要はない。裸の予備加
熱面に露出したガラス材料やアルミナ焼結体との親和
性、アルミニウム面との親和性が強く、熱伝導率の高い
接着剤、例えばエポキシ樹脂系の接着剤を用いることが
できる。耐熱性に優れた熱硬化性樹脂を使用することが
好ましい。 【0031】図18は、本発明の装置における予備加熱
体の他の1例を示す。感熱性リライタブル記録装置は使
用環境の違いにより、通電量が一定であっても予備加熱
温度に差異を生じ、その結果、記録材料(1)に望まし
くない記録不良や記録ムラを生じる場合がある。このよ
うな不都合は、予備加熱体(1)の発熱温度をモニター
し、得られた温度信号をコントローラに帰還させてこの
信号に基づき予備加熱体(1)への通電量を制御するこ
とによって防ぐことができる。そのため、この例におい
ては発熱温度をモニターする温度センサをセラミック発
熱体の近傍に配置したものである。 【0032】本発明におけるこれら予備加熱体は、セラ
ミック抵抗体を用いたものであって良く、抵抗体材料と
してRuO2、Ag又はPdを使用して構成したもので
あって良い。また、これら予備加熱体(1)を採用した
場合、該予備加熱体(1)に対する記録媒体(5)の接
触面は、表面側であっても或いは裏面であっても可視画
像が消去できさえすればどちら側であっても無論よい。 【0033】図19、図20は、本発明装置の小型化の
ための他の特徴を示す。本発明においては先に記述した
ように、予備加熱体(1)とサーマルヘッド(2)との
間をできるだけ短くして記録媒体(5)がサーマルヘッ
ド(2)と接触するまでは、何にも接触させず、記録媒
体(5)の局部的冷却の防止を図ることも眼目点の1つ
である。 【0034】この図19において、図示してない記録媒
体は搬送ローラ(4)(4)により搬送路に搬送され、
プラテンローラを配備してない予備加熱位置で、予備加
熱体(1)により像消去のための予備加熱に附せられ、
次にサーマルヘッド(2)及びプラテンローラ(3)を
有する像形成位置で加熱され、像が再度形成される。こ
こで、予備加熱体(1)は、サーマルヘッド(2)の位
置との距離を調節できるように、図中左右方向の矢印で
示される方向にその位置を移動することができる。記録
媒体を予備加熱後速やかに像形成のための加熱に附すこ
とが望ましい場合があり、そのような場合には、予備加
熱体(1)をサーマルヘッド側に移動させて発熱させ
る。 【0035】図20には、サーマルヘッド(2)と予備
加熱体(1)とを一体にしてさらに小型化を図った1例
を示す。本発明においてはこれによって、プラテンロー
ラ(3)が予備加熱体(1)と接触し難しくなる。 【0036】図21cに示されるような従来のプラテン
ローラ(3)及び/又は搬送ローラ(4)による記録媒
体(5)の像記録域における局部的な接触冷却が、サー
マルヘッド(2)による印字の際、印字ムラの原因とな
り望ましくないものであることは明らかである。 【0037】そのため、サーマルヘッド(2)との間を
できるだけ短くするという観点から、図20aに示され
るように本発明においては、予備加熱体(1)とサーマ
ルヘッド(2)が、予備加熱体(1)の発熱面とサーマ
ルヘッド(2)の発熱面とが或る角度と若干の距離を置
いて位置するような構造に一体化されたものとすること
ができる。またこの一体化は、図20bに示されるよう
に、予備加熱体(1)の発熱面とサーマルヘッド(2)
の発熱面とがほぼ直角の向きを持ち、隣接して位置する
ような構造な具体的構造であってもよい。さらに、この
ように予備加熱体(1)とサーマルヘッド(2)との一
体化物には、予備加熱体(1)部分に接着剤例えば耐熱
性ポリエステル樹脂を用いその上にアルミ箔又は板材料
を配置しその表面を鏡面仕上げすることによって、摩擦
係数0.1とし搬送性を向上させ、かつ、ゴミ付着、カ
ス発生をより抑制し、クリーニングの必要回数をより低
くすることができる。また、これらの表面は、キズなど
の防止上、表面粗度がRmaxで1.0μm以下の均一
な面で鋭利なものがないことを特徴とする。(表面粗度
は、東京精密社製 サーフコム 幅2.5mmで測定し
たデータ) 【0038】ところで、感熱性記録材料を用いたリライ
タブル記録媒体としては、一般に、 TC−第一の特定温度で透明状態となり、第二の特定
温度で白濁状態となるもの(特開昭55−154198
号公報参照)、CTC−第二の特定温度で発色し、第
一の特定温度で消色するもの(特開平5−124360
号公報参照)、第一の特定温度で白濁状態となり、第
二の特定温度で透明状態となるもの(特開平3−169
590号公報参照)及び第一の特定温度で黒、赤、青
等に発色し、第二の特定温度で消色するもの(特開平2
−188293号公報、特開平2−188294号公報
参照)などが知られているが、本発明のリライタブル記
録装置は、これら感熱性リライタブル記録媒体のいずれ
のものも処理することができる。これら記録材料は、表
面を保護するための紫外線硬化性樹脂保護層を施したも
のであって良く、さらにこの保護層にシリカ粉末、炭酸
カルシウム粉末などのフィラー、シリコンオイルなどの
滑剤を添加したものであっても良い。支持体としては、
ポリエステルフィルムのようなプラスチックフィルム、
金属フィルム、紙、合成紙を基質とし、その上にインキ
印刷層、蒸着膜、空気層などを具備したものであって良
く、さらに磁気層、光磁気層、光メモ、ICメモリなど
具備したものであっても良い。以下、実施例、及び、比
較例により本発明をさらに詳細に説明する。 【0039】 【実施例】 実施例1 この実施例は、図1に示される構造の本発明の記録装置
を使用して実施された。ここで、記録媒体(5)として
小林記録紙製REDカード(サイズは、JIS規格で消
去印字域流れ4cm、巾5cm)を用い、予備加熱体
(1)は、巾5mm、厚み15μm、長さ60mm、材
質RuO2で構成し、熱記録手段用の発熱体ヘッド
(2)としてサーマルヘッドを用い、予備加熱体として
アンリツ製HPD−2123を用いその表面温度を11
0−120℃に設定して、記録媒体(5)を搬送スピー
ド20〜22mm/min.で、画像消去に附し、次
に、前記カードが予備加熱体に接触する前に通電して安
定温度に達したときに消去印字域を通過するように通電
調節してサーマルヘッド(京セラ製KBE−56−8M
GKI、0.3mj/dot)で印字した。繰り返し行
っても、消去、印字には問題が生じなかった。 【0040】実施例2 実施例1の装置、条件、記録媒体を用い、記録媒体
(5)であるカードが予備加熱体に接する予備加熱体
(1)の予備加熱面に対する前記可逆性感熱記録材料の
挿入角度(図4に示される)を約45°に設けて搬送し
たところ、カードの消去印字域を流れ方向8cm、巾方
向105cmに拡大することができた。 【0041】実施例3 実施例2の装置、条件、記録媒体を用いて、挿入角度
(x)を30℃にすることによって、貼合せ体を基体と
する記録媒体(5)であるカード先端の剥がれやズレが
なくなり、繰り返し使用が可能になった。なお、挿入ス
ピードは全体のスピードより1〜5%速くしたが異常は
生じなかった。 【0042】実施例4 図1に示される装置を用い、予備加熱体(1)を巾5m
m、厚み15μm、長さ20mm、材質RuO2で構成
し、表面温度100〜110℃、搬送スピード12〜1
5mm/min.として、サーマルヘッド(京セラ製K
ST−104−8MPDI、0.3mj/dot)で印
字を行った。このときの記録媒体(1)は、リコー製B
S520(カルライトKT(登録商標)を3%含む保護
層を有する可逆性記録媒体)の188cm長のものを採
用した。この、図1に示される消去/印字装置は、図5
に示されるように、予備加熱体(1)の加熱面を搬送路
の中に進出させたものであった。記録媒体(1)の消去
/印字を繰り返し行ったが、問題は生じなかった。 【0043】実施例5 実施例4の装置、条件、記録媒体を用い、図5に示され
る本発明の予備加熱体(1)先端部の搬送路中への「進
入度(y)mm」を0.01mm以上に保ち、記録媒体
として、東洋紡製白PET100μm厚で貼合わせ基体
を用い、表面に黒色の印刷を有し、周辺にはUV硬化性
接着剤(日本合成化学製1199)を施した記録媒体を
採用し、これに消去/印字を繰り返し行ったが、問題は
生じなかった。 【0044】実施例6 実施例1の装置、条件において、図2に示される本発明
の装置の機構を採用し、予備加熱体(1)にプラテンロ
ーラ(3)を限りなく近づけ0.5cmの間隙とし、記
録媒体(5)としてリコー製記録媒体BA520(これ
は、JIS規格のMKC製のICカードに、50μ厚、
サイズ50m×50m、0.5mmのウレタンシートを
貼り合わせ、このウレタンシートをJIS規格のMKC
製のICカードに貼合せたもの)を用い、消去/印字を
繰り返し行った。その際、記録媒体(5)の搬送をセン
サー(6)で検知し、記録媒体(5)が予備加熱体
(1)に接した後に予備加熱体(1)への通電を行うよ
うに通電タイミングは調節された。この操作によっては
印字ムラは発生せず画像の消去不良も発生しなかった。 【0045】実施例7 図1に示される装置を基本とし、予備加熱体(1)とサ
ーマルヘッド(2)との間の搬送系に、図13に示され
るような、記録媒体(1)の画像域に接触しない凹部を
設けた搬送ローラ(4)(4)を採用した以外は実施例
1の記録媒体、条件で消去/印字を繰り返し行った。搬
送性が改善され、局部的な記録媒体の冷却がなく印字ム
ラを生じないことが確認された。 【0046】実施例8 図20aに示されるようなサーマルヘッド(2)と予備
加熱体(1)を一体化したタイプの加熱ユニットを用
い、プラテンローラをサーマルヘッド(2)と予備加熱
体(1)に直接接触しないように両者間に配置した以外
は、実施例1の条件、記録媒体(5)と同じ条件、記録
媒体(5)を用いて、消去/印字操作を行ったところ、
サーマルヘッドは、そのエネルギーが0.24mj/d
otと低いエネルギーで印字が可能であった。 【0047】実施例9 実施例1の装置、条件、記録媒体と同じ装置、条件、記
録媒体を用い、実施例8で用いた予備加熱体(1)にス
リーエム社製テフロンテープ(商品名)を図16、図1
7に示されるように被覆して消去/印字を繰り返した
が、記録媒体(5)の表面のキズが低減できスティッキ
ングの発生も少なくなった。 【0048】実施例10 実施例1の装置、条件、記録媒体と同じ装置、条件、記
録媒体を用い、実施例9で用いた予備加熱体(1)に研
磨によりR9=0.5〜1.0μmにしたアルミ板を被
覆して消去/印字を繰り返したが、記録媒体(5)の表
面のキズが更に低減した。 【0049】比較例1 図21bに示される従来装置を用いて、実施例1の条
件、記録媒体を用いて消去印字を繰り返したが、初めは
プラテンローラ(3)に熱がうばわれて不安定のためカ
ードの像消去が不良となり安定した消去/印字ができな
かった。 【0050】比較例2 実施例3の条件、記録媒体と同じ条件、記録媒体を用い
て予備加熱体(1)への挿入角度(x)を85℃にして
消去/印字を繰り返したが、繰り返すごとにカードの張
り合わせのズレが生じてきた。 【0051】比較例3 実施例5の条件、記録媒体と同じ条件、記録媒体を用い
て、予備加熱体(1)の先端部の搬送路中への「進入度
(y)mm」を3cmにして消去印字を繰り返したが、
進入度(y)が大き過ぎて、搬送ローラ(4)(4)に
未だ後端部が挟持された状態の記録媒体をサーマルヘッ
ド(2)とプラテンローラ(3)で挟持し牽曳すると、
熱で軟化した記録媒体(5)が延伸されて皺が生じ、消
去/印字を繰り返すことができなくなった。 【0052】比較例4 実施例1の装置、条件、記録媒体を用い、予備加熱後に
図21bに示される従来の搬送ローラ(4)(4)によ
り記録媒体(5)を搬送すると、そのローラに接触した
記録媒体(5)の部分は急冷されたため次の印字の際に
像ムラを発生し、消去/印字を繰り返すことができなく
なった。使用した記録媒体(5)の耐久性も局部的に低
下したことが各民された。 【0053】 【発明の効果】上記具体的な説明から明らかなように、
本発明の装置によれば、感熱性リライタブル記録媒体に
おける像の繰り返し消去/印字が、高速かつ連続的に処
理できるようになり、記録媒体処理のための立上り時間
を短縮でき、装置の蓄熱による像消去不良、印字ムラも
なくなり、繰り返し使用されるべき記録媒体の耐久性バ
ラツキが少なくなり、記録媒体におけ有効画像領域の拡
大が可能になり、記録媒体が貼合わせカードである場合
のズレ、ハガレが少なくなり、大サイズの記録媒体、厚
手カードタイプの記録媒体の場合にも、像消去/印字操
作が確実かつ全面領域にムラなく迅速かつ連続的に行う
ことができ、記録媒体が長期間使用されても表面にキズ
が着かず性能低下せず、記録装置及び記録媒体の双方に
汚れやゴミ付着やステッキングが生じない等々幾多の優
れた効果が呈される。
した説明図である。 【図2】本発明のリライタブル記録装置の1要部例を示
した説明図である。 【図3】本発明の記録装置における予備加熱機構を示し
た説明図である。 【図4】本発明の記録装置における他の予備加熱機構を
示した説明図である。 【図5】本発明の記録装置におけるさらに他の予備加熱
機構を示した説明図である。 【図6】本発明の記録装置におけるさらに他の予備加熱
機構を示した説明図である。 【図7】本発明の記録装置におけるさらに他の予備加熱
機構を示した説明図である。 【図8】本発明の記録装置におけるさらに他の予備加熱
機構を示した説明図である。 【図9】本発明の記録装置におけるプラテンローラと記
録材料との不都合な接触回避のための構造を示した説明
図である。 【図10】本発明の記録装置におけるプラテンローラと
記録材料との不都合な接触回避のための他の構造を示し
た説明図である。 【図11】本発明の記録装置におけるプラテンローラと
記録材料との不都合な接触回避のためのさらに他の構造
を示した説明図である。 【図12】本発明の記録装置におけるプラテンローラと
記録材料との不都合な接触回避のためのさらに他の構造
を示した説明図である。 【図13】本発明の記録装置における改良された搬送ロ
ーラを示した説明図である。 【図14】本発明のリライタブル記録装置における予備
加熱体を示した説明図である。 【図15】本発明のリライタブル記録装置における予備
加熱体を示した説明図である。 【図16】本発明のリライタブル記録装置における予備
加熱体を示した説明図である。 【図17】本発明のリライタブル記録装置における予備
加熱体を示した説明図である。 【図18】本発明のリライタブル記録装置における予備
加熱体を示した説明図である。 【図19】本発明のリライタブル記録装置における位置
変動可能な予備加熱体を示した説明図で或る。 【図20】本発明の記録装置における加熱体と一体化さ
れた予備加熱体を示した説明図である。 【図21】従来のリライタブル記録装置の1典型例を示
した説明図である。 【符号の説明】 1 予備加熱体 2 像形成用加熱体 3 プラテンローラ 4 搬送ローラ 5 リライタブル記録媒体 6 記録媒体位置検出センサ 7 磁気ヘッド 8 サーマルヘッド駆動部 9 予備加熱手段駆動部
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 少なくとも搬送ローラおよび予備加熱ユ
ニットを具備し、該予備加熱ユニットがプラテンローラ
と予備加熱体からなり、可逆性感熱記録媒体を搬送ロー
ラによって前記予備加熱体に搬送し、前記記録媒体を前
記プラテンローラで支持搬送しながら、前記記録媒体に
予め記録された可視像を前記予備加熱体の加熱によって
消去する方法に用いるリライタブル記録消去装置であっ
て、前記予備加熱体が加熱面を有するものであり、かつ
プラテンローラとして少なくとも前記予備加熱体の加熱
面に対面する表面部分に凹状窪み又は格子状穴部が設け
られたものを用いて、前記加熱面との接触域を小さくす
ることを特徴するリライタブル記録消去装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP09172496A JP3508896B2 (ja) | 1995-03-22 | 1996-03-22 | リライタブル記録装置 |
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JP7-87687 | 1995-03-22 | ||
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-
1996
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