JP2002007993A - 光・非接触icハイブリッドカードの製造方法 - Google Patents

光・非接触icハイブリッドカードの製造方法

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JP2002007993A
JP2002007993A JP2000192899A JP2000192899A JP2002007993A JP 2002007993 A JP2002007993 A JP 2002007993A JP 2000192899 A JP2000192899 A JP 2000192899A JP 2000192899 A JP2000192899 A JP 2000192899A JP 2002007993 A JP2002007993 A JP 2002007993A
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Yoshihiro Ogawa
善広 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カード表面が平滑な光・非接触ICハイブリ
ッドカードの製造方法を提供する。 【解決手段】 平滑化された非接触ICシートと、光記
録層を形成した透明基板とをラミネートロールを用いて
貼り合わせる光・非接触ICハイブリッドカードの製造
方法において、該貼り合わせに用いるラミネートロール
が硬さの異なる2本のラミネートロールからなり、該非
接触ICシートと接するロールの硬度が、該透明基板と
接するロールの硬度より硬い光・非接触ICハイブリッ
ドカードの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光によっ
て記録又は再生可能な光情報記録部と非接触IC情報記
録部とを有する光・非接触ICハイブリッドカード(以
下、ハイブリッドカードと略称する)の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多量の情報を蓄積する手段とし
て、光によって情報の記録及び/または再生を行う光情
報記録媒体が提案されている。例えば、オプティカル・
エンジニアリング(Optical Engineer
ing),Vol.15,No.2,March−Ap
ril,1976、pp.99〜の“レビュー アンド
アナアリシス オブ オプティカル レコーディング
メディア(Reviewand Analysis o
f optical Recording Medi
a)”に記載されているように、光ビーム、例えばレー
ザー光を光記録媒体の記録層へ照射することにより、記
録層に変形や孔を生じさせるタイプやバブルを形成させ
るタイプ、及び光学的定数を変化させるタイプ等が知ら
れている。
【0003】そして記録層に用いられる材料として、例
えばTe、Bi、Sn、Sb、In等の低融点金属やシ
アニン系、スクワリウム系、フタロシアニン系、テトラ
デヒドロコリン系、ポリメチン系、ナフトキノン系、ベ
ンゼンジチオールニッケル錯体等の染・顔料(有機色
素)、及びこれらの有機色素と金属との複合系の材料が
知られている。
【0004】これらの光記録媒体のうち、光カードは、
ウォレットサイズのカードとして可搬性に優れているこ
とから、各種IDカードやキャッシュカード、電子マネ
ー、医療カード、保険証カード、パスポートカード等で
の利用が見込まれており、ISOのIDカードの規格
(ISO/IEC ll693)により、0.68〜
0.84mmの厚さとすることが要求されている。
【0005】一方、光記録媒体の基板表面のゴミや傷の
記録・再生への影響を少なくするためには、基板の厚み
は出来るだけ厚い方が有利であり、ISO/IEC l
l693により、0.4mmとなっている。また、保護
層は0.15〜0.4mm程度の厚みが必要なため、光
カードでは光記録層上に保護層が接着剤を介して積層さ
れてなる密着構造のものが採用されている。光記録層に
直接貼り合わされる接着剤は、生産性や光記録性への悪
影響防止等を考慮し、無溶剤のホットメルトタイプのも
のが用いられている。
【0006】一方、近年カードにICチップを搭載した
メモリ媒体として、ICカードが広まりつつある。IC
カードは記録情報の書き換えが可能であり、暗号化され
た情報で読み書きがなされるためセキュリティ性が高い
などの特徴を有する。
【0007】ICカードにはカード上のICチップ表面
に端子を設け、記録・再生装置の接点と接触させて情報
の記録再生を行う接触タイプと、カード上に接点の無い
非接触タイプが知られている。
【0008】非接触タイプのICメモリは、ICメモリ
と記録・再生装置との間の情報伝達媒体として電磁波を
用いるものである。具体的には例えばICモジュール及
び記録・再生装置双方にコイルを配置し、これら2つの
コイルを対向させて誘導電磁界を伝達媒体として情報伝
達することで情報の授受を行うものである。
【0009】非接触ICカードの構造としては、ICチ
ップ、コンデンサ、配線及びコイルからなるICモジュ
ールを接着剤を介して上下のカード基板で挟み込む構造
をしているもの、または、日立評論1997年5月号v
ol.79、37〜40頁に述ベられているように、I
Cチップとコンデンサと印刷コイルをカード基板に実装
することにより、0.2mm程度に薄型化しているもの
が知られている。
【0010】非接触タイプのICメモリは、更に密着
型、近接型、遠距離型に分類されている。これらのIC
カードは国際標準規格として、接触型はISO/IEC
7816、非接触型のうち密着型はISO/IEC
10536、近接型はISO/IEC l4443で制
定されている。その他のタイプについては現在標準化が
進められている。
【0011】非接触ICメモリのこれらの分類は、基本
的には情報の授受に用いる誘導電磁界の強さの違いによ
る。即ち磁界が強ければICモジュールと記録・再生装
置の間隔を広げることができ、また磁界が弱ければ間隔
を狭く、或いは密着させる必要が出てくる。そして非接
触ICメモリの採用にあたってどのタイプを選択するか
はICメモリの用途によって使い分けられるものと考え
られている。例えば、ICメモリを定期券等に応用する
場合にはICメモリを再生装置に密着させる必要のない
遠距離型或いは近接型が採用され、また電子マネーのよ
うに金銭情報を直接取り扱うICメモリの場合には、セ
キュリティの確保のために密着型が採用され、或いは採
用される可能性が高いと考えられている。
【0012】このようなICカードの書き換え可能、セ
キュリティ性の高さといった特徴と、光カードの記憶容
量の大きさ、書き換え不可能なデータの信頼性の高さと
いった特徴を互いに生かした光・ICハイブリッドカー
ドが提案されており、例えば、特開昭61−10328
7号公報では接触型ICカードと光カードのハイブリッ
ドカードが開示されている。
【0013】今後、IC情報の記録・再生を非接触で簡
便に行うことができ、しかも端子を持たないため、静電
気や表面の汚れ等にも非常に強い非接触ICカードと、
光カードとを組み合わせたハイブリッドカードについて
も要求が高まると予想されている。
【0014】図7は非接触ICカードを用いて作製した
ハイブリッドカードの一例を示す概略図であり、光記録
面側より、ハードコート層1、透明基板2、光記録層
3、ハイブリッドカード接着剤層4a、非接触ICモジ
ュールの第一の保護基板5a、非接触ICモジュール固
定用接着剤層6a、非接触ICモジュール7、同じく非
接触ICモジュール固定用接着剤層6a′、非接触IC
モジュールの第二の保護基板8aの順で構成されるのが
一般的である。なお、非接触ICモジュール7にはIC
チップ及びコイルが配置されている。また、9は印刷
層、10はポスト印刷の受容層である。
【0015】以下、第一の保護層5aからポスト印刷受
容層10までのAの部分を非接触IC情報記録部と称す
る。
【0016】ここで光記録層3と直接接する接着剤層4
aとして、本出願人は特開平1−146144号公報に
て、記録層にダメージを与えにくい、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
またはエチレン−無水マレイン酸−アクリル酸三元共重
合体を主成分とするホットメルト接着剤を用いた光記録
媒体を開示している。また、このようなホットメルト接
着剤を用いて貼り合わせる方法としては、一対の熱ロー
ルラミネータの間に通して貼り合わせる方法と、2枚の
金属板の間に挟んで熱プレスする方法があるが、生産性
等を考慮すると連続生産可能なロールラミネート方式の
方が優れている。
【0017】一方、ICチップやアンテナ等を設けたI
Cモジュール部を土台となる保護層に固定するICモジ
ュール固定用接着剤層6aとしては、特開平10−14
7087号公報等で開示されているように、生産効率や
コスト、またICチップヘの悪影響の防止等を考慮し
て、無溶剤で硬化時間の極めて短いホットメルト接着剤
を用いることが従来公知の技術として知られている。
【0018】上記のような情報記録カードには、カード
に関する固有情報、例えばカードの種類を記した印刷情
報が必須である。特に、高いセキュリティが必要なこの
ようなカードでは、CDやDVD等の記録媒体と異な
り、カードの所有者に関する個別情報、例えば、氏名や
年齢、電話番号、顔写真等をカード発行時にカード表面
にポストプリントすることが要求される。
【0019】しかし、上記のハイブリッドカードの場
合、光記録面側の表面には一般的に紫外線硬化型樹脂よ
りなる傷防止のためのハードコート層が設けられている
ため、この表面に印刷をすることは難しく、特に溶融転
写型若しくは昇華転写型プリンタ等によるポストプリン
トには不向きである。また、透明基板に顔写真等の印刷
を行うと、光記録・再生光の散乱の原因となる。
【0020】そこでハイブリッドカードの場合、非接触
ICモジュール側、即ち、第二の保護基板側のカード表
面にポストプリントを行うことになる。
【0021】このような個別情報のポストプリントに
は、一般の塩ビ製カード用に広く使用されている溶融転
写或いは昇華熱転写タイプのプリンタがよく使われてい
る。印字方法は、直線状に並んだプリンタのサーマルヘ
ッドを、インクリボンを介してカード表面に接触させ、
印刷する部位のみサーマルヘッドを加熱してインクリボ
ンのインクを溶融或いは昇華させてカード側へ転写する
ことによって行われる。よって、品位良く印刷するため
にはカード表面が平滑であることが望まれる。
【0022】一般の塩ビ製カードの場合には、予めカー
ドの共通情報を印刷したコア材に、ポスト印刷を行うた
めの受容層として透明な塩ビを積層する。この際、表面
を平滑にするために金属製の鏡面板の間にコア材及び透
明塩ビ基板を積層して入れた後、熱プレスで積層した基
板を熱融着させて一体化すると共に、カード表面に鏡面
版の平滑面を転写する方式が用いられている。熱プレス
の温度は、塩ビの融点160〜180℃を越えて設定す
るとプレスによって塩ビが溶けて流れ出すため、融点よ
りやや低く設定され、130〜150℃程度が一般的で
ある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ポストプリントの適性
を維持するためには少なくともカード表面が平滑である
ことが要求される。よって、本発明のようなハイブリッ
ドカードを製造する場合にも、塩ビ製のカードと同様
に、各層の接着と保護層の平滑化を熱プレスで一度に行
う方法が考えられる。しかしながら、本発明のようなハ
イブリッドカードの場合、光情報記録部の透明基板に用
いられる材料は、光学的に優れ、かつ、熱変形温度が1
10〜130℃のポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂
等が用いられており、しかもその表面には光学的な記録
・再生を行うために設けられた微細なプリフォーマット
パターンが設けられているため、一般的な熱プレスの温
度、即ち130〜150℃では、透明基板が変形してし
まったり、微細なプリフォーマットパターンが損なわれ
る等の問題が発生した。また、光記録層が熱分解するな
どのダメージを受けてしまうという問題もあった。
【0024】そこで光情報記録部へのダメージを無くす
ためにプレス温度を下げ、例えば100℃程度で熱プレ
スすると、接着剤が十分に溶けないため十分な接着が出
来なかった。
【0025】また接着剤の融点を下げると、100℃程
度のプレス温度でも平滑な表面が得られ、かつ光記録層
への影響もなくハイブリッドカードを作成することがで
きるが、カードの耐熱性や保存耐久性が低下してしまう
といった問題があった。
【0026】一方、130〜150℃程度のゴム製のロ
ールラミネータに通してハイブリッドカードを作成した
場合、熱プレスと比べて加熱時間が短いので光記録部へ
のダメージがなく貼り合わせることが可能であるが、接
着剤の流動が不十分のためICモジュール上のICチッ
プやコイルの凹凸が非接触IC情報記録部を形成する接
着剤に吸収されず、第二の保護層表面に凹凸となって現
れてしまうという問題があり、一度に貼り合わせること
はほぼ不可能であった。よって、非接触IC情報記録部
を先に貼り合わせて平坦化したのち、光情報記録部基板
と貼り合わせる方法が必須となる。
【0027】その製造方法として、非接触IC情報記録
部のみを高温で先に熱プレスして表面を平滑にした後
に、光情報記録部と非接触IC情報記録部をロールラミ
ネータで貼り合わせる方法が考えられるが、この方法で
も、ラミネートで貼り合わせる際の熱によって非接触I
C情報記録部の内部に充填している接着剤が溶けてわず
かに流動し、ロールラミネータの圧力と回転により接着
剤が延伸されることによって、厚みのあるICチップや
コィルが凸部となって保護層表面に再度露出してしま
い、表面の平滑性を損ねてしまうといった問題があっ
た。
【0028】また、非接触IC情報記録部のみを高温で
先に熱プレスした後、光情報記録部と低温でプレスする
方法も考えられるが、加熱−冷却に時間が掛かるプレス
工程を2度行うと生産性が著しく低下してしまうという
問題があった。更に、光情報記録部を熱プレスする場
合、鏡面板との間に塵芥等が混入すると光記録面に打痕
状の傷が残ってしまうため歩留まりの低下を招く原因と
なり、鏡面板の管理にも大変な手間を要した。
【0029】本発明者らは、生産性の良い熱ラミネート
ロールを用いたハイブリッドカードの製造方法の問題点
を解明し本発明に至った。すなわち、IDカードの厚さ
は、ISO規格で0.760±0.08mm(0.68
〜0.84mm)と規定されている。ISO準拠の光・
非接触ICハイブリッドカードを作成する為には、光記
録層を形成した透明基板は0.4mm(ISO規格よ
り)である。
【0030】該透明基板と非接触ICシートの貼り合わ
せ用接着剤の厚さは接着強度を得る為に0.05mm程
度は必要である。したがって、非接触ICシートの厚さ
は0.23mm〜0.39mmとなる。非接触ICシー
トの構成は少なくとも2枚のシートA、Bの間に少なく
とも厚さ0.05mm程度の接着剤を介して、厚さ0.
05mm〜0.2mm程度のICチップ及びコイルが挟
み込まれている。
【0031】すなわち、非接触ICシートは(シートA
/接着剤/ICチップ、コイル/接着剤/シートB)の
構成となっている。接着剤とICチップの厚さは少なく
とも合計で、0.15mm必要である.したがって、シ
ートA、Bの厚みは、トータルで0.13〜0.24m
mである。シートA、シートBの厚さが同じならば、そ
れぞれ、0.065mm〜0.12mmとなる。したが
って、非接触ICシートの最外層のシートAの厚さは、
光記録側の厚さ0.4mmの透明基板に対して十分に薄
くなっている。
【0032】予め、平滑化された非接触ICシートが用
いられ、光・非接触ICハイブリッドカードが作成され
た場合でも、一般的なゴムロールラミネートネータで、
該透明基板と該非接触ICシートとを、貼り合わせると
非接触ICシートの表面に、硬い金属でできたICチッ
プ部、及びコイル部の凸が発生しやすいことを本発明者
らは発見した。
【0033】この発見は、従来の非接触ICカードで
は、非接触ICシートの部分だけで、0.76mmの厚
さを得る事ができる為に保護基板(シートA)に相当す
るプラスチックシートは、0.3mm以上に厚くする事
が可能であるが、光記録媒体と非接触ICとのハイブリ
ッドカードにおいて、初めて発見された問題である。
【0034】本発明は、この様な従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、カード表面が平滑な
光・非接触ICハイブリッドカードの製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、平滑化
された非接触ICシートと、光記録層を形成した透明基
板とをラミネートロールを用いて貼り合わせる光・非接
触ICハイブリッドカードの製造方法において、該貼り
合わせに用いるラミネートロールが硬さの異なる2本の
ラミネートロールからなり、該非接触ICシートと接す
るロールの硬度が、該透明基板と接するロールの硬度よ
り硬いことを特徴とする光・非接触ICハイブリッドカ
ードの製造方法である。
【0036】該透明基板と接する側のラミネートロール
が硬度50〜70Hsのゴム層を設けたロールからな
り、かつ該非接触ICシートと接するラミネートロール
の表面が金属面からなり、該金属面の表面が下記の式
(1)で表される範囲の平均粗さRaからなる粗面であ
るのが好ましい。
【0037】
【数3】
【0038】また、本発明は、平滑化された非接触IC
シートと、光記録層を形成した透明基板とを貼り合わせ
る光・非接触ICハイブリッドカードの製造方法におい
て、該非接触ICシートの表面に金属板を積層し、ロー
ルラミネートネータを用いて該非接触ICシートと該透
明基板を貼り合わせた後、非接触ICシートから金属板
を除去することを特徴とする光・非接触ICハイブリッ
ドカードの製造方法である。
【0039】該金属板の表面が下記の式(2)で表され
る範囲の平均粗さRa′からなる粗面であるのが好まし
い。
【0040】
【数4】
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の方法により製造された光・非接触ICハ
イブリッドカードの一例を示す概略図である。同図にお
いて、本発明の方法により製造された光・非接触ICハ
イブリッドカードは、光記録面側より、ハードコート層
1、透明基板2、光記録層3を順次積層してなる光情報
記録部31と、非接触ICモジュールの第一の保護基板
5、非接触ICモジュール固定用接着剤層6、アンテナ
コイルとICチップを含む非接触ICモジュール7、同
じく非接触ICモジュール固定用接着剤層6′、非接触
ICモジュールの第二の保護基板8の順で構成される非
接触IC情報記録部(非接触ICシート)32とを、接
着剤層4で貼り合わせてなる光・非接触ICハイブリッ
ドカードである。なお、非接触ICモジュール7にはI
Cチップ及びコイルが配置され、また、9は印刷層、1
0はポスト印刷の受容層である。
【0042】図2は本発明の方法により製造された光・
非接触ICハイブリッドカードの他の例を示す概略図で
ある。同図は、非接触IC情報記録部33として後述す
る図4に示す非接触ICカードを用いた光・非接触IC
ハイブリッドカードを示す。図5は本発明の光・非接触
ICハイブリッドカードの製造方法の一例を示す説明図
である。同図5はロールラミネート方法の製造方法を示
す。図5(a)は製造方法の全体を示す説明図であり、
図5(b)は部分説明図である。
【0043】同図5に示す様に、本発明の光・非接触I
Cハイブリッドカードの製造方法は、平滑化された非接
触ICシート32と、透明基板及び光記録層3を順次積
層してなる光情報記録部(光記録層形成透明基板)31
を形成した透明基板とを接着剤4を介して、誘電加熱ロ
ール35の表面をシリコーンゴムで被覆したシリコーン
ゴムロール39と、誘電加熱ロール35の表面を金属で
被覆した金属ロール36からなるラミネートロールを用
いて熱ラミネートにより貼り合わせる方法であり、該貼
り合わせに用いる金属ロール36はシリコーンゴムロー
ル39よりも硬く、かつ金属ロール36は非接触ICシ
ートと接し、シリコーンゴムロール39は光記録層形成
透明基板31と接するようにして貼り合わせる方法であ
る。
【0044】上記の様に、本発明によれば、光・非接触
ICハイブリッドカードの製造方法において、非接触I
Cシートの表面が金属ロールの硬い金属と接すること
で、ロールラミネートでのICの凸発生は抑制できる。
また、光記録層が形成された透明基板の厚さが、0.4
mmである為に、透明基板の表面は平滑性が保たれた。
透明基板の平滑性の程度は、光記録層の記録再生光劣化
に影響が出ない程度であれば良い。
【0045】熱ラミネート時に再発生した、ICチッ
プ、及びコイルの凸部は、光記録層が形成された透明基
板と非接触ICシートとの、貼り合わせに用いられるホ
ットメルト接着剤に吸収される。また、透明基板に接す
るラミネートロールはゴムロールが好ましい。
【0046】なお、透明基板基板側の熱ラミネートロー
ルの表面に金属ロールを用いると、 光記録層が形成された透明基板が、金属ロールに貼り
付き、光・非接触ICハイブリッドカードのワークが該
金属ロールに巻き付いてしまう問題があり、また 微少なゴミが金属ロールの表面に付着しても、光記録
層の透明基板の表面にゴミによるキズ、欠陥が生じるな
どの問題が発生する。
【0047】しかしながら、非接触ICシートが金属ロ
ールに接する場合は、図5(b)に示す様に、金属ロー
ル36の表面37に微細な凸凹を設け粗面性状38とす
るる事によって、非接触ICシートが金属ロールに貼り
つく事を防止できる。非接触ICシートの表面が凸凹で
も非接触IC部の情報の記録再生には影響が無かった。
【0048】金属ローラの凸凹の程度は、10点平均粗
さRaで表現される。Raの最適な範囲は、下記の式
(1)で表される範囲のである。
【0049】
【数5】
【0050】平均粗さRaの値が、0.05μm未満の
場合には、表面が金属のラミネートロールに非接触IC
シートが貼りつく問題が発生する事があり、0.2μm
を越える場合は、非接触ICシートの表面が粗くなり、
完成した光・非接触ICハイブリッドカードの非接触I
Cシートの表面に、顔写真、ID番号、名前などの個人
情報を熱転写プリンタで正確に印刷する事ができなくな
り、また、非接触ICシートの表面の凸凹の凹の部分に
印刷がされず、印刷画像が斑になる。さらに、好ましく
は0.05μm<Ra<0.1μmの範囲である。
【0051】次に、本発明の製造方法の他の実施形を示
す。図6は本発明の光・非接触ICハイブリッドカード
の製造方法の他の例を示す説明図である。同図6に示す
光・非接触ICハイブリッドカードの製造方法は、平滑
化された非接触ICシート32と光記録層を形成した透
明基板31とを、貼り合わせる場合に、該非接触ICシ
ート32の表面に少なくとも非接触ICシートのワーク
サイズ(平面サイズ)よりおおきな金属板34を積層
し、誘電加熱ロール35の表面をシリコーンゴムで被覆
したシリコーンゴムロール39の熱ロールラミネートネ
ータを用いて、該非接触ICシート34と該透明基板3
1を貼り合わせ、次に、ワークが50℃以下に冷却した
後、金属板34を取りさることによって、表面が平滑な
光・非接触ICハイブリッドカードを得る方法である。
【0052】該金属板34と、非接触ICシート32の
表面との剥離が容易に行なえるようにする為に、該金属
板の表面の平均粗さRa′が下記の式(2)で表される
範囲である金属板を用いた。
【0053】
【数6】
【0054】平均粗さRa′の値が、0.05μm未満
の場合には、該剥離に時間がかかり、生産性が低下し、
0.2μmを越える場合は、完成した光・非接触ICハ
イブリッドカードの非接触ICシート側の表面の面粗さ
が大きくなり、顔写真、ID番号、名前などの個人情報
を熱転写プリンタで正確に、きれいに印刷する事ができ
なかった。さらに、好ましくは0.05μm<Ra′<
0.1μmの範囲である。
【0055】金属板の厚さtは、0.lmm<t<0.
5mmが適当である。厚さが0.lmm未満では、光記
録層を形成した透明基板と非接触ICシートの貼り合わ
せ時に、非接触ICシートの表面に凸凹が発生し、0.
5mmを越える場合は、熱伝導率が低下し、該透明基板
と該非接触ICシートの貼り合わせ時にホットメルト接
着剤が十分に溶融しない為に貼り合わせ不良がおきる。
ラミネート装置の温度をむやみに高くすると、防災上も
好ましくなく、また熱ラミネートロールの材質(表面の
ゴム等)も限定される。
【0056】平滑化された金属板の材質は、特に限定さ
れるものではない。一般には固い金属が好ましく、ステ
ンレスなどが用いられる。
【0057】ラミネート温度は100℃〜160℃の範
囲で行われる。ラミネート温度が160℃を越えるとプ
ラスチック基板が変形し、完成したカードにそりが発生
することがあり、100℃未満では、通常、貼り合せる
ことは不可能である。なお、接着剤4の融点を低くすれ
ば論理上は可能であるが、完成したカードの耐熱性が低
くなり実用に適さない。
【0058】ラミネートロールの回転速度は0.1〜
0.6m/minの範囲が適用される。貼り合せるシー
トの厚みが0.3〜0.4mmであるために、熱ロール
が2本の場合、回転速度を0.6m/min以上にする
のはむずかしい。ラミネートロールの回転速度を速くす
るためには、プレヒートロールなどの予備加熱部を熱ロ
ールの前工程に設ける必要がある。ラミネート圧力は線
圧で1〜10kg/cm2で行われる。
【0059】本発明に用いられる接着剤のうち、光記録
層を形成した透明基板と非接触ICシートとを貼り合わ
せる接着剤としては、光記録層への影警が極めて少ない
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、
エチレン−メタクリル酸エステル共重合体から選ばれる
少なくとも1つの共重合体を含有する無溶剤タイプのホ
ットメルト接着剤が好適である。
【0060】接着剤に添加する添加剤としては、例えば
粘着付与剤や軟化剤が挙げられ、粘着付与剤としては、
例えばロジン、重合ロジン、水素添加ロジン、ロジンエ
ステル等の天然樹脂及びその変成品、脂肪族化合物、脂
環式化合物、芳香族、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペ
ン・フェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂、クマロン
樹脂などが挙げられる。また、軟化剤としては、例えば
プロセスオイル、パラフィンオイル、ヒマシ湯、ポリブ
テン、低分子量ポリイソプレン等が挙げられる。更に、
本発明の接着剤には光記録層との相互作用を生じず、か
つ上記物質の物性を変化させない範囲で必要に応じて紫
外線吸収剤等を添加しても良い。
【0061】非接触ICモジュールと第一及び第二の保
護基板とを貼り合わせる接着剤としては、光記録層と接
する場合と異なり比較的接着剤の材料は限定されず、公
知のあらゆる接着剤を使用することができるが、溶剤タ
イプの接着剤はICチップを腐食してしまったり、保護
基板を透過して光記録層にダメージを与えるので好まし
くない。このようなホットメルトタイプの接着剤として
は上記の材料の他、ポリエステル系、EVA系、ポリア
ミド系等の接着剤を用いることができる。
【0062】以下、ハイブリッドカードにおける光記録
層を形成した透明基板と非接触ICシートの製造方法に
ついて詳細に説明する。
【0063】(非接触ICシートの製造方法)本発明に
おいて用いられる非接触ICシート(非接触IC情報記
録部)には、ISO 10536で規定された非接触I
Cモジュールが用いられる。その非接触ICモジュール
は、例えば一般的に知られている構成として、図3に示
すようなものが挙げられる。図3(a)は、本発明で用
いられる密着型非接触ICカードの一例を示す平面図、
図3(b)はB−B線断面図である。非接触ICモジュ
ールは、図3に示されるように、厚さ50μmのポリエ
チレンテレフタレート基板から成る回路板11の両面
に、銀ペースト導電性塗料を印刷して、厚み約20μm
のコイル及び配線部12を形成し、配線部上に厚み方向
にのみ電流を流す異方導電性接着剤13を介してICチ
ップ14を接着し、ICチップの端子と配線部を接続す
る。このICチップ以外の場所にはICチップの高さに
相当する、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート
からなるスペーサー層15を配し、更に上記の回路板1
1及びスペーサー層15をそれぞれ保護する第一の保護
基板16と第二の保護基板17を接着剤18を介して貼
り合わせることで非接触IC記録層を有するシートが得
られる。ここで第一及び第二の保護基板の厚みを適宜調
節することで所望の厚みの非接触ICシート(非接触I
C情報記録部)を得ることが出来る。
【0064】例えば、第一及び第二の保護基板として厚
み36μmのポリエチレンテレフタレート基板を厚み2
0μmのホットメルト系接着剤によって貼り付けた場
合、非接触IC情報記録部のトータルの厚みは、およそ
250μmである。
【0065】また、図4は、本発明の近接型非接触IC
カードのICシートの一例を示す説明図であり、図4
(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のC−C線断
面図、図4(c)は図4(a)のICシートを用いて作
成した非接触ICカードの一例を示す断面図である。
【0066】一方、ISOl4443で規定された非接
触ICシートの例としては、図4に示されるように、支
持板21に、エナメル線のコイル23が形成されてお
り、コイル線の両端はICチップ24に接続されてい
る。更にコイル23及びICチップ24を接着層を介し
てもう一方の支持板22で保護された構造になってい
る。
【0067】薄型のカードをはじめ、あらゆる厚みのカ
ードに対応するために、支持板21、22としてはPE
Tの不織布が使用されるものが知られており、非接触I
Cシートと称されている。全体の厚みは150μm程度
である。上記非接触ICシートの両面に接着層25を介
して第一及び第二の保護基板26、27を貼り付けたも
のが、非接触ICシート(非接触IC情報記録部)であ
る。保護基板26、27の厚みを調整し、カードサイズ
に切断することで、所望の厚みの非接触ICカードを得
ることが出来る。
【0068】いずれのタイプの非接触ICカードに於い
ても、ICチップやアンテナ等を設けたICモジュール
部を、土台となる保護基板に固定するには、生産効率や
コスト、またICチップヘの悪影響の防止等を考慮し
て、無溶剤で硬化時間の極めて短い、ホットメルト接着
剤を用いることが従来公知の技術として知られており、
ICモジュール部の両面にホットメルト接着剤、更にそ
の外側に二枚の保護基板を積層した後、ラミネートや熱
プレスをすることで、簡便かつ迅速に一体化された非接
触ICカードを得ることが出来る。
【0069】本発明で用いることが出来る非接触IC記
録層を有するシートの第一及び第二の保護基板として
は、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリスチレン、またはABS樹脂等を保護
基板として用いることができる。
【0070】特に第二の保護基板の側に、直接溶融転写
型のプリンタ及びインクリボンでポストプリントを施す
場合には、保護基板の基板表面に易接着処理を施すこと
が好ましい。
【0071】更に好ましい形態としては、図1及び図2
に示すように、第二の保護基板8の表面にカードの共通
情報やデザインを印刷した印刷層9を設けた後、この印
刷層の保護を兼ねた透明塩化ビニルからなるポストプリ
ントの受容層10を設けても良く、これにより昇華転写
型のプリンタ及びインクリボンでカラー画像を印字する
ことが可能となる。
【0072】ポストプリントで印刷される内容として
は、カード所有者の氏名や顔写真、IDナンバー、バー
コード等、通常のクレジットカード等に使用され得るあ
らゆる情報を表示することが出来る。また第二の保護基
板8或いはポストプリント受容層10の表面には磁気ス
トライプやホログラム、サインパネル等を埋め込んで設
けても良い。
【0073】さらに第二の保護基板は2層構成でも良
い。この場合、カード表面になる最外層は、熱転写印刷
のインキ受容層として機能することが好ましい。塩化ビ
ニル製の樹脂層が好ましい。
【0074】一方、非接触ICシートの第一の保護基板
表面にも、光情報記録部の透明基板を通して光カード面
から確認することが出来る印刷、例えば、カードの属性
を表すロゴ印刷やカードの挿入方向を示す矢印、注意書
きなどを印刷することができる。また、ICモジュール
が光記録を行う側から光記録層を通して見えてしまうの
を防止したり、光情報の記録・再生に用いるレーザー光
線がICモジュールによって乱反射するのを防止するた
めの印刷も施すことができる。
【0075】本発明に用いられる光記録層及び透明基板
は、例えば、特開平8−161770号公報等に記載さ
れている材料及び製法を用いることができ、またICモ
ジュールは特開平8−310172号公報、特開平9−
1970号公報等に記載されている公知の材料及び製法
を使用できる。また、本発明のハイブリッドカードに、
ICメモリ、光記録情報以外の情報部、例えば、磁気情
報、エンボス情報等を般けても何ら差し支えはない。
【0076】(光記録層を担持した透明基板の製法) (光記録層の形成方法)一方、透明基板の表面には、光
記録・再生時のトラックサーボの為のトラック溝や、R
OMとしての情報を表すピット等を含むプリフォーマッ
トを形成し、ついで該表面に光記録層を形成する。
【0077】(透明基板の材料)該透明基板としては、
少なくとも光記録層の記録・再生光ビームに対して透明
なものが好ましく、また該透明基板を通して可視情報を
目視認職可能なようにする構成とする場合には、可視光
に対しても透明なものとすることが好ましい。透明基板
に用いられる材料の例としては、例えばポリカーボネー
ト樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリスチレン、ポリスルフォン、アモ
ルファスポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0078】(光記録層の種類)光記録層の材料として
は光記録材料として使用可能な材料を用いることができ
る。そして光記録部にも可視情報を表示する場合には光
記録層が可視光透過性を示す有機色素を用いることが好
ましい。光記録層の形成方法としては、例えば真空堆積
法(蒸着、スパッタリング等)や湿式塗布法等が挙げら
れる。
【0079】湿式塗布法とは、有機溶剤、例えば、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコー
ル等に有機色素を溶解して塗布・乾燥する方法である。
溶媒塗布可能な色素としてはポリメチン色素が好まし
い。
【0080】
【実施例】以下、実施例を用い本発明を詳細に説明す
る。
【0081】実施例1 (ISO l0536非接触IC記録部を形成する非接
触ICシートの作製)回路板、導電性塗料によるコイ
ル、異方導電性接着剤、ICチップ及びスペーサー層か
らなる非接触ICモジュールを用意した。
【0082】第一及び第二の保護基板として、厚さ50
μmの両面易接着処理した白色ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)シート(ダイアホイルT300E、ダイ
アホイルヘキスト(株)製)、また接着剤としてポリエ
ステル系ホットメルト接着剤(ケミットKF223l
A、厚み30μm、東レ(株)製、融点113℃)を用
意し、第一の保護基板、接着剤、非接触ICモジュー
ル、接着剤、第二の保護基板の順に重ね合わせた後、こ
れを2枚のステンレス製鏡面板の間に挟んで、温度14
0℃、圧力10kg/cm2で熱プレスして各層を一体
化し、図1に示す32の構成の非接触IC情報記録部を
作成した。保護基板の表面は平滑であった。
【0083】この非接触IC情報記録部の第一の保護基
板の表面に光カード側から見える印刷層をスクリ―ン印
刷で設けた。印刷インクはEGS911(黒)(セイコ
ーアドバンス社製)を用い、75℃で1時間乾燥した。
【0084】(光情報記録部を形成するシートの作製)
400μm厚で片面に凹凸のプリフォーマットパターン
が形成されたポリカーボネート樹脂基板2のパターンの
ない側にウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(商
品名:ユニデイック;大日本インキ化学(株)社製)を
厚さ4μmにスピンコートし、UVランプ(80W/c
m)を用いて硬化させて透明なハードコー卜層1を形成
した。次に、下記に示すポリメチン色素75重量部に耐
熱改良材として下記に示すアミニウム塩化合物25重量
部の色素混合物を色素溶媒に対して3重量%になるよう
に溶媒であるジアセトンアルコールに溶解し色素塗布液
とした。この塗布液をグラビアコーターによって透明基
板の所定の位置に塗布し図1に示す光情報記録部形成シ
ートとした。
【0085】
【化1】
【0086】(光・非接触ハイブリッドカードの作製)
上記のように作製した、非接触IC記録部形成シートと
光記録部形成シート(透明基板)を、光記録部形成シー
ト(透明基板)の光記録層側が非接触IC記録部形成シ
ートと向かい合うように対向させたのち、エチレンアク
リル酸からなるホットメルト接着剤(商品名:クランベ
ターO−4121;クラボウ(株)社製、融点96℃)
を介してラミネーターで両者を貼り合わせた。
【0087】(ラミネート装置の仕様)光記録部形成透
明基板に接するロールの材質は、誘導加熱金属ロールに
硬度(JIS−K−6301)60Hsのシリコンゴム
を厚さ5mmコートしたロールを用いた。
【0088】非接触IC記録部形成シートが接するロー
ラは誘導加熱金属ロールの表面にクロームメッキした
後、該メッキ表面を、研磨布を用いて10点平均表面粗
さRa=0.lμmの表面に加工した。金属ロールの表
面の硬度は Hsである。
【0089】(ロールラミネート条件)貼り合わせの温
度は130℃、送り速度は0.4m/minで行った。
次に中空刃切断機を用い、光カードの記録プリフォーマ
ットを基準にしカードサイズに切断し、図1に示すよう
な光・非接触ICハイブリッドカードを得た。
【0090】非接触IC記録部形成シートと光記録部形
成シート(透明基板)を貼り合わせる際、ラミネータよ
りIC記録部を形成するホットメルト接着剤にも再度熱
が加わったが、IC記録部表面の平滑性が失われること
はなかった。得られたカードのIC記録部表面に、溶融
転写型のプリンタで黒印刷を行ったところ、印刷表面が
平滑なため、印刷インクの抜けがなく品位の良い印刷を
することができた。
【0091】実施例2 (ISO l4443非接触IC情報記録部を形成する
非接触ICシートの作製)第一の保護基板として厚み8
0μmの透明なポリカーボネートシート基板を用意し、
光記録面側からICシートの下地が見えないようにする
ための目隠し印刷、及び光記録面側のロゴ印刷を施し
た。第二の保護基板として第一の保護基板と同じ透明な
ポリカーボネートシート基板を用意し、カードの共通情
報を印刷した。
【0092】不織布を基材とするISO l4443準
拠の近接型非接触ICシート(日立マクセル(株)製)
及び厚み30μmのポリエステル系ホットメルト接着剤
(商品名:クランベターG−2;クラボウ(株)社製、
融点118℃)を用意し、第一の保護基板、第一の保護
基板の印刷層、接着剤層、ICシート、接着剤層、第二
の保護基板、第二の保護基板の印刷層、ポスト印刷受容
層として厚さ40μmの透明塩化ビニル製シート(Ge
notherm ZE−84、ヘキスト社製)をこの順
に重ねたのち、これらを表面が鏡面の2枚のステンレス
板の間に挟み、140℃、圧力10kg/cm2で熱プ
レスしてこれらを一体化して、図2に示す33の構成の
非接触IC情報記録部を作成した。
【0093】得られた非接触IC情報記録部の表面、即
ち、塩化ビニル樹脂ビのポストプリント受容層の面は平
滑であった。なお、図2にも示した通り、透明な第一の
保護基板5の印刷は、印刷インクの溶剤等が光記録層に
悪影響を及ばすことを極力防ぐため、透明な第一の保護
基板5と接着剤6との間に施した。
【0094】(ハイブリッドカードの作製)実施例1で
用いた光情報記録部を形成したシート(透明基板)の光
記録層面と、上記非接触IC情報記録部を形成したシー
トの第一の保護基板面を向かい合わせて、実施例1で用
いたホットメルト接着剤(クランベターO−4121)
を介して、これらを実施例1と同じラミネー装置、条件
にて貼り合わせて一体化した後、カードサイズに打ち抜
き切断して、図2に示すようなハイブリッドカードを得
た。
【0095】ハイブリッド化の後も、非接触IC情報記
録部表面のポストプリント受容層の面は平滑であった。
ここに、昇華熱転写型カラー印刷機で顔写真等をカラー
印刷したところ、インクの抜けもなく、極めて品位の良
いポストプリントを行うことが出来た。
【0096】実施例3 実施例1で用いた光記録層形成透明基板と非接触ICシ
ートとの貼り合わせラミネート条件を下記の条件に変更
した。
【0097】ラミネートロール 該透明基板側、及び非接触ICシート側のそれぞれのラ
ミネートロールを直径180mmの誘導加熱金属ロール
に硬度(JIS−K−6301)60Hsのシリコンゴ
ムを厚さ5mmコートした加熱ロールを用いた。
【0098】金属板 表面を平均粗さRa=0.lμmに研磨した、厚さ0.
4mmのステンレス板を準備した。
【0099】ラミネート条件 記録層形成シート(透明基板)、実施例1の接着剤、非
接触ICシート及金属板を順次積層し、温度130℃に
加熱した2本のラミネートロールの間を通した。ロール
回転速度は0.2m/secである。熱ラミネートロー
ルを通過後冷却ロールを通して金属板の温度が50℃以
下になった後、金属板は容易に剥離する事ができた。得
られた非接触ICシートの表面は平滑であった。以下、
実施例1と同様にカードサイズに切断する事で、カード
表面が平滑な光・非接触ICハイブリッドカードを得
た。
【0100】実施例4 実施例3で用いた金属板の厚さを0.2mmとしても、
また実施例3のラミネートロールの回転速度を0.3m
/minにしても実施例3と同様のカード表面が平滑な
光・非接触ICハイブリッドカードを得る事ができた。
生産効率を実施例3よりも向上する事ができた。
【0101】比較例1 実施例1の表面が金属のラミネートロールの表面粗さR
aを0.02μmに鏡面研磨したロールを用いた以外は
実施例1と同様に光・非接触ICハイブリッドカードを
作成した。金属ローラに非接触ICシートが張り付いて
しまいカードの反りが大きくなった。また、カードの安
定した生産ができなかった。
【0102】比較例2 実施例2の金属ローラの表面粗さRaを0.5とした以
外は実施例2と同様に光・非接触ICハイブリッドカー
ドを作成した。金属ローラへの貼りつきは解除された
が、完成したカード表面に実施例2と同じように顔写
真、ID番号、名前などの個人情報を印刷したところ、
印刷画像が斑になり、IDカードとしては不適切であっ
た。
【0103】比較例3 実施例2で用いた光情報記録部を形成したシート(透明
基板)と、IC情報記録部を形成したシートを用意し、
実施例2の接着剤(クランベターO−4121;クラボ
ウ(株)社製、融点96℃)を介して、表面が鏡面の2
枚のステンレス板の間に挟み、140℃、圧力10kg
/cm2で熱プレスしてこれらを一体化してハイブリッ
ドカードを作成した。
【0104】得られたカードのIC情報記録部の保護基
板表面、即ちポストプリント受容層は平滑であり、実施
例2で用いた昇華熱転写型カラー印刷機で顔写真等をカ
ラー印刷したところ、品位の良いカラー印刷ができた
が、光記録層の記録再生光に対する反射率が低下し、ま
たトラッキングのための凹凸パターンも微妙に変形し、
オートトラック信号が不安定となってしまった。
【0105】比較例4 比較例3で用いた光情報記録部を形成したシート(透明
基板)と、IC情報記録部を形成したシートを貼り合わ
せる接着剤(クランベターO−4121)の代わりに同
じくホットメルト接着剤(クランベターW−4110、
クラボウ(株)製、融点82℃)を用い、以下比較例3
と同条件で熱プレスしてハイブリッドカードを作成し
た。
【0106】比較例4で用いた接着剤は比較例3で用い
た接着剤よりも融点が低いため、同条件で熱プレスして
も接着剤が十分に溶解していた。また、カード表面のポ
スト印刷受容層も平滑で品位良いポストプリントが可能
であり、また、プレス熱による光記録層へのダメージも
無かったが、カードの耐熱性が悪く、85℃の環境下で
はカードの一部が剥がれてしまい、例えば、車の中には
放置できなかった。
【0107】比較例5 実施例2でIC情報記録部を形成するのに用いた接着剤
クランベターG−2(融点118℃)の代わりに、ホッ
トメルト接着剤(クランベターP−2400;クラボウ
(株)社製、融点96℃)を使用し、以下実施例2と同
様にして、まず熱プレスにより表面が平滑なIC情報記
録部を作成した後、温度110℃、圧力2kg/c
2、送り速度1m/minの条件で光情報記録部を形
成したシート(透明基板)光情報記録部とラミネートを
行い、ハイブリッドカードを得た。
【0108】比較例5では、先に、表面が平滑な非接触
IC情報記録部(非接触ICシート)と、光情報記録部
とを、表面がゴム製のラミネーターで貼り合わせてハイ
ブリッド化したが、ラミネート工程に於いてIC情報記
録部を形成したホットメルト接着剤が軟化し、更にロー
ルラミネータの圧力と回転により軟化した接着剤が延伸
されたため、厚みのあるICチップやコイルが凸部とな
って保護基板表面に露出してしまった。その結果、貼り
合わせ前の非接触IC情報記録部保護基板の平滑な表面
が失われ、ICチップやコイルの凹凸や不織布の微細な
凹凸が保護基板面に現れてしまった。
【0109】得られたハイブリッドカードの保護基板、
即ちポストプリント受容層に、実施例2で用いた昇華熱
転写型カラー印刷機で顔写真等をカラー印刷したとこ
ろ、凹凸が原因で印刷がうまく載らなかった。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、光記録層を形成し
た透明基板と非接触ICシートとの貼り合わせを本発明
の製造方法によつて作成する事で 先に形成したIC情報記録部表面の保護基板の平滑性
を損なうことなく光・非接触ICハイブリッドカードを
製造することが可能となった。 本発明のハイブリッドカードのような、比較的ICチ
ッブやコイルの凹凸が保護基板表面に現れやすいカード
に於いても、通常のカードと同様のポストプリントの印
字品位を保つことが可能な表面を有する光・非接触IC
ハイブリッドカードを得る事ができた。
【0111】プレス工程を複数回行うことなく、生産
性の高いロールラミネート方式を採用できた。金属ロー
ルを用いてもプラスチックシートがロールに貼りつくこ
とがなかった。 光記録部を貼り合わせる際に、光記録層側に鏡面板を
用いたプレス工程が不要なため、塵芥等の混入で光記録
部表面に傷が入るおそれもなくなり、歩留まりが向上し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造された光・非接触IC
ハイブリッドカードの一例を示す概略図である。
【図2】本発明の方法により製造された光・非接触IC
ハイブリッドカードの他の例を示す概略図である。
【図3】本発明で用いられる密着型非接触ICカードの
一例を示す概略図である。
【図4】本発明で用いられる近接型非接触ICカードの
ICシートの一例を示す説明図である。
【図5】本発明の熱ラミネートロール方法による光・非
接触ICハイブリッドカードの製造方法の一例を示す説
明図である。
【図6】本発明の熱ラミネートロール方法による光・非
接触ICハイブリッドカードの製造方法の他の例を示す
説明図である。
【図7】従来の非接触ICカードを用いて作製したハイ
ブリッドカードの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ハードコート層 2 透明基板 3 光記録層 4 接着剤層 5 ICモジュールの第一の保護基板 6,6’ ICモジュール固定用第一の接着剤層 7 非接触ICモジュール 8 ICモジュールの第二の保護基板 9 印刷層 10 ポストプリント受容層 11 回路板 12 コイル及び配線部 13 異方導電性接着剤 14 ICチップ 15 スペーサー層 16 第一の保護基板 17 第二の保護基板 18 接着剤 21 支持板 22 支持板 23 コイル 24 ICチップ 25 接着層 26 第一の保護基板 27 第二の保護基板 31 光記録層形成透明基板 32、33 非接触ICシート 34 金属板 35 誘電加熱ロール 36 金属ロール 37 金属ロール表面 38 粗面形状 39 シリコーンゴムロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06K 19/07 G06K 19/00 H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平滑化された非接触ICシートと、光記
    録層を形成した透明基板とをラミネートロールを用いて
    貼り合わせる光・非接触ICハイブリッドカードの製造
    方法において、該貼り合わせに用いるラミネートロール
    が硬さの異なる2本のラミネートロールからなり、該非
    接触ICシートと接するロールの硬度が、該透明基板と
    接するロールの硬度より硬いことを特徴とする光・非接
    触ICハイブリッドカードの製造方法。
  2. 【請求項2】 該透明基板と接する側のラミネートロー
    ルが硬度50〜70Hsのゴム層を設けたロールからな
    り、かつ該非接触ICシートと接するラミネートロール
    の表面が金属面からなり、該金属面の表面が下記の式
    (1)で表される範囲の平均粗さRaからなる粗面であ
    る請求項1記載の光・非接触ICハイブリッドカードの
    製造方法。 【数1】
  3. 【請求項3】 平滑化された非接触ICシートと、光記
    録層を形成した透明基板とを貼り合わせる光・非接触I
    Cハイブリッドカードの製造方法において、該非接触I
    Cシートの表面に金属板を積層し、ロールラミネートネ
    ータを用いて該非接触ICシートと該透明基板を貼り合
    わせた後、非接触ICシートから金属板を除去すること
    を特徴とする光・非接触ICハイブリッドカードの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 該金属板の表面が下記の式(2)で表さ
    れる範囲の平均粗さRa′からなる粗面である請求項3
    記載の光・非接触ICハイブリッドカードの製造方法。 【数2】
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