JP2000191960A - 光触媒性親水性コーティング組成物、光触媒性親水性膜の形成方法、及び、光触媒性親水性部材 - Google Patents

光触媒性親水性コーティング組成物、光触媒性親水性膜の形成方法、及び、光触媒性親水性部材

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JP2000191960A
JP2000191960A JP10367729A JP36772998A JP2000191960A JP 2000191960 A JP2000191960 A JP 2000191960A JP 10367729 A JP10367729 A JP 10367729A JP 36772998 A JP36772998 A JP 36772998A JP 2000191960 A JP2000191960 A JP 2000191960A
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photocatalytic
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film
hydrophilic coating
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Atsushi Kitamura
厚 北村
Mitsuhide Shimobukikoshi
光秀 下吹越
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化速度が速く、また、体積収縮が少ない光
触媒性親水性コーティング組成物、該組成物を用いた光
触媒性親水性膜の形成方法、及び、該形成方法を用いた
光触媒性親水性部材を提供することを目的とする。 【解決手段】 光触媒粒子及びポリシラザンまたはその
変成物と溶媒にからなる光触媒性親水性コーティング組
成物;該コーティング組成物を用いた光触媒性親水性膜
の形成方法;及び該形成方法を用いた光触媒性親水性部
材を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材の表面を高度
の親水性になし、かつ、維持する技術に関する。より詳
しくは、本発明は、鏡、レンズ、板ガラスその他の透明
基材の表面を高度に親水化することにより、基材の曇り
や水滴形成を防止する防曇技術に関する。本発明は、ま
た、建材や窓ガラスや機械装置や物品の表面を高度に親
水化することにより、表面が汚れるのを防止し、又は自
己浄化(セルフクリーニング)し若しくは容易に清掃す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】部材の表面を親水性にすると、曇り防
止、水滴形成の防止、水のみによる清浄化、帯電防止、
付着水の乾燥促進等の効果があり有用であるために、従
来より種々の提案がある。
【0003】例えば、特開昭61ー91042号には、
「ガラス表面上に所定の厚さで表面に微細な凹凸を有す
るシリカ、チタニア等の無機酸化物の薄膜を形成したこ
とを特徴とする防曇ガラス」が開示されている。この態
様はそれ以前に知られていた表面に親水性界面活性剤を
塗布する方法や、セルロース系エステルからなる親水性
樹脂で表面を被覆する方法と比較すると優れた親水性を
呈するとともに長期に親水性を維持し防曇機能を長期間
発揮するものの、一旦汚れ等に起因する疎水基が吸着し
て表面が疎水化すると、表面性状を元の状態に戻す術が
ないために、親水性が回復せず、防曇機能を失ってしま
う。
【0004】本出願人は、先に、半導体光触媒の光励起
作用により物品の表面を高度に親水化する方法を提案し
た(WO96/29375号)。この方法に従えば、物
品の表面はアナタ−ゼ型酸化チタンのような半導体光触
媒のコ−ティングによって被覆される。このアナタ−ゼ
型酸化チタンからなる光触媒性コ−ティングに紫外線を
照射することにより光触媒を充分な照度で充分な時間に
わたり光励起すると、光触媒性コ−ティングの表面は水
との接触角が約0度になる程度に高度に親水化される。
WO96/29375号に開示されているように、この
ように高度に親水化可能な光触媒性コ−ティングは、防
曇、降雨による浄化、水洗による浄化、乾燥促進その他
種々の目的で種々の物品に適用することができる。例え
ば、車両の風防ガラス、ドアミラ−、建物の窓ガラス、
眼鏡のレンズ、或いは鏡のような透明物品を光触媒性コ
−ティングで被覆した場合には、光触媒の光励起に伴い
コ−ティングの表面は高度に親水化され、その結果、物
品が凝縮湿分や湯気で曇ったり、付着水滴で翳ったりす
るのが防止される。或いは屋外に配置された建物や物品
が光触媒性コ−ティングで被覆されている場合には、親
水化された表面に付着した疎水性の煤塵や汚染物は降雨
の都度雨水により洗い流され表面は浄化される。
【0005】これらの光触媒性コーティングを耐熱温度
が低い樹脂などに応用する場合、光触媒を固定するため
のバインダーが必要になる。有機物のバインダーでは光
触媒の分解作用による劣化が生じるため、従来はテトラ
オルトシリケートなどのアルコキシド系のシリカ前駆体
をバインダーとして用いていた。しかし、これらアルコ
キシド系シリカ前駆体をバインダーに用いたコーティン
グ組成物は、硬化速度が遅いため、耐水性、耐溶剤性が
悪い。また、アルコキシド系シリカ前駆体がシリカへ転
化するときの体積収縮が大きいので、膜にクラックが入
りやすく、膜が白濁したり、剥離することがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、上記事情
に鑑み、硬化速度が速く、また、体積収縮が少ない光触
媒性親水性コーティング組成物、該組成物を用いた光触
媒性親水性膜の形成方法、及び、該形成方法を用いた光
触媒性親水性部材を提供することを目的とする。さら
に、本発明でバインダーとして用いたポリシラザンは、
酸化反応によりシリカに転化することでより一層の親水
性を発現するが、光触媒の酸化反応性によりシリカへの
転化が促進されるという効果も付加される。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、光触媒粒子及びポリシラザンまたはその変
成物と溶媒にからなる光触媒性親水性コーティング組成
物;該コーティング組成物を用いた光触媒性親水性膜の
形成方法;及び該形成方法を用いた光触媒性親水性部材
を提供する。上記構成において、ポリシラザンをバイン
ダーに用いることで、ポリシラザンがアルコキシドに比
べて短時間で、より体積収縮の少ない状態で硬化するた
めに、基板表面に短時間で強固な光触媒性親水性膜を形
成する。
【0008】本発明の好ましい態様においては、酸化チ
タン粒子とポリシラザンと溶媒とを含んでなる、基体表
面を光触媒の光励起に応じて親水性にするための光触媒
性親水性コ−ティング組成物にする。また、基板表面
に、酸化チタン粒子とポリシラザンを含む光触媒膜が形
成されており、基体表面を光触媒の光励起に応じて親水
性になる光触媒膜の形成方法、及び、前記光触媒膜が形
成された光触媒性親水性部材にする。この構成におい
て、ポリシラザンは光触媒粒子同士、光触媒粒子と基材
とを強固に結着する働きを有すると同時に、硬化後に水
または酸素と反応してシリカに転化することで暗所親水
維持性を増加させる働きも発現する。この時、光触媒は
紫外線の照射により表面の親水性を高めると同時に、そ
の酸化作用によりポリシラザンからシリカへの転化を促
進し、速やかに高度な親水性膜に変化させる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、酸化チ
タン粒子とポリシラザンと溶媒に、更にアミン類及び/
または酸類を含んでなる、基体表面を光触媒の光励起に
応じて親水性にするための光触媒性親水性コ−ティング
組成物にする。また、基板表面に、酸化チタン粒子とポ
リシラザンとアミン類及び/または酸類を含む光触媒膜
が形成されており、基体表面を光触媒の光励起に応じて
親水性になる光触媒膜の形成方法、及び、前記光触媒膜
が形成された光触媒性親水性部材にする。この構成にお
いて、アミン類及び/または酸類は、それを添加したポ
リシラザンを加熱された水と接触させると50℃以下の
低温で緻密なシリカに転化させる働きをする。この構成
において、ポリシラザンは光触媒粒子同士、光触媒粒子
と基材とを強固に結着する働きを有すると同時に、シリ
カに転化することで暗所親水維持性を増加させる働きも
発現する。この時、光触媒は紫外線の照射により表面の
親水性を高めると同時に、その酸化作用によりポリシラ
ザンをシリカに転化させ、速やかに高度な親水性膜に変
化させる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的構成につい
て図に基づいて説明する。図1に本発明による光触媒性
親水性部材の一実施例を示す。図1における光触媒性親
水性部材は、基材上に光触媒粒子とペルヒドロポリシラ
ザン又はシリカからなる光触媒性親水性被膜層を備えて
いる。
【0011】ここで、本発明におけるポリシラザンは、
分子内に少なくともSi−H結合、あるいはN-H結合
を有するポリシラザンであればよく、ポリシラザン単独
はもちろんのこと、硬化後の膜の機械的強度や光触媒の
有機物分解による劣化による問題がない限り、ポリシラ
ザンと他ポリマーとの共重合体やポリシラザンと他の化
合物との混合物でも利用できる。用いるポリシラザンに
は、鎖状、環状、あるいは架橋構造を有するもの、ある
いは分子内にこれら複数の構造を同時に有するものがあ
り、これら単独でもあるいは混合物でも利用できる。
【0012】また、本発明におけるポリシラザンは、市
販のものが流用できる。市販されているものとして、東
燃株式会社のペルヒドロポリシラザンN−D510やN
−D820などがある。
【0013】加熱された水との接触とは、加熱蒸気との
反応、熱水との反応のいずれをもさす。加熱条件は50
℃以上であればよく、望ましくは60℃以上である。
【0014】本発明において、光触媒粒子は光半導体で
ある。好適に用いられる酸化チタンを例に取ると、その
結晶の伝導帯と価電子帯との間のエネルギ−ギャップで
ある3.2eVよりも大きなエネルギ−(すなわち39
0nmよりも短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成し、4価のチタンは3価になり、それ
に伴い表面に酸素空孔を生じる。その酸素空孔に水が化
学吸着し、さらに物理吸着することで、表面は高度に親
水化されるに至る。
【0015】本発明における光触媒性親水性コーティン
グ組成物において、ポリシラザンと光触媒粒子の重量混
合比率は、ポリシラザンに対して光触媒が同量以上、好
ましくはポリシラザンに対して光触媒が2倍以上、より
好ましくはポリシラザンに対して光触媒が4倍以上の場
合に好適な親水性を示す。硬化後の光触媒膜の硬度、耐
久性などを良いものにするためには、ポリシラザンに対
して光触媒が10倍以下になるように抑えるのが望まし
い。このように所定の量の光触媒粒子を混合すること
で、紫外線照射による水との接触角低下(親水化)を示す
と同時に、一度親水化したものは紫外線がない状態でも
高度の親水化状態を比較例に比べて長時間維持できる。
また、酸化チタンを混合することで、酸化チタンの働き
により混合したポリシラザンからシリカへの転化を大き
く促進し、速やかに高度な親水性膜に変化させる。
【0016】本発明における親水性とは、水との接触角
に換算して30゜以下、好ましくは10゜以下、より好
ましくは5゜以下の水濡れ性を呈する状態をいう。部材
表面が水との接触角に換算して10゜以下の状態であれ
ば、空気中の湿分や湯気が結露しても、凝縮水が個々の
水滴を形成せずに一様な水膜になる傾向が顕著になる。
従って、表面に光散乱性の曇りを生じない傾向が顕著に
なる。また、部材表面が水との接触角に換算して30゜
以下の状態であれば、窓ガラスや車両用バックミラ−や
車両用風防ガラスや眼鏡レンズやヘルメットのシ−ルド
が降雨や水しぶきを浴びた場合に、離散した目障りな水
滴が形成されずに、高度の視界と可視性を確保し、車両
や交通の安全性を保証し、種々の作業や活動の能率を向
上させる効果が飛躍的に向上する。また、部材表面が水
との接触角に換算して10゜以下、好ましくは5゜以下
の状態であれば、都市煤塵、自動車等の排気ガスに含有
されるカ−ボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シ−ラ
ント溶出成分等の疎水性汚染物質、及び無機粘土質汚染
物質双方が付着しにくく、付着しても降雨や水洗により
簡単に落せる状態になる。
【0017】部材表面が上記高度の親水性を維持できれ
ば、上記防曇効果、水滴形成防止効果、表面清浄化効果
の他、帯電防止効果(ほこり付着防止効果)、断熱効
果、水中での気泡付着防止効果、熱交換器における効率
向上効果、生体親和性効果等が発揮されるようになる。
【0018】本発明が適用可能な基材としては、上記防
曇効果又は水滴形成防止効果を期待する場合には透明な
部材であり、その材質はガラス、プラスチック等が好適
に利用できる。適用可能な基材を用途でいえば、車両用
バックミラ−、浴室用鏡、洗面所用鏡、歯科用鏡、道路
鏡のような鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、写真機レン
ズ、内視鏡レンズ、照明用レンズ、半導体用レンズ、複
写機用レンズのようなレンズ;プリズム;建物や監視塔
の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水
艇、雪上車、ロ−プウエイのゴンドラ、遊園地のゴンド
ラ、宇宙船のような乗物の窓ガラス;自動車、鉄道車
両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、スノ−モ−ビル、
オ−トバイ、ロ−プウエイのゴンドラ、遊園地のゴンド
ラ、宇宙船のような乗物の風防ガラス;防護用ゴ−グ
ル、スポ−ツ用ゴ−グル、防護用マスクのシ−ルド、ス
ポ−ツ用マスクのシ−ルド、ヘルメットのシ−ルド、冷
凍食品陳列ケ−スのガラス;計測機器のカバ−ガラス、
及び上記物品表面に貼付させるためのフィルム等に利用
できる。
【0019】本発明が適用可能な基材としては、上記表
面清浄化効果を期待する場合にはその材質は、例えば、
金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、
セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、それらの組合
せ、それらの積層体が好適に利用できる。適用可能な基
材を用途でいえば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、
窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や
物品の外装、防塵カバ−及び塗装、交通標識、各種表示
装置、広告塔、道路用防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガ
−ドレ−ルの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍
子、太陽電池カバ−、太陽熱温水器集熱カバ−、ビニ−
ルハウス、車両用照明灯のカバ−、住宅設備、便器、浴
槽、洗面台、照明器具、照明カバ−、台所用品、食器、
食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチン
フ−ド、換気扇、及び上記物品表面に貼付させるための
フィルム等に利用できる。
【0020】本発明が適用可能な基材としては、上記帯
電防止効果を期待する場合にはその材質は、例えば、金
属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セ
メント、コンクリ−ト、繊維、布帛、それらの組合せ、
それらの積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を
用途でいえば、ブラウン管、磁気記録メディア、光記録
メディア、光磁気記録メディア、オ−ディオテ−プ、ビ
デオテ−プ、アナログレコ−ド、家庭用電気製品のハウ
ジングや部品や外装及び塗装、OA機器製品のハウジン
グや部品や外装及び塗装、建材、建物外装、建物内装、
窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械
装置や物品の外装、防塵カバ−及び塗装、及び上記物品
表面に貼付させるためのフィルム等に利用できる。
【0021】本発明による組成物は、その表面を親水性
又は防曇性としたい部材の表面に適用され、その後乾燥
又は硬化されて薄膜とされる。
【0022】部材表面に塗膜により形成される表面層の
膜厚は、0.4μm以下にするのが好ましい。そうすれ
ば、光の乱反射による白濁を防止することができ、表面
層は実質的に透明となる。さらに表面層の膜厚を、0.
2μm以下にすると一層好ましい。そうすれば、光の干
渉による表面層の発色を防止することができる。また表
面層が薄ければ薄いほどその透明度は向上する。更に、
膜厚を薄くすれば、表面層の耐摩耗性が向上する。この
ような薄膜を形成するためには、本発明による組成物を
部材表面に0.0001〜20mg/cm2程度適用す
るのが好ましく、より好ましくは0.0005〜1mg
/cm2程度の範囲である。
【0023】本発明による組成物の部材表面への適用方
法は適宜選択されてよいが、例えばスプレ−コ−ティン
グ法、ディップコ−ティング法、フロ−コ−ティング
法、スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティング法、刷
毛塗り、スポンジ塗り等の方法が好適に利用できる。
【0024】上記方法で部材表面に薄膜を形成すると、
部材表面は光半導体であるブルッカイト型酸化チタンの
光励起に応じて親水性を呈するようになる。ここで、光
半導体の光励起により、基材表面が高度に親水化される
ためには、励起光の照度は0.001mW/cm2以上
あればよいが、0.01mW/cm2以上だと好まし
く、0.1mW/cm2以上だとより好ましい。光源と
しては、太陽光、室内照明、蛍光灯、水銀灯、白熱電
灯、キセノンランプ、高圧ナトリウムランプ、メタルハ
ライドランプ、BLBランプ、殺菌灯等が好適に利用で
きる。但し膜厚0.1μm以下の薄膜にした場合には、
薄膜においても吸収性のよい250〜350nm程度
(好ましくは300〜350nm程度)の短波長光が多
く含まれるのが好ましい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0026】親水性の評価方法 親水性は、試料を室内に放置して、所定時間に純水との
接触角を測定することによって評価した。協和界面科学
社製接触角計CA−X150で、純水との接触角を三点
測定し、その平均値を試料の接触角とした。
【0027】比較例 東燃(株)のペルヒドロポリシラザン溶液N−D810
を72×56×1.3(mm)のスライドガラスにフロ
ーコート法によって塗布した。塗布後、約10分ほど自
然乾燥させた。100mlビーカーに、水面がビーカー
の縁から1cm下になるまで蒸留水を入れた後、加熱し
て沸騰させた。試料を、蒸気が当たる様に塗布面を下に
むけて沸騰している水面から1cm離した位置で、5分
曝露して比較例を得た。曝露前の水との接触角は、9
0.5°だったが、曝露後は3.7°まで低下した。曝
露後の鉛筆硬度は7Hだった。それらを室内に240時
間放置したところ接触角は、7.8°であった。さら
に、456時間まで放置すると、接触角が23.5°に
上昇した。
【0028】実施例1 東燃(株)のペルヒドロポリシラザン溶液N−D810
に光触媒用の酸化チタン粉末を重量比にしてポリシラザ
ンの4倍量混合したものを72×56×1.3(mm)
のスライドガラスにフローコート法によって塗布した。
塗布後、約10分ほど自然乾燥させた。この試料を10
0mlビーカーに、水面がビーカーの縁から1cm下に
なるまで蒸留水を入れた後、加熱して沸騰させた。試料
を、蒸気が当たる様に塗布面を下にむけて沸騰している
水面から1cm離した位置で、5分曝露して実施例1の
サンプル(#1)を得た。曝露前の水との接触角は、8
8.1°だったが、曝露後は57.6°まで低下した。
曝露後の鉛筆硬度は7Hであった。この#1に、20W
のブラックライトブルー(BLB)蛍光灯を使って、365n
mにおける紫外線照度1mW/cm2の紫外線を照射した
ところ、4時間照射後に、接触角は5.1°まで低下し
た。さらに、48時間まで照射すると接触角は0゜にな
った。紫外線の照射をやめ、#1を光の当たらない室内
に240時間放置したところ接触角は、6.8°であっ
た。さらに、504時間まで放置しても、接触角は9.
8°であった。
【0029】実施例2 東燃(株)のペルヒドロポリシラザン溶液N−D810
に光触媒用の酸化チタン粉末を重量比にしてポリシラザ
ンの4倍量混合したものを50×50×1.3(mm)
のアクリル板にフローコート法によって塗布した。塗布
後、約10分ほど自然乾燥させて、実施例2のサンプル
(#2)を得た。このサンプルの鉛筆硬度は7Hであっ
た。この#2に、20Wのブラックライトブルー(BLB)蛍
光灯を使って、365nmにおける紫外線照度1mW/c
2の紫外線を照射したところ、24時間照射後に、接
触角は4.1°まで低下した。この#2についてIR(赤
外吸収)スペクトルを測定したところ、波数(cm-1
1100付近のSi-Oに基づく吸収が確認された。この
時、#2と同様の方法で作製し、紫外線を照射しなかっ
たサンプルのIRスペクトルでは、Si-Oに基づく吸収は確
認されなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ポリシラザンをバイン
ダーに用いることで、ポリシラザンがアルコキシドに比
べて短時間で、より体積収縮の少ない状態で硬化するた
めに、基板表面に短時間で強固な光触媒性親水性膜を形
成することが可能になる。このことから、より短時間で
硬化して欠陥を作らない光触媒性親水性コーティング組
成物;より短時間で硬化して欠陥を作らない光触媒性親
水性膜の形成方法;及びより欠陥がなく、より曇り防止
性に優れた光触媒性親水性部材、より汚染物質が付着し
にくく、かつ降雨、水洗による清浄性に優れた光触媒性
親水性部材を提供できる。また、別の効果として、ポリ
シラザンは硬化後に水または酸素と反応してシリカに転
化することで暗所親水維持性を増加させる働きも発現す
る。光触媒は紫外線の照射により表面の親水性を高める
と同時に、その酸化作用によりポリシラザンからシリカ
への転化を促進し、速やかに高度な親水性膜に変化させ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 L 183/16 183/16 C09K 3/18 C09K 3/18 Fターム(参考) 4D075 BB26Z CA22 CA37 DA06 DB02 DB12 DB13 DB14 DB31 EA02 EA06 EC02 EC07 EC30 4H020 AA01 AB02 BA31 4J038 DL001 HA216 KA04 KA20 NA06 PA17 PA19 PB02 PB05 PB07 PC02 PC03 PC04 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面を親水化するためのコーティン
    グ組成物であって、光触媒粒子及びポリシラザンまたは
    その変成物と溶媒からなることを特徴とする光触媒性親
    水性コーティング組成物。
  2. 【請求項2】 前記光触媒性親水性コーティング組成物
    は、更に、アミン類及び/または酸類を含有することを
    特徴とする請求項1に記載の光触媒性親水性コーティン
    グ組成物
  3. 【請求項3】 前記光触媒粒子が、酸化チタン粒子であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触媒性親
    水性コーティング組成物
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の光触媒性親水性コ
    ーティング組成物を基材に塗布することにより光触媒膜
    を形成することを特徴とする光触媒性親水性膜の形成方
  5. 【請求項5】 請求項1〜3に記載の光触媒性親水性コ
    ーティング組成物を基材に塗布した後に、加熱された水
    と接触させることにより光触媒膜を形成することを特徴
    とする光触媒性親水性膜の形成方法
  6. 【請求項6】 請求項1〜3に記載の光触媒性親水性
    コーティング組成物を基材に塗布した後に、紫外線を照
    射することにより光触媒膜を形成することを特徴とする
    光触媒性親水性膜の形成方法
  7. 【請求項7】 請求項4〜6に記載の光触媒性親水性膜
    の形成方法を用いて、基材表面に光触媒層を形成したこ
    とを特徴とする光触媒性親水性部材
  8. 【請求項8】 前記基材が、ガラス、金属、セメント、
    壁紙、石材、セラミックス、塗装鋼板、樹脂、それらの
    組み合わせ、及びそれらの積層体からなる群から選ばれ
    た1種の材料のであることを特徴とする請求項7に記載
    の表面修飾部材
JP10367729A 1998-12-24 1998-12-24 光触媒性親水性コーティング組成物、光触媒性親水性膜の形成方法、及び、光触媒性親水性部材 Pending JP2000191960A (ja)

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